JP7083325B2 - 中間ビーム式サスペンション - Google Patents

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Description

本発明は、中間ビーム式サスペンションに関し、特に、中間ビーム式サスペンションにおける中間ビームとトレーリングアームとの結合部の補強部材に関する。
自動車の中間ビーム式サスペンションは、従来、車幅方向に間隔をおいて配置された一対のトレーリングアームと、前記一対のトレーリングアームの間に設けられて結合された中間ビームとを備え、それぞれが車輪に接続されたトレーリングアームの上下動を中間ビームのねじれにより許容する構造となっている。
中間ビーム式サスペンションにおいて、トレーリングアームと中間ビームとは、一般的にアーク溶接により結合され、特許文献1に示すように、トレーリングアームと樋状の中間ビームとの結合部に補強部材を溶接して、結合強度を高めることにより補強したものがある。しかし、補強部材を溶接したものは、補強部材の溶接部において応力集中が問題となることがある。
そのような応力集中を緩和すべく、二股に分かれるように延在した板状部材を補強部材として、樋状の中間ビームの内部に配置し、補強部材の基端部をトレーリングアームに溶接し、二股に分かれた先端付近の両外側を樋状の中間ビームの内面に溶接して接合するものもある。この補強部材では、先端側が二股に分かれるより応力を分散することができる。
このような二股の補強部材では、一般的に、二股形状の先端部の応力が高くなるため、先端部を先端ほど細くなる先細り形状として、先端の応力低減を図られている。また、溶接終端を先端側とすることにより、疲労寿命の延長が図られている。
特開2001-39135号公報
しかしながら、上述した従来技術において採用されている二股状の補強部材は、中間ビームに対して捻れ方向への応力が作用すると、補強部材の先端部分において破断等の問題が発生しやすくなるという問題があった。
このような課題を解決すべく、本発明は、中間ビームに対して捻れ方向への応力が作用したとしても、補強部材の先端部分において破断等の問題が発生しにくい中間ビーム式サスペンションの提供を目的とした。
上述した課題を解決すべく本発明者らが鋭意検討したところ、周部の一部に開放部を有し、開放部に対向する位置にある頂部に向けて屈曲あるいは湾曲した断面形状を有する中間ビームを採用した場合には、開放端側から頂部側に近づくほど、中間ビームに対してねじれ方向への応力が作用した際に、中間ビームと補強部材との接合部分に作用する応力が小さくなる傾向にあることを見いだした。
(1)かかる知見に基づいて提供される本発明の中間ビーム式サスペンションは、車両の幅方向に間隔をおいて配置される一対のトレーリングアームと、前記車両の幅方向に延在し、延在方向の両端で前記トレーリングアームに結合する中間ビームと、前記トレーリングアームと前記中間ビームとが結合する結合部を補強する補強部材とを備えるものであって、前記中間ビームが、周部の一部に開放部を有し、前記開放部に対向する位置にある頂部に向けて屈曲あるいは湾曲した断面形状を有するものであり、前記補強部材が、基端部から先端部に向けて二股に分かれるように延びる二股部を有し、前記中間ビームの内側に配され、前記二股部の両外側の一部又は全部が前記中間ビームの内周面に対して接合されると共に、前記トレーリングアームに対して前記基端部が接合されたものであり、前記二股部の先端部が、前記中間ビームの前記頂部に向けて屈曲していることを特徴とするものである。
本発明の中間ビーム式サスペンションは、補強部材における二股部の先端部が、前記中間ビームの前記頂部に向けて屈曲したものとされている。そのため、中間ビーム式サスペンションは、中間ビームに対して捻れ方向への応力が作用したとしても、補強部材の先端部において応力が集中しにくい構造とされている。従って、本発明によれば、中間ビームに対して捻れ方向への応力が作用したとしても、補強部材の先端部分において破断等の問題が発生しにくい中間ビーム式サスペンションを提供できる。
