JP2022134252A - ステント - Google Patents

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Abstract

【課題】病変部位の管軸方向長さに対して適正な軸方向長さで留置できるステントを提供する。【解決手段】生体管腔に留置されるステント1であって、線材から筒状に形成され、軸方向に略直交する径方向に拡縮可能な複数のステント部を備える。複数のステント部は、生体管腔に先に留置される第1ステント部11と、後から留置される第2ステント部21とを有し、第1ステント部11の軸方向の一側部には、第2ステント部21と係合する内側係合部35が設けられる。内側係合部35は、一側部の開口端11aと反対側に突出してなり、一側部に対して径方向外側から内側に力が加わることで、一側部の内周面よりも径方向内側に変位するように形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、ステントに関する。
従来から、血管、食道、胆管、気管、尿管などを含む生体管腔に生じた狭窄部位又は閉塞部位などの病変部位に留置され、当該病変部位を拡径して生体管腔の開存状態を維持するステントが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4651943号公報
上記特許文献1等のステントは、軸方向に長尺な一本の構造をなしている。そのため、ステント留置術においては、生体管腔の病変部位の管軸方向長さに近い軸方向長さを有するステントが選択されて留置される。
しかしながら、病変部位の管軸方向長さに対して必要以上に軸方向に長いステントが留置されると、病変部位の処置に直接的には機能しない余分なステント部分が存在することになる。このような余分なステント部分は、生体管腔の正常な機能を阻害したり、穿孔などの偶発症を招く虞がある。
なお、病変部位の管軸方向長さに対してステントの軸方向長さが足りない場合、追加で別のステントを留置しなければならなくなる。
そこで、本発明は上記の状況に鑑みてなされたものであって、病変部位の管軸方向長さに対して適正な軸方向長さで留置できるステントを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、生体管腔に留置されるステントであって、線材から筒状に形成され、軸方向に略直交する径方向に拡縮可能な複数のステント部を備える。複数のステント部は、生体管腔に先に留置される第1ステント部と、後から留置される第2ステント部とを有し、第1ステント部の軸方向の一側部には、第2ステント部と係合する内側係合部が設けられる。内側係合部は、一側部の開口端と反対側に突出してなり、一側部に対して径方向外側から内側に力が加わることで、一側部の内周面よりも径方向内側に変位するように形成されている。
本発明の他の態様は、生体管腔に留置されるステントであって、線材から筒状に形成され、軸方向に略直交する径方向に拡縮可能な複数のステント部を備える。複数のステント部は、生体管腔に先に留置される第1ステント部と、後から留置される第2ステント部とを有し、第2ステント部の軸方向の一側部には、第1ステント部と係合する外側係合部が設けられる。外側係合部は、一側部の開口端と反対側に突出してなり、一側部に対して径方向内側から外側に力が加わることで、一側部の外周面よりも径方向外側に変位するように形成されている。
本発明によれば、病変部位の管軸方向長さに対して適正な軸方向長さで留置できるステントを提供できる。
本実施形態のステントの要素を分離させた状態で示す図である。 本実施形態のステントの構成例を示す図である。 第1及び第2本体部の構成例を示す拡大図である。 第1ステント部と第2ステント部を重ね合わせた領域におけるステントの縦断面を模式的に示す図である。 本実施形態のステントの留置に使用する留置装置の一例を示す図である。 ステントを生体管腔内に留置する手順を模式的に示す図である。 (A)は、消化管に留置された第1本体部の縦断面を模式的に示す図であり、(B)は、シースから放出された第2本体部の縦断面を模式的に示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係るステントの構成例について説明する。
