JP2000230026A - ポリアセタール樹脂の連続製造方法 - Google Patents

ポリアセタール樹脂の連続製造方法

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JP2000230026A
JP2000230026A JP11033526A JP3352699A JP2000230026A JP 2000230026 A JP2000230026 A JP 2000230026A JP 11033526 A JP11033526 A JP 11033526A JP 3352699 A JP3352699 A JP 3352699A JP 2000230026 A JP2000230026 A JP 2000230026A
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polyacetal resin
trioxane
polymerization
cyclic
silane compound
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JP11033526A
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Kuniyuki Sugiyama
訓之 杉山
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Polyplastics Co Ltd
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Polyplastics Co Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08G2/00Addition polymers of aldehydes or cyclic oligomers thereof or of ketones; Addition copolymers thereof with less than 50 molar percent of other substances
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質のポリアセタール樹脂を高い収率で、
工業的に長期間安定して連続製造することができる方法
を提供すること。 【解決手段】トリオキサンにコモノマーを添加し、カチ
オン重合によりポリアセタール樹脂を連続的に製造する
に際し、特定のシラン化合物を共存させて行うポリアセ
タール樹脂の連続製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリアセタール樹脂
のカチオン重合による連続製造方法に関し、詳しくは不
安定分子末端部の少ない共重合体のポリアセタール樹脂
を高い収率で工業的に長期間安定して連続製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアセタール樹脂は機械的性質、耐薬
品性、摺動性等の特性間のバランスに優れ、且つ、その
成形加工が容易であることにより代表的なエンジニアリ
ングプラスチック材料として、電気・電子部品、自動車
部品その他の各種機械部品を中心として広く利用されて
いる。近年、このような利用範囲の拡大に伴い、ポリア
セタール樹脂に対する要求性能も高度化する一方、該樹
脂の高品質化、低コスト化の要求も高く、品質の良いポ
リアセタール樹脂を高収率で得る製造方法が求められて
いる。特に、高収率を目的とした製造条件を設定した場
合には、樹脂分子中の不安定分子末端部の比率が大きく
なる傾向が発現しやすいので、これら両方の要求をバラ
ンスよく満足するような改善された製造方法が切望され
ている。
【0003】従来、ポリアセタール樹脂を高収率で得る
ために、触媒種の検討や触媒の添加方法の改良が行われ
ている。代表的な例として、特開平2−6529号、同
4−65412号、同4−65413号各公報又は特公
平8−30103号公報には、ポリアセタール樹脂を製
造するに際し、予め環状エーテルと重合触媒とを混合
し、接触させた混合物をトリオキサンに連続的に添加す
る方法が提案されている。また、特開昭59−2279
16号、同60−1216号又は同53−111087
号各公報では、高品質のポリアセタール樹脂を得るため
に、重合時にモノマーと共に立体障害性フェノール系酸
化防止剤を添加する方法及び重合に供するモノマーに予
め有機三価リン化合物を添加混合しておく方法が提案さ
れている。
【0004】しかしながら、いずれの方法も高収率とな
る製造条件下では品質面が悪化傾向を示し、両性能をバ
