JP5959277B2 - ポリアセタール共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリアセタール共重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリアセタール共重合体の製造方法に関する。
ポリアセタール共重合体は、剛性、強度、靭性、摺動性及びクリープ性等に優れた樹脂材料であり、自動車部品や電気・電子機器及び各種機構部品を中心に広範に亘って使用されている。
また、これら部品は重要な機構部品であることが多く、その品質安定化は重要である。そして、品質安定化のためには、ポリアセタール共重合体の重合の際、長期安定運転が望ましい。
従来、ポリアセタール共重合体の重合の際、長期安定運転の妨げになっていた原因としては、先ず、重合機供給部のスケール(ポリマーの付着物)発生により安定的な原料の供給ができなくなることが挙げられる。その結果、ポリアセタール共重合体の重合収率が低下する。
このようなスケール発生を低減化する技術の一つとして、ポリアセタール共重合体を製造する際に使用される重合触媒の低減化が挙げられる。
ポリアセタール共重合体を製造する際に使用される重合触媒の低減化が可能な技術としては、例えば、環状エーテル及び/又は環状ホルマール、低分子量アセタール化合物、及び重合触媒を、予め混合し、トリオキサンに添加供給して重合する技術(例えば、特許文献1参照。)や、環状エーテル及び/又は環状ホルマール、重合触媒、及び有機溶剤を予め混合し、トリオキサンと接触させて重合する技術(例えば、特許文献2参照。)が開示されている。
いずれも高重合収率を達成するための技術であり、すなわち、重合触媒の低減化が可能な技術でもある。一方で、通常のポリアセタール共重合体の重合方法の場合、1mm以上の粗大粒子が発生するため、安定剤等との混練による安定化工程の操作性が著しく劣るものとなる。そのため、粗大粒子を粉砕した後に安定化する技術(例えば、特許文献3参照)が開示されている。
特許第3850546号 特公平6−62730号公報 特許第3210872号
しかしながら、前記特許文献1及び2に開示されている技術をもってしても、重合機供給部のスケール発生を、未だ十分に低減化できていない。また、前記特許文献3に記載のような粉砕工程を有すると煩雑な製造方法となるため、粉砕工程のない、シンプルなポリアセタール共重合体の製造方法の開発が望まれている。
そこで本発明においては、ポリアセタール共重合体を高重合収率で長期間安定して連続生産することができ、かつ重合触媒の量が少なくても重合収率が維持できるポリアセタール共重合体の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討した結果、トリオキサンと、環状エーテル及び/又は環状ホルマールとを共重合するにあたり、トリオキサンを含む原料を重合反応機の前段に供給し、環状エーテル及び/又は環状ホルマールの少なくとも一部と重合触媒と有機溶剤とを予めプレ混合したプレ混合物を含む原料を、重合反応機の後段に供給することにより、重合反応機供給部のスケール発生が抑制され、また粗大粒子の発生も低減化でき、長期安定運転及び高重合収率化が可能となり、さらには重合触媒の量が少なくても重合収率を維持できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
環状エーテル及び/又は環状ホルマールの少なくとも一部と、重合触媒と、有機溶剤とを予め混合し、プレ混合物を得るプレ混合工程、並びに
前記プレ混合物と、環状エーテル及び/又は環状ホルマールの残部と、トリオキサンと、低分子量アセタール化合物とを重合反応機に供給し、重合を行う工程を含み、
前記トリオキサンを含む原料の供給位置が重合反応機の前段であり、前記プレ混合物を含む原料の供給位置が重合反応機の後段である、ポリアセタール共重合体の製造方法。
〔2〕
前記プレ混合工程において、重合触媒と有機溶剤とを、25℃以上から前記有機溶剤の沸点未満の温度条件下で混合する、前記〔1〕に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
〔3〕
前記重合触媒が、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート及び三フッ化ホウ素−ジ−n−ブチルエーテラートからなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記〔1〕又は〔2〕に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
〔4〕
前記有機溶剤が、n−ヘキサン、n−ヘプタン及びシクロヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
