JP3598187B2 - ポリアセタール重合体又は共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリアセタール重合体又は共重合体の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアセタール重合体又は共重合体(これらを総称して(共)重合体と記す)の製造方法に関する。詳しくはトリオキサンを主モノマーとし、場合によりこれと共重合し得るコモノマーとの(共)重合において、新規の重合触媒として、パーフルオロアルキルスルホン酸の希土類金属塩を用いることを特徴とする、高収率で、熱安定性等の品質に優れたポリアセタール共重合体を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリアタセール(共)重合体の製造法としては、トリオキサンを主モノマーとし、場合により少なくとも一つの隣接炭素間結合を有する環状エーテルまたは環状ホルマールをコモノマーとするカチオン(共)重合が知られており、これらの(共)重合に用いるカチオン重合触媒としては、ルイス酸、殊にホウ素、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモンのハロゲン化物、例えば、三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五塩化リン、五フッ化リン、五フッ化ヒ素及び五フッ化アンチモン、及びその錯化合物または塩の如き化合物、プロトン酸、例えばパーフルオロアルキルスルホン酸、パークロル酸、プロトン酸のエステル、無水物、或いはイオンペア触媒、例えばトリメチルオキソニウムヘキサフルオルホスファート、トリフェニルメチルヘキサフルオルアルゼナート、アセチルヘキサフルオルホスファート及びアセチルヘキサフルオルアルゼナート等が知られている。更に、ヘテロポリ酸、イソポリ酸及びこれらの酸性塩も提案されている。
中でも三フッ化ホウ素、或いは三フッ化ホウ素と有機化合物、例えばエーテル類との配位化合物は、トリオキサンを主モノマーとする(共)重合触媒として最も一般的であり、工業的にも広く用いられている。
しかるに一般に、上記の如き公知の触媒で得られた粗(共)重合体は、重合反応と分解反応とが競合して生じるため重合収率、重合度等に限界があり、又共重合の場合にも分子末端に多量の熱的に不安定な部分を有するので、これを実用に供するためには不安定部分を除去し安定化しなくてはならない。このため、複雑な後処理工程を必要とし、その処理に多量のエネルギーを消費して、経済的に有利とは言い難い。重合反応によって直接得られる粗共重合体が不安定部分の少ないものであれば、最終製品の安定も優れたものとなり、また後処理工程を簡略化できる等の利点が存在し、重合時の不安定部分の少ない粗共重合体を得る方法が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる現状に鑑み、高い重合収率で必要に応じて高分子量の(共)重合体が得られ、特に共重合体の場合は不安定部分の少ない高品質のポリアセタール粗重合体を得、シンプルなプロセスで熱的に極めて安定なポリアセタール共重合体を製造することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を達成すべく重合触媒の種類に関し鋭意検討の結果、トリオキサンの重合触媒としては従来未知で、その使用が全く提案されていなかったパーフルオロアルキルスルホン酸の希土類金属塩の使用が極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、トリオキサン、又はトリオキサンを主モノマーとしこれと共重合し得るコモノマーとの重合又は共重合によってポリアセタール(共)重合体を製造するにあたり、重合触媒としてパーフルオロアルキルスルホン酸の希土類金属塩を使用して(共)重合を行なうことを特徴とするポリアセタール(共)重合体の製造方法に関するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき詳しく説明する。
先ず、本発明の特徴は、(共)重合触媒としパーフルオロアルキルスルホン酸の希土類金属塩を使用することにある。