ここで、図面における各部の形状、寸法等は模式的に示したもので、実際の形状や寸法等を示すものではない。図面において、部材の軸方向Axを必要に応じて矢印で示す。また、軸方向Axと略直交する方向を径方向と定義する。なお、図面において部材の一端側を必要に応じて符号Fで示し、一端側と対向する他端側を必要に応じて符号Bで示す。
図1は、本実施形態のステントの要素を分離させた状態で示す図であり、図2は、本実施形態のステント1の構成例を示す図である。図1、図2では、直筒形状のステント1を示しているが、ステント1の形状は、例えば、弓状に湾曲した形状や、捻れを有する形状であってもよい。
本実施形態のステント1は、血管、食道、胆管、気管、尿管などの生体管腔における狭窄部位や閉塞部位等の病変部位に留置され、これらの病変部位を拡張させるために適用される。後述の図6では、生体管腔の一例として消化管2の病変部位2aにステント1が留置される例を示している。なお、ステント1は、消化管2に限られず、他の生体管腔に留置されるものであってもよい。
本実施形態のステント1は、図1に示すように、一端側に配置される第1ステント部11と、他端側に配置される第2ステント部21を有する構成である。第1ステント部11は先に消化管2に留置され、第2ステント部21は第1ステント部11よりも後に消化管2に留置される。
ステント1の留置時には、図2に示すように、第1ステント部11の他端側の内側係合部35と第2ステント部21の一端側の外側係合部36とが係合され、第1ステント部11の他端側の開口縁部11bと第2ステント部21の一端側の開口縁部21bを重ね合わせた領域OAが生じる状態で第1ステント部11および第2ステント部21が軸方向に並ぶ。このとき、第1ステント部11の開口縁部11bの内側に、第2ステント部21の開口縁部21bが配置される。これにより、消化管2内において、第1ステント部11および第2ステント部21が軸方向に接続されてステント1をなす。
第1ステント部11および第2ステント部21は、それぞれステント1の骨格をなす本体部を備えている。以下、第1ステント部11の本体部を第1本体部12とも称し、第2ステント部21の本体部を第2本体部22とも称する。また、第1本体部12と第2本体部22に共通する部分の説明では、両者をまとめて第1及び第2本体部12,22と称することもある。
第1及び第2本体部12,22は、全体形状がほぼ同じ径の筒状に形成されている。第1及び第2本体部12,22においては、軸方向Axの両端部に設けられた開口が連通し、ステント1が消化管2に留置されたときに消化管2を流れる物が通過可能な流路がその内部に構成される。
なお、消化管2を流れる物は、例えば、全く消化が行われていない摂取された直後の食物、食物が消化管2を通ることで分解処理された物、消化管2を通っても消化されなかった物(例えば、便等)などを含み、物質の状態は問わない。
また、第1及び第2本体部12,22は、径方向内側に収縮した収縮状態から径方向外側に拡張する拡張状態へと拡縮可能であり、拡張状態の形状が記憶されたいわゆる自己拡張型の構成を有している。
ここで、第1ステント部11および第2ステント部21は、後述の留置装置40のシース41に収容されて径方向内側に収縮された状態で消化管2内に導入される。第1ステント部11および第2ステント部21は、消化管2の病変部位2aに運ばれた後にシース41から放出され、径方向外側に拡張する。なお、留置装置40から放出されたステント部を、内側からバルーン(不図示)を拡張させて押圧することで径方向外側に拡張させてもよい。
図3は、第1及び第2本体部12,22の構成例を示す拡大図である。
第1及び第2本体部12,22は、材質が互いに異なる第1及び第2の線材31,32を組みあわせて筒状に形成されている。第1の線材31は、例えば、金属素線などの所定の剛性を有する材料で形成される。第2の線材32は、第1の線材31に対して相対的に低い剛性を有する材料で形成されている。
第1の線材31の材料としては、例えば、Ni-Ti合金、ステンレス鋼、チタン合金などに代表される公知の金属又は金属合金等が挙げられる。また、第1の線材31にはX線造影性を有する合金材料を用いてもよく、あるいはX線造影性を有する合金材料で形成されたマーカ片(不図示)を第1の線材31に適宜取り付けてもよい。これらの場合、第1ステント部11や第2ステント部21の位置を体外から確認できるようになる。
