JP2022157271A - 管腔臓器間バイパス用ステント - Google Patents

管腔臓器間バイパス用ステント Download PDF

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Shizuka No
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【課題】フッキング部の強度を保ちながら、くせ付け時にフッキング部を湾曲させることが容易となる管腔臓器間バイパス用ステントを提供する。【解決手段】管腔臓器と他の管腔臓器とをバイパス接続するための管腔臓器間バイパス用ステント11は、フレーム部31の軸方向の少なくとも一方の端部に位置するストラットである端側ストラット33aに接続された基端部52と、自由端である先端部54と、基端部52から先端部54へ向かう長手方向に沿って延び、フレーム部31の外周面上方側へ湾曲する湾曲形状を有する中間部53と、を有する複数のフッキング部51を備える。中間部53は、フレーム部31の周方向に平行に並んで長手方向に延びる2つの長尺部53aと、2つの長尺部53a間を接続する複数の横桟部53bと、により構成されている。【選択図】図6

Description

本発明は、管腔臓器と他の管腔臓器とをバイパス接続するための管腔臓器間バイパス用ステントに関する。
近年、切除不能の悪性胆道狭窄または閉塞症例で、胆道ドレナージを必要とするもののうち、経十二指腸乳頭的アプローチが不可能な場合等において、超音波内視鏡ガイド下胆道ドレナージ(EUS-BD:endoscopic ultrasound-guided biliary drainage)を施行した報告例がある。EUS-BDは、超音波内視鏡を胃または十二指腸に挿入し、超音波画像をリアルタイムに観察しながら、胃壁または十二指腸壁から穿刺針で胆管または胆嚢を穿刺し、ガイドワイヤを胆管または胆嚢に挿入し、胃壁または十二指腸壁と胆管または胆嚢とを架け渡すようにバイパス用ステントを挿入・留置する手技である。この手技により、体内にステントを埋め込む形で胆管ドレナージが可能となる。
EUS-BDに用いられるステントとしては、金属製のステント基材の表面をポリマー製フィルムからなるカバー材で被覆してなるカバードステントが挙げられる。また、特にEUS-BDに好適に用いられるカバードステントとして、マイグレーション等を防止するためのフッキング部を有するものが提案されている(特許文献1および特許文献2参照)。
国際公開第2019/189398号 国際公開第2019/230413号
しかしながら、管腔臓器間バイパス用ステントにはまだ改善の余地が残されており、特にフッキング部を有する管腔臓器間バイパス用ステントは、マイグレーションの防止機能および利便性を向上させることが求められている。
本発明は、上記の実状に鑑みてなされたものであり、マイグレーションの防止機能および利便性に優れた管腔臓器間バイパス用ステントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る管腔臓器間バイパス用ステントは、管腔臓器と他の管腔臓器とをバイパス接続するための管腔臓器間バイパス用ステントであって、
複数のストラット線状部と2つの異なる前記ストラット線状部の端部を接続するストラット湾曲部とにより構成されて周方向に繋がるストラットを複数有し、隣接するストラット間がブリッジにより接続されて筒状の骨格を形成するフレーム部と、
前記フレーム部の軸方向の少なくとも一方の端部に位置するストラットである端側ストラットに接続された基端部と、自由端である先端部と、前記基端部から前記先端部へ向かう長手方向に沿って延び、前記フレーム部の外周面上方側へ湾曲する湾曲形状を有する中間部と、を有する複数のフッキング部と、
を備え、
前記中間部は、前記フレーム部の周方向に平行に並んで前記長手方向に延びる2つの長尺部と、前記2つの長尺部間を接続する複数の横桟部と、により構成されていることを特徴とする。
上記の管腔臓器間バイパス用ステントによれば、フッキング部を2つの長尺部で構成して、2つの長尺部同士の相対位置を複数の横桟部によって固定することが可能となり、フッキング部の強度を保ちながら、くせ付け時にフッキング部を湾曲させることが容易となる。
本発明に係る管腔臓器間バイパス用ステントにおいて、前記複数の横桟部は、前記中間部全体にわたって前記長手方向において等間隔に設けられていてもよい。
上記の管腔臓器間バイパス用ステントによれば、複数の横桟部を長手方向において等間隔に配置することが可能となり、フッキング部の中間部の長手方向全体における強度を略均一化して、くせ付け時に長手方向全体にわたってフッキング部の中間部を湾曲させることが容易となる。
本発明に係る管腔臓器間バイパス用ステントにおいて、前記先端部は、前記2つの長尺部間の離隔方向である幅方向の寸法が前記2つの長尺部間の離隔距離より大きい寸法である拡幅部を有していてもよい。
上記の管腔臓器間バイパス用ステントによれば、ステントデリバリーシステムに収容した際に、アウターシースの内周面とフッキング部の先端部との間に生じる隙間を小さくすることが可能となり、アウターシースの内部において先端部の動きを規制して、ステント収容時または放出時に所望の状態を維持することが可能となる。当該隙間が小さくなることで、例えばアウターシースの内周面にフッキング部の先端部が当接し、その結果、先端部の周方向への移動を規制することができるため、フッキング部の周方向の捩れやフッキング部同士の絡まりを防止することが可能となる。
本発明に係る管腔臓器間バイパス用ステントにおいて、前記先端部は、前記2つの長尺部のそれぞれの端部に繋がったループ状の線状部材により構成されていてもよい。
上記の管腔臓器間バイパス用ステントによれば、レーザーカット等により中間部と一体化した先端部を成形することが容易となる。また、先端部が幅方向に対して弾力性を有して変形できるようになるため、例えば、先端部の幅方向の寸法を小さくしてアウターシース内部に収容し、その後、アウターシース内で先端部が元の形状に戻って、アウターシースの内周面とフッキング部の先端部との隙間が小さくなるようにすることが可能となる。
