JP2004105381A - 体腔内拡張装置 - Google Patents

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JP2004105381A JP2002270646A JP2002270646A JP2004105381A JP 2004105381 A JP2004105381 A JP 2004105381A JP 2002270646 A JP2002270646 A JP 2002270646A JP 2002270646 A JP2002270646 A JP 2002270646A JP 2004105381 A JP2004105381 A JP 2004105381A
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Yasutsugu Miyamura
宮村 康嗣
Haruki Nitta
新田 玄樹
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Riken Electric Wire Co Ltd
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Abstract

【課題】体腔内に挿入された際に自己拡張し、体腔内を押し広げる力と柔軟性を有し、体腔内挿入時に外径を縮めた際の長手方向の変化が少なく、位置決めが容易な体腔内拡張装置を提供する。
【解決手段】互いに交差方向に設けられた第1,第2線材螺旋部201,203が交点6で周期的に内外に入れ代わる筒状体3と、筒状体3の間に設けられ第1,第2線材長手部202,204を長手方向に形成して沿わせた長手線部4とを備える。前記筒状体3が周方向に収縮することより第1,第2線材螺旋部201,203に復元力が蓄えられ、体腔内で開放することにより、体腔を押し広げることができる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、胆管、気管、血管、食道等の体腔内に留置し、狭窄や閉塞の解除、再発の防止を行い、管腔内臓器の内腔を確保するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自己拡張タイプとして一般に知られている体腔拡張装置は、ステンレススチール線を螺旋状に巻き付けた構造があり、複数の各個が剛性でありしかも可撓性を有する線状要素から構成された可撓性の管状本体を有し、前記管状本体の線状要素の各々が共通軸線としての前記管状本体の中心軸線に対して螺旋状に巻回され、前記複数の線状要素は、第一の巻回方向に巻回されるとともに相互に相対的に軸線方向に変位させた複数の第一の線状要素と、前記第一の巻回方向と逆の第二の巻回方向に巻回されるとともに相互に相対的に軸線方向に変位させた複数の第二の線状要素とで構成された伸縮可能な管状本体がある(例えば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特公平4−47575号公報
【特許文献2】
特許第2691074号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記体腔拡張装置は体腔内を押し広げる力や柔軟性を有し、体腔挿入時に外径を縮めることが容易にできるが、前記管状本体の外側または内側若しくは管状本体と一体に、別のスリーブまたは膜を設ける(例えば特許文献1の第8欄第38〜39行)ものであり、管状本体の両端は、線材の切断端となっているから、前記管状本体をそのまま体腔内拡張装置に用いるには不向きである。また、前記体腔拡張装置では、体腔内挿入のためにカテーテル内に円周方向に外周を縮めた状態で収納されるが、この円周方向に外径を縮めた時の長さと、体腔内に広げられた時の長さが40%近く収縮し、患部を外して留置される懸念がある。
【0005】
また、複数の屈曲部を隔てる複数のほぼ直線的なワイヤ部分を有するように細長いジグザグ形状に曲げられたワイヤであって、前記ジグザグ形状は、前記複数の屈曲部の大部分が螺旋内に配置されるように管形状を形成するために中央軸の周りに螺旋状に巻かれているワイヤと、前記螺旋の隣接する屈曲部に相互に接続する接続装置とを有する自己拡張型ステント(例えば特許文献2)があり、このステントでは、ワイヤをジグザク形状に形成したものを円柱状に巻き込んでおり、収納時と拡大時の長さ変化を抑えることができるものの、体腔内を押し広げる力が弱いという欠点がある。
【0006】
