JP5959878B2 - 電極リード線部材を備えた非水系電池用収納容器 - Google Patents
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Description
ところで、リチウムイオン電池の電解液は水分や光に弱いという性質を有している。そのため、リチウムイオン電池用の外装材料には、ポリアミドやポリエステルからなる基材樹脂フィルムとアルミニウム箔とが積層された、防水性や遮光性に優れた電池外装用積層体が使用されている。
また、リチウムイオン電池の内部に水分が侵入した場合、電解液が水分で分解して、強酸が発生する。この場合、電池外装用の積層体の内側から発生した強酸が浸透し、その結果としてアルミ箔が強酸で腐食して劣化してしまい、電解液の液漏れが発生し、電池性能が低下するだけでなく、リチウムイオン電池が発火する恐れがあるという問題があった。
また、前記薄膜コーティング層が、水酸基を含有するポリビニルアルコールの骨格を有する樹脂又はその共重合樹脂からなることが好ましい。
なお、N/inchは、N/25.4mmに相当する。
電極リード線部材の導出封止部の、水酸基を含有するポリビニルアルコールの骨格を有する樹脂又はその共重合樹脂からなる薄膜コーティング層が、熱処理により、架橋または非晶化することにより耐水化され、電極リード線部材の導出封止部の、断面で見た両端部から電解液が浸入するのを抑えることができる。
電極リード線部材の導出封止部の、断面で見た両端部が押し潰されて、断面中央部よりも厚みが薄くされていると、電極リード線部材の導出封止部とラミネートフィルム積層体との密着が良くなり空隙部が少なくなり、電解液の浸入が低減される。
1ケずつに裁断された電極リード線部材に対して、薄膜コーティング層を塗布して形成することにより、電極リード線部材の裁断面にまで薄膜コーティング層が回り込み、全周に薄膜コーティング層が形成される。
図1に示すように、本発明の電極リード線部材18及びリチウムイオン電池17は、電池外装用積層体10を折り重ねて作成された電池用外装容器20に内包されている。
さらに、電池用外装容器20の三方の側縁部19は、ヒートシールして袋状に製袋されたものである。電極リード線部材18は、図1の様に電池用外装容器20から引き出されている。なお、本発明に係わる電極リード線部材18を用いて製造したリチウムイオン電池の電池用収納容器における収納方法は、図3に示した。
図4(a)に示すように、電極リード線部材18は、金属製の導出封止部21を備え、該導出封止部21の表面上に、第1のシーラント層13と同一のシーラント樹脂フィルムからなる第2のシーラント層23が、耐食性の薄膜コーティング層22を介して、積層されている。電極リード線部材18と電池外装用積層体10とを接合する際、第2のシーラント層23は、前記第1のシーラント層に熱接合される。
また、電極リード線部材18の導出封止部21は、電池内部の電極体の集電部に導出封止部を接合する部分と、複数の非水系電池用収納容器から引き出された電極リード線部材を、直列、または並列に接合する部分とには化成処理が施されておらず(化成処理の未実施部分25)、耐電解液皮膜が付着していないことにより、超音波による接合や抵抗溶接による接合、あるいはネジ等による接触接続などを用いた接合時において、接合する界面に耐電解液性皮膜がないため、接合性が良好となる。また、電極リード線部材18の導出封止部21は、図4(b)に示すように、断面で見た両端部24が押し潰されて、断面中央部よりも厚みが薄くされていることが好ましい。
図4(a)においては、耐食性の薄膜コーティング層22の形成された、導出封止部の長さ方向の幅Lは、第2のシーラント層23の幅よりも広い幅で形成された状態が示されている。また、耐食性の薄膜コーティング層22の形成された、導出封止部の長さ方向の幅Lは、2mm以上であって、図5においては、第2のシーラント層23の幅よりも狭い幅で形成された状態が示されている。なお、図5では、第2のシーラント層23の一部を切り欠いて、薄膜コーティング層22の一部が露出しているように表現したが、実際には、薄膜コーティング層22の全体が、第2のシーラント層23に覆われている。