本発明に係る管腔臓器間バイパス用ステントにおいて、前記基端部は、前記端側ストラットのストラット湾曲部である基端接続湾曲部に接続されており、前記基端接続湾曲部が一端に接続されているストラット線状部の他端に接続されているストラット湾曲部は、隣接するストラットと前記ブリッジにより接続されていてもよい。
上記の管腔臓器間バイパス用ステントによれば、フッキング部が接続されているストラットの位置および形状を安定させることが可能となる。フッキング部の基端部が接続されている端側ストラットの基端接続湾曲部には、フッキング部の動きに応じて、特にフレーム部の径方向に力が加わり、その結果、基端接続湾曲部に接続されているストラット線状部を中心として、ストラットが大きく変形してしまうおそれがある。上記の管腔臓器間バイパス用ステントでは、基端接続湾曲部に直接繋がるストラット線状部を隣接したストラットにブリッジで固定することで、フッキング部の基端部で発生する力によるストラットの変形を防ぐことが可能となる。
本発明に係る管腔臓器間バイパス用ステントにおいて、前記端側ストラットは、前記基端接続湾曲部が一端に接続されているストラット線状部の他端に接続されているストラット湾曲部においてのみ、隣接するストラットと前記ブリッジにより接続されていてもよい。
上記の管腔臓器間バイパス用ステントによれば、フッキング部が接続されているストラットの位置および形状を安定させながら、フレーム部の柔軟性を確保することが可能となる。
本発明の実施形態における管腔臓器間バイパス用ステントの一例を示す正面図である。 本発明の実施形態における管腔臓器間バイパス用ステントの一例を示す斜視図である。 本発明の実施形態における管腔臓器間バイパス用ステントの一例を示す側面図である。 本発明の実施形態における管腔臓器間バイパス用ステントの収縮状態のフレーム部およびフッキング部を表す部分展開図である。 本発明の実施形態における管腔臓器間バイパス用ステントの拡張状態のフレーム部およびフッキング部を表す部分展開図である。 図4に示す管腔臓器間バイパス用ステントのフッキング部近傍の部分拡大図である。 本発明の実施形態における管腔臓器間バイパス用ステントを搬送するステントデリバリーシステムの一例を示す外観図である。 図7に示すステントデリバリーシステムの遠位端近傍の部分拡大図であり、(a)はステントを収容した状態を示す図、(b)はアウターシースを移動させてステントを放出した状態を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。本明細書では、術者を基準として、患者の体内側を遠位側とし、術者の手元側を近位側とする。
本実施形態における管腔臓器間バイパス用ステントは、管腔臓器と他の管腔臓器とをバイパス接続するための管腔臓器間バイパス用ステントであり、好ましくはEUS-BDに用いる管腔臓器間バイパス用ステント、すなわち、胃または十二指腸と胆管または胆嚢とをバイパス接続するバイパス用ステントである。
本実施形態における管腔臓器間バイパス用ステントは、細長い筒状の本体部を有しており、体内に留置された場合には、本体部の一方の端部が一方の管腔臓器内に配置され、本体部の他方の端部が他方の管腔臓器内に配置されて、本体部の管腔により管腔臓器間を連通することができる。
本実施形態における管腔臓器間バイパス用ステントは、本体部の軸方向への位置ずれを防止するためのフッキング部を本体部の少なくとも一方の端部に有しており、体内に留置された場合には、フッキング部が管腔臓器壁に当接して本体部の軸方向への移動を規制することができる。
本実施形態では、具体的な構成を有する管腔臓器間バイパス用ステントを例に挙げて説明するが、本発明に係る管腔臓器間バイパス用ステントの構成は、本明細書で一例として挙げたものに限定されるものではない。本明細書では、管腔臓器間バイパス用ステントを単に「ステント」と省略する場合がある。
図1~図6を参照しながら、本実施形態における管腔臓器間バイパス用ステントについて説明する。図1は、本実施形態における管腔臓器間バイパス用ステントの一例を示す正面図である。図2は、本発明の実施形態における管腔臓器間バイパス用ステントの一例を示す斜視図である。図3は、本発明の実施形態における管腔臓器間バイパス用ステントの一例を示す側面図である。図2及び図3は、フッキング部が設けられている近位側から見た状態を示している。図4は、本発明の実施形態における収縮状態の管腔臓器間バイパス用ステントの一例を示す部分展開図である。図5は、本発明の実施形態における拡張状態の管腔臓器間バイパス用ステントの一例を示す部分展開図である。図4および図5は、管腔臓器バイパス用ステントのフレーム部を軸方向に切断して平面に展開した状態を示している。図6は、図4に示す管腔臓器間バイパス用ステントのフッキング部近傍の部分拡大図である。
本実施形態におけるステント11は、径方向に圧縮力を加えると弾性によって径方向に収縮し、その圧縮力が解除されると径方向に拡張する自己拡張型のカバードステントである。図1~図3は、ステント11が径方向に拡張した状態を示している。
本実施形態におけるステント11は、細長い筒状の本体部21と、本体部21の両端部のうちの一方である第1端部R(図1において右端)に設けられた複数のフッキング部51と、第1端部Rに設けられた第1端部マーカー71と、本体部21の両端部のうちの他方である第2端部L(図1において左端)に設けられた第2端部マーカー81と、を有する。
以下では、筒状の本体部21の中心軸が延びる方向を軸方向D1とし、軸方向D1の断面における本体部21の周面に沿った方向を周方向D2として説明する。また、本体部21の軸方向D1の両端部のうちの一方の端部(図1の右端)を第1端部Rとし、他方の端部(図1の左端)を第2端部Lとして説明する。後述するステントデリバリーシステム(図8(a)参照)にステント11を収容する際には、第1端部Rが近位側に配置され、第2端部Lが遠位側に配置される。
ステント11の本体部21は、筒状のフレーム部31と、フレーム部31を被覆する被覆部32とを有する。なお、被覆部32は図1のみに図示されており、その他の図では、被覆部32により覆われているフレーム部31の構成を明瞭に示すために、被覆部32は図示省略している。
