JP5546006B2 - ポリアセタール共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリアセタール共重合体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5546006B2
JP5546006B2 JP2010261228A JP2010261228A JP5546006B2 JP 5546006 B2 JP5546006 B2 JP 5546006B2 JP 2010261228 A JP2010261228 A JP 2010261228A JP 2010261228 A JP2010261228 A JP 2010261228A JP 5546006 B2 JP5546006 B2 JP 5546006B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyacetal copolymer
polymerization
mixture
organic solvent
mol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010261228A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012111830A (ja
Inventor
眞 土岐
美喜夫 岡
純夫 小松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Chemicals Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Chemicals Corp filed Critical Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority to JP2010261228A priority Critical patent/JP5546006B2/ja
Publication of JP2012111830A publication Critical patent/JP2012111830A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5546006B2 publication Critical patent/JP5546006B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polyethers (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Description

本発明は、トリオキサンと、環状エーテルおよび/または環状ホルマールとを共重合してポリアセタール共重合体を製造する方法に関する。
ポリアセタール共重合体は、剛性、強度、靭性、摺動性、クリープ性などに優れた樹脂材料であり、自動車部品や電気・電子機器および各種機構部品を中心に広範に亘って使用されている。
トリオキサンと環状エーテルおよび/または環状ホルマールとを共重合してポリアセタール共重合体を製造する方法に関して、数多くの方法が提案されている。例えば、三フッ化硼素またはその配位化合物を重合触媒として用いる方法や、無水のパーフルオロメタンスルホン酸を用いる方法(例えば、特許文献1〜4参照)が提案されている。
特開昭48−29894号公報 特開平03−269009号公報 特開平04−110316号公報 特開平11−001531号公報
しかしながら、三フッ化硼素またはその配位化合物を重合触媒として用いる方法は、該重合触媒の重合活性が低いために重合収率が低く、生産性に問題がある。重合収率を高めるためには、重合触媒である三フッ化硼素またはその配位化合物を反応重合機に多量に添加する必要があるが、重合触媒を多量に添加すると、当該重合触媒が共重合ポリマー中に残存し、触媒の失活化が困難となる。更には残存する重合触媒によって共重合ポリマーが分解され、熱安定性が大きく低下する。
一方、無水のパーフルオロメタンスルホン酸を重合触媒として用いる方法は、短期間での連続生産では非常に高い重合収率で生産することができるが、長期間連続生産した場合、重合反応機内の反応ゾーンの位置が変動する(反応速度が乱れる)ため、高熱安定性ポリアセタール共重合体を安定して連続生産することが困難となる。
本発明は、ポリアセタール共重合体を長期間安定して連続生産することができるポリアセタール共重合体の製造方法を提供する。
前記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討した結果、トリオキサンと環状エーテルおよび/または環状ホルマールとを共重合してポリアセタール共重合体を製造する方法において、特定の重合触媒供給方法を用いることにより、ポリアセタール共重合体を、高重合収率で且つ長期間安定して連続生産できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)
トリオキサンと、環状エーテルおよび/または環状ホルマールとを共重合させることによりポリアセタール共重合体を製造する方法において、
重合触媒として、パーフルオロアルキルスルホン酸を用い、
パーフルオロアルキルスルホン酸を、水および有機溶媒で希釈した混合物(希釈混合物(I))として重合反応機にフィードする工程を含み、
前記希釈混合物(I)における水分量が0.01〜50ppmである、ポリアセタール共重合体の製造方法。
(2)
前記希釈混合物(I)における有機溶媒が、分子量150〜500で、かつ水酸基を有さない炭化水素化合物(ただし、環状炭化水素化合物を除く)である、(1)に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
(3)
前記パーフルオロアルキルスルホン酸の重合反応機へのフィード量が、トリオキサン1molに対して、1×10-8〜50×10-8molの範囲である、(1)または(2)に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
(4)
前記希釈混合物(I)中のパーフルオロアルキルスルホン酸の濃度が、有機溶媒1リットルに対して、1×10-5〜100×10-5molの範囲である、(1)〜(3)のいずれかに記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
トリオキサンと環状エーテルおよび/または環状ホルマールとを共重合してポリアセタール共重合体を製造する方法において、トリフルオロアルキルスルホン酸触媒を、有機溶媒および水で希釈した混合物(希釈混合物(I))として重合反応機に供給することにより、ポリアセタール共重合体を高重合収率で長期間安定して連続生産することができる。
本発明を実施するための形態(以下、「本実施の形態」という。)について、以下詳細に説明する。本発明は、以下の本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態のポリアセタール共重合体の製造方法は、トリオキサンと、環状エーテルおよび/または環状ホルマールとを共重合させることによりポリアセタール共重合体を製造する方法において、重合触媒として、パーフルオロアルキルスルホン酸を用い、パーフルオロアルキルスルホン酸を、水および有機溶媒で希釈した混合物(希釈混合物(I))として重合反応機にフィードする工程を含み、前記希釈混合物(I)における水分量が0.01〜50ppmである。
〔トリオキサン〕
