JP6034572B2 - ポリアセタール共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリアセタール共重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、トリオキサンと、環状エーテル及び/又は環状ホルマールとを、重合触媒の存在下で、共重合することによって得られるポリアセタール共重合体の製造方法に関する。
ポリアセタール共重合体は、剛性、強度、靭性、摺動性、クリープ性等に優れた樹脂材料であり、自動車部品や電気・電子機器及び各種機構部品を中心に広範に亘って使用されている。
また、これら部品は重要な機構部品であることが多く、その品質安定化は必須である。そして、品質安定化のためには、ポリアセタール共重合体の重合の際、長期安定運転が不可欠である。
従来から、ポリアセタール共重合体の重合の際、長期安定運転の妨げになっていた原因としては、先ず、重合機供給部のスケール発生により安定的な原料の供給ができなくなり、重合収率が低下することが挙げられる。
このようなスケール発生を低減化する技術の一つとして、ポリアセタール共重合体を製造する際に使用される重合触媒の低減化が挙げられる。
ポリアセタール共重合体を製造する際に使用される重合触媒の低減化が可能な技術としては、例えば、環状エーテル及び/又は環状ホルマール、低分子量アセタール化合物、及び重合触媒を、予め混合し、トリオキサンに添加供給して重合する技術(例えば、特許文献1参照。)や、環状エーテル及び/又は環状ホルマール、重合触媒、及び有機溶剤を予め混合し、トリオキサンと接触させて重合する技術(例えば、特許文献2参照。)が開示されている。
いずれも高重合収率を達成するための技術であり、すなわち、重合触媒の低減化が可能な技術でもある。
また、長期安定運転の妨げの別の要因としては、重合触媒起因のタール状析出物の発生による重合運転の不安定化を挙げることができる。
重合触媒起因のタール状析出物の発生を抑制する従来技術としては、重合触媒錯化合物含有溶液における錯化合物を形成していない有機化合物量に対する触媒量を規定する技術(例えば、特許文献3参照。)が開示されている。
特許第3850546号公報 特公平6−62730号公報 特開平10−81722号公報
しかしながら、前記特許文献1、2に開示されている技術をもってしても、重合機供給部のスケール発生を、未だ十分に低減化できていない。また、前記特許文献3に開示されている技術をもってしても、タール状析出物の発生を十分に低減化するには至っていない。
そこで本発明においては、ポリアセタール共重合体を高重合収率で長期間安定して連続生産することができ、かつ少ない重合触媒でも重合収率が維持できるポリアセタール共重合体の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討した結果、トリオキサンと、環状エーテル及び/又は環状ホルマールとを共重合するにあたり、環状エーテル及び/又は環状ホルマールと重合触媒と有機溶剤とを予めプレ混合し、トリオキサンとともにプレ混合物を重合機に供給することにより、重合機供給部のスケールが抑制され、また触媒起因によるタール状析出物の発生も低減化でき、長期安定運転及び高重合収率化が可能となり、さらには少ない重合触媒でも重合収率を維持できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
トリオキサンと、
環状エーテル及び/又は環状ホルマールと、重合触媒と、低分子量アセタール化合物と
、有機溶剤とを、重合反応機に供給して、重合を行うポリアセタール共重合体の製造方法
であって、
前記環状エーテル及び/又は環状ホルマールと前記重合触媒と前記有機溶剤とを予め混
合し、プレ混合物を得るプレ混合工程を含み、
前記プレ混合工程においては、先ず、前記重合触媒と前記有機溶剤とを、25℃以上有機溶剤の沸点未満に調整した温度条件下で混合し、次に、前記環状エーテル及び/又は環状ホルマールを混合する、ポリアセタール共重合体の製造方法。
〔2〕
前記重合触媒が、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチレエーテラート、及び三フッ化ホウ素−ジ−n−ブチルエーテラートからなる群より選ばれる少なくともいずれかである、前記〔1〕に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
〔3〕
前記有機溶剤が、n−ヘキサン、n−ヘプタン、及びシクロヘキサンからなる群より選
ばれる少なくともいずれかである、前記〔1〕又は〔2〕に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
〔4〕
前記重合反応機内で前記プレ混合物をトリオキサンで洗い流し、その後、重合を行う、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
