JP5952400B2 - 内燃機関の可変動弁装置及びその製造方法 - Google Patents

内燃機関の可変動弁装置及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関の機関弁である吸気弁や排気弁の開閉特性を制御する内燃機関の可変動弁装置に関する。
近時、電動モータの回転力を、減速機構を介して出力軸であるカムシャフトに伝達することにより、クランクシャフトから回転力が伝達されるスプロケットに対するカムシャフトの相対回転位相を変換して吸気弁や排気弁のバルブタイミングを制御する可変動弁装置が提供されている。
例えば、以下の特許文献1に記載された可変動弁装置にあっては、電動モータの回転力が入力される偏心軸と、前記スプロケットの内周側に形成されて内周に複数の内歯が形成された内歯構成部と、前記偏心軸と内歯との間に配置されて、該内歯より少ない数の複数のローラと、を備え、これらローラの周方向移動を規制する保持器から回転力を出力する減速機構が用いられている。
特開2011−231700号公報
しかしながら、前記公報記載の可変動弁装置は、前記減速機構の保持器に、バルブスプリングのばね力に起因してカムシャフトに発生する交番トルクが伝達されている。この交番トルクによって前記保持器に保持されている複数のローラが周方向へ移動しようとして前記各内歯を乗り上げてようとする比較的大きな荷重が発生する。
このため、前記内歯構成部の各内歯の歯先や両歯面(両歯側面)が摩耗して前記各ローラとの間にガタ(隙間)が生じて異音が発生するといった問題がある。
そこで、前記各内歯の歯先や両歯面のみの硬度を高くして摩耗を減少させることも考えられているが、これらの部位が硬すぎると、逆に前記各ローラが摩耗してしまうおそれがある。
本発明の目的は、保持器に交番トルクが作用したとしても内歯構成部の内歯とローラとの間の摩耗の発生を抑制することができる内燃機関の可変動弁装置を提供することを目的としている。
本願請求項1に記載の発明は、クランクシャフトから回転力が伝達され、内周に複数の内歯が形成された環状の内歯構成部を有する駆動回転体と、要求に応じて前記駆動回転体に対して相対回転するモータ出力軸を有する電動モータと、前記モータ出力軸に設けられ、外周面が回転中心に対して偏心した円筒状の偏心軸部と、前記各内歯と前記偏心軸部との間に複数配置され、前記内歯の歯数よりも少ない数のローラと、カムシャフトと一体に回転するように設けられ、それぞれの前記ローラの前記偏心軸部に対する径方向移動を許容し、周方向の移動を規制する従動回転体と、を備え、前記内歯構成部は、前記内歯の歯先から歯面までの硬度よりも歯底の部位の硬度が小さく設定されていることを特徴としている。
この発明によれば、たとえ、保持器に交番トルクが作用したとしても内歯構成部の各内歯と各ローラとの間の摩耗の発生を十分に抑制することが可能になる。
本発明に係る可変動弁装置の一実施形態に供される内歯構成部の内歯とロータを示す要部拡大断面図である。 本発明に係る可変動弁装置の一実施形態を示す縦断面図である。 本実施形態における主要な構成部材を示す分解斜視図である。 図2のA−A線断面図である。 図2のB−B線断面図である。 図2のC−C線断面図である。 本実施形態のギア部と内歯に対するレーザ焼き付けによる表面深さと硬さの関係を示すグラフである。
以下、本発明に係る内燃機関の可変動弁装置の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態では、内燃機関の吸気側の動弁装置に適用したものであるが、排気側の動弁装置に同様に適用することも可能である。
この可変動弁装置は、図2及び図3に示すように、内燃機関のクランクシャフトによって回転駆動する駆動回転体であるタイミングスプロケット1と、シリンダヘッド上に図外の軸受を介して回転自在に支持され、前記タイミングスプロケット1から伝達された回転力によって回転するカムシャフト2と、タイミングスプロケット1の前方位置に配置された図外のチェーンカバーに固定されたカバー部材3と、タイミングスプロケット1とカムシャフト2の間に配置されて、機関運転状態に応じて両者1,2の相対回転位相を変更する位相変更機構4と、を備えている。
前記タイミングスプロケット1は、全体が鉄系金属によって環状一体に形成され、内周面が段差径状のスプロケット本体1aと、該スプロケット本体1aの外周に一体に設けられて、巻回された図外のタイミングチェーンを介してクランクシャフトからの回転力を受けるギア部1bと、前記スプロケット本体1aの前端側に一体に設けられた内歯構成部19と、から構成されている。
前記ギア部1bは、外面がレーザ焼き付けによって表面処理されて、その有効硬化深さが約0.3〜1.5mmの範囲内に設定されている。
ここで、前記有効硬化深さを約0.3〜1.5mmに設定したのは、図7のグラフに示すように、内歯19aの歯先19bと両歯面19c、19cの硬度(ビッカース硬度)を約800HV〜500HV程度に設定するためである。
また、このタイミングスプロケット1は、スプロケット本体1aと前記カムシャフト2の前端部に設けられた後述する従動部材9との間に、軸受である1つの大径ボールベアリング43が介装されており、この大径ボールベアリング43によって、タイミングスプロケット1と前記カムシャフト2が相対回転自在に支持されている。
