JP6901869B2 - カバードステント - Google Patents

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Description

本発明は、カバードステントに関する。
従来、消化管の閉塞または狭窄(例えば、大腸に生じる腸閉塞など)の治療に用いられるステントが知られている。このステントは、一般に、消化管を流れる物が通過可能な通路を画成する管形状を有しており、径方向内側への収縮及び径方向外側への拡張が可能な骨格部を備えている。そして、ステントは、骨格部が収縮した状態にて患部(例えば、消化管の閉塞等が生じている箇所)に運ばれた後、骨格部が拡張した拡張状態へと変形される。これにより、ステントは、消化管内に留置されると共に閉塞等が生じている部分を押し広げて、消化管の閉塞等を解消するようになっている。
また、従来のステントの一つとして、金属細線などの骨格材によって構成された網目状の骨格部を有すると共に、ステントの軸線方向における端部が消化管の管壁に接触して管壁を傷つけることを防ぐべく、端部の骨格材を径方向内側に向けて湾曲させたものもある(例えば、特許文献1を参照。)
特開2014−195559号公報
しかしながら、上記特許文献1等のステントでは、骨格材と骨格材との間に隙間が存在しているため、当該ステントが消化管内に留置された状態にて、上記した隙間を通じて消化管を構成する細胞組織(例えば、閉塞等が癌に起因する場合、癌細胞)がステントの内側に滲出するおそれがある。このような滲出は、消化管の再閉塞や再狭窄が生じる原因となり得る。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、消化管内に留置された状態にて、消化管細胞組織の滲出を適正に防止することができるカバードステント、を提供することにある。
本発明に係るカバードステントは、下記(1)〜()を特徴としている。
(1)
消化管内に留置されると共に消化管を流れる物が通過可能な通路を画成する管状のカバードステントであって、
径方向外側への拡張変形が可能な骨格部と、
前記骨格部を構成する線材を内周側及び外周側から挟み込むように覆って固定された皮膜部と、を備え、
前記皮膜部の外周面には、前記骨格部の前記線材に沿って該皮膜部が径方向外側に向けて突出した凸状部が設けられ、
前記線材は、断面形状が円形又は楕円形の金属細線であり、
前記骨格部は、前記線材が軸方向に山部と谷部とが交互に現れるように屈曲しながら螺旋状に延びるように形成され、
前記骨格部が拡張変形して当該カバードステントの外面で消化管の内面を押圧した押圧状態にて、前記外面側から加えられる外力に応じて前記骨格部の径方向の大きさを維持したまま軸線方向に伸縮可能、且つ、屈曲可能に構成されている、カバードステントであること。
(2
上記(1に記載のカバードステントにおいて、
前記押圧状態にて、前記骨格部は、その軸線方向における中央部分よりも消化管を流れる物の流れ方向上流側の部分が大径である、カバードステントであること。

上記(1)又は上記(2)に記載のカバードステントにおいて、
前記骨格部の前記線材は、少なくとも一部が径方向外側に向けて突出するように構成された、カバードステントであること。
上記(1)の構成のカバードステントによれば、骨格部と皮膜部とによって管壁が構成され、骨格部が拡張変形して当該カバードステントの管壁の外面で消化管の内面を押圧した押圧状態とすることができ、例えば、消化管そのものの運動(例えば、収縮や拡張等の
運動)が生じて当該カバードステントの管壁の外面側から外力が加えられても骨格部が変形することで、留置部位に留まりながら消化管を押し広げ続けることができる。そして、骨格部を構成する線材を内周側及び外周側から覆うように皮膜部が固定されているので、消化管細胞組織が当該カバードステントの内側に滲出しようとしても皮膜部によって堰き止められる。さらに、皮膜部の外周面に設けられた凸状部が消化管の内壁面に食い込むことにより、当該カバードステントが留置位置により強固に固定され、留置位置からの位置ずれをより適正に防止できる。
したがって、消化管内に留置された状態にて、留置位置からの位置ずれをより適正に防止できるとともに、当該カバードステントの外側から内側への消化管細胞組織の滲出を適正に防止することができる。