フレーム部31は筒状の骨格を形成するステント基材である。フレーム部31の軸方向は、本体部21の軸方向D1と一致し、フレーム部31の周方向は本体部21の周方向D2と一致する。
フレーム部31は、金属製または樹脂製の線状部材である複数のストラット33と、隣接するストラット33間を接続する複数のブリッジ35とを有する。フレーム部31は線材を編み込んで形成されてもよいが、チューブ状もしくはパイプ状の母材にレーザー加工等を行ってストラット33およびブリッジ35を形成した、いわゆるレーザーカットタイプであることが好ましい。フレーム部31がレーザーカットタイプの場合には、フレーム部31が径方向に拡張するときにフレーム部31の軸方向D1の長さの縮みが抑制され、ステント11を意図した位置に留置しやすくなる。フレーム部31を構成するストラット33およびブリッジ35の断面形状は円弧帯状、四角形状、円形状等にすることができる。
ストラット33は、フレーム部31の周方向D2に沿って三角波状にジグザグに連続して環状(すなわち、無端状)に繋がっている。ただし、フレーム部31が最も収縮している状態(レーザーカット後の状態)においては、ストラット33はS字状に蛇行しながら周方向D2に繋がっている。
ストラット33は、ストラット線状部331と、ストラット湾曲部332とにより構成されている。ストラット線状部331は、フレーム部31が最も収縮している状態(レーザーカット後の状態)においては、図4に示すように軸方向D1と略平行に延びており、フレーム部31が拡張している状態においては、図5に示すように軸方向D1および周方向D2に対して斜めに延びている。ストラット線状部331は直線状であってもよく曲線状であってもよい。
ストラット線状部331の両端部には、ストラット湾曲部332が接続されている。ストラット湾曲部332は、2つの異なるストラット線状部331の端部を繋いでいる。複数のストラット線状部331は、ストラット湾曲部332で折り返すようにジグザグに蛇行しながら周方向D2に繋がっており、これによりストラット33は環状に形成されている。
本実施形態におけるステント11は27個のストラット33を有し、各ストラット33は、24個のストラット線状部331および24個のストラット湾曲部332が繋がって環状に形成されている。ただし、ストラット33の数、ならびに、ストラット線状部331およびストラット湾曲部332の数は、これに限定されるものではない。
隣接するストラット33間はブリッジ35により接続されている。ブリッジ35は、隣接するストラット33のストラット湾曲部332の一部を軸方向D1に接続している。このようにして複数のストラット33が軸方向に接続されることにより、筒状のフレーム部31が形成されている。隣接する2つのストラット33間を接続するブリッジ35は、周方向D2に均等角度間隔で配置されることが好ましく、隣接する2つのストラット33を接続するブリッジ35の位置は、軸方向D1に並んで形成されることはなく周方向D2にずれていることが好ましい。
本実施形態におけるステント11では、隣接するストラット33はそれぞれ、周方向D2に均等角度間隔(すなわち、120度間隔)で配置されたブリッジ35により接続されている。ただし、図6に示すように、フレーム部31を構成する複数のストラット33のうちの最も近位側(第1端部R側)に位置するストラット33である端側ストラット33aは、ブリッジ固定湾曲部332bにおいて、隣接するストラット33と端側ブリッジ35aにより接続されている。
ブリッジ35の形状は特に限定されるものではないが、本実施形態におけるステント11では、ブリッジ35にZ字状ブリッジが用いられている。Z字状ブリッジは隣接するストラット33が周方向D2に捩れる変形を許容する構造を有し、これにより、ステント11に必要な柔軟性をより確実に確保できるようになる。一方、端側ブリッジ35aには直線状ブリッジが用いられており、これにより、フッキング部51に加わる力による変形を防ぐことができるようになる。
端側ストラット33aは、他のストラット33と同様にストラット線状部331とストラット湾曲部332とにより構成されているが、図6に示すように、端側ストラット33aのストラット線状部331には基端接続線状部331aが含まれており、端側ストラット33aのストラット湾曲部332には基端接続湾曲部332aおよびブリッジ固定湾曲部332bが含まれている。
基端接続湾曲部332aは、端側ストラット33aが有するストラット湾曲部332の一部であり、端側ストラット33aの近位側に位置し、かつ、フッキング部51の基端部52が接続されているストラット湾曲部332である。本実施形態におけるステント11には3つのフッキング部51が設けられており、端側ストラット33aは各フッキング部51の基端部52がそれぞれ接続されている3つの基端接続湾曲部332aを有する。
基端接続線状部331aは、端側ストラット33aが有するストラット線状部331の一部であり、基端接続湾曲部332aに接続されているストラット線状部331である。本実施形態におけるステント11では3つの基端接続湾曲部332aのそれぞれに2つずつ基端接続線状部331aが接続されており、端側ストラット33aは合計6つの基端接続線状部331aを有する。
ブリッジ固定湾曲部332bは、端側ストラット33aが有するストラット湾曲部332の一部であり、端側ストラット33aの遠位側に位置し、基端接続線状部331aが接続されているストラット湾曲部332である。言い換えると、基端接続線状部331aは、その一端が基端接続湾曲部332aに接続されており、その他端がブリッジ固定湾曲部332bに接続されている。本実施形態におけるステント11では、端側ストラット33aは6つの基端接続線状部331aがそれぞれ接続された6つのブリッジ固定湾曲部332bを有する。
図6に示すように、ブリッジ固定湾曲部332bは、端側ストラット33aの遠位側に隣接するストラットのストラット湾曲部332と端側ブリッジ35aにより接続されている。端側ブリッジ35aの形状は特に限定されるものではなく、他のブリッジ35と同様にZ字状ブリッジを用いてもよいが、図6に示すような直線状ブリッジを用いることで、フッキング部51に加わる力による端側ストラット33aの変形をより確実に防ぐことができる。