前記大径ボールベアリング43は、外輪43aと、内輪43b及び該両輪43a、43bの間に介装されたボール43cと、から構成されている。この大径ボールベアリング43は、前記外輪43aがスプロケット本体1aの内周側に固定されているのに対して内輪43bが後述する従動部材9の外周側に固定されている。
前記スプロケット本体1aは、内周側に、前記カムシャフト2側に開口した円環溝状の外輪固定部60が切欠形成されている。
この外輪固定部60は、段差径状に形成されて、前記大径ボールベアリング43の外輪43aが軸方向から圧入されると共に、該外輪43aの軸方向一方側の位置決めをするようになっている。
前記内歯構成部19は、前記スプロケット本体1aの前端部外周側に一体に設けられ、位相変更機構4の電動モータ12方向へ延出した円筒状に形成されていると共に、内周には、波形状の複数の内歯19aが形成されている。
この各内歯19aは、図1及び図4に示すように、円周方向に等間隔で連続的に複数形成されて、山形状の歯先19bと該歯先19bから両側に連なる両歯面19c、19cと、該両歯面19c、19c間の歯底面19dとから構成されている。
また、前記内歯構成部19は、前記ギア部1bと同様に、前記各内歯19aの歯先19bと両歯面19c、19cにレーザ焼き入れ処理が施されて、これらの部位が各歯底面19d側の部位よりも硬度が高く形成されている。
すなわち、前記各歯先19bと両歯面19c、19cとは、レーザ焼き入れによる表面処理によってその有効硬化深さが約0.3〜1.5mmの範囲に設定されており、これらの部位以外の歯底面19dや後述する薄肉部位19eを含む内歯構成部19の外周部側は焼き入れ表面処理がなされていない。したがって、各歯先19bや両歯面19c、19cの硬度(ビッカース硬度)は、約800HV〜490HVになっているのに対して、前記各歯底面19dや内歯構成部19の外周部側では、通常の鉄系金属の硬さになっていて、比較的柔軟性のある硬度になっている。なお、前記ギア部1bと同じく、有効硬化深さを約0.3〜1.5mmに設定したのは、図7のグラフに示すように、内歯19aの歯先19bと両歯面19c、19cの硬度を約800HV〜500HV程度に設定するためである。
また、前記内歯構成部19の前端側には、電動モータ12の後述するハウジング5と一体の円環状の雌ねじ形成部6が対向配置されている。
さらに、スプロケット本体1aの内歯構成部19と反対側の後端部には、円環状の保持プレート61が配置されている。この保持プレート61は、金属板材によって一体に形成され、図2に示すように、外径が前記スプロケット本体1aの外径とほぼ同一に設定されていると共に、内径が前記大径ボールベアリング43の径方向のほぼ中央付近の径に設定されている。
したがって、保持プレート61の内周部61aは、前記外輪43aの軸方向の外端面43eに対して一定の隙間をもって覆うように対向配置されている。また、前記内周部61aの内周縁所定位置には、径方向内側、つまり中心軸方向に向かって突出したストッパ凸部61bが一体に設けられている。
このストッパ凸部61bは、図3及び図5に示すように、ほぼ扇状に形成されて、先端縁61cが後述するストッパ溝2bの円弧状内周面に沿った円弧状に形成されている。さらに、前記保持プレート61の外周部には、前記各ボルト7が挿通する6つのボルト挿通孔61dが周方向の等間隔位置に貫通形成されている。
さらに、前記保持プレート61の内面と該内面に対向する前記大径ボールベアリング43の外輪43aの外端面43eとの間には、円環状のスペーサ62が介装されている。このスペーサ62は、前記保持プレート61を前記各ボルト7によって共締め固定した際に、保持プレート61の内面から前記外輪43aの外端面43eへ僅かな押し付け力を付与するものであるが、この肉厚は外輪43aの外端面43eと保持プレート61との間に、外輪43aの軸方向移動許容範囲内の微小隙間が形成される程度の厚さに設定されている。
前記スプロケット本体1a(内歯構成部19)及び保持プレート61のそれぞれの外周部には、孔であるボルト挿通孔1c及びボルト挿通孔61dが周方向のほぼ等間隔位置に6つ貫通形成されている。また、前記雌ねじ形成部6には、各ボルト挿通孔1c、61dと対応した位置に6つの雌ねじ孔6aが形成されており、これらに挿通した6本のボルト7によって前記タイミングスプロケット1と保持プレート61及びハウジング5が軸方向から共締め固定されている。
なお、前記スプロケット本体1aと内歯構成部19が、後述する減速機構8のケーシングとして構成されている。
また、前記スプロケット本体1aと前記内歯構成部19、保持プレート61及び雌ねじ形成部6は、それぞれの外径がほぼ同一に設定されている。
前記カバー部材3は、アルミニウム合金材によってカップ状に一体に形成されて、前端部に形成された膨出部3aが前記ハウジング5の前端部を覆うように設けられていると共に、前記膨出部3aの外周部側には円筒壁3bが軸方向に沿って一体に形成されている。この円筒壁3bは、図2、図3にも示すように、内部に保持用孔3cが形成されて、この保持用孔3cの内周面が後述するブラシ保持体28のガイド面として構成されている。
また、カバー部材3は、図2に示すように、外周に形成されたフランジ部3dに6つのボルト挿通孔3eが貫通形成され、この各ボルト挿通孔3eに挿通された図外のボルトによって前記チェーンカバーに固定されている。
前記膨出部3aの外周側の段差部内周面と前記ハウジング5の外周面との間には、図2にも示すように、シール部材である大径なオイルシール50が介装されている。この大径オイルシール50は、横断面ほぼコ字形状に形成されて、合成ゴムの基材の内部に芯金が埋設されていると共に、外周側の円環状基部が前記カバー部材3の内周面に設けられた段差円環部3hに嵌着固定されている。