トリオキサンと環状エーテル及び/又は環状ホルマールとを共重合してポリアセタール共重合体を製造する方法において、重合機供給部のスケールが抑制され、また触媒起因によるタール状析出物の発生も低減化でき、長期安定運転及び高重合収率化が可能となり、さらには少ない重合触媒でも重合収率が維持できる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う)について詳細に説明する。
なお、本発明は、以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
〔ポリアセタール共重合体の製造方法〕
本実施形態のポリアセタール共重合体の製造方法は、
トリオキサンと、
環状エーテル及び/又は環状ホルマールと、重合触媒と、低分子量アセタール化合物と、有機溶剤とを、重合反応機に供給して、重合を行うポリアセタール共重合体の製造方法であり、
前記環状エーテル及び/又は環状ホルマールと前記重合触媒と前記有機溶剤とを予め混合し、プレ混合物を得るプレ混合工程を含み、
前記プレ混合工程においては、先ず、前記重合触媒と前記有機溶剤とを15℃以上有機溶剤の沸点未満の温度条件下で混合し、次に、前記環状エーテル及び/又は環状ホルマールを混合するポリアセタール共重合体の製造方法である。
(材料)
本実施形態のポリアセタール共重合体の製造方法において用いる材料について説明する。
<トリオキサン>
トリオキサンとは、ホルムアルデヒドの環状3量体であり、一般的には酸性触媒の存在下でホルマリン水溶液を反応させることにより得られる。
このトリオキサンは、水、メタノール、蟻酸、蟻酸メチル等の連鎖移動させる不純物を含有している場合があるので、例えば蒸留等の方法でこれら不純物を除去精製することが好ましい。
その場合、連鎖移動させる不純物の合計量をトリオキサン1molに対して、1×10-3mol以下とすることが好ましく、より好ましくは0.5×10-3mol以下とする。
不純物の量を上記数値のように低減化することにより、重合反応速度を実用上十分に高めることができ、生成したポリマーにおいて優れた熱安定性が得られる。
<環状エーテル及び/又は環状ホルマール>
環状エーテル及び/又は環状ホルマールは、前記トリオキサンと共重合可能な成分であり、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピクルロルヒドリン、エピブロモヒドリン、スチレンオキサイド、オキサタン、1,3−ジオキソラン、エチレングリコールホルマール、プロピレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−ペンタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオールホルマール等が挙げられる。
特に、1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオールホルマールが好ましい。
これらは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
環状エーテル及び/又は環状ホルマールの添加量は、前記トリオキサン1molに対して1〜20mol%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜15mol%であり、さらに好ましくは1〜10mol%であり、さらにより好ましくは1〜5mol%である。
<重合触媒>
重合触媒としては、ルイス酸に代表されるホウ酸、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモン化物が挙げられ、特に、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素系水和物、及び酸素原子又は硫黄原子を含む有機化合物と三フッ化ホウ素との配位錯化合物が好ましい。例えば、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素−ジ−n−ブチルエーテラートを好適例として挙げられる。
これらは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
重合触媒の添加量は、前記トリオキサン1molに対して0.1×10-5〜0.1×10-3molの範囲が好ましく、より好ましくは0.3×10-5〜0.5×10-4molの範囲であり、さらに好ましくは0.5×10-5〜0.4×10-4molの範囲である。
重合触媒の添加量が前記範囲内であるとき、重合反応機の供給部におけるスケール発生量を低減化しながら、安定して長時間の重合反応を実施することができる。
<低分子量アセタール化合物>
低分子量アセタール化合物は、後述する重合工程において連鎖移動剤として機能するものであり、分子量が200以下、好ましくは60〜170のアセタール化合物である。具体的には、メチラール、メトキシメチラール、ジメトキシメチラール、トリメトキシメチラールを好適例として挙げることができる。これらは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
低分子量アセタール化合物の添加量は、重合体の分子量を好適な範囲に制御する観点からトリオキサン1molに対して0.1×10-4〜0.6×10-2molの範囲が好ましい。