本実施の形態に用いるトリオキサンは、例えば、酸性触媒の存在下でホルムアルデヒドを反応させることにより製造することができる。このようにして得られるトリオキサンは、通常、水、蟻酸などの連鎖移動可能な成分(不純物)を含有している。これら連鎖移動可能な成分が含まれていると、ポリアセタール共重合体のポリマー末端基が熱的に不安定な状態となり、高熱安定性のポリアセタール共重合体を得ることが難しくなる。そのため、これら連鎖移動可能な成分(不純物)を、重合開始前までに、一定濃度まで精製除去することが好ましい。連鎖移動可能な成分の合計含有量は、トリオキサンに対して100質量ppm以下であることが好ましく、より好ましくは50質量ppm以下であり、最も好ましくは30質量ppm以下である。これら連鎖移動可能な成分量が前記範囲である時、熱安定性に優れたポリアセタール共重合体を製造することができる傾向にある。
〔環状エーテルおよび/または環状ホルマール〕
本実施の形態に用いる環状エーテルおよび/または環状ホルマールは、トリオキサンと共重合可能な成分である。具体的には、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピクルロルヒドリン、エピブロモヒドリン、スチレンオキサイド、オキサタン、1,3−ジオキソラン、エチレングリコールホルマール、プロピレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−ペンタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオールホルマール等を挙げることができる。これら環状エーテルおよび/または環状ホルマールの中でも、1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオールホルマールが好ましい。これら環状エーテルおよび/または環状ホルマールの添加量は、トリオキサン1molに対して0.001〜0.2molの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.15molであり、さらに好ましくは0.01〜0.1molであり、最も好ましくは0.001〜0.05molである。環状エーテルおよび/または環状ホルマールの添加量が前記範囲にある時、長期耐久性に優れたポリアセタール共重合体を製造することができる傾向にある。
〔パーフルオロアルキルスルホン酸〕
本実施の形態のポリアセタール共重合体の製造方法において、重合触媒としては、パーフルオロアルキルスルホン酸を用いる。
パーフルオロアルキルスルホン酸としては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタスルホン酸、パーフルオロヘプタンスルホン酸等、およびこれらの無水物が挙げられる。これらの無水物の具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、ペンタフルオロエタンスルホン酸無水物、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸無水物、ノナフルオロブタンスルホン酸無水物、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸無水物、パーフルオロヘプタンスルホン酸無水物等が挙げられる。これらパーフルオロアルキルスルホン酸の中でも、トリフルオロメタンスルホン酸が好ましい。
パーフルオロアルキルスルホン酸の重合反応機へのフィード量は、トリオキサン1molに対して、好ましくは1×10-8〜50×10-8molの範囲であり、より好ましくは1×10-8〜30×10-8molの範囲であり、最も好ましくは1×10-8〜10×10-8molの範囲である。パーフルオロアルキルスルホン酸の重合反応機へのフィード量が前記範囲にある時、ポリマー中に残存する触媒によるポリアセタール共重合体の熱分解を抑えることができ、熱的に安定なポリアセタール共重合体を製造することができる傾向にある。
〔パーフルオロアルキルスルホン酸の重合反応機への供給方法〕
本実施の形態に用いるパーフルオロアルキルスルホン酸は、水および有機溶媒で希釈した混合物(希釈混合物(I))として重合反応機にフィードする。
具体的には、まず、パーフルオロアルキルスルホン酸を、水および有機溶媒で希釈混合して希釈混合物(I)を調製する。次に、得られた希釈混合物(I)を、トリオキサンと環状エーテルおよび/または環状ホルマールと接触または混合することなく重合反応機にフィードすることにより添加する。希釈混合物(I)中のパーフルオロアルキルスルホン酸の濃度は、有機溶媒1リットルに対して、好ましくは、1×10-5〜100×10-5molの範囲であり、より好ましくは、1×10-5〜50×10-5molの範囲であり、最も好ましくは1×10-5〜30×10-5molの範囲である。希釈混合物(I)中のパーフルオロアルキルスルホン酸の濃度が前記範囲にある時、長期耐久性と熱安定性に優れたポリアセタール共重合体を、高重合収率で且つ安定に連続生産することができる傾向にある。
希釈混合物(I)を構成する有機溶媒は、水酸基を有さない炭化水素化合物であることが好ましい。当該炭化水素化合物の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、クロロホルム、ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル化合物が挙げられる。上記炭化水素化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。なお、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソランのような環状エーテル化合物ならびにシクロへキサンなどの環状炭化水素(本実施の形態において「環状炭化水素化合物」という。)は、本実施の形態に用いる有機溶媒としての炭化水素化合物には含まない。
上記炭化水素化合物の中でも、分子量150〜500で、かつ水酸基を有さない炭化水素化合物であることが好ましい。このような炭化水素化合物としては、例えば、アルキレングリコールのユニット数(n)が1〜10のジアルキルエーテル化合物が挙げられる。具体的には、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラメチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテルであり、最も好ましいジアルキルエーテル化合物は、トリエチレングリコールジメチルエーテルである。アルキレングリコールのユニット数(n)が10を超えるジアルキルエーテル化合物を有機溶媒に使用すると、粘性が高くなり、重合触媒を安定的に、且つ定量的にフィードすることが困難となる。重合安定性を高めるためには、有機溶媒として、分子量が150〜500で、アルキレングリコールのユニット数(n)が1〜10のジアルキルエーテル化合物を用いることが好ましい。上述の有機溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
本実施の形態の最も重要な点は、パーフルオロアルキルスルホン酸と有機溶媒とからなる混合物に、さらに特定量の水を添加して希釈混合物(I)を調製する点である。パーフルオロアルキルスルホン酸は特定量の水を添加することにより、安定してプロトンを解離することが可能な状態となると考えられる。そして、このような状態のパーフルオロアルキルスルホン酸を重合反応機にフィードして、トリオキサンと、環状エーテルおよび/または環状ホルマールとを共重合させることにより、高重合収率で且つ長時間安定してポリアセタール共重合体を連続生産することができると考えられる。
希釈混合物(I)における水分量は、0.01〜50ppmの範囲であり、好ましくは、0.01〜30ppmであり、最も好ましくは0.01〜10ppmの範囲である。
本実施の形態に用いる希釈混合物(I)の調製方法としては、例えば、トリフルオロアルキルスルホン酸を有機溶媒で希釈混合し、その後、上述した所定量の水分量となるように水を添加し、希釈混合物(I)を調製する方法が挙げられる。希釈混合物(I)に含まれている水分量は、カールフィッシャー等の水分測定装置を用いて定量することができる。希釈混合物(I)に含まれる水分量を前記範囲に調整することにより、ポリアセタール共重合体を、高重合収率で且つ安定に連続生産することが可能になる。