ランスよく満足させる方法は未だ提案されていない。ま
た、特開平64−11117号公報では、ポリアセター
ル樹脂製造時の重合系内に反応性エポキシ基を有するシ
リコーンオイルを導入し、ポリアセタールとシリコーン
オイルの共重合体を合成する技術が提案されている。こ
の提案で使用されるシリコーンオイルでは水分やギ酸と
反応する官能基が極めて少ないため、ポリアセタール樹
脂の高品質化に改善すべき余地が残されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる実状に
鑑み、高品質のポリアセタール樹脂、特に共重合体のポ
リアセタール樹脂を、しかも高い収率で工業的に長期間
安定してカチオン重合法により連続製造することができ
る方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
達成すべく鋭意研究した結果、特定の主モノマー及びコ
モノマーの共重合時に、これらモノマー類と共に特定の
シラン化合物を添加する方法、或いは重合に供する上記
モノマーに予め該特定のシラン化合物を添加混合してお
く方法をとれば、該特定のシラン化合物が重合時の触媒
活性を低下させる要因であるギ酸量や水分量を低減する
ことができるために比較的低濃度の触媒量で高収率の重
合を可能にし、しかも該シラン化合物が触媒の副反応で
生じるポリマーのヒドロキシ末端との反応性を有するこ
とにより、高品質化を可能にし、上述の課題が解決され
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、主モノマーとしてのトリ
オキサンにコモノマーとしての環状エーテル及び又は環
状ホルマールを添加供給し、カチオン重合させて共重合
体のポリアセタール樹脂を連続的に製造するに際し、下
記一般式(I)〜(IV)で表されるシラン化合物の群から選
ばれる少なくとも1を共存させて行うポリアセタール樹
脂の連続製造方法を提供するものである。
【0008】
【化2】 (式中、R1,R5,R6,R9,R10,R11,R13,R14,R15
びR16は、水素原子及び炭素数1〜6の炭化水素残基か
らなる群からそれぞれ独立に選ばれた原子又は残基であ
り、R2,R3,R4,R7,R8 及びR12は、水素原子、炭素
数1〜22の炭化水素残基及びフッ素,酸素,窒素,イオ
ウ及びリンの各原子からなる群からそれぞれ独立に選ば
れた1種以上の原子を含む官能基を有する炭化水素残基
からなる群からそれぞれ独立に選ばれた原子又は残基を
示す。)
【0009】更に、本発明においては、上記一般式(I)
〜(IV)で表されるシラン化合物の群から選ばれる少なく
とも1を予めトリオキサン、環状エーテル及び又は環状
ホルマールの1種以上に添加混合させておくポリアセタ
ール樹脂の連続製造方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明のポリアセタール樹
脂の連続製造方法について、各種実施の形態を示しつつ
詳細に説明する。本発明に係るポリアセタール樹脂は、
主モノマーとしてのトリオキサンにコモノマーとしての
環状エーテル及び又は環状ホルマールを加えてカチオン
共重合させて得られるものであるが、本発明に係る製造
方法はこの共重合の際、前記共重合用モノマー中に不純
物として含有される微量のギ酸や水成分の除去用の特定
のシラン化合物を捕捉剤として配合し、ブレンステッド
酸及び又はルイス酸を重合触媒とし、カチオン重合によ
り共重合体のポリアセタール樹脂を製造する方法であ
る。
【0011】本発明においては、主モノマーとしてトリ
オキサンを使用し、コモノマーとして環状エーテル及び
又は環状ホルマールが使用される。上記環状エーテルと
しては、エチレンオキシド、オキセタン等が例示でき
る。又、上記環状ホルマールとしては、1,4−ブタン
ジオールジグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエー
テル、オクチルグリシジルエーテル等のグリシジルエー
テル化合物、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリ
オキセパン、1,3−ジオキサン、4−メチル−1,3
−ジオキソラン、6−メチル−1,3,5−トリオキセ
パン、1,4−ブタンジオールホルマール、4−エチル
−1,3−ジオキソラン、6−エチル−1,3,5−ト
リオキセパン、4−メチル−1,3−ジオキサン、5−
メチル−1,3−ジオキサン、1,5−ペンテンジオー
ルホルマール、4−プロピル−1,3−ジオキソラン、
6−プロピル−1,3,5−トリオキセパン、4−エチ
ル−1,3−ジオキサン、5−エチル−1,3一ジオキ
