JP3850548B2 - ポリアセタール樹脂の連続製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアセタール樹脂の製造方法に関し、更に詳しくは、ポリアセタール樹脂を、工業的に長期間、安定して連続製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリアセタール樹脂は、機械的性質、耐薬品性、摺動性等のバランスに優れ、且つ、その加工が容易であることにより、代表的なエンジニアリングプラスチックとして、電気・電子部品、自動車部品、その他の各種機械部品を中心として広く利用されている。
ポリアセタール樹脂では、特に、コポリマー型ポリアセタール樹脂の工業的な連続製造法は、モノマー及びコモノマーと触媒との混合工程と、これに続く重合工程が、一つの重合装置により行われることが多い。
【0003】
この場合、重合工程においては、粘稠な中間反応物や、生成した塊状の重合反応物が混在する。これが重合機のスクリューや、パドル等に付着して、スクリュー回転軸に高負荷を与えているため、重合機の回転数を上げるには限界が生じている。その結果、重合機の回転数が、原料モノマー類と触媒との混合に対しは、充分とは言えず、例えば、重合機トルクの変動等の原因となり、製造上、大きな問題となっている。
かかる問題に対し、特公平4−59329号公報では、トリオキサンと触媒、又はトリオキサンと環状エーテルと触媒との混合を、予め別の撹拌装置により行う方法が提案されている。しかし、この方法では装置が複雑になり、コスト高になる上、反応生成物の閉塞の危険も高く、好ましい方法とは言えない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、重合機のトルクの変動が少なく、工業的に長期間、安定してポリアセタール樹脂を連続製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、トリオキサンと環状エーテル及び/又は環状ホルマールと、低分子量アセタール化合物とをカチオン重合触媒を用いて、特定の条件下で塊状重合することにより、上記の課題が解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち本発明は、(A)トリオキサンと(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマール及び(C)(後記する式(1)で示される連鎖移動剤からなる群から選ばれる少なくとも1種)低分子量アセタール化合物とを、(D)カチオン重合触媒を用いて塊状重合させ、ポリアセタール樹脂を連続製造する方法において、(C)低分子量アセタール化合物と(D)カチオン重合触媒とを一旦混合した混合物を、(A)トリオキサン或いは(A)トリオキサンと(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマールとの混合物に、添加供給して重合することを特徴とするポリアセタール樹脂の連続製造方法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の方法によるポリアセタール樹脂の製造方法について説明する。本発明におけるポリアセタール樹脂は、(A)トリオキサンと(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマール及び(C)低分子量アセタール化合物とを、(D)カチオン重合触媒を用いて塊状重合したポリアセタール樹脂のコポリマーを主体とする。
【0008】
その基本的な分子構造は、特に限定されず、分岐・架橋構造を有するもの、ブロック成分を導入したもの等も包含される。
また、その分子量、或いは溶融粘度は、溶融成形可能なものであれば良く、何らこれらに限定されるものではない。
特に規定するならば、メルトインデックスが、0.1〜100g/10min (ASTM D1238に準拠)が好ましい。
メルトインデックスが、100g/10min超になれば機械的物性が著しく低下し、また0.1g/10min未満になれば樹脂の流動性が不良となる。
【0009】
本発明に使用する(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマールの例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、スチレンオキシド、オキセタン、3,3−ビス(クロルメチル)オキセタン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル、エチレングリコールホルマール、プロピレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−ペンタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオールホルマール、トリオキセパン、1,3−ジオキソラン等の環状ホルマール、又はこれらの混合物が挙げられる。
その中でも、エチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール等が好ましい。
【0010】
これら(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマールの使用量は、成形品の剛性、耐薬品性等を考慮すると、(A)トリオキサンに対し、1種または2種以上で合わせて0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%である。
