JP6560960B2 - ポリアセタール共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリアセタール共重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリアセタール共重合体の製造方法に関する。
ポリアセタール共重合体は、剛性や靭性等の機械的強度、摺動性、及びクリープ性等に優れた樹脂であり、自動車部品や電気・電子機器及び各種機構部品を中心に広範にわたって使用されている。
前記ポリアセタール共重合体が使用される自動車部品や電気・電子機器及び各種機構部品は、重要な部品であることが多く、その品質安定化、すなわち成形して得られる部品の品質のバラツキが少ないことが重要である。
かかる品質安定化を図るためには、ポリアセタール共重合体の製造の際の長期安定運転が重要である。
従来から、ポリアセタール共重合体の製造の際に、重合反応機の内部にスケールが発生することが、長期安定運転の妨げになり、また、重合収率の低下も引き起こすことが問題となっている。
このようなスケール発生を低減化する技術の一つとして、ポリアセタール共重合体を製造する際に使用される重合触媒の低減化が挙げられる。
ポリアセタール共重合体を製造する際に使用される重合触媒の低減化が可能な技術としては、例えば、環状エーテル及び/又は環状ホルマール、低分子量アセタール化合物、及び重合触媒を予め混合し、プレ混合物を得ておき、当該プレ混合物をトリオキサンに添加供給して重合する技術(例えば、特許文献1参照。)や、環状エーテル及び/又は環状ホルマール、重合触媒、及び有機溶剤を予め混合し、プレ混合物を得ておき、当該プレ混合物とトリオキサンと接触させて重合する技術(例えば、特許文献2参照。)が開示されている。
いずれも高重合収率を達成するための技術であり、かつ重合触媒の低減化が可能な技術でもある。
特許第3850546号公報 特公平6−62730号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示されている技術においても、重合反応機内部のスケール発生を十分に低減できているとは言えず、ポリアセタール共重合体の長期間安定した連続生産の実現という観点からは、不十分であるという問題を有している。
そこで本発明においては、ポリアセタール共重合体を長期間安定して連続生産することができ、かつ少ない重合触媒でも高い重合収率が維持できるポリアセタール共重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した従来の課題を解決するために鋭意検討した結果、トリオキサンと、環状エーテル及び/又は環状ホルマールと、重合触媒と、低分子量アセタール化合物と、有機溶剤とを、重合反応機に供給して共重合するにあたり、有機溶剤として、所定の構造の化合物を併用することにより、重合反応機内部のスケール発生が抑制され、長期安定運転が可能となり、さらには少ない重合触媒でも高い重合収率を維持できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
トリオキサンと、前記トリオキサン以外の環状エーテル及び/又は環状ホルマールと、重合触媒と、低分子量アセタール化合物と、有機溶剤とを、重合反応機に供給して重合を行う工程を有し、
前記有機溶剤として、環状構造を有する化合物と直鎖構造を有する化合物とを併用
前記環状構造を有する化合物が、シクロヘキサンであり、
前記直鎖構造を有する化合物が、n−ヘプタン及び/又はn−ヘキサンであり、
前記低分子量アセタール化合物が、メチラール、メトキシメチラール、ジメトキシメチラール、及びトリメトキシメチラールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、
ポリアセタール共重合体の製造方法。
〔2〕
前記トリオキサン以外の環状エーテル及び/又は環状ホルマールと、前記重合触媒と、前記有機溶剤とを予め混合し、プレ混合物を得る工程を有する、
前記〔1〕に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
〔3〕
前記重合触媒が、
三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチレエーテラート、及び三フッ化ホウ素−ジ−n
−ブチルエーテラートからなる群より選ばれる少なくともいずれかである、
前記〔1〕又は〔2〕に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
本発明によれば、重合反応機内部のスケール発生が効果的に抑制され、長期安定運転及び高重合収率化が可能となり、さらには少ない重合触媒でも重合収率が維持できる、ポリアセタール共重合体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について、詳細に説明する。
なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施することができる。
〔ポリアセタール共重合体の製造方法〕