上記(2)の構成のカバードステントによれば、例えば、収縮箇所が消化管の長さ方向に徐々に伝播する蠕動運動、一定の間隔にて消化管の収縮と弛緩とが繰り返されて消化管に複数のくびれが生じる分節運動、及び、消化管の長さ方向における収縮と弛緩とが繰り返される振子運動等の消化管の運動により消化管が変形しても、当該カバードステントの径方向の変形及び軸線方向の変形により、そのような消化管の変形に追従できる。換言すると、本構成のカバードステントは、消化管そのものの運動に柔軟に追従することにより、留置された位置を保持可能である。よって、本構成のカバードステントは、留置位置からの位置ずれ(マイグレーション)を防止できる。
上記(3)の構成のカバードステントによれば、消化管内に留置されたとき、骨格部の軸線方向における中央部分よりも径が大きい消化管を流れる物の流れ方向上流側の部分が消化管の内壁面に押し付けられることにより、当該カバードステントが留置位置により強固に固定され、留置位置からの位置ずれをより適正に防止できる。更に、骨格部の軸線方向における中央部分よりも流れ方向上流側の部分と消化管との間に隙間が生じ難くなり、カバードステントと消化管との間に当該消化管を流れる物が入り込むことを防止できる。
上記(4)の構成のカバードステントによれば、消化管内に留置されたとき、径方向外側に向けて突出した部分(骨格部の線材の一部)が消化管の内壁面に食い込むことにより、当該カバードステントが留置位置により強固に固定され、留置位置からの位置ずれをより適正に防止できる。
本発明によれば、カバードステントが消化管内に留置された状態にて、留置位置からの位置ずれをより適正に防止できるとともに、消化管細胞組織の滲出を適正に防止することができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1(a)は、本発明の実施形態に係るカバードステントの斜視図であり、図1(b)は、軸線方向に収縮したカバードステントの斜視図であり、図1(c)は、屈曲したカバードステントの斜視図である。 図2は、皮膜部の外周面の凸状部を説明するための部分拡大図である。 図3(a)は、本発明の実施形態に係るカバードステントを消化管内に留置するための留置装置の側面図であり、図3(b)は、図3(a)のA部を拡大した、留置装置の主要断面図である。 図4(a)〜図4(d)は、留置装置を用いてカバードステントを消化管の狭窄部に留置する際の手順を説明するための一連の図である。 図5(a)は、本発明の実施形態の第1変形例に係るカバードステントの斜視図であり、図5(b)は、本発明の実施形態の第2変形例に係るカバードステントの斜視図であり、図5(c)は、本発明の実施形態の第3変形例に係るカバードステントの骨格部における径方向外側に突出する部分を説明するための部分拡大図である。 図6(a)は、本発明の実施形態の第4変形例に係るカバードステントの斜視図であり、図6(b)は、図6(a)に示すカバードステントの骨格部における円線状骨格部と角線状骨格部との連結構造を説明するための部分拡大図である。 図7は、本発明の実施形態の第5変形例に係るカバードステントの斜視図である。
<カバードステントの構造>
先ず、図1〜図2を参照しながら、本発明の実施形態に係るカバードステント10について説明する。カバードステント10は、消化管(例えば、大腸)の閉塞部(又は狭窄部)を径方向外側に押し広げて閉塞(狭窄)の治療を行うべく、消化管内に留置されて使用される。
図1(a)に示すように、カバードステント10は、消化管を流れる物が通過可能な管状通路を画成する管形状を有し、骨格部(ステント)20及び皮膜部(カバー)30を有する。カバードステント10の外径Pは、消化管の太さに対応した大きさとなっている。
なお、消化管を流れる物は、例えば、全く消化が行われていない摂取された直後の食物、食物が消化管を通ることで分解処理された物、消化管を通っても消化されなかった物(例えば、便等)などを含み、物質の状態は問わない。
図1(a)に示す例では、カバードステント10は、直線状の管形状を有している。