(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマールの使用量が、20重量%を超えれば、成形品の剛性等の機械的強度や耐薬品性が低下し、また、0.1重量%未満になれば、樹脂の熱安定性が低下して好ましくない。
また、(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマールは、他の有機溶剤等で予め希釈して用いてもよい。
【0011】
(C)低分子量アセタール化合物としては、下記の一般式(1)で示される、不安定末端を形成することのない、連続移動剤が例示される。
R1−O-(-CH2O-)n−R2 (1)
(但し、R1及びR2は炭素数1〜20のアルキル基で、各々同一でも異なっていてもよく、nは1〜20の整数を表す。)
【0012】
具体的化合物は、例えば、メチラール、メトキシメチラール、ジメトキシメチラール、トリメトキシメチラール、オキシメチレンジ−n−ブチルエーテルの如き、アルコキシ基を有する化合物の1種または2種以上が挙げられる。
これら(C)低分子量アセタール化合物の使用量は、好ましくは、(A)トリオキサン100重量%に対し、1種または2種以上で合わせて0.001〜0.5重量%である。また、他の有機溶剤等で予め希釈して用いてもよい。
(C)低分子量アセタール化合物の使用量が、0.5重量%超では、機械的物性が著しく低下し、また、0.001重量%未満では、樹脂の流動性が不良となって好ましくない。
【0013】
本発明の製造方法においては、上記成分の他に、分岐・架橋構造を形成しうる成分等の他の化学成分を併用することも可能である。
分岐・架橋構造を形成しうる成分としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサメチレングリコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリブチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリン及びそのアルキレンオキシド付加体またはグリシジルエーテル等の誘導体、ペンタエリスリトール及びそのアルキレンオキシド付加体またはグリシジルエーテル等の誘導体等の1種または2種以上が挙げられる。
【0014】
分岐・架橋構造を形成しうる成分の使用量は、(A)トリオキサンに対して、0.3重量%以下、好ましくは、0.2重量%以下である。
これらの分岐・架橋構造を形成しうる成分は、(A)トリオキサン中に添加しても、また、(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマール、或いは(C)低分子量アセタール化合物中に添加してもよい。また、他の有機溶剤等で、予め希釈して添加してもよい。
【0015】
本発明に使用する(D)カチオン重合触媒としては、四塩化鉛、四塩化スズ、四塩化チタン、三塩化アルミニウム、塩化亜鉛、三塩化バナジウム、三塩化アンチモン、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジオキサネート、三フッ化ホウ素アセチックアンハイドレート、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯化合物、三フッ化ホウ素の1,3−ジオキソラン配位体等の三フッ化ホウ素配位化合物、過塩素酸、アセチルパークロレート、t−ブチルパークロレート、ヒドロキシ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等の無機および有機酸、トリエチルオキソニウムテトラフロロボレート、トリフェニルメチルヘキサフロロアンチモネート、アリルジアゾニウムヘキサフロロホスフェート、アリルジアゾニウムテトラフロロボレート等の複合塩化合物、ジエチル亜鉛、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド等のアルキル金属塩、ヘテロポリ酸、イソポリ酸等の1種または2種以上が挙げられる。
【0016】
その中でも、特に三フッ化ホウ素、或いは、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジオキサネート、三フッ化ホウ素アセチックアンハイドレート、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯化合物もしくは三フッ化ホウ素の1,3−ジオキソラン配位体等の三フッ化ホウ素配位化合物等が好ましい。
これらの(D)カチオン重合触媒は、そのままでも、有機溶剤等で予め希釈しても、或いは窒素等の不活性気体と混合して用いてもよく、その調製方法は特に限定されない。
これら(D)カチオン重合触媒の使用量は、好ましくは、(A)トリオキサンに対して、1種または2種以上で合わせて0.0001〜0.02重量%である。
(D)カチオン重合触媒の使用量が、0.02重量%超では、樹脂の熱安定性が低下し、また、0.0001重量%未満では、重合活性が著しく低下するので好ましくない。
【0017】
本発明のポリアセタール樹脂の製造は、上記の(A)トリオキサン、(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマール、及び(C)低分子量アセタール化合物とを、(D)カチオン重合触媒を用いて塊状重合させ、ポリアセタール樹脂を連続製造するに際し、(C)低分子量アセタール化合物と(D)カチオン重合触媒とを一旦混合した混合物を、(A)トリオキサン、或いは(A)トリオキサンと、(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマールとの混合物に添加供給して重合する。
