JP7362822B1 - 内燃機関の油路構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】昇温を抑えた状態で燃焼室周辺にエンジンオイルを供給し、ノッキングの抑制が図れる内燃機関の油路構造。【解決手段】クランク軸41が回転自在に支持されるクランクケース40と、クランクケース40に接続されシリンダ部42aを形成するシリンダブロック42と、シリンダブロックに接続されシリンダ部との間に燃焼室65を形成するシリンダヘッド43とを備えた内燃機関4において、シリンダヘッドおよびシリンダブロックには、シリンダ軸線Xを中心とした同心円Y上に複数の貫通孔48が形成され、複数の貫通孔に挿通される複数のスタッドボルト49は、クランクケースにシリンダヘッドおよびシリンダブロックを固定し、シリンダブロックおよびシリンダヘッドには油路が設けられ、油路のうち少なくともシリンダブロック内の油路であるシリンダブロック内供給油路91は、複数の貫通孔が形成する同心円よりも外側の位置に設けられた内燃機関の油路構造。【選択図】図3

Description

本発明は内燃機関の油路構造に関し、特に、昇温を抑えた状態で燃焼室周辺にエンジンオイルを供給し、ノッキングの抑制を図ることができる内燃機関の油路構造に関する。
空冷内燃機関において、オイル戻し通路をスタッドボルトの外側に設けるものが、例えば下記特許文献1に示されている。
しかしながら、エンジンオイルがオイルパンに還流された際、オイルパンに他部品から還流されたエンジンオイルと合流するため、エンジンオイルが昇温する。そのため、オイルパンから燃焼室周辺に供給されるエンジンオイルが昇温することを抑えることに関して改善の余地がある。
特開平8-086210号公報(図1、図2、図5)
本発明は、かかる従来技術に鑑み成されたものであり、昇温を抑えた状態で燃焼室周辺にエンジンオイルを供給し、ノッキングの抑制が図れる内燃機関の油路構造を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明の内燃機関の油路構造は、
クランク軸が回転自在に支持されるクランクケースと、同クランクケースに接続され、シリンダ部を形成するシリンダブロックと、同シリンダブロックに接続され前記シリンダ部との間に燃焼室を形成し吸気ポートおよび排気ポートが形成されたシリンダヘッドとを備えた内燃機関において、
前記シリンダヘッドおよび前記シリンダブロックには、シリンダ軸線を中心とした同心円上に複数の貫通孔が形成され、
前記複数の貫通孔に挿通される複数のスタッドボルトは、前記クランクケースに前記シリンダヘッドおよび前記シリンダブロックを固定し、
前記シリンダブロックおよび前記シリンダヘッドには油路が設けられ、
前記油路のうち少なくともシリンダブロック内の油路であるシリンダブロック内供給油路は、前記複数の貫通孔が形成する前記同心円よりも外側の位置に設けられ
前記シリンダブロック内供給油路は、前記スタッドボルトの軸線および前記シリンダ軸線と平行であることを特徴とする内燃機関の油路構造である。
上記構成によれば、
シリンダブロック内供給油路よりシリンダ部の近くにスタッドボルトが介在するので、スタッドボルトによりシリンダ部からの熱をクランクケースへ伝えることができる。そのため、エンジンオイルが燃焼室周辺を冷却する前に昇温することを抑制することができる。その結果、より冷えたエンジンオイルが、吸気弁口近傍を通過するので、ノッキングを抑制することができる。
また、シリンダ軸線およびスタッドボルトの軸線とシリンダブロック内供給油路が平行であるので、シリンダブロック内供給油路とスタッドボルトとの間に、所定の間隔に設けることができる。
そのため、スタッドボルトは、シリンダ部からの熱をクランクケースへ伝え、所定の間隔をあけたシリンダブロック内供給油路への熱の伝達が減じ、エンジンオイルが燃焼室周辺を冷却する前に昇温することを抑制することができる。その結果、より冷えたエンジンオイルが、吸気弁口近傍を通過するので、ノッキングを抑制することができる。
本発明の好適な実施形態によれば、
前記シリンダブロックは、前記シリンダブロック内供給油路を冷却する第1の冷却フィンを備える。
