JP7351292B2 - 管腔臓器間バイパス用ステント及び管腔臓器間バイパス用ステントを含むステントデリバリーシステム - Google Patents

管腔臓器間バイパス用ステント及び管腔臓器間バイパス用ステントを含むステントデリバリーシステム Download PDF

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Description

本発明は、管腔臓器間バイパス用ステント及びこれを体内の所定位置まで搬送するステントデリバリーシステムに関する。
近年、切除不能の悪性胆道狭窄又は閉塞症例で、胆道ドレナージを必要とするもののうち、経十二指腸乳頭的アプローチが不可能な場合等において、超音波内視鏡ガイド下胆道ドレナージ(EUS-BD)を施行した報告がある。EUS-BDは、超音波内視鏡を胃又は十二指腸に挿入し、超音波画像をリアルタイムに観察しながら、胃壁又は十二指腸壁から穿刺針で胆管又は胆嚢を穿刺し、ガイドワイヤーを胆管又は胆嚢に挿入し、胃壁又は十二指腸壁と胆管又は胆嚢とを架け渡すようにバイパス用ステントを挿入・留置する手技である。この手技により、体内にステントを埋め込む形で胆管ドレナージが可能となる。
EUS-BDに用いられるステントとしては、金属製のステント基材の表面をポリマー製フィルムからなるカバー材で被覆してなるカバードステントが挙げられる。また、特にEUS-BDに好適に用いられるカバードステントとして、マイグレーションを防止したり、内臓壁を傷付けることを防止したりするためのフッキング部を有するものが提案されている(特許文献1参照)。
特開2015-66221号公報
しかしながら、胃などの消化管は大きく変形し得るため、管腔臓器と他の管腔臓器とをバイパス接続するための管腔臓器間バイパス用ステントに対しては、管腔臓器の変形に耐えてバイパスが維持されるように、マイグレーションの防止機能をさらに高めることが求められている。
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、マイグレーションの防止機能を有する管腔臓器間バイパス用ステント及びこれを含むステントデリバリーシステムを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る管腔臓器間バイパス用ステントは、
管腔臓器と他の管腔臓器とをバイパス接続するための管腔臓器間バイパス用ステントであって、
周方向に繋がっている細長い筒状の本体部と、
前記本体部の軸方向の両端部のうちの一方である第1端部に接続する基端部から、自由端である先端部へ向かう長手方向に沿って、前記本体部の外側へ湾曲する湾曲形状を有しており、前記周方向には互いに繋がっておらず独立している複数の第1フッキング部と、を有し、
前記第1フッキング部において前記先端部と前記基端部との間にある中間部は、前記長手方向に直交する幅方向の長さが第1長さである複数の第1部分と、前記第1部分に前記長手方向の両側を挟まれており、前記幅方向の長さが前記第1長さより長い第2長さである少なくとも1つの第2部分と、を有することを特徴とする。
本発明に係る管腔臓器間バイパス用ステントは、第1フッキング部の中間部に、幅方向の長さが異なる第1部分と第2部分とを有するため、特に幅方向の長さが長い第2部分や、第1部分と第2部分との境界部が、ステントが留置位置から移動することを妨げるアンカーとして機能する。したがって、このような管腔臓器間バイパス用ステントは、マイグレーションを効果的に防止することができる。
また、たとえば、前記複数の前記第1フッキング部には、前記周方向に隣接して配置されており、互いに形状の異なる第1タイプの前記第1フッキング部と、第2タイプの前記第1フッキング部とが含まれていてもよく、
前記長手方向の位置に関して、前記第1タイプの前記第1フッキング部において前記第1部分が配置されている位置に、前記第2タイプの前記第1フッキング部では前記第2部分が配置されていてもよい。
第1フッキング部における第1部分と第2部分との長手方向の位置が入れ替わっている第1タイプと第2タイプとを、周方向に隣接するように配置している管腔臓器間バイパス用ステントは、第2部分を、互いに幅方向に重複することなく密に形成してあるので、第2部分の第2長さを長くしても、ステントデリバリーシステムに収容される際において、それぞれの第2部分が互いに邪魔になりにくく、第2長さをより長いものとすることによって、より良好なマイグレーション防止機能を有するものとすることができる。また、ステントデリバリーシステムから放出する際における押し出し易さも良好なものとなる。
また、たとえば前記基端部から前記先端部に向けて、前記軸方向に対する角度が90°を超えて変化するように湾曲していてもよい。
第1フッキング部の湾曲形状は、特に限定されないが、基端部から先端部に向けて、軸方向に対する角度が90°を超えて変化するように湾曲していることにより、第1フッキング部の湾曲形状が引き延ばされる際に生じる抵抗力がより大きくなる。そのため、このような第1フッキング部を有する管腔臓器間バイパス用ステントは、さらに良好なマイグレーション防止効果を奏する。
また、たとえば、前記第1フッキング部において、前記中間部における前記基端部側の一部は、前記軸方向に関して前記第1端部よりも外側に位置してもよく、
前記第1フッキング部において、前記中間部における前記先端部側の他の一部又は前記先端部は、前記軸方向に関して前記第1端部よりも内側に位置してもよい。
このような第1フッキング部を有する管腔臓器間バイパス用ステントでは、第1フッキング部が管腔臓器の内壁に触れることによって、本体部の端部を管腔臓器の内部側に押し込むような力が加わるので、さらなるマイグレーション防止効果を奏することができる。
