以下、本発明のナースコールシステムを適用した実施の形態例について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例によるナースコールシステムの全体構成を示すシステム説明図である。このナースコールシステムは、病院等の医療・看護施設内(以下、施設内という)に設置されるものであり、(複数台の)ナースコール子機1、(複数台の)カメラ2、(複数台の)廊下灯3、ナースコール親機4及び制御機5を有している。
ここで、廊下灯3には、子機ラインL1を経由してナースコール子機1が接続、例えば、個別配線で接続されている。また、制御機5には、カメララインL2を経由してカメラ2が接続、例えば、バス接続されているとともに、廊下灯ラインL3を経由して廊下灯3が接続、例えば、渡り配線で接続され、さらには親機ラインL4を経由してナースコール親機4が接続されている。
なお、ナースコール子機1及び廊下灯3間の接続は、図示のような個別配線の接続に限定されるものではなく、例えば、廊下灯3に対してナースコール子機1を順次接続する渡り配線の態様(不図示)も好適とされる。
また、カメラ2及び制御機5間の接続についても、図示のようなバス接続に限定されるものではなく、例えば、渡り配線の態様(不図示)も好適とされる。さらに、廊下灯3及び制御機5間の接続についても、図示のような渡り配線の接続に限定されるものではなく、例えば、バス接続の態様(不図示)も好適とされる。
ナースコール子機1はそれぞれ個別の子機IDを有しており、施設内における例えば、201号室、202号室、・・・・のような複数の部屋(病室と同意)内の各病床の被看護人(患者と同意)が、例えば、ナースコール親機4が設置されるスタッフステーション等の施設内共用部に在室中である、医師や看護師又は看護助手等の医療・看護従事者に対し、通常呼出し、トイレ・風呂介助等の介助呼出し、点滴の終了を知らせる確認呼出し等、ナースコール呼出しに係る呼出種別毎で異なる呼出操作を行うとともに、この被看護人が医療・看護従事者との間で音声(音声データ)を送受信して通話を成立させるものである。
また、ナースコール子機1によれば、前述のような被看護人によるナースコール呼出しのみならず、被看護人の周囲近傍に居る医療・看護従事者が他の医療・看護従事者を呼出す、すなわち、スタッフ緊急呼出しのための呼出操作を行い、通話を成立させることもできる。
ここで、ナースコール子機1は、部屋内の病床数に対応させて任意の台数を設けることができ、本実施例によれば、201号室、202号室、・・・のような複数の部屋のうち、少なくとも201号室内、202号室内にはそれぞれ2床が設けられているものとして以下、説明する。このナースコール子機1としては、前述のような呼出操作が行われる呼出操作機能を有する呼出握りボタン等のハンド子機1aと、ハンド子機1aが接続され前述のような通話を成立させる通話機能を有するプレート子機1bとで構成されるものである。なお、ハンド子機1aには、呼出操作機能のみならず前述のような通話機能を備えることもできる。また、プレート子機1bには、通話機能のみならず前述のような呼出操作機能や、ナースコール呼出し又はスタッフ緊急呼出しを待受状態に復旧させる呼出復旧操作機能等を備えることもできる。
カメラ2はそれぞれ個別のカメラIDを有しており、前述のようなナースコール子機1に対応して各部屋の病床毎に設置され、被看護人の映像を撮像して映像データを生成するにあたり、この映像データについて信号処理、例えば、圧縮処理及びデジタル化し、カメラIDを付加して送出するものである。なお、カメラ2としては、例えば、CCD、CMOS等の各種の映像撮像媒体で構成されている。
廊下灯3はそれぞれ個別の廊下灯IDを有しており、前述のような各部屋の出入口近傍に設置され、ナースコール子機1を用いた被看護人からのナースコール呼出し又は医療・看護従事者からのスタッフ緊急呼出しを、呼出種別毎に異なるパターンで報知(呼出表示、呼出発報)するものである。
ナースコール親機4は、前述のようなスタッフステーション等の施設内共用部に設置され、ナースコール子機1を用いた被看護人からのナースコール呼出し又は医療・看護従事者からのスタッフ緊急呼び出しを、呼出種別毎に異なるパターンで報知(呼出表示、呼出発報)するとともに、これを確認した医療・看護従事者が被看護人又は他の医療・看護従事者との間で音声(音声データ)を送受信して通話を成立させるばかりでなく、その様子を確認したい被看護人の音声データを医療・看護従事者に聴取させ、さらにはカメラ2で生成された被看護人の映像データを出画するものである。
なお、ナースコール親機4の構成態様としては、図示のような電子情報出力型の当該親機に限定されず、例えば、PC(パーソナル・コンピュータ)型やボード型の当該親機(不図示)も好適とされる。また、ナースコール親機4には、通常、ナースコール子機1を個別呼出し又は一斉呼出しする機能等も備えられている。
制御機5は、カメララインL2を経由してカメラ2、廊下灯ラインL3を経由して廊下灯3、親機ラインL4を経由してナースコール親機4をそれぞれ接続する中継器として例えば、前述のような施設内共用部に設置されており、これら接続された機器を制御するものである。
次に、(ナースコール子機1を構成する)プレート子機1bの具体的な構成について図2(A)のブロック図を参照して説明する。同図に示すプレート子機1bには、子機通話部10、子機操作部11、子機CPU12、ハンド側子機I/F13及び廊下灯側子機I/F14が備えられている。
このプレート子機1bにおいて、子機通話部10は、被看護人が医療・看護従事者との間で通話を成立させる又は医療・看護従事者が他の医療・看護従事者との間で通話を成立させるための音声(音声データ)を送受信するものであり、子機マイク10a、子機スピーカ10b及び子機音声処理回路10cを有している。また、子機マイク10aは、医療・看護従事者が被看護人の様子を確認するにあたり、その被看護人の音声を入力して音声データを生成する音声入力機能が備えられている。さらに、子機音声処理回路10cは、子機マイク10aで生成された音声データについて信号処理、例えば、圧縮処理及びデジタル化するとともに、子機スピーカ10bから出力させる音声データについて信号処理、例えば、伸張処理及びアナログ化するものである。