化成処理層による耐食性の薄膜コーティング層と、水酸基を含有するポリビニルアルコールの骨格を有する樹脂又はその共重合樹脂からなる薄膜コーティング層とは併用することも可能である。この場合、金属製の導出封止部21の一部の表面上に化成処理を施した後、化成処理層の上に水酸基を含有するポリビニルアルコールの骨格を有する樹脂又はその共重合樹脂からなる薄膜コーティング層を形成することも可能である。
また、電極リード線部材18の導出封止部21の材質が、銅板にニッケルメッキで被覆した金属の場合においては、薄膜コーティング層には、3フッ化クロム化合物と水溶性樹脂とを含有した処理液による化成処理、3フッ化クロム化合物と3価の炭酸クロム化合物及び水溶性樹脂とを含有した処理液による化成処理、フッ酸水溶液と3価の炭酸クロム化合物及び水溶性樹脂とを含有した処理液による化成処理、またはトリアジンチオール処理による化成処理が施されているか、水酸基を含有するポリビニルアルコールの骨格を有する樹脂又はその共重合樹脂からなる薄膜コーティング層を架橋させ、且つ、フッ化金属又はその誘導体からなり、金属表面を不動態化する物質が含有されているのが好ましい。
もし、電極リード線部材18の導出封止部21の表層に、耐食性の薄膜コーティング層22を形成させていないと、電解液の浸透により、電極リード線部材18の導出封止部21の表層で、水分と電解液とが反応してフッ酸が発生し、電極リード線部材18の導出封止部21が腐食することにより、電極リード線部材18と電池外装用積層体10との接着を劣化させるとされている。よって、少なくとも電極リード線部材18の導出封止部21の電池側の表層面を、水酸基を含有するポリビニルアルコールの骨格を有する樹脂又はその共重合樹脂からなる薄膜コーティング層22が積層されてなることが好ましい。電極リード線部材18の導出封止部21の断面の外周部全体に、薄膜コーティング層22を積層する必要がある。
アルミ製の電極リード線部材に対する電解液による腐食劣化を防止する対策としては、従来技術ではクロメート処理が知られて使用されている。アルミ製の電極リード線部材と比較して、銅板にニッケルメッキで被覆した金属製の電極リード線部材においては、クロメート処理の効果が少ないことも公知である。しかし、本発明においては、銅板にニッケルメッキで被覆した金属製の電極リード線部材にも耐電解液性の効果があることが判明した。よって、従来のクロメート方式とは、腐食劣化防止のメカニズムとは違う可能性がある。
また、薄膜コーティング層22には、水酸基を含有するポリビニルアルコールの骨格を有する樹脂又はその共重合樹脂からなる薄膜コーティング層を架橋させ、且つ、フッ化金属又はその誘導体からなり、アルミ箔の表面を不動態化する物質を含有することが好ましい。フッ化金属又はその誘導体は、不動態であるアルミニウムのフッ化物を形成するF−イオンを含む物質であり、例えばフッ化クロム、フッ化鉄、フッ化ジルコニウム、フッ化チタン、フッ化ハフニウム、ジルコンフッ化水素酸およびそれらの塩、チタンフッ化水素酸およびそれらの塩、等のフッ化物が挙げられる。
この電極リード線部材18の導出封止部21の表層面に、薄膜コーティング層22を形成するには、例えば、水酸基を含有するポリビニルアルコールの骨格を持つ非結晶ポリマー(日本合成化学(株)製、商品名:Gポリマー樹脂)を0.2〜6wt%、及びフッ化クロム(III)を0.1〜3wt%溶解した水溶液を用いて、乾燥後の厚みが0.2〜5μm程度となるように塗布した後、更にオーブンにて加熱乾燥及び焼き付け接着及び架橋化を行なうことにより、薄膜コーティング層22を形成することができる。
更に、微量の水分が電池内部に浸入し、電解液と水分とが反応して電解液が分解することによりフッ酸が発生した場合にも、電極リード線部材18の導出封止部21の表層面に積層された水酸基を含有するポリビニルアルコールの骨格を有する樹脂又はその共重合樹脂からなる薄膜コーティング層22は、フリーボリュームが少ないので、ガスバリヤ性が高く、第2のシーラント層23に沿って、外部へ拡散すること、及び微量のフッ酸が電極リード線部材18の導出封止部21であるアルミ板の表面に接触しても、アルミ板の表面に形成されている不動態化膜により電極リード線部材18の導出封止部21の腐食が防止されて、電極リード線部材18の導出封止部21と、第2のシーラント層23との層間接着強度が保たれ、耐圧強度保持が高くなり、電池の液漏れ等の問題も発生しない。