また、たとえば、本発明にかかる管腔臓器間バイパス用ステントは、前記本体部の前記両端部のうちの他方である第2端部に接続する基端部から、自由端である先端部へ向かう長手方向に沿って、前記本体部の外側へ湾曲する湾曲形状を有しており、前記周方向には互いに繋がっておらず独立している複数の第2フッキング部をさらに有してもよく、
前記第2フッキング部において前記先端部と前記基端部との間にある中間部は、前記長手方向に直交する幅方向の長さが第1長さである複数の第1部分と、前記第1部分に前記長手方向の両側を挟まれており、前記幅方向の長さが前記第1長さより長い第2長さである少なくとも1つの第2部分と、を有してもよい。
このような管腔臓器間バイパス用ステントは、本体部の両端部に接続される第1フッキング部と第2フッキング部とが、いずれも留置位置からのずれを防止するアンカーとして作用することにより、マイグレーションをより効果的に防止することができる。
また、たとえば前記第2フッキング部は、前記基端部から前記先端部に向けて、前記軸方向に対する角度が90°を超えて変化していてもよい。
第2フッキング部が軸方向に対して90°を超えて湾曲していることにより、第2フッキング部の湾曲形状が引き延ばされる際に生じる抵抗力がより大きくなるため、このような第2フッキング部を有する管腔臓器間バイパス用ステントは、より良好なマイグレーション防止効果を奏する。
また、たとえば、前記第2フッキング部において、前記中間部における前記基端部側の一部は、前記軸方向に関して前記第1端部よりも外側に位置してもよく、
前記第2フッキング部において、前記中間部における前記先端部側の他の一部又は前記先端部は、前記軸方向に関して前記第1端部よりも内側に位置してもよい。
このような第2フッキング部を有する管腔臓器間バイパス用ステントでは、第2フッキング部が管腔臓器の内壁に触れることによって、本体部の端部を管腔臓器の内部側に押し込むような力が加わるので、さらなるマイグレーション防止効果を奏することができる。
本発明に係るステントデリバリーシステムは、上記いずれかに記載の管腔臓器間バイパス用ステントと、
前記管腔臓器間バイパス用ステントを体内の所定の位置に搬送する搬送機構と、を有する。
図1は、本発明に係るステントデリバリーシステムの一例を表す概念図である。 図2は、本発明に係る管腔臓器間バイパス用ステントの一例を表す外観図である。 図3は、図2に示す管腔臓器間バイパス用ステントにおける本体部の断面図である。 図4は、図2に示す管腔臓器間バイパス用ステントにおけるフレーム部及びフレーム部と一体に形成された第1及び第2フッキング部を表す部分展開図である。 図5は、図4に示す管腔臓器間バイパス用ステントの部分拡大図である。 図6は、第1変形例に係る管腔臓器間バイパス用ステントの部分拡大図である。 図7は、第2変形例に係る管腔臓器間バイパス用ステントの部分拡大図である。
本発明の管腔臓器間バイパス用ステント及びこれを含むステントデリバリーシステムについて、図1~図7に示す実施形態及びその変形例を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るステントデリバリーシステム50の外観図であり、図1(a)は管腔臓器間バイパス用ステント11(以下、単に「ステント11」と省略する場合がある。)を収容した第1状態のステントデリバリーシステム50を表しており、図1(b)はステント11を放出する第2状態のステントデリバリーシステム50の遠位端部分を表している。なお、ステントデリバリーシステム50の説明においては、操作部60が配置される近位端から先端チップ62が配置される遠位端まで、ステントデリバリーシステム50が延在する方向を軸方向D1として、説明を行う。
図1に示すように、ステントデリバリーシステム50は、ステント11と、ステント11を体内の所定の位置に搬送する搬送機構52とで構成される。搬送機構52は、操作部60、最外管64、アウターシース66、インナーシャフト68及び先端チップ62等を有する。ステントデリバリーシステム50の全長は、ステント11の留置位置や搬送経路等によって異なるが、たとえば300~2500mm程度である。
図1(a)に示すように、ステント11は、ステントデリバリーシステム50の遠位端近傍に収容されている。ステントデリバリーシステム50の操作者は、図1(a)に示す第1状態でステント11を体内の留置位置まで搬送した後、ステントデリバリーシステム50を図1(b)に示す第2状態とすることにより、ステント11を放出して体内の所定の位置に留置する。
図1(a)及び図1(b)に示すように、インナーシャフト68は、ステントデリバリーシステム50の近位端に備えられる操作部60から、ステントデリバリーシステム50の遠位端に備えられる先端チップ62まで、軸方向D1に延びている。図1(a)に示す第1の状態において、インナーシャフト68は、アウターシース66及び操作部60のハウジング61等の内部に収容されている。
図1(b)に示すように、インナーシャフト68は、遠位端近傍に、他の部分より外径が小さい小径部を有する。アウターシース66が近位端側に移動した第2の状態では、遠位端にある小径部が露出する。インナーシャフト68の内部には、ガイドワイヤーを通すためのガイドワイヤルーメンが形成されている。
インナーシャフト68の遠位端には、先端チップ62が設けられており、先端チップ62には、インナーシャフト68のガイドワイヤルーメンに連通する貫通孔が形成されている。先端チップ62は樹脂等で作製されており、管腔臓器の内壁に接触した際に、これを傷つけることを防止できるように、丸みを帯びた外形状を有している。
