JP2002151024A - 扁平型電池 - Google Patents

扁平型電池

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JP2002151024A
JP2002151024A JP2000348224A JP2000348224A JP2002151024A JP 2002151024 A JP2002151024 A JP 2002151024A JP 2000348224 A JP2000348224 A JP 2000348224A JP 2000348224 A JP2000348224 A JP 2000348224A JP 2002151024 A JP2002151024 A JP 2002151024A
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negative electrode
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JP2000348224A
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Jun Sugiyama
潤 杉山
Masaya Yamashita
昌哉 山下
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Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リード端子と外装体とのシール部が剥がれる
ことなく、液漏れのない信頼性に優れた扁平型電池を提
供する。 【解決手段】 扁平型電池において、少なくとも外装体
と、リード端子とのシール部において、金属製リード端
子周縁部に直接接する面に、エチレンビニルアルコール
樹脂からなるシール材を設け、熱シールする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器の電源等
に使用される電池に関するものであり、より詳細には正
極、負極、イオン移動媒体などが、金属箔と樹脂フィル
ムを積層した積層フィルム材よりなる外装体内部に封入
され、正極と負極のリード端子を各々外部に取り出す構
造を有する扁平型電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型化、軽量化、薄型
化の進歩は目覚ましいものがあり、携帯電話、パソコ
ン、電子手帳、電子スチルカメラ、などの電源となる電
池についても、より軽量化、薄肉化のニーズが高まって
きている。これらの要求に対し、従来の電池は、鉄など
の金属板をプレス加工して作る円筒型、角型、ボタン型
の容器内に発電要素を密閉したものであり、軽量、薄型
の電池をつくるには適していない。このため、金属缶の
代わりに、アルミ箔などの金属箔と樹脂フィルムとの積
層フィルムを外装体として用いた扁平型電池の開発が進
められている。
【0003】この扁平型電池は、シール方法が従来の電
池のかしめ、レーザー溶接、あるいはハーメチックシー
ルではなく、高分子材料を用いた熱シールを行うので電
池の密閉化が容易であり、シール部の厚みを薄くするこ
とも可能になるという特徴を有する。またこの様な外装
体に高分子積層フィルムを用いた扁平型電池は、正極お
よび負極の集電体に接続された金属製リード端子を、そ
れぞれ袋状外装体の外に取り出す構造を有しており、外
装体フィルムの内側に存在する熱可塑性樹脂層に該リー
ド端子を挟みこんだ状態で熱シールされる。
【0004】この構造の扁平型電池は、外装体がフレキ
シブルであるため電池としてもフレキシブルであるが、
このようなフレキシブルな扁平型電池は、機器への搭載
を繰り返し行なったり、あるいは高温と室温の状態を繰
り返す内に、性能が著しく低下することがあった。この
ような性能低下の原因を詳細に調べると、リード端子と
外装体熱シール部の剥がれによる電解液のもれ、あるい
は外部からの水の進入が生じており、この剥がれを防止
するため、例えば特開昭62−61268号公報には、
リード端子にポリエチレンを予め熱シールしたものを用
いることにより外装体のポリエチレンとの熱シール性を
高めることが開示されている。しかしながら、ポリエチ
レンとリード端子との接着性そのものは工夫されていな
いことと、ポリエチレンの融点が低いことによる高温保
存下での密着安定性に欠けるなどの問題があった。
【0005】また、特開2000−21368号公報で
は、リード端子との接着層を形成する酸変性ポリエチレ
ン層と、その外側に電解液バリア層としてのエチレンビ
ニルアルコール樹脂層を設けることが開示されている。
この場合酸変性ポリエチレンを接着層として用いること
によって、リード端子との接着性はポリエチレンより改
善されるものの、酸変性ポリエチレンの軟化点が相変わ
らず低いことによって、高温保存下での接着安定性に欠
けるという問題は解決されていない。むしろこの発明で
は、酸変成ポリエチレンより更に融点・軟化点が低いポ
リエチレンを、シール部の一部に挟み込んで熱シールす
ることによって、さらに低い温度からシール部を開口さ
せると言う発明であるために、本発明とは目的が異なり
全く逆の技術思想に基づくものであると言える。
