JP5960463B2 - 生体内留置用ステントおよび生体器官拡張器具 - Google Patents

生体内留置用ステントおよび生体器官拡張器具 Download PDF

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本発明は、血管、胆管、気管、食道、尿道等の生体内管腔に生じた狭窄部、もしくは閉塞部の改善に使用される生体内留置用ステントおよび生体器官拡張器具に関する。
ステントは、血管あるいはその他の生体内管腔が狭窄もしくは閉塞することによって生じる様々な疾患を治療するために、その狭窄もしくは閉塞部位を拡張し、その内腔を確保するためにそこに留置する一般的には管状の医療用具である。
ステントは、体外から体内に挿入するため、挿入時には直径が小さく、目的の狭窄もしくは閉塞部位で拡張させて直径を大きくし、かつその管腔をそのままで保持する物である。
ステントとしては、金属線材、あるいは金属管を加工した円筒状のものが一般的である。ステントは、カテーテルなどに細くした状態で装着され、生体内に挿入され、目的部位で何らかの方法で拡張させ、その管腔内壁に密着、固定することで管腔形状を維持する。ステントは、機能および留置方法によって、セルフエクスパンダブルステントとバルーンエクスパンダブルステントに区別される。バルーンエクスパンダブルステントはステント自体に拡張機能はなく、バルーンにマウントしたステントを目的部位に挿入した後、バルーンを拡張させ、バルーンの拡張力によりステントを拡張(塑性変形)させ目的管腔の内面に密着させて固定する。このタイプのステントでは、上記のようなステントの拡張作業が必要になる。
そして、血管内治療、特に冠動脈治療に用いられているステントは、バルーンエクスパンドタイプがその大半を占めている。そして、ステントとしては、拡張後の形状を保持できること、いわゆる拡張維持力が高いことが望ましい。
高い拡張維持力を付与するためにロック機構を有する下記のステントが提案されている。
特開平7−531号公報(特許文献1)には、少なくとも1対のオーバーラップ縁部を備えた複数のリングと、少なくとも一方の前記オーバーラップ縁部に設けられた複数の歯とを有し、前記リング第1直径から調節可能な拡大直径に拡大でき、これにより前記歯が相互ロック関係をなして係合し、前記リングを前記拡大直径形態に保持するものとなっているステントが開示されている。
また、特開平10−113397号公報(特許文献2)には、血管中に位置させるステントであって、複数の相互に接続されたチューブ状バンドからなり、前記バンドの少なくとも1個が、第2の端部に重なり、少なくとも収縮形態と完全拡張形態との間で前記バンドを再形成するように前記第2の端部に対して動きうる第1の端部と、前記端部の一方の近傍で第1の縁部に配置された少なくとも1個の受け取り手段と、前記端部の他方の近傍で第1の縁部から突出した第1のタブであって、前記バンドの中心軸に対して概ね垂直の平面に位置した受け取り部分を含み、前記受け取り部分が前記受け取り手段と係合し、前記バンドが収縮形態に向かって戻らないように阻止する形状にされている第1のタブとを含むことを特徴とするステントが開示されている。
また、本件出願人は、特開2009−160098号公報(特許文献3)を提案している。特許文献3のステント1は、軸方向に配列された複数の環状ユニット2と、隣り合う各環状ユニットを連結する連結部3とを備える。環状ユニット2は、ステント1の軸方向に延びる線状リング部4を複数ステントの周方向に備える。各線状リング部は、ステントの拡張時に、周方向に伸張しかつ軸方向に縮小するとともに、ステントの拡張を阻害することなくかつ拡張時にバネ弾性を有する縮径抑制形態に変形し、線状リング部の周方向縮小方向への変形を規制する縮径抑制線状部7を備えている。
特開平7−531号公報 特開平10−113397号公報 特開2009−160098号公報
上記特許文献1および特許文献2のものでは、拡張後の高い拡張維持力が期待できる。しかし、特許文献1のものでは、オーバーラップ部を、特許文献2のものでは、重なり部を有しており、ステント全体として機械的特性が均質なものではなく、血管などの留置部位の変形に対する追従が良好でないとともに、変形しにくい方向を持つものとなる。特許文献3のものでは、全体的に機械的特性が均質で変形方向性を持たないものであり有効であるが、すべての線状リング部4が、縮径抑制線状部7を備えているため、ある程度の弾性変形性を保持するものの全体として、剛性の高いものとなっている。したがって、目的部位に挿入する際、屈曲した血管等を通過させることが困難となり、目的部位に到達しないことがある。
そこで、本発明は、拡張後の良好な拡張維持力と、目的部位への到達容易性を有し、かつ、変形方向性を持たない生体内留置用ステントおよびそれを用いた生体器官拡張器具を提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 線状構成要素により環状に形成された複数の環状体が軸方向に配列されるとともに、隣り合う環状体が連結部により連結された生体内留置用ステントであって、
前記各環状体は、前記ステントの軸方向の一端側に頂点を有する複数の一端側屈曲部および前記ステントの軸方向の他端側に頂点を有する複数の他端側屈曲部を有し、さらに、一組または複数の組の隣り合う前記環状体は、拡張時に近接する隣り合う一方の環状体の前記他端側屈曲部に設けられた第1の突出部と、隣り合う他方の環状体の前記一端側屈曲部に設けられた第2の突出部とを有し、前記第1の突出部と前記第2の突出部は、前記環状体の周方向かつ異なる方向に延びるものとなっており、前記第1の突出部と前記第2の突出部は、ステントの拡張時に、乗り越え可能かつ乗り越え後、ステントに圧縮方向の力が付与された場合に当接可能なステント拡張後縮径規制部を形成している生体内留置用ステント。