パーフルオロアルキルスルホン酸および希釈する有機溶媒中に含まれる水分量が多く、希釈混合物(I)に含まれている水分量が前記範囲から外れる場合は、パーフルオロアルキルスルホン酸および有機溶媒に含まれる水分量を調整する必要がある。パーフルオロアルキルスルホン酸に含まれる水分量は、例えば、五酸化ニリンを添加しパーフルオロアルキルスルホン酸を脱水縮合することにより調整することができる。一方、有機溶媒に含まれる水分量は、例えば、ゼオライト等の脱水剤を用いて調整することができる。このようにして希釈混合物(I)に含まれる水分量を調整することができる。
ポリアセタール共重合体の重合方法は、特に限定されず、スラリー法、塊状法、メルト法のいずれの方法でもよい。また使用する重合反応機の形状(構造)も特に制限するものではないが、一般的には、ジャケットに熱媒を通すことのできる2軸のパドル式やスクリュー式の攪拌混合型重合装置が一般的には好適に使用できる。
重合反応温度は、63〜135℃の範囲に保つことが好ましい。より好ましくは70〜120℃の範囲であり、最も好ましくは70〜100℃の範囲である。
重合反応機内の滞留(反応)時間は、好ましくは0.1〜30分であり、より好ましくは0.1〜25分であり、最も好ましくは、0.1〜20分である。重合反応温度および重合反応機内の滞留時間を上記の範囲に調整することにより、長期耐久性に優れ、且つ熱的に不安定末端基量が少ない共重合ポリマーを高重合収率で且つ安定に連続生産することができる傾向にある。
重合触媒の失活方法は、従来から提案されている方法により失活化することが可能である。例えば、アンモニア、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等のアミン類、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、無機塩類、有機酸塩等の少なくとも1種以上の失活剤水溶液に、重合反応機から出た末端安定化していない粗ポリアセタール共重合体を投入し、スラリー状態で数分〜数時間、室温〜100℃以下の範囲で連続攪拌しながら重合触媒を失活化することができる。失活化に際しては、末端安定化していない粗ポリアセタール共重合体を粉砕し微細化することにより失活化し易くなり好ましい。
以下、実施例および比較例にて、本発明を具体的に説明する。本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
なお、実施例および比較例中の用語および測定法は以下の通りである。
(A)重合触媒
・CAT−1:トリフルオロメタンスルホン酸
・CAT−2:三フッ化硼素ジブチルエーテル
(B)重合触媒の希釈用有機溶媒
・SOL−3:トリエチレングリコールジメチルエーテル(分子量:178)
・SOL−4:1,3−ジオキソラン(分子量:74)
・SOL−5:シクロへキサン(分子量:84)
・SOL−6:1,4−ジオキサン(分子量:88)
(C)希釈混合物(I)の調製と種類
表1および2に示すとおり、前記の重合触媒に有機溶媒を加えて希釈混合し、更に所定量の水分濃度になるように水を追加混合し、希釈混合物(I)を調製した。得られた希釈混合物(I)に含まれる水分量は、カールフィッシャー法により定量した。
(D)重合収率
重合反応機から排出された末端安定化していない粗ポリアセタール共重合体の単位時間当たりの排出量を計量し、この計量値を重合反応機にフィードした全モノマーの単位時間当たりの量で割り返して重合収率を求めた。
(E)粗ポリアセタール共重合体中に存在する重合触媒の失活および末端安定化方法
重合反応機から排出した末端安定化していない粗ポリアセタール共重合体を、トリエチルアミン水溶液(1質量%)に投入し、室温条件下で2時間攪拌し中和失活した。この時のトリエチルアミン水溶液中の粗ポリアセタール共重合体濃度を25質量%とした。その後、遠心分離機でトリエチルアミン水溶液と粗ポリアセタール共重合体とを分離した。その後、粗ポリアセタール共重合体について、トリエチルアミン臭が無くなるまで水洗除去を繰り返した。トリエチルアミン臭を感じなくなった後、粗ポリアセタール共重合体を、80℃の温度で−700mmHg以下の減圧度で減圧乾燥した。乾燥時間は5時間とした。乾燥後、酸化防止剤(チバカイギー社製、Irganox245)を粗ポリアセタール共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、ベンチ付き2軸押出し機(押出し温度:205℃)を用いて、粗ポリアセタール共重合体の不安定末端基の除去を行った。この時の末端安定化処理剤として、2質量%のトリエチルアミン水溶液を、末端安定化していない粗ポリアセタール共重合体100質量部に対して、1質量部添加した。押出し機ベンチ減圧度は、−700mmHgとした。
[実施例1]
重合反応機として、80℃に設定した同方向回転の2軸型パドル式連続重合反応機(径2B、L/D=14.8)を用いた。当該重合反応機に、トリオキサン(水分濃度;4ppm、ギ酸濃度;5ppm、以下「TOX」とも記す。)を2000g/hrの割合でフィードした。また、トリオキサン1molに対して0.045molの3−ジオキソラン(以下「DOL」とも記す。)を重合反応機にフィードした。さらに、トリオキサン1molに対して1.5×10-3molのメチラール(分子量調節剤)を重合反応機にフィードした。そして、表1に示す割合で調製した希釈混合物(I)を、重合反応機に連続供給し重合を開始した。重合条件を表1に示す。トリオキサン、1,3−ジオキソランおよびメチラールの原料モノマーと、希釈混合物(I)とは、重合反応機内に設置したパドル部に達するまで互いに接触することがないように別々のラインで供給した。重合開始から2時間後、最初の重合収率を測定した。その後、2時間毎に重合収率を測定し、重合収率の推移(変動幅:最大収率−最小収率の差)を計算し求めた。重合時間は100時間、連続重合した。評価結果を表3に示す。
[実施例2〜5]
希釈混合物(I)中の水分量を表1に示すとおり変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表3に示す。
[比較例1〜3]
有機溶媒の種類および希釈混合物(I)中の水分量を表2に示すとおり変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表3に示す。
[比較例4および5]
希釈混合物(I)中の水分量を表2に示すとおり変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表3示す。
[比較例6および7]
希釈混合物(I)中の水分量および重合触媒フィード量を表2に示すとおり変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表3示す。
[比較例8および9]
希釈混合物(I)中の水分量および重合触媒の濃度を表2に示すとおり変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表3示す。
[比較例10]
希釈混合物(I)中の水分量およびトリオキサン中の水およびギ酸の含有量を表2に示すとおり変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表3示す。
[比較例11]
希釈混合物(I)中の水分量、有機溶媒の種類および重合触媒の種類を表2に示すとおり変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表3に示す。
Figure 0005546006
Figure 0005546006
Figure 0005546006
本発明は、トリオキサンと環状エーテルおよび/または環状ホルマールとを共重合してポリアセタール共重合体を製造する方法において、高重合収率で且つ長期間安定してポリアセタール共重合体を連続生産することができるので、産業上有用である。