前記ハウジング5は、鉄系金属材をプレス成形によって有底筒状に形成された筒状部であるハウジング本体5aと、該ハウジング本体5aの前端開口を封止する合成樹脂の非磁性材からなる封止プレート11と、を備えている。
前記ハウジング本体5aは、後端側に円板状の底部5bを有し、該底部5bのほぼ中央に後述の偏心軸部39を挿通する大径な軸部挿通孔5cが形成されていると共に、該軸部挿通孔5cの孔縁には、カムシャフト2軸方向へ突出した円筒状の延出部5dが一体に設けられている。また、前記底部5bの前端面外周側には、前記雌ねじ形成部6が一体に設けられている。
前記カムシャフト2は、外周に図外の吸気弁を開作動させる一気筒当たり2つの駆動カムを有していると共に、前端部に前記フランジ部2aが一体に設けられている。
このフランジ部2aは、図2に示すように、外径が後述する従動部材9の固定端部9aの外径よりも僅かに大きく設定されて、各構成部品の組み付け後に、前端面2eの外周部が前記大径ボールベアリング43の内輪43bの軸方向外端面に当接配置されるようになっている。また、前端面2eが従動部材9に軸方向から当接した状態でカムボルト10によって軸方向から結合されている。
また、前記フランジ部2aの外周には、図5に示すように、前記保持プレート61のストッパ凸部61bが係入するストッパ凹溝2bが円周方向に沿って形成されている。このストッパ凹溝2bは、円周方向へ所定長さの円弧状に形成されて、この長さ範囲で回動したストッパ凸部61bの両端縁が周方向の対向縁2c、2dにそれぞれ当接することによって、タイミングスプロケット1に対するカムシャフト2の最大進角側あるいは最大遅角側の相対回転位置を規制するようになっている。
なお、前記ストッパ凸部61bは、前記保持プレート61の大径ボールベアリング43の外輪43aに軸方向外側から対向して固定する部位よりもカムシャフト2側に離間して配置されて、前記従動部材9の固定端部9aとは非接触状態になっている。したがって、ストッパ凸部61bと固定端部9aとの干渉を十分抑制できる。
前記ストッパ凸部61bとストッパ凹溝2bによってストッパ機構が構成されている。
前記カムボルト10は、図2に示すように、頭部10aの軸部10b側の端面に円環状のワッシャ部10cが配置されていると共に、軸部10bの外周に前記カムシャフト2の端部から内部軸方向に形成された雌ねじ部に螺着する雄ねじ部10dが形成されている。
前記従動部材9は、鉄系金属によって一体に形成され、図2に示すように、前端側に形成された円板状の固定端部9aと、該固定端部9aの内周前端面から軸方向へ突出した円筒部9bと、前記固定端部9aの外周部に一体に形成されて、複数のローラ48を保持する円筒状の保持器41とから構成されている。
前記固定端部9aは、後端面が前記カムシャフト2のフランジ部2aの前端面に当接配置されて、前記カムボルト10の軸力によってフランジ部2aに軸方向から圧接固定されている。
前記円筒部9bは、図2に示すように、中央に前記カムボルト10の軸部10bが挿通される挿通孔9dが貫通形成されていると共に、外周側にニードルベアリング38が設けられている。
前記保持器41は、図2〜図4に示すように、前記固定端部9aの外周部前端から断面ほぼL字形状に折曲されて、前記円筒部9bと同方向へ突出した有底円筒状に形成されている。この保持器41の筒状先端部41aは、前記雌ねじ形成部6と前記延出部5dとの間に形成された円環状の凹部である空間部44を介してハウジング5の底部5b方向へ延出している。また、前記先端部41aの周方向のほぼ等間隔位置に、前記複数のローラ48をそれぞれ転動自在に保持するローラ保持部であるほぼ長方形状の複数のローラ保持孔41bが周方向の等間隔位置に形成されている。このローラ保持孔41b(ローラ48)は、その全体の数が前記内歯構成部19の内歯19aの全体の歯数よりも1つ少なくなっている。
そして、前記固定端部9aの外周部と保持器41の底部側結合部との間には、前記大径ボールベアリング43の内輪43bを固定する内輪固定部63が切欠形成されている。
この内輪固定部63は、前記外輪固定部60と径方向から対向した段差状に切欠形成されて、カムシャフト軸方向に延びた円環状の外周面63aと、該外周面63aの前記開口と反対に一体に有し、径方向に沿って形成された第2固定段差面63bとから構成されている。前記外周面63aには、大径ボールベアリング43の内輪43bが軸方向から圧入されると共に、前記第2固定段差面63bには、圧入された前記内輪43bの内端面43fが当接して軸方向の位置決めがされるようになっている。
前記位相変更機構4は、前記カムシャフト2のほぼ同軸上前端側に配置されたアクチュエータである前記電動モータ12と、該電動モータ12の回転速度を減速してカムシャフト2に伝達する前記減速機構8と、から構成されている。
前記電動モータ12は、図2及び図3に示すように、ブラシ付きのDCモータであって、前記タイミングスプロケット1と一体に回転するヨークである前記ハウジング5と、該ハウジング5の内部に回転自在に設けられた中間回転体であるモータ出力軸13と、ハウジング5の内周面に固定されたステータである半円弧状の一対の永久磁石14,15と、前記封止プレート11に固定された固定子16と、を備えている。