) 前記第1の突出部が設けられた他端側屈曲部と線状部により連結され、かつ、前記第1の突出部が延びる周方向に位置する一端側屈曲部は、易変形屈曲部となっており、前記第2の突出部が設けられた一端側屈曲部と線状部により連結され、かつ、前記第2の突出部が延びる周方向に位置する他端側屈曲部は、易変形屈曲部となっている上記()に記載の生体内留置用ステント。
) 前記第1の突出部が設けられた他端側屈曲部と線状部により連結され、かつ、前記第1の突出部が延びる周方向に位置する一端側屈曲部と、当該一端側屈曲部と線状部により連結され、かつ、前記第1の突出部が延びる周方向に位置する他端側屈曲部は、易変形屈曲部となっており、前記第1の突出部を有する環状体は、前記2つの易変形屈曲部と前記2つの易変形屈曲部間を連結する線状部により形成された易変形線状部を有している上記()または()に記載の生体内留置用ステント。
) 前記第2の突出部が設けられた一端側屈曲部と線状部により連結され、かつ、前記第2の突出部が延びる周方向に位置する他端側屈曲部と、当該他端側屈曲部と線状部により連結され、かつ、前記第2の突出部が延びる周方向に位置する一端側屈曲部は、易変形屈曲部となっており、前記第2の突出部を有する環状体は、前記2つの易変形屈曲部と前記2つの易変形屈曲部間を連結する線状部により形成された易変形線状部を有している上記()ないし()のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
) 前記第1の突出部および前記第2の突出部は、乗り越え前においては離間方向に延びており、乗り越え後において近接する方向に延出するとともに噛合可能な噛合部を備えている上記(1)ないし()のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
) 前記第1の突出部および前記第2の突出部は、前記ステントの拡張時に接触し乗り上げるための傾斜辺を有し、前記第1の突出部の傾斜辺と前記第2の突出部の傾斜辺は、前記ステントの中心軸に対して傾斜し、かつほぼ平行となっている上記(1)ないし()のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
) 前記第1の突出部の噛合部および前記第2の突出部の噛合部は、乗り越え後に噛合うための噛合用傾斜辺を有し、前記第1の突出部の噛合用傾斜辺と前記第2の突出部の噛合傾斜辺は、前記ステントの中心軸に対して傾斜し、かつほぼ平行となっている上記()に記載の生体内留置用ステント。
) 前記第1の突出部と前記第2の突出部は、前記環状体の周方向かつ異なる方向に延出する略三角形状のものとなっている上記()ないし()のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
) 前記ステント拡張後縮径規制部は、前記ステントの中央部に位置する少なくとも一組の向かい合う前記環状体に設けられている上記(1)ないし()のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
10) 前記ステント拡張後縮径規制部は、前記ステントの一端部および他端部に位置する向かい合う前記環状体に設けられている上記(1)ないし()のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
11) 前記ステントは、略管状体に形成され、生体内管腔への挿入のための直径を有し、内部より半径方向に広がる力が付加された時に拡張可能なステントである上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
12) チューブ状のシャフト本体部と、該シャフト本体部の先端部に設けられた折り畳みおよび拡張可能なバルーンと、折り畳まれた状態の前記バルーンを被包するように装着され、かつ該バルーンの拡張により拡張される上記(11)に記載のステントとを備える生体器官拡張器具。
本発明の生体内留置用ステントは、線状構成要素により環状に形成された複数の環状体が軸方向に配列されるとともに、隣り合う環状体が連結部により連結されており、さらに、各環状体は、ステントの軸方向の一端側に頂点を有する複数の一端側屈曲部およびステントの軸方向の他端側に頂点を有する複数の他端側屈曲部を有し、さらに、一組または複数の組の隣り合う環状体は、拡張時に近接する隣り合う一方の環状体の他端側屈曲部に設けられた第1の突出部と、隣り合う他方の環状体の一端側屈曲部に設けられた第2の突出部とを有し、第1の突出部と第2の突出部は、ステントの拡張時に、乗り越え可能かつ乗り越え後、ステントに圧縮方向の力が付与された場合に当接可能なステント拡張後縮径規制部を形成している。
特に、ステント拡張後縮径規制部は、ステントに圧縮方向の力が付与された場合に当接するため、拡張後の良好な拡張維持力を備え、また、ステント拡張後縮径規制部は、ステントの拡張前においては当接しない状態にあるため、隣り合う環状体間での曲げを阻害せず、ステントを目的部位に挿入する際、屈曲した血管等を容易に通過し、目的部位に容易に到達することが可能である。また、このステントは、全体において機械的特性がほぼ均質であり、ステント拡張後縮径規制部を含めて、ステントに好ましくなく変形方向性を付与しない。
図1は、本発明の一実施例の生体内留置用ステントの正面図である。 図2は、図1の生体内留置用ステントの展開図である。 図3は、図1の生体内留置用ステントの製造時の展開図である。 図4は、図3の部分拡大図である。 図5は、本発明の生体内留置用ステントの第1の突出部および第2の突出部の断面形態を説明するための説明図である。 図6は、本発明の他の実施例の生体内留置用ステントの第1の突出部および第2の突出部の断面形態を説明するための説明図である。 図7は、図1の生体内留置用ステントの拡張時の展開図である。 図8は、本発明の他の実施例の生体内留置用ステントの製造時の展開図である。 図9は、図8に示した生体内留置用ステントの拡張時の状態を説明するための説明図である。 図10は、本発明の他の実施例の生体内留置用ステントの製造時の展開図である。 図11は、本発明の他の実施例の生体内留置用ステントの製造時の展開図である。 図12は、本発明の他の実施例の生体内留置用ステントの製造時の展開図である。 図13は、本発明の生体器官拡張器具の正面図である。 図14は、図13に示した生体器官拡張器具の先端部の拡大部分断面図である。 図15は、本発明の実施例の生体器官拡張器具の作用を説明するための説明図である。