アウターシース66は、図1(a)に示す第1の状態から、図1(b)に示す第2の状態へ、インナーシャフト68に対して軸方向D1へ相対移動可能である。アウターシース66の近位端は、操作部60におけるハウジング61の内部に収容されている。操作部60は、ハウジング61に取り付けられた操作レバー63の操作に連動して、アウターシース66をインナーシャフト68に対して、軸方向D1の一方である近位端側に相対移動させる。これにより、ステントデリバリーシステム50は、アウターシース66がインナーシャフト68の小径部を覆う第1の状態から(図1(a))、インナーシャフト68の小径部及びステント11を露出させる第2の状態へ(図1(b))変化する。なお、操作部60の近傍には、アウターシース66の外周をさらに覆う最外管64が設けられている。操作者がアウターシース66を直接に握ると、操作部60によるアウターシース66の移動が妨げられるおそれがあるが、最外管64がアウターシース66を覆うことにより、そのような問題を防止できる。
搬送機構52の最外管64、アウターシース66及びインナーシャフト68は、たとえば、可撓性を有する樹脂製のチューブ等で構成される。また、アウターシース66に用いられる樹脂チューブの内部には、金属の線材が埋め込まれていてもよい。なお、インナーシャフト68における小径部の近位端側には、ステント11の放出時にステント11を軸方向D1に押すプッシュリング69(図1(b)参照)が設けられていてもよく、そのプッシュリング69は、X線不透過材料で構成されていてもよい。また、搬送機構52における先端チップ62や操作部60の材料は特に限定されないが、たとえば、樹脂を成形又は加工したものを用いることができる。
図2は、ステントデリバリーシステム50に収容されるステント11の外観図であり、ステント11が径方向に拡張した状態を示している。ステント11は、管腔臓器と他の管腔臓器とをバイパス接続するための管腔臓器間バイパス用ステントとして、超音波内視鏡ガイド下経胆道ドレナージ(EUS-BD)に用いる管腔臓器間バイパス用ステント、すなわち、胃又は十二指腸と胆管又は胆嚢とをバイパス接続するバイパス用ステントである。また、ステント11は、径方向に圧縮力を加えると弾性によって径方向に収縮し、その圧縮力が解除されると径方向に拡張する自己拡張型のカバードステントである。ただし、本発明の管腔臓器間バイパス用ステントはこれに限定されず、バルーン拡張型のカバードステントであってもよく、さらには径方向に拡張しないチューブステント等のステントであってもよい。
図2に示すように、ステント11は、細長い略筒状の本体部12と、本体部12の両端部のうちの一方である第1端部(図2において右端)Rに設けられた複数の第1フッキング部14と、本体部12の両端部のうちの他方である第2端部(図2において左端)Lに設けられた複数の第2フッキング部15とを有する。
本体部12は、筒状のフレーム部13と、フレーム部13の外周を覆う被覆フィルム部12aとを有する。図4は、図2に示すステント11におけるフレーム部13及びフレーム部13と一体に形成された第1及び第2フッキング部14、15を表す部分展開図であり、ステント11を径方向に最も収縮させたときの状態を示している。図4に示すように、フレーム部13は、金属製(又は樹脂製)の線状部材であるストラット13a及びブリッジ13bにより形成されている。ここでフレーム部13は線材を編込んで形成してもよいが、図4に示すように、チューブ状若しくはパイプ状の母材にレーザー加工等を行ってストラット13a及びブリッジ13bを形成した、いわゆるレーザーカットタイプであることが好ましい。フレーム部13がレーザーカットタイプであれば、フレーム部13が径方向に拡張するとき、フレーム部13の軸方向D2の長さの縮みが抑制され、ステント11を意図した位置に留置しやすくなる。フレーム部13を構成するストラット13a及びブリッジ13bの断面形状は四角形状や円形状とすることができる。なお、図2及び図4に示すステント11の説明では、筒状の本体部12の中心軸Cが延びる方向を、ステント11の説明における軸方向D2とする。図1(a)に示すように、ステント11は、本体部12の軸方向D2が、ステントデリバリーシステム50の軸方向D1に一致するように、搬送機構52に収容される。
フレーム部13は、図2にも示されているように、ジグザグ円環状の複数のストラット13aと、隣接するストラット13a間を接続するブリッジ13bとを有する。ストラット13aは、フレーム部13の周方向に沿って三角波状に連続し、円環状に繋がっている。ただし、図4に示すように、フレーム部13が最も収縮している状態(レーザーカット後の状態)においては、ストラット13aは、S字状に蛇行しながら、周方向に繋がっている。
図2及び図4に示すように、ブリッジ13bは、隣接するストラット13aにおける三角波の頂点又は蛇行形状のカーブ部分の一部を、軸方向D2に接続している。このようにして複数のストラット13aが接続されることにより、筒状のフレーム部13が構成されている。隣接する2つのストラット13aを接続するブリッジ13bは、略均等な間隔で配置されるが、隣接する2つのストラット13aを接続するブリッジ13bの位置は、軸方向D2に並んで形成されることはなく、周方向にずれている。
図3は、図2に示すステント11の断面図である。図3に示すように、フレーム部13の表面はコーティング膜12cで覆われており、また、コーティング膜12cは、隣接するストラット13aの間を埋めるように広がっており、フレーム部13の外周面を被覆している。コーティング膜12cによって覆われたフレーム部13の外周は、第1のポリマーフィルム12aaと第2のポリマーフィルム12abとを含む被覆フィルム部12aによって覆われている。
コーティング膜12cによってフレーム部13を被覆することによって、ステント11(本体部12)の内周面であるステント内周表面12bを、平滑にすることができる。ステント内周表面12bを平滑にすることで、ステント11を体内に留置した場合に、ステント内周表面12bに老廃物が堆積し難くなり、感染症等が防止される。