前記モータ出力軸13は、段差円筒状に形成されてアーマチュアとして機能し、軸方向のほぼ中央位置に形成された段差部13cを介してカムシャフト2側の大径部13aと、ブラシ保持体28側の小径部13bとから構成されている。また、前記大径部13aの外周に鉄心ロータ17が固定されていると共に、該大径部13aの内部に偏心軸部39が軸方向から圧入固定されて、前記段差部13cの内面によって偏心軸部39の軸方向の位置決めがされるようになっている。一方、前記小径部13bの外周には、円環部材20が圧入固定されていると共に、該円環部材20の外周面にコミュテータ21が軸方向から圧入固定されて前記段差部13cの外面によって軸方向の位置決めがなされている。前記円環部材20は、その外径が前記大径部13aの外径とほぼ同一に設定されていると共に、軸方向の長さが小径部13bよりも僅かに短く設定されている。
そして、前記段差部13cの内外面によって前記偏心軸部39とコミュテータ21の両方の軸方向の位置決めができるので、組み付け作業が容易になると共に、位置決め精度が向上する。
前記鉄心ロータ17は、複数の磁極を持つ磁性材によって形成され、外周側が電磁コイル18のコイル線を巻回させるスロットを有するボビンとして構成されている。
一方、前記コミュテータ21は、導電材によって円環状に形成されて、前記鉄心ロータ17の極数と同数に分割された各セグメントに前記電磁コイル18の引き出されたコイル線の端末18cが電気的に接続されている。つまり、内周側に形成された折り返し部に、コイル線の端末18c先端を挟み込んで電気的に接続されるようになっている。
前記永久磁石14,15は、全体が円筒状に形成されて円周方向に複数の磁極を有していると共に、その軸方向の位置が前記鉄心ロータ17の固定位置よりも前方にオフセット配置されている。
具体的に説明すれば、前記永久磁石14,15は、図2に示すように、その軸方向の中心Pが前記鉄心ロータ17の軸方向の中心P1に対して所定の距離分だけ前方向、つまり、前記固定子16側にオフセット配置されている。
また、これによって、前記永久磁石14,15の前端部14a、15aが、径方向で前記コミュテータ21や固定子16の後述する第1ブラシ25a、25bなどとオーバーラップするように配置されている。
前記固定子16は、図6に示すように、前記封止プレート11の内周側に一体的に設けられた円板状の樹脂プレート22と、該樹脂プレート22の内側に設けられた一対の樹脂ホルダー23a、23bと、該各樹脂ホルダー23a、23bの内部に径方向に沿って摺動自在に収容配置されて、コイルスプリング24a、24bのばね力で各先端面が前記コミュテータ21の外周面に径方向から弾接する切換ブラシ(整流子)である一対の第1ブラシ25a、25bと、前記樹脂ホルダー23a、23bの前端面に、各外端面を露出した状態で埋設固定された内外二重の円環状のスリップリング26a、26bと、前記各第1ブラシ25a、25bと各スリップリング26a、26bを電気的に接続するピグテールハーネス27a、27bと、から主として構成されている。なお、前記スリップリング26a、26bが給電機構の一部を構成し、また、前記第1ブラシ25a、25bやコミュテータ21、ピグテールハーネス27a、27bなどが通電切換手段として構成されている。
前記封止プレート11は、前記ハウジング5の前端部内周に形成された凹状段差部にかしめによって位置決め固定されている。また、中央位置には、モータ出力軸13の一端部などが挿通される軸挿通孔11aが貫通形成されている。
前記膨出部3aには、合成樹脂材によって一体的にモールドされた給電機構であるブラシ保持体28が固定されている。
このブラシ保持体28は、図2に示すように、側面視ほぼL字形状に形成され、前記保持用孔3cに挿入されるほぼ円筒状のブラシ保持部28aと、該ブラシ保持部28aの上端部に有するコネクタ部28bと、前記ブラシ保持部28aの両側に一体に突設されて、前記膨出部3aに固定される一対のブラケット部28c、28cと、前記ブラシ保持体28の内部に大部分が埋設された一対の端子片31、31と、から主として構成されている。
前記一対の端子片31,31は、上下方向に沿って平行かつクランク状に形成されて、一方側(下端側)の各端子31a、31aが前記ブラシ保持部28aの底部側に露出状態で配置されている一方、他方側(上端側)の各端子31b、31bが前記コネクタ部28bの雌型嵌合溝28d内に突設されている。また、前記他方側端子31a、31bは、図外の雄端子を介してバッテリー電源に電気的に接続されている。
前記ブラシ保持部28aは、ほぼ水平方向(軸方向)に延設されて、内部の上下位置に形成された円柱状の貫通孔内にスリーブ状の摺動部29a、29bが固定されていると共に、該各摺動部29a、29bの内部に、各先端面が前記各スリップリング26a、26bに軸方向からそれぞれ当接する第2ブラシ30a、30bが軸方向へ摺動自在に保持されている。
この各第2ブラシ30a、30bは、ほぼ長方体状に形成されて、各貫通孔の底部側に臨む前記一方側端子31a、31aとの間に弾装された付勢部材である第2コイルスプリング32a、32bのばね力によってそれぞれ前記各スリップリング26a、26b方向に付勢されている。
また、前記第2ブラシ30a、30bの後端部と前記一方側端子31a、31aとの間には、可撓性を有する一対のピグテールハーネス33a、33bが溶接固定されて、前記両者を電気的に接続している。このピグテールハーネス33a、33bは、その長さが前記第2ブラシ30a、30bが前記各コイルスプリング32a、32bによって最大に進出した際に、前記各摺動部29a、29bから脱落しないように、その最大摺動位置を規制する長さに設定されている。