【0006】また、特開平9−265974号公報に
は、リード端子との接着層を形成する酸変性低密度ポリ
エチレン層と、その外側に外装体の熱シール温度で溶融
しない絶縁層としてのエチレンビニルアルコール樹脂層
を設けることが開示されている。しかし、熱融着性樹脂
層が酸変性低密度ポリエチレンであり、熱シール温度に
制約が発生することもあって、高温雰囲気下での密着安
定性については解決されていない。
【0007】同様に、特開昭60−65442号公報に
は、リード端子のシール部分の密閉性向上を目的とし
て、リード端子のシール部に予めアイオノマー樹脂を被
覆しておき、該被覆したアイオノマー樹脂と、外装体積
層フィルムのアイオノマー樹脂フィルムとを熱シールし
てリード端子シール部分の密閉性を高めることが開示さ
れている。ところがアイオノマー樹脂は、初期の接着強
さは認められるものの、アイオノマーの低融点に起因す
る高温雰囲気下での接着安定性に問題があった。
【0008】また特開昭60−49568号公報では、
外装体積層フィルムの熱融着樹脂層にアイオノマーを使
用してリード端子を熱シールしているが、さらにその外
側をエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で全面被覆するこ
とが開示されている。この場合、60℃雰囲気下での密
閉安定性は改善されるが、電池の重量、体積ともに増加
するので単位重量、単位体積当たりのエネルギー容量が
低下してしまうという欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の問題点を解決するようになされたもので、リード
端子と外装体シール部の剥がれが生じることなく、特に
高温保存下での密閉安定性に優れた電池を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、扁平型電
池のリード端子と、外装体シール部の剥がれを生じない
扁平型電池を開発すべく、リード端子とのシール部の剥
がれが如何にして起こるのか詳細に調べたところ、扁平
型電池がフレキシブルであるため、取り扱い時のシール
部の負荷による剥がれと、さらには高温保存状態におけ
る熱シール部の接着力低下が大きく関係していることが
解った。この知見を踏まえリード端子と外装体シール部
の接着をより強固にして、且つ高温環境下に耐える耐熱
性のあるシール材を用いることで課題が解決することを
見出し、本発明に到達するに至った。
【0011】すなわち、第1の発明は、外装体、外装体
内部に封入されるイオン移動媒体、正極活物質層を含む
正極、負極活物質層を含む負極を包含し、正極、負極
は、正極活物質層及び負極活物質層がイオン移動媒体層
を介して互いに対向するように積層配置された電極積層
体を構成して、外装体内部にイオン移動媒体と共に収容
されている電池において、外装体は、少なくとも金属箔
と熱融着性樹脂層とからなる積層フィルムであって、電
極積層体が包み覆い密閉されるように外装体周辺部がシ
ールされ、正極と負極に接続された金属製リード端子が
各々外装体外部に取り出され、且つリード端子をもシー
ルされた構造であり、リード端子シール部分において、
少なくともリード端子の周縁部と直接接する面には、エ
チレンビニルアルコール樹脂からなるシール材が配設さ
れ、外装体の熱融着性樹脂層と共に、熱シールされてい
ることを特徴とする扁平型電池である。
【0012】第2の発明は、シール材が、エチレンビニ
ルアルコール系樹脂層と、酸変性オレフィン系樹脂層と
の積層構成からなり、リード端子に直接接する側にエチ
レンビニルアルコール樹脂層が、外装体の内側の熱融着
性樹脂層に接する側に、酸変性オレフィン系樹脂層が配
置され、熱シールされていることを特徴とする扁平型電
池である。さらに、第3の発明は、外装体、外装体内部
に封入されるイオン移動媒体、正極活物質層を含む正
極、負極活物質層を含む負極を包含し、正極、負極は、
正極活物質層及び負極活物質層がイオン移動媒体層を介
して互いに対向するように積層配置された電極積層体を
構成して、外装体内部にイオン移動媒体と共に収容され
ている電池であって、外装体は、少なくとも金属箔と熱
融着性樹脂層とからなる積層フィルムであって、電極積
層体が包み覆い密閉されるように外装体周辺部がシール
され、正極と負極に接続された金属製リード端子が各々
外装体外部に取り出され、且つリード端子をもシールさ
れた構造であり、リード端子シール部分において、少な
くともリード端子の周縁部と直接接する面には、酸変性
オレフィン系樹脂10〜99重量%と、エチレン・(メ
タ)アクリル酸共重合体の金属イオン架橋物1〜90重
量%との混合物からなるシール材が配設され、外装体の
熱融着性樹脂層と共に、熱シールされていることを特徴
とする扁平型電池である。
【0013】以下、本発明の詳細を説明する。正極、負
極は、集電体と呼ばれる金属箔やエキスパンテッドメタ
ルなどの金属基材上に活物質層が形成された構造を有す
る。リード端子を構成する材料としては、電極集電体の
一部をそのまま延長して引き出すか、または別に用意し
たリード端子を正極集電体と負極集電体それぞれに接続
する方法がとられる。リード端子と正極集電体、負極集
電体の接続方法については、特に限定されないが、この