子機操作部11は、ハンド側子機I/F13に接続されるハンド子機1aを用いた被看護人からのナースコール呼出しを待受状態に復旧させる機能や、医療・看護従事者がスタッフ緊急呼出しを行うための操作機能等が備えられている。また、子機CPU12は、当該子機の構成各部を制御するものである。また、ハンド側子機I/F13は、ハンド子機1aが接続され、このハンド子機1a及び子機CPU12間の信号伝送路を形成するものである。さらに、廊下灯側子機I/F13は、子機ラインL1及び子機CPU12間の信号伝送路を形成するものである。
なお、プレート子機1bには、前述の構成各部10(10a、10b、10c)、11、12、13、14のみならず、ハンド側子機I/F13に接続されるハンド子機1aを用いた被看護人からのナースコール呼出しが正常にされたことや、子機操作部11を用いた医療・看護従事者からのスタッフ緊急呼出しが正常にされたこと、さらには自子機が聴取中であることをそれぞれ表示(呼出確認表示、聴取確認表示)する例えば、LED等の発光体で構成される子機表示部(不図示)を備えることもできる。
次に、ナースコール親機4の具体的な構成について図2(B)のブロック図を参照して説明する。同図に示すナースコール親機4には、親機表示部40、親機通話部41、親機操作部42、親機CPU43及び親機I/F44が備えられている。
このナースコール親機4において、親機表示部40は、ナースコール子機1を用いた被看護人からのナースコール呼出し又は医療・看護従事者からのスタッフ緊急呼出しがあることを表示(呼出表示)するとともに、カメラ2で生成された被看護人の映像データを出画するものであって、例えば、LCD、有機ELディスプレイ等の各種の表示媒体で構成されている。なお、親機表示部40は、聴取対象の被看護人が例えば、大きな声を出しており、迅速な対応を必要とする旨の表示(警報表示)を行うこともできる。
ここで、親機表示部40は、縦長で例えば、15インチ以上の主表示部40aと、横長で主表示部40aよりも小さい例えば、10インチ以下の副表示部40bと、親機映像処理回路40cとを有している。また、主表示部40aは、被看護人のリストやフロア病床レイアウトをもとに前述のようなナースコール呼出し又はスタッフ緊急呼出しがあることの呼出表示、或いは警報表示を行うものであって、副表示部40bは、カメラ2で生成された被看護人の映像データを出画するものである。さらに、親機映像処理回路40cは、被看護人のリストやフロア病床レイアウトを生成して主表示部40aに表示させる機能と、副表示部40bに被看護人の映像データを出画させるにあたっての信号処理、例えば、伸張処理及びアナログ化する機能とを有している。
親機通話部41は、医療・看護従事者が被看護人又は他の医療・看護従事者との間で通話を成立させるための音声(音声データ)を送受信するものであり、例えば、親機マイク41a、親機スピーカ41b及び親機音声処理回路41cを有している。また、親機スピーカ41bは、前述のようなナースコール呼出し又はスタッフ緊急呼出しがあることを報知(呼出発報)するための呼出音や音声メッセージ等を出力するのみならず、その様子を確認したい、聴取対象である被看護人の音声(音声データ)を出力することができる。なお、親機スピーカ41bは、聴取対象の被看護人が例えば、大きな声を出しており、迅速な対応を必要とする旨の警報音や音声メッセージ等を出力(警報発報)することもできる。
また、親機通話部41の親機音声処理回路41cは、親機マイク41aに入力された医療・看護従事者の音声をもとに生成した音声データについて信号処理、例えば、圧縮処理及びデジタル化するとともに、親機スピーカ41bから出力(同時出力)させる音声データについて信号処理、例えば、伸張処理及びアナログ化するものである。なお、親機通話部41としては、図示のようなハンドセットを適用することもできる。
親機操作部42は、前述のような被看護人からのナースコール呼出し又は他の医療・看護従事者からのスタッフ緊急呼出しに医療・看護従事者が応答する操作(応答操作)機能と、音声入力機能が能動となる子機マイク10aを有するナースコール子機1を少なくとも1台又は複数台選択する音声入力選択機能等を有しており、例えば、親機表示部40を構成する主表示部40a及び副表示部40bの前面にそれぞれ設置されたタッチパネルで構成される、主操作部42a及び副操作部42bを有している。
親機CPU43は、当該ナースコール親機の構成各部を制御するものである。また、親機I/F44は、親機CPU43及び親機ラインL4間の信号伝送路を形成するものである。
次に、制御機5の具体的な構成について図2(C)のブロック図を参照して説明する。同図に示す制御機5には、制御機音声処理部50、制御機映像処理部51、制御機CPU52、カメラ側制御機I/F53、廊下灯側制御機I/F54及び親機側制御機I/F55が備えられている。
この制御機5において、制御機音声処理部50は、ナースコール子機1のうち選択された少なくとも1台又は複数台の当該ナースコール子機から伝送されてくる(複数の)音声データについてその音声データに付加された子機IDに対応させて信号処理、例えば、伸張し、複数の当該音声データの場合には合成し、その後、再圧縮して送出する機能と、ナースコール親機4から伝送されてくる音声データについて信号処理、例えば、伸張した後、再圧縮して送出する機能とを有している。また、制御機音声処理部50は、ナースコール子機1のうち選択された少なくとも1台又は複数台の当該ナースコール子機から伝送されてくる音声データの音量レベルを検出する機能と、その検出レベルと予め定められた閾値レベルとの比較を行う機能を有している。
制御機映像処理部51は、ナースコール子機1のうち選択された少なくとも1台又は複数台の当該ナースコール子機に対応するカメラ2から伝送されてくる映像データのうち出画対象の当該映像データについてカメラIDに対応させて信号処理、例えば、伸張し、再圧縮して送出する機能を有している。