この触媒を構成する酸成分のパーフルオロアルキルスルホン酸は、具体的な例としてトリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸等を挙げることができる。中でもトリフルオロメタンスルホン酸である場合(トリフラート)が重合活性の点で最も好ましい。
一方、本発明の触媒を構成する希土類金属とは、周知の如く原子構造上、f殻の電子が満たされていない元素で、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム) 及び原子番号57〜71の所謂ランタノイド元素を総称し、具体的にはSc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、Ce(セリウム)、Pr(プラセオジム)、Nd(ネオジム) 、Pm(プロメチウム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユウロビウム)、Gd(ガドリニウム)、Tb(テルビウム)、Dy(ジスプロシウム)、Ho(ホルミウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)、Lu(ルテチウム)が挙げられ、中でもSc、Y 、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Yb、Luから選ばれた少なくとも一種であることが好ましい。
かかる本発明のパーフルオロアルキルスルホン酸の希土類金属塩触媒は、上記のパーフルオロアルキルスルホン酸類、例えばトリフルオロメタンスルホン酸等と、希土類金属の酸化物、水酸化物等を加熱処理することによって得られる。
この物質は、ルイス酸触媒としてDiels−Alder 反応やFriedel−Crafts反応などに用いられることが知られているのみで、トリオキサン(共)重合の触媒としては、従来全く知られていなかったが、本発明者らの検討によれば、トリオキサンを主体とするモノマーの(共)重合触媒として極めて高い重合活性を有し、従って極めて少量にて高収率、高重合度の(共)重合体を得ることが出来る。即ち、従来一般にトリオキサンの(共)重合に広く用いられている三弗化ホウ素系の触媒では全モノマーに対し少なくとも3×10−3モル%以上の触媒量を必要としこれ以下では重合に極めて長時間を要し、最終重合収率も低いのに対し、本発明のパーフルオロアルキルスルホン酸の希土類金属塩触媒によれば全モノマーに対し2×10−6〜1×10−4モル%でも充分短時間に高収率が得られ、しかも触媒自体の特性と少量使用とが相まって、分解反応が相対的に低いため高重合度が得られ、又共重合に於ては不安定末端部の少ない粗重合体が得られ、更に従来の触媒によるトリオキサン等の(共)重合反応では水などの微量の不純物の存在が極めて有害であるが、本発明の触媒によれば水などの微量不純物の存在による悪影響が緩和される傾向にありモノマーの精製度の点でも有利である。
本発明の(共)重合反応において使用する触媒の量は特に限定するものではなく、重合温度、時間、モノマー純度、触媒種類等によって当然適正量が異なるが、一般には全モノマーに対し1×10−6〜5×10−3モル%の範囲であり、好ましくは2×10−6〜3×10−4モル%、更には前述の如く、2×10−6〜1×10−4モル%でも可能であり好適である。
上記触媒は、重合に悪影響のない溶剤で希釈してモノマーに添加するのが反応を均一に行なう上で望ましく、希釈剤としては、エーテル類例えばジ−n−ブチルエーテル、1,4 −ジオキサン、ジグライム、エステル類例えば酢酸ブチル、アルキルハロゲン化物例えばジクロロメタン、ジクロロエタン等の如き極性溶媒が適当であるが、これに限定するものではなく、共重合の場合にはコモノマーの一部或いは全部を触媒の希釈剤として兼用し、予めコモノマーに溶解した液をトリオキサンに添加する方法も好ましい添加法であるが、この場合は添加前にコモノマー自体の重合が生じないよう添加直前まで出来るだけ低温に保つか、稀釈後速やかにトリオキサンに添加することが望ましい。
【0006】
本発明の(共)重合の対象となる原料モノマーはホルムアルデヒドの環状三量体であるトリオキサンを主体とするものであり、トリオキサン単独による場合はホモポリマーが得られ、又トリオキサンと共重合可能なコモノマーを併用することによってコポリマーが得られる。コモノマーとしては従来のトリオキサンとの共重合に用いられる少なくとも一つの隣接炭素間結合を有する公知のコモノマーが何れも使用可能である。