本実施形態のポリアセタール共重合体の製造方法は、
トリオキサンと、環状エーテル及び/又は環状ホルマールと、重合触媒と、低分子量アセタール化合物と、有機溶剤とを、重合反応機に供給して重合を行う工程を有し、
前記有機溶剤として、環状構造を有する化合物と直鎖構造を有する化合物とを併用する。
(材料)
本実施形態のポリアセタール共重合体の製造方法において用いる材料について説明する。
<トリオキサン>
トリオキサンとは、ホルムアルデヒドの環状3量体であり、一般的には酸性触媒の存在下でホルムアルデヒド水溶液を反応させることにより得られる。
このトリオキサンは、水、メタノール、蟻酸、蟻酸メチル等の連鎖移動させる不純物を含有している場合があるので、例えば蒸留等の方法でこれら不純物を除去精製することが好ましい。
その場合、連鎖移動させる不純物の合計量をトリオキサン1molに対して、1×10-3mol以下とすることが好ましく、より好ましくは5×10-4mol以下とする。
不純物の量を上記数値のように低減化することにより、重合反応速度を実用上十分に高めることができ、生成したポリマーにおいて優れた熱安定性が得られる。
<環状エーテル及び/又は環状ホルマール>
環状エーテル及び/又は環状ホルマールは、前記トリオキサンと共重合可能な成分であり、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピクルロルヒドリン、エピブロモヒドリン、スチレンオキサイド、オキサタン、1,3−ジオキソラン、エチレングリコールホルマール、プロピレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−ペンタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオールホルマール等が挙げられる。
特に、1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオールホルマールが好ましい。
これらは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
環状エーテル及び/又は環状ホルマールの添加量は、前記トリオキサン1molに対して1〜20mol%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜15mol%であり、さらに好ましくは1〜10mol%であり、さらにより好ましくは1〜5mol%である。
<重合触媒>
重合触媒としては、ルイス酸に代表されるホウ酸、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモン化物が挙げられ、特に、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素系水和物、及び酸素原子又は硫黄原子を含む有機化合物と三フッ化ホウ素との配位錯化合物が好ましい。重合触媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素−ジ−n−ブチルエーテラートを好適な例として挙げられる。
これらは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
重合触媒の添加量は、前記トリオキサン1molに対して1×10-6〜1×10-4molの範囲が好ましく、より好ましくは3×10-6〜5×10-5molの範囲であり、さらに好ましくは5×10-6〜4×10-5molの範囲である。
重合触媒の添加量が前記範囲内であるとき、重合反応機内部におけるスケール発生量を低減化しながら、安定して長時間の重合反応を実施することができる。
<低分子量アセタール化合物>
低分子量アセタール化合物は、後述する重合工程において連鎖移動剤として機能するものであり、分子量が200以下、好ましくは60〜170のアセタール化合物である。
低分子量アセタール化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メチラール、メトキシメチラール、ジメトキシメチラール、トリメトキシメチラールを好適な例として挙げることができる。
これらは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
低分子量アセタール化合物の添加量は、重合体の分子量を好適な範囲に制御する観点からトリオキサン1molに対して1×10-5〜1×10-2molの範囲が好ましく、より好ましくは5×10-4〜8×10-3molであり、さらに好ましくは1×10-4〜6×10-3molである。
<有機溶剤>
有機溶剤としては、環状構造を有する化合物と、直鎖構造を有する化合物とを併用する。
有機溶剤は、上記構造を有するものであって、重合反応に関与したり悪影響を及ぼしたりするものでなければ特に限定されるものではない。
環状構造を有する化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル類が挙げられる。
直鎖構造を有する化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