集電体の金属基材とリード端子の導体とをスポット溶接
や、超音波溶接などで接続する方法が好ましく利用でき
る。
【0014】このリード端子導体の材質には、正極接続
用には、高い電位がかかるため、高電位で溶解しない材
質のものが望ましい。そのためにアルミニウム、または
チタン、あるいはこれらの金属の合金が好ましく利用で
きる。負極接続用には、過充電でリチウムが析出した
り、過放電では電位が高くなり溶解が懸念されることか
ら、リチウムが析出した場合でも形状が変化しにくい、
すなわちリチウムと合金しにくく、比較的高電位溶解し
にくい材質のものが好ましい。以上の観点から、導体の
材質には銅、またはニッケル、あるいはこれらの金属の
合金が好ましく利用できる。
【0015】本発明に使用されるエチレンビニルアルコ
ール樹脂は、通常エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン
化して作られる。ケン化度は耐電解液特性の点で高いも
の程好ましい。また耐熱性の点では、エチレン共重合比
率(モル%)は低い方が好ましいが、フィルム成形加工
性が低下してくるので限界がある。エチレン共重合比率
としては、通常20〜50モル%の範囲のものが使用さ
れる。リード端子と外装体積層フィルムとのシール部
に、シール材を設置する方法としては、リード端子のシ
ール部にあらかじめエチレンビニルアルコール樹脂を被
覆しておくか、またはリード端子と外装体を熱シールす
る際に、エチレンビニルアルコール樹脂フィルムをリー
ド端子シール部周縁部に設け熱シールする方法等が考え
られるが本発明はどの方法でも構わない。また何れの場
合も熱シールによって、リード端子とシール材であるエ
チレンビニルアルコール樹脂との間の接着は充分な接着
力を得ることができるが、外装体の熱融着性樹脂層とエ
チレンビニルアルコール樹脂からなるシール材との接着
性を発現するために、エチレンビニルアルコール系樹脂
と、電池の外装体となる積層フィルム熱融着性樹脂層と
の間の接着を補足する手段をとられる場合がある。熱融
着性樹脂層としては、耐電解液性、耐熱性などの観点か
らポリプロピレン、あるいは酸変性ポリプロピレンなど
が適しているが、耐熱性をあまり必要としない場合はポ
リエチレン、あるいは変性ポリエチレンなどでも良い。
例えば、熱融着性樹脂層がポリプロピレンの場合は、シ
ール材と熱融着性樹脂層の間に酸変性ポリプロピレン層
を、熱融着性樹脂層がポリエチレンの場合は、シール材
と熱融着性樹脂層の間に酸変性ポリエチレンの層を設け
ることにより、シール材と熱融着性樹脂層の間の接着性
を確保することができる。また熱融着性樹脂層として酸
変性ポリプロピレン、あるいは酸変性ポリエチレンを使
用した場合は、シール材のエチレンビニルアルコール樹
脂と直接接着することが可能である。
【0016】この様に、積層フィルム熱融着性樹脂層の
材質によってはシール材をエチレンビニルアルコール単
層フィルムでなく、少なくとも酸変性オレフィンとの2
層構成としても構わない。この場合は、エチレンビニル
アルコール樹脂の面がリード端子側に、酸変性オレフィ
ンの面が積層フィルム側に配置されることが必要であ
る。なおシール材として用いられる積層フィルムの積層
方法は、それぞれのフィルムをラミネートする方法と、
共押し出し成形による方法のどちらでも構わない。
【0017】さらに、本発明に使用される酸変性オレフ
ィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブテン−1、あるいはエチレン・プロピレン共重合
体などを構成する、単量体もしくは重合体100重量部
に対して、0.01〜10重量部のアクリル酸、メタア
クリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸などのα、β−不飽和カルボン酸又はそのエス
テルによりグラフト重合したものの中から選択でき、な
かでもマレイン酸、無水マレイン酸変性ポリプロピレン
が耐熱性の点で好ましく利用される。
【0018】また、本発明に使用されるエチレン・(メ
タ)アクリル酸共重合体の金属イオン架橋物としては、
エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体を、Na+、Z
2+、Mg2+等の金属イオンにより部分的に中和したも
のでり、通称アイオノマー樹脂とも呼ばれているもので
ある。シール材として用いられるオレフィン系組成物を
構成する酸変性オレフィン系樹脂とアイオノマー樹脂と
の混合比は、酸変性オレフィン系樹脂10〜99重量
%、アイオノマー樹脂1〜90重量%の範囲から選ばれ
る。酸変性オレフィン系樹脂が10重量%未満では耐熱
性の改善効果が少なく、アイオノマー樹脂が1重量%未
満では金属製リード端子との接着性が劣るためである。
【0019】リード端子と外装体積層フィルムとのシー
ル部に、シール材を設置する方法としては、リード端子
のシール部にあらかじめオレフィン系組成物を被覆して
おくか、またはリード端子を挟み外装体を熱シールする
際に、シール材をリード端子シール部周縁部に設け熱シ
ールする方法、あるいは外装体積層フィルムの最内層と
なる熱融着性樹脂層にオレフィン系組成物からなるフィ