(C)低分子量アセタール化合物と、(D)カチオン重合触媒との混合において、その混合方法は、何ら限定されない。
【0018】
この様な方法としては、例えば、連続的に配管内で合流させ、混合する方法、連続的に合流させ、更にスタティックミキサーにより混合する方法、撹拌機を備えた容器内で、一旦混合した混合成分を供給する方法等が挙げられる。
また、上記の各成分の混合において、混合温度、混合時間は、特に限定されない。
規定するならば、混合温度は、−70〜150℃、好ましくは −50〜75℃である。また、混合時間は0.05〜10,000秒、好ましくは0.1〜2,000秒である。
【0019】
また、(C)低分子量アセタール化合物と(D)カチオン重合触媒との混合において、(C)低分子量アセタール化合物は、その使用量の全量を用いてもよく、或いは、その使用量の一部を(D)カチオン重合触媒との混合に用いて、残りの量を(A)トリオキサン及び/又は(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマールに添加してもよい。
上記方法で混合した(C)低分子量アセタール化合物と、(D)カチオン重合触媒との混合物は、液状化した(A)トリオキサン、又は、(A)トリオキサンと(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマールとの混合物に、添加供給して塊状重合を行い、固体粉塊状のポリマーを得る。
重合機としては、内部に2本の駆動軸を有し、駆動軸にスクリュー、パドル、円盤、ピン、羽根等の混合手段が直結された、ニーダー・コニーダー型重合機等が例示される。また、重合温度は、65〜135℃に保つことが好ましく、重合機滞留時間は0.2〜30分が好ましい。
【0020】
重合後の失活は、重合反応後、重合機より排出される生成反応物、あるいは、重合機中の反応生成物に、塩基性化合物、あるいはその水溶液等を加えて行う。
重合触媒を中和し、失活するための塩基性化合物としては、例えば、アンモニア;トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、トリブタノールアミン等のアミン類;アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩等;その他公知の触媒失活剤が用いられる。
【0021】
かかる重合方法および失活方法の後、必要に応じて、更に、洗浄、未反応モノマーの分離回収、乾燥等を、従来公知の方法にて行う。
更に、不安定末端部の分解除去、または、安定物質による不安定末端の封止等、必要に応じて、公知の方法にて安定化処理を行い、必要な各種安定剤を配合する。
ここで用いられる安定剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、窒素含有化合物、アルカリ或いはアルカリ土類金属の水酸化物、無機塩、カルボン酸塩等の、いずれか1種または2種以上を挙げることができる。
更に、本発明を阻害しない限り、必要に応じて、熱可塑性樹脂に対する、一般的な添加剤、例えば、染料または顔料等の着色剤、滑剤、核剤、離型剤、帯電防止剤、界面活性剤、或いは、有機高分子材料、無機または有機の繊維状、粉体状または板状の充填剤等を、1種または2種以上添加することができる。
【0022】
本発明のポリアセタール樹脂の製造方法により、重合が均一に行われるようになり、重合反応機のトルクの変動が低減した結果、ポリアセタール樹脂を高い収率で、工業的に長期間、安定して得ることができる。
また、本発明で得られたポリアセタール樹脂は、機械的性質、耐薬品性、摺動性等のバランスに優れ、また、成形加工性に優れることにより、射出成形品の他、押出成形品、ブロー成形品等の各種分野に利用でき、極めて有用である。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお本発明で、A物質のa重量%対トリオキサンという場合には、A物質/トリオキサンの重量比率がa重量%/100重量%であることを意味する。
(実施例1)
外側に、熱(冷)媒を通すジャケットが付き、断面が2つの円が一部重なる形状を有するバレルと、パドル付き回転軸で構成される、連続式混合反応機を用いた。
バドルを付した2本の回転軸を、それぞれ逆方向に150rpmで回転させながら、その一端に、1,3−ジオキサン3.3重量%(対トリオキサン)を含むトリオキサンを連続的に供給した。
続いて、同時にメチラール0.1重量%と三フッ化ホウ素0.002重量%(いずれも対トリオキサン)とを、連続的に配管内で合流させ混合した後(混合温度−5℃、混合時間5秒)、その混合物を重合機中に、連続的に添加供給しながら、塊状重合を行った。
重合機の回転軸のトルクの変動を、回転軸を駆動するためのモーターの電流値から求め、重合機のトルクの変動として、その標準偏差/平均値、及び最大値/平均値により評価した。結果を表1に示す。
これらの値が小さいほど重合機トルクの変動が小さく、ポリアセタール樹脂の製造が、安定していることを示している。
【0024】
(実施例2)
実施例1と同様に、連続式混合反応機を用い、トリオキサンを連続的に供給した。続いて、同時にメチラール0.1重量%を、三フッ化ホウ素0.002重量%(いずれも対トリオキサン)と、連続的に配管内で合流させ混合した後(混合温度−5℃、混合時間5秒)、その混合物を、重合機中に連続的に添加供給した。