また、前記ブラシ保持部28aの基部側外周に形成された円環状の嵌着溝内に、環状シール部材34が嵌着保持されており、前記ブラシ保持部28aが前記保持用孔3cに挿通された際に、前記シール部材34が前記円筒壁3bの先端面に弾接してブラシ保持部28a内をシールするようになっている。
前記コネクタ部28bは、上端部に図外の雄型端子が挿入される前述した嵌合溝28dに臨む前記他方側端子31b、31bが前記雄型端子を介して図外のコントロールユニットに電気的に接続されている。
前記ブラケット部28c、28cは、ほぼ三角形状に形成されて、両側部にボルト挿通孔28e、28eが貫通形成されている。この各ボルト挿通孔28e、28eには、前記膨出部3aに形成された図外の一対の雌ねじ孔に螺着する各ボルトが挿通されて各ブラケット部28c、28cを介して前記ブラシ保持体28が膨出部3aに固定されるようになっている。
前記モータ出力軸13と偏心軸部39は、前記カムボルト10の頭部10a側の軸部10bの外周面に設けられた小径ボールベアリング37と、前記従動部材9の円筒部9bの外周面に設けられて小径ボールベアリング37の軸方向側部に配置された前記ニードルベアリング38とによって回転自在に支持されている。この小径ボールベアリング37とニードルベアリング38によって軸受機構が構成されている。
前記ニードルベアリング38は、偏心軸部39の内周面に圧入された円筒状のリテーナ38aと、該リテーナ38aの内部に回転自在に保持された複数の転動体であるニードルローラ38bとから構成されている。このニードルローラ38bは、前記従動部材9の円筒部9bの外周面を転動している。
前記小径ボールベアリング37は、内輪が前記従動部材9の円筒部9bの前端縁とカムボルト10のワッシャ10cとの間に挟持状態に固定されている一方、外輪がモータ出力軸13の内周に形成された段差部と抜け止めリングであるスナップリング45との間で軸方向から位置決め支持されている。
また、前記モータ出力軸13(偏心軸部39)の外周面と前記ハウジング5の延出部5dの内周面との間には、減速機構8の内部から電動モータ12内への潤滑油のリークを阻止する小径なオイルシール46が設けられている。このオイルシール46は、電動モータ12と減速機構8とを隔成するものであって、内周部が前記モータ出力軸13の外周面に弾接していることによって、該モータ出力軸13の回転に対して摩擦抵抗を付与するようになっている。
前記コントロールユニットは、図外のクランク角センサやエアーフローメータ、水温センサ、アクセル開度センサなど各種のセンサ類から情報信号に基づいて現在の機関運転状態を検出して、機関制御を行うと共に、前記電磁コイル18に通電してモータ出力軸13の回転制御を行い、減速機構8を介してカムシャフト2のタイミングスプロケット1に対する相対回転位相を制御するようになっている。
前記減速機構8は、図2及び図3に示すように、偏心回転運動を行う前記偏心軸部39と、該偏心軸部39の外周に設けられた中径ボールベアリング47と、該中径ボールベアリング47の外周に設けられた前記ローラ48と、該ローラ48を転動方向に保持しつつ径方向の移動を許容する前記保持器41と、該保持器41と一体の前記従動部材9と、から主として構成されている。
前記偏心軸部39は、段差径の円筒状に形成されて、前端側の小径部39aが前述したモータ出力軸13の大径部13aの内周面に圧入固定されている共に、後端側の大径部39bの外周面に形成されたカム面の軸心Yがモータ出力軸13の軸心Xから径方向へ僅かに偏心している。なお、前記中径ボールベアリング47とローラ48などが遊星噛み合い部として構成されている。
前記中径ボールベアリング47は、前記ニードルベアリング38の径方向位置で全体がほぼオーバーラップする状態に配置され、内輪47aと外輪47b及び両輪47a、47bとの間に介装されたボール47cとから構成されている。前記内輪47aは、前記偏心軸部39の外周面に圧入固定されているのに対して、前記外輪47bは、軸方向で固定されることなくフリーな状態になっている。つまり、この外輪47bは、軸方向の電動モータ12側の一端面がどの部位にも接触せず、また軸方向の他端面47dがこれに対向する保持器41の内側面との間に微小な第1隙間Cが形成されてフリーな状態になっている。また、この外輪47bの外周面には、前記各ローラ48の外周面が転動自在に当接していると共に、この外輪47bの外周側には、円環状の第2隙間C1が形成されて、この第2隙間C1によって中径ボールベアリング47全体が前記偏心軸部39の偏心回転に伴って径方向へ移動可能、つまり偏心動可能になっている。
前記各ローラ48は、鉄系金属によって形成され、前記中径ボールベアリング47の偏心動に伴って径方向へ移動しつつ前記内歯構成部19の内歯19aに嵌入すると共に、保持器41のローラ保持孔41bの両側縁によって周方向にガイドされつつ径方向に揺動運動させるようになっている。
前記減速機構8の内部には、潤滑油供給手段によって潤滑油が供給されるようになっている。この潤滑油供給手段は、前記シリンダヘッドの軸受の内部に形成されて、図外のメインオイルギャラリーから潤滑油が供給される油供給通路と、図2に示すように、前記カムシャフト2の内部軸方向に形成されて、前記油供給通路にグルーブ溝を介して連通した油供給孔51と、前記従動部材9の内部軸方向に貫通形成されて、一端が該油供給孔51に開口し、他端が前記ニードルベアリング38と中径ボールベアリング47の付近に開口した前記小径なオイル孔52と、同じく従動部材9に貫通形成された前記大径な3つの図外のオイル排出孔と、から構成されている。