例えば、1,3 −ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4 −ブタンジオールホルマール、1,3 −ジオキサン、エチレンオキサイド、プロピレンオキシド、エピクロルヒドリン等の環状ホルマール又は環状エーテルが挙げられる。更に、ビニル化合物、例えばスチレン、或いは環状エステル、例えばβ−プロピオラクトン等も使用される。また、共重合体が分岐状又は架橋状分子構造を形成するためのコモノマーとして、アルキレン−ジグリシジルエーテルまたはジホルマールの如き2つ以上の環状エーテル基又は環状ホルマール基を有する化合物、例えばブタンジオールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジメチリデングリセリルエーテル等を用いることもできる。
かかるコモノマーは少なくとも一種、又は目的に応じて2種以上を併用してもよい。特にコモノマーとしては、1,3 −ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4 −ブタンジオールホルマール、エチレンオキシド等の環状ホルマール或いは環状エーテルが好ましい。本発明に用いるコモノマー量はトリオキサンに対して、20モル%以下であり、好ましくは 0.2〜10モル%である。コモノマーの量が多い程、生成ポリマーの熱安定性には有利であるが、過大になると生成共重合体が軟質となり融点の低下を生じて好ましくない。
【0007】
尚、本発明の重合法において、更に目的に応じて重合度を調節するための公知の連鎖移動剤、例えばメチラールの如き低分子量の線状アセタール等を添加することも可能である。また重合に影響しない程度の立体障害性フェノール系の酸化防止剤を存在させてもよい。又、重合系(モノマー等)は活性水素を有する不純物例えばギ酸、水等が実質的に存在しないに越したことはないが、水等の存在による悪影響は前記の如く従来の触媒に比して低減される特徴を有し、経済的見地からモノマーの精製を緩和する可能性もある。
【0008】
本発明の重合法は、従来公知のトリオキサンの重合又は共重合と同様の設備と方法で行なうことができる。即ち、バッチ式、連続式、何れも可能であり、液体モノマーを用い、重合の進行と共に固体粉塊状のポリマーを得る方法が経済的であり一般的である。
本発明に用いられる重合装置としては、バッチ式では一般に用いられる攪拌機付の反応槽が使用出来、又、連続式としては、コニーダー、2軸スクリュー式連続押出混合機、二軸パドルタイプの連続混合機、その他、これまでに提案されているトリオキサン等の連続重合装置が使用可能であり、また2種以上のタイプの重合機を組み合わせて使用することもできる。
重合温度は、重合方式、使用触媒の種類、量等により特に限定はないが、一般に用いられる塊状重合法を採用するならば、60〜120 ℃、好ましくは65〜110 ℃の温度範囲で行われる。また、重合時間は触媒量、重合温度等とも関係し、特に制限はないが、一般には 0.5〜100 分の重合時間が選ばれ、特に1〜15分とするのが好ましい。
【0009】
(共)重合を終了した反応生成物は次に触媒の失活剤を加えて触媒の失活処理を行う。失活剤としては従来公知のカチオン性触媒の場合と同様、各種の塩基性化合物が有効であり、例えばアンモニア、各種のアミン化合物、或いはアルカリ又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、有機酸塩又無機酸塩、三価のリン化合物等が挙げられ、これらの二種以上を併用することも好ましい方法である。
アミン化合物としては、一級、二級、三級の脂肪族アミンや芳香族アミン、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン及びこれらに対応するアルコールアミン(例えばトリエタノールアミンなど)、更にアニリン、ジフェニルアミン、ヘテロ環アミン、ヒンダードアミン(各種ピペリジン誘導体)などがあげられる。