有機溶剤としては、安価であり、より反応装置内のスケールを抑制できるという観点から、脂肪族炭化水素が好適であり、環状構造を有する化合物としてはシクロヘキサン、直鎖構造を有する化合物としてはn−ヘプタン、n−ヘキサンを好適な例として挙げることができる。
特に、有機溶剤として、脂肪族炭化水素の環状構造を有する化合物と脂肪族炭化水素の直鎖構造を有する化合物とを併用することにより、重合触媒の分散性が向上し、重合反応機内のスケール発生を効果的に抑制でき、かつ高収率でポリアセタール共重合体が得られる。
有機溶剤の添加量は、トリオキサン1molに対して1×10-4〜0.2molの範囲が好ましく、より好ましくは2×10-4〜5×10-2molの範囲であり、さらに好ましくは5×10-4〜3×10-2molの範囲である。
有機溶剤の環状構造を有する化合物/直鎖構造を有する化合物の比率は、質量比で99.9/0.1〜70/30の範囲が好ましく、より好ましくは99.9/0.1〜80/20の範囲であり、さらに好ましくは99.9/0.1〜90/10の範囲である。
有機溶剤の添加量が前記範囲内であるとき、及び/又は有機溶剤の環状構造を有する化合物/直鎖構造を有する化合物の比率が上記範囲内であるとき、重合反応機内部のスケール発生を効果的に抑制でき、かつ高収率でポリアセタール共重合体が得られる。
また、本実施形態において、ポリアセタール共重合体の高収率化の効果をより高めるため、重合反応工程においては、前記環状エーテル及び/又は環状ホルマールと前記重合触媒と前記有機溶剤とを予めプレ混合して混合物を得ておくことが好ましい。
(混合工程、及びプレ混合工程)
本実施形態のポリアセタール共重合体の製造方法においては、トリオキサンと、環状エーテル及び/又は環状ホルマールと、重合触媒と、低分子アセタール化合物と、有機溶剤とを重合反応機に供給して混合し、重合を行う。
なお、重合反応工程については後述するが、当該重合反応工程の前段階において、前記環状エーテル及び/又は環状ホルマールと前記重合触媒と前記有機溶剤とを予め混合し、プレ混合物を得るプレ混合工程を実施することが好ましい。
このプレ混合工程においては、先ず前記重合触媒と前記有機溶剤とを混合し、次に前記環状エーテル及び/又は環状ホルマールを混合することが好ましい。この際、環状エーテル及び/又は環状ホルマールは全量をプレ混合してもよいし、一部をプレ混合し残量をトリオキサン中に混合してもよい。
このような順序でプレ混合を行うことにより、混合物の急激な粘性上昇を抑制でき、長期安定運転を確実に実施できる。これは、有機溶媒が粘性の上昇を抑える効果があり、かつ重合触媒と環状エーテル及び/又は環状ホルマールの反応を抑制する効果があることによる。よって、先ず重合触媒と有機溶媒とを混合し、次に環状エーテル及び/又は環状ホルマールを混合することにより、急激な粘性上昇を抑制できる。
また、重合触媒と有機溶剤を混合する温度は、15℃以上有機溶剤の沸点未満の範囲であることが好ましく、より好ましくは25℃以上有機溶剤の沸点未満の範囲である。
重合触媒と有機溶剤とを15℃以上で混合することにより、タール状析出物の発生を抑制でき、有機溶剤の沸点未満で混合することにより、有機溶剤の揮散を防止できる。
また、プレ混合工程後から後述する重合反応工程を行う重合反応機へ供給する間に、プレ混合物の均一化を維持するため、十分に混合する必要がある。
混合方法としては、連続的に配管内で合流させ混合させる方法、連続的に配管内で合流させ、その後スタティックミキサーにて混合させる方法、攪拌機を備えた容器内で混合させる方法等が挙げられる。特に、連続的に配管内で合流させ、その後スタティックミキサーにて混合させる方法が好ましい。
また、環状エーテル及び/又は環状ホルマールを混合するプレ混合工程を実施する温度としては0℃を超えて50℃未満の範囲が好ましい。
前記温度範囲でプレ混合を実施することにより、低コストでのポリアセタール共重合体の製造工程実施が可能になり、かつ粘度の急激な上昇を抑制し、長期安定運転が可能になる。
また、プレ混合工程を実施する時間としては、0.01〜120分間の範囲が好ましく、より好ましくは0.01〜60分間の範囲である。
プレ混合時間を上記範囲内とすることにより、材料が十分に混合され、かつ混合物の急激な粘度上昇が抑制され、長期安定運転が可能になる。
本実施形態において、プレ混合工程を実施する場合には、前記プレ混合工程により得られたプレ混合物と前記トリオキサンを、後述する重合工程を実施する重合反応機へ供給する。
トリオキサンとプレ混合物を重合反応機へ供給する方法としては、トリオキサンにプレ混合物を供給した後、重合反応機に供給する方法、トリオキサンとプレ混合物を別々に重合反応機に供給する方法が挙げられる。
なお、トリオキサンとプレ混合物を別々に重合反応機に供給する方法においては、重合反応機内でプレ混合物をトリオキサンで洗い流す工程を実施することが好ましい。
上述したように、予めプレ混合物を得ておき、当該プレ混合物とトリオキサンを重合反応機へ供給し、その後、後述する重合反応工程を実施することにより、重合反応の均一性が向上し、長期間安定した重合反応を実施することができ、かつスケール発生を抑制できる。特に重合反応機内でプレ混合物をトリオキサンで洗い流すようにすることにより、重合反応が確実に重合反応機内で行われるようになり、スケールの発生を効果的に抑制できる。