Claims (3)

  1. トリオキサンと、環状エーテルおよび/または環状ホルマールとを共重合させることによりポリアセタール共重合体を製造する方法において、
    重合触媒として、パーフルオロアルキルスルホン酸を用い、
    パーフルオロアルキルスルホン酸を、水および有機溶媒で希釈した混合物(希釈混合物(I))として重合反応機にフィードする工程を含み、
    前記希釈混合物(I)における水分量が0.01〜50ppmであり、
    前記希釈混合物(I)における有機溶媒が、分子量150〜500で、かつ水酸基を有さない炭化水素化合物(ただし、環状炭化水素化合物を除く)である、ポリアセタール共重合体の製造方法。
  2. 前記パーフルオロアルキルスルホン酸の重合反応機へのフィード量が、トリオキサン1molに対して、1×10-8〜50×10-8molの範囲である、請求項1に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
  3. 前記希釈混合物(I)中のパーフルオロアルキルスルホン酸の濃度が、有機溶媒1リットルに対して、1×10-5〜100×10-5molの範囲である、請求項1または2に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
JP2010261228A 2010-11-24 2010-11-24 ポリアセタール共重合体の製造方法 Active JP5546006B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010261228A JP5546006B2 (ja) 2010-11-24 2010-11-24 ポリアセタール共重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010261228A JP5546006B2 (ja) 2010-11-24 2010-11-24 ポリアセタール共重合体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012111830A JP2012111830A (ja) 2012-06-14
JP5546006B2 true JP5546006B2 (ja) 2014-07-09

