JP5952355B2 - 鞍乗型車両のスイング式パワーユニット - Google Patents

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Description

オイルレベル確認窓によるオイルパン部の剛性低下を抑制した鞍乗型車両のスイング式パワーユニットに関する。
従来の鞍乗型車両のスイング式パワーユニットにおいて、クランクケース内部のオイル量を外部から確認できるようにすべく、クランクケースのオイルパン部にオイルレベル確認窓を設けたものが、例えば下記特許文献1に示されるように知られている。
しかしながら、下記特許文献1に示されるもののように、クランクケースにオイルレベル確認窓を設ける場合は、クランクケース内部の視認ができるように、オイルパン部に貫通孔を形成しなければならないため、オイルパン部の剛性が低下しやすいという課題がある。したがって、オイルレベル確認窓を設ける場合であっても、オイルパン部の剛性低下を抑制できるようにすることが望まれる。
特許2963713号公報(第1図、第5図)
本発明は、上記従来技術に鑑みなされたものであって、オイルレベル確認窓の設置に伴い孔部がオイルパン部に形成される場合であっても、オイルパン部の剛性低下を抑制することができる鞍乗型車両のスイング式パワーユニットを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、クランク軸を回転自在に支承するクランクケースと、前記クランクケースと一体に形成されるとともに、前記クランクケースを車体フレームに対して揺動自在に軸支するハンガーアームとを備え、前記クランクケースのオイルパン部に、オイル量を外部から視認可能なオイルレベル確認窓が設けられた鞍乗型車両のスイング式パワーユニットにおいて、
前記ハンガーアームが前記オイルパン部から前方に延出して形成され、車両側面視で、前記ハンガーアームの上側外郭線を前記オイルパン部側に延出した上側仮想線と、下側外郭線を前記オイルパン部側に延出した下側仮想線との間の領域に、前記オイルレベル確認窓が納まるようにして設けられ、車両側面視で、前記上側外郭線と前記オイルパン部の外殻面とが交わる点を通る仮想水平線よりも下側で、且つ前記下側外郭線と前記オイルパン部の前記外殻面とが交わる点を通る仮想鉛直線よりも前側に、前記オイルレベル確認窓の少なくとも一部が配置されるようにして、同オイルレベル確認窓が設けられたことを特徴とする鞍乗型車両のスイング式パワーユニットである。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の鞍乗型車両のスイング式パワーユニットにおいて、前記オイルレベル確認窓は、前記上側仮想線、下側仮想線、仮想水平線および仮想鉛直線で囲まれる領域内において後上方に寄った位置に設けられたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1または請求項に記載の鞍乗型車両のスイング式パワーユニットにおいて、前記オイルレベル確認窓の下方にブレーキケーブルが配索されたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の鞍乗型車両のスイング式パワーユニットにおいて、車両側面視で前記オイルパン部と重なる位置に、前記ブレーキケーブルを前記スイング式パワーユニットのパワーユニットケース側へ支持する支持ステーが設けられたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のスイング式パワーユニットにおいて、前記オイルレベル確認窓の前方に位置する前記車体フレームに、サイドスタンドが起立位置と格納位置とに回転係止自在に取付けられ、前記サイドスタンドがその格納位置にあるときに、車両側面視で、前記サイドスタンドの下方に前記オイルレベル確認窓が位置するように、同オイルレベル確認窓が設けられたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のスイング式パワーユニットにおいて、前記クランクケースは、複数のケース部材からなり、同複数のケース部材に形成された締結ボスに締結部材が締結されることで一体に結合され、前記オイルレベル確認窓は、オイルパン部に形成された孔部に窓部材を取付けることで構成され、前記孔部の周囲を囲むように周壁が前記クランクケースから立設されて形成され、前記締結ボスと前記周壁とが補強リブで連結されたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のスイング式パワーユニットにおいて、車両側面視で、前記上側仮想線と、前記下側仮想線との間の領域に、少なくとも一部が配置されるようにして、ドレンボルトが前記オイルパン部に設けられたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の鞍乗型車両のスイング式パワーユニットにおいて、前記ドレンボルトが、ブレーキケーブルの下方に設けられたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明の鞍乗型車両のスイング式パワーユニットによれば、車両側面視でハンガーアームの上側、下側外郭線をオイルパン部側に延出した上側仮想線と下側仮想線との間の領域のオイルパン部は、ハンガーアームがオイルパン部から前方に延出して形成されることによってハンガーアームの基部と一体になり剛性が高められた領域となり、その剛性の高い領域にオイルレベル確認窓が設けられたことで、オイルレベル確認窓の設置に伴い孔部がオイルパン部に形成される場合であっても、オイルパン部の剛性低下を抑制することができる。
それに加えて、オイルレベル確認窓の少なくとも一部が、車両側面視で、上側外郭線とオイルパン部の外殻面とが交わる点、すなわちハンガーアーム基部上端部よりも下側で、且つ下側外郭線とオイルパン部の外殻面とが交わる点、すなわちハンガーアーム基部下端部よりも前側に配置されることで、より一層剛性が高まるハンガーアームの基部の近傍にオイルレベル確認窓を設けることができ、オイルレベル確認窓の設置によるオイルパン部の剛性低下を抑制することができる。