なお、カバードステント10の形状は必ずしも直線状に限定されず、必要に応じて、例えば、患者の消化管の形状に対応した形状等に湾曲した管形状を有してもよい。ここで、カバードステント10は、留置の前から予め留置箇所を想定した湾曲形状を有していてもよく、留置の後に消化管形状に沿った湾曲形状を有することになってもよい。
骨格部20は、断面形状が円形又は楕円形の金属細線が山部と谷部とが交互に現れるように波状に屈曲しながら螺旋状に延びるように成形されている。骨格部20は、径方向内側に収縮した収縮状態から、径方向外側に拡張して管状通路が画成される拡張状態へ、自己拡張可能となっている。その結果、後述する図4(c)及び図4(d)に示すように、骨格部20が径方向外側に拡張変形してカバードステント10の外面で消化管の内面を押圧した押圧状態にて、外面側から加えられる外力に応じて骨格部20が変形可能となっている。骨格部20を構成する材料として、例えば、Ni−Ti合金(ニチノール)、チタン合金、及び、ステンレス鋼などに代表される公知の金属又は金属合金が挙げられる。
皮膜部30は、骨格部20を構成する線材により形成される空間に配置されるようになっている。具体的には、本例では、骨格部20に沿って骨格部20を覆うように骨格部20に固定されており、上述した管状通路を画成している。皮膜部30は、骨格部20を外周及び内周から挟み込むように覆ってもよいし、骨格部20を外周のみから覆ってもよいし、内周のみから覆ってもよい。皮膜部30の材料として、例えば、シリコン樹脂、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂、及び、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂などが挙げられる。
図1(b)に示すように、カバードステント10、より具体的には、骨格部20は、拡張状態にて、外径Pを維持したまま軸線方向に収縮可能に構成されている。換言すると、カバードステント10は、外径Pを維持しながら、図1(a)に示す状態と図1(b)に示す状態との間において、伸縮可能となっている。更に、図1(c)に示すように、カバードステント10、より具体的には、骨格部20は、拡張状態にて、外径Pを維持したまま屈曲可能に、即ち、屈曲しても縮径(キンク)が生じないように構成されている。
カバードステント10を消化管内に留置するにあたり、カバードステント10の径方向における拡張性が過大であると(拡張する力が大きすぎると)消化管の内壁面に対して強い刺激を与えるおそれがあり、拡張性が過小であると(拡張する力が小さすぎると)カバードステント10の位置ずれの原因となる。また、カバードステント10の曲げ性が過小であると(曲げにくいと)カバードステント10を曲げたときにその復元力によって消化管の内壁面に対して強い刺激を与えるおそれがあるため、曲げ性に優れる(曲げやすい)ことが好ましい。なお、径方向外側に拡張しようとする力は「ラジアルフォース」とも称呼され、直線状に戻ろうとする力は「アキシャルフォール」とも称呼される。
以上を考慮し、カバードステント10が、適度な拡張性(適度なラジアルフォース)と優れた曲げ性(小さいアキシャルフォース)とを兼ね備え、且つ、外径Pを維持したまま軸線方向に収縮可能であり且つ屈曲可能であるように、設計されている。
なお、このような特性を備えたカバードステント10は、例えば、骨格部20の材料(ニチノール等)、骨格部20の断面積および断面形状(ワイヤ等の円線材、又は、レーザカットによる角線材)、周方向における骨格部の折り返し回数および折り返し形状(山部の数および山部の形状)、並びに、軸線方向における骨格部20の螺旋ピッチ(カバードステント10の単位長さ当たりの骨格量)等を、留置する消化管に応じた適切な値に設定することにより、実現され得る。これらパラメータの具体的な値は、例えば、あらかじめ実験等を行うことにより、特定され得る。
皮膜部30が骨格部20を外周及び内周から挟み込むように覆っている場合、図2に示すように、拡張状態にて、カバードステント10の外周面(皮膜部30の外周面)において、骨格部20に沿って皮膜部30が径方向外側に盛り上がった(突出した)凸状部31が設けられている。図2に示す例では、凸状部31は、螺旋状に延びる骨格部20に沿って螺旋状に延びる突条形状を有している。このように凸状部31を設けることにより、カバードステント10が消化管内に留置されたとき、凸状部31が消化管の内壁面に食い込むことにより、カバードステント10の留置位置からの位置ずれを防止できる。