端側ストラット33aと隣接するストラット33とは、端側ブリッジ35aのみで接続され、その他のストラット湾曲部332間にはブリッジ35を設けないようにしてもよい。これにより、フッキング部51に加わる力による端側ストラット33aの変形を端側ブリッジ35aで防ぎつつ、ステント11に必要な柔軟性を維持することができるようになる。
図1に示すように、フレーム部31は被覆部32により覆われている。被覆部32は、胃内または十二指腸内から胆管または胆嚢内までにわたる留置位置に留置された際に、フレーム部31の周面から胆汁等の消化液等が漏出することを防ぎながら、当該消化液等を内部に流通させる役割を有する。また、被覆部32は、ステント11の周面を平滑にして、ステント11上に老廃物等が付着および堆積することを防ぐ役割、およびフレーム部31を挿通させる穿孔等からステント11を保護する役割等も有する。
被覆部32は、ステント11の外周面および内周面の両方において、ステント11の骨格を構成するフレーム部31が露出しないように、すなわち、ステント11の骨格であるフレーム部31全体を覆うように形成されている。被覆部32は、スプレーコーティングにより形成され、ストラット線状部331の間を埋めるようにフレーム部31の内周面および外周面全体にわたって広がるコーティング膜であることが好ましい。ただし、被覆部32の構成は、ステント11の内部に消化液等が流通可能に構成されていればこれに限定されるものではなく、例えばフレーム部31の周面にポリマーフィルムを巻き付けた構成であってもよい。
被覆部32の材料としては、エラストマーや樹脂等のポリマーが用いられるが、その中でも、有機溶媒に溶解し毒性の少ないものが好ましい。被覆部32に用いることができるポリマーとしては、例えば非生体分解性ポリマーや生体分解性ポリマーを使用できるが、生体内で容易に分解されない非生体分解性ポリマーを用いることが好ましく、非生体分解性ポリマーの中でも、ポリウレタンまたはシリコーン樹脂を用いることが特に好ましい。なお、被覆部32を構成するポリマーには、必要に応じて、抗がん剤や抗血栓剤などの薬剤や、老化防止剤などの添加剤を配合してもよい。
本体部21の全長は、バイパス接続すべき管腔臓器間の距離等に応じて決定されるが、10mm~200mmとすることができ、40mm~120mmとすることが好ましい。また、本体部21の拡張時(外力が働いていないとき)の外径は、バイパス接続すべき管腔臓器の種類や大きさ等に応じて決定されるが、φ2mm~φ40mmとすることができ、φ4mm~φ15mmとすることが好ましく、φ6mm~φ10mmとすることがさらに好ましい。本体部21の収縮時(ステントデリバリーシステム収容時)の外径は、拡張時の外径に対して、数分の1程度である。
フレーム部31を構成するストラット33の線径は、0.05mm~1mmであることが好ましい。また、ストラット33の断面が矩形である場合には、ストラット33の断面における長辺方向の長さが0.06mm~1mmであって、短辺方向の長さが0.05mm~0.9mmであることが好ましい。フレーム部31の外径寸法は、上述した本体部21の寸法とほぼ同様である。
フレーム部31の材料としては、樹脂または金属が使用される。フレーム部31に使用される樹脂としては、適切な硬度と弾性を有するものを使用することが可能であり、生体適合性樹脂であることが好ましい。フレーム部31の材料として使用される樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。また、フレーム部31に使用される金属としては、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金、ステンレス鋼、タンタル、チタン、コバルトクロム合金、マグネシウム合金等が挙げられるが、Ni-Ti合金のような超弾性合金が好ましい。フレーム部31に使用される超弾性合金の具体例としては、49~58重量%NiのNi-Ti合金が挙げられる。
ステント11の近位端である第1端部Rには、複数のフッキング部51が設けられている。フッキング部51は、ステント11のマイグレーションを防止するために、ステント11の軸方向D1への位置ずれを防ぐ機能を有している。フッキング部51は、ステント11を管腔臓器間に留置する際に管腔臓器壁の管腔臓器内部側に配置され、これにより、ステント11が管腔臓器から外部(体腔側)へ抜け落ちる問題を効果的に防止することができる。言い換えると、フッキング部51は、ステント11の留置の際に管腔臓器の内壁に接触することでステント11の抜け落ちを防止できるようになっている。
複数のフッキング部51は、フレーム部31の最も近位側に位置する端側ストラット33aから軸方向D1の近位側へ向かって突出している。本実施形態におけるステント11では、3つのフッキング部51が周方向D2に均等角度間隔(すなわち、120度間隔)で設けられている。ただし、フッキング部51は特に限定されるものではなく、2つであっても4つ以上であってもよい。
図6に示すように、フッキング部51は、基端部52から中間部53を経て、自由端である先端部54まで延びる細長い形状を有する。フッキング部51の基端部52は端側ストラット33aの基端接続湾曲部332aに接続されており、基端部52を起点として第1端部Rから離れる方向に延びた後、中間部53がフレーム部31の径方向外側へ向かって湾曲している。
図3に示すように、フッキング部51は、先端部54および中間部53の少なくとも一部が筒状のフレーム部31の外周面31aよりも径方向外側に配置されるようになっている。これにより、体内に留置されたステント11は、フッキング部51が管腔臓器壁に引っ掛かる(抜け止めされる)ことによって、軸方向D1への移動が規制されるようになる。
フッキング部51は、例えばフレーム部31と共通のパイプ状の母材からレーザー加工等により成形されている。ただし、フッキング部51は、フレーム部31とは独立して成形されて、レーザー溶接等により端側ストラット33aに一体的に固定されてもよい。フッキング部51の材料はフレーム部31と同様のものを使用することができ、Ni-Ti合金のような超弾性合金を用いることが好ましい。