ここで、上述した中間ビーム式サスペンションにおいて、例えば中間ビームを長手方向中間部においてしならせつつ、端部におけるトレーリングアームに対する結合強度を向上させる等の目的を果たすべく、中間ビームの開放部から頂部に至る中間領域の長さ(高さ)を、中間ビームの長手方向中間部と両端部とで相違させた構成とすることが好ましい場合がある。このような構成とする場合、中間ビームの長手方向中間部に、中間ビームの開放部から頂部に至る中間領域の長さ(高さ)が変化する変化領域を設けた構成とすることが考えられる。このような構成とした場合、中間ビームの断面係数が変化領域において変化する。
上述したような構成とする場合、一般的には、変化領域の長さ(中間ビームの長手方向への長さ)を短くすると、変化領域の中途に剛性断点が形成される可能性がある。そのため、変化領域の中途に剛性断点が形成されるのを抑制するためには、例えば、図6において二点鎖線や符号200で示したように、変化領域の長さを中間ビームの長手方向に長めにとりつつ、中間ビームの開放部から頂部に至る中間領域の長さ(高さ)を徐々に変化させた構成とするのが一般的である。しかしながら、変化領域の長さが中間ビームの長手方向に長くなるほど、例えば中間ビームの重量が増加したり、材料費が増加したりする等の課題を誘発する懸念がある。
ここで、上述したように中間ビームに対して補強部材を設ける場合は、補強部材が配された部分において断面係数が大きくなり、剛性の向上に貢献できる。
(2)かかる知見に基づけば、上述した中間ビーム式サスペンションは、前記中間ビームが、前記開放部から前記頂部に至る中間領域に、前記開放部側から前記頂部側に向けて立設された側部と、前記側部から前記頂部に向けて屈曲した中間部とを有すると共に、前記側部と前記中間部との境界部に、前記中間ビームの内側から外側に向けて膨出した膨出部を有するものであり、前記側部が、前記中間ビームの長手方向中間部において、前記開放部側から前記頂部側に向かう方向への長さが変化する変化領域を有するものであり、前記膨出部が、前記変化領域に形成されると共に、前記側部に沿って前記頂部側に延長した位置まで膨出するように形成されたものであり、前記補強部材が、前記中間ビームの内側において前記二股部の先端部が前記膨出部に到達するように配されているものであると良い。
上述したように、中間ビームの開放部から頂部に至る中間領域に側部及び中間部を設ける場合において、側部と中間部との境界部に中間ビームの内側から外側に向けて膨出した膨出部を設けると共に、膨出部に補強部材をなす二股部の先端部を到達させた構成とすることにより、中間ビームの変化領域の長さを、中間ビームの長手方向に短くしても、剛性断点が形成されるのを抑制できる。具体的には、上述した構成によれば、中間ビームの変化領域における断面係数の低下を、変化領域に対応する位置に設けられた膨出部まで補強部材の先端部を到達させることによる断面係数の向上により補うことができる。従って、上述した構成によれば、中間ビームの変化領域の長さを、中間ビームの長手方向に短くしつつ、剛性断点が形成されるのを抑制できる。
また、上述した構成によれば、中間ビームの変化領域の長さを、中間ビームの長手方向に短くすることができる。これにより、例えば中間ビームの軽量化や、材料費の抑制等の効果が期待できる。
また、上述したような膨出部を設ければ、補強部材をなす二股部の先端部を膨出部内に配置可能であり、補強部材の取り付け作業が容易になる。
さらに、上述した構成によれば、中間ビームの開放部から頂部に至る中間領域の長さ(高さ)を、各部において最適化できる。具体的には、例えば、トレーリングアームとの接合強度を確保するために十分な大きさとしつつ、長手方向中間部において適度に中間ビームがしなるように中間領域の長さ(高さ)を最適化することができる。
(3)上述した中間ビーム式サスペンションは、前記二股部と前記中間ビームとの接合部分の終端部が、前記先端部の端から基端側に所定の寸法だけ外れた位置にあると良い。
かかる構成によれば、補強部材の先端部分が応力集中により破断等する可能性をより一層低減できる。