そこで、本発明は、体腔内に挿入された際に自己拡張し、体腔内を押し広げる力と柔軟性を有し、体腔内挿入時に外径を縮めた際の長手方向の変化が少なく、位置決めが容易な体腔内拡張装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、互いに交差方向に設けられた螺旋状の線材が交点で周期的に内外に入れ代わる筒状体と、前記筒状体の間に設けられ2本の前記線材を長手方向に形成して沿わせた長手線部とを備えるものである。
【0008】
この請求項1の構成によれば、筒状体が周方向に収縮することより螺旋状の線材に復元力が蓄えられ、体腔内で開放することにより、体腔を押し広げることができる。そして、単に螺旋状の線材が連続するのではなく、間に長手線部を設けて螺旋状の線材を規制することにより、収縮前と収縮後の長さ変化を大きくすることなく、比較的大きな復元力を得ることができる。
【0009】
また、請求項2の発明は、長手方向に隣合う前記長手線部の間に前記交点を備えるものである。
【0010】
この請求項2の構成によれば、交点における線材のズレを小さくし、編み形状を安定することができる。
【0011】
また、請求項3の発明は、前記長手線部において2本の前記線材を撚ったものである。
【0012】
この請求項3の構成によれば、撚ることにより2本の線材を簡単に固定できる。
【0013】
また、請求項4の発明は、前記長手線部の2本の前記線材を溶着又は接着したものである。
【0014】
この請求項4の構成によれば、長手線部の線材同士を固定できる。
【0015】
また、請求項5の発明は、同一螺旋方向をなす複数の前記線材は、長手方向との角度が異なるものである。
【0016】
この請求項5の構成によれば、螺旋状の線材の角度を変えることにより、所望の拡張力と柔軟性を部分的に付与することができる。例えば、複数の筒状体のうち一部の筒状体で、螺旋状の線材の軸心に対する角度を大きくすれば、この角度を大きくした筒状体は他の筒状体より拡張力と柔軟性が向上する。
【0017】
また、請求項6の発明は、同一螺旋方向をなす複数の前記線材は、長手方向との長さが異なるものである。
【0018】
この請求項6の構成によれば、長手線部の長さを変えることにより、拡張力と柔軟性を部分的に代えることができる。例えば、長手線部の長さを短くすれば、この短くした部分で体腔内を押し広げる力と柔軟性が向上する。
【0019】
また、請求項7の発明は、前記線材の長手方向端部にはループ部が形成されているものである。
【0020】
この請求項7の構成によれば、線材の切断端が露出することがないと共に、ループ部の変形により拡張力が得られる。
【0021】
また、請求項8の発明は、前記線材の端部同士を管材により加締め固定したものである。
【0022】
この請求項8の構成によれば、端部の接続を容易かつ確実に行うことができる。
【0023】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施形態を添付面を参照して説明する。図1〜図9は、本発明の第1実施形態を示し、同図に示すように、本発明の体腔内拡張装置1は、1本の線材2により形成可能であって、複数の筒状体3,3…の間に長手線部4を設け、その長手方向両端部にそれぞれループ部5を設けてなる。前記線材2は、筒状体3において、長手方向一側から螺旋状に巻きつけて第1線材螺旋部201を形成し、この第1線材螺旋部201の長手方向他側で、前記長手線部4において、装置1の長手方向に沿う第1線材長手部202を形成し、この第1長手線部202の他側の前記筒状体3において、前記線材2を、前記螺旋と同一螺旋方向の第1線材螺旋部201を形成して筒状部3を設け、同様にして長手線部4と筒状部3で線材2を第1線材長手部202と第1線材螺旋部201に形成し、他側端部において線材2をループ状に折り返してループ部5を形成し、このループ部5に連続して前記第1線材螺旋部201と交差方向をなす螺旋状の第2線材螺旋部203を前記筒状体において形成し、この筒状部の一側の前記長手線部4において、装置1の長手方向に沿う第2線材長手部204を形成し、この第2線材長手部204の一側の前記筒状体3において、前記線材2を、前記第2線材螺旋部203の螺旋と同一方向の第2線材螺旋部201を形成して筒状部3を設け、同様にして長手線部4と筒状部3で線材2を第2線材長手部202と第2線材螺旋部201に形成し、一側端部において線材2をループ状に折り返して湾曲状のループ部5を形成し、これを繰り返すことにより、前記筒状部3においては、複数の第1線材螺旋部201,201…が周方向に等間隔で設けられると共に、これらに交差する複数の第2線材螺旋部203,203…が周方向に等間隔で設けられ、また、長手線部4においては、第1,第2線材長手部202,204を沿わせてなる。尚、この例では長手線部4において第1,第2線材長手部202,204を撚り合わせている。また、長手線部4は周方向に偶数個設けられており、周方向に隣り合う長手線部4は撚り線方向を逆にしており、これにより偏りなく収縮変形することができる。尚、図に示す装置1は、周方向に8つ長手線部4を有し、それぞれの端部にループ部5を8つ有し、さらに、第1,第2線材螺旋部201,203をそれぞれ8つ有し、これらの数は同じである。