サン、1,6−ヘキサンジオールホルマール、4−ブチ
ル−1,3−ジオキソラン、6−プチル−1,3,5−
トリオキセパン、4−プロピル−1,3−ジオキサン、
5−プロピル−1,3−ジオキサン等が挙げられる。こ
れらコモノマーの使用量は、成形品の剛性、耐薬品性等
を考慮すると、主モノマーのトリオキサンに対して20
重量%以下が好ましく、特に0.1〜15重量%が好ま
しい。
【0012】本発明に係る製造方法において使用される
特定のシラン化合物としては、前記一般式(I)〜(IV)で
表されるシラン化合物の群から選ばれる少なくとも1が
使用される。一般式(I)で表されるシラン化合物として
は、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシ
ラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシ
シラン等のモノアルコキシシランが例示され、一般式(I
I)で表されるシラン化合物としては、ジメチルジメトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメト
キシシラン、ジエチルジエトキシシラン等のジアルコキ
シシランが例示できる。
【0013】又、一般式(III)で表されるシラン化合物
としては、トリエトキシシラン、トリメトキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシ
シラン、メチルトリフェノキシシラン、オクチルトリエ
トキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オク
タデシルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシ
ラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ペンチルトリエト
キシシラン等の飽和アルキルトリアルコキシシランと
か、アリルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキ
シシラン、トリス(2−メトキシエトキシ)ビニルシラ
ン、3−トリフルオロアセトキシプロピルトリメトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、ビニルトリブトキシシラン、フェニルトリエ
トキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ベンジル
トリエトキシシラン等の不飽和及び置換炭化水素化トリ
アルコキシシラン等のトリアルコキシシランが好ましく
例示される。
【0014】更に、一般式(IV)で表されるシラン化合物
としては、テトラメトキシシラン、テトラアリルオキシ
シラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラ
ン、テトラブトキシシラン、テトラキス(2−メトキシ
エトキシ)シラン、テトラフェノキシシラン等の単一テ
トラアルコキシシランの他、メトキシトリエトキシシラ
ン、ジメトキシジエトキシシラン、トリメトキシエトキ
シシラン、ヘキシルオキシトリメトキシシラン等の混合
テトラアルコキシシランが例示できる。
【0015】本発明において使用されるシラン化合物
は、上記例示されたものに限定されるものでないが、上
記例示されたものの中でもジメチルジメトキシシラン、
ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラ
ン、ジエチルジエトキシシラン、オクタデシルトリエト
キシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシ
ジルオキシプロピルトリメトキシシラン、トリス(2−
メトキシエトキシ)ビニルシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、
テトラキス(2−メトキシエトキシ)シランが特に好適
である。
【0016】又、本発明に係るシラン化合物の添加方法
は特に限定されるものではなく、主モノマーのトリオキ
サン、コモノマーの環状エーテル又は環状ホルマールと
同時に重合機に供給されてもよく、或いは予め主モノマ
ー及び又はコモノマーに該シラン化合物を添加混合して
おき、共重合に供してもよい。しかし、該シラン化合物
の添加による本発明の前記効果を、その重合初期から発
揮し始めさせるためには、シラン化合物の添加は重合触
媒の添加前が好ましく、しかもその添加混合物を60〜
100℃に1秒以上保持する方法が特に好ましい。この
理由については明らかでないが、主モノマー及び又はコ
モノマー中のシラン化合物の混合状態がより均一にな