(4)上述した中間ビーム式サスペンションは、前記中間ビームの断面形状が、開放端側から直線状に延びる側部と、前記側部に対して前記頂部側に続く中間部とを有し、前記側部と前記中間部との境界において屈曲したものであると良い。
本発明によれば、上述したように屈曲した断面形状を有する中間ビームにおいても、補強部材の先端部分において破断等の問題が発生しにくい中間ビーム式サスペンションを提供できる。
ここで、本発明者らが鋭意検討したところ、中間ビームが側部と中間部との境界において屈曲した断面形状とされたものである場合、側部は、中間ビームに対して捻れ応力が作用したとしても応力が集中しにくいとの知見を得た。
(5)かかる知見に基づけば、上述した(4)の中間ビーム式サスペンションは、前記二股部と前記中間ビームとが、前記側部において接合されているものであると良い。
かかる構成によれば、中間ビームに対して捻れ応力が作用したとしても、補強部材の先端部分における破断等の問題がより一層発生しにくい中間ビーム式サスペンションを提供できる。
(6)上述した中間ビーム式サスペンションは、前記中間ビームの断面形状が、ハット状、コ字状、U字状、あるいは円弧状であると良い。
本発明によれば、中間ビームに対して捻れ方向への応力が作用したとしても、補強部材の先端部分において破断等の問題が発生しにくい中間ビーム式サスペンションを提供できる。
本発明の第一実施形態に係る中間ビーム式サスペンションの斜視図である。 (a)は溶接前における補強部材の平面図、(b)は補強部材の側面図である。 中間ビームに対して補強部材を取り付けた状態を示す側面図である。 中間ビームに対して補強部材を取り付けた状態を示す断面図である。 図1に示す中間ビーム式サスペンションの中間ビームとトレーリングアームとの結合部を示す図であり、(a)は側断面図、(b)は底面図を示す。 本発明の第二実施形態に係る中間ビーム式サスペンションの要部を拡大して示した側面図である。 図6に示した中間ビーム式サスペンションの要部を拡大した斜視図である。 図7のA-A断面図である。 (a),(b)はそれぞれ、膨出部の変形例を示した斜視図である。
≪第一実施形態≫
本発明の実施形態に係る中間ビーム式サスペンション1について、図面を参照して説明する。
中間ビーム式サスペンション1は、前輪駆動の自動車の後輪側に設けられ、後輪が取り付けられる各トレーリングアーム10の上下動を、中間ビーム20のねじれにより許容する構造となっている。
図1に示すように、中間ビーム式サスペンション1は、車体(図示せず)の幅方向(左右方向)に間隔をおいて配置される一対のトレーリングアーム10と、車両の幅方向に直線状に延在し、延在方向の両端でトレーリングアーム10に結合する中間ビーム20と、トレーリングアーム10と中間ビーム20とが結合する結合部を補強する補強部材30(図2等参照)とを備える。
トレーリングアーム10は、車体の前方側に弾性部材である管状ブッシュが圧入されるブッシュ圧入部11を備えている。ブッシュ圧入部11は、ブラケット(図示せず)や固定ボルト(図示せず)を介して車体に揺動可能に取り付けられている。また、トレーリングアーム10は、車体の後方側に、スプリング(図示せず)、ショックアブソーバ(図示せず)を介して車体に懸架されている。さらに、トレーリングアーム10の一端側は、車軸12を介して後輪(図示せず)を回転可能に支持する。
トレーリングアーム10は、中空状とされており、左右一対で対称の形状になるように形成されている。
図3に示すように、中間ビーム20は、板状部材が折り曲げられ、周部の一部に開放部21を有し、開放部21に対向する位置にある頂部22に向けて屈曲した断面形状を有するものとされている。具体的には、中間ビーム20は、略ハット状の形状とされている。さらに詳細には、中間ビーム20は、頂部22を介して略対称の断面形状をなすように形成されている。すなわち、中間ビーム20の断面形状は、頂部22に対して両側方に、側部24,24、中間部26,26、及びフランジ部28を有し、それぞれの部位が略対称となるように形成されている。