コーティング膜12cの材料としては、エラストマーや樹脂等のポリマーが用いられるが、その中でも、有機溶媒に溶解し毒性の少ないものが好ましい。コーティング膜12cに用いることができるポリマーとしては、たとえば非生体分解性ポリマーや生体分解性ポリマーを使用できるが、生体内で容易に分解されない非生体分解性ポリマーを用いることが好ましく、非生体分解性ポリマーの中でも、ポリウレタン又はシリコーン樹脂を用いることが特に好ましい。なお、コーティング膜12cを構成するポリマーには、必要に応じて、抗がん剤や抗血栓剤などの薬剤や、老化防止剤などの添加剤を配合してもよい。
フレーム部13の表面にコーティング膜12cを形成する方法としては、特に限定されないが、フレーム部13を樹脂溶液に浸漬させた後、乾燥させる方法が好適である。
フレーム部13の外周を覆う被覆フィルム部12aは、第1のポリマーフィルム12aaと第2のポリマーフィルム12abを含む。第1のポリマーフィルム12aaは、フレーム部13と第2のポリマーフィルム12abの間に配置されており、フレーム部13の外周を被覆する。
第1のポリマーフィルム12aaの厚さは、第1のポリマーフィルム12aa全体の平均値として、4~20μmとすることが好ましい。第1のポリマーフィルム12aaが厚すぎると、ステント11の柔軟性が不足するおそれがある。また、第1のポリマーフィルム12aaが薄すぎると、第2のポリマーフィルム12abを、フレーム部13による穿孔等から保護できなくなるおそれがある。
第1のポリマーフィルム12aaは、フレーム部13の外周を、1周以上1周半未満周回するように、フレーム部13に巻きつけられている。第1のポリマーフィルム12aaの巻回数を1周~1周半とすることによって、第2のポリマーフィルム12abをフレーム部13による穿孔等から保護しつつ、本体部12の柔軟性が不足することを防止することができる。
第2のポリマーフィルム12abは、第1のポリマーフィルム12aaの外周を、複数回周回するように、第1のポリマーフィルム12aaに巻き付けられている。第2のポリマーフィルム12abの巻回数を複数周とすることにより、ステント11の内部を通る胆汁等の消化液や消化された食物等が第1のポリマーフィルム12aaの外側まで漏出したとしても、それ以上の漏出を第2のポリマーフィルム12abによって確実に防止することができる。
第1のポリマーフィルム12aa及び第2のポリマーフィルム12abの材料としては、エラストマーや樹脂等のポリマーが用いられるが、その中でも、有機溶媒に溶解し毒性の少ないものが好ましい。また、ステント11の本体部12の柔軟性を確保しながら、第2のポリマーフィルム12abをフレーム部13による穿孔等から保護する観点から、第1のポリマーフィルム12aaの材料として、第2のポリマーフィルム12abの材料であるポリマーに比べて高い強度を有するポリマーを用いることが好ましい。
図2に示すように、本体部12の全長Hは、バイパス接続すべき管腔臓器間の距離に応じて決定されるが、10mm~200mmとすることができ、40mm~120mmとすることが好ましい。また、本体部12の拡張時(外力が働いていないとき)の外径Dは、バイパス接続すべき管腔臓器の種類や大きさ等に応じて決定されるが、φ2mm~φ20mmとすることができ、φ4mm~φ15mmとすることが好ましく、φ6mm~φ10mmとすることがさらに好ましい。本体部12の収縮時(ステントデリバリーシステム収容時)の外径は、拡張時の外径に対して、数分の1程度である。
図4に示すように、フレーム部13を構成するストラット13aの線径は、0.05~1mmであることが好ましい。また、ストラット13aの断面が矩形である場合には、ストラット13aの断面における長辺方向の長さが0.06~1mmであって、短辺方向の長さが0.05~0.9mmであることが好ましい。フレーム部13の外径寸法は、上述した本体部12の寸法とほぼ同様である。
フレーム部13の材料としては、樹脂又は金属が使用される。フレーム部13に使用される樹脂としては、適切な硬度と弾性を有するものを使用することが可能であり、生体適合性樹脂であることが好ましい。フレーム部13の材料として使用される樹脂としては、たとえば、ポリオレフィン、ポリエステル、フッ素樹脂などが挙げられる。また、ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが挙げられる。また、フッ素樹脂の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)などが挙げられる。
フレーム部13に使用される金属としては、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金、ステンレス鋼、タンタル、チタン、コバルトクロム合金、マグネシウム合金等が挙げられるが、Ni-Ti合金のような超弾性合金が好ましい。フレーム部13に使用される超弾性合金の具体例としては、49~58重量%NiのNi-Ti合金が挙げられる。また、Ni-Ti合金中の原子のうち0.01~10.0重量%を他の原子で置換したNi-Ti-X合金(X=Co、Fe、Mn、Cr、V、Al、Nb、W、Bなど)や、Ni-Ti合金中の原子のうち0.01~30.0重量%を他の原子で置換したNi-Ti―X合金(X=Cu、Pb、Zr)等も、フレーム部13の材料として好適である。これらの超弾性合金の機械的特性は、冷間加工率及び/又は最終熱処理の条件を選択することにより調整される。
フレーム部13の成形は、たとえば、YAGレーザー等を用いたレーザー加工、放電加工、化学エッチング、切削加工等によって、チューブ状若しくはパイプ状の母材を加工することによって行うことができる。
フレーム部13には、単数又は複数のX線マーカーが設置されていることが好ましい。X線マーカーは、たとえば、X線造影性材料(X線不透過材料)によって構成される。ステント11を体内に留置した際に、X線造影下でX線マーカーの位置を確認することによって、ステント11の留置位置を把握することができる。