なお、このような凸状部31は、例えば、皮膜部30を形成するにあたり(例えば、縫い付け及びディッピング等の公知の手法を用いて骨格部20に皮膜部30を固定するとき)、凸状部31が形成される程度に皮膜部30の厚さを調整することにより、実現され得る。このような厚さの調整は、皮膜部30を形成するための金型(例えば、ディッピング用治具)の形状を調整することによって実現され得る。更に、皮膜部30の強度を確保する観点から、骨格部20の表面から径方向外側にある皮膜部30の厚さをそのような厚さ(薄い膜)に調整すると共に、骨格部20の表面から径方向内側にある皮膜部30の厚さを十分な皮膜強度を確保できる厚さ(厚い膜)に調整してもよい。
なお、カバードステント10は、消化管に生じた疾患(閉塞等)の解消のために用いられること(消化管用であること)を前提とした構造を有するため、その他の用途に用いられる物(例えば、血管内に留置されるステントグラフト)とは本質的に構成が異なる。換言すると、カバードステント10は、消化管用との用途に特に適した形状、構造および組成等を有する。具体的には、留置する消化管の太さに対応した径方向の大きさ(一般に、血管用ステントグラフトよりも大きい)、消化管そのものの運動(例えば、消化活動に伴う収縮および拡張)に抗して患部に留まりながら消化管を押し広げ続けることが可能な拡張力を発揮する骨格材の形状、太さ及び骨格材の使用量などの点において、他の用途に用いられる物とは形状、構造および組成等が相違する。
<カバードステントの留置装置>
次いで、カバードステント10を消化管内の所定位置(閉塞または狭窄が生じている患部)に留置するためのカバードステントの留置装置1について、図3を参照しながら説明する。以下、便宜上、図3において、右側を基端側と称呼し、左側を先端側と称呼する。
図3(a)及び図3(b)に示すように、留置装置1は、管状のシース40と、シース40の内側に配置され、シース40の内側をシース40の軸方向(長手方向)に沿って進退可能に構成されたロッド部材50と、を備える。
シース40は、可撓性を有する材料で形成されている。可撓性材料として、例えば、フッ素樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、及び、ポリ塩化ビニル系樹脂等から選択された生体適合性を有する合成樹脂(エラストマー)、これら樹脂に他の材料が混合された樹脂コンパウンド、これらの合成樹脂による多層構造体、並びに、これら合成樹脂と金属線との複合体などが挙げられる。
図3(b)に示すように、シース40の先端側部分の内部には、収縮状態にあるカバードステント10が保持されている。シース40の基端部には、カバードステント10の使用者(医師)が把持するために使用される拡径されたグリップ部41が設けられている。
ロッド部材50は、例えば、樹脂(プラスチック、エラストマー)及び金属など、適度な硬度及び柔軟性を有する種々の材料で形成され得る。図3(b)に示すように、ロッド部材50は、シース40の内径より小さい外径を有すると共に軸方向に延びる細長円筒状の本体部51と、本体部51の先端部に位置すると共にシース40の内径と略同等の外径を有するフランジ部52と、を有する。シース40の先端側部分の内部にて、フランジ部52は、収縮状態にあるカバードステント10の基端側に位置している。
本体部51の基端部には、グリップ41に設けられた開口(図示省略)を介してグリップ41の外表面から外側に突出する操作部53が、本体部51と一体に設けられている。この操作部53をグリップ41に対して相対的に先端側に移動させると、ロッド部材50が先端側に移動する。これにより、カバードステント10がフランジ部52によって先端側に押圧され、カバードステント10がシース40の先端側開口から外部へ押し出されることになる。
ロッド部材50(より具体的には、本体部51及びフランジ部52)の内部には、ロッド部材50の軸方向全域に亘って貫通する挿通孔54が形成されている。挿通孔54は、後述するガイドワイヤ70(図4を参照)を挿通するために使用される。