請求項の発明によれば、請求項の発明の効果に加え、オイルレベルの下限位置を設定するにあたり、余裕を持たせた設計を行うことができるとともに、オイルレベル確認窓の設置のための孔部の加工も容易に行うことができる。
請求項の発明によれば、請求項1または請求項の発明の効果に加え、ブレーキケーブルによってオイルレベル確認窓が隠れないようにすることができ、視認性を向上することができる。
請求項の発明によれば、請求項の発明の効果に加え、オイルレベル確認窓の近傍に支持ステーが設けられたことによって、オイルレベル確認窓の近傍においてブレーキケーブルがばたつくのを防止することができ、より一層オイルレベル確認窓の視認性を向上することができる。
請求項の発明によれば、請求項1ないし請求項のいずれか一項の発明の効果に加え、オイルレベル確認窓によるオイルレベルの視認は、通常、サイドスタンドを用いず格納し、メインスタンドを立てて行われることから、格納位置にあるサイドスタンドによってオイルレベル確認窓が隠れないようにすることができ、視認性を向上することができる。
請求項の発明によれば、請求項1ないし請求項のいずれか一項の発明の効果に加え、孔部の周壁によってオイルレベル確認窓周囲のオイルパン部の剛性を高めることができるうえ、その周壁が剛性の高い締結ボスと補強リブによって連結されたので、一層効果的にオイルパン部におけるオイルレベル確認窓の周囲の剛性を高めることができる。
請求項の発明によれば、請求項1ないし請求項のいずれか一項の発明の効果に加え、車両側面視でハンガーアームの上側、下側外郭線をオイルパン部側に延出した上側仮想線と下側仮想線との間の領域のオイルパン部は、ハンガーアームがオイルパン部から前方に延出して形成されることによってハンガーアームの基部と一体になって剛性が高められた領域となり、その剛性の高い領域にドレンボルトを設けることで、ドレンボルトの設置に伴いドレン孔をオイルパン部に形成する場合であっても、オイルパン部の剛性低下を抑制することができる。
請求項の発明によれば、請求項の発明の効果に加え、ドレンボルトを外してオイルを排出する際に、ブレーキケーブルが邪魔になるのを防ぐことができ、メンテナンス性を向上できる。
本発明の一実施形態に係る自動二輪車の全体右側面図である。 車体カバー等を外した本実施形態の自動二輪車の要部左側面図である。 図2中、III−III矢視によるスイング式パワーユニットの断面展開図である。 図2中のスイング式パワーユニットの前半部の要部拡大図である。 本実施形態のスイング式パワーユニットの左パワーユニットケースの、クランク軸等の内装部材を除いたクランクケース部の右側面図であり、クランク室およびオイルパン部の内部を示す。 図4、図5中、VI−VI矢視による左パワーユニットケースの下部の立面断面図であり、オイルパン部の内部を主に示す。 本実施形態に係るオイルレベル確認窓に嵌装される窓部材の説明図であり、図中(a)部は、嵌装時の内部側からの正面図、(b)部は(a)部中b−b矢視による断面図である。
図1から図7に基づき、本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両のスイング式パワーユニットにつき説明する。
なお、本明細書の説明および特許請求の範囲における前後左右上下等の向きは、本実施形態に係る鞍乗型車両のスイング式パワーユニットを、車両に搭載した状態での車両の向きに従うものとする。本実施形態において鞍乗型車両はスクータ型自動二輪車である。
図中矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、UPは車両上方を、それぞれ示す。
図1に、本実施形態に係るスイング式パワーユニット(「ユニットスイングエンジン」ともいう。以下、単に「パワーユニット」という)3を、スクータ型自動二輪車(本発明における「鞍乗型車両」。以下、単に「自動二輪車」という。)1に取付けられた状態で示す。
自動二輪車1は、車体前部1Aと車体後部1Bとが、低いフロア部1Cを介して連結されており、車体の骨格をなす車体フレーム2は、概ねダウンチューブ21とメインパイプ22とからなる。
すなわち車体前部1Aのヘッドパイプ20からダウンチューブ21が下方へ延出し、ダウンチューブ21は下端で水平に屈曲してフロア部1Cの下方を後方へ延び、その後端において左右一対のメインパイプ22が連結され、連結部からメインパイプ22は斜め後方に立ち上がって所定高さで略水平に屈曲して後方に延びている。
メインパイプ22の立ち上がり傾斜部には燃料タンク10が、タンク底部10aを左右のメインパイプ22に挟まれるように支持され、さらに後方に延びるメインパイプ22の水平部にはキャリヤ11が設けられており、燃料タンク10の上にシート12が配置されている。
一方、車体前部1Aにおいては、ヘッドパイプ20に軸支されて上方にハンドル13が設けられ、下方にフロントフォーク14が延びてその下端に前輪15が軸支されている。
図2は、車体カバー18等を外した本実施形態の自動二輪車1の要部左側面図であり、図1および図2に示されるように、メインパイプ22の立ち上がり部分にブラケット23が突設され、ブラケット23にリンク部材24を介してパワーユニット3が揺動可能に連結支持されている。
パワーユニット3は、その前部が単気筒4ストロークサイクルの水冷式内燃機関(以下、単に「内燃機関」という。)30であり、パワーユニットケース5にクランク軸51を車幅方向に配して回転自在に軸支している。
また、パワーユニット3は、そのパワーユニットケース5と一体に形成され、その下端から前方に突出したハンガーアーム50(左のハンガーアーム50Lと右のハンガーアーム50R)の端部が、メインパイプ22のブラケット23に取付けられたリンク部材24に、ピボット軸25を介して連結され、揺動自在に軸支されている。