図2に示すように、本体部12の両端部のうちの一方である第1端部(図2において右端)Rには、複数の第1フッキング部14が設けられている。図4に示すように、第1フッキング部14は、弾性を有しており長手方向D3に延びる線状、棒状又は薄板状の部材により形成されている。図2に示すように、ステント11は、4本の第1フッキング部14を有しているが、ステント11が有する第1フッキング部14の数は、2本又は3本であっても、5本以上であってもよく、特に限定されない。なお、図4は部分展開図であるため、第1フッキング部14は3本しか図示されていない。
図5は、本体部12の第1端部R及び第1フッキング部14を拡大した部分拡大図である。本体部12は、ストラット13a及び図2に示す被覆フィルム部12aによって周方向に繋がっているのに対して、図5に示す複数の第1フッキング部14は、周方向に互いに繋がっておらず、独立している。
図2に示すように、第1フッキング部14は、第1端部Rに接続する基端部14bから、自由端である先端部14aまで長手方向D3に沿って、本体部12の外側へ湾曲する湾曲形状を有している。ただし、ステント11が図1(b)に示すようにステントデリバリーシステム50内に収容されている状態では、展開図である図4に示すように、第1フッキング部14が軸方向D2に引き伸ばされた状態であってもよい。この場合、それぞれの第1フッキング部14は、ステント11がステントデリバリーシステム50から放出された際に、自己の弾性力により本体部12の外側へ湾曲するように、くせ付けされている。
図4及び図5に示すように、本実施形態では、第1フッキング部14はフレーム部13と一体的に形成するものとし、従って第1フッキング部14の基端部14bはフレーム部13(フレーム)の端部に接続されている。第1フッキング部14の断面形状は特に限定されないが、矩形状又は円形状とすることができ、フレーム部13のフレームと同一形状とすることができる。
第1フッキング部14は、フレーム部13とは独立して形成した後に、レーザー溶接等により一体的に固定するようにしてもよいし、フレーム部13を、母材からレーザー加工等によって形成するときに、フレーム部13と一体として切り出すようにしてもよい。この場合において、図2に示すような第1フッキング部14の形状(湾曲形状)は、図4及び図5に示す形状に第1フッキング部14を切り出した後に、切り出した後の第1フッキング部14を図2に示すようにくせ付けすることにより、成形することができる。
図5に示すように、第1フッキング部14において先端部14aと基端部14bとの間にある中間部14cは、長手方向D3に直交する幅方向D4の長さが第1長さL1である複数の第1部分14caと、第1部分14caに長手方向の両側を挟まれており、幅方向D4の長さが第1長さL1より長い第2長さL2である少なくとも1つの第2部分14cbと、を有する。第1フッキング部14は、複数の第1部分14ca(図5に示す例では4つ)と、複数の第2部分14cb(図5に示す例では3つ)とが、長手方向D3に沿って交互に配置されている。
図5に示すように、第1部分14caの幅方向D4の長さは、長手方向D3に沿って一定であり、第1長さL1である。これに対して、第2部分14cbの幅方向D4の長さは、長手方向D3に沿って変化しており、最大値が第2長さL2である。それぞれの第2部分14cbの形状は、基端部14bに近い側において幅方向D4に沿って伸びる底辺とフレーム部13の先端部14aに近い側の頂点を有する略二等辺三角形の板状である。このように第2部分14cの基端部14bに近い側を、長手方向D3(中間部14cの伸びる方向)に対して略直交する辺を有する板状とすることにより、第2部分14cbのアンカー効果を高めることができる。
図5に示すように、第1フッキング部14には、長手方向D3に延びるスリット14dが形成されており、スリット14dが第1部分14ca及び第2部分14cbの幅方向D4中央を通っている。第1フッキング部14の基端部14bは、フレーム部13の第1端部Rにおいて、フレーム部13を構成する三角波状のストラット13aにおける三角波の頂点部(ステント11が径方向に最も収縮した状態を示す図5では蛇行形状のカーブ部分)に、それぞれ接続されている。
第1フッキング部14の先端部14aには、管腔臓器の内壁等に当接した際に、該内壁の傷付けを防止するため、図5に示されているように、滑らかな外面を有する略楕円板状の尖端保護部を一体的に設けている。なお、尖端保護部の形状は、第1フッキング部14の先端部14aが、管腔臓器の内壁等に当接した際に、該内壁の傷付けを防止できるものであればよく、略楕円板状以外に、略円板状や略半円板状などであってもよい。また、尖端保護部は、第1フッキング部14の他の部分とは一体的には設けずに、後加工によって、略球状の部材等を取り付けることによって形成してもよい。
図2に示すように、第1フッキング部14の基端部14bと先端部14aとの間の中間部14cは滑らかに湾曲しており、中間部14cにおける基端部14b側の一部は、本体部12の軸方向D2に関して第1端部Rよりも外側(図2において右(Out)側)に位置している。これに対して、第1フッキング部14における中間部14cにおける先端部14a側の他の一部又は先端部14aは、本体部12の軸方向D2に関して第1端部Rよりも内側(図2において左(In)側)に位置している。
第1フッキング部14の中間部14cにおける基端部14b側の一部は、先端部14a側に行くに従って、ステント11の中心軸Cに対して離間するように形成されている。また、本実施形態では、第1フッキング部14の中間部14cにおける先端部14a側の一部は、先端部14a側に行くに従って、本体部12の中心軸Cに対して近接するように形成され、先端部14aに至っている。すなわち、第1フッキング部14は、基端部14bから先端部14aに向けて、軸方向D2に対する角度θが180°を超えて変化するように湾曲している。