また、第1の線材31は、ステント1を形成するための材料として線状に形成されているものに限られず、例えば、上記の各種金属からなる薄肉円筒体をレーザーカットすることで線状に形成されてもよい。すなわち、第1の線材31は、ステント1を形成した状態で線状に形成された部分を有する部材であれば如何なるものであってもよい。
また、第1の線材31は、例えば、その軸方向に直交する断面が円形や長円形や矩形等であってもよい。
さらに、第1の線材31は、金属以外の材料(例えば、セラミックや樹脂等)で形成されていてもよい。
第1の線材31の材料としてNi-Ti合金を用いる場合、第1及び第2本体部12,22を拡張状態の形状に整えた後、所定の熱処理を施すことにより、拡張状態の形状を第1及び第2本体部12,22に記憶させることができる。
一方、第2の線材32は、第1の線材31に対して金属の含有量が相対的に少ないか、或いは、金属を含有しない材料で形成されている。第2の線材32は、生体適合性を有する樹脂製のひも部材や、或いは金属細線などで形成される。
第2の線材32として樹脂製のひも部材を適用する場合、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ナイロンなどの材料を用いることができる。また、第2の線材32として金属細線を適用する場合、第1の線材31よりも剛性の低い材料で線材を形成するか、或いは第1の線材31と同じ材料で第1の線材31よりも細径の線材を用いればよい。なお、本実施形態では、第2の線材32として樹脂製のひも部材を適用する例を説明する。
また、第2の線材32は、例えば、軸方向に直交する断面が円形や長円形や矩形等で長尺なものであってもよいし、軸方向に直交する一辺が幅広で長尺なもの(帯状やリボン状)であってもよい。
また、第2の線材32は、X線造影性を有する材料を含有していてもよい。この場合においても、第1ステント部11や第2ステント部21の位置を体外から確認できるようになる。
第1及び第2本体部12,22は、図3に示すように、軸方向に並ぶ環状形成部33を複数備えている。各々の環状形成部33は、第1の線材31を周方向に沿って延在させて環状に形成されている。環状形成部33における第1の線材31は、所定のピッチで山部31aと谷部31bが交互に形成されるように軸方向にジグザグ状に屈曲している。第1の線材31で形成された環状形成部33は、自己拡張力によって外周方向に拡径し、留置される消化管2の病変部位2aを拡張させる機能を担う。
また、軸方向の一端側と他端側で隣り合う環状形成部33は、一端側に突出した屈曲部(山部31a)の位置と、他端側に突出した屈曲部(谷部31b)の位置の位相が軸方向にそれぞれ略重なるように配置されている。また、各々の環状形成部33は、軸方向に隣り合う環状形成部33に第1の線材31を移行させるために、環状形成部33の間を第1の線材31で繋ぐ渡り部34を有している。
渡り部34を設けることで、軸方向に並ぶ複数の環状形成部33を1本の第1の線材31で形成することも可能になる。なお、渡り部34は、環状形成部33に線材をかしめて形成してもよく、薄肉円筒体をレーザーカットして形成するものでもよい。
また、環状形成部33をつなぐ渡り部34は、例えば、環状形成部33の山部31aと、軸方向に隣り合う環状形成部33の谷部31bとを繋いで直線状に形成されている。
また、複数の環状形成部33において、周方向における渡り部34の位置は互いにずれて配置されており、隣り合う環状形成部33の間では渡り部34の周方向の位置が重なっていない。渡り部34の周方向の位置は、軸方向に規則的にずれて配置されてもよいし、不規則的に配置されてもよい。このように、渡り部34の位置がずれていることから、複数の渡り部34が突っ張って第1ステント部11や第2ステント部21が曲がりにくくなる事象は生じにくくなる。換言すれば、第1ステント部11や第2ステント部21のアキシャルフォースが渡り部34の存在で増加することを抑制できる。