パワーユニット3には、パワーユニットケース5前方に略水平に近くまで大きく前傾して内燃機関30のシリンダブロック31、シリンダヘッド32、シリンダヘッドカバー33が順次積み上げられるように締結されるほか、内燃機関30から後方にかけて左側に偏ってVベルト式無段変速機40が構成され、その後部に設けられた減速機構41の出力軸である後車軸42に後輪16が設けられている。
減速機構41が備えられるパワーユニット3の後部に立設されたブラケット52と、メインパイプ22の後部との間にリヤクッション17が介装されている。
パワーユニット3の左側面を示す図2に示されるように、パワーユニット3の上部では、内燃機関30の大きく前傾したシリンダヘッド32の上部から吸気管60が延出して後方に湾曲し、吸気管60に接続されたスロットルボディ61がシリンダブロック31の上方に位置し、スロットルボディ61に連結管62を介して連結されるエアクリーナ装置6が、Vベルト式無段変速機40の上方に配設されている。
なお、吸気管60には吸気ポートに向けて燃料を噴射するインジェクタ63が装着されている。
一方、シリンダヘッド32の下部から下方に延出した排気管65は、後方へ屈曲し右側に偏って後方に延びて後輪16の右側のマフラ66に接続される(図1参照)。
なお、自動二輪車1の車体フレーム2や燃料タンク11等の要部は車体カバー18で覆われる(図1参照)。
また、図1、図2において、100は、パワーユニット3のパワーユニットケース5の下部に取付けられたメインスタンドである。
図2において、101は、左側のメインパイプ22のスタンドブラケット26に、格納位置と起立位置の間で回転係止自在に取り付けられたサイドスタンドであり、図2は格納位置を示す。53はパワーユニット3の略中央左方に取付けられたキックスタータアームである。
図3は、パワーユニット3の、図2中III−III矢視による断面展開図である。
内燃機関30は、シリンダブロック31のシリンダボア31a内を往復動するピストン34と
クランク軸51のクランクピン51aとをコネクティングロッド35が連結している。
ピストン34の頂部とシリンダヘッド32の間には燃焼室32aが形成される。
パワーユニットケース5は、左右割りの左パワーユニットケース(本発明における「ケース部材」)5Lと右パワーユニットケース(本発明における「ケース部材」)5Rとを合体して構成される。
右パワーユニットケース5Rは、クランクケース部(本発明における「クランクケース」)5aの右半体をなす。
左パワーユニットケース5Lは、前部がクランクケース部5aの左半体をなすとともに、その左側は内部側壁5fを介して伝動ケース4の周壁部4aが延出し且つ後方に延出して、クランク軸51と後輪16との間の前後に、長尺のVベルト式無段変速機40と減速機構41等を含む伝動装置を収容し、後輪16の左側方に設けられる伝動ケース4を形成する。
すなわち、クランクケース部5aは、複数のケース部材としての左パワーユニットケース5Lと右パワーユニットケー5Rからなり、左パワーユニットケース5Lと右パワーユニットケー5Rの要所にそれぞれ形成された締結ボス5Ld、5Rdに締結部材5bが締結されることで一体に結合される。なお、締結ボス5Ld、5Rdは複数形成されており(図5も参照)、それら複数の締結ボス5Ld、5Rdについても同様に締結部材5bによって締結される。
クランクケース部5aは、クランク軸51周りはクランク室5cを形成するが、その下部には伝動ケース4の周壁部4aに仕切られた下方(図3図示裏方)に、オイルパン部102が形成されており、その左側面にはオイル量を外部から視認可能なオイルレベル確認窓103と、オイルのドレンボルト104が設けられている(図2、図4、図6参照)。
オイルパン部102の左側方には、ブレーキケーブル105が前後に配設されている(図2参照)。
また、オイルパン部102の右側部には、給油口106が設けられ、キャップ107が装着されている(図1参照)。
オイルレベルの確認は、給油孔106のキャップ107に取り付けられたオイルレベルゲージで行えるが、本実施形態のようなキャリヤ11を備えた運搬等の作業に用いられる業務用に適した自動二輪車1においては、走行距離が大きくなりやすく、オイル交換等のメンテナンス頻度も多くなりやすいことから、キャップ操作なしでオイルレベルを頻繁に且つ容易に目視で確認できるオイルレベル確認窓103の設置が好ましく、しかもオイルレベル確認窓103がクランクケース部5aの強度上の支障なく設けられることが望まれる。
左パワーユニットケース(伝動ケース)5L(4)の前後長尺の左側開放面は、左側に締結される伝動ケースカバー7により覆われて、内部にVベルト式無段変速機40が収納されるベルト室70が形成され、後部の右側開放面は右側に締結される減速機ケース55により覆われて、内部に減速機構41が収納される。
左パワーユニットケース5Lの前部と右パワーユニットケース5Rとの合体によるクランクケース部5a内には、クランク軸51が車幅方向に配向されて左右の主ベアリング54L、54Rに回転自在に支持され、左右水平方向に延びたクランク軸51の延出部のうち右延出部にはカムチェーン駆動スプロケット56とオイルポンプ駆動ギヤ57、およびACジェネレータ58が設けられ、左延出部にはVベルト式無段変速機40の遠心ウエイト43と駆動プーリ44が設けられる。
Vベルト式無段変速機40は、駆動プーリ44と、Vベルト式無段変速機40の従動軸となる減速機構41の入力軸45に設けられる従動プーリ46とに、駆動ベルトとなるVベルト47が掛け渡されて動力が伝達されるもので、変速比は、機関回転数に応じて移動する遠心ウエイト43により駆動プーリ44におけるVベルト47の巻掛け径が変化し、同時に従動プーリ46における巻掛け径が変化することにより自動的に変更され、無段変速する。
従動プーリ46の回転は、遠心クラッチ48を介して減速機構41の入力軸45に伝達される。
減速機構41はギヤ機構で、入力軸45と中間軸49との間、および中間軸49と後車軸42との間に、それぞれギヤの噛合が構成されて、入力軸45の回転を減速して後車軸42に伝え後輪16を回転駆動する。