本発明の生体内留置用ステントについて、以下の好適実施例を用いて説明する。
本発明の生体内留置用ステント1は、線状構成要素により環状に形成された複数の環状体2が軸方向に配列されるとともに、隣り合う環状体2が連結部3により連結されている。各環状体2は、ステント1の軸方向の一端側に頂点を有する複数の一端側屈曲部21およびステントの軸方向の他端側に頂点を有する複数の他端側屈曲部22を有し、さらに、一組または複数の組の隣り合う環状体2は、拡張時に近接する隣り合う一方の環状体2aの他端側屈曲部22aに設けられた第1の突出部4と、隣り合う他方の環状体2bの一端側屈曲部21aに設けられた第2の突出部5とを有する。そして、第1の突出部4と第2の突出部5は、ステント1の拡張時に、乗り越え可能かつ乗り越え後、ステントに圧縮方向の力が付与された場合に当接可能なステント拡張後縮径規制部を形成している。
この実施例のステント1は、略管状体に形成され、生体内管腔への挿入のための直径を有し、管状体の内部より半径方向に広がる力が付加されたときに拡張可能なステント、いわゆるバルーン拡張型ステントとなっている。なお、本発明のステントは、バルーン拡張型ステントに限定されるものではない。
この実施例のステント1は、図1ないし図3に示すように、複数の環状体2を軸方向に隣り合うように配列するとともに、それぞれを接続した形態となっている。
そして、各環状体2は、ステント1の軸方向の一端側に頂点を有する複数の一端側屈曲部21およびステント1の軸方向の他端側に頂点を有する複数の他端側屈曲部22を有するとともに、環状に連続した無端の線状構成要素(具体的には、波線状体)により構成されている。
そして、この実施例のステント1では、図1ないし図3に示すように環状体2は、ステントの一端側に位置する複数の一端側屈曲部21と他端側に位置する複数の他端側屈曲部22と一端側屈曲部21と他端側屈曲部22間を繋ぐ線状部とを備える波状環状体となっている。そして、線状部は、ほぼ直線状部となっている。そして、軸方向に隣り合う環状体2は、ステントの一端側に位置する環状体2の他端側屈曲部22と他端側に位置する環状体2の一端側屈曲部21が近接し、かつ、向かい合うように(言い換えれば、ステントの軸方向に整列するように)配置されるとともに、連結部3により連結されている。
そして、ステント1は、図1の状態にて生体内に挿入され、ステントの内部より半径方向に広がる力が付加されることにより、拡張する。
この実施例のステント1における環状体は、図1およびその展開図である図2に示すように、ほぼ同じピッチの複数の一端側屈曲部21と他端側屈曲部22と線状部とを有し、環状に連続した無端の波線状体となっている。なお、各環状体における一端側屈曲部(もしくは他端側屈曲部)の数は、4〜10が好適である。そして、この実施例のステント1では、隣り合う環状体間には、1つの連結部3が設けられている。
そして、本発明のステント1では、一組または複数の組の隣り合う環状体2は、拡張時に近接する隣り合う一方の環状体2aの他端側屈曲部22aに設けられた第1の突出部4を有し、隣り合う他方の環状体2bの一端側屈曲部21aに設けられた第2の突出部5を有する。そして、第1の突出部4と第2の突出部5は、ステント1の拡張時に、乗り越え可能かつ乗り越え後、ステントに圧縮方向の力が付与された場合に当接可能なステント拡張後縮径規制部を形成している。
ステント拡張後縮径規制部(言い換えれば、向かい合う第1の突出部4と第2の突出部5)は、ステントの中央部に位置する少なくとも一組の向かい合う環状体間に設けられていることが好ましい。また、ステント拡張後縮径規制部(言い換えれば、向かい合う第1の突出部4と第2の突出部5)は、ステントの一端部および他端部に位置する向かい合う環状体間に設けられていることが好ましい。特に、ステント拡張後縮径規制部(言い換えれば、向かい合う第1の突出部4と第2の突出部5)は、ステントの中央部に位置する少なくとも一組の向かい合う環状体間、並びにステントの一端部および他端部に位置する向かい合う環状体間の両方に設けられていることが好ましい。
この実施例のステント1では、他端側屈曲部22aに第1の突出部4を有する環状体2aと、一端側屈曲部21aに第2の突出部を有する環状体2bとが、軸方向に交互となるように配置されている。そして、一端側に環状体2aが位置し、他端側に環状体2bが位置し、環状体2aと環状体2bは向かい合っており、第1の突出部4と第2の突出部5もほぼ向かい合うものとなっている。また、この実施例のステント1では、一端側に環状体2bが位置し、他端側に環状体2aが位置し、両者が向き合う環状体間には、第1の突出部4および第2の突出部5が設けられていないものとなっている。このため、このステント1では、第1の突出部4および第2の突出部5により形成されるステント拡張後縮径規制部は、一つおきの向かい合う環状体2間に設けられたものとなっている。
そして、第1の突出部4と第2の突出部5は、ステント1(環状体2)の周方向かつ異なる方向に延びるものとなっている。具体的には、環状体2aが有する第1の突出部4は、図1ないし図3に示すように、環状体の周方向の右方向かつ向かい合う環状体2bに近接するように右斜め下方に延びるものとなっている。また、環状体2bが有する第2の突出部5は、図1ないし図3に示すように、環状体の周方向の左方向かつ向かい合う環状体2aに近接するように左斜め上方に延びるものとなっている。そして、この実施例のステント1では、第1の突出部4と第2の突出部5は、環状体の周方向かつ異なる方向に延出する略三角形状のものとなっている。このため、第1の突出部4と第2の突出部5は、先端に向かって幅が狭くなっており、さらに、突出部4,5の先端部は、丸みを持った形状となっている。