この潤滑油供給手段によって、前記空間部44に潤滑油が供給されて滞留し、ここから中径ボールベアリング47や各ローラ48などの可動部へ十分に潤滑油が供給されるようになっている。なお、この空間部44内に滞留した潤滑油は、前記小径オイルシール46によってハウジング5内へのリークが阻止されている。
なお、前記モータ出力軸13の前端内部には、図2に示すように、カムボルト10側の空間部を閉止する断面ほぼコ字形状のキャップ53が圧入固定されている。
以下、本実施形態の作動について説明すると、まず、機関のクランクシャフトが回転駆動するとタイミングチェーン42を介してタイミングスプロケット1が回転して、その回転力が内歯構成部19と雌ねじ形成部6を介してハウジング5、つまり電動モータ12が同期回転する。一方、前記内歯構成部19の回転力が、各ローラ48から保持器41及び従動部材9を経由してカムシャフト2に伝達される。これによって、カムシャフト2のカムが吸気弁を開閉作動させる。
そして、機関始動後の所定の機関運転時には、前記コントロールユニットから各端子片31,31から各ピグテールハーネス32a、32b、第2ブラシ30a、30b、各スリップリング26a、26bなどを介して電動モータ12の電磁コイル17に通電される。これによって、モータ出力軸13が回転駆動され、この回転力が減速機構8を介してカムシャフト2に減速された回転力が伝達される。
すなわち、前記モータ出力軸13の回転に伴い偏心軸部39が偏心回転すると、各ローラ48がモータ出力軸13の1回転毎に保持器41の各ローラ保持孔41bで径方向へガイドされながら前記内歯構成部19の一の内歯19aを乗り越えて隣接する他の内歯19aに転動しながら移動し、これを順次繰り返しながら円周方向へ転接する。この各ローラ48の転接によって前記モータ出力軸13の回転が減速されつつ前記従動部材9に回転力が伝達される。このときの減速比は、前記ローラ48の個数などによって任意に設定することが可能である。
これにより、カムシャフト2がタイミングスプロケット1に対して正逆相対回転して相対回転位相が変換されて、吸気弁の開閉タイミングを進角側あるいは遅角側に変換制御するのである。
そして、前記タイミングスプロケット1に対するカムシャフト2の正逆相対回転の最大位置規制(角度位置規制)は、前記ストッパ凸部61bの各側面が前記ストッパ凹溝2bの各対向面2c、2dのいずれか一方に当接することによって行われる。
具体的には、前記従動部材9が、前記偏心軸部39の偏心回動に伴ってタイミングスプロケット1の回転方向と同方向に回転することによって、ストッパ凸部61bの一側面がストッパ凹溝2bの一方側の対向面1cに当接してそれ以上の同方向の回転が規制される。これにより、カムシャフト2は、タイミングスプロケット1に対する相対回転位相が進角側へ最大に変更される。
一方、従動部材9が、タイミングスプロケット1の回転方向と逆方向に回転することによって、ストッパ凸部61bの他側面がストッパ凹溝2bの他方側の対向面2dに当接してそれ以上の同方向の回転が規制される。これにより、カムシャフト2は、タイミングスプロケット1に対する相対回転位相が遅角側へ最大に変更される。
この結果、吸気弁の開閉タイミングが進角側あるいは遅角側へ最大に変換されて、機関の燃費や出力の向上が図れる。
そして、本実施形態では、前述したように、タイミングスプロケット1全体を焼き入れして硬度を確保するのではなく、ギア部1bの表面と、内歯19aの各歯先19bと両歯面19c、19cに個別的にレーザ焼き入れを施こしたことによって、特に、図1及び図4に示すように、前記内歯構成部19の前記各ボルト挿通孔1cと各内歯19aとの間の薄肉部位19eにおける熱的変形を抑制できるので、各内歯19a全体での均一な歯形精度を確保できる。
すなわち、従来では、前記各ローラ48が噛み合う内歯19aとタイミングチェーンが巻装されるギア部1bの耐摩耗性の確保と、前記内歯19a全体の均一な歯形精度の確保のために、タイミングスプロケット1全体を例えば浸炭焼き入れなど熱処理によって表面硬度を確保するようになっていた。このため、熱処理時の高熱によって前記各内歯19aと前記ボルト挿通孔1cとの間の薄肉部位19eが熱的影響を受けて部分的に変形してしまい、これによって各内歯19aの全周での均一な歯形精度を確保することができなかった。
つまり、前記薄肉部位19eの部分的な変形によって、各内歯19aの歯形精度を確保することができなかったことから、各ローラ48と各内歯19aとの間のガタの拡大を抑制できないと共に、初期のガタのばらつきを抑制することができなかった。この結果、作動中に比較的大きな異音の発生が余儀なくされていた。
したがって、従来では、前記薄肉部位19eの熱的変形による各内歯19aの歯形変形を小さくするために、前記各ボルト挿通孔1cを内歯構成部19の外周側に移動させて薄肉部位を厚肉に形成しなければならず、結果的にユニットを大型化せざるを得なかったのである。
そこで、本実施形態では、前記各内歯19aとギア部1bとをレーザ焼き入れによって個別的に熱処理を行うことによって、特に、各内歯19aと各ボルト挿通孔1cとの間の薄肉部位19eの熱的影響を十分に抑制することができたのである。とりわけ、前記レーザ焼き入れを、内歯19a全体に施すのではなく、ローラ48の乗り越えによって大きな負荷の作用する歯先19bと両歯面19c、19cとに施して、歯底面19dには施さないようにしたことから、前記薄肉部位19eの熱的影響をさらに回避することが可能になる。
