JP5959277B2 - ポリアセタール共重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
〔1〕
環状エーテル及び/又は環状ホルマールの少なくとも一部と、重合触媒と、有機溶剤とを予め混合し、プレ混合物を得るプレ混合工程、並びに
前記プレ混合物と、環状エーテル及び/又は環状ホルマールの残部と、トリオキサンと、低分子量アセタール化合物とを重合反応機に供給し、重合を行う工程を含み、
前記トリオキサンを含む原料の供給位置が重合反応機の前段であり、前記プレ混合物を含む原料の供給位置が重合反応機の後段である、ポリアセタール共重合体の製造方法。
〔2〕
前記プレ混合工程において、重合触媒と有機溶剤とを、25℃以上から前記有機溶剤の沸点未満の温度条件下で混合する、前記〔1〕に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
〔3〕
前記重合触媒が、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート及び三フッ化ホウ素−ジ−n−ブチルエーテラートからなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記〔1〕又は〔2〕に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
〔4〕
前記有機溶剤が、n−ヘキサン、n−ヘプタン及びシクロヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
〔5〕
前記低分子量アセタール化合物の重合反応機への供給方法が、下記(i)〜(iii)のいずれかの方法である、前記〔1〕乃至〔4〕いずれか一に記載のポリアセタール共重合体の製造方法;
(i)低分子量アセタール化合物の全量をトリオキサンに混合して重合反応機の前段に供給する方法、
(ii)低分子量アセタール化合物の全量をプレ混合物に混合して重合反応機の後段に供給する方法、
(iii)低分子量アセタール化合物の一部をトリオキサンに混合して重合反応機の前段に供給し、低分子量アセタール化合物の残部をプレ混合物に混合して重合反応機の後段に供給する方法。
本実施形態のポリアセタール共重合体の製造方法は、
環状エーテル及び/又は環状ホルマールの少なくとも一部と、重合触媒と、有機溶剤とを予め混合し、プレ混合物を得るプレ混合工程、並びに
前記プレ混合物と、環状エーテル及び/又は環状ホルマールの残部と、トリオキサンと、低分子量アセタール化合物とを重合反応機に供給し、重合を行う工程を含み、
前記トリオキサンを含む原料の供給位置が重合反応機の前段であり、前記プレ混合物を含む原料の供給位置が重合反応機の後段である、ポリアセタール共重合体の製造方法である。
本実施形態のポリアセタール共重合体の製造方法において用いる材料について説明する。
トリオキサンとは、ホルムアルデヒドの環状3量体であり、一般的には酸性触媒の存在下でホルマリン水溶液を反応させることにより得られる。
環状エーテル及び/又は環状ホルマールは、前記トリオキサンと共重合可能な成分であり、特に限定されないが、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピクルロルヒドリン、エピブロモヒドリン、スチレンオキサイド、オキサタン、1,3−ジオキソラン、エチレングリコールホルマール、プロピレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−ペンタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオールホルマール等が挙げられる。特に、1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオールホルマールが好ましい。
重合触媒としては、特に限定されないが、例えば、ルイス酸に代表されるホウ酸、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモン化物が挙げられ、特に、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素系水和物、及び酸素原子又は硫黄原子を含む有機化合物と三フッ化ホウ素との配位錯化合物が好ましい。特に、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素−ジ−n−ブチルエーテラートを好適例として挙げられる。
低分子量アセタール化合物は、後述する重合反応工程において連鎖移動剤として機能するものであり、好ましくは分子量が200以下、より好ましくは60〜170のアセタール化合物である。具体的には、メチラール、メトキシメチラール、ジメトキシメチラール、トリメトキシメチラールを好適例として挙げることができる。これらは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
有機溶剤としては、重合反応に関与したり悪影響を及ぼしたりするものでなければ特に限定されるものではないが、例えば、ベンゼン(沸点80℃)、トルエン(沸点110.63℃)、キシレン(沸点144℃)のような芳香族炭化水素;n−ヘキサン(沸点69℃)、n−ヘプタン(沸点98℃)、シクロヘキサン(沸点80.74℃)のような脂肪族炭化水素;クロロホルム(沸点61.2℃)、ジクロロメタン(沸点40℃)、四塩化炭素(沸点76.8℃)のようなハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル(沸点35℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、1,4−ジオキサン(沸点101.1℃)のようなエーテル類等が挙げられ、特にタール状析出物の抑制の観点からn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素を好適例として挙げることができる。