又、アルカリ又はアルカリ土類金属化合物としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、ケイ酸塩などの無機弱酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、テレフタル酸塩、イソフタル酸塩、フタル酸塩、脂肪酸塩などの有機酸塩、メトキシド、エトキシド、n−ブトキシド、sec −ブトキシド、tert−ブトキシド等のアルコキシド、フェノキシド等が挙げられるが、なかでも水酸化物、炭酸塩、脂肪酸塩が好ましく用いられる。ここで、アルカリ金属又はアルカリ土類金属成分としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が挙げられるが、そのうちリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムが好ましく用いられる。具体的には水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ヒドロキシステアリン酸カルシウム等が特に好ましい。
【0010】
触媒失活の方法は、勿論上記失活剤を含む大量の溶液を反応生成物に加える方法も可能であり、本発明の効果は発揮され、高重合収率で、高品質の粗ポリマーを得ることができるが、本発明の重合触媒を使用することによって、比較的短い重合時間で、モノマーの転化率が高くなり、従って、未反応モノマー量を極めて少量(例えば5重量%以下)、まで低減可能となり、生成粗重合体の洗浄やモノマー回収等を行うことなく、以下の如く、少量の失活剤で触媒失活処理を行い、そのまま次の安定化処理に移行することも出来る。
即ち本発明の触媒の失活処理は、(共)重合生成物を塩基性ガスと接触させるか、塩基性化合物を含む少量(例えば生成重合体に対し7重量%以下、更には5重量%以下)の溶液を添加混合処理することによっても達成される。
【0011】
ガス状の失活剤を用いる場合は、失活剤としてアンモニア或は比較的低沸点のアミン類を用い、これらの単独ガス或はチッ素ガスなどの不活性ガスで稀釈してガス状で生成重合体と接触させることによって失活が行われる。
又、失活剤として前記各種の塩基性化合物を少量の水または有機溶剤中に溶解又は分散させた失活剤溶液として添加するのが好ましい。この場合、失活剤溶液の添加量は、生成粗重合体に対し 0.3〜7重量%、好ましくは 0.5〜5重量%である。このような少量でも本発明に使用する重合触媒の特性と相まって、粗重合体とよく攪拌混合することによって、触媒を充分失活させることができる。
何れの場合も触媒の失活処理は粗重合体が微細な粉粒体であることが好ましく、このためには重合反応機が塊状重合物を充分粉砕する機能を有するものが好ましく、又、重合後の反応物を別に粉砕機を用いて粉砕した後に失活剤を加えてもよく、更に失活剤の存在下で粉砕と攪拌を同時に行なってもよい。
失活処理における粗重合体の粒度は少なくともその90%以上が3mm以下であることが好ましく、更に2mm以下、特に好ましくは1mm以下の粒度であることが好ましい。
失活処理温度は0〜140 ℃であり、好ましくは20〜120 ℃である。
【0012】
かくて得られた(共)重合体は、一般には更に安定化処理に供される。安定化処理はホモポリマーであれば、末端をエステル化或いはエーテル化、ウレタン化等によって封鎖し、又共重合体であれば加熱溶融処理、或いは不溶性又は可溶性の液体媒体中で加熱し、不安定部分を選択的に分解し除去することによって達成される。特に共重合体の場合は従来法に比べて、重合終了段階での不安定部が少ないので安定化は極めて簡略化することが出来、残存モノマーの低減(重合収率の向上)も可能であるので、失活処理後、そのまま要すれば公知の安定剤等を加えてベント式押出機等により溶融処理してペレット化し製品とすることも出来る。
【0013】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものでないことは勿論である。尚、実施例及び比較例中の測定法は次の通りである。
・重合収率:
重合反応後の取得生成物を失活剤溶液で洗浄後、乾燥して、その(共)重合体の供給全モノマーに対する重量%で示す。
・メルトインデックス(MI):
190 ℃で測定したメルトインデックス(g/10min)を示す。これは、分子量に対応する特性値として評価した。即ちMIが低い程分子量が高い。(但し、測定時の分解を防ぐため、一定の安定剤(チバガイギー社、イルガノックス1010(1%)及びメラミン(0.1 %))を添加し、よく混合して測定。