〔5〕
前記低分子量アセタール化合物の重合反応機への供給方法が、下記(i)〜(iii)のいずれかの方法である、前記〔1〕乃至〔4〕いずれか一に記載のポリアセタール共重合体の製造方法;
(i)低分子量アセタール化合物の全量をトリオキサンに混合して重合反応機の前段に供給する方法、
(ii)低分子量アセタール化合物の全量をプレ混合物に混合して重合反応機の後段に供給する方法、
(iii)低分子量アセタール化合物の一部をトリオキサンに混合して重合反応機の前段に供給し、低分子量アセタール化合物の残部をプレ混合物に混合して重合反応機の後段に供給する方法。
トリオキサンと環状エーテル及び/又は環状ホルマールとを共重合してポリアセタール共重合体を製造する方法において、重合反応機供給部のスケール発生が抑制され、また粗大粒子の発生も低減化でき、長期安定運転及び高重合収率化が可能となり、さらには重合触媒の量が少なくても重合収率が維持できる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う)について詳細に説明する。
なお、本発明は、以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
〔ポリアセタール共重合体の製造方法〕
本実施形態のポリアセタール共重合体の製造方法は、
環状エーテル及び/又は環状ホルマールの少なくとも一部と、重合触媒と、有機溶剤とを予め混合し、プレ混合物を得るプレ混合工程、並びに
前記プレ混合物と、環状エーテル及び/又は環状ホルマールの残部と、トリオキサンと、低分子量アセタール化合物とを重合反応機に供給し、重合を行う工程を含み、
前記トリオキサンを含む原料の供給位置が重合反応機の前段であり、前記プレ混合物を含む原料の供給位置が重合反応機の後段である、ポリアセタール共重合体の製造方法である。
(材料)
本実施形態のポリアセタール共重合体の製造方法において用いる材料について説明する。
<トリオキサン>
トリオキサンとは、ホルムアルデヒドの環状3量体であり、一般的には酸性触媒の存在下でホルマリン水溶液を反応させることにより得られる。
このトリオキサンは、水、メタノール、蟻酸、蟻酸メチル等の連鎖移動させる不純物を含有している場合があるので、例えば蒸留等の方法でこれら不純物を除去精製することが好ましい。
その場合、連鎖移動させる不純物の合計量をトリオキサン1molに対して、1×10-3mol以下とすることが好ましく、より好ましくは0.5×10-3mol以下とする。
該不純物の量を上記数値のように低減化することにより、重合反応速度を実用上十分に高めることができ、かつ優れた熱安定性を有するポリアセタール共重合体が得られる。
<環状エーテル及び/又は環状ホルマール>
環状エーテル及び/又は環状ホルマールは、前記トリオキサンと共重合可能な成分であり、特に限定されないが、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピクルロルヒドリン、エピブロモヒドリン、スチレンオキサイド、オキサタン、1,3−ジオキソラン、エチレングリコールホルマール、プロピレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−ペンタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオールホルマール等が挙げられる。特に、1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオールホルマールが好ましい。
これらは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
環状エーテル及び/又は環状ホルマールの添加量は、前記トリオキサン1molに対して1〜20mol%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜15mol%であり、さらに好ましくは1〜10mol%であり、さらにより好ましくは1〜5mol%である。
<重合触媒>
重合触媒としては、特に限定されないが、例えば、ルイス酸に代表されるホウ酸、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモン化物が挙げられ、特に、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素系水和物、及び酸素原子又は硫黄原子を含む有機化合物と三フッ化ホウ素との配位錯化合物が好ましい。特に、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素−ジ−n−ブチルエーテラートを好適例として挙げられる。