<カバードステントの留置方法>
以下、図3に示す留置装置1を用いて、カバードステント10を消化管内の患部に留置する際の手順について、図4を参照しながら説明する。図4では、消化管60(例えば、大腸)の狭窄部61にカバードステント10が留置される場合の例が示される。
先ず、狭窄部61を挟むように消化管60の2箇所を小さく切開し、ガイドワイヤ70を、一方の切開部から消化管60内に挿入し、狭窄部61を経て他方の切開部から消化管60外へ導出させる。そして、消化管60の外部へ導出されたガイドワイヤ70を留置装置1のシース40の先端(図3を参照)からロッド部材50の挿通孔54に挿通させる。その後、図4(a)に示すように、ガイドワイヤ70に沿って留置装置1のシース40を狭窄部61の近傍まで進行させる。
なお、カバードステント10を消化管60内に留置するためには、必ずしも消化管60を切開する必要はなく、例えば、経口的や経鼻的や経肛門的に挿入される内視鏡を用いて行ってもよい。
次いで、図4(b)に示すように、シース40が狭窄部61を通り抜ける(貫通する)まで、シース40をガイドワイヤ70に沿って進行させる。
次いで、図4(c)に示すように、ロッド部材50の操作部53を操作してカバードステント10をシース40内から押し出しながら、シース40を後退させる。これにより、収縮状態にあったカバードステント10が、シース40から外部に露出しながら径方向外側に自己拡張し、拡径状態となる。これにより、消化管60の狭窄部61をカバードステント10が径方向外側に押し広げる。
その後、図4(d)に示すように、ガイドワイヤ70をシース40に引き込みながら、シース40を更に後退させることにより、カバードステント10の留置が完了する。これにより、消化管60の狭窄部61がカバードステント10によって径方向外側に押し広げられた状態が維持され、消化管60の狭窄が解消(又は緩和)される。
なお、上記した留置装置1の構成は、一例であってこれに限られるものではなく、例えば、操作部53を具備することなく、ロッド部材50を把持してその相対的な位置を固定した状態でシース40を後退させることで、シース40内からカバードステント10を放出するようにしてもよい。
<作用・効果>
以上に説明したように、本発明の実施形態に係るカバードステント10によれば、骨格部20と皮膜部30とによって管壁が構成され、骨格部20が拡張変形してカバードステント10の管壁の外面で消化管の内面を押圧した押圧状態とすることができ、例えば、消化管そのものの運動(例えば、収縮や拡張等の運動)が生じてカバードステント10の管壁の外面側から外力が加えられても骨格部20が変形することで、留置部位に留まりながら消化管を押し広げ続けることができる。そして、骨格部20を構成する線材により形成される空間が皮膜部30によって塞がれているので、消化管細胞組織がカバードステント10の内側に滲出しようとしても皮膜部30によって堰き止められる。。
したがって、カバードステント10は、消化管60内に留置された状態にてカバードステント10の外側から内側への消化管細胞組織の滲出を適正に防止することができる。
更に、カバードステント10によれば、例えば蠕動運動、分節運動、及び、振子運動等の消化管60の伸縮運動により消化管60が変形しても、カバードステント10の径方向の変形及び軸線方向の変形により、そのような消化管60の変形に追従できる。換言すると、カバードステント10は、消化管60そのものの運動に柔軟に追従することにより、留置された位置を保持可能である。よって、カバードステント10は、留置位置からの位置ずれを防止できる。
なお、上述した消化管の変形への追従は、例えば、骨格部20の材料(ニチノール等)、骨格部20の断面積および断面形状(ワイヤ等の円線材、又は、レーザカットによる角線材)、周方向における骨格部の折り返し回数および折り返し形状(ギザギザ形状の凹凸回数および凹凸形状)、並びに、軸線方向における骨格部20のピッチ(骨格量)等を、留置する消化管に応じた適切な値に設定することにより、実現される。これらパラメータの具体的な値は、例えば、あらかじめ実験等を行うことにより、特定され得る。