そのため、第1の冷却フィンにより、走行風によってシリンダブロック内供給油路が冷却されるので、エンジンオイルが燃焼室周辺を冷却する前に昇温することを抑制することができる。その結果、より冷えたエンジンオイルが、吸気弁口近傍を通過するので、ノッキングを抑制することができる。
本発明の好適な実施形態によれば、
前記シリンダヘッドは、同シリンダヘッド内の油路である第一油路を冷却する第2の冷却フィンを備える。
そのため、第2の冷却フィンにより、走行風によってシリンダヘッド内の第一油路が冷却されるので、エンジンオイルが燃焼室周辺や動弁機構を冷却するまえに昇温することを抑えることができる。その結果、より冷えたエンジンオイルが、吸気弁口近傍を通過するので、ノッキングを抑制することができる。
本発明の好適な実施形態によれば、
第1の冷却フィンを備える前記シリンダブロックの外壁面と前記シリンダブロック内供給油路の中心線とのシリンダ部半径方向距離は、前記スタッドボルトの軸線と前記シリンダブロック内供給油路の中心軸とのシリンダ部半径方向距離よりも小さい。
そのように、シリンダブロック内供給油路を第1の冷却フィンに近づけた構造としたので、第1の冷却フィンによるエンジンオイル冷却効果が向上し、エンジンオイルが燃焼室周辺を冷却するまえに昇温することを抑えることができる。その結果、より冷えたエンジンオイルが、吸気弁口近傍を通過するので、ノッキングを抑制することができる。
本発明の内燃機関の油路構造によれば、
シリンダブロック内供給油路よりシリンダ部の近くにスタッドボルトが介在するので、スタッドボルトによりシリンダ部からの熱をクランクケースへ伝えることができる。そのため、エンジンオイルが燃焼室周辺を冷却する前に昇温することを抑制することができる。その結果、より冷えたエンジンオイルが、吸気弁口近傍を通過するので、ノッキングを抑制することができる。
また、シリンダ軸線およびスタッドボルトの軸線とシリンダブロック内供給油路が平行であるので、シリンダブロック内供給油路とスタッドボルトとの間に、所定の間隔に設けることができる。
そのため、スタッドボルトは、シリンダ部からの熱をクランクケースへ伝え、所定の間隔をあけたシリンダブロック内供給油路への熱の伝達が減じ、エンジンオイルが燃焼室周辺を冷却する前に昇温することを抑制することができる。その結果、より冷えたエンジンオイルが、吸気弁口近傍を通過するので、ノッキングを抑制することができる。
本実施形態に係る内燃機関の油路構造を備えたパワーユニットを搭載した自動二輪車の右側面概要図である。 図1のパワーユニットの内燃機関のクランクケースからヘッドカバーまでの右側面図である。 図2中III-III矢視による内燃機関の上面断面図である。 図3中IV-IV矢視による、シリンダブロックの前面図である。 図3中および図4中V-V矢視による、内燃機関のシリンダブロック内供給油路を通る右側面断面図である。
図1から図5に基づき、本発明の一実施形態に係る内燃機関の油路構造につき説明する。
なお、本明細書の説明および特許請求の範囲における前後左右上下等の向きは、本実施形態に係る内燃機関を備えたパワーユニットを搭載した車両の向きに従うものとする。本実施形態において車両は具体的にはスクータ型自動二輪車(以下、単に「自動二輪車」という)である。
また、図中矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、UPは車両上方を、それぞれ示す。
図1に、本実施形態に係る内燃機関の油路構造を備えたパワーユニット3を搭載した自動二輪車1の右側面概要を示す。
自動二輪車1は、車体前部1Fと車体後部1Rとが、低いフロア部1Cを介して連結されており、車体の骨格をなす車体フレーム2は、概ねダウンチューブ21とメインパイプ22とからなる。
すなわち車体前部1Fのヘッドパイプ20からダウンチューブ21が下方へ延出し、ダウンチューブ21は下端で水平に屈曲してフロア部1Cの下方を後方へ延び、その後端において左右一対のメインパイプ22が連結され、メインパイプ22は連結部から斜め後方に立ち上がる立上り部22aを経て所定高さで略水平に屈曲して後方に延びている。
メインパイプ22により図示しない燃料タンクや収納ボックスが支持され、その上方に乗車シート11が配置されている。
一方車体前部1Fにおいては、ヘッドパイプ20に軸支されて上方にハンドル12が設けられ、下方にフロントフォーク13が延びてその下端に前輪14が軸支されている。