ルムを使用してリード端子を挟み直接熱シールする等の
方法が考えられるが、本発明はそれらのどの方法も利用
できる。また何れの場合も熱シールによって、リード端
子とシール材との間の接着は充分な接着力を得ることが
できるが、外装体積層フィルムの熱融着性樹脂層とシー
ル材との接着性を発現するためには、オレフィン系組成
物中の酸変性オレフィン系樹脂の成分によって、それぞ
れ外装体積層フィルムの熱融着性樹脂層の材料を最適化
することで解決できる。
【0020】例えば、オレフィン系組成物中の酸変性オ
レフィン系樹脂が酸変性ポリエチレンの場合は、外装体
積層フィルムの熱融着性樹脂層にポリエチレン系の材料
を、酸変性ポリプロピレンの場合は、ポリプロピレン系
を選択することでシール材と外装体積層フィルムの熱融
着性樹脂層との接着性をより確保することができる。本
発明のリード端子シール部におけるシール方法として
は、ヒートシール、インパルスシールなどの直接加熱、
スピンウエルドなどの摩擦熱、レーザー、赤外線、ホッ
トジェットなどの外部加熱、高周波シール、超音波シー
ルなどの内部加熱などが利用でき加熱、圧着などにより
熱シールされる。この場合の加熱温度は160〜210
℃、圧着時の圧力は0.5×105〜5×105Paの範
囲が好ましい。加熱温度、圧力がこの範囲より低ければ
シール材と金属製リード端子との間の接着性が劣り、ま
た加熱温度、圧力がこの範囲より高いとシール材の溶融
変形が大きすぎてリード端子と外装体積層フィルム中の
金属箔との接触による短絡の問題が起こりやすい。
【0021】外装体は、アルミ箔、銅箔などの金属箔の
両側を樹脂フィルムと積層して用いるものが好ましく、
少なくとも最内層の熱融着性樹脂層には前記の様なポリ
エチレン、ポリプロピレンあるいは、それらの変性物に
代表される耐電解液性のあるオレフィン系樹脂が用いら
れる。本発明の外装体を形成する積層フィルムの積層構
成の具体例として、外装体の外層にあたる積層材料は、
2軸延伸ポリエステル、ナイロンなどの厚さ12〜50
μm程度のものが使用できるが、これに特に限定される
ものではない。金属箔は、アルミニウム、銅などの箔で
通常7μm以上、好ましくは20〜120μmのものが
使用される。外装体内層にあたる積層フィルム熱融着性
樹脂層は、前記のごとく耐電解液性があり、且つそれ自
身熱シールが可能なもので、オレフィン系樹脂が適して
おり、エチレン、プロピレン、ブテン−1単量体の単独
重合体、あるいはそれら単量体とその酸変性物の中から
選ばれた単量体2種以上の共重合体、あるいはエチレ
ン、プロピレン、またはブテン−1の単量体と、アクリ
ル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、フマール酸、マレ
イン酸、無水マレイン酸、などのα、β−不飽和カルボ
ン酸、またはそのエステルとの共重合物、あるいはこの
共重合物を亜鉛、ナトリウム、カルシウム、マグネシウ
ムなどの金属イオンで架橋した架橋物などが使用され
る。なかでも耐熱性の点でポリプロピレン、ポリブテン
−1あるいは酸変性ポリプロピレンなどが好ましく使用
されるが、これに特に限定されるものではない。また、
これに熱融着性樹脂層と金属箔層の間に、シール温度で
は溶融しない耐熱性樹脂からなるフィルムをさらに加
え、リード端子と外装体の金属箔との短絡防止を目的と
した積層フィルムも使用できる。この場合の耐熱性樹脂
は、2軸延伸ポリエステルが好ましい。
【0022】外装体となる積層フィルムの積層方法は、
通常熱ラミネート、あるいはドライラミネートなどによ
る方法がとられるがこれに限定されるものではない。こ
れら何れの場合も金属箔と内側樹脂フィルム間の接着剤
は、特に耐電解液適性に優れたものを選択することが必
要である。本発明において、外装体に収納される電極積
層体は非水系電池であり非水有機溶媒、または無溶媒の
電池である。
【0023】電極積層体としては、一次電池および二次
電池として種々の電極材料により電池を構成することが
できる。例えばリチウムイオン二次電池に用いる電極材
料として、正極材料にはコバルト酸リチウム、ニッケル
酸リチウム、マンガン酸リチウムなどを、負極材料には
グラフアイト、コークスなどの炭素材料、リチウム金
属、リチウムと合金や金属間化合物を形成可能な材料を
用いることができる。通常はこれら電極材料を粉末状に
してバインダーとともに塗工した形態や、焼結、圧延、
蒸着、スパッタリングなどの方法で作成した連続体形態
が利用できる。
【0024】また、電極間のイオン移動媒体としては、
以下に記載の材料を用いることができる。各種の織布、
不織布、紙、発泡体シート、またはポリエチレン、ポリ
プロピレン、あるいはそれらの組み合わせなどのポリオ
レフィン系微多孔質膜に代表される多孔性樹脂フィルム
等に非水溶媒系電解液を含浸させた材料を用いることが
可能である。または、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、
酸化チタン、酸化ジルコニウム、窒化チタン、窒化アル
ミニウム、炭化ケイ素、ジルコン、ゼオライトなどに代
表される無機物粒子、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン、アラミド、ポリアミド樹脂、ポリイミド