本実施形態の内燃機関30は、SOHC型式のバルブシステムを採用しており、シリンダヘッドカバー33内には動弁機構80が設けられ、動弁機構80に動力伝達を行うカムチェーン81がカムシャフト82とクランク軸51との間に架設されており、そのためのカムチェーン室83が、右パワーユニットケース5R、シリンダブロック31、シリンダヘッド32に連通して設けられている。
すなわち左右水平方向に指向したカムシャフト82の右端に嵌着されたカムチェーン被動スプロケット84と、クランク軸51に嵌着されたカムチェーン駆動スプロケット56との間にカムチェーン81がカムチェーン室83内を通って架渡されている。
一方、シリンダヘッド32においてカムチェーン室83と反対側(左側)から燃焼室32aに向かって点火プラグ36が嵌挿されている。
大きく前傾したシリンダヘッド32の燃焼室32aからは図示しない吸気ポートが上方に湾曲して延出し前記の吸気管60に連結され、燃焼室33aから図示しない排気ポートが下方に湾曲して延出し前記の排気管65に連結される(図2参照)。
吸気ポートは図示しない吸気弁を介して、排気ポートは図示しない排気弁を介して、燃焼室33aと連通するが、吸気弁と排気弁は、動弁機構80によってクランク軸51の回転に対して所定のタイミングで開閉される。
動弁機構80のカムシャフト82は、シリンダヘッド32の左側壁32bとカムチェーン室83を構成する内側壁32cにベアリング82a、82aを介して回転自在に軸支され、右側のベアリング82aより突出した右端にカムチェーン被動スプロケット84が嵌着されている。
カムシャフト82は、カムチェーン81によってクランク軸51の1/2の回転速度で回転駆動される。
カムシャフト82の前方の斜め上下位置には吸気用ロッカシャフト85iと排気用ロッカシャフト85eが、カムシャフト82と平行に架設され、それぞれ吸気ロッカアーム86iと排気ロッカアーム86eが揺動自在に枢着される。
吸気ロッカアーム86iは回転するカムシャフト82の吸気カム87iに従い揺動し吸気弁を開閉動作させ、排気ロッカアーム86eは回転するカムシャフト82の排気カム87eに従い揺動し吸気弁を開閉動作させる。
図3に示されるように、右パワーユニットケース5Rのカムチェーン室83を構成する側壁には大きな開口を有し、同開口は右方からボルトにより締結される隔壁59により閉塞され、隔壁59の円筒部59aをクランク軸51が貫通している。
ACジェネレータ58は、隔壁59の円筒部59aを貫通したクランク軸51の右端部にACGボス58aを介して碗状のアウタロータ58bが固着され、その内周面に周方向に亘って配設される磁石58cの内側にステータコイル58dの巻回されたインナステータ58eが隔壁59の円筒部59aに固定されている。
アウタロータ58bの右側面には中央が膨出して円板状をしたファン基板37aが取り付けられており、ファン基板37aには右方に突出して複数のラジエータファン37が形成されている。
ACジェネレータ58のアウタロータ58bの外周は、右パワーユニットケース5Rの側壁から右方に延出した右周壁5Raに概ね囲繞され、ラジエータファン37の外周はラジエータ取付けベース38aにより囲繞され、ラジエータファン37の右方にはラジエータ38が近接して設けられ、ラジエータ38はルーバ付きのラジエータカバー39で覆われている。
ラジエータカバー39のルーバからラジエータファン37によって吸引された外気は、ラジエータ38を冷却した後、ラジエータ取付けベース38aの外周にそって設けられた図示しない通気孔から排出される。
なお、図3において、109は内燃機関水冷用のウォータポンプであり、カムシャフト82と同軸一体に回転するように構成されている。
また、左パワーユニットケース5Lに形成された伝動ケース4と、伝動ケース4の左側開放面を覆って締結される伝動ケースカバー7とを殻体として形成されるベルト室70内には、Vベルト式無段変速機40が収容されるが、そのVベルト式無段変速機40を冷却するために、駆動プーリ44の左側面にはファンブレード44aが形成されるとともに、冷却風を取り入れる構成が伝動ケースカバー7の前部に設けられている。
図3に大略示されるように、伝動ケースカバー7の前部には、ベルト室70側に凹む凹部71が形成され、凹部71内に、冷却風をベルト室に導入する吸入口72が形成されている。
また、凹部71を覆うように外側カバー9が伝動ケースカバー7に取付けられており、外側カバー9の外側面と外側カバー9で覆われない伝動ケースカバー7の外側面との合わせ部、すなわち外側面合わせ部97に空気取入口90が形成されている。図3中、黒矢印は冷却風の流れを模式的に示す。
なお、ベルト室70に導入された冷却風は、ベルト室70内においてVベルト式無段変速機40を冷却した後、ベルト室70後部下方に設けられた排風ダクト79の排風出口部分79aから排出される。
パワーユニットケース5のクランクケース部5aには、クランク室5cが形成されるとともに(図3参照)、図2中のパワーユニット3の前半部の要部拡大図である図4に示されるように、クランク室5cの下部にはオイルパン部102が延設されている(図5、図6参照)。
すなわち、クランクケース部5aをなす左パワーユニットケース5Lには、クランク室5cの左方に伝動ケース4の周壁部4aが延設されるが(図3参照)、周壁部4aに仕切られたその下方にオイルパン部102が形成される。また、周壁部4aの下方のオイルパン部102の側壁部102aには、オイルレベル確認窓103とドレンボルト104が設けられる(図5、図6参照)。
そして、クランクケース部5aを形成する左パワーユニットケース5Lと右パワーユニットケース5Rの前部の下部、すなわちクランクケース部5aのオイルパン部102の下部からは斜め下向き前方に向けて、それぞれ左右のハンガーアーム50L、50Rが延出して一体に形成されている。
左右のハンガーアーム50L、50Rは、ピボット軸25でリンク部材24に軸支される先端部に向けて、その上側外郭線50aと下側外郭線50bが側面視で狭まる形状に形成されているが、車両側面視で、左のハンガーアーム50Lの上側外郭線50aをオイルパン部102側に延出した上側仮想線Laと、左のハンガーアーム50Lの下側外郭線50bをオイルパン102側に延出した下側仮想線Lbとの間の領域に、オイルレベル確認窓103が納まるようにして設けられている。