さらに、第1の突出部4および第2の突出部5は、一方の突出部が他方の突出部を乗り越える前(図3に示す状態)においては、離間する方向に延び、乗り越え後において、向かい合い噛合可能な噛合部42,52を備えている。さらに、第1の突出部4および第2の突出部5は、ステントの拡張時に、接触し乗り上げるための傾斜辺41,51を有している。第1の突出部4の傾斜辺41と第2の突出部5の傾斜辺51は、ステントの中心軸に対して所定角度斜めに傾斜し、かつほぼ平行なものとなっている。
また、このステント1では、第1の突出部4の噛合部42および第2の突出部5の噛合部52は、乗り越え後に噛合うための噛合用傾斜辺により形成されている。そして、第1の突出部の噛合用傾斜辺(噛合部)42と第2の突出部の噛合傾斜辺(噛合部)52は、ステントの中心軸に対して傾斜し、かつほぼ平行なものとなっている。
さらに、この実施例のステント1では、第1の突出部4が設けられた他端側屈曲部22aと線状部により連結され、かつ、第1の突出部4が延びる周方向に位置する一端側屈曲部21bは、易変形屈曲部となっている。同様に、第2の突出部5が設けられた一端側屈曲部21aと線状部により連結され、かつ、第2の突出部5が延びる周方向に位置する他端側屈曲部22bも、易変形屈曲部となっている。易変形部屈曲部は、他の屈曲部より、線状部の幅を細いものとすることにより、構成されている。なお、第1の突出部4が設けられた他端側屈曲部22aおよび第2の突出部5が設けられた一端側屈曲部21aは、易変形屈曲部となっておらず、ステント拡張時における第1の突出部4および第2の突出部5の不測の変形を防止している。
さらに、この実施例のステント1では、第1の突出部4が設けられた他端側屈曲部22aと線状部により連結され、かつ、第1の突出部4が延びる周方向に位置する一端側屈曲部21bと、当該一端側屈曲部21bと線状部により連結され、かつ、第1の突出部4が延びる周方向に位置する他端側屈曲部22bは、易変形屈曲部となっており、第1の突出部4を有する環状体2aは、2つの易変形屈曲部21b、22bと2つの易変形屈曲部21b、22b間を連結する線状部により形成された易変形線状部23を有している。
同様に、この実施例のステント1では、第2の突出部5が設けられた一端側屈曲部21aと線状部により連結され、かつ、第2の突出部5が延びる周方向に位置する他端側屈曲部22bと、当該他端側屈曲部22bと線状部により連結され、かつ、第2の突出部5が延びる周方向に位置する一端側屈曲部21bは、易変形屈曲部となっており、第2の突出部5を有する環状体2bは、2つの易変形屈曲部22b,21bと2つの易変形屈曲部22b,21b間を連結する線状部により形成された易変形線状部23を有している。
このステント1では、第1の突出部4を有する環状体2aと第2の突出部5を有する環状体2bのそれぞれが上記の易変形線状部23を有し、環状体2aの易変形線状部23は、第1の突出部4の突出方向側に位置し、環状体2bの易変形線状部23は、第2の突出部5の突出方向側に位置するものとなっている。このため、環状体2aの易変形線状部23と、環状体2bの易変形線状部23は、ステント1の周方向において異なる方向に延びるものとなっている。
このため、このステント1では、拡張時に、易変形部23部分において拡がることにより、環状体2aの第1の突出部4と環状体2bの第2の突出部5は、傾斜辺41,51にて当接し、拡張操作が継続されることにより、一方の突出部が、他方の突出部を乗り越え、図7に示すように、環状体2aの第1の突出部4と環状体2bの第2の突出部5は、噛合用傾斜辺(噛合部)42、52にて噛み合った状態となる。さらに、拡張が継続されると、噛合用傾斜辺(噛合部)42、52は、離間し、噛み合い状態が解消される。しかし、拡張されたステントに、内径を縮径させる方向への力が付与されるので、第1の突出部4の噛合用傾斜辺(噛合部)42と第2の突出部5の噛合用傾斜辺(噛合部)52は、噛み合い、それ以上のステントの縮径を抑制する。
また、図5に示すように、第1の突出部4および第2の突出部5の乗り越え時に当接する傾斜辺41,51は、その端面が傾斜面となっていることが好ましい。図5に示すものでは、第1の突出部4の傾斜辺41の端面は、ステントの外面1a方向に傾斜する傾斜面(乗りこえ誘導用傾斜面)41aを有しており、第2の突出部5の傾斜辺51の端面は、ステントの内面1b方向に傾斜する傾斜面(乗りこえ誘導用傾斜面)51aを有している。このような、傾斜面41a,51aを有することにより、第1の突出部4と第2の突出部5が当接したとき、第2の突出部5が、第1の突出部4に乗り上げるように誘導されるため、一方の突出部の他方の突出部の乗りこえが容易となる。なお、傾斜面41a,51aの形成形態は、逆であってもよい。さらに、図6に示すように、第1の突出部4および第2の突出部5の乗りこえ時に当接する傾斜辺41,51の一方にのみ、乗りこえ誘導用傾斜面41aを設けたものであってもよい。この場合、図6に示すように、いずれかの突出部の外面側に、乗りこえ誘導用傾斜面を設けることが好ましい。
そして、この実施例のステント1では、隣り合う環状体2間は、連結部3により連結されている。連結部3は、隣り合う一方の環状体2の他端側屈曲部22と他方の環状体2の一端側屈曲部21とを連結している。また、連結部3は、ステントの軸方向に対して螺旋状となるように配置されている。また、上述した第1の突出部4と第2の突出部5により構成されるステント拡張後縮径規制部も、ステントの軸方向に対して螺旋的に配置されたものとなっている。このため、図7に示すように、第1の突出部4と第2の突出部5が噛み合い圧縮変形規制機能を発揮した状態において、変形規制機能発揮部も、ステントの軸方向に対して直線的(平行)ではなく、螺旋的に位置するものとなるため、硬化部分が分散し、全体として、高い圧縮対抗性を有し、かつ、変形方向性を持たないものとなる。さらに、このステント1では、ステント拡張後縮径規制部(言い換えれば、向かい合う第1の突出部4と第2の突出部5)と連結部3が、ステント1の中心軸に対してほぼ向かい合うように配置されており、両者の協同により、ステントの拡張時における高い圧縮変形規制機能を有するものとなっている。