側部24は、開放部21側の端部(開放端21a)から頂部22側に向けて立設され、直線状に延びる面をなす部分である。中間部26は、側部24に対して頂部22側に続く部分である。中間部26は、第一境界部23を介し、側部24に対して90度未満の所定の角度で屈曲している。また、中間部26は、第二境界部25を介し、頂部22に対して内角が90度を越える所定の角度で屈曲している。フランジ部28は、第三境界部27を介し、側部24に対して所定の角度をなし、中間ビーム20の外側に向けて屈曲している。
図4や図5に示すように、中間ビーム20は、開放部21が下側に向いた状態とされ、車体に取り付けられている。中間ビーム20の両端とトレーリングアーム10とは、溶接等により形成された結合部において結合されている。
補強部材30は、中間ビーム20と各トレーリングアーム10との結合部を補強する補強構造(図4及び図5参照)をなすための部材である。補強部材30は、例えばプレス加工等の加工を板材に施すことにより形成される。
図2(a)に示すように、補強部材30は、基端部34から先端に向けて二股状に分かれるように延びる二股部31を有する。補強部材30は、矩形の板状体の長手方向(延在方向)の先端側において、幅方向(短手方向)の略中央部を切り欠くなどして形成することができる。このようにして、補強部材30には、長手方向の先端側において、幅方向に二股に分かれた二股部31が形成されている。
図2(b)に示すように、補強部材30は、長手方向中間部において補強部材30をなす板材の厚み方向一方側に向けて屈曲した中間屈曲部35を有する。また、図2(a),(b)に示すように、補強部材30は、二股部31をなす両方の先端部32,32の最先端部33、33に先端屈曲部36,36を有する。先端屈曲部36,36は、それぞれ同一方向(頂部22の方向)に向けて屈曲するように形成されている。
図4及び図5に示すように、補強部材30は、基端部34がトレーリングアーム10側に向き、先端部が中間ビーム20の延伸方向中央側に向く姿勢とされ、中間ビーム20の内側において延在方向と同じ方向に二股部31が延びるように設置される。
図4に示すように、補強部材30は、結合部付近において、基端部34をトレーリングアーム10に溶接することにより接合されている。また、図4において太線で示すように、補強部材30は、二股部の先端部の外側を中間ビーム20のハット状に形成された部分の内側に溶接して接合されている。補強部材30は、樋状に形成された中間ビーム20の開放部21の近傍、すなわち中間ビーム20の下側に接合されている。また、図3及び図4に示すように、補強部材30は、中間ビーム20の内部空間に内挿されているスタビライザーバー40よりも下方側において接合されている。
具体的には、図4に示すように、補強部材30は、基端部34がトレーリングアーム10側を向くと共に、基端部34から先端屈曲部36に向かうに連れて頂部22側に向けて屈曲する姿勢とされ、中間ビーム20内に配置されている。補強部材30は、基端部34が中間ビーム20の開放端21a側において中間ビーム20の側部24,24及びトレーリングアーム10に対して接合される。また、補強部材30は、長手方向中間部において二股部31の両外側が側部24,24に対して接合される。補強部材30は、先端部32,32が第一境界部23の近傍に到達している。補強部材30は、最先端部33,33(先端部の端)まで中間ビーム20に対して接合されるのではなく、最先端部33,33から頂部22側に所定の寸法だけ外れた位置が接合部分の終端とされている。
上述したように、本実施形態の中間ビーム式サスペンション1は、補強部材30における二股部31の先端部32が、中間ビーム20の頂部22に向けて屈曲したものとされている。そのため、上述した中間ビーム式サスペンション1は、中間ビーム20に対して捻れ方向への応力が作用したとしても、補強部材30の先端部32において応力が集中しにくい。従って、中間ビーム式サスペンション1は、車両の走行等に伴って中間ビーム20に対して捻れ方向への応力が作用したとしても、補強部材30の先端部32の溶接境界部において破断等の問題が発生しにくい。