また、複数の環状形成部33のうち、例えば、軸方向に隣り合わない位置にある二つの環状形成部33は、第2の線材32によって軸方向に連結されている。そのため、第2の線材32は、第1及び第2本体部12,22の軸方向の曲げや環状形成部33の周方向の変位を許容しつつ環状形成部33どうしを軸方向に連結し、第1及び第2本体部12,22の全体形状を筒状に保つ機能を担う。また、第1の線材31と第2の線材32を組み合わせることで、第1及び第2本体部12,22の全体に占める金属量が少なくなり、第1ステント部11や第2ステント部21の柔軟性がより高くなる。
なお、複数の環状形成部33のうち、第2の線材32により連結される環状形成部33は、軸方向に隣り合った位置に配置されてもよい。
図3に示すように、環状形成部33は、隣り合う環状形成部33を跨いで軸方向に1つ分離れた環状形成部33と第2の線材32で連結されている。これら二つの環状形成部33は、一方の環状形成部33の山部31aと他方の環状形成部33の谷部31bとが第2の線材32で連結される。これにより、第2の線材32は、二つの環状形成部33の間で軸方向に折り返されるパターンで環状に配置される。このように、各々の環状形成部33が、軸方向に1つ分離れた環状形成部33とそれぞれ第2の線材32で連結されることで第1及び第2本体部12,22が構成される。
また、第2の線材32と第1の線材31が交差することで第1及び第2本体部12,22には網目が形成され、当該網目によって消化管2の生体組織がステント1内に浸潤するイングロースも抑制される。
図4は、第1ステント部11と第2ステント部21を重ね合わせた領域OAにおけるステント1の縦断面を模式的に示す図である。簡単のため、図4では、第1及び第2本体部12,22の第1の線材31のみを示し、第2の線材32の図示はいずれも省略している。
ステント1の領域OAにおいては、先に留置される第1ステント部11が外周側に位置し、後から留置される第2ステント部21が内周側に位置する。そして、第1ステント部11の環状形成部33の間に第2ステント部21の環状形成部33が入り込んで噛み合うことで、第1ステント部11と第2ステント部21が係合する。
具体的には、第1ステント部11の他端側の開口縁部11b(軸方向の一側部)には、第2ステント部21と係合する内側係合部35が設けられている。内側係合部35は、例えば、環状形成部33の開口端11aと反対側(一端側)に突出した屈曲部(山部31a)により形成されている。そして、内側係合部35は、例えば、第1ステント部11が留置される消化管2の病変部位2a等により開口縁部11bに対して径方向外側から内側に力が加わることで、第1本体部12の内周面S1よりも径方向内側に変位するように形成されている。
また、第2ステント部21の一端側の開口縁部21b(軸方向の一側部)には、第1ステント部11と係合する外側係合部36が設けられている。外側係合部36は、例えば、環状形成部33の開口端21aと反対側(他端側)に突出した屈曲部(谷部31b)により形成されている。そして、外側係合部36は、例えば、第2ステント部21がシース41から放出されて開口縁部21bに対して加わる径方向内側から外側に拡張する力により、第2本体部22の外周面S2よりも径方向外側に変位するように形成されている。
図1に戻って、第1本体部12の一端側の端部には、一端側に向かうにつれて径が広がる第1フレア部13が形成されている。また、第2本体部22の他端側の端部には、他端側に向かうにつれて径が広がる第2フレア部23が形成されている。第1フレア部13および第2フレア部23は、例えばいずれも線材を編組みして形成され、ステント1を留置したときに消化管2の内壁との間で摩擦を生じさせてステント1の位置ずれ(マイグレーション)を抑制する機能を担う。
なお、ステント1の位置ずれ(マイグレーション)を抑制する機構として、第1及び第2フレア部13、23を例示したが、一例であってこれに限られるものではない。例えば、第1及び第2フレア部13、23の代わりに、消化管2の内壁に突き刺さるバーブを設けてもよい。
図5は、第1ステント部11および第2ステント部21を病変部位に留置するときに使用される留置装置40の一例を示す図である。
留置装置40は、シース41と、シース41の内側に配置され、第1ステント部11および第2ステント部21を係止可能な軸状部材42とを備えている。