<有機溶剤>
有機溶剤としては、重合反応に関与したり悪影響を及ぼしたりするものでなければ特に限定されるものではないが、例えば、ベンゼン(沸点80℃)、トルエン(沸点110.63℃)、キシレン(沸点144℃)のような芳香族炭化水素;n−ヘキサン(沸点69℃)、n−ヘプタン(沸点98℃)、シクロヘキサン(沸点80.74℃)のような脂肪族炭化水素;クロロホルム(沸点61.2℃)、ジクロロメタン(沸点40℃)、四塩化炭素(沸点76.8℃)のようなハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル(沸点35℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、1,4−ジオキサン(沸点101.1℃)のようなエーテル類等が挙げられ、特にタール状析出物の抑制の観点からn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素を好適例として挙げることができる。
これらは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
有機溶剤の添加量は、トリオキサン1molに対して0.1×10-3〜0.2molの範囲が好ましく、より好ましくは0.2×10-3〜0.5×10-1molの範囲であり、さらに好ましくは0.5×10-3〜0.3×10-1molの範囲である。
有機溶剤の添加量が前記範囲内であるとき、重合反応機の供給部におけるスケール発生量を低減化でき、かつ高収率で共重合体が得られる。
(プレ混合工程)
後述する重合反応工程の前段階において、前記環状エーテル及び/又は環状ホルマールと前記重合触媒と前記有機溶剤とを予め混合し、プレ混合物を得る。
このプレ混合工程においては、先ず前記重合触媒と前記有機溶剤とを混合し、次に前記環状エーテル及び/又は環状ホルマールを混合する。この際、環状エーテル及び/又は環状ホルマールは全量をプレ混合してもよいし、一部をプレ混合し残量をトリオキサン中に混合してもよい。
このような順序でプレ混合を行うことにより、混合物の急激な粘性上昇を抑制でき、長期安定運転を確実に実施できる。これは、有機溶媒は重合触媒とは反応しないため粘性が上昇せず、有機溶媒は、重合触媒と環状エーテル及び/又は環状ホルマールの反応を抑制する効果があり、よって、先ず重合触媒と有機溶媒とを混合し、最後に環状エーテル及び/又は環状ホルマールを混合することにより、急激な粘性上昇を抑制できるためである。
また、重合触媒と有機溶剤を混合する温度としては、15℃以上有機溶剤の沸点未満の範囲であり、好ましくは25℃以上有機溶剤の沸点未満の範囲である。
15℃以上で混合することによりタール状析出物の発生を抑制でき、有機溶剤の沸点未満で混合することにより、有機溶剤の揮散を防止できる。
また、プレ混合工程後から後述する重合反応工程を行う重合反応機へ供給する間に、プレ混合物の均一化を維持するため、十分に混合する必要がある。
混合方法としては、連続的に配管内で合流させ混合させる方法、連続的に配管内で合流させ、その後スタティックミキサーにて混合させる方法、攪拌機を備えた容器内で混合させる方法等が挙げられ、特に、連続的に配管内で合流させ、その後スタティックミキサーにて混合させる方法が好ましい。
また、プレ混合工程を実施する温度としては0℃を超えて50℃未満の範囲が好ましい。
前記温度範囲でプレ混合を実施することにより、低コストでの実施が可能になり、かつ粘度の急激な上昇を抑制し、長期安定運転が可能になる。
また、プレ混合工程を実施する時間としては、0.01〜120分間の範囲が好ましく、より好ましくは0.01〜60分間の範囲である。
プレ混合時間を上記範囲内とすることにより、材料が十分に混合され、かつ混合物の急激な粘度上昇が抑制され、長期安定運転が可能になる。
上記プレ混合工程により得られたプレ混合物と前記トリオキサンを、後述する重合工程を実施する重合反応機へ供給する。
トリオキサンとプレ混合物を重合反応機へ供給する方法としては、トリオキサンにプレ混合物を供給した後、重合反応機に供給する方法、トリオキサンとプレ混合物を別々に重合反応機に供給する方法を挙げられる。
なお、後者の方法においては、重合反応機内でプレ混合物をトリオキサンで洗い流す工程を実施することが好ましい。
上述したように、予めプレ混合物を得ておき、当該プレ混合物とトリオキサンを重合反応機へ供給し、その後、後述する重合反応工程を実施することにより、重合反応の均一性が向上し、長期間安定した重合反応を実施することができ、かつスケール発生を抑制できるが、特に重合反応機内でプレ混合物をトリオキサンで洗い流すようにすることにより、重合反応が確実に重合反応機内で行われるようになり、スケールの発生を効果的に抑制できる。
(重合反応工程)
上述のようにしてプレ混合物とトリオキサンと低分子量アセタール化合物を重合反応機に供給した後、重合反応を行い、ポリアセタール共重合体を得る。
ポリアセタール共重合体の重合方法としては、スラリー法、塊状法、メルト法のいずれも採用できる。