水酸基を含有するポリビニルアルコールの骨格を有する樹脂又はその共重合樹脂からなる薄膜コーティング層22の厚みは、0.1〜10μmが望ましく、更に望ましくは0.2〜5.0μmであり、最も望ましいのは0.5〜3μmである。このような薄膜コーティング層22の厚みであると、防湿性や接着強度の性能が増加する。
一方、1ケずつに裁断された電極リード線部材に対して、薄膜コーティング層を塗布して形成する方法によれば、電極リード線部材の裁断面にまで薄膜コーティング層が回り込み、全周に薄膜コーティング層が形成されるので好ましい。
・電極リード線部材の導出封止部と第2のシーラント層との接着強度の測定方法:JIS C6471「フレキシブルプリント配線板用銅張積層板試験方法」に規定された測定方法により測定した。
・電解液強度保持率の測定方法:電池外装用積層体を用いて、50×50mm(ヒートシール幅が5mm)の4方袋に製袋して、その中にLiPF6を1mol/リットル添加したPC/DEC電解液に純水を0.5wt%添加して、それを2cc計量し、充填して包装した。この4方袋の中に、電極リード線部材の導出封止部の一部に薄膜コーティング層をディスペンサー方式にて印刷し、その薄膜コーティング層の上にヒートシールにより第2のシーラント層が積層された電極リード線部材を入れて、60℃のオーブンに100時間保管後、電極リード線部材と第2のシーラント層との層間接着強度(k2)を測定する。
ここで、事前に測定しておいた、電解液に暴露する前の電極リード線部材の導出封止部と第2のシーラント層であるポリプロピレン(PP)フィルムとの層間接着強度(k1)と、電解液に暴露した後の層間接着強度(k2)との比率を電解液強度保持率K=(k2/k1)×100(%)とした。
(測定装置)
・接着強度の測定装置:島津製作所製、型式:AUTOGRAPH AGS‐100A引張試験装置
リチウム電池用の、電極リード線部材の導出封止部として、厚みが200μmのアルミ板を、幅50mm×長さ60mmの寸法に切断したアルミ片を用いた。脱脂洗浄したこのアルミ片の表面に、水酸基を含有するポリビニルアルコールの骨格を持つ非結晶ポリマー(日本合成化学(株)製、商品名:Gポリマー樹脂)を1wt%、及びフッ化クロム(III)を1wt%溶かした水溶液を用いて、加熱乾燥後の厚みが1μmとなるようにディスペンサーにて両面に塗布し、導出封止部の長さ方向の中央部に幅10mmの薄膜コーティング層を帯状に積層した。更に、200℃のオーブンにて加熱乾燥し、樹脂を焼き付けるのと同時に架橋化して、実施例1の電極リード線部材を得た。この時に、実施例1の電極リード線部材の導出封止部の裏表の表面層だけでなく、電極リード線部材の導出封止部の長さ方向に直交する方向の両端面にも、薄膜コーティング層が塗布されていることを確認した。
さらに、実施例1の電極リード線部材の、導出封止部の薄膜コーティング層の上に、無水マレイン酸変性ポリプロピレンフィルムの単層フィルム(三井化学製ポリプロピレン系樹脂、品名/アドマーQE060を、フィルム製膜機で100μmの厚みに製膜したフィルムを使用)をヒートシールにて両面接合した。さらに、その上に、アルミ箔(厚み20μm)/無水マレイン酸変性ポリプロピレンフィルム(厚み100μm)からなる、厚みが120μmのアルミラミネートフィルムをヒートシールして、実施例1の電池収納容器の一部分を作製した。
この実施例1の電池収納容器の一部分から、接着強度測定用の試験片を切り出して採取し、アルミラミネートフィルムと電極リード線部材の導出封止部との接着強度を測定したところ、46N/inchの接着強度を示した。
また、実施例1の電池収納容器の一部分について、電解液強度保持率Kを測定した結果は、K=88%であった。
更に、電極リード線部材の導出封止部の長さ方向の一方の末端部に、アルミ箔(厚み20μm)を10枚、または15枚重ねて、超音波により(ブランソン製の超音波接合機を使用)接合をしたところ、両方とも問題なく接合した。