(重合反応工程)
上述したように、重合材料を重合反応機に供給した後、重合反応工程を行う。
ポリアセタール共重合体の重合方法としては、スラリー法、塊状法、メルト法のいずれも採用できる。
重合反応機の形状(構造)については、特に制限されるものではなく、例えば、ジャケットに熱媒を通すことのできる2軸のパドル式やスクリュー式の攪拌混合型重合装置、ラボプラストミル、ニーダー、エクストルーダー等が使用でき、ジャケットに熱媒を通すことのできる2軸のパドル式やスクリュー式の攪拌混合型重合装置が好適に使用できる。
重合反応工程における重合反応機の温度は63〜135℃に保つことが好ましく、より好ましくは70〜120℃の範囲であり、さらに好ましくは70〜100℃の範囲である。
重合反応機内の滞留(反応)時間は0.1〜30分であることが好ましく、より好ましくは0.1〜25分であり、さらに好ましくは0.1〜20分である。
重合反応機の温度及び滞留時間が上記範囲内であれば安定した重合反応が継続される傾向にある。
上記重合反応工程により、粗ポリアセタール共重合体が得られる。
上記重合反応工程の終了の際には、重合触媒を失活させる。重合触媒の失活方法としては、重合反応機から出た粗ポリアセタール共重合体を、アンモニア、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等のアミン類、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、無機塩類、有機酸塩等の中和失活剤の少なくとも1種を含む水溶液又は有機溶液中に投入し、スラリー状態で数分〜数時間、室温〜100℃以下の範囲で連続攪拌する方法が挙げられる。この際、粗ポリアセタール共重合体が大きな塊状の場合は重合後一旦粉砕して処理することが好ましい。
その後、遠心分離機でろ過し、窒素下で乾燥することにより、目的とするポリアセタール共重合体が得られる。
また、本実施形態のポリアセタール共重合体の製造方法においては、上記成分の他に、ブロック、分岐、架橋の構造を形成し得るその他の共重合体成分を併用することも当然可能である。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例における特性の測定及び評価方法は以下の通りとした。
<重合収率(%)>
重合反応機から排出された粗ポリアセタール共重合体の単位時間当りの排出量を、全モノマーの単位時間当りのフィード量で除し、算出した。
なお、重合収率は重合開始から1時間後及び240時間後において算出した。
<重合機内スケール状況>
連続運転終了後の重合反応機を開放し、重合機内部及び重合機供給部のスケール状況を目視確認した。
スケール発生が少ない場合は、運転が安定していることを示すものと判断した。
また、重合反応機は、重合前に分掃を実施した状態から重合を開始した。
スケール発生の状態を下記の5段階に分けて評価した。
5:スケールの付着が観察されなかった。
4:スケールが25%未満付着していた。
3:スケールが25%以上50%未満付着していた。
2:スケールが50%以上75%未満付着していた。
1:スケールが75%以上付着していた。
〔実施例1〕
熱媒を通すことのできるジャケット付き2軸パドル型連続重合反応機((株)栗本鐵工所製、径2B、L/D=14.8)を80℃に調整した。
重合触媒としての三フッ化ホウ素−ジ−n−ブチルエーテラート0.18g/hrと、有機溶剤としての環状構造を有するシクロヘキサン6.2g/hrと、有機溶剤としての直鎖構造を有するn−ヘキサン0.3g/hrとを温度28℃にて連続的に混合したプレ混合液と、低分子量アセタール化合物としてのメチラール2.4g/hr、環状エーテル及び/又は環状ホルマールとしての1,3−ジオキソラン120.9g/hr、及びトリオキサン3500g/hrを連続的に混合した混合液とを、別々の配管にて重合反応機に連続的に供給し重合を行い、粗ポリアセタール共重合体を得た。
重合反応機から排出された粗ポリアセタール共重合体を、トリエチルアミン水溶液(0.5質量%)中にサンプリングし、その後、常温で1hr攪拌を実施した後、遠心分離機でろ過し、窒素下で120℃×3hr乾燥し、ポリアセタール共重合体を得た。
得られたポリアセタール共重合体の重合収率を、重合開始1hr後と240hr後のそれぞれにおいて評価した。
また、240hr運転後の重合機内部のスケール状況を目視確認した。
評価結果を下記表1に示す。
〔実施例2〜5〕
有機溶剤の量、有機溶剤の環状構造を有する化合物と直鎖構造を有する化合物の割合を、下記表1に示す量に変更した。
その他の条件は前記〔実施例1〕と同様とし、ポリアセタール共重合体を得た。
評価結果を下記表1に示す。
〔実施例6〕
熱媒を通すことのできるジャケット付き2軸パドル型連続重合反応機((株)栗本鐵工所製、径2B、L/D=14.8)を80℃に調整した。