り、その結果、内在する不純物や水分との反応が進み、
触媒の失活化される割合がより減少するためと考えられ
る。
【0017】本発明において使用されるシラン化合物の
量は、主モノマーであるトリオキサンを基準として、好
ましくは1〜5000重量ppm、より好ましくは10
〜2000重量ppm、特に好ましくは50〜1000
重量ppmである。シラン化合物の量が1重量ppm未
満の場合のごとく過少の場合は、モノマー中の不純物で
あるギ酸や水分を捕捉しきれない場合があり、充分なる
効果を上げるとはいい切れない。又、5000重量pp
mを超える場合のごとく過大な場合は、ポリアセタール
樹脂の製造における後工程において、該シラン化合物が
ポリアセタール樹脂から気化、蒸散し、配管への付着に
続いて濃縮を起こし易く、その結果、配管内の汚れが製
品ペレットに混入する等の問題を起こすことがある。
【0018】次に、本発明において使用される重合触媒
としては、一般のカチオン活性触媒が使用され、以下、
該カチオン活性触媒について例示しつつ説明する。 (1)ルイス酸;特にホウ素、スズ、チタン、リン、ヒ
素、アンチモン等のハロゲン化物が好適であり、具体例
として三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五
塩化リン、五フッ化リン、五フッ化ヒ素、五フッ化アン
チモン等が挙げられるが、更にその錯体化合物(例えば
エーテル化合物等の有機化合物との配位化合物)又は塩
の如き化合物も使用できる。 (2)プロトン酸;具体例としてトリフルオロメタンスル
ホン酸、パークロル酸等を挙げることができる。 (3)プロトン酸のエステル;特にパークロル酸と低級脂
肪族アルコールとのエステルが使用できるが、具体例と
してパークロル酸3級ブチルエステルを挙げることがで
きる。 (4)プロトン酸の無水物;特にパークロル酸と低級脂肪
族カルボン酸との混合無水物が使用でき、その具体例と
してアセチルパークロラートを挙げることができる。 (5)その他、イソポリ酸、ヘテロポリ酸(例えばリンモ
リブデン酸)、或いはトリエチルオキソニウムヘキサフ
ルオロホスファート、トリフェニルメチルヘキサフルオ
ロアルゼナート、アセチルヘキサフルオロボラート等が
挙げられる。 本発明に使用される触媒としては、上記例示されたもの
のうち、特に三フッ化ホウ素とか該三フッ化ホウ素と有
機化合物(例えばエーテル類)との配位化合物は、最も
一般的であり、好適である。尚、上記三フッ化ホウ素は
窒素等の不活性気体と混合して使用してもよく、又上記
三フッ化ホウ素配位化合物は有機溶剤等で一旦希釈して
使用してもよい。
【0019】本発明に係る製造方法により得られるポリ
アセタール樹脂の基本的な分子構造は特に限定されるも
のではなく、分岐構造や架橋構造を有するもの、ブロッ
ク成分を導入したもの等も包含される。又、その分子量
或いは溶融粘度は、溶融成形可能なものであれば何ら限
定されるものではないが、メルトインデックス(MI)
が0.1〜100g/10min(ASTM D123
8−57T E条件に準拠)の範囲のものが好ましい。
【0020】本発明の製造方法においては、原則として
主モノマー、コモノマー、特定のシラン化合物及び重合
触媒を主原料として使用するが、その他に分子量の調整
用成分、分岐又は架橋構造の形成用成分等を併用するこ
とも可能である。分子量を調整する成分としては、不安
定分子末端部を形成することのない連鎖移動剤、即ちメ
チラール、メトキシメチラール、ジメトキシメチラー
ル、トリメトキシメチラール、オキシメチレンジ−n−
ブチルエーテルの如きアルコキシ基を有する化合物が例
示される。
【0021】上記本発明に係るポリアセタール樹脂に分
岐又は架橋構造を形成する必要がある場合に使用される
成分例としては、エチレングリコールジグリシジルエー
テル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサ
メチレングリコールジグリシジルエーテル、レゾルシノ
ールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシ
ジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリブチレングリコールジグリシジルエーテル、グ
リセリン及びその誘導体、ペンタエリスリトール及びそ
の誘導体等が挙げられる。
【0022】又、上記分子量の調整用成分の使用量は、
トリオキサンに対して好ましくは0.5重量%以下、特
に好ましくは0.4重量%以下である。又、上記分岐又
は架橋構造の形成用成分の使用量は、トリオキサンに対
して好ましくは0.3重量%以下、特に好ましくは0.