なお、本実施形態においては、中間ビーム20として断面形状が略ハット型の形状のものを用いた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、中間ビーム20は、周部の一部に開放部21を有し、開放部21に対向する位置にある頂部22に向けて屈曲あるいは湾曲した断面形状を有するものであれば、いかなる形状であっても良い。さらに具体的には、中間ビーム20は、断面形状がハット状、コ字状、U字状、あるいは円弧状のもの等、適宜の形状のものであっても良い。また、中間ビーム20は、必ずしも開放部21が下方側に向けて開放するように取り付けられたものである必要はなく、例えば車両前方側や車両後方側に向けて開放部21が開放するように取り付けられたものであっても良い。また、中間ビーム20は、上記実施形態で示したもののように、断面形状が対称な形状のものに限定されず、断面形状が非対称な形状のものであっても良い。
上述したように、本実施形態の中間ビーム式サスペンション1は、二股部31と中間ビーム20との接合部分の終端部が、先端部32の端から基端側に所定の寸法だけ外れた位置にある。このような構成とされていることにより、中間ビーム式サスペンション1は、補強部材30の先端部32が応力集中により破断等する可能性をより一層低減できる。なお、本実施形態では、先端部32の端まで補強部材30を中間ビーム20に対して接合するのではなく、先端部32から所定の寸法だけあえて補強部材30を接合しない部分を設けた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、先端部32の端まで中間ビーム20に対して接合しても良い。
また、本実施形態の中間ビーム式サスペンション1では、補強部材30の最先端部33近傍において中間ビーム20に対して非接合とされている部分を除き、他の部分の略全体において補強部材30を中間ビーム20に対して接合した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、補強部材30の最先端部33近傍以外にも、補強部材30を中間ビーム20に対して接合していない部分を設けても良い。
上述したように、中間ビーム式サスペンション1においては、中間ビーム20が側部24と中間部26との境界をなす第一境界部23において屈曲したものとされており、二股部31と中間ビーム20とが、側部24において接合されている。また、中間ビーム20は、開放端21a側の第三境界部27を介して、側部24とフランジ部28との間で屈曲している。ここで、中間ビーム20に対して捻れ応力が作用したとき、第三境界部27において大きな応力が作用し、これに次いで第一境界部23において大きな応力が作用するが、第一境界部23及び第三境界部27の間にある側部24においては応力が比較的小さい。本実施形態の中間ビーム式サスペンション1では、第一境界部23及び第三境界部27を回避し、側部24に対して補強部材30を接合している。そのため、中間ビーム式サスペンション1においては、中間ビーム20に対して捻れ応力が作用したとしても、補強部材30の先端部32をはじめ、各部において破断等の問題がより一層発生しにくい。
本実施形態において、溶接は、いわゆるアーク溶接を想定して説明してきた。しかし、強度が得られれば、他の方法によって溶接されてもよい。
本実施形態において、中間ビーム式サスペンション1は、前輪駆動車の後輪に適用される例を説明した。しかし、中間ビーム式サスペンションは、4輪駆動車の後輪に使用されてもよいし、他の駆動方式の自動車や、前輪に用いられてもよい。
本実施形態において、二股部はU字状に形成されている。しかし、二股部は応力を分散できれば、V字状や他の形状であってもよい。
≪第二実施形態≫
続いて、第二実施形態に係る中間ビーム式サスペンション100について、図6~図9等を参照しつつ詳細に説明する。なお、第二実施形態に係る中間ビーム式サスペンション100は、第一実施形態に係る中間ビーム式サスペンション1と略同一の構成とされているため、同様の構成を有する部分については同一の符号を付し、詳細の説明については省略する。