これらは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
重合触媒の添加量は、前記トリオキサン1molに対して0.1×10-5〜0.1×10-3molの範囲が好ましく、より好ましくは0.3×10-5〜0.5×10-4molの範囲であり、さらに好ましくは0.5×10-5〜0.4×10-4molの範囲である。
重合触媒の添加量が前記範囲内であるとき、重合反応機の供給部におけるスケール発生量を低減化しながら、安定して長時間の重合反応を実施することができる。
<低分子量アセタール化合物>
低分子量アセタール化合物は、後述する重合反応工程において連鎖移動剤として機能するものであり、好ましくは分子量が200以下、より好ましくは60〜170のアセタール化合物である。具体的には、メチラール、メトキシメチラール、ジメトキシメチラール、トリメトキシメチラールを好適例として挙げることができる。これらは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
低分子量アセタール化合物の添加量は、重合体の分子量を好適な範囲に制御する観点からトリオキサン1molに対して0.1×10-4〜0.6×10-2molの範囲が好ましい。
<有機溶剤>
有機溶剤としては、重合反応に関与したり悪影響を及ぼしたりするものでなければ特に限定されるものではないが、例えば、ベンゼン(沸点80℃)、トルエン(沸点110.63℃)、キシレン(沸点144℃)のような芳香族炭化水素;n−ヘキサン(沸点69℃)、n−ヘプタン(沸点98℃)、シクロヘキサン(沸点80.74℃)のような脂肪族炭化水素;クロロホルム(沸点61.2℃)、ジクロロメタン(沸点40℃)、四塩化炭素(沸点76.8℃)のようなハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル(沸点35℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、1,4−ジオキサン(沸点101.1℃)のようなエーテル類等が挙げられ、特にタール状析出物の抑制の観点からn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素を好適例として挙げることができる。
これらは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
有機溶剤の添加量は、トリオキサン1molに対して0.1×10-3〜0.2molの範囲が好ましく、より好ましくは0.2×10-3〜0.5×10-1molの範囲であり、さらに好ましくは0.5×10-3〜0.3×10-1molの範囲である。
有機溶剤の添加量が前記範囲内であるとき、重合反応機の供給部におけるスケール発生量を低減化でき、かつ高収率で共重合体が得られる。
(プレ混合工程)
本実施形態のポリアセタール共重合体の製造方法は、後述する重合反応工程の前段階において、前記環状エーテル及び/又は環状ホルマールの少なくとも一部と前記重合触媒と前記有機溶剤とを予め混合し、プレ混合物を得るプレ混合工程を含む。
このプレ混合工程においては、先ず前記重合触媒と前記有機溶剤とを混合し、次に前記環状エーテル及び/又は環状ホルマールを混合(以下「プレ混合」とも記す。)することが好ましい。この際、環状エーテル及び/又は環状ホルマールは、全量をプレ混合してもよいし、一部をプレ混合し残量をトリオキサン中に混合してもよい。操作のしやすさの観点から、全量をプレ混合することが好ましい。
このような順序でプレ混合を行うことにより、混合物の急激な粘性上昇を抑制でき、長期安定運転を確実に実施できる。この理由については以下のように考える。まず、有機溶剤は重合触媒と反応しないため粘性が上昇しないこと。次に、有機溶剤は、重合触媒と環状エーテル及び/又は環状ホルマールとの反応を抑制する効果があること。これらの結果、先ず重合触媒と有機溶剤とを混合し、最後に環状エーテル及び/又は環状ホルマールを混合することにより、急激な粘性上昇を抑制できると考えられる。
また、重合触媒と有機溶剤とを混合する温度としては、好ましくは15℃以上から有機溶剤の沸点未満の範囲であり、より好ましくは25℃以上から有機溶剤の沸点未満の範囲であり、さらに好ましくは35℃以上から有機溶剤の沸点未満の範囲である。
15℃以上で混合することによりタール状析出物の発生を抑制でき、有機溶剤の沸点未満で混合することにより、有機溶剤の揮散を防止できる。
また、プレ混合工程後から後述する重合反応工程を行う重合反応機へ供給する間に、プレ混合物の均一化を維持するため、各原料を十分に混合することが好ましい。