第1フッキング部14の形状(湾曲形状)としては、このような形状に限定されず、第1フッキング部14の中間部14cの先端部14a側の一部は、先端部14a側に行くに従って軸線に対して離間するように形成され、先端部14aに至るようにしてもよい。この場合、第1フッキング部14は、基端部14bから先端部14aに向けて、軸方向D2に対する角度θが90°を超えて変化するように湾曲していることが、マイグレーション防止効果を高める上で好ましい。
第1フッキング部14の湾曲形状は、全体的に一様な曲率としてもよいし、先端部14aに行くに従って連続的に又は段階的に曲率を変化させるようにしてもよい。たとえば、中間部14cにおける基端部14b側の一部の曲率を、これより先端部14a側の他の一部の曲率より大きくしてもよく、又は小さくしてもよい。なお、第1フッキング部14の湾曲形状の一部に単一又は複数の直線部を介装してもよい。また、第1フッキング部14の湾曲形状は、1つの変曲点を有する曲線に限られず、2つ又はそれ以上の変曲点を有する曲線としてもよい。
第1フッキング部14の数及び配置としては、この実施形態では4つとし、それぞれを均等角度間隔(すなわち、90°)で略放射状に配置しているが、その数は2つ、3つ、又は5つ以上であってもよい。第1フッキング部14の配置は、均等角度間隔で配置してもよいが、必ずしもそれに限定されず、適用される管腔臓器の種類や形状等に応じて適宜に選定することができる。また、本実施形態では、複数の第1フッキング部14の構成(湾曲形状、長さ等)は、全て(本実施形態では、4つ)について互いに同一のものとするが、これらの内の1つ又は複数を異なる構成(湾曲形状、長さ等)としてもよい。
図2及び図4に示すように、本体部12の両端部のうちの他方である第2端部(図2及び図4において左端)Lには、複数の第2フッキング部15が設けられている。図2に示すように、第2フッキング部15は、第2端部Lに接続する基端部15bから、自由端である先端部15aまで長手方向D3に沿って、本体部12の外側へ湾曲する湾曲形状を有している。
図4に示すように、第2フッキング部15は、第1フッキング部14と同様に、先端部15a、基端部15b及び中間部15cを有しており、第2フッキング部15の中間部15cは、第1フッキング部14の中間部14cと同様に、第1部分15caと第2部分15cbとを有する。複数の第2フッキング部15は、第1端部Rではなく第2端部Lに設けられていることを除き、上述した第1フッキング部14と同様の形状及び構造を有するため、第2フッキング部15の詳細構造については、説明を省略する。
上述したように、図2等に示すステント11は、第1及び第2フッキング部14、15の中間部14c、15cに、幅方向D4の長さが異なる第1部分14ca、15caと第2部分14cb、15cbとを有するため、特に幅方向D4の長さが長い第2部分14cb、15cbや、第1部分14ca、15caと第2部分14cb、15cbとの基端部14b、15b側の境界部が、ステント11が体内の留置位置から移動することを妨げるアンカーとして機能する。したがって、このようなステント11は、マイグレーションを効果的に防止することができる。
また、第1フッキング部14の中間部14cにおける基端部14b側の一部は、本体部12の軸方向D2に関して第1端部Rよりも外側(図2において右(Out)側)に位置しているとともに、先端部14a(又は中間部14cにおける先端部14a側の他の一部)は、本体部12の軸方向D2に関して第1端部Rよりも内側(図2において左(In)側)に位置しているため、このステント11を体内に留置した場合に、第1フッキング部14の先端部14a(又は中間部14cの先端部14a側の他の一部)が管腔臓器の内壁に当接し、第1フッキング部14の弾性により、本体部12の第1端部Rが管腔臓器の内壁から管腔臓器内側に僅かに突き出して管腔臓器内に入り込んだ状態で保持される。従って、本体部12が管腔臓器の内壁の外側(体腔内側)に入り込む方向におけるマイグレーションが防止されることに加えて、本体部12の第1端部Rが管腔臓器から逸脱して、体腔内側に入り込んでしまう事象が防止され、ステント11の周囲の体腔内(管腔臓器外)に胆汁等の消化液や消化された食物等が漏出することを効果的に抑制することができる。
また、ステント11では、本体部12の第2端部L側に第2フッキング部15が設けられているため、第2端部L側についても、第1端部R側と同様の効果を奏する。ただし、ステント11は、これとは異なり、本体部12の両端部のうち一方のみに第1フッキング部14又は第2フッキング部15が設けられていてもよい。
以上のように、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、他の実施形態や変形例を含むことは言うまでもない。たとえば、1つの第1又は第2フッキング部14、15の中間部14c、15cが有する第2部分14cb、15cbの数や大きさは特に限定されず、配置位置の状態やステント11の大きさなどに応じて変更することができる。また、第2部分14cb、15cbの形状も、図2及び図5に示すような三角形の板状に限定されず、他の多角形や円形の板状又は球形状など、三角形の板状以外の形状を採用してもよい。
図6は、第1変形例に係るステントにおける本体部(フレーム部13)の第1端部R及び第1端部Rに設けられる第1フッキング部114を表す部分拡大図である。第2変形例に係るステントにおける第1フッキング部114は、中間部114cにおける第2部分114cbの形状及び数が、実施形態に示す第1フッキング部14(図5参照)とは異なる。図6に示すように、第1フッキング部14の中間部114cは、長手方向D3に直交する幅方向D4の長さが第1長さL1である3つの第1部分114caと、第1部分114caに長手方向D3の両側を挟まれており、幅方向D4の長さが第1長さL1より長い第2長さL2である2つの第2部分114cbと、を有する。