制御機CPU52は、当該制御機の構成各部を制御するばかりでなく当該システム全体を制御するものである。また、カメラ側制御機I/F53は、制御機CPU52及びカメララインL2間の信号伝送路を形成するものである。また、廊下灯側制御機I/F54は、制御機CPU52及び廊下灯ラインL3間の信号伝送路を形成するものである。さらに、親機側制御機I/F55は、制御機CPU52及び親機ラインL4間の信号伝送路を形成するものである。
このように構成された本発明の実施例によるナースコールシステムにおいて、以下、具体的な動作について説明する。
〔第1の動作〕
第1の動作として、図1に示す201号室、202号室、・・・のような複数の部屋内の各病床に居る被看護人のうち、例えば、201号室内における特定の病床の被看護人、ここでは、氏名(氏名データ)が「水野由香」であって被看護人識別ID「0001」を有する被看護人が、スタッフステーション等の施設内共用部に在室中の医療・看護従事者を呼出すために、自病床に設置されたナースコール子機1を構成するハンド子機1aを用いて例えば、ナースコール呼出しのための操作を行うと、図2(A)に示すように、このハンド子機1aがハンド側子機I/F13を経由して接続されるプレート子機1bの子機CPU12が当該操作を検出する。この子機CPU12は、自子機が有する子機ID「1」及びナースコール呼出しを示す呼出種別情報を付加したナースコール呼出信号を生成し、廊下灯側子機I/F14、子機ラインL1を経由して、201号室の出入口近傍に設置された廊下灯3に送出する。
201号室の出入口近傍に設置された廊下灯3は、ナースコール子機1を構成するプレート子機1bから伝送されてきたナースコール呼出信号に付加されている子機ID「1」及び呼出種別情報をもとに、201号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人からのナースコール呼出しがあることを検出し、その旨の報知(呼出表示、呼出発報)を行うとともに、受信したナースコール呼出信号に自廊下灯が有する廊下灯ID「201」を付加し、このナースコール呼出信号を、廊下灯ラインL3、図2(C)に示す制御機5の廊下灯側制御機I/F54を経由して制御機CPU52に送出する。
制御機5の制御機CPU52は、受信したナースコール呼出信号に付加されている子機ID「1」、廊下灯ID「201」及び呼出種別情報をもとに、201号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人からのナースコール呼出しがあることを検出する。また、制御機CPU52は、ナースコール親機4でナースコール呼出しを報知させる当該信号として、前述の子機ID「1」、廊下灯ID「201」及び呼出種別情報を付加した親機呼出報知信号を生成する。この親機呼出報知信号は、制御機CPU52から親機側制御機I/F55、親機ラインL4、図2(B)に示すナースコール親機4の親機I/F44を経由して親機CPU43に伝送される。
ナースコール親機4の親機CPU43は、受信した親機呼出報知信号に付加されている子機ID「1」、廊下灯ID「201」及び呼出種別情報をもとに、201号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人からのナースコール呼出しがある旨の呼出音や音声メッセージ等を、親機通話部41を構成する親機音声処理回路40cを経由して親機スピーカ41bから出力させるとともに、同様なナースコール呼出しがある旨の呼出表示として、親機表示部40を構成する親機映像処理回路40cを制御し、図3(A)、(B)に示すような呼出元である被看護人のリスト及びフロア病床レイアウトのうち少なくとも1つを用いて主表示部42aへの呼出表示を行うことができる。なお、親機表示部40を構成する主表示部40aを用いた被看護人のリスト又はフロア病床レイアウトとしては、診療科目、担当医、救護区分等の被看護人に係る各種情報を併せて表示させることができる。また、同様なリスト及びフロア病床レイアウトは、例えば、親機操作部42を構成する主操作部42aを用いて切換操作を行うことにより、主表示部40aへの表示内容を切換えることができる。
ここで、ナースコール親機4の親機表示部40を構成する主表示部40aは、副表示部40bと比較して大きく、また縦長であるため、特に、被看護人のフロア病床レイアウトの表示を行うにあたっては、施設内における特定フロアの病床レイアウトを表示させた状態で呼出表示できることから、より多くの情報が一画面上に表示される。したがって、この呼出表示を確認するスタッフステーション等の施設内共用部に在室中の医療・看護従事者は、十分な視認性が確保されることになる。
また、制御機5の制御機CPU52は、受信したナースコール呼出信号に付加されている子機ID「1」、廊下灯ID「201」及び呼出種別情報を検出すると、このナースコール呼出信号に付加されている子機ID「1」、廊下灯ID「201」に対応するカメラID、ここでは、カメラID「C101」を付加したカメラ駆動信号を生成する。また、制御機CPU52で生成されたカメラ駆動信号は、カメラ側制御機I/F53、カメララインL2を経由して全てのカメラ2に伝送される。
全てのカメラ2は、受信したカメラ駆動信号に付加されているカメラID「C101」と自カメラが有するカメラIDとを照合する。ここでは、当該カメラIDが「C101」で一致する、201号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1に対応したカメラ2のみが駆動する。このカメラ2は、ナースコール呼出元である被看護人の映像を撮像し、圧縮処理及びデジタル化させ、カメラID「C101」を付加した映像データ信号(以下、呼出時映像データ信号という)を生成する。この呼出時映像データ信号は、前述のカメラ駆動信号とは逆の信号伝送路を経由して図2(C)に示す制御機5の制御機CPU52に伝送される。