混合方法としては、例えば、各原料を連続的に配管内で合流させ混合させる方法、各原料を連続的に配管内で合流させ、その後スタティックミキサーにて混合させる方法、攪拌機を備えた容器内で各原料を混合させる方法等が挙げられ、特に、各原料を連続的に配管内で合流させ、その後スタティックミキサーにて混合させる方法が好ましい。
また、プレ混合を実施する温度としては0℃を超えて50℃未満の範囲が好ましい。
前記温度範囲でプレ混合を実施することにより、低コストでの実施が可能になり、かつ粘度の急激な上昇を抑制し、長期安定運転が可能になる。
また、プレ混合を実施する時間としては、0.01〜120分間の範囲が好ましく、より好ましくは0.01〜60分間の範囲である。
プレ混合時間を上記範囲内とすることにより、各原料が十分に混合され、かつ混合物の急激な粘度上昇が抑制され、長期安定運転が可能になる。
上記プレ混合工程により得られたプレ混合物と前記トリオキサンとを、後述する重合反応工程を実施する重合反応機へ供給する。
本実施形態のポリアセタール共重合体の製造方法は、トリオキサンを含む原料を重合反応機の前段で供給し、プレ混合物を含む原料を重合反応機の後段で供給する。
そうすることで、重合反応機内でのスケール発生を効果的に抑制でき、また重合反応の均一性が向上し、かつ重合反応が確実に重合反応機内で行なわれるようになり、長期安定した重合反応を実施することができる。
重合反応機において、プレ混合物含む原料が供給される後段の位置については、トリオキサン含む原料が供給される前段の位置から離れており、特に該前段と同じ箇所でなければよい。重合反応機の前段の原料供給口から排出口までの距離Lに対し、上述した後段と前段との距離は、L/100〜L/5の範囲であることが好ましく、十分な重合収率を確保しつつ、粗大粒子発生を抑制する観点から、L/80〜L/10の範囲が好ましく、L/50〜L/10の範囲がより好ましい。
(重合反応工程)
本実施形態のポリアセタール共重合体の製造方法は、前記プレ混合物と、環状エーテル及び/又は環状ホルマールの残部と、トリオキサンと、低分子量アセタール化合物とを重合反応機に供給し、重合を行う工程(重合反応工程)を含む。
また、本実施形態のポリアセタール共重合体の製造方法において、低分子量アセタール化合物の重合反応機への供給方法が、下記(i)〜(iii)のいずれかの方法であることが好ましい。
(i)低分子量アセタール化合物の全量を上記トリオキサンに混合して重合反応機の前段に供給する方法。
(ii)低分子量アセタール化合物の全量を後述するプレ混合物に混合して重合反応機の後段に供給する方法。
(iii)低分子量アセタール化合物の一部を上記トリオキサンに混合して重合反応機の前段に供給し、低分子量アセタール化合物の残部を後述するプレ混合物に混合して重合反応機の後段に供給する方法。
上記(i)〜(iii)のいずれの方法を選択してもよいが、特に均一に分散するという観点から、低分子量アセタール化合物の半量以上をトリオキサンに混合して重合反応機の前段に供給することが好ましい。
当該重合方法としては、スラリー法、塊状法、メルト法のいずれも採用できる。
また使用する重合反応機の形状(構造)も特に制限されるものではなく、ジャケットに熱媒を通すことのできる2軸のパドル式やスクリュー式の攪拌混合型重合装置がいずれも好適に使用される。
重合反応工程における重合反応機の温度は63〜135℃に保つことが好ましく、より好ましくは70〜120℃の範囲であり、さらに好ましくは70〜100℃の範囲である。重合反応機内の滞留(反応)時間は0.1〜30分であることが好ましく、より好ましくは0.1〜25分であり、さらに好ましくは0.1〜20分である。
重合反応機の温度及び滞留時間が上記範囲内であれば安定した重合反応が継続される傾向にある。
上記重合反応工程により、粗ポリアセタール共重合体が得られる。
(重合触媒の失活工程)
本実施形態のポリアセタール共重合体の製造方法は、粗ポリアセタール共重合体中の重合触媒を失活する工程をさらに含むことが好ましい。重合触媒の失活方法としては、重合反応機から出た粗ポリアセタール共重合体を、アンモニア、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等のアミン類;アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、無機塩類、有機酸塩等の中和失活剤の少なくとも1種を含む水溶液又は有機溶液中に投入し、スラリー状態で数分〜数時間、室温〜100℃以下の範囲で連続攪拌する方法が挙げられる。この際、粗ポリアセタール共重合体が大きな塊状の場合は重合後一旦粉砕して処理することが好ましい。
重合触媒の失活後の水溶液又は有機溶液を、遠心分離機でろ過し、得られた固形分を窒素下で乾燥することにより、ポリアセタール共重合体が得られる。