中間部114cの第2部分114cbの形状は、楕円形の板状であり、基端部14bに近い側と先端部14aに近い側とが対称となっている。このような中間部114cも、ステントが体内の留置位置から移動することを妨げるアンカーとして機能し、ステントのマイグレーションを防止することができる。なお、第1変形例に係るステントは、中間部114cにおける第2部分114cbの形状及び数が異なることを除き、第2実施形態に係るステントと同様であるため、ステント11との共通部分については、説明を省略する。また、図6に示す部分拡大図では示されていないが、第1変形例に係るステントの第1フッキング部114も、第1端部Rに接続する基端部14bから、自由端である先端部14aへ向かう長手方向D3に沿って、本体部12の外側へ湾曲する湾曲形状を有している点については、第1フッキング部14と同様である。
図7は、第2変形例に係るステントにおける本体部(フレーム部13)の第1端部Rおよび第1端部Rに設けられる第1フッキング部を表す部分拡大図である。第2変形例に係るステントは、第1端部Rに設けられる複数の第1フッキング部が、互いに形状の異なる第1タイプの第1フッキング部24と、第2タイプの第1フッキング部44とを含む点で、図5に示すステント11とは異なる。
図7に示すように、第1タイプの第1フッキング部24は、第1端部Rに接続する基端部24bと、自由端である先端部24aと、基端部24bと先端部24aとの間にある中間部24cを有している。中間部24cは、長手方向D3に直交する幅方向D4の長さが第1長さL1である4つの第1部分24caと、第1部分24caに長手方向D3の両側を挟まれており、幅方向D4の長さが第1長さL1より長い第2長さL2である3つの第2部分24cbと、を有する。それぞれの第2部分24cbの形状は、長手方向D3に沿う2辺と幅方向D4に沿う2辺を有する矩形板状である。先端部24aには、略楕円板状の尖端保護部が設けられている。
第2タイプの第1フッキング部44は、第1タイプの第1フッキング部24に対して、周方向に隣接して配置されており、第1タイプの第1フッキング部24とは形状が異なる。図7に示すように、第2変形例のステントにおける第1端部Rには、第1タイプの第1フッキング部24と、第2タイプの第1フッキング部44とが、周方向に交互に設けられている。
第2タイプの第1フッキング部44は、第1端部Rに接続する基端部44bと、自由端である先端部44aと、基端部44bと先端部44aとの間にある中間部44cを有している。中間部44cは、長手方向D3に直交する幅方向D4の長さが第1長さL1である2つの第1部分44caと、第1部分44caに長手方向D3の両側を挟まれており、幅方向D4の長さが第1長さL1より長い第2長さL2である3つの第2部分44cbと、を有する。基端部44bには貫通穴が形成されてリング状になっており、先端部44aは中間部44cの第1部分44caと同じ幅方向D4の長さを有する。中間部44cにおける第2部分44cbの形状は、第1タイプの第1フッキング部24の第2部分24cbと同様、矩形板状である。
図7に示すように、第1タイプの第1フッキング部24と、第2タイプの第1フッキング部44とでは、中間部24c、44cにおける第1部分24ca、44cb及び第2部分24cb、44cbの長手方向D3の配置が異なる。すなわち、第1フッキング部24、44における長手方向D3の位置に関して、第1タイプの第1フッキング部24において第1部分24caが配置されている位置に、第2タイプの第1フッキング部44では第2部分44cbが配置されている。また、第1タイプの第1フッキング部24において第2部分24cbが配置されている位置に、第2タイプの第1フッキング部44では第1部分44caが配置されている。
図7に示すように、第2変形例に係るステントでは、周方向に隣接して配置される第1タイプの第1フッキング部24と第2タイプの第1フッキング部44との間で、幅方向D4の長さが長い第2部分24cb、44cbの位置が互い違いになっている。このようなステントでは、図7に示すように、第2部分24cb、44cbを、互いに幅方向に重複することなく密に形成してあるので、第2部分24cb、44cbの第2長さL2を長くしても、ステントデリバリーシステム50に収容される際において、それぞれの第2部分24cb、44cbが互いに邪魔になりにくく、第2長さL2をより長いものとすることによって、マイグレーション防止効果を高めることができる。また、図7に示すように、第1タイプの第1フッキング部24における第2部分24cbと、第2タイプの第1フッキング部44における第2部分44cbとが、軸方向D2に重複する部分Pが形成されることにより、このようなステントは、ステントデリバリーシステム50から放出する際における押し出し易さが良好である。
すなわち、図1に示すようなステントデリバリーシステム50に収容される際、図7に示す第2変形例に係るステントは、図7に示すように第1フッキング部24、44が軸方向D2に引き延ばされた状態で収容される。また、ステントデリバリーシステム50がステントを留置位置に放出する際、収容されたステントは、アウターシース66との間で生じる摩擦力に伴う軸方向D2の力に抗して、プッシュリング69によって軸方向D2に押されることにより、アウターシース66から露出される。このとき、第1フッキング部24、44は周方向に繋がっておらず独立しているため、プッシュリング69によって先端部24a、44aから軸方向D2に押された場合に、軸方向D2に押しつぶされる懸念があるとも考えられる。しかしながら、第2変形例に係るステントでは、図7に示すように第2部分24cb、44cbが軸方向D2に重複する部分Pが形成されているため、放出時の軸方向D2の力を第1フッキング部24、44が受け止め、アウターシース66から円滑に露出させることができる。