また、本発明のステントが備える第1の突出部および第2の突出部の形態としては、図8に示すステント10が備えるようなものであってもよい。
この実施例のステント10と上述したステント1との相違は、第1の突出部および第2の突出部の形態のみである。
この実施例のステント10では、第1の突出部14は、第1の突出部14の突出方向と同じ方向に延びる多数の小突出部14aを有し、第2の突出部15も第2の突出部15の突出方向と同じ方向に延びる多数の小突出部15aを有している。よって、第1の突出部14と第2の突出部15は、係合可能なノコギリ歯状のものとなっている。そして、このステント10においても、ステントの拡張時に、一方の突出部は、他方の突出部に乗り上げる。しかし、この実施例のステント10では、図9に示すように、ステントの拡張時に、1つの小突出部を乗り越えるごとに小突出部14aと小突出部15aは係合する。このため、一方の突出部が、他方の突出部を完全に乗りこえない状態においても、第1の突出部14の小突出部14aと第2の突出部15の小突出部15aが噛み合うため、ステントの縮径規制機能を容易に発揮する。なお、第1の突出部14の小突出部14aと第2の突出部15の小突出部15aが噛み合った状態において、さらに、ステントの拡張操作が行われることにより、小突出部14aと小突出部15aの一方が他方を乗りこえ可能である。同様に、第1の突出部14の小突出部14aと第2の突出部15の小突出部15aが噛み合った状態においても、ステントの拡張方向への変形は阻害されないものとなっている。
また、本発明のステントが備える第1の突出部および第2の突出部の形態としては、図10に示すステント20が備えるようなものであってもよい。
この実施例のステント20と上述したステント1との相違は、第1の突出部および第2の突出部の形態のみである。
この実施例のステント20では、ステント拡張後縮径規制部を形成する第1の突出部と第2の突出部の突出方向が、すべて同じではなく、隣り合うステント拡張後縮径規制部において、向きが異なるものとなっている。
具体的には、このステント20では、図1のステント1と同じ形態の第1の突出部4を有する環状体2aと、ステント1と同じ形態の第2の突出部5を有する環状体2bと、ステント1の第1の突出部4と突出する周方向が異なる第1の突出部4aを有する環状体2a1と、ステント1の第2の突出部5と突出する周方向が異なる第2の突出部5aを有する環状体2b1とを有するものとなっている。そして、このステント20では、一端側より、環状体2a1、環状体2b1、環状体2a、環状体2bの順に配列されている。このため、ステント拡張後縮径規制部を形成する第1の突出部と第2の突出部の突出方向は、交互に異なるものとなっている。
また、本発明のステントとしては、図11に示すようなタイプのステント30であってもよい。
この実施例のステント30の基本構成は、上述したステント1と同じである。このステント30では、各環状体は、ステント1よりも多い、具体的には、ステント1の2倍の一端側屈曲部21および他端側屈曲部22を有するものとなっている。そして、隣り合う各環状体2は、2つの連結部3により連結されている。さらに、このステント30では、上述したステント1と同様に、第1の突出部4および第2の突出部5により形成されるステント拡張後縮径規制部は、一つおきの向かい合う環状体2間に設けられている。しかし、このステントでは、ステント拡張後縮径規制部は、各向かい合う環状体間に2つ設けられている。ステント拡張後縮径規制部は、上述したステント1と同様に、第1の突出部4と第2の突出部5により構成されている。第1の突出部4および第2の突出部5の形態は、上述したものと同じである。
そして、このステント30では、一端側より、2つの第1の突出部4を有する環状体2c、2つの第2の突出部5を有する環状体2dの順を繰り返すように、多数の環状体2c、2dが軸方向に配列されている。そして、この実施例のステント30においても、連結部3およびステント拡張後縮径規制部を構成する第1の突出部4と第2の突出部5は、ステントの軸方向に対して直線的(平行)ではなく、螺旋的に位置されている。また、2つの連結部3は、ステントの中心軸に対してほぼ向かい合う位置となるように配置されている。同様に、2つのステント拡張後縮径規制部も、ステントの中心軸に対してほぼ向かい合う位置となるように配置されている。そして、このステント30では、2つのステント拡張後縮径規制部と2つの連結部が、ステントの中心軸に対してほぼ等角度となるように配置されている。
また、本発明のステントとしては、図12に示すようなタイプのステント40であってもよい。
この実施例のステント40の基本構成は、上述したステント1と同じである。このステント40では、各環状体は、ステント1よりも多い、具体的には、ステント1の2倍の一端側屈曲部21および他端側屈曲部22を有するものとなっている。そして、隣り合う各環状体2は、2つの連結部3により連結されている。2つの連結部3は、ステントの中心軸に対してほぼ向かい合う位置となるように配置されている。
そして、このステント30では、上述したステント1および30と異なり、第1の突出部4および第2の突出部5により形成されるステント拡張後縮径規制部は、すべての向かい合う環状体2間に設けられている。具体的には、ステント40は、一端の環状体が、図1のステント1と同じ形態の第1の突出部4のみを有する環状体2eとなっており、他端の環状体が、図1のステント1と同じ形態の第2の突出部5のみを有する環状体2gとなっており、環状体2eと環状体2g間に、一端側にステント1と同じ形態の第2の突出部5を、他端側にステント1と同じ形態の第1の突出部4の両者を有する環状体2fが複数配置されたものとなっている。このステント40では、すべての環状体間にステント拡張後縮径規制部を有するため、ステント全体として、高い縮径規制機能を発揮する。