また、本実施形態のポリアセタール共重合体の製造方法には、上記成分の他に、ブロック、分岐、架橋の構造を形成し得るその他の共重合体成分を併用することも当然可能である。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例中の用語及び特性の測定法は以下の通りとした。
<重合収率>
重合反応機から排出された粗ポリアセタール共重合体の単位時間当りの排出量を、全モノマーの単位時間当りのフィード量で除した値の百分率(%)を、重合収率として算出した。
なお、重合収率は重合開始から1時間後及び240時間後において算出した。
<重合反応機供給部スケール発生状況>
連続運転終了後の重合反応機を開放し、重合反応機供給部のスケール発生状況を目視確認した。該スケール発生状況を下記基準により評価した。該スケール発生が少ないと運転が安定していることを示すものと判断した。
(スケール発生状況の評価基準)
「多」:重合反応機供給部におけるポリマーの付着物が塊となって多量の場合
「少」:「多」と「微小」との中間
「微少」:重合反応機供給部におけるポリマーの付着物が塊となっておらず微少量の場合
<粗大粒子の確認>
重合反応機出口から排出した粗ポリアセタールサンプル100gを3mmのメッシュを用いて篩い、サンプル中に含まれる粗大粒子(該篩い後、3mmのメッシュ上に残った粒子)の確認を行なった。該サンプル中に含まれる粗大粒子の個数に基づき以下のとおり評価した。
粗大粒子が10個以上含まれる場合を×、
粗大粒子が3個以上10個未満含まれる場合を△、
粗大粒子が3個未満含まれる場合を○。
参考例1
重合反応機として、熱媒を通すことのできるジャケット付き2軸パドル型連続重合反応機(栗本鐵工所性、径2B、L/D=14.8(L:重合反応機の前段の原料供給口から排出口までの距離(メートル)、D:重合反応機の内径(メートル)))を80℃に調整したものを用いた。
重合触媒として三フッ化ホウ素−ジ−n−ブチルエーテラート0.18g/hr、有機溶剤としてシクロヘキサン(沸点:80.74℃)6.5g/hrを、先ず温度28℃にて連続的に混合し、次に環状エーテル及び/又は環状ホルマールとして1,3−ジオキソラン120.9g/hrを、温度25℃、混合時間2分にて連続的にプレ混合し、プレ混合物を得た。前記プレ混合にはスタティックミキサーを用いた。
トリオキサン3500g/hrと、低分子量アセタール化合物としてメチラール2.4g/hrとからなるトリオキサン混合物を配管にて重合反応機の前段に連続的に供給した。さらに、前記プレ混合物127.58g/hrを配管にて重合反応機の後段に連続的に供給し、重合を行い、粗ポリアセタール共重合体を得た。重合反応機において、前段のトリオキサン混合物の供給位置と、後段のプレ混合物の供給位置との距離はL/100であった。
重合反応機から排出された粗ポリアセタール共重合体を、トリエチルアミン水溶液(0.5質量%)中にサンプリングし、常温で1hr攪拌を実施した。攪拌後の水溶液を、遠心分離機でろ過し、得られた固形分を窒素下で120℃×3hr乾燥しポリアセタール共重合体を得た。
得られたポリアセタール共重合体の重合収率を、重合開始1hr後及び240hr後に評価した。また、240hr運転後の重合反応機供給部のスケール状況を目視確認した。これらの評価結果を表1に示す。
参考例2〜4及び実施例5〜9〕
重合触媒と有機溶剤との量及びそれぞれの混合物の重合反応機への供給位置を、表1に示すとおりに変更した。また、実施例5においては、低分子量アセタール化合物の量も表1に示すとおりに変更した。その他の条件は参考例1と同様とし、ポリアセタール共重合体を得た。
得られたポリアセタール共重合体等について参考例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
〔比較例1〕
重合反応機として、熱媒を通すことのできるジャケット付き2軸パドル型連続重合反応機(栗本鐵工所性、径2B、L/D=14.8(L:重合反応機の前段の原料供給口から排出口までの距離(メートル)、D:重合反応機の内径(メートル)))を80℃に調整したものを用いた。
低分子量アセタール化合物としてメチラール2.4g/hrと、環状エーテル及び/又は環状ホルマールとして1,3−ジオキソラン120.9g/hrと、トリオキサン3500g/hrとからなるトリオキサン混合物を、配管にて重合反応機の前段に連続的に供給した。さらに、重合触媒として三フッ化ホウ素−ジ−n−ブチルエーテラート0.18g/hrと、有機溶剤としてシクロヘキサン6.5g/hrとを温度25℃にて連続的に混合した混合液を、配管にて重合反応機の後段に連続的に供給し、重合を行い、粗ポリアセタール共重合体を得た。重合反応機において、前段のトリオキサン混合物の供給位置と、後段の重合触媒及び有機溶剤の混合液の供給位置との距離はL/10であった。