シース41は、長尺な管状部材であり、生体適合性を有する合成樹脂などの可撓性を有する材料で形成される。シース41の内部には、収縮状態の第1ステント部11および第2ステント部21を収容可能である。
軸状部材42は、シース41の内側にてシース41の軸方向Axに沿って進退可能に構成された長尺な部材である。例えば、軸状部材42は、外側軸部42aと、外側軸部42aに内挿された内側軸部42bとを有している。
外側軸部42aは、略一定の外径を有する長尺な筒状部材である。外側軸部42aの先端側には、第2ステント部21が係止される第2の被係止部44が設けられている。
内側軸部42bは、外側軸部42aに互いの軸心をほぼ一致させるように同軸状に内挿され、その一端側の部分が外側軸部42aから露出されている。内側軸部42bの一端には、シース41の一端側の開口を塞ぐ先端チップ45が装着されている。また、内側軸部42bにおいて、先端チップ45よりもわずかに他端側には、第1ステント部11が係止される第1の被係止部43が設けられている。
次に、図6を参照しつつ、本実施形態のステント1を消化管2の病変部位2aに留置する手順を説明する。なお、図6の例では、一端側が肛門側であり、他端側が口側である場合を説明する。
まず、図6(A)に示すように、消化管2の病変部位2aを通過するように留置装置40が消化管2内に配置される。
次に、留置装置40において、軸状部材42の位置を固定した状態でシース41を他端側に変位させる。すると、内側軸部42bに係止されている第1ステント部11がシース41の内側から消化管2内に放出される。このとき、外側軸部42aに係止されている第2ステント部21については、シース41に対する軸方向Axの移動を規制した状態とし、第2ステント部21はシース41と一体的に軸方向Axの他端側へ移動する。
第1ステント部11は、シース41から外部に放出されることで径方向外側に自己拡張し、図6(B)に示すように消化管2の病変部位2aの内壁面に密着して留置される。
図7(A)は、消化管2に留置された第1本体部12の軸方向に沿った縦断面を模式的に示す図である。簡単のため、図7(A)では、第1本体部12の第1の線材31(環状形成部33)のみを示し、第2の線材32の図示は省略している。
第1本体部12は、自己拡張力により消化管2の病変部位2aを径方向外側に向けて押圧する。一方で、第1本体部12は消化管2の病変部位2aからの反力によって径方向外側から内側に向けて押し返される。これにより、第1本体部12において病変部位2aに臨む部位は、径方向外側から力が加わることで径方向内側に撓む。このとき、剛性の低い第2の線材32は柔軟に曲がるのに対し、剛性の高い第1の線材31は変形しにくく、他端側の内周面S1よりも径方向内側に突出するように変位する。
したがって、第1本体部12において病変部位2aに臨む部位では、環状形成部33の一端側の内側係合部35が第1本体部12の内周面S1より径方向内側に突出するように変位した状態となる(図7(A))。なお、第1本体部12の第2の線材32は、第1本体部12における内側係合部35(環状形成部33)の上記の変位を阻害せずに環状形成部33を軸方向に連結し、上記の変位を補助する機能も担う。
第1ステント部11が留置された後、内視鏡やX線により位置を確認しながら、図6(C)に示すように、第1ステント部11に対して内側から重なるように第2ステント部21の放出が行われる。
具体的には、第1ステント部11が放出された後、外側軸部42aに係止されている第2ステント部21のシース41に対する軸方向Axの移動の規制が解除される。そして、第2ステント部21を所望の位置に合わせてから軸状部材42の位置を固定する。この状態でシース41を軸方向Axに沿って他端側に変位させると、外側軸部42aの第2の被係止部44に係止されている第2ステント部21がシース41の内側から消化管2内に放出される。
図7(B)は、シース41から放出された第2本体部22の軸方向に沿った縦断面を模式的に示す図である。簡単のため、図7(B)では、第2本体部22の第1の線材31(環状形成部33)のみを示し、第2の線材32の図示は省略している。
収縮状態の第2本体部22は、シース41から放出されると、自己拡張力により径方向外側に向けて力が加わることで径方向外側に拡がるように変位する。このとき、剛性の低い第2の線材32は柔軟に曲がるのに対し、剛性の高い第1の線材31は変形しにくく、一端側の外周面S2よりも径方向外側に突出するように変位する。