樹脂、ポリアセタール樹脂などに代表される有機物粒子
などから構成される3次元網目空隙構造を有した絶縁性
物質粒子集合体からなる多孔性の層や、それら多孔性の
層が少なくとも1つの電極活物質層表面に直接形成され
ているものに非水溶媒系電解液を含浸させた材料を用い
ることが可能である。または、非水溶媒系電解液をポリ
マー材料に均一または不均一に含浸、膨潤させた材料、
例えばポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリメタクリル酸メチル、ポリ(スチレン−アクリ
ロニトリル)、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ
(塩化ビニル−フッ化ビニリデン)、ポリフッ化ビニリ
デン、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピ
レン)などのポリフッ化ビニリデン系共重合体、アクリ
ロニトリル−ブタジエンゴムなどに代表される分子量が
大きいポリマーを非水溶媒系電解液で可塑化したもの等
を用いることが可能である。または、イオン配位性のポ
リマー及び、またはセラミック材料に移動可能なイオン
を含有させた材料、例えばポリエチレンオキサイド、ポ
リプロピレンオキサイドなどのポリエーテルや、ポリエ
ステル、ポリイミン、ポリスルフィド、ポリエーテル架
橋体、ポリエーテル誘導体などに代表されるドナー型の
極性基を有する高分子と電解質塩との複合材料や、Li
3+x1-xx4(A=P,V,As、B=Si,Ge,
Ti),LiM2(PO43(M=Zr,Ge,Ti,
Hf),Li1+xxTi2-x(PO43(M=Al,S
c,Y,La),LiI,LiI・Al23,Li3
4・Li2S・SiS2系ガラス、Li 2S・SiS2
ガラス、LixPOyzで表されるオキシ窒化燐リチウ
ムなどに代表される無機材料、あるいはそれらの複合体
などを用いることが可能である。
【0025】電極積層体の構成として正極/イオン移動
媒体/負極からなる要素構造や、この要素構造を直列ま
たは並列積層した構造が利用できる。さらに電極から電
流の取り出しを行うためのリード端子を電極に接続して
電池構造を形成する。電極積層体の形状として、平板電
極の単純積層状や、帯状電極の捲回積層状などが利用で
きる。このように本発明の電池構成要素、構造、形態は
種々のものから用途、目的により選択することができ
る。これら電極積層体の構造に応じて外装体の構造を設
計することができ、外装体内部に電極積層体を配置し
て、外装体の内外でリード端子それぞれがシールされた
構造を形成して電池とすることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】図を用いて、本発明の実施形態の
例を説明する。図1において、実施例2の電池の形態の
一例を示す。外装体積層フィルム(X)4は、外層であ
る延伸ナイロンフィルム1と、バリアー層であるアルミ
ニウム箔2と、熱融着性樹脂層であるポリプロピレンフ
ィルム3との3層からなる。外装体積層フィルム(X)
4は、ポリプロピレンフィルム3を内側にして、袋状に
なっており、電極積層体(図示せず)を収容している。
リード端子8と、外装体積層フィルム(X)4との間
に、酸変性ポリプロピレンフィルム6と、エチレンビニ
ルアルコール樹脂フィルム5とからなるシール材(A)
7が配置される。リード端子8は、ポリプロピレンフィ
ルム3とは直接に接さず、エチレンビニルアルコール樹
脂フィルム5を挟んだ状態で熱シールされる。このこと
によって、リード端子部分の接着力が強化され、液漏れ
防止などに効力を発揮する。シール材(A)7は、少な
くともシール面において、リード端子8を完全に覆うこ
とで、接着力を発揮するもので、図1に示すように、リ
ード端子8よりも幅広く配置することで十分な効力を発
揮する。
【0027】また、図2において、実施例3の電池の形
態の一例を示す。外装体積層フィルム(X)4と、リー
ド端子8は、図1と同じである。その間に、シール材
(B)9が配置される。リード端子8は、ポリプロピレ
ンフィルム3とは直接に接さず、シール材(B)9を挟
んだ状態で熱シールされる。このことによって、リード
端子部分の接着力が強化され、液漏れ防止などに効力を
発揮する。シール材(B)9は、少なくともシール面に
おいて、リード端子8を完全に覆うことで、接着力を発
揮するもので、図2に示すように、リード端子8よりも
幅広く配置することで十分な効力を発揮する。
【0028】〈電極積層体の作成〉電極とそれを用いた
電極積層体の作成方法について説明をする。 [正極] 活物質としてコバルト酸リチウムLiCoO
2を100重量部、導電剤としてリン片状グラファイト
とアセチレンブラックをそれぞれ2.5重量部、バイン
ダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)3.5重
量部をN−メチルピロリドン(NMP)中に分散させて
スラリーを調製した。このスラリーを正極集電体として
の厚さ20μmのアルミニウム箔の両面にダイコーター
で塗工し、130℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で