更に、カバードステント10は、その外周面に形成された凸状部31が消化管の内壁面に食い込むことによっても、留置位置からの位置ずれを防止できる。
更に、カバードステント10は、屈曲した消化管60に留置された場合であっても、径方向の太さを維持しながら湾曲することができる。よって、カバードステント10は、消化管60の形状によらず、消化管60の様々な箇所に留置することができる。
<他の態様>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用できる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、上記実施形態では、図1(a)に示すように、骨格部20は、断面形状が円形又は楕円形の円線状骨格部(例えば、ニチノールワイヤ)が波状に屈曲しながら螺旋状に延びることにより、円管形状に成形されている。これに対し、骨格部20は、断面形状が多角形(典型的には、四角形)の角線状骨格部によって構成されていてもよい。このような角線状骨格部は、例えば、筒状の母材(例えば、ニチノールチューブ)をレーザカット法によって加工することにより、構成され得る。
レーザカット法によって製造した角線状骨格部の例として、図5(a)に示すように、軸線方向に等間隔に並ぶと共にそれぞれがジグザグ状に屈曲しながら環状に延びる複数の環状部21と、隣接する環状部21間において軸線方向に延びて隣接する環状部21同士を軸線方向に連結する複数の連結部22と、から骨格部20を構成し得る。連結部22は、周方向の一又は複数の箇所に設けられている。連結部22は、環状部21と一体的に構成されている。
更に、図5(b)に示すように、拡張状態にて、骨格部20の軸線方向における中央部分12よりも消化管を流れる物の流れ方向上流側の部分11aの径が大きいようにカバードステント10の骨格部20が構成されていてもよい。これにより、流れ方向上流側の部分11aが消化管の内壁面に押し付けられることにより、カバードステント10が留置位置により強固に固定され、留置位置からの位置ずれをより適正に防止できる。更に、流れ方向上流側の部分11aと消化管60との間に隙間が生じ難くなり、消化管を流れる物がカバードステント10と消化管60との間に入り込むことを防止できる。
なお、骨格部20は、消化管を流れる物の流れ方向上流側の部分11aだけでなく、流れ方向下流側の部分11bも中央部分12よりも径が大きいように構成されてもよい。また、このような径が大きい部分は、骨格部20の厳密な端部に設けられなくてもよく、端部よりも中央部分12に近い位置に設けられてもよい。
更に、上記実施形態では、図1(a)に示すように、拡張状態において、骨格部20の金属細線における山部の頂部及び谷部の底部の全てが、円管形状の側面内(円筒面内)に位置している。これに対し、図5(c)に示すように、骨格部20の複数の山部のうち一部の山部20aが円管形状の側面(円筒面)から径方向外側に突出するように骨格部20を構成してもよい。この場合、山部20aは、周方向の複数の位置に(例えば、周方向において等間隔に複数の位置に)設けられることが好ましい。これにより、山部20aが消化管60の内壁面に食い込むことにより、カバードステント10が留置位置により強固に固定され、カバードステント10の留置位置からの位置ずれをより適正に防止できる。
更に、図5(a)に示す例では、骨格部20が、角線状骨格部である複数の環状部21と、角線状骨格部である複数の連結部22と、で一体構成されているのに対し、図6(a)に示すように、骨格部20が、角線状骨格部(例えば、レーザカット法により製造された骨格部)である複数の環状部21と、円線状骨格部(例えば、ニチノールワイヤ)である複数の連結部22と、の組合せによって構成されてもよい。この場合、図6(b)に示すように、環状部21に設けられたループ部21aに連結部22の端部が係止されることにより、各連結部22が対応する環状部21と連結されている。
更に、図7に示すように、骨格部20が、角線状骨格部(例えば、レーザカット法により製造された骨格部)である環状部21と、円線状骨格部(例えば、ニチノールワイヤ)である螺旋部23と、の組合せによって構成されてもよい。図7に示す例では、カバードステント10の軸線方向の両端部に角線状骨格部である環状部21が配置され、両端部分に挟まれる中央部分に円線状骨格部である螺旋部23が配置されている。なお、図6(b)と同様、環状部21及び螺旋部23に設けられたルーブ部21aに連結部22の端部を縛り付けることにより、管状部21と螺旋部23とが連結されている。