リチウム電池用の、電極リード線部材の導出封止部として、厚みが200μmの銅板片(寸法が幅50mm×長さ60mm)の表面に、ニッケルスルファミン酸メッキを2〜5μmの厚みでメッキした。そのニッケルメッキした導出封止部に、水酸基を含有するポリビニルアルコールの骨格を持つ非結晶ポリマー(日本合成化学(株)製、商品名:Gポリマー樹脂)を1wt%、及びフッ化クロム(III)を1wt%溶かした水溶液を用いて、加熱乾燥後の厚みが1μmとなるようにディスペンサーにて両面に塗布し、導出封止部の長さ方向の中央部に幅20mmの薄膜コーティング層を帯状に積層した。更に、200℃のオーブンにて加熱乾燥し、樹脂を焼き付けるのと同時に架橋化して、実施例2の電極リード線部材を得た。
さらに、実施例2の電極リード線部材の、導出封止部の薄膜コーティング層の上に、実施例1と同様にして、アルミラミネートフィルムをヒートシールし、実施例2の電池収納容器の一部分を得た。
この実施例2の電池収納容器の一部分から、接着強度測定用の試験片を切り出して採取し、アルミラミネートフィルムと電極リード線部材の導出封止部との接着強度を測定したところ、44N/inchの接着強度を示した。
また、実施例2の電池収納容器の一部分について、電解液強度保持率Kを測定した結果は、K=78%であった。
更に、電極リード線部材の導出封止部の長さ方向の一方の末端部に、銅箔(厚み20μm)を10枚、または15枚重ねて、超音波により(ブランソン製の超音波接合機を使用)接合をしたところ、両方とも問題なく接合した。
薄膜コーティング層を、導出封止部の長さ方向の中央部に幅2mmで積層した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の電極リード線部材及び電池収納容器の一部分を得た。
この実施例3の電池収納容器の一部分から、接着強度測定用の試験片を切り出して採取し、アルミラミネートフィルムと電極リード線部材の導出封止部との接着強度を測定したところ、48N/inchの接着強度を示した。
また、実施例3の電池収納容器の一部分について、電解液強度保持率Kを測定した結果は、K=86%であった。
更に、電極リード線部材の導出封止部の長さ方向の一方の末端部に、アルミ箔(厚み20μm)を10枚、または15枚重ねて、超音波により(ブランソン製の超音波接合機を使用)接合をしたところ、両方とも問題なく接合した。
薄膜コーティング層を、アルミ片の全表面に形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の電極リード線部材及び電池収納容器の一部分を得た。
この比較例1の電池収納容器の一部分から、接着強度測定用の試験片を切り出して採取し、アルミラミネートフィルムと電極リード線部材の導出封止部との接着強度を測定したところ、54N/inchの接着強度を示した。
また、比較例1の電池収納容器の一部分について、電解液強度保持率Kを測定した結果は、K=76%であった。
更に、電極リード線部材の導出封止部の長さ方向の一方の末端部に、アルミ箔(厚み20μm)を10枚、または15枚を重ねて、超音波により(ブランソン製の超音波接合機を使用)接合をしたところ、10枚を重ねたのでは問題が無かったが、15枚を重ねると、アルミ片とアルミ箔の界面で剥離して、接合が弱いことが判明した。
導出封止部の長さ方向の中央部に幅20mmの薄膜コーティング層を積層した後に、加熱乾燥の処理をしなかった以外は、実施例2と同様にして、比較例2の電極リード線部材及び電池収納容器の一部分を得た。
この比較例2の電池収納容器の一部分から、接着強度測定用の試験片を切り出して採取し、アルミラミネートフィルムと電極リード線部材の導出封止部との接着強度を測定したところ、46N/inchの接着強度を示した。
また、比較例2の電池収納容器の一部分について、電解液強度保持率Kを測定した結果は、K=10%以下であった。電極リード線部材と第2のシーラント層とが剥離現象(デラミ)を起こした。
更に、電極リード線部材の導出封止部の長さ方向の一方の末端部に、アルミ箔(厚み20μm)を10枚、または15枚重ねて、超音波により(ブランソン製の超音波接合機を使用)接合をしたところ、両方とも問題なく接合した。