重合反応機から排出された粗ポリアセタール共重合体を、トリエチルアミン水溶液(0.5質量%)中にサンプリングし、常温で1hr攪拌を実施した。攪拌後の水溶液を、遠心分離機でろ過し、得られた固形分を窒素下で120℃×3hr乾燥しポリアセタール共重合体を得た。
得られたポリアセタール共重合体の重合収率を、重合開始1hr後に評価した。また、240hr運転後の重合反応機供給部のスケール状況を目視確認した。評価結果を表2に示す。
〔比較例2及び3〕
重合触媒と有機溶剤との量及びそれぞれの混合物の供給位置を、表1に示す箇所に変更した。その他の条件は比較例1と同様とし、ポリアセタール共重合体を得た。
得られたポリアセタール共重合体の重合収率を、重合開始1hr後及び240hr後に評価した。また、240hr運転後の重合反応機供給部のスケール状況を目視確認した。評価結果を表2に示す。
〔比較例4〕
トリオキサン混合物の供給位置と、プレ混合物の供給位置とを、表2に示すとおり同じ箇所とした。その他の条件は参考例1と同様とし、ポリアセタール共重合体を得た。
得られたポリアセタール共重合体等について参考例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
表1及び2においては、重合触媒、有機溶剤、低分子量アセタール化合物、環状エーテル及び/又は環状ホルマールの使用量を、トリオキサンとのモル比(mol/mol)に換算して示した。
Figure 0005959277
Figure 0005959277
表1及び2に示すように、参考例1〜4及び実施例5〜9においては、長期間運転した後の重合反応機供給部のスケール発生が少なく、長期間安定的にポリアセタール共重合体を製造することができた。
特に、それぞれの混合物の供給位置を変更した実施例5〜9においては粗大粒子が発生することなく、効率的にポリアセタール共重合体が得られた。
比較例1及び2では、各原料を、プレ混合を行わずに重合反応機に供給したため、重合反応機供給部のスケール発生が多くなり、長期安定運転が行われなかった。
特に比較例1では途中で原料の供給が不安定となり、重合を240時間継続することが困難であった。
本発明は、高重合収率で長期間安定してポリアセタール共重合体の製造が可能であり、かつ重合触媒の量が少なくても重合収率が維持できるので、ポリアセタール共重合体の製造方法として、産業上の利用可能性がある。

Claims (5)

  1. 環状エーテル及び/又は環状ホルマールの少なくとも一部と、重合触媒と、有機溶剤とを予め混合し、プレ混合物を得るプレ混合工程、並びに
    前記プレ混合物と、環状エーテル及び/又は環状ホルマールの残部と、トリオキサンと、低分子量アセタール化合物とを重合反応機に供給し、重合を行う工程を含み、
    前記トリオキサンを含む原料の供給位置が重合反応機の前段であり、前記プレ混合物を含む原料の供給位置が重合反応機の後段であり、かつ当該後段と前段との距離は、重合反応機の前段の原料供給口から排出口までの距離Lとして、L/20〜L/10の範囲である、ポリアセタール共重合体の製造方法。
  2. 前記プレ混合工程において、重合触媒と有機溶剤とを、25℃以上から前記有機溶剤の沸点未満の温度条件下で混合する、請求項1に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
  3. 前記重合触媒が、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート及び三フッ化ホウ素−ジ−n−ブチルエーテラートからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
  4. 前記有機溶剤が、n−ヘキサン、n−ヘプタン及びシクロヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
  5. 前記低分子量アセタール化合物の重合反応機への供給方法が、下記(i)〜(iii)のいずれかの方法である、請求項1乃至4いずれか一項に記載のポリアセタール共重合体の製造方法;
    (i)低分子量アセタール化合物の全量をトリオキサンに混合して重合反応機の前段に供給する方法、
    (ii)低分子量アセタール化合物の全量をプレ混合物に混合して重合反応機の後段に供給する方法、
    (iii)低分子量アセタール化合物の一部をトリオキサンに混合して重合反応機の前段に供給し、低分子量アセタール化合物の残部をプレ混合物に混合して重合反応機の後段に供給する方法。
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