そして、この実施例のステント40では、上述したステント20と同様に、ステント拡張後縮径規制部を形成する第1の突出部と第2の突出部の突出方向が、すべて同じではなく、軸方向に隣り合うステント拡張後縮径規制部において、向きが異なるものとなっている。具体的には、環状体2fは、一端側にステント1と同じ形態の第2の突出部5を備え、他端側にステント1の第1の突出部4と突出する周方向が異なる第1の突出部4aを有するタイプのものと、一端側にステント1の第2の突出部5と突出する周方向が異なる第2の突出部5aを備え、他端側にステント1の第1の突出部4と同じ形態の第1の突出部4を有するタイプのものが交互となるように配置されている。
そして、この実施例のステント40においても、連結部3およびステント拡張後縮径規制部を構成する第1の突出部4と第2の突出部5は、ステントの軸方向に対して直線的(平行)ではなく、螺旋的となるように位置されている。
上述したすべての実施例のステントにおいて、ステントは、非拡張時(バルーン装着時)の外径が、0.8〜1.8mm程度が好適であり、特に、0.9〜1.4mmがより好ましい。また、ステントの非拡張時(バルーン装着時)の長さは、9〜40mm程度が好適である。また、1つの波状環状体の長さは、0.7〜2.0mm程度が好適である。また、1つの波状環状体の山の数(言い換えれば、谷の数)は、4〜12が好ましい。また、波状環状体の数としては、6〜20が好適である。また、ステントの成形時(バルーン装着前)の外径は、1.5〜3.5mm程度が好適であり、特に、2.0〜3.0mmがより好ましい。さらに、ステントの肉厚としては、0.05〜0.15mm程度が好適であり、特に、0.08〜0.12mmが好適であり、線状部の幅は、0.07〜0.15mm程度が好適であり、特に、0.08〜0.13mmが好適である。
ステントの形成材料としては、ある程度の生体適合性を有するものが好ましく、例えば、ステンレス鋼、タンタルもしくはタンタル合金、プラチナもしくはプラチナ合金、金もしくは金合金、コバルトニッケル合金、コバルトクロム合金等が考えられる。またステント形状を作製した後に貴金属メッキ(金、プラチナ)をしてもよい。ステンレス鋼としては、最も耐腐食性のあるSUS316Lが好適である。
また、ステントは、面取りされていることが好ましい。ステント1の面取り方法としては、ステントを最終形状に形成した後、化学研磨、電解研磨もしくは機械研磨することにより行うことができる。
さらに、ステント1の最終形状を作製した後、焼きなましすることが好ましい。焼きなましを行うことにより、ステント1を拡張した後の拡張前形状に復元しようとする力、特に、屈曲した血管部位で拡張した時に発現する直線状に復帰しようとする力が減少し、屈曲した血管内壁に与える物理的な刺激が減少し、再狭窄の要因を減少させることができる。焼きなましは、ステント表面に酸化被膜が形成されないように、不活性ガス雰囲気下(例えば、窒素と水素の混合ガス)にて、900〜1200℃に加熱した後、ゆっくりと冷却することにより行うことが好ましい。
次に、本発明の生体器官拡張器具を図面に示す実施例を用いて説明する。
図13は、本発明の実施例の生体器官拡張器具の正面図である。図14は、図13に示した生体器官拡張器具の先端部の拡大部分断面図である。図15は、本発明の実施例の生体器官拡張器具の作用を説明するための説明図である。
本発明の生体器官拡張器具100は、チューブ状のシャフト本体部102と、シャフト本体部102の先端部に設けられた折り畳みおよび拡張可能なバルーン103と、折り畳まれた状態のバルーン103を被包するように装着され、バルーン103の拡張により拡張されるステント1とを備える。
そして、ステント1としては、上述したステント1ならびに上述したすべての実施例のステントを用いることができる。
この実施例の生体器官拡張器具100は、上述したステント1と、ステント1が装着されたチューブ状の生体器官拡張器具本体101とからなる。
生体器官拡張器具本体101は、チューブ状のシャフト本体部102と、シャフト本体部の先端部に設けられた折り畳みおよび拡張可能なバルーン103とを備え、ステント1は、折り畳まれた状態のバルーン103を被包するように装着され、かつバルーン103の拡張により拡張されるものである。
ステント1としては、上述したステント1ならびに上述したすべての実施例のステントを用いることができる。なお、ここで使用されるステントは、生体内管腔への挿入のための直径を有し、管状体の内部より半径方向に広がる力が付加されたときに拡張可能ないわゆるバルーン拡張型ステントが用いられる。
この実施例の生体器官拡張器具100では、図14に示すように、シャフト本体部102は、シャフト本体部102の先端にて一端が開口し、シャフト本体部102の後端部にて他端が開口するガイドワイヤールーメン115を備えている。
この生体器官拡張器具本体101は、シャフト本体部102と、シャフト本体部102の先端部に固定されたステント拡張用バルーン103とを備え、このバルーン103上にステント1が装着されている。シャフト本体部102は、内管112と外管113と分岐ハブ110とを備えている。
内管112は、図14に示すように、内部にガイドワイヤーを挿通するためのガイドワイヤールーメン115を備えるチューブ体である。内管112としては、長さは、100〜2500mm、より好ましくは、250〜2000mm、外径が、0.1〜1.0mm、より好ましくは、0.3〜0.7mm、肉厚が、10〜250μm、より好ましくは、20〜100μmのものである。そして、内管112は、外管113の内部に挿通され、その先端部が外管113より突出している。この内管112の外面と外管113の内面によりバルーン拡張用ルーメン116が形成されており、十分な容積を有している。外管113は、内部に内管112を挿通し、先端が内管112の先端よりやや後退した部分に位置するチューブ体である。