圧縮成形した。このとき、正極の活物質目付量は250
g/m2,活物質かさ密度は3.00g/cm3になるよ
うにして、両面正極シートを作成した。また同様にし
て、アルミニウム箔の片面のみにダイコーターで塗工し
た片面正極シートも作成した。
【0029】[負極] 活物質としてグラファイト化し
たメソフェーズピッチカーボンファーバー(MCF)9
0重量部とリン片状グラファイト10重量部、バインダ
ーとしてカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩
1.4重量部とスチレン−ブタジエン共重合体ラテック
ス1.8重量部を精製水中に分散させてスラリーを調製
した。このスラリーを負極集電体としての厚さ12μm
銅箔の両面にダイコーターで塗工し、120℃で3分間
乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形する。このとき、負
極の活物質目付量は106g/m2,活物質かさ密度は
1.35g/cm3になるようにして、両面負極シート
を作成した。
【0030】[電極積層体](1)得られた両面・片面
両方の正極シートから、幅100mm、長さ100mm
の極板(長さ方向の内10mmは活物質層の未塗工部)
を切り出し、両面負極シートから、幅102mm、長さ
102mmの極板(長さ方向の内10mmは活物質層の
未塗工部)を切り出した。幅110mm、長さ190m
mのポリエチレン微多孔膜セパレータを、長さ方向の中
央部で折り曲げ、長さ方向の2辺を2mm幅でヒートシ
ーラー(180℃)にて熱シールし、、幅110mm、
長さ95mmの長方形状で幅方向が1辺だけ開いている
セパレータの袋を作成した。
【0031】この袋状セパレータの中に、活物質の未塗
工部が外に出るように上記負極板を挿入し、正極活物質
層と負極活物質層がセパレータを介して対向するよう
に、かつ負極活物質層から正極活物質層がはみ出さない
ように重ねる。この時、最上層と最下層が片面正極(ア
ルミニウム箔が外側)になるようにして、間に両面負極
6枚と両面正極5枚を交互に重ね、電極積層体を作成し
た。さらに、この電極積層体の負極活物質層未塗工部の
集電体をまとめて、銅箔短冊(幅5mm、長さ30m
m、厚さ100μm)のリード端子と一緒に超音波溶接
し、同様に正極活物質層未塗工部の集電体をまとめて、
アルミニウム箔短冊(幅5mm、長さ30mm、厚さ1
00μm)のリード端子と一緒に超音波溶接した。
【0032】(2)電極間のイオン移動媒体として、別
の形態を用いて電極積層体を作成した。まず、エチレン
カーボネートとγ−ブチロラクトンを1:2の体積比率
で混合し、テトラフルオロホウ酸リチウムを1mol/
リットルになるように溶解させた。この溶媒にポリアク
リロニトリルが15mol%となるように、ポリアクリ
ロニトリル粉末(平均分子量150000)を加え、1
00℃に昇温し、約30分間加熱撹拌して、粘性の高い
溶液を作成した。これを放冷することによってゲル状の
電解質を得た。次に、電極積層体の作成(1)と同サイ
ズの正極板、負極板にゲル状の電解質を塗布した後、ず
れないように複数枚を重ね合わせ、(1)と同様な電極
積層体を作成した。さらに、この電極積層体の負極活物
質層未塗工部の集電体をまとめて、銅箔短冊(幅5m
m、長さ30mm、厚さ150μm)のリード端子と一
緒に超音波溶接し、同様に正極活物質層未塗工部の集電
体をまとめて、アルミニウム箔短冊(幅5mm、長さ3
0mm、厚さ150μm)のリード端子と一緒に超音波
溶接した。
【0033】〈外装体の作成〉外装体として、延伸ナイ
ロンフィルム(厚さ15μm)、アルミニウム箔(厚さ
20μm)、ポリプロピレンフィルム(厚さ40μm)
を順次ラミネート積層して積層フィルム(X)を作成し
た。また、上記ポリプロピレンフィルムの代わりに酸変
性ポリプロピレンフィルムあるいはアイオノマー樹脂フ
ィルムを使ったこと以外は積層フィルム(X)と同様に
して、積層フィルム(Y)と積層フィルム(Z)を作成
した。
【0034】これら積層フィルム(X)〜(Z)から、
幅120mm、長さ240mmの長方形状片を切り出
し、ポリプロピレン層,酸変性ポリプロピレン層あるい
はアイオノマー樹脂層が内側になるように長さ方向の中
央部を折り曲げて、幅120mm、長さ120mmの2
枚重ね積層フィルム片を作成した。そして得られたフィ
ルム片の長さ方向の一辺を5mm幅でヒートシーラー
(180℃)にて熱シールし、幅と長さ方向に一ヶ所ず
つ開いている外装体を作成した。
【0035】〈シール材の作成〉リード端子のシール材
として、次のような物を用意した。まず、エチレンビニ
ルアルコール樹脂フィルム(膜厚30μm)と酸変性ポ
リプロピレンフィルム(膜厚30μm)をドライラミネ
ートして2層構成のシール材(A)を作成した。次に、
酸変性オレフィン系樹脂には、酸変性ポリプロピレン
〔アドマーQF500、三井化学社製〕を、アイオノマ
ー樹脂には〔ハイミラン1650、三井デュポンポリケ
ミカル社製〕を使用して、所定の混合比でTダイ40m
m押出し機にて200℃で溶融混練し、各々60μm厚
さのフィルムを作成して、表1に示すようにシール材
(B)〜シール材(E)とした。