【0024】
前記体腔内拡張装置1は、前記第1,2線材螺旋部201,203をそれぞれ2つ以上有する。また、それら前記第1,2線材螺旋部201,203は交点6において周期的に内外に入れ替わるように形成されている。すなわち前記第1,2線材螺旋部201,203は線材長さ方向に隣合う交点6において、第1,2線材螺旋部201,203の一方が上で他方が下であれば、その交点6と線材長さ方向に隣合う交点6では、第1,2線材螺旋部201,203の他方が上で一方が下となる。
【0025】
長手方向に隣合う長手線部4,4の線上には少なくとも1個の前記交点6が設けられ、前記線上の交点6の数を1つ以上とすることが交点6における第1,2線材螺旋部201,203のズレを小さくし編み形状を安定するのに適している。尚、図面においては、図1などに示すように、長手方向に隣合う長手線部4,4の線上に2つの交点6を設けている。また、前記装置1は、体腔内に挿入される時にカテーテル(図示せず)内に外径を縮めて挿入されるがこの際の挿入性を考慮するとループ部5の径を小さくすることが望ましい。
【0026】
また、前記第1,2線材螺旋部201,203はそれぞれ長手方向(装置1の軸心)に対して所定の角度θをなし、この角度θを40°以上〜80°以下とすることにより、装置1により体腔内を押し広げる力と、柔軟性の両者を備えた構造を得ることができる。
【0027】
また、前記長手線部4の長さLと、長手方向に隣合う長手線部4,4の線上における前記交点6の数を調整し、前記長さLは収縮前の外径Dに対して極端に長いと装置1を曲げた際、長手方向に垂直な断面で略円形を保てず、断面形状が崩れるといった現象が現れてくるので、曲げられた時に起こる形状崩れが起こらない範囲で長さLを設定する必要がある。装置1は前記外径Dが2〜30ミリ程度で、線材2の線形は0.05〜0.5程度であり、長手方向に隣合う長手線部4,4の線上における前記交点6の数が1以上で、曲げた時に形状崩れし難く、所定の性能を備えた装置1が得られる。
【0028】
また、前記角度θは全ての筒状部3において同一とする必要はなく、例えば患部に当たる部分や両端の体腔内を押し広げる力や柔軟性が必要な部分には前記長手線部4の長さLを短くしたり、長手方向に隣合う長手線部4,4の線上の交点6の数を増やしたり、前記角度θを大きくすることができ、一方、逆に体腔内を押し広げる力が弱くて良い部分や柔軟性を必要としない部分は直線的な部分の長さを長くしたり、長手方向に隣合う長手線部4,4の線上の交点6の数を減らしたり、前記角度θを小さくすることで、装置1の長さ方向において部分的に収縮前と収縮後の長さ変化量を調整することができる。
【0029】
そして、例えば図8に示すように、外径及び隣合う長手線部4,4の線上の交点6の数を同一として、筒状部3の第1,2線材螺旋部201,203の角度θ´を他の筒状部3,3の角度θより大きく(θ´>θ)すれば、角度θの第1,2線材螺旋部201,203を有する筒状部3より角度θ´の第1,2線材螺旋部201,203を有する筒状部3の方が体腔内を押し広げる力と柔軟性が向上する。一方、図9に示すように、外径及び隣合う長手線部4,4の線上の交点6の数を同一として、筒状部3の第1,2線材螺旋部201,203の角度θ´´を他の筒状部3,3の角度θより小さく(θ´´>θ)すれば、角度θの第1,2線材螺旋部201,203を有する筒状部3より角度θ´´の第1,2線材螺旋部201,203を有する筒状部3の方が体腔内を押し広げる力を小さくすることができる。そして、角度θを40°以上にすると、体腔内を押し広げる力と柔軟性が向上するので好ましい。
【0030】
図面においては、長手線部4において、第1,第2線材長手部202,204を2回撚って相互を連結したものを図示したが、この第1,第2線材長手部202,204同士を撚らずに沿わせた状態で溶着することにより固定してもよい。
【0031】
上述したように図面では長手線部4を円周方向に8つ設けたものを図示したが、円周方向に設ける長手線部4の数は、使用する線材2の線径と共に、体腔内を押し広げる力や、カテーテル内に収容する際の最小径を決めるため、使用する部位や体腔内を押し広げる力等の要求される特性によって適正な数を選択する必要がある。
【0032】
装置1に用いる線材2の本数は1本に限らず、その使用する線材2の本数は、長手線部4の円周方向に配置される数、線材螺旋部201,203の数で適宜選定でき、線材2の端部を処理する個所を少なくするためには2本以下で編み込むように調整することが好ましく、2本以上の線材2を使う場合は、1本の加工が終わった後で、最初に巻きつけた線材2の間を等間隔で通るように同様な工程で巻き付けていく。