外管113としては、長さは、100〜2500mm、より好ましくは、250〜2000mm、外径が、0.5〜1.5mm、より好ましくは、0.7〜1.1mm、肉厚が、25〜200μm、より好ましくは、50〜100μmのものである。
この実施例の生体器官拡張器具100では、外管113は、先端側外管113aと本体側外管113bにより形成され、両者が接合されている。そして、先端側外管113aは、本体側外管113bとの接合部より先端側の部分において、テーパー状に縮径し、このテーパー部より先端側が細径となっている。
先端側外管113aの細径部での外径は、0.50〜1.5mm、好ましくは0.60〜1.1mmである。また、先端側外管113aの後端部および本体側外管113bの外径は、0.75〜1.5mm、好ましくは0.9〜1.1mmである。
そして、バルーン103は、先端側接合部103aおよび後端側接合部103bを有し、先端側接合部103aが内管112の先端より若干後端側の位置に固定され、後端側接合部103bが外管の先端に固定されている。また、バルーン103は、後端部付近にてバルーン拡張用ルーメン116と連通している。
内管112および外管113の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が使用でき、好ましくは上記の熱可塑性樹脂であり、より好ましくは、ポリオレフィンである。
バルーン103は、図14に示すように、折り畳み可能なものであり、拡張させない状態では、内管112の外周に折り畳まれた状態となることができるものである。バルーン103は、図15に示すように、装着されるステント1を拡張できるようにほぼ同一径の筒状部分(好ましくは、円筒部分)となった拡張可能部を有している。略円筒部分は、完全な円筒でなくてもよく、多角柱状のものであってもよい。そして、バルーン103は、上述のように、先端側接合部103aが内管112にまた後端側接合部103bが外管113の先端に接着剤または熱融着などにより液密に固着されている。また、このバルーン103では、拡張可能部と接合部との間がテーパー状に形成されている。
バルーン103は、バルーン103の内面と内管112の外面との間に拡張空間103cを形成する。この拡張空間103cは、後端部ではその全周において拡張用ルーメン116と連通している。このように、バルーン103の後端は、比較的大きい容積を有する拡張用ルーメンと連通しているので、拡張用ルーメン116よりバルーン内への拡張用流体の注入が確実である。
バルーン103の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリアリレーンサルファイド(例えば、ポリフェニレンサルファイド)等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が使用できる。特に、延伸可能な材料であることが好ましく、バルーン103は、高い強度および拡張力を有する二軸延伸されたものが好ましい。
バルーン103の大きさとしては、拡張されたときの円筒部分(拡張可能部)の外径が、1.5〜5.0mm、好ましくは2.0〜4.5mmであり、長さが5〜50mm、好ましくは10〜40mmである。また、先端側接合部103aの外径が、0.9〜1.5mm、好ましくは1〜1.3mmであり、長さが1〜5mm、好ましくは1〜3mmである。また、後端側接合部103bの外径が、1〜1.6mm、好ましくは1.1〜1.5mmであり、長さが1〜5mm、好ましくは、2〜4mmである。
そして、この生体器官拡張器具100は、図14および図15に示すように、拡張されたときの円筒部分(拡張可能部)の両端となる位置のシャフト本体部の外面に固定された2つのX線造影性部材117、118を備えている。なお、ステント1の両端となる位置のシャフト本体部102(この実施例では、内管112)の外面に固定された2つのX線造影性部材を備えるものとしてもよい。さらに、ステントの中央部となる位置のシャフト本体部の外面に固定された単独のX線造影性部材を設けるものとしてもよい。
X線造影性部材117、118は、所定の長さを有するリング状のもの、もしくは線状体をコイル状に巻き付けたものなどが好適であり、形成材料は、例えば、金、白金、イリジウム、タングステンあるいはそれらの合金、あるいは銀−パラジウム合金等が好適である。
そして、バルーン103を被包するようにステント1が装着されている。ステントは、ステント拡張時より小径かつ折り畳まれたバルーンの外径より大きい内径の金属パイプを加工することにより作製される。そして、作製されたステント内にバルーンを挿入し、ステントの外面に対して均一な力を内側に向けて与え縮径させることにより製品状態のステントが形成される。つまり、上記のステント1は、バルーンへの圧縮装着により完成する。
内管112と外管113との間(バルーン拡張用ルーメン116内)には、線状の剛性付与体(図示せず)が挿入されていてもよい。剛性付与体は、生体器官拡張器具100の可撓性をあまり低下させることなく、血管等の屈曲部位での生体器官拡張器具100の本体部102の極度の折れ曲がりを防止するとともに、生体器官拡張器具100の先端部の押し込みを容易にする。剛性付与体の先端部は、他の部分より研磨などの方法により細径となっていることが好ましい。また、剛性付与体は、細径部分の先端が、本体部外管113の先端部付近まで延びていることが好ましい。剛性付与体としては、金属線であることが好ましく、線径0.05〜1.50mm、好ましくは0.10〜1.00mmのステンレス鋼等の弾性金属線、超弾性合金線が特に好ましい。