【0036】
【表1】
【0037】
【実施例1】上記〈外装体の作成〉の項で用意された積
層フィルム(Y)の外装体の内部に、上記〈電極積層体
の作成〉の項で得た電極積層体を、幅5mmの正極、負
極それぞれの短冊状リード端子が外装体のまだシールし
ていない幅にあたる辺より外部に出るように挿入し、リ
ード端子と外装体間のシール部に、エチレンビニルアル
コール樹脂フィルム(膜厚30μm)を、シール材の長
さ方向が2mmほど外装体より出るように配置して、そ
の上からリード端子のシール材被覆部を外装体と一緒に
5mm幅、200℃で熱シールした。ここでまず、正極
・負極のリード端子間の絶縁抵抗値を測定し、この絶縁
抵抗値が20MΩ以上あったものだけを合格と判断し
た。電極積層体を挿入した外装体のシールしていない残
る一辺から、電解液を20g注入した後、減圧して真空
下で電解液の含浸を充分に行い、その後炭酸ガスを導入
してから外装体の内側どうしを5mm幅のヒートシーラ
ー(180℃)にて熱シールし、リチウムイオン二次電
池を20個作成した。
【0038】なお電解液としては、エチレンカーボネー
トとγ−ブチロラクトンを1:2の体積比率で混合し、
テトラフルオロホウ酸リチウムを1mol/リットルに
なるように溶解したものを使用した。このようにして作
製した電池を以下の条件で評価した。電池重量を測定し
た後に、電池を25℃雰囲気下に置いて1.7Aの電流
値で電池電圧4.2Vまで充電し、さらに4.2Vを保
持するようにして電流値を1.7Aから絞り始めるとい
う方法で、合計6時間電池作製後の最初の充電を行っ
た。そして、25℃雰囲気下で2週間放置した後、電池
重量を測定し、さらに85℃雰囲気下にいれて1週間放
置した後に、もう一度電池重量を測定した。
【0039】
【実施例2】外装体用の積層フィルムとして、酸変性ポ
リプロピレンフィルムの代わりにポリプロピレンフィル
ムを用いた、積層フィルム(X)を使用した。また、シ
ール材として、エチレンビニルアルコール樹脂フィルム
(膜厚30μm)と酸変成ポリプロピレンフィルム(膜
厚30μm)の2層からなるシール材(A)(膜厚60
μm、幅10mm、長さ10mm)を切り出して使用し
た。上記以外の条件は実施例1と同様にして、シール材
(A)のエチレンビニルアルコール樹脂層がリード端子
側に、酸変性ポリプロピレン層が外装体側になるように
被覆させ160℃で熱シールして、20個の電池を作成
した。その後、作成した電池を実施例1と同様に評価し
た。
【0040】
【実施例3】エチレンビニルアルコール樹脂フィルムと
酸変性ポリプロピレンフィルムの2層からなるシール材
(A)の代わりに、表1の組成物からなる単層フィルム
のシール材(B)を使用した以外は、実施例2と同様に
積層フィルム(X)の外装体を用いて20個の電池を作
成した。その後、作成した電池を実施例1と同様に評価
した。
【0041】
【実施例4】エチレンビニルアルコール樹脂フィルムと
酸変性ポリプロピレンフィルムの2層からなるシール材
(A)の代わりに、表1の組成物からなる単層フィルム
のシール材(C)を使用した以外は、実施例2と同様に
積層フィルム(X)の外装体を用いて20個の電池を作
成した。その後、作成した電池を実施例1と同様に評価
した。
【0042】
【実施例5】エチレンビニルアルコール樹脂フィルムと
酸変性ポリプロピレンフィルムの2層からなるシール材
(A)の代わりに、表1の組成物からなる単層フィルム
のシール材(D)を使用した以外は、実施例2と同様に
積層フィルム(X)の外装体を用いて20個の電池を作
成した。その後、作成した電池を実施例1と同様に評価
した。
【0043】
【実施例6】[電極積層体]作成法(2)で作成したゲ
ル状電解質を用いた電極積層体を使用したこと以外は、
実施例2と同様にリチウムイオン二次電池を20個作成
した。その後、作成した電池を実施例1と同様に評価し
た。
【0044】
【比較例1】エチレンビニルアルコール樹脂フィルムと
酸変性ポリプロピレンフィルムの2層からなるシール材
(A)の代わりに、表1の組成物からなる単層フィルム
のシール材(E)を使用した以外は、実施例2と同様に
積層フィルム(X)の外装体を用いて20個の電池を作
成した。その後、作成した電池を実施例1と同様に評価
した。
【0045】
【比較例2】エチレンビニルアルコール樹脂フィルムと
酸変性ポリプロピレンフィルムの2層からなるシール材
(A)の代わりに、酸変性ポリプロピレンの単層フィル
ムを使用した以外は、実施例2と同様に積層フィルム
(X)の外装体を用いて20個の電池を作成した。その
後、作成した電池を実施例1と同様に評価した。
【0046】
【比較例3】エチレンビニルアルコール樹脂フィルムと
酸変性ポリプロピレンフィルムの2層からなるシール材
(A)の代わりに、アイオノマー樹脂フィルムを使用し
た以外は、実施例2と同様に積層フィルム(X)の外装
体を用いて20個の電池を作成した。その後、作成した
電池を実施例1と同様に評価した。
【0047】
【比較例4】エチレンビニルアルコール樹脂フィルムと
酸変性ポリプロピレンフィルムの2層からなるシール材
(A)の代わりにアイオノマー樹脂フィルムを、またポ
リプロピレンフィルムの代わりにアイオノマー樹脂フィ