制御機5の制御機CPU52は、受信した呼出時映像データ信号に付加されているカメラID「C101」をもとに、201号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1に対応したカメラ2で生成された被看護人の映像データであることを検出し、受信した呼出時映像データ信号について制御機映像処理部51で伸張し、再圧縮させた後、親機側制御機I/F55、親機ラインL4、図2(B)に示すナースコール親機4の親機I/F44を経由して親機CPU43に送出する。
ナースコール親機4の親機CPU43は、受信した呼出時映像データ信号に付加されているカメラID「C101」をもとに、201号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1に対応したカメラ2で生成された被看護人の映像データであることを検出し、その信号を、親機表示部40を構成する親機映像処理回路40bに送出する。この親機映像処理回路40bは、受信した呼出時映像データ信号について伸張処理を行いアナログ化することで、図3(C)に示すように、201号室内でナースコール子機1が病床に設置されている被看護人、すなわち、氏名(氏名データ)が「水野由香」であって被看護人識別ID「0001」を有する被看護人の映像データを副表示部40bに出画させることができる。
ここで、ナースコール親機4の親機表示部40を構成する副表示部40bは、主表示部40aと比較して小さいものの、ナースコール呼出元である被看護人の映像データを確認するには十分な大きさであるため、この出画映像を確認するスタッフステーション等の施設内共用部に在室中の医療・看護従事者は、十分な視認性が確保される。
なお、前述のようなナースコール呼出しに係る所定の報知(呼出表示、呼出発報、出画映像)を確認したスタッフステーション等の施設内共用部に在室中の医療・看護従事者が、図1、図2(B)に示すナースコール親機4の親機操作部42を構成する主操作部42aを用いて応答操作を行うと、この操作を検出した親機CPU43及びナースコール呼出元である図2(A)に示すナースコール子機1を構成するプレート子機1bの子機CPU12の制御により、医療・看護従事者が使用する親機通話部41の親機マイク41a及び親機スピーカ41bと、親機音声処理回路41c、親機CPU43、親機I/F44、親機ラインL4、図2(C)に示す制御機5の親機側制御機I/F55、制御機CPU52、制御機音声処理部50、制御機CPU52、廊下灯側制御機I/F54、廊下灯ラインL3、201号室の出入口近傍に設置された廊下灯3、子機ラインL1、呼出元であるナースコール子機1を構成するプレート子機1bの廊下灯側子機I/F14、子機CPU12、子機通話部10を構成する子機音声処理回路10cを経由して、被看護人が使用する子機マイク10a及び子機スピーカ10bとの間の信号伝送路、すなわち、通話路が形成され、形成された通話路を経由して音声データを送受信させることで通話が成立する。
〔第2の動作〕
次に、第2の動作として、図1に示す201号室、202号室、・・・のような複数の部屋内の各病床に居る被看護人のうち少なくとも1人、ここでは、201号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人、すなわち、氏名(氏名データ)が「水野由香」であって被看護人識別ID「0001」を有する被看護人の様子をスタッフステーション等の施設内共用部に在室中の医療・看護従事者が確認するにあたって、この医療・看護従事者は、図4(A)、(B)に示すナースコール親機4の親機表示部40を構成する主表示部40aに予め表示されているリストやフロア病床レイアウトを参照し、該当する被看護人について親機操作部42を構成する主操作部42aを用いて選択する。この操作を検出した親機CPU43は、氏名(氏名データ)「水野由香」及び被看護人識別ID「0001」に予め割当てられている子機ID「1」及び廊下灯ID「201」を付加した聴取起動制御信号を生成するとともに、このリストやフロア病床レイアウトを用いて図5(A)、(B)に示すような聴取中であることを表示することができる。また、親機CPU43で生成された聴取起動制御信号は、親機I/F44、親機ラインL4、図2(C)に示す制御機5の親機側制御機I/F55を経由して制御機CPU52に伝送される。
制御機5の制御機CPU52は、受信した聴取起動制御信号に付加されている子機ID「1」及び廊下灯ID「201」をもとに、聴取先の被看護人が201号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人であることを検出し、この聴取起動制御信号を、廊下灯側制御機I/F54、廊下灯ラインL3を経由して全ての廊下灯3に送出するとともに、当該聴取起動制御信号に付加されている子機ID「1」及び廊下灯ID「201」に対応したカメラID、すなわち、カメラID「C101」を有するカメラ2の駆動が許可されているか否かを判別する。ここで、その判別結果として駆動が許可されている、例えば、氏名(氏名データ)「水野由香」及び被看護人識別ID「0001」を有する被看護人によるプライバシー保護の必要性がない場合には、このカメラID「C101」を付加したカメラ駆動信号を生成する。また、制御機CPU52で生成されたカメラ駆動信号は、カメラ側制御機I/F53、カメララインL2を経由して全てのカメラ2に伝送される。
全ての廊下灯3は、ナースコール親機4の親機CPU43から制御機5を経由して伝送されてきた聴取起動制御信号に付加されている廊下灯ID「201」と自廊下灯IDとを比較する。ここでは、当該廊下灯IDが「201」で一致する201号室の出入口近傍に設置された廊下灯3のみ、同様に付加されている子機ID「1」に該当するナースコール子機1の音声入力機能を能動とするための聴取制御信号を生成する。この聴取制御信号は、201号室の出入口近傍に設置された廊下灯3から子機ラインL1、図2(A)に示すナースコール子機1を構成するプレート子機1bの廊下灯側子機I/F13を経由して子機CPU12に伝送される。この聴取制御信号を検出した子機CPU12は、子機通話部10を構成する子機音声処理回路10cを制御し、子機マイク10aから当該子機音声処理回路を経由して子機CPU12までの信号伝送路を形成する一方、当該子機音声処理回路から子機スピーカ10bまでの信号伝送路は遮断のまま保持することにより、氏名(氏名データ)が「水野由香」であって被看護人識別ID「0001」を有する被看護人の音声が子機マイク10aに入力され、この音声は、子機音声処理回路10cで圧縮処理及びデジタル化された聴取音声データ信号として、子機CPU12で子機ID「1」が付加された後、前述の聴取制御信号とは逆の信号伝送路を経由して201号室の出入口近傍に設置された廊下灯3に伝送される。