中間ビーム式サスペンション100は、第一実施形態に係る中間ビーム式サスペンション1と略同一の構成とされている。すなわち、中間ビーム式サスペンション100は、車体(図示せず)の幅方向(左右方向)に間隔をおいて配置される一対のトレーリングアーム10、10の間に、中間ビーム120を配し、その両端部分においてトレーリングアーム10,10に結合させると共に、トレーリングアーム10,10と中間ビーム20との結合部を補強部材30,30で補強したものである(中間ビーム120の軸線方向に対称のため、図6では一方側のみを図示)。中間ビーム式サスペンション100は、第一実施形態の中間ビーム20とは一部の構成が異なる中間ビーム120を用いており、中間ビーム120に対する補強部材30の配置も一部が第一実施形態とは相違している。以下、中間ビーム120の構成について、中間ビーム20と比較しつつ説明すると共に、中間ビーム120に対する補強部材30の配置について説明する。
図7に示すように、中間ビーム120は、板状部材が折り曲げられ、周部の一部に開放部21を有し、開放部21に対向する位置にある頂部22に向けて屈曲した断面形状を有するものとされている。中間ビーム120は、開放部21から頂部22に至る中間領域に、側部24と中間部26を有する。また、中間ビーム120は、開放部21側にフランジ部28を有する。また、中間ビーム120は、第一境界部23を介して中間部26が側部24に対して90度未満の所定の角度で屈曲しており、第二境界部25を介して中間部26が頂部22に対して内角が90度を越える所定の角度で屈曲したものとされている。また、フランジ部28は、第三境界部27を介し、中間ビーム20の外側に向けて屈曲するように形成されている。これらの構成において、中間ビーム120は、中間ビーム20と同様の構成とされている。
中間ビーム120は、開放部21側から頂部22側に向けて立設された側部24の中途に変化領域122や膨出部124を備えている点において、中間ビーム20と一部、構成が相違している。
具体的には、中間ビーム120は、長手方向両端部において、トレーリングアーム10,10に対して十分な結合強度で結合させつつ、長手中間部分において十分なしなりを発生させるべく、両端部分における側部24の高さH1(開放部21側から頂部22側に向かう方向への長さ)に対し、長手方向中間部における側部24の高さH2が低くなる形状とされている。このような形状とすべく、中間ビーム120は、側部24の高さが変化する変化領域122,122を長手方向中間部において、長手方向に略対称に設けている。
膨出部124は、側部24と中間部26との境界部に設けられている。膨出部124についても、中間ビーム120の長手方向中間部において、長手方向に略対称に設けている。具体的には、膨出部124は、上述した変化領域122に相当する位置に形成されている。また、図7や図8に示すように、膨出部124は、中間ビーム120の内側から外側に向けて膨出している。膨出部124は、側部24に沿って頂部22側に延長した位置まで膨出している。これにより、中間ビーム120は、膨出部124が設けられた部分において、第一境界部23が側部24よりも頂部側に屈曲した形状とされている。また、膨出部124が設けられた部分において、中間部26が中間ビーム120の外側(図示例では上側)に向けて膨出している。
補強部材30は、上記第一実施形態と同様に、基端部34がトレーリングアーム10側に向き、先端部が中間ビーム120の延伸方向中央側に向く姿勢とされ、中間ビーム120の内側において延在方向と同じ方向に二股部31が延びるように設置され、基端部34が溶接によりトレーリングアーム10に接合されている。また、補強部材30は、二股部の先端部の外側を中間ビーム120の内側に溶接して接合されている点や、スタビライザーバー40よりも下方側において接合されている点においても、第一実施形態と同様の構成とされている。
図6や図7に示すように、第二実施形態においては、補強部材30は、先端部32の端(最先端部33)が膨出部124内に入るように配置されている。補強部材30は、最先端部33まで中間ビーム20に対して接合されるのではなく、最先端部33よりも所定の寸法だけ手前(基端部34側)の位置が、接合部分の終端とされている。