フッキング部51は、基端部52から先端部54へ向かう長手方向に沿って、第1端部Rよりも軸方向D1の外側(図1において右側)に向かって凸となるように膨らんで、フレーム部31の外周面31aの上方側へ向かって湾曲する湾曲形状を有する。ただし、ステント11がステントデリバリーシステムに収容されている状態では、フッキング部51は軸方向D1に引き伸ばされた状態となる(図8(a)参照)。フッキング部51は、ステント11がステントデリバリーシステムから放出された際に、自己の弾性力によりフレーム部31の外周面31aの径方向外側へ飛び出すようにくせ付けされている。
以下、フッキング部51を構成する各部について、特に図6を参照しながら説明する。フッキング部51は、端側ストラット33aの基端接続湾曲部332aに接続する基端部52と、自由端である先端部54と、基端部52から先端部54へ向かう長手方向に沿って延びる中間部53とを有する。
基端部52は、フッキング部51をフレーム部31に接続する部分である。図6に示すように、基端部52は、フレーム部31の近位側に位置する端側ストラット33aの基端接続湾曲部332aに接続している。
中間部53はフッキング部51の長尺な概形を形成する部分である。図6に示すように、中間部53は、2つの長尺部53aと当該2つの長尺部53a間を接続する6つの横桟部53bとにより構成されている。
2つの長尺部53aは、フレーム部31の周方向D2に平行に並んで長手方向に延びている。6つの横桟部53bは、長尺部53aの長手方向に対して略等間隔に配置されており、2つの長尺部53aに略垂直に延びて当該2つの長尺部53aに接続している。言い換えると、中間部53は、平行に延びる2つの長尺部53aの間を架け渡すよう6つの横桟部53bが等間隔に配置されており、全体としてはしご状に形成されている。
はしご状の中間部53は、2つの長尺部53aが平行に並んで延在して、2つの長尺部53aが離隔した中空構造(肉抜き構造)を形成するとともに、2つの長尺部53a同士の相対位置が複数の横桟部53bによって固定され、2つの長尺部53aの離隔距離が一定となるように繋がった構成を有している。この構成により、中間部53は、2つの長尺部53aの離隔方向である幅方向(図4および図5の周方向D2と略等しい方向)には曲がりにくい構造となっており、一方、2つの長尺部53aがなす面に対して垂直な方向((図4および図5の紙面に垂直な方向)には曲がりやすい構造となっている。フッキング部51はそのはしご状の構造により、必要な強度を確保することができる、また、フッキング部51は、その先端部54がフレーム部31の外周面31aの上方に配置されるようにくせ付けが行われるが、このくせ付け時にフッキング部51の中間部53を2つの長尺部53aがなす面に対して垂直な方向に湾曲させることが容易となる。
中間部53には複数の横桟部53bを設けることが好ましいが、横桟部53bの数は特に限定されるものではない。また、複数の横桟部53bは必ずしも長手方向において等間隔に配置されなくてもよいが、複数の横桟部53bを等間隔に配置することで、フッキング部51の中間部53の長手方向全体における強度を略均一化して、くせ付け時に長手方向全体にわたって例えば略同一の曲率となるようにフッキング部51の中間部53を湾曲させることが容易となる。
先端部54は、中間部53の先に延びてフッキング部51の先端を形成する部分である。先端部54は、中間部53の2つの長尺部53aの各端部に接続してループ状に形成された線状部材により構成されている。先端部54をループ状に成形することで、管腔臓器の内壁等に当接した際に該内壁の傷付けを防止することができる。
図6に示すように、先端部54は、幅広の拡幅部54aを有している。先端部54の対向する2つの線状部材の離隔距離である拡幅部54aの幅L2は、2つの長尺部53aの離隔距離である中間部53の幅L1よりも大きくなっている。
先端部54に拡幅部54aを設けることにより、後述するようにステント11をステントデリバリーシステムに収容した際に、アウターシースの内周面とフッキング部51の先端部54との間に生じる隙間を小さくすることが可能となり、アウターシースの内部において先端部54の動きを規制して、ステント11収容時または放出時に所望の状態を維持することが可能となる。当該隙間が小さくなることで、例えばアウターシースの内周面にフッキング部51の先端部54が当接し、その結果、先端部54の周方向D2への移動を規制することができるため、フッキング部51の周方向D2の捩れやフッキング部51同士の絡まりを防止することが可能となる。
また、先端部54を中間部53の2つの長尺部53aのそれぞれの端部に繋がったループ状の線状部材とすることで、レーザーカット等により中間部53と一体化した先端部54を成形することが容易となる。また、先端部54が幅方向に対して弾力性を有して変形できるようになるため、例えば、先端部54の幅方向の寸法を小さくしてアウターシース内部に収容し、その後、アウターシース内で先端部54が元の形状に戻って、アウターシースの内周面とフッキング部51の先端部54との隙間が小さくなるようにすることが可能となる。
フッキング部51の基端部52が接続されている基端接続湾曲部332aには、フッキング部51の動きに応じて、特にフレーム部31の径方向に力が加わり、その結果、基端接続湾曲部332aに接続されているストラット線状部331である基端接続線状部331aを中心として、ストラット33が大きく変形してしまうおそれがある。
本実施形態におけるステント11は、このような変形の発生を防ぐ構成となっている。具体的には、端側ストラット33aにおいて、基端接続湾曲部332aに一端が接続されている基端接続線状部331aの他端が接続されているブリッジ固定湾曲部332bを、隣接するストラット33と端側ブリッジ35aで繋いで固定することで、フッキング部51に加わった力によってフレーム部31が変形してしまうことを防げるようになる。