【0033】
使用する線径については特に規制はないが、使用部位や体腔内を押し広げる力等の要求される特性とカテーテル内の移動性、長手線部4の円周方向に配置される数との兼ね合いで適正なものを選択すればよい。
【0034】
線材2の端部2Tの固定については、端部2T,2T同士を溶接するか、金属パイプで加締るか、重ね合わせて巻き付ける等の方法で行うことができ、図2及び図3においては、ループ部5の近傍において、線材2の端部2T,2Tを沿わせてこれらを金属パイプ11により加締により接続している。
【0035】
尚、前記体腔内拡張装置1は、少なくとも1つの長手線部4とこの長手線部4の長手方向両側にそれぞれ設けられた前記筒状部3と、長手方向両端にそれぞれ設けられたループ部5から構成することができる。
【0036】
上記のような構成を採用することにより、装置1に対して円周方向から力を加えた際に、均一に外周が縮む構造となっており、これは体腔内挿入のためカテーテル内に収納する作業を容易にすると共に、患部付近において誤って患部を外して留置しようとした場合には、完全留置前であればカテーテル内への再収納を可能とする。例えば、カテーテル内から装置1を部分的に押し出した状態では、再び装置1をカテーテル内に引き込めば、装置1がカテーテルの大きさに合せてスムーズに縮小するからである。
【0037】
また、前記線材2は、白金、タンタル、イリジウム、ステンレススチール、チタンの少なくとも1つを含む金属で構成することが好ましく、直径は0.01ミリ〜0.5ミリである。さらに、金属以外のものを用いることも可能であり、前記線材2を、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネイト、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素樹脂の単繊維で構成してもよく、その直径は同様に0.01ミリ〜0.5ミリとする。
【0038】
また、装置1の線材2の一部表面に、X線不透過性の金、白金、イリジウムの少なくとも1つを含む金属を設けることができ、例えばX線不透過性の金属の鍍金やパイプとして線材2に設けたり、その金属の板又は線材を前記線材2に巻き付けることにより設けたりできる。
【0039】
このように本実施形態では、請求項1に対応して、互いに交差方向に設けられた螺旋状の線材たる第1,第2線材螺旋部201,203が交点6で周期的に内外に入れ代わる筒状体3と、筒状体3の間に設けられ2本の線材たる第1,第2線材長手部202,204を長手方向に形成して沿わせた長手線部4とを備えるから、筒状体3が周方向に収縮することより第1,第2線材螺旋部201,203に復元力が蓄えられ、体腔内で開放することにより、体腔を押し広げることができる。そして、単に螺旋状の線材が連続するのではなく、間に長手線部4を設けて第1,第2線材螺旋部201,203を規制することにより、収縮前と収縮後の長さ変化を大きくすることなく、比較的大きな復元力を得ることができる。また、交点6において第1,第2線材螺旋部201,203を上下に編んだものであって、交点6において第1,第2線材螺旋部201,203が固定されていないから、製造が容易でかつ装置1の屈曲性に優れ、収縮状態で屈曲させても、断面形状の偏平変形が少なく済み、ほぼ円形を保つことができる。
【0040】
また、このように本実施形態では、請求項2に対応して、長手方向に隣合う長手線部4,4の間に交点6を備えるから、交点6における第1,第2線材螺旋部201,203のズレを小さくし、編み形状を安定することができる。
【0041】
また、このように本実施形態では、請求項3に対応して、長手線部4において2本の線材たる第1,第2線材長手部202,204を撚ったから、このように撚ることにより第1,第2線材長手部202,204同士を簡単に固定できる。
【0042】
また、このように本実施形態では、請求項4に対応して、長手線部4の2本の線材第1,第2線材長手部202,204を溶着又は接着したから、長手線部の線材同士を固定できる。
【0043】
また、このように本実施形態では、請求項5に対応して、同一螺旋方向をなす複数の線材たる第1,第2線材螺旋部201,203は、長手方向との角度θが異なるから、第1,第2線材螺旋部201,203の角度θを変えることにより、所望の拡張力と柔軟性を部分的に付与することができる。例えば、複数の筒状体3,3のうち一部の筒状体3で、第1,第2線材螺旋部201,203の軸心に対する角度θを大きくすれば、この角度θを大きくした筒状体3は他の筒状体3より拡張力と柔軟性が向上し、このように前記角度θにより装置1の長さ方向において拡張力と柔軟性等の性能を変化設定することができる。
【0044】