パワーユニット3の左パワーユニットケース5Lの、クランク軸51等の内装部材を除きクランク室5cおよびオイルパン部102の内部を示す右側面図である図5に示されるように、左のハンガーアーム50Lは、クランクケース部5aを画成してオイルパン部102の外殻面102bをなす外周壁5Lbから延出して一体に形成されており、上側仮想線Laと下側仮想線Lbとの間の領域のオイルパン部102は、左のハンガーアーム50Lの基部と一体になり剛性が高められた領域となっている。
図5に示されるように、その剛性の高い領域にオイルレベル確認窓103が設けられており、オイルレベル確認窓103の設置のために孔部110がオイルパン部102の左側壁102aに形成されても、オイルパン部102の剛性低下が抑制されている。
なお。図5中OSは、オイルパン部102内のオイルの油面を模式的に示す。
なお、右パワーユニットケース5Rにはオイルレベル確認窓103は設けられないが、右パワーユニットケース5Rの外周壁にも、左右対称に右のハンガーアーム50Rが同様に一体に形成され、オイルパン部102の剛性を高めている。
オイルレベル確認窓103は、オイルパン部102の左側壁102aに貫通して設けられた孔部110に、図6、図7により後述する窓部材120を嵌装したものであり、窓部材120を通してオイルパン部内のオイルレベルを外部から視認可能としている。図4に示されるように、孔部110周りの左側壁102aには、オイルレベルの下限位置を示す下限表示リブ111が突設されている。そのため、窓部材120を通して視認されるオイルレベル(油面OS)が、下限表示リブ111以下に位置しないように容易に確認することができる。
図4に示されるように、車両側面視で、左のハンガーアーム50Lの上側外郭線50aとオイルパン部102の外殻面102bとが交わる点Pa、すなわちハンガーアーム基部上端部50cを通る仮想水平線Lhと、左のハンガーアーム50Lの下側外郭線50bとオイルパン部102の外殻面102bとが交わる点Pb、すなわちハンガーアーム基部下端部50dを通る仮想鉛直線Lvとに対して、オイルレベル確認窓103はその一部が、仮想水平線Lhより下側で且つ仮想鉛直線Lvより前側に位置して配置されている。
そのような配置によって、オイルレベル確認窓103は、ハンガーアーム基部上端部50cよりも下側で、且つハンガーアーム基部下端部50dよりも前側に配置されることで、ハンガーアームの基部に近接して剛性が高い位置のオイルパン部102の左側壁102aに設けられたものとなっており、オイルレベル確認窓103の設置によるオイルパン部102の剛性低下が防止されている。
なお、オイルレベル確認窓103は、上側仮想線La、下側仮想線Lb、仮想水平線Lhおよび仮想鉛直線Lvで囲まれる領域内において後上方に寄った位置、すなわち仮想水平線Lh、仮想鉛直線Lv双方に近接した位置に設けられており、オイルレベルの下限位置を設定するにあたり、余裕を持たせた設計を行うことができるとともに、孔部110の加工も容易に行うことができる。
図6は、図4、図5中、VI−VI矢視による左パワーユニットケース5Lの下部の立面断面図であり、オイルパン部102の内部を主に示す。
図中右上部に一部示されるクランク室5cの下方に内部底壁5e(図5参照)を介してオイルパン部102が形成されて、ともにクランクケース部5aを構成している。
また、クランク室5cの左側方には内部側壁5f(図3参照)を介してベルト室70が位置し、伝動ケース4を構成しており、伝動ケース4において車幅方向に左方に延出するベルト室70の周壁部4aが、ベルト室70とオイルパン部102とを上下に隔てている。
伝動ケース4の左側開放面は、左側に締結される伝動ケースカバー7により覆われることでベルト室70が形成され、ベルト室70の内部にVベルト式無段変速機40が収納される、
図6の断面位置において、伝動ケースカバー7の左方には外側カバー9が取付けられている(図3、図4参照)。
オイルパン部102の下端部には、左パワーユニットケース5Lのクランクケース部5aの外周壁5Lbの下部と左側壁102aとの集合部において、左側壁102aを貫通してドレン孔104aが設けられており、左外方からドレンボルト104が螺入されドレン孔104aを塞いでいる。
ドレン孔104aより前方上部でベルト室70の周壁部4aの下方において、オイルパン部102の左側壁102aには、オイルレベル確認窓103の窓部材120を嵌装するための孔部110が左側壁102aを貫通して設けられている。
そして、オイルレベル確認窓103の孔部110の周囲を囲むように左側壁102aの内面から、すなわちクランクケース部5aの内面から周壁112が立設されている。
周壁112に囲まれた孔部110は、左端側に小径部110aを備える段付き円孔であり、孔部110にはオイルパン部102の内側から窓部材120が嵌装されている。孔部110に隣接してオイルパン部102の左側壁102aの外側面には、オイルレベルの下限表示リブ111が突設されている(図4も参照)。
なお、図6中OSは、オイルパン部102内のオイルの油面を模式的に示す。
図6に示されるオイルレベル確認窓103の孔部110に嵌装される窓部材120の、嵌装時の内部側からの正面図が、図7において(a)部に、(a)部中b−b矢視による断面図が(b)部に示される。
図7に示されるように、窓部材120は、円板状のガラス窓材121を、内外周にゴム部材122を装着した環状の金属性保持リング123で囲繞保持させ、ガラス窓材121の内部側においてはガラス窓材121と金属保持リング123との間に、パッキング124、ワッシャ125、金属製反射板126を挟み固定したもので、孔部110(図6参照)に、内外周にゴム部材を装着した環状の金属性保持リング123を嵌入させることで、嵌入部およびガラス窓材保持部におけるオイルシールがなされて、窓部材120の嵌装がなされる。