薄膜コーティング層を、導出封止部の長さ方向の中央部に幅1mmで積層した以外は、実施例1と同様にして、比較例3の電極リード線部材及び電池収納容器の一部分を得た。
この比較例3の電池収納容器の一部分から、接着強度測定用の試験片を切り出して採取し、アルミラミネートフィルムと電極リード線部材の導出封止部との接着強度を測定したところ、52N/inchの接着強度を示した。
また、比較例3の電池収納容器の一部分について、電解液強度保持率Kを測定した結果は、K=31%であり、電解液に対する耐性が弱かった。
更に、電極リード線部材の導出封止部の長さ方向の一方の末端部に、アルミ箔(厚み20μm)を10枚、または15枚重ねて、超音波により(ブランソン製の超音波接合機を使用)接合をしたところ、両方とも問題なく接合した。
なお、実施例3は、薄膜コーティング層を、導出封止部の長さ方向の中央部に幅2mmで積層した場合であり、電極リード線部材の導出封止部と第2のシーラント層との接着強度は、48N/inchであるが、電解液強度保持率Kが86%と大きく、電解液に対する耐腐食性を有していた。
また、比較例2は、電極リード線部材の導出封止部に薄膜コーティング層を塗布しても、加熱乾燥しなかった場合であり、電極リード線部材の導出封止部と第2のシーラント層との接着強度は、46N/inchであるが、電解液強度保持率Kが10%以下であり、電解液に対する耐腐食性が無かった。
また、比較例3は、薄膜コーティング層を、導出封止部の長さ方向の中央部に幅1mmで積層した場合であり、電極リード線部材の導出封止部と第2のシーラント層との接着強度は、52N/inchであるが、電解液強度保持率Kが31%と小さく、電解液に対する耐腐食性が無かった。
Claims (5)
- 少なくとも金属箔とシーラント樹脂フィルムからなる第1のシーラント層とを有するラミネートフィルム積層体を外装材に用いてなり、電極リード線部材を備えた非水系電池用収納容器であって、
前記非水系電池用収納容器から引き出されてなる前記電極リード線部材が、金属製の導出封止部を備え、
該導出封止部の表面上には、耐食性の薄膜コーティング層と、前記第1のシーラント層と同一種類の樹脂を用いたシーラント樹脂フィルムからなる、第2のシーラント層とが順に積層されてなり、
前記外装材の前記第1のシーラント層と、前記電極リード線部材の前記第2のシーラント層とが接合され、前記第2のシーラント層が、無水マレイン酸変性のポリオレフィン系のシーラント樹脂フィルム、又は、エポキシ官能基で変性されたポリオレフィン系のシーラント樹脂フィルムであり、
耐水化された前記薄膜コーティング層の厚みが、0.2〜5.0μmであり、前記薄膜コーティング層が、前記導出封止部の長さ方向に少なくとも2mm以上の幅であり、前記第2のシーラント層よりも狭い幅で、または同一以上の幅で帯状のパターンに形成されてなることを特徴とする電極リード線部材を備えた非水系電池用収納容器。 - 前記導出封止部のうち、非水系電池の電極体の集電部に前記導出封止部を接続する部分と、複数の非水系電池用収納容器から引き出された電極リード線部材を、直列、または並列に連結して接続する部分とには、前記薄膜コーティング層がなく、前記導出封止部の金属が露出していることを特徴とする請求項1に記載の電極リード線部材を備えた非水系電池用収納容器。
- 前記薄膜コーティング層が、水酸基を含有する樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の電極リード線部材を備えた非水系電池用収納容器。
- 前記薄膜コーティング層が、水酸基を含有するポリビニルアルコールの骨格を有する樹脂又はその共重合樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電極リード線部材を備えた非水系電池用収納容器。
- 前記薄膜コーティング層は、水酸基を含有するポリビニルアルコールの骨格を有する樹脂又はその共重合樹脂が、フッ化クロムにより架橋された薄膜コーティング層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電極リード線部材を備えた非水系電池用収納容器。
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