メインパイプ22の立上り部22aにはブラケット23が突設され、ブラケット23にリンク部材24を介してパワーユニット側ブラケット33が取り付き、スイング式パワーユニット(以下、単に「パワーユニット」という。)3が、後輪15と共に上下揺動可能に連結支持される。
すなわち、本実施形態の自動二輪車1は、パワーユニット3の上部リンク支持構造を採っている。
パワーユニット3には、そのユニットケース30の前部に強制空冷式の単気筒4ストロークサイクルの内燃機関4が設けられ、ユニットケース30の前部は内燃機関4のクランクケース40を構成している。内燃機関4はそのクランクケース40に車幅方向に軸線を配したクランク軸41を回転自在に支持する。
また、内燃機関4は、クランクケース40に接続されシリンダボア(本発明における「シリンダ部」)42aを形成するシリンダブロック42と、シリンダブロック42に接続され、シリンダボア42aとの間に燃焼室65を形成し吸気ポート45および排気ポート46が形成される(図4参照)シリンダヘッド43と、シリンダヘッド43を覆うヘッドカバー44を備え、シリンダブロック42、シリンダヘッド43、ヘッドカバー44を略水平に近い状態にまで大きく前傾させて取付けた姿勢でパワーユニット3に設けられる。
パワーユニット3のユニットケース30は、内燃機関4から左後方にかけて延在してベルト式無段変速機を内蔵する伝動ケース部31を構成し、その後部に設けられた減速機構32に後輪15が軸支されている。図1に示されるように、ユニットケース30の後端とメインパイプ22の後部間にリヤクッション16が介装されている。
パワーユニット3の上部には、内燃機関4のシリンダヘッド43の上部の吸気ポート45の入口から延出した吸気管51に接続されたスロットルボディ52、およびスロットルボディ52に連結されるエアクリーナ53が配設されている。
シリンダヘッド43の下部の排気ポート46の出口に接続した排気管55は後方へ屈曲し車両右側に沿って後方に延びて、後輪15の右側のマフラ56に接続している。マフラ56は、マフラステー56aを介してユニットケース30に取付けられている。
車体前部1Fは、フロントカバー17aとリヤカバー17bにより前後が覆われ、ハンドル12の中央部はハンドルカバー17cによって覆われる。
フロア部1Cは、ステッププレート17dが張設され、このステッププレート17dの左右側縁に沿って各々下方にロアサイドカバー17eが延設されている。
車体後部1Rは、ステッププレート17dの後部の上方に連結してボディカバー17fがメインパイプ22の前方から左右側方に亘って覆うように被せられ、ボディカバー17fの上端開口を乗車シート11が開閉自在に覆うようになっている。側面視でボディカバー17fの後方斜め上方に先細に延出した後部からリヤフェンダ18が斜め下方に延びて後輪15を上方から覆っている。
図2は、パワーユニット3の内燃機関4のクランクケース40からヘッドカバー44までの右側面図である。
本実施形態の内燃機関4は、強制空冷型であり、クランクケース40の右側はファンカバー70で覆われ、ファンカバー70には、クランク軸41の軸心周りの冷却空気取入窓71が開口し、冷却空気取入窓71の内部には図示しない回転ファンがクランク軸41に同心に設けられている。
シリンダブロック42とシリンダヘッド43は、2点鎖線で示すシュラウド72で覆われ、シュラウド72はファンカバー70と連通している。クランク軸41とともに回転する回転ファンによって冷却空気取入窓71から取り入れられた冷却用の外気は、ファンカバー70経由シュラウド72内に強制的に送り込まれ、シリンダブロック42とシリンダヘッド43を冷却した後、排出される。
また、本実施形態の内燃機関4は、SOHC型式のバルブシステムを採用しており、シリンダヘッド43に設けられる動弁機構60のカムシャフト61の従動スプロケット61aとクランク軸41の駆動スプロケット41aとの間に、クランク軸41の回転によってカムシャフト61を回転させるカムチェーン62が架設されており、そのためのカムチェーン室63が、クランクケース40,シリンダブロック42,シリンダヘッド43内の側部に、本実施形態では左部に連通して設けられている(図3、図4参照)。
なお、伝動部材として代わりに伝動ベルトを用い、従動スプロケット61aの代わりに従動プーリ、駆動スプロケットの代わりに駆動プーリを備えてもよい。