重合触媒としての三フッ化ホウ素−ジ−n−ブチルエーテラート0.18g/hr、有機溶剤としてのシクロヘキサン6.2g/hrとn−ヘキサン0.3g/hrを先ず温度28℃にて連続的に混合した。次に環状エーテル及び/又は環状ホルマールとしての1,3−ジオキソラン120.9g/hrを、温度25℃、混合時間2分にて連続的にプレ混合し、プレ混合液を得た。
前記プレ混合にはスタティックミキサーを用いた。
前記プレ混合液127.58g/hrと、トリオキサン3500g/hrに低分子量アセタール化合物としてのメチラール2.4g/hrを配管にて連続的に混合した混合液とを、別々の配管にて重合反応機に連続的に供給し重合を行い、粗ポリアセタール共重合体を得た。
重合反応機から排出された粗ポリアセタール共重合体を、トリエチルアミン水溶液(0.5質量%)中にサンプリングし、その後常温で1hr攪拌を実施した後、遠心分離機でろ過し、窒素下で120℃×3hr乾燥しポリアセタール共重合体を得た。
評価結果を下記表1に示す。
〔実施例7〕
環状エーテル及び/又は環状ホルマールとしての1,3−ジオキソランを2等分し、半量をプレ混合物に用い、半量をトリオキサンと混合して用いた。
その他の条件は、前記〔実施例6〕と同様とし、ポリアセタール共重合体を得た。
評価結果を下記表1に示す。
〔比較例1〕
熱媒を通すことのできるジャケット付き2軸パドル型連続重合反応機(栗本鐵工所性、径2B、L/D=14.8)を80℃に調整した。
重合触媒としての三フッ化ホウ素−ジ−n−ブチルエーテラート0.18g/hrと、有機溶剤としてのシクロヘキサン6.5g/hrのみとを温度28℃にて連続的に混合した混合液と、低分子量アセタール化合物としてのメチラール2.4g/hr、環状エーテル及び/又は環状ホルマールとしての1,3−ジオキソラン120.9g/hr、及びトリオキサン3500g/hrを連続的に混合した混合液とを、別々の配管にて重合反応機に連続的に供給し重合を行い、粗ポリアセタール共重合体を得た。
重合反応機から排出された粗ポリアセタール共重合体を、トリエチルアミン水溶液(0.5質量%)中にサンプリングし、その後、常温で1hr攪拌を実施した後、遠心分離機でろ過し、窒素下で120℃×3hr乾燥しポリアセタール共重合体を得た。
得られたポリアセタール共重合体の重合収率を重合開始1hr後と240hr後のそれぞれにおいて評価した。
また、240hr運転後の重合機内部のスケール状況を目視確認した。
評価結果を下記表1に示す。
〔比較例2〕
有機溶剤としてn−ヘキサンのみを使用した。
その他の条件は、前記〔比較例1〕と同様とした。
評価結果を下記表1に示す。
〔比較例3〕
有機溶媒としてシクロヘキサンのみを用いた。
その他の条件は、前記〔実施例6〕と同様とした。評価結果を下記表1に示す。
下記表1においては、重合触媒、有機溶剤、低分子量アセタール化合物、環状エーテル及び/又は環状ホルマールの使用量を、トリオキサンとのモル比(mol/mol)に換算して示した。
Figure 0006560960
表1に示すように、実施例1〜7においては、長期間運転した後の重合反応機内部のスケールが少なく、長期間安定的にポリアセタール共重合体を製造することができた。
特に、実施例6、7においては、顕著な高収率化の効果が得られた。
比較例1〜3では、重合反応機内部のスケールが多く、長期安定運転ができなかった。
本発明は、高重合収率で長期間安定してポリアセタール共重合体の製造が可能であり、かつ少ない重合触媒でも重合収率が維持できるポリアセタール共重合体の製造方法として、産業上の利用可能性がある。

Claims (3)

  1. トリオキサンと、前記トリオキサン以外の環状エーテル及び/又は環状ホルマールと、重合触媒と、低分子量アセタール化合物と、有機溶剤とを、重合反応機に供給して重合を行う工程を有し、
    前記有機溶剤として、環状構造を有する化合物と直鎖構造を有する化合物とを併用
    前記環状構造を有する化合物が、シクロヘキサンであり、
    前記直鎖構造を有する化合物が、n−ヘプタン及び/又はn−ヘキサンであり、
    前記低分子量アセタール化合物が、メチラール、メトキシメチラール、ジメトキシメチラール、及びトリメトキシメチラールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、
    ポリアセタール共重合体の製造方法。
  2. 前記トリオキサン以外の環状エーテル及び/又は環状ホルマールと、前記重合触媒と、前記有機溶剤とを予め混合し、プレ混合物を得る工程を有する、
    請求項1に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
  3. 前記重合触媒が、
    三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチレエーテラート、及び三フッ化ホウ素−ジ−n
    −ブチルエーテラートからなる群より選ばれる少なくともいずれかである、
    請求項1又は2に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
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