本実施形態のポリアセタール共重合体の製造方法は、後述する重合反応工程の前段階において、前記環状エーテル及び/又は環状ホルマールの少なくとも一部と前記重合触媒と前記有機溶剤とを予め混合し、プレ混合物を得るプレ混合工程を含む。
本実施形態のポリアセタール共重合体の製造方法は、前記プレ混合物と、環状エーテル及び/又は環状ホルマールの残部と、トリオキサンと、低分子量アセタール化合物とを重合反応機に供給し、重合を行う工程(重合反応工程)を含む。
(i)低分子量アセタール化合物の全量を上記トリオキサンに混合して重合反応機の前段に供給する方法。
(ii)低分子量アセタール化合物の全量を後述するプレ混合物に混合して重合反応機の後段に供給する方法。
(iii)低分子量アセタール化合物の一部を上記トリオキサンに混合して重合反応機の前段に供給し、低分子量アセタール化合物の残部を後述するプレ混合物に混合して重合反応機の後段に供給する方法。
本実施形態のポリアセタール共重合体の製造方法は、粗ポリアセタール共重合体中の重合触媒を失活する工程をさらに含むことが好ましい。重合触媒の失活方法としては、重合反応機から出た粗ポリアセタール共重合体を、アンモニア、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等のアミン類;アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、無機塩類、有機酸塩等の中和失活剤の少なくとも1種を含む水溶液又は有機溶液中に投入し、スラリー状態で数分〜数時間、室温〜100℃以下の範囲で連続攪拌する方法が挙げられる。この際、粗ポリアセタール共重合体が大きな塊状の場合は重合後一旦粉砕して処理することが好ましい。
重合反応機から排出された粗ポリアセタール共重合体の単位時間当りの排出量を、全モノマーの単位時間当りのフィード量で除した値の百分率(%)を、重合収率として算出した。
連続運転終了後の重合反応機を開放し、重合反応機供給部のスケール発生状況を目視確認した。該スケール発生状況を下記基準により評価した。該スケール発生が少ないと運転が安定していることを示すものと判断した。
「多」:重合反応機供給部におけるポリマーの付着物が塊となって多量の場合
「少」:「多」と「微小」との中間
「微少」:重合反応機供給部におけるポリマーの付着物が塊となっておらず微少量の場合
重合反応機出口から排出した粗ポリアセタールサンプル100gを3mmのメッシュを用いて篩い、サンプル中に含まれる粗大粒子(該篩い後、3mmのメッシュ上に残った粒子)の確認を行なった。該サンプル中に含まれる粗大粒子の個数に基づき以下のとおり評価した。
粗大粒子が10個以上含まれる場合を×、
粗大粒子が3個以上10個未満含まれる場合を△、
粗大粒子が3個未満含まれる場合を○。
重合反応機として、熱媒を通すことのできるジャケット付き2軸パドル型連続重合反応機(栗本鐵工所性、径2B、L/D=14.8(L:重合反応機の前段の原料供給口から排出口までの距離(メートル)、D:重合反応機の内径(メートル)))を80℃に調整したものを用いた。
重合触媒と有機溶剤との量及びそれぞれの混合物の重合反応機への供給位置を、表1に示すとおりに変更した。また、実施例5においては、低分子量アセタール化合物の量も表1に示すとおりに変更した。その他の条件は参考例1と同様とし、ポリアセタール共重合体を得た。
重合反応機として、熱媒を通すことのできるジャケット付き2軸パドル型連続重合反応機(栗本鐵工所性、径2B、L/D=14.8(L:重合反応機の前段の原料供給口から排出口までの距離(メートル)、D:重合反応機の内径(メートル)))を80℃に調整したものを用いた。
重合触媒と有機溶剤との量及びそれぞれの混合物の供給位置を、表1に示す箇所に変更した。その他の条件は比較例1と同様とし、ポリアセタール共重合体を得た。
トリオキサン混合物の供給位置と、プレ混合物の供給位置とを、表2に示すとおり同じ箇所とした。その他の条件は参考例1と同様とし、ポリアセタール共重合体を得た。
Claims (5)
- 環状エーテル及び/又は環状ホルマールの少なくとも一部と、重合触媒と、有機溶剤とを予め混合し、プレ混合物を得るプレ混合工程、並びに
前記プレ混合物と、環状エーテル及び/又は環状ホルマールの残部と、トリオキサンと、低分子量アセタール化合物とを重合反応機に供給し、重合を行う工程を含み、
前記トリオキサンを含む原料の供給位置が重合反応機の前段であり、前記プレ混合物を含む原料の供給位置が重合反応機の後段であり、かつ当該後段と前段との距離は、重合反応機の前段の原料供給口から排出口までの距離Lとして、L/20〜L/10の範囲である、ポリアセタール共重合体の製造方法。 - 前記プレ混合工程において、重合触媒と有機溶剤とを、25℃以上から前記有機溶剤の沸点未満の温度条件下で混合する、請求項1に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
- 前記重合触媒が、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート及び三フッ化ホウ素−ジ−n−ブチルエーテラートからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
- 前記有機溶剤が、n−ヘキサン、n−ヘプタン及びシクロヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
- 前記低分子量アセタール化合物の重合反応機への供給方法が、下記(i)〜(iii)のいずれかの方法である、請求項1乃至4いずれか一項に記載のポリアセタール共重合体の製造方法;
(i)低分子量アセタール化合物の全量をトリオキサンに混合して重合反応機の前段に供給する方法、
(ii)低分子量アセタール化合物の全量をプレ混合物に混合して重合反応機の後段に供給する方法、
(iii)低分子量アセタール化合物の一部をトリオキサンに混合して重合反応機の前段に供給し、低分子量アセタール化合物の残部をプレ混合物に混合して重合反応機の後段に供給する方法。
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