クランク軸41は、シリンダブロック42に設けられたシリンダボア42a(図4参照)内を摺動する図示されないピストンの上下動により、図2において時計方向へ回転駆動されるようになっている。
シリンダヘッド43の上端部において、ヘッドカバー44との間には、カムシャフト61がクランク軸41と平行に回動自在に支承されている。
シリンダヘッド43内には、内燃機関4の燃焼室65(図4参照)が設けられ、燃焼室65には燃焼室内の吸気、排気を制御するための図示されない吸気弁および排気弁が設けられていて、吸気弁および排気弁はそれぞれ、カムシャフト61に設けられたカム面により、カムシャフト61の回転に伴ってそれぞれリフト量および開閉のタイミングが制御されるようになっている。
すなわち、ピストンの上下動により、図2の図示において時計方向で回転駆動されるクランク軸41の回転トルクが、掛け回されたカムチェーン62を介して、カムシャフト61に伝達され、内燃機関4の燃焼行程に対して、吸気弁および排気弁が所定のタイミングで、吸気ポート45の吸気弁口66と、排気ポート46の排気弁口67(図4参照)を開閉するようになっている。
そのように所定のタイミングで吸気弁、排気弁が適正に開閉されるためには、カムチェーン62の張力が常に適正に保たれる必要がある。
しかし、運転者の急な加減速によるクランク軸41の回転速度の急激な変化や、路面からの走行抵抗の変化により、カムチェーン62に振動が発生することがある。
本実施形態では、図2に示される右側面視で、駆動スプロケット41aの時計方向の回転により、カムチェーン62は、駆動スプロケット41aと従動スプロケット61aに噛み合って走行するが、駆動スプロケット41aから従動スプロケット61aへ送出される側の上側カムチェーン62aは弛緩側となり、駆動スプロケット41aにより牽引される側の下側カムチェーン62bは緊張側となる。
上述のカムチェーン62の振動を防止して一定の張力を与えるために、内燃機関4には、カムチェーン62の張力を保つため、カムチェーン62の弛緩側、すなわち上側カムチェーン62aを押圧するカムチェーンテンショナ機構80が設けられ、カムチェーン62を押圧し摺動案内するテンショナスリッパ81と、テンショナスリッパ81を押圧するねじ式テンショナ82を備えている。
一方、クランクケース40の下部にはオイルパン47(図5参照)が設けられている。
また、クランクケース40内には、クランク軸41の動力により駆動される図示しないオイルポンプが設けられており、クランク軸41によりオイルポンプが駆動されると、オイルパン47内に貯留されたエンジンオイルが、図示しないストレーナを経て吸入されて、オイルポンプから複数の油路を通じて、内燃機関4の各所に送られるようになっている。
なお、図2中符号57は、排気ガスのOセンサである。
また、符号33は、上述のパワーユニット3の上部リンク支持構造のためのパワーユニット側ブラケットである。
図3は、図2中III-III矢視による内燃機関4の上面断面図である。図3中の黒小矢印はエンジンオイルの流れを模式的に示す。
前述の動弁機構60は、カムシャフト61周囲の軸受け、カム等の潤滑のためのカムシャフト61へのエンジンオイルの供給が必要である。
そこで、図3に示されるように、オイルポンプからのエンジンオイルの供給を受け、シリンダブロック42内をシリンダ軸線X方向前方に進みシリンダヘッド43に向かうシリンダブロック内供給油路91と、それに接続しカムシャフト61周囲に向かうシリンダヘッド43内の第一油路91Aを備える。
シリンダブロック内供給油路91と第一油路91Aとは、排気ポート46の排気弁口67よりも吸気ポート45の吸気弁口66に近い側(図4参照)で、シリンダブロック42とシリンダヘッド43の合わせ面42b、43bの接続部92で接続する。
図4は、図3中IV-IV矢視による、シリンダブロック42の前面図である。
シリンダブロック42の合わせ面42bには、ほぼ中央にシリンダボア42aが開口し、その周囲のシリンダ軸線X回りの同心円Y上に、シリンダ軸線Xと平行な4つの貫通孔48が形成されている。
合わせ面42bに接続するシリンダヘッド43にも同位置にシリンダ軸線Xと平行に4つの貫通孔48が穿たれていて、シリンダヘッド43の前方から挿入されたスタッドボルト49の先端は、シリンダヘッド43とシリンダブロック42の貫通孔48を通り、クランクケース40に螺入され、シリンダヘッド43とシリンダブロック42をクランクケース40に締結固定する。