また、このように本実施形態では、請求項6に対応して、長手線部4を複数備え、長手線部4の長さLが異なるから、長手線部4の長さLを変えることにより、拡張力と柔軟性を部分的に代えることができる。例えば、長手線部4の長さLを短くすれば、この短くした部分で体腔内を押し広げる力と柔軟性が向上する。このように長さLにより装置1の長さ方向において拡張力と柔軟性等の性能を変化設定することができる。
【0045】
また、このように本実施形態では、請求項7に対応して、線材2の長手方向端部にはループ部5が形成されているから、線材2の切断端が露出することがないと共に、ループ部5の変形により拡張力が得られる。
【0046】
また、このように本実施形態では、請求項8に対応して、線材2の端部2T,2T同士を管材たる金属パイプ11により加締め固定したから、端部2T,2Tの接続を容易かつ確実に行うことができる。
【0047】
また、実施形態上の効果として、請求項1の装置1において、線材2が生体適合性のある金属材料又は高分子材料であるから、生体適合性に優れた装置1が得られる。具体的には、前記線材2は、白金、タンタル、イリジウム、ステンレススチール、チタンの少なくとも1つを含む金属で構成でき、また、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネイト、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素樹脂の単繊維を用いることもでき、線材2の直径は0.01ミリ〜0.5ミリとするにより所望の性能を得ることができる。
【0048】
また、実施形態上の効果として、請求項1の装置1において、X線不透過性の金、白金、イリジウムの少なくとも1つを含む金属を線材2の表面に設けたから、体腔内においてX線により装置の位置確認を行うことができる。
【0049】
実験例
実験例の装置1として、線材2には、熱形状記憶性のある直径0.2ミリのNi−Ti合金線を2本使用し、装置1は、外径が10ミリ、全長90ミリ、角度θが60°、長手方向に隣合う長手線部4,4の線上の交点6の数が2、長手線部4の長さLが3ミリ、円周方向に設けた長手線部4の数が8とし、線材螺旋部201,203の角度θは全て同じで、長手線部4の長さLも全て同じで、装置1は、9つの筒状部3と8との長手線部4を有し、両側の筒上部3の端部はループ部5とした。
【0050】
熱形状記憶性のあるNi−Ti合金線は、所定の温度で熱を加えると、熱処理を行う前の形状を記憶する性質を持っている。そして、上記構造の装置1の性能を確認するための測定を行った。装置1の体腔内を押し広げる力を評価するための測定として、装置1に上下方向から荷重を加え、その上下方向の寸法が3ミリ減じたときの荷重を測定し、拡張力の測定値は単位長さ当りで0.073N/mmで、長さ比として、内径φ2.3mmのカテーテル内に収納した後の長さは収縮前の長さの1.3倍となった。また、前記収縮状態で装置1を曲げても、断面形状はほぼ円形に保たれ、十分な柔軟性を備えることが分かった。一方、特公平4−47575号により同程度の比較例の装置を製作し、その拡張力0.050N/mm、長さ比は1.7倍となった。
【0051】
【表1】
Figure 2004105381
【0052】
上記表1から明らかなように本発明の装置1では、比較例に比べて、31.5%拡張力が向上し、しかも、拡張力が向上した上で長さ比は小さく済むから、体腔内で拡張した際に所定の部位に装置1を留置することができる。
【0053】
このように上記装置1は、人体に体腔内において、挿入前はカテーテル内にあって円周方向に縮径した状態で収納され、目的箇所では、カテーテルより出すことにより自己拡張する網状の中空円柱体であって、自己拡張時に体腔内を捺し広げる力を保ち、かつカテーテル内を容易に移動でき、また、使用時の部位の形状に沿うような柔軟性を有し、中空円柱体の挿入時に縮められたときの長さと円周方向で自己拡張したときの長さの変化を少なくし、挿入後、体腔に対し刺激を与えることなく留置可能で、施術中、中空円柱体の完全なるリリース前においては、リリース位置を変更できるように、再度カテーテル内への収納をも容易としたものである。
【0054】
図10は本発明の第2実施形態を示し、上記第1実施形態と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、装置1の端部に長手線部4を設け、この長手線部4の端部にループ部5Aを設けたものであり、この例においても、線材2の切断端が現れることなく、上記第1実施形態と同様な作用・効果を奏する。
【0055】