また、金属製反射板126は金属保持リング123による固定部126aから中央側が円錐台状にオイルパン部102内部側に膨出しており、円錐部126bには嵌装状態で水平対向位置に通孔126cが設けられ、中心に中心円板部126dが形成される。
しかして、嵌装状態でオイルパン部102にオイルが入れられると、オイルはオイルレベルに従って通孔126cから金属性反射板126の円錐部126bの内に流入し、窓部材120のガラス窓材121の外側からは、ガラス窓材121と金属製反射板126の中心円板部126dとの間にある円錐部126b内のオイルの油面OS(図4〜図6参照)の位置を容易に視認することができる。
前記のように、本実施形態においてクランクケース部5aは、複数のケース部材としての左パワーユニットケース5Lと右パワーユニットケー5Rからなり、左パワーユニットケース5Lと右パワーユニットケー5Rの要所にそれぞれ形成された締結ボス5Ld、5Rdに締結部材5bが締結されることで一体に結合される(図3参照)。
図5においては、左パワーユニットケース5L側の要所に設けられた締結ボス5Ldが示され、そのうちの一つの締結ボス5Ld、すなわちオイルレベル確認窓103に近い締結ボス5Ld(図5中5Ld′と表記)と、オイルレベル確認窓103の孔部110の周囲の周壁112とが、補強リブ113で連結されている。これにより、剛性の高い締結ボス5Ldが周壁112と補強リブ113によって連結されたので、オイルパン部102におけるオイルレベル確認窓103の周囲の剛性が一層効果的に高められている。
なお、図5中のクロスハッチングは、右パワーユニットケース5Rとの合わせ面を示し、要所に設けられた締結ボス5Ldと、図5中図示されない右パワーユニットケース5R側の締結ボス5Rd(図3参照)とが、締結部材5bによって締結されることで、クランクケース部5aが構成される。
なお、締結部材5bは、図示されない右パワーユニットケース5R側の締結ボス5Rd側から、図5中に図示される左パワーユニットケース5L側の締結ボス5Ldに螺入されるものなので、図5中では一部を二点鎖線で示している。
また、図5において、104aは、オイルパン部102の最下部に設けられたドレン孔であり、図4に示されるように、オイルパン部102の左側壁102aに螺入されるドレンボルト104により開閉可能に閉塞される(図6参照)。
そして図4において、車両側面視で、左のハンガーアーム50Lの上側外郭線50aをオイルパン部102側に延出した上側仮想線Laと、左のハンガーアーム50Lの下側外郭線50bをオイルパン102側に延出した下側仮想線Lbとの間の領域に、ドレンボルト104の一部が配置されるようにしてオイルパン部102に設けられている。より詳細には、オイルパン部102の角部、すなわちオイルパン部102の底壁となる外周壁5Lbの下部と左側壁102aとの集合部に、ドレン孔104aが形成されるので、比較的剛性の高い部位でのドレン孔104aの形成が可能である(図6参照)。
上側仮想線Laと下側仮想線Lbとの間の領域のオイルパン部102は、ハンガーアーム50Lがオイルパン部102から前方に延出して形成されることによってハンガーアーム50Lの基部と一体になり剛性が高められた領域となり、その剛性の高い領域にドレンボルト104を設けることで、ドレンボルト104の設置に伴いドレン孔104aをオイルパン部102に形成しても、オイルパン部102の剛性低下が抑制されている。
また、図4に示されるように、本実施形態では、ブレーキケーブル105は、オイルレベル確認窓103の下方に配索されているので、ブレーキケーブル105によってオイルレベル確認窓103が隠れず、視認性が向上している。
そして、ブレーキケーブル105をパワーユニットケース5側へ支持する支持ステー105aが、左パワーユニットケース5Lの伝動ケース4と伝動ケースカバー7の要所にそれぞれ設けられた締結ボス4d、7d(図3参照)の一つに対して共締めで締結されて、図4に示されるように車両側面視で支持ステー105aはオイルパン部102と重なる位置にあるように設けられており、支持ステー105aがオイルレベル確認窓103の近傍に設けられることとなり、オイルレベル確認窓103の近傍でブレーキケーブル105がばたつくことが防止され、より一層オイルレベル確認窓の視認性が向上している。
一方、ドレンボルト104は、ブレーキケーブル105の下方に設けられているので、ドレンボルト104を外してオイルを排出する際に、ブレーキケーブル105が邪魔になるのが防がれており、メンテナンス性が向上している。
図4に示されるように、オイルレベル確認窓103の前方に位置する車体フレーム2のメインフレーム22にスタンドブラケット26が設けられ、スタンドブラケット26にサイドスタンド101が起立位置と格納位置とに回転係止自在に取付けられるが、図4において起立位置は二点鎖線で、格納位置は実線で示される。
図示のように、サイドスタンド101が格納位置にあるときに、車両側面視で、サイドスタンドの下方にオイルレベル確認窓103が位置するように、オイルレベル確認窓103が設けられている。
オイルレベル確認窓103によるオイルレベルの視認は、通常、サイドスタンド101は用いず格納し、メインスタンド100を立てて行われることから(図2参照)、格納位置にあるサイドスタンド101によってオイルレベル確認窓103が隠れることがないので、視認性が向上している。
以下、本実施形態の自動二輪車1のパワーユニット3の特徴的構成と、その作用効果を述べる。
すなわち、クランク軸51を回転自在に支承するクランクケース部5aと、クランクケース部5aと一体に形成されるとともに、クランクケース部5aを車体フレーム2に対して揺動自在に軸支するハンガーアーム50(50L、50R)とを備え、クランクケース5aのオイルパン部102に、オイル量を外部から視認可能なオイルレベル確認窓103が設けられた自動二輪車1のパワーユニット3において、
ハンガーアーム50Lがオイルパン部102から前方に延出して形成され、車両側面視で、ハンガーアーム50Lの上側外郭線50aをオイルパン部102側に延出した上側仮想線Laと、下側外郭線50bをオイルパン部102側に延出した下側仮想線Lbとの間の領域に、オイルレベル確認窓103が納まるようにして設けられている。