・アルカリ分解率(不安定部分の存在量):
共重合体1gを 0.5%のアンモニアを含む50%メタノール水溶液 100mlに入れ、密閉容器中で 180℃、45分間加熱した後、液中に分解溶出したホルムアルデヒドの量を定量分析し、共重合体に対する重量%で示す。
・加熱重量減少率
共重合物5gに所定の安定剤粉末(前記と同じ)をよく混合し、空気中で 220℃、45分間加熱した場合の重量減少率(重量%)を示す。
【0014】
実施例1〜10、比較例1〜3
熱媒を通すことのできるジャケットと、攪拌混合粉砕機能を有する密閉オートクレーブ中に所定量のトリオキサン(水分30ppm)を入れ、攪拌し、ジャケットに70℃の温水を通して内部温度を約70℃に保った後、表1に示す触媒を酢酸ブチルに溶解した溶液として添加し、表1に示す触媒濃度(対モノマー)として重合を開始した。5分後にこのオートクレーブへトリブチルアミン 0.1%水溶液を全モノマーの2倍量加え、この混合液を取り出して、更に100 メッシュ以下に粉砕して反応を停止させ、次いで脱水、アセトン洗浄し、乾燥後重合収率及びMIを測定した。結果を表1に示す。
尚、比較のため、触媒として三フッ化ホウ素ジブチルエーテラート、トリフルオロメタンスルホン酸を使用した場合についても同様に重合し評価した。結果を併せて表1に示す。
【0015】
実施例11〜19、比較例4〜5
前記と同様の反応機を用いて、同様の温度で共重合を行った。但し連鎖移動剤として 600ppm のメチラールを予めトリオキサンに溶解混合し、触媒は予め表2に示すコモノマーに0℃で溶解してこのコモノマーをトリオキサンに添加することによって(触媒量は表2に記載)共重合を開始した。
【0016】
次いで5分後にトリエチルアミンを 0.1%含む失活剤水溶液を加えて反応を停止し、前記同様に処理して重合収率及びMI、アルカリ分解率、加熱重量減少率を測定した。実験条件とその結果を表2に示す。
尚、比較のため触媒として三フッ化ホウ素エーテラート及びトリフルオロメタンスルホン酸についても同様に行った。
【0017】
【表1】
Figure 0003598187
【0018】
【表2】
Figure 0003598187
【0019】
【発明の効果】
前述の説明及び実施例にて明らかな如く、アセタール重合体又は共重合体の製造に於いて、本発明の触媒を用いる方法によれば、従来の方法と比較して、極めて低い触媒使用量で高重合収率が得られ、得られた重合体の分子量も高く、強靱な成形材料として好適である。更に共重合体の場合は、特に不安定部分の少ない重合体が得られ、後工程を経た最終製品の安定性にも優れたものが得られるのみならず、後処理安定化工程の簡略化も可能であって、経済的にも有利である。

Claims (5)

  1. トリオキサン、又はトリオキサンを主モノマーとしこれと共重合し得るコモノマーとの重合又は共重合によってポリアセタール(共)重合体を製造するにあたり、重合触媒としてパーフルオロアルキルスルホン酸の希土類金属塩を使用して(共)重合を行なうことを特徴とするポリアセタール(共)重合体の製造方法。
  2. 触媒のパーフルオロアルキルスルホン酸の希土類金属塩が、トリフルオロメタンスルホン酸の希土類金属塩(トリフラート)である請求項1記載のポリアセタール(共)重合体の製造方法。
  3. 触媒を構成する希土類金属が、Sc、Y 、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Yb、Luから選ばれた少なくとも一種である請求項1又は2記載のポリアセタール(共)重合体の製造方法。
  4. コモノマーが少なくとも一つの炭素間結合を有する環状エーテル又は環状ホルマールである請求項1〜3の何れか1項記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
  5. コモノマーが、1,3 −ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4 −ブタンジオールホルマール、エチレンオキサイドから選ばれた少なくとも一種の化合物である請求項1〜4の何れか1項記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
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