また使用する重合反応機の形状(構造)も特に制限されるものではなく、ジャケットに熱媒を通すことのできる2軸のパドル式やスクリュー式の攪拌混合型重合装置がいずれも好適に使用される。
重合反応工程における重合反応機の温度は63〜135℃に保つことが好ましく、より好ましくは70〜120℃の範囲であり、さらに好ましくは70〜100℃の範囲である。重合反応機内の滞留(反応)時間は0.1〜30分であることが好ましく、より好ましくは0.1〜25分であり、さらに好ましくは0.1〜20分である。
重合反応機の温度及び滞留時間が上記範囲内であれば安定した重合反応が継続される傾向にある。
上記重合反応工程により、粗ポリアセタール共重合体が得られる。重合触媒の失活方法としては、重合反応機から出た粗ポリアセタール共重合体を、アンモニア、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等のアミン類、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、無機塩類、有機酸塩等の中和失活剤の少なくとも1種を含む水溶液又は有機溶液中に投入し、スラリー状態で数分〜数時間、室温〜100℃以下の範囲で連続攪拌する方法が挙げられる。この際、粗ポリアセタール共重合体が大きな塊状の場合は重合後一旦粉砕して処理することが好ましい。
その後、遠心分離機でろ過し、窒素下で乾燥することにより、目的とするポリアセタール共重合体が得られる。
また、本発明のポリアセタール共重合体の製造方法には、上記成分の他に、ブロック、分岐、架橋の構造を形成し得るその他の共重合体成分を併用することも当然可能である。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例中の用語及び特性の測定法は以下の通りとした。
<重合収率>
重合反応機から排出された粗ポリアセタール共重合体の単位時間当りの排出量を、全モノマーの単位時間当りのフィード量で除し、算出した。
なお、重合収率は重合開始から1時間後及び240時間後において算出した。
<重合触媒と有機溶剤の混合物中のタール状析出物の状況>
連続運転終了後の重合触媒と有機溶剤の混合液中のタール状析出物の状況を目視確認した。
タール状析出物が少ないと運転が安定していることを示すものと判断した。
<重合機供給部スケール状況>
連続運転終了後の重合反応機を開放し、供給部のスケール状況を目視確認した。
スケール発生が少ないと運転が安定していることを示すものと判断した。
〔実施例1〕
熱媒を通すことのできるジャケット付き2軸パドル型連続重合反応機(栗本鐵工所性、径2B、L/D=14.8)を80℃に調整した。
重合触媒として三フッ化ホウ素−ジ−n−ブチルエーテラート0.18g/hr、有機溶媒としてシクロヘキサン(沸点:80.74℃)6.5g/hrを先ず温度28℃にて連続的に混合し、次に環状エーテル及び/又は環状ホルマールとして1,3−ジオキソラン120.9g/hrを、温度25℃、混合時間2分にて連続的にプレ混合し、プレ混合液を得た。
前記プレ混合にはスタティックミキサーを用いた。
前記プレ混合液127.58g/hrと、トリオキサン3500g/hrに低分子量アセタール化合物としてメチラール2.4g/hrを配管にて連続的に混合した混合液とを、別々の配管にて重合反応機に連続的に供給し重合を行い、粗ポリアセタール共重合体を得た。
重合反応機から排出された粗ポリアセタール共重合体を、トリエチルアミン水溶液(0.5質量%)中にサンプリングし、その後常温で1hr攪拌を実施した後、遠心分離機でろ過し、窒素下で120℃×3hr乾燥しポリアセタール共重合体を得た。
得られたポリアセタール共重合体の重合収率を重合開始1hr後と240hr後に評価した。また、240hr運転後の重合触媒と有機溶剤の混合物中のタール状析出物の状況、及び重合機供給部のスケール状況を目視確認した。評価結果を表1に示す。
〔実施例2、3〕
重合触媒と有機溶剤の量を、下記表1に示す量に変更した。
その他の条件は実施例1と同様とし、ポリアセタール共重合体を得た。
評価結果を下記表1に示す。
〔実施例4〕
プレ混合時の温度を、下記表1に示す温度とした。
その他の条件は実施例2と同様とし、ポリアセタール共重合体を得た。
評価結果を下記表1に示す。
〔実施例5〕
低分子量アセタール化合物の量を、下記表1に示す量とした。
その他の条件は実施例2と同様とし、ポリアセタール共重合体を得た。
評価結果を下記表1に示す。
〔実施例6〕
環状エーテル及び/又は環状ホルマールの量を、下記表1に示す量とした。
その他の条件は実施例2と同様とし、ポリアセタール共重合体を得た。
評価結果を下記表1に示す。
〔実施例7〕
環状エーテル及び/又は環状ホルマールを2等分し、半量をプレ混合物に用い、半量をトリオキサンと混合して用いた。
その他の条件は、実施例2と同様とし、ポリアセタール共重合体を得た。
評価結果を下記表1に示す。
〔実施例8〕
重合反応機内でプレ混合物をトリオキサンで洗い流し、その後、重合反応を行った。
その他の条件は、実施例2と同様とし、ポリアセタール共重合体を得た。
評価結果を下記表1に示す。
〔参考例9〕