また、201号室の出入口近傍に設置された廊下灯3は、音声聴取元であるナースコール子機1のプレート子機1bから伝送されてきた聴取音声データ信号に自廊下灯ID「201」を付加し、前述の聴取起動制御信号とは逆の信号伝送路を経由して図2(C)に示す制御機5の制御機CPU52に送出する。
制御機5の制御機CPU52は、受信した聴取音声データ信号に付加されている子機ID「1」及び廊下灯ID「201」をもとに、201号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人の様子を確認するための音声データであることを検出する。また、制御機CPU52は、受信した聴取音声データ信号を、制御機音声処理部50で伸張し、再圧縮させた後、親機側制御機I/F55、親機ラインL4、図2(B)に示すナースコール親機4の親機I/F44を経由して親機CPU43に送出する。
ナースコール親機4の親機CPU43は、受信した聴取音声データ信号に付加されている子機ID「1」及び廊下灯ID「201」をもとに、201号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人の音声データであることを検出し、その信号を、親機通話部41を構成する親機音声処理回路41cに送出する。この親機音声処理回路41cは、受信した聴取音声データ信号について伸張処理を行いアナログ化することで、201号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている、氏名(氏名データ)が「水野由香」であって被看護人識別ID「0001」を有する被看護人の音声データが親機スピーカ41bから出力され、スタッフステーション内に在室中の医療・看護従事者が聴取可能となる。
また、全てのカメラ2は、受信したカメラ駆動信号に付加されているカメラID「C101」と自カメラが有するカメラIDとを照合する。ここでは、当該カメラIDが「C101」で一致する、201号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1に対応したカメラ2が駆動する。このカメラ2は聴取対象である被看護人の映像を撮像し、圧縮処理及デジタル化させ、カメラID「C101」を付加した聴取時映像データ信号を生成する。この聴取時映像データ信号は、前述のカメラ駆動信号とは逆の信号伝送路を経由して図2(C)に示す制御機5の制御機CPU52に伝送される。
制御機5の制御機CPU52は、受信した聴取時映像データ信号に付加されているカメラID「C101」をもとに、201号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1に対応したカメラ2で生成された被看護人の映像データであることを検出し、受信した呼出時映像データ信号について制御機映像処理部51で伸張し、再圧縮させた後、親機側制御機I/F55、親機ラインL4、図2(B)に示すナースコール親機4の親機I/F44を経由して親機CPU43に送出する。
ナースコール親機4の親機CPU43は、受信した聴取時映像データ信号に付加されているカメラID「C101」をもとに、201号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1に対応したカメラ2で生成された被看護人の映像データであることを検出し、その信号を、親機表示部40を構成する親機映像処理回路40cに送出する。この親機映像処理回路40cは、受信した聴取時映像データ信号について伸張処理を行いアナログ化することで、図5(C)に示すように、201号室内でナースコール子機1が病床に設置されている、氏名(氏名データ)が「水野由香」であって被看護人識別ID「0001」を有する被看護人の映像を副表示部40bに出画させることができる。
ここで、ナースコール親機4の親機表示部40を構成する副表示部40bは、主表示部40aと比較して小さいものの、聴取対象である被看護人の映像データを確認するには十分な大きさでるため、この出画映像を確認するスタッフステーション等の施設内共用部に在室中の医療・看護従事者は、十分な視認性が確保されることになる。
なお、第2の動作に係る説明において、制御機5の制御機CPU52は、受信した音声入力機能制御信号に付加されている子機ID「1」、廊下灯ID「201」をもとに、聴取対象の被看護人が201号室内の子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人であることを検出したとき、これに連動して対応するカメラID「C101」を有するカメラ2を駆動させたが、この制御に限定されるものではない。例えば、聴取対象の被看護人が音声の聴取は望むものの、映像の撮像及びその出画を望まない設定であるときには該当するカメラ2を駆動させることなく、そのまま保持することができる。したがって、スタッフステーション等の施設内共用部に在室中の医療・看護従事者は、被看護人が映像の撮像及びその出画を望まない場合、被看護人のプライバシーを保護した状態で音声(音声データ)による聴取のみでその様子を確認することができる。