この結果、各内歯19aの摩耗の発生を抑制できると共に、各ボルト挿通孔1cの形成位置を外周側に移動させることなく、内歯19a全体で均一な歯形精度を確保することができる。
また、熱処理時には、前記薄肉部位19eが若干の縮径方向へ変形した場合でも、有効硬化深さを約0.3〜1.5mmの範囲内に規定してあることにより、前記薄肉部位19eにおいて靭性が確保されているため、割れや破損などの発生がなく、前記各ローラ48からの荷重負荷が作用すると、前記歯底面19dを含む薄肉部位19eが弾性変形して縮径分を吸収する。これによって、各ローラ48の各内歯19aの歯先19bを乗り越え作用を円滑に行うことができる。
したがって、前記カムシャフト2に発生した交番トルクが保持器41を介して各ローラ48に伝達されて各内歯19aを乗り越える際の加重負荷による摩耗の発生と歯形精度の悪化を抑制できることから、内歯19aとローラ48との間のガタによる異音の発生を十分に抑制することができる。
また、本実施形態では、前述したように、電磁コイル18の一方のコイル巻線18aをコミュテータ21側(軸方向)へ近接配置し、他方のコイル巻線18bをハウジング底部5bの凹部5eに軸方向から収容状態に配置できるので、装置の軸方向の長さを可及的に小さくすることが可能になる。これによって、装置の内燃機関への搭載性が向上する。
さらに、本実施形態では、前述のように、前記永久磁石14,15の軸方向の中心Pが鉄心ロータ17の軸方向の中心P1から前方にオフセット配置されていることから、前記永久磁石14,15と鉄心ロータ17との間に発生する磁力によって、鉄心ロータ17が、前方(図2の左方向)に吸引されて、該鉄心ロータ17とモータ出力軸13及び偏心軸部39が矢印方向へ常時引き付けられる。つまり、永久磁石14,15の磁力や鉄心ロータ17の磁力は、それぞれの軸方向中心P,P1で最も大きくなることから、永久磁石14,15の中心P方向への鉄心ロータ17に対する吸引力が大きくなって矢印方向へ強く引き付けられる。
これに伴って、小径ボールベアリング37やニードルベアリング38の他に、前記中径ボールベアリング47も矢印方向に引き付けられる。
このため、バルブスプリングのばね力などに起因して前記カムシャフト2に発生する交番トルクによる前記各ボールベアリング37,47やニードルベアリング38の軸方向の微振動に伴う異音の発生を抑制することが可能になる。
また、前記永久磁石14,15の軸方向の位置をオフセットさせることにより、前端部14a、15aを、前記第1ブラシ25a、25bやコミュテータ21にオーバーラップさせることができるので、装置の軸方向の長さを可及的に小さくすることが可能になる。
本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、前記ギア部1bや内歯19aの表面処理としては、レーザ焼き入れの他に、高周波焼き入れなどを用いることも可能である。
また、前記偏心軸部としては、前記中径ボールベアリング47の内輪47aの肉厚を周方向で変化させて、ボールベアリング47の軸心に対して偏心するように形成することも可能である。この場合、前記偏心軸部39を廃止してモータ出力軸13を延長形成するか、同心状の円筒部として構成することも可能である。
1…タイミングスプロケット(駆動回転体)
1a…スプロケット本体
1b…ギア部
1c…ボルト挿通孔(孔)
2…カムシャフト
3…カバー部材
4…位相変更機構
5…ハウジング
7…ボルト
8…減速機構
9…従動部材(従動回転体)
12…電動モータ
13…モータ出力軸
14、15…永久磁石
19…内歯構成部(内周噛み合い部)
19a…内歯
19b…歯先
19c…歯面
19d…歯底面
19e…薄肉部位
39…偏心軸部
48…ローラ

Claims (14)

  1. クランクシャフトから回転力が伝達され、内周に複数の内歯が形成された環状の内歯構成部を有する駆動回転体と、
    要求に応じて前記駆動回転体に対して相対回転するモータ出力軸を有する電動モータと、
    前記モータ出力軸に設けられ、外周面が回転中心に対して偏心した円筒状の偏心軸部と、
    前記各内歯と前記偏心軸部との間に複数配置され、前記内歯の歯数よりも少ない数のローラと、
    カムシャフトと一体に回転するように設けられ、それぞれの前記ローラの前記偏心軸部に対する径方向移動を許容し、周方向の移動を規制する従動回転体と、
    を備え、
    前記内歯構成部は、前記内歯の歯先から歯面までの硬度よりも歯底の部位の硬度が小さく設定されていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. クランクシャフトから回転力が伝達され、内周に複数の内歯が形成された環状の内歯構成部を有する駆動回転体と、
    要求に応じて前記駆動回転体に対して相対回転するモータ出力軸を有する電動モータと、
    前記モータ出力軸に設けられ、外周面が回転中心に対して偏心した円筒状の偏心軸部と、
    前記各内歯と前記偏心軸部との間に複数配置され、前記内歯の歯数よりも少ない数のローラと、
    カムシャフトと一体に回転するように設けられ、それぞれの前記ローラの前記偏心軸部に対する径方向移動を許容し、周方向の移動を規制する従動回転体と、
    を備えた内燃機関の可変動弁装置の製造方法であって、