シリンダボア42aの左側には、上述のカムチェーン室63が開口し、カムチェーン室63上辺に対向して、シリンダブロック42の上部にカムチェーンテンショナ機構80のねじ式テンショナ82が取付けられている。
図4において、シリンダボア42aの中には、シリンダブロック42に取付けられたシリンダヘッド43の燃焼室65に開口する吸気ポート45の吸気弁口66の位置、排気ポート46の排気弁口67の位置が想像線(2点鎖線)で示される。
図4に示されるように、シリンダブロック42の合わせ面42bに開口するシリンダブロック内供給油路91は、貫通孔48を結ぶ同心円Yの外方の位置に、さらに本実施形態では、貫通孔48とそれに挿通するスタッドボルト49の外側に設けられている。
したがって、シリンダボア42aから離れた位置で、しかもシリンダボア42aの貫通孔48とスタッドボルト49の外方の位置において、エンジンオイルが接続部92まで供給されるので、比較的温度の低いエンジンオイルを第一油路91Aに送り出して、吸気弁口66近傍やカムシャフト61に供給することができる。そのため、吸気の温度を抑制してノッキングを抑制することができる。
図5は、図3中および図4中V-V矢視による、内燃機関4のシリンダブロック内供給油路91を通る右側面断面図である。図5中の黒小矢印はエンジンオイルの流れを模式的に示す。
シリンダブロック内供給油路91にはクランクケース40内の図示しないオイルポンプからの油路90を通じ、オイルパン47のエンジンオイルが供給され、接続する第一油路91Aはシリンダヘッド43前方へ、動弁機構60のカムシャフト61に向けて配設されていることが示されている。
本実施形態においては、図4に示されるように、シリンダブロック42内の油路であるシリンダブロック内供給油路91は、複数の貫通孔48が形成する同心円Yよりも外側で、シリンダボア42aから離れた位置に設けられており、本実施形態では特に、シリンダ軸線Xからの同一半径方向で、スタッドボルト49が、シリンダブロック内供給油路91とシリンダボア42aとの間に並ぶように配置されている。
また、シリンダブロック内供給油路91は、スタッドボルト49の軸線Zおよびシリンダ軸線Xと平行である。
また、図3に示されるように、シリンダブロック42は、シリンダブロック内供給油路91を冷却するために、シリンダブロック42の外壁面42cに第1冷却フィン(本発明における「第1の冷却フィン」)75を備えている
そして、シリンダヘッド43は、シリンダヘッド43内の油路である第一油路91Aを冷却するために、シリンダヘッド43の外壁面43cに第2冷却フィン(本発明における「第2の冷却フィン」)76を備えている。
第1冷却フィン75を備えるシリンダブロック42の外壁面42cと、シリンダブロック内供給油路91の中心線Pとのシリンダボア半径方向距離(本発明における「シリンダ部半径方向距離」)aは、
スタッドボルト49の軸線Zと、シリンダブロック内供給油路91の中心線Pとのシリンダボア半径方向距離(本発明における「シリンダ部半径方向距離」)b、すなわち、複数のスタッドボルト49を挿通する複数の貫通孔48がなす同心円Yとシリンダブロック内供給油路91の中心線Pとのシリンダボア半径方向距離b、よりも小さく設定されている。
したがって、シリンダブロック内供給油路91が、第1冷却フィン75に近づけて配置されている。
本実施形態においては上述のように、クランクケース40にクランク軸41が回転自在に支持され、クランクケース40にシリンダブロック42、シリンダヘッド43,ヘッドカバー44が重なり接続し、クランク軸41の回転でカムシャフト61を回転させるカムチェーン62を備えた内燃機関4において、シリンダブロック42にはカムチェーン62の張力を保つためのねじ式テンショナ82が設けられている。
また、シリンダブロック42とシリンダヘッド43には、カムシャフト61へエンジンオイルを供給する第一油路91Aと、シリンダブロック42とシリンダヘッド43との合わせ面42b、43bの接続部92において、第一油路91Aにエンジンオイルを供給するシリンダブロック内供給油路91とが備えられる。