図7に示すような第1フッキング部24、44は、本体部12の両端部に設けられていてもよく、一方の端部にのみ設けられていてもよい。ただし、一方の端部にのみに設ける場合は、放出時において第1フッキング部24、44が設けられている側が、ステントがプッシュリング69に押されるように、搬送機構52に収容されることが好ましい。
11…管腔臓器間バイパス用ステント
12…本体部
12a…被覆フィルム部
12aa…第1のポリマーフィルム
12ab…第2のポリマーフィルム
12b…ステント内周表面
12c…コーティング膜
R…第1端部
L…第2端部
13…フレーム部
13a…ストラット
13b…ブリッジ
14、114…第1フッキング部
24…第1タイプの第1フッキング部
44…第2タイプの第1フッキング部
15…第2フッキング部
14a、15a、24a、44a…先端部
14b、15b、24b、44b…基端部
14c、15c、114c、24c、44c…中間部
14ca、15ca、114ca、24ca、44ca…第1部分
14cb、15cb、114cb、24cb、44cb…第2部分
50…ステントデリバリーシステム
52…搬送機構
60…操作部
61…ハウジング
62…先端チップ
63…操作レバー
64…最外管
66…アウターシース
68…インナーシャフト
69…プッシュリング
D1…デリバリーシステムの軸方向
D2…本体部の軸方向
D3…長手方向
D4…幅方向
P…重複する部分
C…中心軸
θ…角度
L1…第1長さ
L2…第2長さ

Claims (7)

  1. 消化管である管腔臓器と他の管腔臓器とをバイパス接続するための管腔臓器間バイパス用ステントであって、
    金属製の線状部材であるストラット及びブリッジにより形成されたフレーム部と、該フレーム部を覆う被覆フィルム部とにより構成され、周方向に繋がっている細長い筒状の本体部と、
    前記本体部の軸方向の両端部のうちの一方である第1端部に接続する基端部から、自由端である先端部へ向かう長手方向に沿って、前記本体部の外径側へ湾曲する湾曲形状を有しており、前記周方向には互いに繋がっておらず独立している複数の第1フッキング部と、を有し、
    前記第1端部は前記消化管である管腔臓器内に配置され、前記本体部の軸方向の両端部のうちの他方である第2端部は前記他の管腔臓器内に配置され、前記第1端部と前記第2端部との間の前記本体部は前記消化管である管腔臓器及び前記他の管腔臓器の外側の体腔内に配置され、
    前記第1フッキング部において前記先端部と前記基端部との間にある中間部は、前記長手方向に直交する幅方向の長さが第1長さである複数の第1部分と、前記第1部分に前記長手方向の両側を挟まれており、前記幅方向の長さが前記第1長さより長い第2長さである少なくとも1つの第2部分と、を有し、
    前記第1フッキング部において、前記中間部における前記基端部側の一部は、前記軸方向に関して前記第1端部よりも外側に位置し、
    前記第1フッキング部において、前記中間部における前記先端部側の他の一部又は前記先端部は、前記軸方向に関して前記第1端部よりも内側に位置し、前記消化管である管腔臓器の内壁に当接することを特徴とする管腔臓器間バイパス用ステント。
  2. 前記複数の前記第1フッキング部には、前記周方向に隣接して配置されており、互いに形状の異なる第1タイプの前記第1フッキング部と、第2タイプの前記第1フッキング部とが含まれ、
    前記長手方向の位置に関して、前記第1タイプの前記第1フッキング部において前記第1部分が配置されている位置に、前記第2タイプの前記第1フッキング部では前記第2部分が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の管腔臓器間バイパス用ステント。
  3. 前記第1フッキング部は、前記基端部から前記先端部に向けて、前記軸方向に対する角度が90°を超えて変化するように湾曲していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の管腔臓器間バイパス用ステント。
  4. 前記本体部の前記両端部のうちの他方である第2端部に接続する基端部から、自由端である先端部へ向かう長手方向に沿って、前記本体部の外側へ湾曲する湾曲形状を有しており、前記周方向には互いに繋がっておらず独立している複数の第2フッキング部をさらに有し、
    前記第2フッキング部において前記先端部と前記基端部との間にある中間部は、前記長手方向に直交する幅方向の長さが第1長さである複数の第1部分と、前記第1部分に前記長手方向の両側を挟まれており、前記幅方向の長さが前記第1長さより長い第2長さである少なくとも1つの第2部分と、を有することを特徴とする請求項1から請求項までのいずれかに記載の管腔臓器間バイパス用ステント。
  5. 前記第2フッキング部は、前記基端部から前記先端部に向けて、前記軸方向に対する角度が90°を超えて変化するように湾曲していることを特徴とする請求項に記載の管腔臓器間バイパス用ステント。
  6. 前記第2フッキング部において、前記中間部における前記基端部側の一部は、前記軸方向に関して前記第1端部よりも外側に位置し、
    前記第2フッキング部において、前記中間部における前記先端部側の他の一部又は前記先端部は、前記軸方向に関して前記第1端部よりも内側に位置し、前記他の管腔臓器の内壁に当接することを特徴とする請求項又は請求項に記載の管腔臓器間バイパス用ステント。
  7. 請求項1から請求項までのいずれかに記載の管腔臓器間バイパス用ステントと、
    前記管腔臓器間バイパス用ステントを体内の所定の位置に搬送する搬送機構と、を有するステントデリバリーシステム。
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