図11は本発明の第3実施形態を示し、上記第1実施形態と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、装置1の端部に略U字状のループ部5Bを設けたものであり、この例においても、線材2の切断端が現れることなく、上記第1実施形態と同様な作用・効果を奏する。
【0056】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変形実施が可能である。例えば、線材の材質は実施形態に記載のものに限らず各種のものを用いることができる。また、実施例では、長手線部において、第1,第2線材長手部を2回撚って連結したが、1回撚って固定しても良いし、3回以上撚って連結してもよい。
【0057】
【発明の効果】
請求項1の発明は、互いに交差方向に設けられた螺旋状の線材が交点で周期的に内外に入れ代わる筒状体と、前記筒状体の間に設けられ2本の前記線材を長手方向に形成して沿わせた長手線部とを備えるものであり、体腔内に挿入された際に自己拡張し、体腔内を押し広げる力と柔軟性を有し、体腔内挿入時に外径を縮めた際の長手方向の変化が少なく、位置決めが容易な体腔内拡張装置を提供することができる。
【0058】
また、請求項2の発明は、長手方向に隣合う前記長手線部の間に前記交点を備えるものであり、交点における線材のズレを小さくし、編み形状を安定することができる。
【0059】
また、請求項3の発明は、前記長手線部において2本の前記線材を撚ったものであり、撚ることにより2本の線材を簡単に固定できる。
【0060】
また、請求項4の発明は、前記長手線部の2本の前記線材を溶着又は接着したものであり、長手線部の線材同士を固定できる。
【0061】
また、請求項5の発明は、同一螺旋方向をなす複数の前記線材は、長手方向との角度が異なるものであり、螺旋状の線材の角度を変えることにより、所望の拡張力と柔軟性を部分的に付与することができる。
【0062】
また、請求項6の発明は、同一螺旋方向をなす複数の前記線材は、長手方向との角度が異なるものであり、長手線部の長さを変えることにより、拡張力と柔軟性を部分的に代えることができる。
【0063】
また、請求項7の発明は、前記線材の長手方向端部にはループ部が形成されているものであり、線材の切断端が露出することがないと共に、ループ部の変形により拡張力が得られる。
【0064】
また、請求項8の発明は、前記線材の端部同士を管材により加締め固定したものであり、端部の接続を容易かつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す要部の側面図である。
【図2】同上、端部の側面図である。
【図3】同上、ループ部の側面図である。
【図4】同上、要部の斜視図である。
【図5】同上、要部の側面図である。
【図6】同上、長手方方向中央部を図示要略した側面図である。
【図7】同上、要部の側面説明図であり、図7(A)は収縮前、図7(B)は収縮後を示す。
【図8】同上、螺旋状の線材の角度を部分的に変えた要部の側面図である。
【図9】同上、螺旋状の線材の角度を部分的に変えた要部の側面図である。
【図10】本発明の第2実施形態を示す端部の側面図である。
【図11】本発明の第3実施形態を示す端部の側面図である。
【符号の説明】
1 体腔内拡張装置
2 線材
2T 端部
3 筒状部
4 長手線部
5,5A,5B ループ部
6 交点
11 金属パイプ(管材)
201  第1線材螺旋部(螺旋状の線材)
202  第1線材長手部(長手部材の線材)
203  第2線材螺旋部(螺旋状の線材)
204  第2線材長手部(長手部材の線材)
θ 角度

Claims (8)

  1. 互いに交差方向に設けられた螺旋状の線材が交点で周期的に内外に入れ代わる筒状体と、前記筒状体の間に設けられ2本の前記線材を長手方向に形成して沿わせた長手線部とを備えることを特徴とする体腔内拡張装置。
  2. 長手方向に隣合う前記長手線部の間に前記交点を備えることを特徴とする体腔内拡張装置。
  3. 前記長手線部において2本の前記線材を撚ったことを特徴とする請求項1記載の体腔内拡張装置。
  4. 前記長手線部の2本の前記線材を溶着又は接着したことを特徴とする請求項1又は3記載の体腔内拡張装置。
  5. 同一螺旋方向をなす複数の前記線材は、長手方向との角度が異なることを特徴とする請求項1記載の体腔内拡張装置。
  6. 前記長手線部を複数備え、前記長手線部の長さが異なることを特徴とする請求項1記載の体腔内拡張装置。
  7. 前記線材の長手方向端部にはループ部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の体腔内拡張装置。
  8. 前記線材の端部同士を管材により加締め固定したことを特徴とする請求項1記載の体腔内拡張装置。
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