また、制御機5の制御機CPU52は、聴取音声データ信号の音量レベルを制御機音声処理部50で検出し、予め定められた閾値レベルを超えた場合、例えば、被看護人毎に異なる閾値レベルを超えた場合にのみ、これに連動して対応するカメラID「C101」を有するカメラ2を駆動させることで、201号室内でナースコール子機1が病床に設置されている、氏名(氏名データ)が「水野由香」であって被看護人識別ID「0001」を有する被看護人の映像を、図1、図2(B)に示すナースコール親機4の親機表示部40を構成する副表示部40cに出画させることができるばかりでなく、聴取対象である被看護人に異常が発生している旨の警報報知を行うための警報制御信号を生成し、親機側制御機I/F55、親機ラインL4、ナースコール親機4の親機I/F44を経由して親機CPU43に送出する。
ナースコール親機4の親機CPU43は、警報制御信号を受信すると、201号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人、すなわち、氏名(氏名データ)が「水野由香」であって被看護人識別ID「0001」を有する被看護人が大きな声を出しており異常状態であることを検出し、親機表示部40及び親機通話部41をそれぞれ制御することで、その旨の警報メッセージ(不図示)を主表示部40bに表示されているリスト又は病床レイアウトを用いて表示することができるばかりでなく、子機音声処理回路10cを経由して子機スピーカ10bから警報音や音声メッセージ等を出力させることができる。したがって、スタッフステーション等の施設内共用部に在室中の医療・看護従事者は、氏名(氏名データ)が「水野由香」であって被看護人識別ID「0001」を有する被看護人が大きな声を出していることを、その映像とともに確認することができ、迅速な対応が可能となる。
なお、前述のようなナースコール親機4の親機表示部40及び親機通話部41を用いた警報報知は、当該ナースコール親機のみならず、例えば、聴取対象の被看護人の部屋に該当する201号室の出入口近傍に設置された廊下灯3等においても同様に行うことでき、この警報報知を確認する例えば、巡回中の医療・看護従事者は、迅速な対応が可能となる。
〔第3の動作〕
次に、第3の動作として、図1に示す201号室、202号室、・・・のような複数の部屋内の各病床に居る被看護人のうち複数人、ここでは、202号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人、すなわち、氏名(氏名データ)が「鈴木太郎」であって被看護人識別ID「0003」を有する被看護人の様子と、同部屋内で子機ID「2」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人、すなわち、氏名(氏名データ)が「加藤文人」であって被看護人識別ID「0004」を有する被看護人の様子を、スタッフステーション等の施設内共用部に在室中の医療・看護従事者が同時に確認するにあたって、この医療・看護従事者は、図4(A)、(B)に示すナースコール親機4の親機表示部40を構成する主表示部40aに予め表示されているリストやフロア病床レイアウトを参照し、該当する2人の被看護人について親機操作部42を構成する主操作部42aを用いて選択する。この選択操作を検出した親機CPU43は、氏名(氏名データ)「鈴木太郎」及び被看護人識別ID「0003」に予め割当てられている子機ID「1」及び廊下灯ID「202」を付加した聴取起動制御信号(以下、第1の聴取起動制御信号という)、氏名(氏名データ)「加藤文人」及び被看護人識別ID「0004」に予め割当てられている子機ID「2」及び廊下灯ID「202」を付加した聴取起動制御信号(以下、第2の聴取起動制御信号という)を順次生成するとともに、図6(A)、(B)に示すようなリストやフロア病床レイアウトを用いて聴取中であることを表示することができる。また、親機CPU43で生成された第1、第2の聴取起動制御信号は、親機I/F44、親機ラインL4、図2(C)に示す制御機5の親機側制御機I/F55を経由して制御機CPU52に伝送される。
制御機5の制御機CPU52は、受信した第1、第2の聴取起動制御信号に付加されている子機ID「1」及び廊下灯ID「202」、子機ID「2」及び廊下灯ID「202」をもとに、聴取先である2人の被看護人がそれぞれ、202号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人、202号室内で子機ID「2」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人であることを検出し、この第1、第2の聴取起動制御信号を、廊下灯側制御機I/F54、廊下灯ラインL3を経由して全ての廊下灯3に送出するとともに、当該第1、第2の聴取起動制御信号に付加されている子機ID「1」及び廊下灯ID「202」に対応したカメラID、すなわち、カメラID「C103」を有するカメラ2の駆動、子機ID「2」及び廊下灯ID「202」に対応したカメラID、すなわち、カメラID「C104」を有するカメラ2の駆動がそれぞれ許可されているか否かを判別する。ここで、それらの判別結果として何れの駆動も許可されている、例えば、氏名(氏名データ)「鈴木太郎」及び被看護人識別ID「0003」を有する被看護人によるプライバシー保護、氏名(氏名データ)「加藤文人」及び被看護人識別ID「0004」を有する被看護人によるプライバシー保護の必要性がそれぞれない場合には、カメラID「C103」を付加したカメラ駆動信号(以下、第1のカメラ駆動信号という)及びカメラID「C104」を付加したカメラ駆動信号(以下、第2のカメラ駆動信号という)を予め定められた順序、例えば、ナースコール親機4の親機操作部42(42a)を用いた医療・看護従事者による操作で制御機CPU52に設定された順序、ここでは、第1、第2の当該信号の順序で生成する。また、制御機CPU52で順次生成された第1、第2のカメラ駆動信号は、カメラ側制御機I/F53、カメララインL2を経由して全てのカメラ2に伝送される。
全ての廊下灯3は、ナースコール親機4の親機CPU43から制御機5を経由して順次伝送されてきた第1、第2の聴取起動制御信号にそれぞれ付加されている廊下灯ID「202」と自廊下灯IDとを比較する。ここでは、当該廊下灯IDが「202」で一致する202号室の出入口近傍に設置された廊下灯3が同様に付加されている子機ID「1」、「2」に該当するナースコール子機1の音声入力機能を能動とするための聴取制御信号(以下、第1、第2の聴取制御信号という)を生成する。