したがって、車両側面視でハンガーアーム50Lの上側、下側外郭線50a、50bをオイルパン部102側に延出した上側仮想線Laと下側仮想線Lbとの間の領域のオイルパン部102は、ハンガーアーム50Lがオイルパン部102から前方に延出して形成されることによってハンガーアーム50Lの基部と一体になり剛性が高められた領域となり、その剛性の高い領域にオイルレベル確認窓103が設けられたことで、オイルレベル確認窓103の設置に伴い孔部110がオイルパン部に形成されていても、オイルパン部102の剛性低下を抑制することができた。
また、車両側面視で、上側外郭線50aとオイルパン部102の外殻面102bとが交わる点Paを通る仮想水平線Lhよりも下側で、且つ下側外郭線50bとオイルパン部102の外殻面102bとが交わる点Pbを通る仮想鉛直線Lvよりも前側に、オイルレベル確認窓103の一部が配置されるようにして、オイルレベル確認窓103が設けられている。
そのため、オイルレベル確認窓103の一部が、車両側面視で、上側外郭線50aとオイルパン部102の外殻面102bとが交わる点Pa、すなわちハンガーアーム基部上端部50cよりも下側で、且つ下側外郭線50bとオイルパン部102の外殻面102bとが交わる点Pb、すなわちハンガーアーム基部下端部50dよりも前側に配置されることで、より一層剛性が高まるハンガーアーム50Lの基部の近傍にオイルレベル確認窓103を設けることとなり、オイルレベル確認窓103の設置によるオイルパン部102の剛性低下を抑制することができる。
また、オイルレベル確認窓103は、上側仮想線La、下側仮想線Lb、仮想水平線Lhおよび仮想鉛直線Lvで囲まれる領域内において後上方に寄った位置に設けられたので、オイルレベルの下限位置を設定するにあたり、余裕を持たせた設計を行うことができるとともに、オイルレベル確認窓103の設置のための孔部110の加工も容易に行うことができる。
また、オイルレベル確認窓103の下方にブレーキケーブル105が配索されたので、ブレーキケーブル105によってオイルレベル確認窓103が隠れないようにすることができ、視認性が向上している。
また、車両側面視でオイルパン部102と重なる位置に、ブレーキケーブル105をパワーユニットケース5側へ支持する支持ステー105aが設けられたので、オイルレベル確認窓103の近傍に支持ステー105aが設けられることになり、オイルレベル確認窓103の近傍においてブレーキケーブル105がばたつくのを防止することができ、より一層オイルレベル確認窓の視認性が向上している。
また、オイルレベル確認窓103の前方に位置する車体フレーム2のメインフレーム22に、サイドスタンド101が起立位置と格納位置とに回転係止自在に取付けられ、サイドスタンド101がその格納位置にあるときに、車両側面視で、サイドスタンド101の下方にオイルレベル確認窓103が位置するように、オイルレベル確認窓103が設けられている。
オイルレベル確認窓103によるオイルレベルの視認は、通常、サイドスタンド101を用いず格納し、メインスタンド100を立てて行われることから、格納位置にあるサイドスタンド101によってオイルレベル確認窓103が隠れないようにすることができ、視認性が向上した。
また、クランクケース部5aは、複数のケース部材としての左パワーユニットケース5Lと右パワーユニットケー5Rからなり、左パワーユニットケース5Lと右パワーユニットケー5Rに形成された締結ボス5Ld、5Rdに締結部材5bが締結されることで一体に結合され、オイルレベル確認窓103は、オイルパン部102に形成された孔部110に窓部材120を取付けることで構成され、孔部110の周囲を囲むように周壁112がクランクケース部5aから立設されて形成され、締結ボス5Ldと周壁112とが補強リブ113で連結されたので、孔部110の周壁112によってオイルレベル確認窓103周囲のオイルパン部102の剛性を高めることができるうえ、その周壁112が剛性の高い締結ボス5Ldと補強リブ113によって連結されたので、一層効果的にオイルパン部102におけるオイルレベル確認窓103の周囲の剛性が高められている。
また、車両側面視で、左のハンガーアーム50Lの上側外郭線50aをオイルパン部102側に延出した上側仮想線Laと、下側外郭線50bをオイルパン102側に延出した下側仮想線Lbとの間の領域に、ドレンボルト104の一部が配置されるようにしてドレンボルト104がオイルパン部102に設けられている。
車両側面視で上側仮想線Laと下側仮想線Lbとの間の領域のオイルパン部102は、ハンガーアーム50Lがオイルパン部102から前方に延出して形成されることによってハンガーアーム50Lの基部と一体になって剛性が高められた領域となり、その剛性の高い領域にドレンボルト104を設けることで、ドレンボルト104の設置に伴いドレン孔104aをオイルパン部102に形成しても、オイルパン部102の剛性低下を抑制されている。
また、ドレンボルト104が、ブレーキケーブル105の下方に設けられており、ドレンボルト104を外してオイルを排出する際に、ブレーキケーブル105が邪魔になるのを防ぐことができ、メンテナンス性が向上している。
そして、Vベルト式無段変速機40を収容するベルト室70の車幅方向に延出する周壁部4aの下方に、オイルレベル確認窓103が設けられたので、ガラス窓材121を有するオイルレベル確認窓103を、側方からの衝撃から保護することができる。
以上、本発明の一実施形態につき説明したが、本発明の態様が上記実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲で、多様な態様で実施されるものを含むことは勿論である。
たとえば、スイング式パワーユニットの内燃機関は、単気筒4ストロークサイクルの水冷式内燃機関に限定されず、鞍乗型車両は、クランクケースのオイルパン部にオイルレベル確認窓が設けられたスイング式パワーユニットを備えたものであれば、自動二輪車に限定されない。