上述したように、第二実施形態の中間ビーム式サスペンション100においては、側部24と中間部26との境界部に中間ビーム120の内側から外側に向けて膨出した膨出部124を設けると共に、膨出部124に補強部材30をなす二股部31の先端部32を到達させた構成とされている。このような構成とされているため、中間ビーム式サスペンション100では、中間ビーム120の変化領域122の長さLを、図6において二点鎖線及び符号200で示した比較例のように長くとらず、中間ビーム120の長手方向に短くしても、剛性断点が形成されるのを抑制できる。
すなわち、中間ビーム120に変化領域122のように側部24の高さが変化する部分を設けた場合、変化領域122において断面係数が低下する。しかしながら、中間ビーム式サスペンション100では、変化領域122に対応する位置に膨出部124を設けると共に、膨出部124まで補強部材30の先端部32を到達させることにより、断面係数の向上が図られている。従って、中間ビーム式サスペンション100によれば、中間ビーム120の変化領域122の長さを、中間ビーム120の長手方向に短くしつつ、剛性断点が形成されるのを抑制できる。
また、中間ビーム式サスペンション100のような構成とした場合、中間ビーム120の変化領域122の長さLを短くすることができるため、その分だけ中間ビーム120の軽量化や、材料費の抑制等の効果が期待できる。また、上述した構成によれば、中間ビーム120の開放部21から頂部22に至る中間領域の長さ(高さ)を、各部において最適化し、トレーリングアーム10との接合強度を確保しつつ、長手方向中間部において適度に中間ビーム120がしなるような構成とすることができる。
また、上述したような膨出部124を設ければ、補強部材30をなす二股部31の先端部32を膨出部124内に配置可能であり、補強部材30の取り付け作業が容易になる。なお、中間ビーム式サスペンション100のような構成とする場合には、先端部32は、中間ビーム120の中間部26において膨出部124をなすように外側に向けて膨出することにより形成された面(膨出面126)に沿うように配置されると良い。
なお、第二実施形態に係る中間ビーム式サスペンション100は、本発明の一実施形態を例示したものに過ぎない。具体的には、例えば、図9に示す例においては、膨出部124を略三角錐状の外観形状となるように膨出させた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図9(a),(b)等に示す膨出部130,132のような形状に膨出したものであっても良い。
また、上記第一実施形態で示した中間ビーム20と同様に、中間ビーム120は、断面形状が略ハット型のものに限らず、コ字状、U字状、あるいは円弧状のもの等、適宜の形状のものであっても良い。また、中間ビーム120は、必ずしも開放部21が下方側に向けて開放するように取り付けられたものである必要はなく、例えば車両前方側や車両後方側に向けて開放部21が開放するように取り付けられたものであっても良い。また、中間ビーム20は、上記実施形態で示したもののように、断面形状が対称な形状のものに限定されず、断面形状が非対称な形状のものであっても良い。
また、本実施形態では、先端部32の端まで補強部材30を中間ビーム120に対して接合するのではなく、先端部32から所定の寸法だけ補強部材30を接合しない部分を設けた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、先端部32の端まで中間ビーム120に対して接合しても良い。
本実施形態においても、第一実施形態と同様に、中間ビーム120と補強部材30との結合箇所、中間ビーム120とトレーリングアーム10との結合箇所等をアーク溶接により結合させた例を説明してきたが、強度が得られれるのであれば、これらの結合箇所の一部又は全部を他の方法によって溶接等されてもよい。
本実施形態において例示した中間ビーム式サスペンション100は、第一実施形態と同様に、前輪駆動車の後輪、4輪駆動車の後輪、他の駆動方式の自動車や、前輪に用いられてもよい。