したがって、第2本体部22では、環状形成部33の他端側の外側係合部36が第2本体部22の外周面S2より径方向外側に突出するように変位した状態となる(図7(B))。なお、第2本体部22の第2の線材32は、第2本体部22における外側係合部36(環状形成部33)の上記の変位を阻害せずに環状形成部33を軸方向に連結し、上記の変位を補助する機能も担う。
第1ステント部11の内周側で第2ステント部21を拡張させると、消化管2に留置された第1ステント部11は、第2ステント部21の拡張力で径方向外側に向けて内側から付勢される。このとき、内側係合部35の第1の線材31からなる環状形成部33の間に、外側係合部36の第1の線材31からなる環状形成部33が入り込んでかみ合い、第1ステント部11と第2ステント部21が係合する(図4)。なお、第1及び第2本体部12,22における第2の線材32は、第1の線材31よりも剛性が低く第1の線材31に接触すると柔軟に曲がる。そのため、第2の線材32は、第1ステント部11と第2ステント部21の係合を妨げない。
図6(D)は、第2ステント部21の放出が終了し、ステント1の留置が完了した状態を示している。図6(D)におけるステント1では、第1ステント部11と第2ステント部21が係合することで、第1ステント部11と第2ステント部21の軸方向の相対的な変位が規制される。
また、ステント1の留置時には、第1ステント部11と第2ステント部21の重なり合う領域OAが生じる。領域OAでは、第1ステント部11と第2ステント部21の両方の拡張力が作用することでステント1の拡張力が増強される。これにより、領域OAでは、病変部位2aをより確実に拡張することが可能となる。
また、領域OAでは、骨格の網目が軸方向や周方向にずれて配置されることで、第1ステント部11および第2ステント部21が重なっていない領域よりも骨格の網目が細かくなる。これにより、病変部位の細胞組織がステント1内に浸潤する事象(イングロース)を抑制しやすくなる。
また、本実施形態では、第1ステント部11に対する第2ステント部21の軸方向位置を調整することで、病変部位2aに留置するステント1の全長を変更できる。さらに、第1ステント部11と第2ステント部21のいずれかについて軸方向長さの異なる複数種類の製品を用意し、病変部位2aに合わせて留置するステント部の組み合わせを変化させることで、ステント1の全長を適切に制御することも容易となる。
以下、本実施形態のステント1の効果を述べる。
本実施形態において、消化管2(生体管腔)に留置されるステント1は、線材から筒状に形成され、軸方向に略直交する径方向に拡縮可能な複数のステント部として、消化管2に先に留置される第1ステント部11と、後から留置される第2ステント部21とを有する。第1ステント部11の軸方向の他端側(一側部)には、第2ステント部21と係合する内側係合部35が設けられる。内側係合部35は、他端側の開口端11aと反対側に突出してなり、他端側に対して径方向外側から内側に力が加わることで、他端側の内周面S1よりも径方向内側に変位するように形成されている。
第1ステント部11の内側係合部35は、例えば、第1ステント部11が消化管2の病変部位2aに留置されることで他端側の内周面S1よりも径方向内側に変位し、当該第1ステント部11の内側に配置される第2ステント部21と係合し易くなる。そして、内側係合部35が第2ステント部21と係合してステント1を構成することで、ステント部の重なる幅の調整や、ステント部の組み合わせの変更によって、病変部位に留置するステント1の全長を変更できる。また、内側係合部35の係合によって第1ステント部11および第2ステント部21どうしの軸方向の相対的な変位が規制されるので、複数のステント部からなるステント1の全長は維持される。したがって、本実施形態のステント1は、病変部位の管軸方向長さに対して適正な軸方向長さで留置できる。換言すれば、本実施形態では、病変部位を越えてステント1が健常な部位に配置される部分を減らすことができるので、健常部位の損傷の可能性などを低減させることができる。