また、基端接続線状部331aの他端に接続されているブリッジ固定湾曲部332bにおいてのみ、端側ストラット33aと隣接するストラット33とを接続することで、フッキング部51が接続されている端側ストラット33aの位置および形状を安定させながら、フレーム部31の柔軟性を確保することが可能となる。
また、ステント11には、X線不透過材料からなる複数の第1端部マーカー71および複数の第2端部マーカー81が設けられている。第1端部マーカー71は円板状であり、端側ストラット33aのストラット湾曲部332の一部に形成される円形孔に嵌め込まれるように取り付けられている。本実施形態におけるステント11では、3つの第1端部マーカー71が周方向D2に均等角度間隔(すなわち、120度間隔)で設けられており、端側ストラット33aの近位側のストラット湾曲部332のうちの基端接続湾曲部332aとは異なるストラット湾曲部332に取り付けられている。また、複数の第2端部マーカー81も同様に円板状であり、第2端部L側において、周方向D2に均等角度間隔(すなわち、120度間隔)で設けられている。第1端部マーカー71および第2端部マーカー81の数や配置位置は特に限定されるものではない。
ステント11を体内に留置した際に、X線造影下で第1端部マーカー71および第2端部マーカー81の位置を確認することによって、本体部21の両端部R、Lの位置、すなわちステント11の留置位置を把握することができる。
次に、図7および図8を参照しながら、本実施形態におけるステント11を搬送するステントデリバリーシステム150について説明する。図7は、ステント11を搬送するステントデリバリーシステム150の一例を示す外観図である。図8は、図7に示すステントデリバリーシステム150の遠位端近傍の部分拡大図であり、図8(a)には収縮させたステント11が収容された第1状態が示されており、図8(b)にはアウターシース166を移動させてステント11を放出した第2状態が示されている。なお、図8(a)および図8(b)ではアウターシース166は点線で描かれている。
図7に示すように、ステントデリバリーシステム150は、ステント11を体内の所定の位置に搬送する搬送機構であり、操作部160、最外管164、アウターシース166、インナーシャフト168および先端チップ162等を有する。ステントデリバリーシステム150の全長は、ステント11の留置位置や搬送経路等によって異なるが、例えば300mm~2500mm程度である。
図7に示すように、ステント11は、ステントデリバリーシステム150の遠位端近傍に収容されている。ステントデリバリーシステム150の操作者は、図8(a)に示す第1状態でステント11を体内の留置対象位置まで搬送した後、ステントデリバリーシステム150を図8(b)に示す第2状態としてステント11を放出することにより、体内の所定の位置にステント11を留置する。
インナーシャフト168は、ステントデリバリーシステム150の近位端に設けられた操作部160から、ステントデリバリーシステム150の遠位端に設けられた先端チップ162まで、軸方向D3に延びている。図8(a)に示す第1状態では、インナーシャフト168は、アウターシース166および操作部160のハウジング161等の内部に収容されている。
図8(b)に示すように、インナーシャフト168は、遠位端近傍に、他の部分より外径より小さい小径部168aを有する。小径部168aは、ステント11が収縮された状態で収容される部位である。ステント11は、小径部168aを挿通するように収容され、アウターシース166がインナーシャフト168の小径部168aおよび収容されたステント11を覆うことで図8(a)に示す第1状態となる。すなわち、図8(a)に示す第1状態では、ステント11は小径部168aに挿通された状態、かつ、ステント11の外周面がアウターシース166に覆われた状態となる。
図8(a)に示す第1状態では、フッキング部51は軸方向D1に引き伸ばされて収容される。このとき、本実施形態における先端部54は拡幅部54aを有しているため、先端部54とアウターシース166との間に生じる隙間は小さくなるか、あるいは、先端部54とアウターシース166の内周面とが当接して隙間のない状態となる。これにより、先端部54はアウターシース166の内部においてその動きが規制され、複数のフッキング部51は、収容時に軸方向D1に真っ直ぐ伸びた状態を維持することができ、放出時に捩れたり互いに絡まったりすることなく所望の湾曲形状に変形することができるようになる。
ステント11を留置する際には、アウターシース166が近位側に移動して、遠位端にある小径部168aが露出するようになっており、これに伴って、ステント11は自己の弾性力により拡張する。ステント11が拡張した後、インナーシャフト168を近位側へ移動させることで、図8(b)に示す第2状態となる。また、インナーシャフト168の内部には、ガイドワイヤを通すためのガイドワイヤルーメンが形成されている。
インナーシャフト168の遠位端には、先端チップ162が設けられており、先端チップ162には、インナーシャフト168のガイドワイヤルーメンに連通する貫通孔が形成されている。先端チップ162は樹脂等で作製されており、管腔臓器の内壁に接触した際に、これを傷つけることを防止できるように、丸みを帯びた外形状を有している。
アウターシース166は、図8(a)に示す第1状態から、図8(b)に示す第2状態へ、インナーシャフト168に対して軸方向D3へ相対移動可能である。アウターシース166の近位端は、操作部160におけるハウジング161の内部に収容されている。操作部160は、ハウジング161に取り付けられた操作レバー163の操作に連動して、アウターシース166をインナーシャフト168に対して、軸方向D3の一方である近位側に相対移動させる。これにより、ステントデリバリーシステム150は、アウターシース166がインナーシャフト168の小径部168aおよび収容されたステント11を覆う第1状態(図8(a)参照)から、インナーシャフト168の小径部168aおよび収容されたステント11を露出させる第2状態(図8(b)参照)へ変化する。なお、操作部160の近傍には、アウターシース166の外周をさらに覆う最外管164が設けられている。操作者がアウターシース166を直接に握ると、操作部160によるアウターシース166の移動が妨げられるおそれがあるが、最外管164がアウターシース166を覆うことにより、そのような問題を防止できる。