プレ混合における、重合触媒と有機溶剤との混合温度を15℃に調整した。
その他の条件は、実施例2と同様とし、ポリアセタール共重合体を得た。
評価結果を下記表1に示す。
〔比較例1〕
熱媒を通すことのできるジャケット付き2軸パドル型連続重合反応機(栗本鐵工所性、径2B、L/D=14.8)を80℃に調整した。
重合触媒として三フッ化ホウ素−ジ−n−ブチルエーテラート0.18g/hrと、有機溶媒としてシクロヘキサン6.5g/hrとを温度10℃にて連続的に混合した混合液と、低分子量アセタール化合物としてメチラール2.4g/hrと、環状エーテル及び/又は環状ホルマールとして1,3−ジオキソラン120.9g/hrを、トリオキサン3500g/hrに連続的に混合した混合液とを、別々の配管にて重合反応機に連続的に供給し重合を行い、粗ポリアセタール共重合体を得た。
重合反応機から排出された粗ポリアセタール共重合体を、トリエチルアミン水溶液(0.5質量%)中にサンプリングし、その後常温で1hr攪拌を実施した後、遠心分離機でろ過し、窒素下で120℃×3hr乾燥しポリアセタール共重合体を得た。
得られたポリアセタール共重合体の重合収率を重合開始1hr後と240hr後に評価した。また、240hr運転後の重合触媒と有機溶剤の混合物中のタール状析出物の状況、及び重合機供給部のスケール状況を目視確認した。評価結果を表2に示す。
〔比較例2、3〕
比較例2においては、重合触媒と有機溶剤の混合温度を下記表2に示す温度とした。その他の条件は比較例1と同様とし、ポリアセタール共重合体を得た。
比較例3においては、重合触媒、有機溶剤、環状エーテル及び/又は環状ホルマールのプレ混合物を得、これを用い、その他の条件は比較例1と同様とし、ポリアセタール共重合体を得た。
評価結果を表2に示す。
〔実施例10〕
有機溶剤の量を、下記表2に示す量とした。その他の条件は実施例1と同様とし、ポリアセタール共重合体を得た。
評価結果を下記表2に示す。
下記表1、表2においては、重合触媒、有機溶剤、低分子量アセタール化合物、環状エーテル及び/又は環状ホルマールの使用量を、トリオキサンとのモル比(mol/mol)に換算して示した。
Figure 0006034572
Figure 0006034572
表1、2に示すように、実施例1〜9においては、長期間運転した後の重合機供給部スケールが少なく、長期間安定的にポリアセタール共重合体を製造することができた。
特に、重合反応機内でプレ混合物をトリオキサンで洗い流した系では、重合機供給部のスケールが極めて少なく、効率的にポリアセタール共重合体が得られた。
比較例1、2では、原料を、プレ混合を行わず別々に重合機に供給したため、重合機供給部のスケールが多くなり、長期安定運転が行われなかった。
特に比較例1では重合触媒と有機溶剤を混合する温度が低いため、タール状析出物も多かった。
比較例3ではプレ混合を行ったが、重合触媒と有機溶剤の混合温度が低かったため、タール状析出物、重合機供給部のスケールともに多くなり、長期安定運転が行われなかった。
実施例10では、用いた有機溶剤が多いため、収率は若干下がったが、長期安定した重合反応を行うことができた。
本発明は、高重合収率で長期間安定してポリアセタール共重合体の製造が可能であり、かつ少ない重合触媒でも重合収率が維持できるポリアセタール共重合体の製造方法として、産業上の利用可能性がある。

Claims (4)

  1. トリオキサンと、
    環状エーテル及び/又は環状ホルマールと、重合触媒と、低分子量アセタール化合物と
    、有機溶剤とを、重合反応機に供給して、重合を行うポリアセタール共重合体の製造方法
    であって、
    前記環状エーテル及び/又は環状ホルマールと前記重合触媒と前記有機溶剤とを予め混
    合し、プレ混合物を得るプレ混合工程を含み、
    前記プレ混合工程においては、先ず、前記重合触媒と前記有機溶剤とを、25℃以上有機溶剤の沸点未満に調整した温度条件下で混合し、次に、前記環状エーテル及び/又は環状ホルマールを混合する、ポリアセタール共重合体の製造方法。
  2. 前記重合触媒が、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチレエーテラート、及び三フッ
    化ホウ素−ジ−n−ブチルエーテラートからなる群より選ばれる少なくともいずれかであ
    る、請求項に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
  3. 前記有機溶剤が、n−ヘキサン、n−ヘプタン、及びシクロヘキサンからなる群より選
    ばれる少なくともいずれかである、請求項1又は2に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
  4. 前記重合反応機内で前記プレ混合物をトリオキサンで洗い流し、その後、重合を行う、請求項1乃至のいずれか一項に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
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