本実施形態の第1ステント部11は、材質が互いに異なる第1及び第2の線材31,32を組み合わせて筒状に形成される。また、内側係合部35は、第1及び第2の線材31,32のうち、相対的に高い剛性を有する線材から形成される。また、第2の線材32は、内側係合部35の内周面S1よりも径方向内側への変位を補助するように、内側係合部35を形成する第1の線材31に連結されている。
これにより、第1ステント部11に径方向外側から力が加わったときには、剛性の高い第1の線材31で形成される内側係合部35が他端側の内周面S1よりも径方向内側に突出するように変位させることができる。ここで、第2の線材32は、内側係合部35を形成する第1の線材31よりも相対的に剛性が低く、動きの自由度が高くなるため、第2の線材32によって内側係合部35の変位が阻害されることがなくなり、内側係合部35の変位を適正に行うことができる。
また、本実施形態では、第2ステント部21の軸方向の一端側(一側部)には、第1ステント部11と係合する外側係合部36が設けられる。外側係合部36は、一端側の開口端21aと反対側に突出してなり、一端側に対して径方向内側から外側に力が加わることで、一端側の外周面S2よりも径方向外側に変位するように形成されている。
第2ステント部21の外側係合部36は、例えば、第2ステント部11がシース41から放出されることで一端側の外周面S2よりも径方向外側に変位し、当該第2ステント部21の外側に配置される第1ステント部11と係合し易くなる。そして、外側係合部36が第1ステント部11と係合してステント1を構成することでも、上記の内側係合部35の場合と同様の効果を得ることができる。また、内側係合部35を有する第1ステント部11と、外側係合部36を有する第2ステント部21を係合させることで、第1ステント部11および第2ステント部21どうしの軸方向の相対的な変位をより確実に規制できる。
本実施形態の第2ステント部21は、材質が互いに異なる第1及び第2の線材31,32を組み合わせて筒状に形成される。また、外側係合部36は、第1及び第2の線材31,32のうち、相対的に高い剛性を有する線材から形成される。また、第2の線材32は、外側係合部36の外周面S2よりも径方向外側への変位を補助するように、外側係合部36を形成する第1の線材31に連結されている。
これにより、第2ステント部21に径方向内側から力が加わったときには、剛性の高い第1の線材31で形成される外側係合部36が一端側の外周面S2よりも径方向外側に突出するように変位させることができる。ここで、第2の線材32は、外側係合部36を形成する第1の線材31よりも相対的に剛性が低く、動きの自由度が高くなるため、第2の線材32によって外側係合部36の変位が阻害されることがなくなり、内側係合部36の変位を適正に行うことができる。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行ってもよい。
例えば、上記実施形態では、第1ステント部11に内側係合部35が設けられ、第2ステント部21に外側係合部36が設けられたものを例示したが、一例であってこれに限られるものではない。第2ステント部21には、必ずしも外側係合部36が設けられていなくてもよいし、また、第1ステント部11には、必ずしも内側係合部35が設けられていなくてもよい。
また、上記実施形態では、材質が互いに異なる第1及び第2の線材31,32を組みあわせることで、第1及び第2本体部12,22を構成する例を説明した。しかし、本発明において、第1及び第2本体部12,22のいずれか一方は、第1の線材31のみで構成されたものであってもよい。
また、上記実施形態では、第1ステント部11を肛門側に先に留置し、第2ステント部21を後から口側に留置する場合を説明した。しかし、本発明において、第1ステント部11を口側に先に留置し、第2ステント部21を後から肛門側に留置するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、渡り部34として、直線状に形成されたものを例示したが、渡り部34の形状は一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。例えば、図示は省略するが、渡り部34は、一端側に突出した屈曲部と他端側に突出した屈曲部が連続するS字状に形成されてもよい。