なお、スイング式パワーユニットおよびその各部分の構成配置は、説明の便宜上、実施形態において図示の左右方向配置に特定して記載したが、本発明においては、左右逆の配置のものであってもよい。
1…自動二輪車(スクータ型自動二輪車、本発明における「鞍乗型車両」)、2…車体フレーム、3…パワーユニット(スイング式パワーユニット)、4…伝動ケース、4a…周壁部、5…パワーユニットケース、5a…クランクケース部(本発明における「クランクケース」)、5b…締結部材、5c…クランク室、5L…左パワーユニットケース(本発明における「ケース部材」、5Ld…締結ボス、5R…右パワーユニットケース(本発明における「ケース部材」、5Rd…締結ボス、7…伝動ケースカバー、22…メインパイプ、23…ブラケット、24…リンク部材、25…ピボット軸、30…内燃機関(水冷式内燃機関)、40…Vベルト式無段変速機、50…ハンガーアーム、50a…上側外郭線、50b…下側外郭線、50c…ハンガーアーム基部上端部、50d…ハンガーアーム基部下端部、50L…左のハンガーアーム、50R…右のハンガーアーム、51…クランク軸、70…ベルト室、100…メインスタンド、101…サイドスタンド、102…オイルパン部、102a…左側壁、102b…外殻面、103…オイルレベル確認窓、104…ドレンボルト、104a…ドレン孔、105…ブレーキケーブル、105a…支持ステー、110…孔部、111…下限表示リブ、112…周壁、113…補強リブ、120…窓部材、121…ガラス窓材、La…上側仮想線、Lb…下側仮想線、Lh…仮想水平線、Lv…仮想鉛直線、Pa…上側外郭線50aとオイルパン部102の外殻面102bとが交わる点、Pb…下側外郭線50bとオイルパン部102の外殻面102bとが交わる点、OS…オイルの油面

Claims (8)

  1. クランク軸(51)を回転自在に支承するクランクケース(5a)と、前記クランクケース(5a)と一体に形成されるとともに、前記クランクケース(5a)を車体フレーム(2)に対して揺動自在に軸支するハンガーアーム(50L,50R)とを備え、
    前記クランクケース(5a)のオイルパン部(102)に、オイル量を外部から視認可能なオイルレベル確認窓(103)が設けられた鞍乗型車両(1)のスイング式パワーユニット(3)において、
    前記ハンガーアーム(50L,50R)が前記オイルパン部(102)から前方に延出して形成され、
    車両側面視で、前記ハンガーアーム(50L)の上側外郭線(50a)を前記オイルパン部(102)側に延出した上側仮想線(La)と、下側外郭線(50b)を前記オイルパン部(102)側に延出した下側仮想線(Lb)との間の領域に、前記オイルレベル確認窓(103)が納まるようにして設けられ
    車両側面視で、前記上側外郭線(50a)と前記オイルパン部(102)の外殻面(102b)とが交わる点(Pa)を通る仮想水平線(Lh)よりも下側で、且つ前記下側外郭線(50b)と前記オイルパン部(102)の前記外殻面(102b)とが交わる点(Pb)を通る仮想鉛直線(Lv)よりも前側に、前記オイルレベル確認窓(103)の少なくとも一部が配置されるようにして、同オイルレベル確認窓(103)が設けられたことを特徴とする鞍乗型車両のスイング式パワーユニット
  2. 前記オイルレベル確認窓(103)は、前記上側仮想線(La)、下側仮想線(Lb)、仮想水平線(Lh)および仮想鉛直線(Lv)で囲まれる領域内において後上方に寄った位置に設けられたことを特徴とする請求項に記載の鞍乗型車両のスイング式パワーユニット。
  3. 前記オイルレベル確認窓(103)の下方にブレーキケーブル(105)が配索されたことを特徴とする請求項1または請求項に記載の鞍乗型車両のスイング式パワーユニット。
  4. 車両側面視で前記オイルパン部(102)と重なる位置に、前記ブレーキケーブル(105)を前記スイング式パワーユニット(3)のパワーユニットケース(5)側へ支持する支持ステー(105a)が設けられたことを特徴とする請求項に記載の鞍乗型車両のスイング式パワーユニット。
  5. 前記オイルレベル確認窓(103)の前方に位置する前記車体フレーム(2)に、サイドスタンド(101)が起立位置と格納位置とに回転係止自在に取付けられ、前記サイドスタンド(101)がその格納位置にあるときに、車両側面視で、前記サイドスタンド(101)の下方に前記オイルレベル確認窓(103)が位置するように、同オイルレベル確認窓(103)が設けられたことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のスイング式パワーユニット。
  6. 前記クランクケース(5a)は、複数のケース部材(5L,5R)からなり、同複数のケース部材(5L,5R)に形成された締結ボス(5Ld,5Rd)に締結部材(5b)が締結されることで一体に結合され、
    前記オイルレベル確認窓(103)は、オイルパン部(102)に形成された孔部(110)に窓部材(120)を取付けることで構成され、前記孔部(110)の周囲を囲むように周壁(112)が前記クランクケース(5a)から立設されて形成され、
    前記締結ボス(5Ld,5Rd)と前記周壁(112)とが補強リブ(113)で連結されたことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のスイング式パワーユニット。
  7. 車両側面視で、前記上側仮想線(La)と、前記下側仮想線(La)との間の領域に、少なくとも一部が配置されるようにして、ドレンボルト(104)が前記オイルパン部(102)に設けられたことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のスイング式パワーユニット。
  8. 前記ドレンボルト(104)が、ブレーキケーブル(105)の下方に設けられたことを特徴とする請求項に記載の鞍乗型車両のスイング式パワーユニット。
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