ステントデリバリーシステム150の最外管164およびインナーシャフト168は、例えば、可撓性を有する樹脂製のチューブ等で構成される。アウターシース166も同様に、可撓性を有する樹脂製のチューブ等で構成される。また、アウターシース166に用いられる樹脂製のチューブの内部には、金属の線材が埋め込まれていてもよい。
インナーシャフト168における小径部168aの近位側には、ステント11の放出時にステント11を軸方向D3に押すプッシュリング169が設けられていてもよく、プッシュリング169は、X線不透過材料で構成されていてもよい。また、ステントデリバリーシステム150における先端チップ162や操作部160の材料は特に限定されないが、例えば、樹脂を成形または加工したものを用いることができる。
以下、ステントデリバリーシステム150を用いて、本実施形態におけるステント11を体内に留置する手順の一例として、EUS-BDを施行する例について説明する。
本実施形態におけるステント11の留置には、例えば、超音波内視鏡が用いられる。この内視鏡は、内視鏡の遠位端に超音波画像装置を備えている。内視鏡のカメラおよび超音波画像装置による撮影で取得された撮影画像信号は、それぞれ内視鏡の内部配線を通じて、ステントデリバリーシステム150の操作者が目視できるモニター等に送られる。
本実施形態におけるステント11を体内に留置する際には、まず、超音波内視鏡を胃または十二指腸まで挿入し、超音波画像を確認しながら、内視鏡用穿刺針により胃壁または十二指腸壁を穿刺し、内視鏡用穿刺針を胆管または胆嚢までに至らせる。次に、X線造影下において、内視鏡用穿刺針を介して、ガイドワイヤを胆管または胆嚢の目的部位まで挿入し、内視鏡用穿刺針を抜去する。そして、ガイドワイヤに沿って穿刺針によって形成された穿刺孔に、アウターシース166がステント11を覆った第1状態(図8(a)参照)にあるステントデリバリーシステム150の遠位端部を挿入し、胆管または胆嚢内まで移動させることで、ステント11を胃内または十二指腸内から胆管または胆嚢内までにわたる留置位置まで運ぶ。この際、作業者は、X線造影画像を確認しながらステント11を放出する位置を調整する。
操作者は、X線造影画像を確認しながら、例えばフッキング部51を胃壁または十二指腸壁の近位側(内側)に配置し、その位置に固定した状態でアウターシース166をインナーシャフト168に対して近位側に相対移動させることで、ステント11を拡張させる。このようにステント11を放出することで、フッキング部51が胃壁または十二指腸壁の近位側(内側)に配置されて、操作者が所望する位置にステント11を留置させることができるようになる。
以下、本発明に係る作用について説明する。
本発明に係る管腔臓器間バイパス用ステント11は、管腔臓器と他の管腔臓器とをバイパス接続するための管腔臓器間バイパス用ステント11であって、複数のストラット線状部331と2つの異なるストラット線状部331の端部を接続するストラット湾曲部332とにより構成されて周方向D2に繋がるストラット33を複数有し、隣接するストラット33間がブリッジ35により接続されて筒状の骨格を形成するフレーム部31と、フレーム部31の軸方向の少なくとも一方の端部に位置するストラット33である端側ストラット33aに接続された基端部52と、自由端である先端部54と、基端部52から先端部54へ向かう長手方向に沿って延び、フレーム部31の外周面上方側へ湾曲する湾曲形状を有する中間部53と、を有する複数のフッキング部51と、を備え、中間部53は、フレーム部31の周方向D2に平行に並んで長手方向に延びる2つの長尺部53aと、2つの長尺部53a間を接続する複数の横桟部53bと、により構成されていてもよい。
上記の構成によれば、フッキング部51を2つの長尺部53aで構成して、2つの長尺部53a同士の相対位置を複数の横桟部53bによって固定することが可能となり、フッキング部51の強度を保ちながら、くせ付け時にフッキング部51を湾曲させることが容易となる。
本発明に係る管腔臓器間バイパス用ステント11において、複数の横桟部53bは、中間部53全体にわたって長手方向において等間隔に設けられていてもよい。
上記の構成によれば、複数の横桟部53bを長手方向において等間隔に配置することが可能となり、フッキング部51の中間部53の長手方向全体における強度を略均一化して、くせ付け時に長手方向全体にわたってフッキング部51の中間部53を湾曲させることが容易となる。
本発明に係る管腔臓器間バイパス用ステント11において、先端部54は、2つの長尺部53a間の離隔方向である幅方向の寸法が2つの長尺部53a間の離隔距離より大きい寸法である拡幅部54aを有していてもよい。
上記の構成によれば、ステントデリバリーシステム150に収容した際に、アウターシース166の内周面とフッキング部51の先端部54との間に生じる隙間を小さくすることが可能となり、アウターシース166の内部において先端部54の動きを規制して、ステント11収容時または放出時に所望の状態を維持することが可能となる。当該隙間が小さくなることで、例えばアウターシース166の内周面にフッキング部51の先端部54が当接し、その結果、先端部54の周方向D2への移動を規制することができるため、フッキング部51の周方向D2の捩れやフッキング部51同士の絡まりを防止することが可能となる。
本発明に係る管腔臓器間バイパス用ステント11において、先端部54は、2つの長尺部53aのそれぞれの端部に繋がったループ状の線状部材により構成されていてもよい。
上記の構成によれば、レーザーカット等により中間部53と一体化した先端部54を成形することが容易となる。また、先端部54が幅方向に対して弾力性を有して変形できるようになるため、例えば先端部54の幅方向の寸法を小さくしてアウターシース166内部に収容すると、その後、アウターシース166内で先端部54が元の形状に戻ってアウターシース166の内周面と先端部54との隙間が小さくなり、アウターシース166内において先端部54の周方向D2への移動を規制することができるため、フッキング部51の周方向D2の捩れやフッキング部51同士の絡まりを防止することが可能となる。