ここで、第1の聴取制御信号は、201号室の出入口近傍に設置された廊下灯3から子機ラインL1、図2(A)に示すナースコール子機1を構成するプレート子機1bの廊下灯側子機I/F13を経由して子機CPU12に伝送される。この第1の聴取制御信号を検出した子機CPU12は、子機通話部10を構成する子機音声処理回路10cを制御し、子機マイク10aから当該子機音声処理回路を経由して子機CPU12までの信号伝送路を形成する一方、当該子機音声処理回路から子機スピーカ10bまでの信号伝送路は遮断のまま保持することにより、氏名(氏名データ)が「鈴木太郎」であって被看護人識別ID「0003」を有する被看護人の音声が子機マイク10aに入力され、この音声は、子機音声処理回路10cで圧縮処理及びデジタル化された聴取音声データ信号(以下、第1の聴取音声データ信号という)として、子機CPU12で子機ID「1」が付加された後、前述の第1の聴取制御信号とは逆の信号伝送路を経由して202号室の出入口近傍に設置された廊下灯3に伝送される。
また、202号室の出入口近傍に設置された廊下灯3は、音声聴取元であるナースコール子機1のプレート子機1bから伝送されてきた第1の聴取音声データ信号に自廊下灯ID「202」を付加し、前述の第1の聴取起動制御信号とは逆の信号伝送路を経由して図2(C)に示す制御機5の制御機CPU52に送出する。
一方、第2の聴取制御信号は、202号室の出入口近傍に設置された廊下灯3から子機ラインL1、図2(A)に示すナースコール子機1を構成するプレート子機1bの廊下灯側子機I/F13を経由して子機CPU12に伝送される。この第2の聴取制御信号を検出した子機CPU12は、子機通話部10を構成する子機音声処理回路10cを制御し、子機マイク10aから当該子機音声処理回路を経由して子機CPU12までの信号伝送路を形成する一方、当該子機音声処理回路から子機スピーカ10bまでの信号伝送路は遮断のまま保持することにより、氏名(氏名データ)が「加藤文人」であって被看護人識別ID「0004」を有する被看護人の音声が子機マイク10aに入力され、この音声は、子機音声処理回路10cで圧縮処理及びデジタル化された聴取音声データ信号(以下、第2の聴取音声データ信号という)として、子機CPU12で子機ID「2」が付加された後、前述の第2の聴取制御信号とは逆の信号伝送路を経由して202号室の出入口近傍に設置された廊下灯3に伝送される。
また、202号室の出入口近傍に設置された廊下灯3は、音声聴取元であるナースコール子機1のプレート子機1bから伝送されてきた第2の聴取音声データ信号に自廊下灯ID「202」を付加し、前述の第2の聴取起動制御信号とは逆の信号伝送路を経由して図2(C)に示す制御機5の制御機CPU52に送出する。
制御機5の制御機CPU52は、順次受信した、第1の聴取音声データ信号に付加されている子機ID「1」及び廊下灯ID「202」、第2の聴取音声データ信号に付加されている子機ID「2」及び廊下灯ID「202」をもとに、202号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人の様子を確認するための音声データ、202号室内で子機ID「2」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人の様子を確認するための音声データであることを検出する。また、制御機CPU52は、受信した第1、第2の聴取音声信号について、制御機音声処理部50で当該子機IDに対応させてそれぞれ伸張した後に合成し、再圧縮した聴取音声合成データ信号を生成させ、親機側制御機I/F55、親機ラインL4、図2(B)に示すナースコール親機4の親機I/F44を経由して親機CPU43に送出する。
ナースコール親機4の親機CPU43は、受信した聴取音声合成データ信号に付加されている子機ID「1」、「2」及び廊下灯ID「202」をもとに、202号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人の音声データと、同部屋内で子機ID「2」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人の音声データとの合成データであることを検出し、その信号を、親機通話部41を構成する親機音声処理回路41cに送出する。この親機音声処理回路41cは、受信した聴取時音声合成データ信号について伸張処理を行いアナログ化することで、202号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている、氏名(氏名データ)が「鈴木太郎」であって被看護人識別ID「0003」を有する被看護人の音声データと、同部屋内で子機ID「2」を有するナースコール子機1が病床に設置されている、氏名(氏名データ)が「加藤文人」であって被看護人識別ID「0004」を有する被看護人の音声データとの合成音声が親機スピーカ41bから出力され、スタッフステーション内に在室中の医療・看護従事者が聴取可能となる。
全てのカメラ2は、順次受信した第1、第2のカメラ駆動信号に付加されているカメラID「C103」、「C104」と自カメラが有するカメラIDとを照合する。ここでは最初に、当該カメラIDが「C103」で一致する、202号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1に対応したカメラ2が駆動し、その後、当該カメラIDが「C104」で一致する、202号室内で子機ID「2」を有するナースコール子機1に対応したカメラ2が駆動する。これらのカメラ2は聴取対象である被看護人の映像を撮像し、圧縮処理及びデジタル化させ、カメラID「C103」、「C104」をそれぞれ付加した聴取出時映像データ信号(以下、第1、第2の聴取時映像データ信号という)を生成する。これら第1、第2の聴取時映像データ信号はそれぞれ、前述の第1、第2のカメラ駆動信号とは逆の信号伝送路を経由して図2(C)に示す制御機5の制御機CPU52に伝送される。
