JP5546006B2 - ポリアセタール共重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
トリオキサンと、環状エーテルおよび/または環状ホルマールとを共重合させることによりポリアセタール共重合体を製造する方法において、
重合触媒として、パーフルオロアルキルスルホン酸を用い、
パーフルオロアルキルスルホン酸を、水および有機溶媒で希釈した混合物(希釈混合物(I))として重合反応機にフィードする工程を含み、
前記希釈混合物(I)における水分量が0.01〜50ppmである、ポリアセタール共重合体の製造方法。
前記希釈混合物(I)における有機溶媒が、分子量150〜500で、かつ水酸基を有さない炭化水素化合物(ただし、環状炭化水素化合物を除く)である、(1)に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
前記パーフルオロアルキルスルホン酸の重合反応機へのフィード量が、トリオキサン1molに対して、1×10-8〜50×10-8molの範囲である、(1)または(2)に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
前記希釈混合物(I)中のパーフルオロアルキルスルホン酸の濃度が、有機溶媒1リットルに対して、1×10-5〜100×10-5molの範囲である、(1)〜(3)のいずれかに記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
本実施の形態に用いるトリオキサンは、例えば、酸性触媒の存在下でホルムアルデヒドを反応させることにより製造することができる。このようにして得られるトリオキサンは、通常、水、蟻酸などの連鎖移動可能な成分(不純物)を含有している。これら連鎖移動可能な成分が含まれていると、ポリアセタール共重合体のポリマー末端基が熱的に不安定な状態となり、高熱安定性のポリアセタール共重合体を得ることが難しくなる。そのため、これら連鎖移動可能な成分(不純物)を、重合開始前までに、一定濃度まで精製除去することが好ましい。連鎖移動可能な成分の合計含有量は、トリオキサンに対して100質量ppm以下であることが好ましく、より好ましくは50質量ppm以下であり、最も好ましくは30質量ppm以下である。これら連鎖移動可能な成分量が前記範囲である時、熱安定性に優れたポリアセタール共重合体を製造することができる傾向にある。
本実施の形態に用いる環状エーテルおよび/または環状ホルマールは、トリオキサンと共重合可能な成分である。具体的には、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピクルロルヒドリン、エピブロモヒドリン、スチレンオキサイド、オキサタン、1,3−ジオキソラン、エチレングリコールホルマール、プロピレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−ペンタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオールホルマール等を挙げることができる。これら環状エーテルおよび/または環状ホルマールの中でも、1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオールホルマールが好ましい。これら環状エーテルおよび/または環状ホルマールの添加量は、トリオキサン1molに対して0.001〜0.2molの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.15molであり、さらに好ましくは0.01〜0.1molであり、最も好ましくは0.001〜0.05molである。環状エーテルおよび/または環状ホルマールの添加量が前記範囲にある時、長期耐久性に優れたポリアセタール共重合体を製造することができる傾向にある。
本実施の形態のポリアセタール共重合体の製造方法において、重合触媒としては、パーフルオロアルキルスルホン酸を用いる。
本実施の形態に用いるパーフルオロアルキルスルホン酸は、水および有機溶媒で希釈した混合物(希釈混合物(I))として重合反応機にフィードする。
・CAT−1:トリフルオロメタンスルホン酸
・CAT−2:三フッ化硼素ジブチルエーテル
(B)重合触媒の希釈用有機溶媒
・SOL−3:トリエチレングリコールジメチルエーテル(分子量:178)
・SOL−4:1,3−ジオキソラン(分子量:74)
・SOL−5:シクロへキサン(分子量:84)
・SOL−6:1,4−ジオキサン(分子量:88)
(C)希釈混合物(I)の調製と種類
表1および2に示すとおり、前記の重合触媒に有機溶媒を加えて希釈混合し、更に所定量の水分濃度になるように水を追加混合し、希釈混合物(I)を調製した。得られた希釈混合物(I)に含まれる水分量は、カールフィッシャー法により定量した。
重合反応機から排出された末端安定化していない粗ポリアセタール共重合体の単位時間当たりの排出量を計量し、この計量値を重合反応機にフィードした全モノマーの単位時間当たりの量で割り返して重合収率を求めた。