    前記駆動回転体の内歯の歯先から歯面までを硬化処理によって所定硬度まで硬化させると共に、前記内歯の歯底の外周部位が柔軟性を有することを特徴とする内燃機関の可変動弁装置の製造方法。
  3. 制御軸を回転させることによって機関弁の作動特性が変更される内燃機関の可変動弁装置であって、
    内周に複数の内歯が形成された円環状の内歯構成部と、
    要求に応じて前記内歯構成部に対して相対回転するモータ出力軸を有する電動モータと、
    前記モータ出力軸に設けられて、外周面が回転中心に対して偏心した円筒状の偏心軸部と、
    前記内歯と偏心軸部との間に複数配置され、前記内歯の歯数よりも少ない数のローラと、
    前記制御軸に回転力を伝達するように設けられ、前記それぞれのローラの偏心軸部に対する径方向の移動を許容し、周方向の移動を規制する出力部材と、
    を備え、
    前記内歯構成部は、前記内歯の歯先から歯面までの硬度よりも歯底の部位の硬度が小さく設定されていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  4. 請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記内歯構成部には、軸方向の延びる孔が周方向に複数設けられていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  5. 請求項4に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記孔は、前記内歯構成部の周方向に等間隔に設けられていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  6. 請求項4に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記孔は、前記駆動回転体を軸方向から貫通していることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  7. 請求項6に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記電動モータは、前記駆動回転体に固定されたステータと、該ステータに対して回転自在に設けられたロータとを備え、非回転部からブラシとスリップリングを介して前記電動モータに電流が供給されるように構成され、
    前記孔には、前記駆動回転体に前記ステータを固定するためのボルトが挿通されることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  8. 請求項7に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記電動モータのロータにはコイルが巻回され、前記ステータには永久磁石が設けられていると共に、前記電動モータ側の筒軸に設けられたコミュテータによってコイルに通電する電流が切り換えられて磁束が形成されることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  9. 請求項4に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記孔の周囲は、前記内歯の歯先から歯面までの表面硬度に対して硬度が小さくなっていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  10. 請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記偏心軸部は、外周面が回転中心に対して偏心した偏心部と、該偏心部に固定される内輪と、該内輪に対して複数の転動体を介して相対回転自在に設けられた外輪とから構成されていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  11. 請求項10に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記偏心部は、前記モータ出力軸と一体に形成されていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  12. 請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記内歯の表面全体の硬度に対して、その外周側の硬度が小さくなっていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  13. 請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置の製造方法において、
    前記硬化処理を、有効硬化深さが約0.3〜1.5mmの範囲に設定したことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置の製造方法
  14. 請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置の製造方法において、
    前記硬化処理は、高周波焼き入れかまたはレーザ焼き入れであることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置の製造方法
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