Family

ID=46496412

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010261228A Active JP5546006B2 (ja) 2010-11-24 2010-11-24 ポリアセタール共重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5546006B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014191348A1 (de) 2013-05-29 2014-12-04 Basf Se Verfahren zur herstellung von polyoxymethylen
WO2024181258A1 (ja) * 2023-02-28 2024-09-06 三菱瓦斯化学株式会社 カチオン性重合開始剤組成物、並びにこれを用いたオキシメチレン共重合体および成形品の製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3160678B2 (ja) * 1990-10-05 2001-04-25 旭化成株式会社 ポリオキシメチレン共重合体及びその製法
JP3598187B2 (ja) * 1996-12-25 2004-12-08 ポリプラスチックス株式会社 ポリアセタール重合体又は共重合体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012111830A (ja) 2012-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6438270B2 (ja) ポリアセタール共重合体の製造方法
TW201434886A (zh) 聚縮醛共聚合物的製造方法
CN106905499B (zh) 聚缩醛共聚物的制造方法
JP5546006B2 (ja) ポリアセタール共重合体の製造方法
CN104072710B (zh) 聚缩醛共聚物的制造方法
JP2011137087A (ja) ポリアセタール共重合体の製造方法
JP5908775B2 (ja) ポリアセタール共重合体の製造方法
JP5424985B2 (ja) 変性ポリアセタール共重合体の製造方法
CN115894829A (zh) 聚缩醛树脂的制造方法
JP6034572B2 (ja) ポリアセタール共重合体の製造方法
JP6034571B2 (ja) ポリアセタール共重合体の製造方法
EP3536724A1 (en) Method for producing oxymethylene copolymer
JP6040115B2 (ja) ポリアセタール共重合体の製造方法
JP2014095000A (ja) ポリアセタール共重合体の製造方法
JP2012251076A (ja) ポリアセタール共重合体の製造方法
JP6853737B2 (ja) ポリアセタールコポリマーの製造方法
JP5829569B2 (ja) ポリアセタール共重合体の製造方法
JP7420611B2 (ja) ポリアセタールの製造方法
CN111344322B (zh) 氧亚甲基共聚物的制造方法
CN115232434B (zh) 聚甲醛树脂组合物
JP2022121962A (ja) オキシメチレン重合体の製造方法
WO2024190609A1 (ja) ポリアセタール共重合体の製造方法
JP5403234B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
WO2024190612A1 (ja) ポリアセタール共重合体の製造方法
JP2014094999A (ja) ポリアセタール共重合体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130719

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140220

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140416

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140507

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140512

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5546006

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350