重合反応機から排出した末端安定化していない粗ポリアセタール共重合体を、トリエチルアミン水溶液(1質量%)に投入し、室温条件下で2時間攪拌し中和失活した。この時のトリエチルアミン水溶液中の粗ポリアセタール共重合体濃度を25質量%とした。その後、遠心分離機でトリエチルアミン水溶液と粗ポリアセタール共重合体とを分離した。その後、粗ポリアセタール共重合体について、トリエチルアミン臭が無くなるまで水洗除去を繰り返した。トリエチルアミン臭を感じなくなった後、粗ポリアセタール共重合体を、80℃の温度で−700mmHg以下の減圧度で減圧乾燥した。乾燥時間は5時間とした。乾燥後、酸化防止剤(チバカイギー社製、Irganox245)を粗ポリアセタール共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、ベンチ付き2軸押出し機(押出し温度:205℃)を用いて、粗ポリアセタール共重合体の不安定末端基の除去を行った。この時の末端安定化処理剤として、2質量%のトリエチルアミン水溶液を、末端安定化していない粗ポリアセタール共重合体100質量部に対して、1質量部添加した。押出し機ベンチ減圧度は、−700mmHgとした。
重合反応機として、80℃に設定した同方向回転の2軸型パドル式連続重合反応機(径2B、L/D=14.8)を用いた。当該重合反応機に、トリオキサン(水分濃度;4ppm、ギ酸濃度;5ppm、以下「TOX」とも記す。)を2000g/hrの割合でフィードした。また、トリオキサン1molに対して0.045molの3−ジオキソラン(以下「DOL」とも記す。)を重合反応機にフィードした。さらに、トリオキサン1molに対して1.5×10-3molのメチラール(分子量調節剤)を重合反応機にフィードした。そして、表1に示す割合で調製した希釈混合物(I)を、重合反応機に連続供給し重合を開始した。重合条件を表1に示す。トリオキサン、1,3−ジオキソランおよびメチラールの原料モノマーと、希釈混合物(I)とは、重合反応機内に設置したパドル部に達するまで互いに接触することがないように別々のラインで供給した。重合開始から2時間後、最初の重合収率を測定した。その後、2時間毎に重合収率を測定し、重合収率の推移(変動幅:最大収率−最小収率の差)を計算し求めた。重合時間は100時間、連続重合した。評価結果を表3に示す。
希釈混合物(I)中の水分量を表1に示すとおり変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表3に示す。
有機溶媒の種類および希釈混合物(I)中の水分量を表2に示すとおり変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表3に示す。
希釈混合物(I)中の水分量を表2に示すとおり変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表3示す。
希釈混合物(I)中の水分量および重合触媒フィード量を表2に示すとおり変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表3示す。
希釈混合物(I)中の水分量および重合触媒の濃度を表2に示すとおり変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表3示す。
希釈混合物(I)中の水分量およびトリオキサン中の水およびギ酸の含有量を表2に示すとおり変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表3示す。
希釈混合物(I)中の水分量、有機溶媒の種類および重合触媒の種類を表2に示すとおり変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表3に示す。
Claims (3)
- トリオキサンと、環状エーテルおよび/または環状ホルマールとを共重合させることによりポリアセタール共重合体を製造する方法において、
重合触媒として、パーフルオロアルキルスルホン酸を用い、
パーフルオロアルキルスルホン酸を、水および有機溶媒で希釈した混合物(希釈混合物(I))として重合反応機にフィードする工程を含み、
前記希釈混合物(I)における水分量が0.01〜50ppmであり、
前記希釈混合物(I)における有機溶媒が、分子量150〜500で、かつ水酸基を有さない炭化水素化合物(ただし、環状炭化水素化合物を除く)である、ポリアセタール共重合体の製造方法。 - 前記パーフルオロアルキルスルホン酸の重合反応機へのフィード量が、トリオキサン1molに対して、1×10-8〜50×10-8molの範囲である、請求項1に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
- 前記希釈混合物(I)中のパーフルオロアルキルスルホン酸の濃度が、有機溶媒1リットルに対して、1×10-5〜100×10-5molの範囲である、請求項1または2に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
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