2重量%以下である。なお、これらの分子量の調整用成
分、分岐又は架橋構造の形成用成分等はトリオキサン中
又コモノマー中のいずれに添加してもよく、更に又、他
の有機溶剤等で一旦希釈して添加してもよい。
【0023】本発明に係るポリアセタール樹脂の連続製
造に好適な重合機としては、バレル内に設けられた2本
の回転駆動軸にスクリュー、パドル、円盤、ピン、羽根
等の混合手段が直結されたニーダー、コニーダー型重合
機等が例示される。本発明に係るポリアセタール樹脂を
これら重合機内で製造する場合の重合温度は65〜13
5℃の範囲が好ましい。
【0024】上記ポリアセタール樹脂重合後に樹脂中に
残存する重合触媒の失活は、重合反応後に重合機より排
出される反応生成物又は未だ重合機中にある反応生成物
に、塩基性化合物又はその水溶液等を加えて行うことが
できる。この失活は通常は中和反応によるものである。
上記重合触媒を失活するための塩基性化合物としてはア
ンモニアの他、トリエチルアミン、トリブチルアミン、
トリエタノールアミン、トリブタノールアミン等のアミ
ン類、又はアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化
物、その他公知の触媒失活剤が用いられる。
【0025】かかる重合及び失活工程を経た後、重合生
成物は必要に応じて更に、洗浄、未反応モノマーの分離
回収、乾燥等を従来公知の方法にて行う。更に、必要に
応じて各種安定剤の配合等、公知の方法により不安定分
子末端部の分解除去又は封止等の安定化処理を行う。こ
こで用いられる安定剤としては、ヒンダードフエノール
系化合物、窒素含有化合物、アルカリ或いはアルカリ土
類金属の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸塩等のいずれ
か1種または2種以上の併用されたものを挙げることが
できる。
【0026】更に、本発明に係るポリアセタール樹脂に
は、該樹脂の特性を阻害しない限り、必要に応じて熱可
塑性樹脂に対する一般的な添加剤、例えほ染料、顔料等
の着色剤、滑剤、核剤、離型剤、帯電防止剤、界面活性
剤等の改質剤、有機高分子材料、無機または有機の繊維
状、粉体状、板状の充填剤等を1種または2種以上添加
することができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を具体的に説明するが、本発明
はこれら実施例に限定されるものではない。 (実施例1〜9)外側に熱(冷)媒を通すジャケットが
付き、2つの円が一部重なったような断面形状を有する
バレルと、2本のパドル付き回転軸で構成される連続式
混合重合機を用い、該2本の回転軸をそれぞれ150p
pmで回転させながらその一端側供給口からトリオキサ
ン混合物、即ち予め表1に示す特定のシラン化合物を同
表に示す割合(対トリオキサンの重量%)でトリオキサ
ンに添加し、80℃に30分間保持し、これにコモノマ
ーとして表1に示す特定の環状ホルマールを4.0mo
l%(対トリオキサン)及び分子量調節剤のメチラール
を0.08重量%(対トリオキサン)を添加したトリオ
キサン混合物を連続的に供給した。続いて、三フッ化ホ
ウ素30重量ppm(対トリオキサン)を上記供給口よ
り重合機に連続的に供給しながら、カチオン・塊状重合
を連続的に行った。なお、トリオキサン、コモノマー、
メチラールを重合機に添加した後、三フッ化ホウ素と特
定のシラン化合物を重合機に同時に、しかも連続的に供
給した場合についても、連続的カチオン・塊状重合を行
った。重合機排出口から排出された反応生成物は速やか
に破砕機に通しながら、トリエチルアミンを0.05重
量%含有する60℃の水溶液に加え、粒子に粉砕すると
同時に触媒を失活し、続いて分離、洗浄、乾燥後、目的
とするポリアセタール樹脂を得た。供給原料に対する重
合収率、品質の目安となるMI値及び200℃以下でホ
ルムアルデヒドに分解可能な部分の全重量に対して占め
る割合(熱重量減少率)を合わせて表1に示した。
【0028】(比較例1〜3)実施例において使用の特