図7に示す骨格部20によれば、径方向における拡張性と、湾曲の容易さと、を両立するようにカバードステント10を構成し得る。具体的には、カバードステント10を消化管内に留置するにあたり、消化管を押し広げることが可能な拡張性(例えば、ラジアルフォースの大きさ)と、湾曲した消化管に対しても容易に湾曲可能な曲げ性(例えば、アキシャルフォースの大きさ)と、を留置する消化管に応じた適切な度合いに設定することが望ましい。一般に、拡張性が過大であると消化管の内壁面に対して強い刺激を与えるおそれがあり、拡張性が過小であると位置ずれの原因となる。また、曲げ性が過小であるとカバードステントの復元力によって消化管の内壁面に対して強い刺激を与えるおそれがあるため、曲げ性に優れることが好ましい。
一般に、円線状骨格部は、角線状骨格部と比べ、拡張性が小さく、曲げ性に優れる。逆に、角線状骨格部は、円線状骨格部と比べ、拡張性が大きく、曲げ性に劣る。ここで、図6及び図7に示す例では、骨格部20が、円線状骨格部である連結部22と、角線状骨格部である環状部21と、の両方を用いて構成されるため、カバードステント10の拡張性と曲げ性とを両立できる。換言すると、適度な拡張性と優れた曲げ性とを兼ね備えたカバードステント10を実現できる。
なお、円線状骨格部と角線状骨格部との双方を用いる場合、例えば、カバードステントの軸線方向における両端部分を角線状骨格部によって構成し、カバードステントの中央部分を円線状骨格部によって構成することが好ましい。これによれば、上述したように、留置位置からの位置ずれを防ぎつつ、消化管を流れる物がカバードステントと消化管との間に入り込むことを防止できる。
更に、上記実施形態では、皮膜部30は、骨格部20を覆うように設けられているが、一例であって必ずしも骨格部20を覆うように設けられなくてもよく、骨格部20を構成する線材により形成される空間を塞ぐように設けられればよい。例えば、皮膜部30は、骨格部20の所定方向(例えば、軸線方向)にみて隣り合った状態となる線材どうしの隙間(空間)を少なくとも塞ぎ、カバードステント10の内面側の線材の端部周辺や外面側の端部周辺を露出させるように、設けられてもよい。
10 カバードステント
11a 流れ方向上流側の部分
12 中央部分
20 骨格部
20a 山部(凸状部)
21 環状部(角線状骨格部)
22 連結部(円線状骨格部)
23 螺旋部(円線状骨格部)
30 皮膜部
31 凸状部

Claims (3)

  1. 消化管内に留置されると共に消化管を流れる物が通過可能な通路を画成する管状のカバードステントであって、
    径方向外側への拡張変形が可能な骨格部と、
    前記骨格部を構成する線材を内周側及び外周側から挟み込むように覆って固定された皮膜部と、を備え、
    前記皮膜部の外周面には、前記骨格部の前記線材に沿って該皮膜部が径方向外側に向けて突出した凸状部が設けられ、
    前記線材は、断面形状が円形又は楕円形の金属細線であり、
    前記骨格部は、前記線材が軸方向に山部と谷部とが交互に現れるように屈曲しながら螺旋状に延びるように形成され、
    前記骨格部が拡張変形して当該カバードステントの外面で消化管の内面を押圧した押圧状態にて、前記外面側から加えられる外力に応じて前記骨格部の径方向の大きさを維持したまま軸線方向に伸縮可能、且つ、屈曲可能に構成されている、カバードステント。
  2. 請求項に記載のカバードステントにおいて、
    前記押圧状態にて、前記骨格部は、その軸線方向における中央部分よりも消化管を流れる物の流れ方向上流側の部分が大径である、カバードステント。
  3. 請求項1又は請求項に記載のカバードステントにおいて、
    前記骨格部の前記線材は、少なくとも一部が径方向外側に向けて突出するように構成された、カバードステント。
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