シリンダヘッド43およびシリンダブロック42には、シリンダボア42aのシリンダ軸線Xを中心とした同心円Y上に4つの貫通孔48が形成され、貫通孔48に挿通される4本のスタッドボルト49は、クランクケース40にシリンダブロック42およびシリンダヘッド43を固定し、シリンダブロック内供給油路91と、第一油路91Aとの接続部92とは、4本の貫通孔48が形成する同心円Yより外方の位置に設けられている。
シリンダボア42aより離れた位置において、エンジンオイルが接続部92まで供給されるので、比較的温度の低いエンジンオイルを吸気弁口66近傍やカムシャフト61に供給することができるため、吸気の温度を抑制してノッキングを抑制することができる。
また、本実施形態における内燃機関の油路構造は、上記のように構成されているので、以下のような特徴を有している。
すなわち、クランク軸41が回転自在に支持されるクランクケース40と、クランクケース40に接続されシリンダボア42aを形成するシリンダブロック42と、シリンダブロック42に接続されシリンダボア42aとの間に燃焼室65を形成し吸気ポート45および排気ポート46が形成されたシリンダヘッド43とを備えた内燃機関4において、
シリンダヘッド43およびシリンダブロック42には、シリンダ軸線Xを中心とした同心円Y上に複数の貫通孔48が形成されている。
複数の貫通孔48に挿通される複数のスタッドボルト49は、クランクケース40にシリンダヘッド43およびシリンダブロックを固定する。
シリンダブロック42およびシリンダヘッドには油路91、91Aが設けられ、油路91、91Aのうち少なくともシリンダブロック42内の油路であるシリンダブロック内供給油路91は、複数の貫通孔48が形成する同心円Yよりも外側の位置に設けられている。
そのように、シリンダブロック内供給油路91よりシリンダボア42aの近くにスタッドボルト49が介在するので、スタッドボルト49によりシリンダボア42aからの熱をクランクケース40へ伝えることができる。
そのため、エンジンオイルが燃焼室65周辺を冷却する前に昇温することを抑制することができる。その結果、より冷えたエンジンオイルが、吸気弁口66近傍を通過するので、ノッキングを抑制することができる。
なお、図4に示されるように、シリンダ軸線Xからの同一半径方向で、スタッドボルト49が、シリンダブロック内供給油路91とシリンダボア42aとの間に並ぶように配置された場合は、その効果がより高まる。
シリンダブロック内供給油路91は、スタッドボルト49の軸線Zおよびシリンダ軸線Xと平行に設けられている。
そのため、シリンダブロック内供給油路91とスタッドボルト49との間に、所定の間隔に設けることができ、スタッドボルト49はシリンダボア42aからの熱をクランクケース40へ伝えるので、所定の間隔をあけたシリンダブロック内供給油路91へは熱の伝達が減じ、エンジンオイルが燃焼室65周辺を冷却する前に昇温することを抑制することができる。その結果、より冷えたエンジンオイルが、吸気弁口66近傍を通過するので、ノッキングを抑制することができる。
シリンダブロック42は、シリンダブロック内供給油路91を冷却する第1冷却フィン75を備えており、第1冷却フィン75により、走行風によってシリンダブロック内供給油路91が冷却されるので、エンジンオイルが燃焼室65周辺を冷却する前に昇温することを抑制することができる。その結果、より冷えたエンジンオイルが、吸気弁口66近傍を通過するので、ノッキングを抑制することができる。
シリンダヘッド43は、シリンダヘッド43内の油路である第一油路91Aを冷却する第2冷却フィン76を備えており、第2冷却フィン76により、走行風によってシリンダヘッド43内の第一油路91Aが冷却されるので、エンジンオイルが燃焼室65周辺や動弁機構60を冷却するまえに昇温することを抑えることができる。その結果、より冷えたエンジンオイルが、吸気弁口66近傍を通過するので、ノッキングを抑制することができる。
第1冷却フィン75を備えるシリンダブロック42の外壁面42cと、シリンダブロック内供給油路91の中心線Pとのシリンダ部半径方向距離aは、スタッドボルト49の軸線Zとシリンダブロック内供給油路91の中心Pとのシリンダボア半径方向距離bよりも小さく設定されている。
そのように、シリンダブロック内供給油路91を第1冷却フィン75に近づけた構造としたので、第1冷却フィン75によるエンジンオイル冷却効果が向上し、エンジンオイルが燃焼室65周辺を冷却するまえに昇温することを抑えることができる。その結果、より冷えたエンジンオイルが、吸気弁口66近傍を通過するので、ノッキングを抑制することができる。