ルムを用いた外装体用積層フィルム(Z)を使用した以
外は、実施例2と同様にして20個の電池を作成した。
その後、作成した電池を実施例1と同様に評価した。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】表2,表3は、それぞれ上記実施例、比較
例の評価結果を示したものである。評価の結果、本発明
の実施例の電池は、25℃,85℃のいずれの温度にお
ける長期保存においても、充分な密閉性を有している事
が分かった。しかしながら、アイオノマー樹脂を主体に
したシール材は金属リード端子との接着は良いものの、
ポリプロピレンの外装体の熱融着性樹脂層との接着に難
があり、特に高温の保存に弱い。また酸変性ポリプロピ
レンをシール材に用いると、ポリプロピレンの外装体の
熱融着性樹脂層との接着は改善されるが、金属リード端
子との接着が不充分であった。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、金属箔と熱融着性樹脂
層からなる積層フィルムを外装体に用いた軽量・薄肉の
電池において、リード端子と外装体シール部の剥がれが
生じることなく、特に高温保存下での密閉安定性に優
れ、電池の信頼性・安定性を大幅に向上させる事ができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例2における、正極リード端子シ
ール部分の熱シール前の断面である。
【図2】本発明の実施例3〜5における、正極リード端
子シール部分の熱シール前の断面である。
【図3】本発明の実施例1〜5における電池の透視図で
ある。
【符号の説明】
1 延伸ナイロンフィルム 2 アルミニウム箔 3 ポリプロピレンフィルム 4 積層フィルム(X) 5 エチレンビニルアルコール樹脂フィルム 6 酸変性ポリプロピレンフィルム 7 シール材(A) 8 正極リード端子 9 シール材(B)〜シール材(E)
フロントページの続き Fターム(参考) 5H011 AA02 AA17 CC02 CC06 CC10 DD13 EE04 FF04 GG08 GG09 HH02 HH11 KK02 5H029 AJ15 AK03 AL07 AM00 AM03 AM05 AM07 AM16 BJ04 BJ12 DJ03 DJ05 EJ01 EJ14 HJ02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外装体、外装体内部に封入されるイオン
    移動媒体、正極活物質層を含む正極、負極活物質層を含
    む負極を包含し、正極、負極は、正極活物質層及び負極
    活物質層がイオン移動媒体層を介して互いに対向するよ
    うに積層配置された電極積層体を構成して、外装体内部
    にイオン移動媒体と共に収容されている電池において、
    外装体は、少なくとも金属箔と熱融着性樹脂層とからな
    る積層フィルムであって、電極積層体が包み覆い密閉さ
    れるように外装体周辺部がシールされ、正極と負極に接
    続された金属製リード端子が各々外装体外部に取り出さ
    れ、且つリード端子をもシールされた構造であり、リー
    ド端子シール部分において、少なくともリード端子の周
    縁部と直接接する面には、エチレンビニルアルコール樹
    脂からなるシール材が配設され、外装体の熱融着性樹脂
    層と共に、熱シールされていることを特徴とする扁平型
    電池。
  2. 【請求項2】 シール材が、エチレンビニルアルコール
    系樹脂層と、酸変性オレフィン系樹脂層との積層構成か
    らなり、リード端子に直接接する側にエチレンビニルア
    ルコール系樹脂層が、外装体の内側の熱融着性樹脂層に
    接する側に酸変性オレフィン系樹脂層が配置され、熱シ
    ールされていることを特徴とする請求項1記載の扁平型
    電池。
  3. 【請求項3】 外装体、外装体内部に封入されるイオン
    移動媒体、正極活物質層を含む正極、負極活物質層を含
    む負極を包含し、正極、負極は、正極活物質層及び負極
    活物質層がイオン移動媒体層を介して互いに対向するよ
    うに積層配置された電極積層体を構成して、外装体内部
    にイオン移動媒体と共に収容されている電池において、
    外装体は、少なくとも金属箔と熱融着性樹脂層とからな
    る積層フィルムであって、電極積層体が包み覆い密閉さ
    れるように外装体周辺部がシールされ、正極と負極に接
    続された金属製リード端子が各々外装体外部に取り出さ
    れ、且つリード端子をもシールされた構造であり、リー
    ド端子シール部分において、少なくともリード端子の周
    縁部と直接接する面には、酸変性オレフィン系樹脂10
    〜99重量%と、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合
    体の金属イオン架橋物1〜90重量%との混合物からな
    るシール材が配設され、外装体の熱融着性樹脂層と共
    に、熱シールされていることを特徴とする扁平型電池。
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