本発明に係る管腔臓器間バイパス用ステント11において、基端部52は、端側ストラット33aのストラット湾曲部332である基端接続湾曲部332aに接続されており、基端接続湾曲部332aが一端に接続されている基端接続線状部331aの他端に接続されているブリッジ固定湾曲部332bは、隣接するストラット33と端側ブリッジ35aにより接続されていてもよい。
上記の構成によれば、フッキング部51が接続されているストラット33の位置および形状を安定させることが可能となる。フッキング部51の基端部52が接続されている端側ストラット33aの基端接続湾曲部332aには、フッキング部51の動きに応じて、特にフレーム部31の径方向に力が加わり、その結果、基端接続湾曲部332aに接続されている基端接続線状部331aを中心としてストラット33が大きく変形してしまうおそれがある。上記の管腔臓器間バイパス用ステント11では、基端接続湾曲部332aに基端接続線状部331aを介して直接繋がるブリッジ固定湾曲部332bを隣接したストラット33に端側ブリッジ35aで固定することで、フッキング部51の基端部52で発生する力によるストラット33の変形を防ぐことが可能となる。
本発明に係る管腔臓器間バイパス用ステント11において、端側ストラット33aは、基端接続湾曲部332aが一端に接続されている基端接続線状部331aの他端に接続されているブリッジ固定湾曲部332bにおいてのみ、隣接するストラット33と端側ブリッジ35aにより接続されていてもよい。
上記の構成によれば、フッキング部51が接続されている端側ストラット33aの位置および形状を安定させながら、フレーム部31の柔軟性を確保することが可能となる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上述した実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属するすべての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上述した実施形態では、一例として第1端部R側にのみフッキング部51が設けられているが、例えば、第2端部Lにのみフッキング部51が設けられてもよく、第1端部Rおよび第2端部Lの両方にフッキング部51が設けられてもよい。第2端部L側にフッキング部51を設ける場合には、上述した実施形態において第1端部R側にフッキング部51を設けた場合と同様に、第2端部L側に位置するストラット湾曲部332(基端接続湾曲部332a)にフッキング部51の基端部52が接続されればよい。
11 管腔臓器間バイパス用ステント(ステント)
21 本体部
31 フレーム部
31a 外周面
32 被覆部
33 ストラット
33a 端側ストラット(ストラット)
331 ストラット線状部
331a 基端接続線状部(ストラット線状部)
332 ストラット湾曲部
332a 基端接続湾曲部(ストラット湾曲部)
332b ブリッジ固定湾曲部(ストラット湾曲部)
35 ブリッジ
35a 端側ブリッジ(ブリッジ)
51 フッキング部
52 基端部
53 中間部
53a 長尺部
53b 横桟部
54 先端部
54a 拡幅部
71 第1端部マーカー
81 第2端部マーカー
150 ステントデリバリーシステム
160 操作部
161 ハウジング
162 先端チップ
163 操作レバー
164 最外管
166 アウターシース
168 インナーシャフト
168a 小径部
169 プッシュリング
R 第1端部
L 第2端部

Claims (6)

  1. 管腔臓器と他の管腔臓器とをバイパス接続するための管腔臓器間バイパス用ステントであって、
    複数のストラット線状部と2つの異なる前記ストラット線状部の端部を接続するストラット湾曲部とにより構成されて周方向に繋がるストラットを複数有し、隣接するストラット間がブリッジにより接続されて筒状の骨格を形成するフレーム部と、
    前記フレーム部の軸方向の少なくとも一方の端部に位置するストラットである端側ストラットに接続された基端部と、自由端である先端部と、前記基端部から前記先端部へ向かう長手方向に沿って延び、前記フレーム部の外周面上方側へ湾曲する湾曲形状を有する中間部と、を有する複数のフッキング部と、を備え、
    前記中間部は、前記フレーム部の周方向に平行に並んで前記長手方向に延びる2つの長尺部と、前記2つの長尺部間を接続する複数の横桟部と、により構成されていることを特徴とする管腔臓器間バイパス用ステント。
  2. 前記複数の横桟部は、前記中間部全体にわたって前記長手方向において等間隔に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の管腔臓器間バイパス用ステント。
  3. 前記先端部は、前記2つの長尺部間の離隔方向である幅方向の寸法が前記2つの長尺部間の離隔距離より大きい寸法である拡幅部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の管腔臓器間バイパス用ステント。
  4. 前記先端部は、前記2つの長尺部のそれぞれの端部に繋がったループ状の線状部材により構成されていることを特徴とする請求項3に記載の管腔臓器間バイパス用ステント。
  5. 前記基端部は、前記端側ストラットのストラット湾曲部である基端接続湾曲部に接続されており、前記基端接続湾曲部が一端に接続されているストラット線状部の他端に接続されているストラット湾曲部は、隣接するストラットと前記ブリッジにより接続されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の管腔臓器間バイパス用ステント。
  6. 前記端側ストラットは、前記基端接続湾曲部が一端に接続されているストラット線状部の他端に接続されているストラット湾曲部においてのみ、隣接するストラットと前記ブリッジにより接続されていることを特徴とする請求項5に記載の管腔臓器間バイパス用ステント。
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