この場合、第1ステント部11の渡り部34における環状形成部33の開口縁部11aと反対側に突出した屈曲部分を、内側係合部35と同様に機能させることができ、また、第2ステント部21の渡り部34における環状形成部33の開口縁部21aと反対側に突出した屈曲部分を外側係合部36と同様に機能させることができる。
さらに、渡り部34の各屈曲部が環状形成部33の山部31aおよび谷部31bと略重なるように渡り部34は配置されることにより、渡り部34と環状形成部33との干渉が抑制される。
また、第1及び第2本体部12,22における環状形成部33は、第1の線材31が周方向に周回していれば必ずしも環状に接続されていなくてもよい。例えば、ジグザグ状に折り曲げた第1の線材31をらせん状に旋回させて複数の環状形成部33を形成し、これら環状形成部33の屈曲部を第2の線材32で軸方向に連結してもよい。すなわち、第1及び第2本体部12,22は、必ずしも渡り部34を具備する必要はなく、渡り部34を具備するか否かは適宜任意に変更可能である。
加えて、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1…ステント、2…消化管(生体管腔)、2a…病変部位、11…第1ステント部、11a…開口縁部、12…第1本体部、21…第2ステント部、21a…開口縁部、22…第2本体部、31…第1の線材、32…第2の線材、33…環状形成部、35…内側係合部、36…外側係合部、40…留置装置、41…シース

Claims (7)

  1. 生体管腔に留置されるステントであって、
    線材から筒状に形成され、軸方向に略直交する径方向に拡縮可能な複数のステント部を備え、
    前記複数のステント部は、前記生体管腔に先に留置される第1ステント部と、後から留置される第2ステント部とを有し、
    前記第1ステント部の軸方向の一側部には、前記第2ステント部と係合する内側係合部が設けられ、
    前記内側係合部は、前記一側部の開口端と反対側に突出してなり、前記一側部に対して径方向外側から内側に力が加わることで、前記一側部の内周面よりも前記径方向内側に変位するように形成されているステント。
  2. 前記第1ステント部は、材質が互いに異なる第1及び第2の線材を組み合わせて筒状に形成され、
    前記内側係合部は、前記第1及び第2の線材のうち、相対的に高い剛性を有する線材から形成されてなる
    請求項1に記載のステント。
  3. 前記第2の線材は、前記内側係合部の前記内周面よりも前記径方向内側への変位を補助するように、当該内側係合部を形成する前記第1の線材に連結されている
    請求項2に記載のステント。
  4. 前記第2ステント部の軸方向の一側部には、前記第1ステント部と係合する外側係合部が設けられ、
    前記外側係合部は、前記一側部の開口端と反対側に突出してなり、前記一側部に対して径方向内側から外側に力が加わることで、前記一側部の外周面よりも前記径方向外側に変位するように形成されている
    請求項1に記載のステント。
  5. 前記第2ステント部は、材質が互いに異なる第1及び第2の線材を組み合わせて筒状に形成され、
    前記外側係合部は、前記第1及び第2の線材のうち、相対的に高い剛性を有する線材から形成されてなる
    請求項4に記載のステント。
  6. 前記第2の線材は、前記外側係合部の前記外周面よりも前記径方向外側への変位を補助するように、当該外側係合部を形成する前記第1の線材に連結されている
    請求項5に記載のステント。
  7. 生体管腔に留置されるステントであって、
    線材から筒状に形成され、軸方向に略直交する径方向に拡縮可能な複数のステント部を備え、
    前記複数のステント部は、前記生体管腔に先に留置される第1ステント部と、後から留置される第2ステント部とを有し、
    前記第2ステント部の軸方向の一側部には、前記第1ステント部と係合する外側係合部が設けられ、
    前記外側係合部は、前記一側部の開口端と反対側に突出してなり、前記一側部に対して径方向内側から外側に力が加わることで、前記一側部の外周面よりも前記径方向外側に変位するように形成されているステント。

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