更に別の供給口より1,3−ジオキソラン3.3重量%(対トリオキサン)を、重合機中に連続的に添加供給しながら塊状重合を行なった。
続いて、実施例1と同様に、重合機トルクの変動を評価した。その結果を表1に示す。
【0025】
(実施例3)
実施例1と同様に、連続式混合反応機を用いて、1,3−ジオキソラン3.3重量%、及びメチラール0.03重量%(いずれも対トリオキサン)を含むトリオキサンを連続的に供給した。
続いて、同時に、メチラール0.07重量%と三フッ化ホウ素0.002重量%(いずれも対トリオキサン)とを、連続的に配管内で合流させ混合した後(混合温度−5℃、混合時間4秒)、その混合物を、重合機中に、連続的に添加供給しながら塊状重合を行った。
続いて、実施例1と同様に、重合機トルクの変動を評価した。その結果を表1に示す。
【0026】
(実施例4)
1,3−ジオキソラン3.3重量%の代わりに、1,4−ブタンジオールホルマール4.1重量%(対トリオキサン)を用いた以外は、実施例1と同様に塊状重合を行った。
続いて、実施例1と同様に、重合機トルクの変動を評価した。その結果を表1に示す。
【0027】
(実施例5)
三フッ化ホウ素の代わりに、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートを0.006重量%(対トリオキサン)用いた以外は、実施例1と同様に、塊状重合を行った。
続いて、実施例1と同様に重合機トルクの変動を評価した。その結果を表1に示す。
【0028】
(実施例6)
メチラール0.1重量%の代わりに、オキシメチレンジ−n−ブチルエーテル0.2重量%(対トリオキサン)を用いた以外は、実施例1と同様に、塊状重合を行った。
続いて、実施例1と同様に重合機トルクの変動を評価した。その結果を表1に示す。
【0029】
(比較例1)
実施例1と同様に、連続式混合反応機を用い、その一端に、1,3−ジオキソラン3.3重量%、及びメチラール0.1重量%(対トリオキサン)を添加含有するトリオキサンを連続的に供給した。
続いて、同時に、三フッ化ホウ素0.002重量%(対トリオキサン)を、重合機に連続的に添加供給しながら塊状重合を行った。
続いて、実施例1と同様に、重合機トルクの変動を評価した。その結果を表1に示す。
【0030】
(比較例2)
1,3−ジオキソラン3.3重量%の代わりに、1,4−ブタンジオールホルマール4.1重量%(対トリオキサン)を用いた以外は、比較例1と同様に、塊状重合を行った。
続いて、実施例1と同様に、重合機トルクの変動を評価した。その結果を表1に示す。
【0031】
(比較例3)
三フッ化ホウ素の代わりに、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートを0.006重量%(対トリオキサン)用いた以外は、比較例1と同様に、塊状重合を行った。
続いて、実施例1と同様に重合機トルクの変動を評価した。その結果を表1に示す。
【0032】
(比較例4)
メチラール0.1重量%の代わりに、オキシメチレンジ−n−ブチルエーテル0.2重量%(対トリオキサン)用いた以外は、比較例1と同様に塊状重合を行った。
続いて、実施例1と同様に、重合機トルクの変動を評価した。その結果を表1に示す。
【0033】
【発明の効果】
本発明のポリアセタール樹脂の製造方法により、ポリアセタール樹脂を、重合機のトルクの変動が少なく、工業的に長期間、安定して得ることができる。
【表1】
Claims (4)
- (A)トリオキサンと(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマール及び(C)下記式(1)で示される連鎖移動剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の低分子量アセタール化合物とを、(D)カチオン重合触媒を用いて塊状重合させ、ポリアセタール樹脂を連続製造する方法において、
(C)低分子量アセタール化合物と(D)カチオン重合触媒とを、一旦混合した混合物を(A)トリオキサン、或いは(A)トリオキサンと(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマールとの混合物に、添加供給して重合することを特徴とするポリアセタール樹脂の連続製造方法。
R 1 −O -(- CH 2 O -) n - R 2 (1)
(但し、R 1 及びR 2 は炭素数1〜20のアルキル基で、各々同一でも異なっていてもよく、nは1〜20の整数である。) - (B)環状エーテル及び/又は環状ホルマールが、エチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマールからなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1記載のポリアセタール樹脂の連続製造方法。
- (D)カチオン重合触媒が、三フッ化ホウ素及び三フッ化ホウ素配位化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1記載のポリアセタール樹脂の連続製造方法。
- (C)低分子量アセタール化合物が、メチラール、メトキシメチラール、ジメトキシメチラール、トリメトキシメチラール又はオキシメチレンジ−n−ブチルエーテルであることを特徴とする請求項1に記載のポリアセタール樹脂の連続製造方法。
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