以上、本発明の一実施形態につき説明したが、本発明の態様はそれに限定されることなく、特許請求の範囲の各請求項の記載の要旨に含まれる多様な態様であって良い。例えば、搭載する車両は実施形態に示されるようなスクータ型自動二輪車に限定されず、内燃機関は実施形態のスイン式パワーユニットに設けられたものに限定されず、車体フレーム上に固定された内燃機関であってもよく、左右前後については説明の便宜上図示のものに従って説明したが、たとえば、左右反転した配置でもよい。
1…自動二輪車、2…車体フレーム、3…パワーユニット(スイング式パワーユニット)、4…内燃機関、30…ユニットケース、31…伝動ケース部、32…減速機構、40…クランクケース、41…クランク軸、41a…駆動スプロケット、42…シリンダブロック、42a…シリンダボア(本発明における「シリンダ部」)、42c…外壁面、43…シリンダヘッド、43c…外壁面、45…吸気ポート、46…排気ポート、47…オイルパン、48…貫通孔、49…スタッドボルト、60…動弁機構、61…カムシャフト、61a…従動スプロケット、62…カムチェーン、63…カムチェーン室、65…燃焼室、66…吸気弁口、67…排気弁口、75…第1冷却フィン(本発明における「第1の冷却フィン」)、76…第2冷却フィン(本発明における「第2の冷却フィン」)、90…油路、91…シリンダブロック内供給油路、91A…第一油路、92…接続部、X…シリンダ軸線、Y…同心円、Z…(スタッドボルト49の)軸線、P…(シリンダブロック内供給油路91の)中心線、a…シリンダボア半径方向距離(本発明における「シリンダ部半径方向距離」)、b…シリンダボア半径方向距離(本発明における「シリンダ部半径方向距離」)

Claims (4)

  1. クランク軸(41)が回転自在に支持されるクランクケース(40)と、
    同クランクケース(40)に接続され、シリンダ部(42a)を形成するシリンダブロック(42)と、
    同シリンダブロック(42)に接続され前記シリンダ部(42a)との間に燃焼室(65)を形成し吸気ポート(45)および排気ポート(46)が形成されたシリンダヘッド(43)とを備えた内燃機関(4)において、
    前記シリンダヘッド(43)および前記シリンダブロック(42)には、シリンダ軸線(X)を中心とした同心円(Y)上に複数の貫通孔(48)が形成され、
    前記複数の貫通孔(48)に挿通される複数のスタッドボルト(49)は、前記クランクケース(40)に前記シリンダヘッド(43)および前記シリンダブロック(42)を固定し、
    前記シリンダブロック(42)および前記シリンダヘッド(43)には油路(91,91A)が設けられ、
    前記油路(91,91A)のうち少なくともシリンダブロック(42)内の油路であるシリンダブロック内供給油路(91)は、前記複数の貫通孔(48)が形成する前記同心円(Y)よりも外側の位置に設けられ
    前記シリンダブロック内供給油路(91)は、前記スタッドボルト(49)の軸線(Z)および前記シリンダ軸線(X)と平行であることを特徴とする内燃機関の油路構造。
  2. 前記シリンダブロック(42)は、前記シリンダブロック内供給油路(91)を冷却する第1の冷却フィン(75)を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の油路構造。
  3. 前記シリンダヘッド(43)は、同シリンダヘッド(43)内の油路である第一油路(91A)を冷却する第2の冷却フィン(76)を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の油路構造。
  4. 前記第1の冷却フィン(75)を備える前記シリンダブロック(42)の外壁面(42c)と前記シリンダブロック内供給油路(91)の中心線(P)とのシリンダ部半径方向距離(a)は、前記スタッドボルト(49)の軸線(Z)と前記シリンダブロック内供給油路(91)の中心(P)とのシリンダ部半径方向距離(b)よりも小さいことを特徴とする請求項に記載の内燃機関の油路構造。
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