この実施例の生体器官拡張器具100では、図13に示すように、後端に分岐ハブ110が固定されている。分岐ハブ110は、ガイドワイヤールーメン115と連通しガイドワイヤーポートを形成するガイドワイヤー導入口109を有し、内管112に固着された内管ハブと、バルーン拡張用ルーメン116と連通しインジェクションポート111を有し、外管113に固着された外管ハブとからなっている。そして、外管ハブと内管ハブとは、固着されている。この分岐ハブ110の形成材料としては、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレート、メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂が好適に使用できる。
なお、生体器官拡張器具の構造は、上記のようなものに限定されるものではなく、生体器官拡張器具の中間部分にガイドワイヤールーメンと連通するガイドワイヤー挿入口を有するものであってもよい。
1 ステント
2 環状体
3 連結部
4 第1の突出部
5 第2の突出部

Claims (12)

  1. 線状構成要素により環状に形成された複数の環状体が軸方向に配列されるとともに、隣り合う環状体が連結部により連結された生体内留置用ステントであって、
    前記各環状体は、前記ステントの軸方向の一端側に頂点を有する複数の一端側屈曲部および前記ステントの軸方向の他端側に頂点を有する複数の他端側屈曲部を有し、さらに、一組または複数の組の隣り合う前記環状体は、拡張時に近接する隣り合う一方の環状体の前記他端側屈曲部に設けられた第1の突出部と、隣り合う他方の環状体の前記一端側屈曲部に設けられた第2の突出部とを有し、前記第1の突出部と前記第2の突出部は、前記環状体の周方向かつ異なる方向に延びるものとなっており、前記第1の突出部と前記第2の突出部は、ステントの拡張時に、乗り越え可能かつ乗り越え後、ステントに圧縮方向の力が付与された場合に当接可能なステント拡張後縮径規制部を形成していることを特徴とする生体内留置用ステント。
  2. 前記第1の突出部が設けられた他端側屈曲部と線状部により連結され、かつ、前記第1の突出部が延びる周方向に位置する一端側屈曲部は、易変形屈曲部となっており、前記第2の突出部が設けられた一端側屈曲部と線状部により連結され、かつ、前記第2の突出部が延びる周方向に位置する他端側屈曲部は、易変形屈曲部となっている請求項に記載の生体内留置用ステント。
  3. 前記第1の突出部が設けられた他端側屈曲部と線状部により連結され、かつ、前記第1の突出部が延びる周方向に位置する一端側屈曲部と、当該一端側屈曲部と線状部により連結され、かつ、前記第1の突出部が延びる周方向に位置する他端側屈曲部は、易変形屈曲部となっており、前記第1の突出部を有する環状体は、前記2つの易変形屈曲部と前記2つの易変形屈曲部間を連結する線状部により形成された易変形線状部を有している請求項1または2に記載の生体内留置用ステント。
  4. 前記第2の突出部が設けられた一端側屈曲部と線状部により連結され、かつ、前記第2の突出部が延びる周方向に位置する他端側屈曲部と、当該他端側屈曲部と線状部により連結され、かつ、前記第2の突出部が延びる周方向に位置する一端側屈曲部は、易変形屈曲部となっており、前記第2の突出部を有する環状体は、前記2つの易変形屈曲部と前記2つの易変形屈曲部間を連結する線状部により形成された易変形線状部を有している請求項1ないし3のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  5. 前記第1の突出部および前記第2の突出部は、乗り越え前においては離間方向に延びており、乗り越え後において近接する方向に延出するとともに噛合可能な噛合部を備えている請求項1ないしのいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  6. 前記第1の突出部および前記第2の突出部は、前記ステントの拡張時に接触し乗り上げるための傾斜辺を有し、前記第1の突出部の傾斜辺と前記第2の突出部の傾斜辺は、前記ステントの中心軸に対して傾斜し、かつほぼ平行となっている請求項1ないしのいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  7. 前記第1の突出部の噛合部および前記第2の突出部の噛合部は、乗り越え後に噛合うための噛合用傾斜辺を有し、前記第1の突出部の噛合用傾斜辺と前記第2の突出部の噛合傾斜辺は、前記ステントの中心軸に対して傾斜し、かつほぼ平行となっている請求項に記載の生体内留置用ステント。
  8. 前記第1の突出部と前記第2の突出部は、前記環状体の周方向かつ異なる方向に延出する略三角形状のものとなっている請求項1ないし7のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  9. 前記ステント拡張後縮径規制部は、前記ステントの中央部に位置する少なくとも一組の向かい合う前記環状体に設けられている請求項1ないしのいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  10. 前記ステント拡張後縮径規制部は、前記ステントの一端部および他端部に位置する向かい合う前記環状体に設けられている請求項1ないしのいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  11. 前記ステントは、略管状体に形成され、生体内管腔への挿入のための直径を有し、内部より半径方向に広がる力が付加された時に拡張可能なステントである請求項1ないし10のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  12. チューブ状のシャフト本体部と、該シャフト本体部の先端部に設けられた折り畳みおよび拡張可能なバルーンと、折り畳まれた状態の前記バルーンを被包するように装着され、かつ該バルーンの拡張により拡張される請求項11に記載のステントとを備えることを特徴とする生体器官拡張器具。
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