本実施形態において、補強部材30の二股部31はU字状に形成されているが、二股部31は応力分散効果等が得られるのであれば、V字状や他の形状であってもよい。
但し、上記各実施形態に示す構成は構成要素の具体例を挙げたものであり、各構成、形
状、又は取り付け態様は本発明の趣旨を逸脱しない限り、実施形態として示すものに限定
されることなく、種々の変形ないし変更が可能である。
本発明は、中間ビーム式サスペンションに利用できる。
1 :中間ビーム式サスペンション
10 :トレーリングアーム
20 :中間ビーム
21 :開放部
21a :開放端
22 :頂部
23 :第一境界部
24 :側部
26 :中間部
30 :補強部材
31 :二股部
32 :先端部
34 :基端部
100 :中間ビーム式サスペンション
120 :中間ビーム
122 :変化領域
124、130,132:膨出部

Claims (2)

  1. 車両の幅方向に間隔をおいて配置される一対のトレーリングアームと、
    前記車両の幅方向に延在し、延在方向の両端で前記トレーリングアームに結合する中間ビームと、
    前記トレーリングアームと前記中間ビームとが結合する結合部を補強する補強部材とを備える中間ビーム式サスペンションであって、
    前記中間ビームが、周部の一部に開放部を有し、前記開放部に対向する位置にある頂部に向けて屈曲あるいは湾曲した断面形状を有し、長手方向中間部において前記開放部側から前記頂部側に向かう方向への長さが変化する変化領域、及び前記変化領域において前記開放部から前記頂部に至る中間領域に内側から外側に向けて膨出した膨出部を有するものであり、
    前記補強部材が、基端部から先端部に向けて二股に分かれるように延びる二股部を有し、前記中間ビームの内側に配され、前記二股部の両外側の一部又は全部が前記中間ビームの内周面に対して接合されると共に、前記トレーリングアームに対して前記基端部が接合されたものであり、
    前記二股部の先端部が、前記中間ビームの前記頂部に向けて屈曲していることを特徴とする中間ビーム式サスペンション。
  2. 車両の幅方向に間隔をおいて配置される一対のトレーリングアームと、
    前記車両の幅方向に延在し、延在方向の両端で前記トレーリングアームに結合する中間ビームと、
    前記トレーリングアームと前記中間ビームとが結合する結合部を補強する補強部材とを備える中間ビーム式サスペンションであって、
    前記中間ビームが、周部の一部に開放部を有し、前記開放部に対向する位置にある頂部に向けて屈曲あるいは湾曲した断面形状を有するものであり、
    前記補強部材が、基端部から先端部に向けて二股に分かれるように延びる二股部を有し、前記中間ビームの内側に配され、前記二股部の両外側の一部又は全部が前記中間ビームの内周面に対して接合されると共に、前記トレーリングアームに対して前記基端部が接合されたものであり、
    前記二股部の先端部が、前記中間ビームの前記頂部に向けて屈曲しており、
    前記中間ビームが、
    前記開放部から前記頂部に至る中間領域に、前記開放部側から前記頂部側に向けて立設された側部と、前記側部から前記頂部に向けて屈曲した中間部とを有すると共に、
    前記側部と前記中間部との境界部に、前記中間ビームの内側から外側に向けて膨出した膨出部を有するものであり、
    前記側部が、
    前記中間ビームの長手方向中間部において、前記開放部側から前記頂部側に向かう方向への長さが変化する変化領域を有するものであり、
    前記膨出部が、
    前記変化領域に形成されると共に、前記側部に沿って前記頂部側に延長した位置まで膨出するように形成されたものであり、
    前記補強部材が、
    前記中間ビームの内側において前記二股部の先端部が前記膨出部に到達するように配されていることを特徴とする請求項1に記載の中間ビーム式サスペンション。
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