定のシラン化合物も使用せず、又、他のシラン化合物を
も使用しない条件下に、その他の条件は実施例と同様に
して得たポリアセタール樹脂の製造及び特性に関する値
も表1に合わせて示した。
【0029】尚、上記ポリアセタール樹脂の重合収率及
び樹脂特性(MI、熱重量減少率)の評価方法を以下に
まとめた。 (1)重合収率(%) 連続重合工程が定常状態にあるときに、一定時間内に採
取したポリアタール樹脂について触媒失活、洗浄後のサ
ンプルを50℃で24hr乾燥して秤量し、得られた値
を上記採取時間と同一時間内に重合機に添加した供給原
料の合計重量で除し、百分率で表した。 (2)MI(g/10min) 上記乾燥後のポリアセタール樹脂に、該ポリアセタール
樹脂を基準として酸化防止剤のトリエチレングリコール
ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕を0.5重量%及びメ
ラミン0.5重量%を配合し、充分混合し、得られた混
合物を190℃に保持されたメルトインデクサーのシリ
ンダー内に15分間滞留させた後、2,160gの荷重
で2mmΦ×8mmのキャピラリーから押出して得られ
た樹脂の重量を10分間の押出量に換算してMI値を得
た。 (3)熱重量減少率(%) (1)における乾燥後、更に微粉砕したポリアセタール樹
脂に、該ポリアセタール樹脂を基準として50重量%
の、充分乾燥した粉体の酸化マグネシウムを添加し、粉
体同士を充分混合し、得られた混合物を窒素雰囲気下に
TGA(熱重量分析法)を用いて、先ず50℃に30分
保持してサンプル重量を測定する。続いて100℃/m
inで200℃まで昇温し、その温度で1時間保持し、
サンプルの重量減少値を測定する。次に更に100℃/
minで450℃まで昇温し、その温度で30分間保持
し、樹脂部分を完全に分解し、最初のサンプル重量に対
する重量減少値を測定する。このようにして得た200
℃/1時間保持時の重量減少値を、450℃/30mi
n保持後に示した重量減少量値で除し、熱重量減少率を
得た。
【0030】
【表1】
【0031】
【化3】
【0032】
【発明の効果】本発明のポリアセタール樹脂の連続製造
方法により、不安定分子末端部の少ない高品質のポリア
セタール樹脂を高い収率で、工業的に長期間安定して得
ることができる。また、本発明で得られたポリアセター
ル樹脂は、特に成形加工性に優れ、かつ通常のポリアセ
タール樹脂と同様に機械的性質、耐薬品性、摺動性等の
バランスにも優れているので、射出成形品の他、押出成
形品、プロー成形品、発泡成形品等の各種分野で有用で
ある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主モノマーとしてのトリオキサンにコモ
    ノマーとしての環状エーテル及び又は環状ホルマールを
    添加供給し、カチオン重合させて共重合体のポリアセタ
    ール樹脂を連続的に製造するに際し、下記一般式(I)〜
    (IV)で表されるシラン化合物の群から選ばれる少なくと
    も1を共存させて行うことを特徴とするポリアセタール
    樹脂の連続製造方法。 【化1】 (式中、R1,R5,R6,R9,R10,R11,R13,R14,R15
    びR16は、水素原子及び炭素数1〜6の炭化水素残基か
    らなる群からそれぞれ独立に選ばれた原子又は残基であ
    り、R2,R3,R4,R7,R8 及びR12は、水素原子、炭素
    数1〜22の炭化水素残基及びフッ素,酸素,窒素,イオ
    ウ及びリンの各原子からなる群からそれぞれ独立に選ば
    れた1種以上の原子を含む官能基を有する炭化水素残基
    からなる群からそれぞれ独立に選ばれた原子又は残基を
    示す。)
  2. 【請求項2】 シラン化合物を予めトリオキサン、環状
    エーテル及び環状ホルマールの1種以上に添加混合させ
    ておく請求項1記載のポリアセタール樹脂の連続製造方
    法。
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