制御機5の制御機CPU52は、順次受信した第1、第2の聴取時映像データ信号のうち、第1の聴取時映像データ信号を受信すると、この信号に付加されているカメラID「C103」をもとに、202号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人の映像データであることを検出し、受信した第1の聴取時映像データ信号を制御機映像処理回路51で伸張し、圧縮させた後、親機側制御機I/F55、親機ラインL4、図2(B)に示すナースコール親機4の親機I/F44を経由して親機CPU43に送出する。
ナースコール親機4の親機CPU43は、受信した第1の聴取時映像データ信号に付加されているカメラID「C103」をもとに、202号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人の映像データであることを検出し、その信号を、親機表示部40を構成する親機映像処理回路40cに送出する。この親機映像処理回路40cは、受信した第1の聴取時映像データ信号について伸張処理を行いアナログ化することで、図6(C−1)に示すように、202号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている、氏名(氏名データ)が「鈴木太郎」であって被看護人識別ID「0003」を有する被看護人の映像を副表示部40bに出画させることができる。
また、制御機5の制御機CPU52は、前述のように順次受信した第1、第2の聴取時映像データ信号のうち、第2の聴取時映像データ信号を受信すると、この信号に付加されているカメラID「C104」をもとに、202号室内で子機ID「2」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人の映像データであることを検出し、受信した第2の聴取時映像データ信号を制御機映像処理回路51で伸張し、圧縮させた後、親機側制御機I/F55、親機ラインL4、図2(B)に示すナースコール親機4の親機I/F44を経由して親機CPU43に送出する。
ナースコール親機4の親機CPU43は、受信した第2の聴取時映像データ信号に付加されているカメラID「C104」をもとに、202号室内で子機ID「2」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人の映像データであることを検出し、その信号を、親機表示部40を構成する親機映像処理回路40cに送出する。この親機映像処理回路40cは、受信した第2の聴取時映像データ信号について伸張処理を行いアナログ化することで、図6(C−1)から切換えられた図6(C−2)に示すように、202号室内で子機ID「2」を有するナースコール子機1が病床に設置されている、氏名(氏名データ)が「加藤文人」であって被看護人識別ID「0004」を有する被看護人の映像を副表示部40bに出画させることができる。
ここで、ナースコール親機4の親機表示部40を構成する副表示部40bは、主表示部40aと比較して小さいものの、聴取対象である第1、第2の被看護人の映像データを確認するには十分な大きさでるため、この出画映像を確認するスタッフステーション等の施設内共用部に在室中の医療・看護従事者は、十分な視認性が確保されることになる。また、聴取対象である第1、第2の被看護人の映像データをナースコール親機4の親機表示部40を構成する副表示部40bに出画するにあたっては、図6(C−1)、(C−2)に示すような当該映像データ毎の出画態様に限定されるものではなく、図6(C−3)に示すような分割表示を行うこともできる。
なお、第3の動作に係る説明において、制御機5の制御機CPU52は、順次受信した第1、第2の音声入力機能制御信号にそれぞれ付加されている子機ID「1」及び廊下灯ID「202」、子機ID「2」及び廊下灯ID「202」をもとに、聴取先である2人の被看護人が、202号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人、202号室内で子機ID「2」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人であることを検出したとき、これに連動して対応するカメラID「C103」、「C104」を有するカメラ2を駆動させたが、この制御に限定されるものではない。例えば、聴取対象の被看護人が音声の聴取は望むものの、映像の撮像及びその出画を望まない設定であるときには該当するカメラ2を駆動させることなく、そのまま保持することができる。したがって、スタッフステーション等の施設内共用部に在室中の医療・看護従事者は、被看護人が映像の撮像及びその出画を望まない場合、被看護人のプライバシーを保護した状態で音声(音声データ)による聴取のみでその様子を確認することができる。
また、制御機5の制御機CPU52は、第1、第2の聴取時音声データ信号のそれぞれの音量レベルを制御機音声処理部50で検出し、最大の音量レベルの音声入力元であるナースコール子機1に対応する当該カメラ、すなわち、カメラID「C103」、「C104」を有するカメラ2のうち何れかを駆動させることで、202号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている、氏名(氏名データ)が「鈴木太郎」であって被看護人識別ID「0003」を有する被看護人の映像、又は202号室内で子機ID「2」を有するナースコール子機1が病床に設置されている、氏名(氏名データ)が「加藤文人」であって被看護人識別ID「0004」を有する被看護人の映像を、図1、図2(B)に示すナースコール親機4の親機表示部40を構成する副表示部40cに出画させることができる。
また、制御機5の制御機CPU52は、第1、第2の聴取時音声データ信号のそれぞれの音量レベルを制御機音声処理部50で検出し、予め定められた閾値レベルを超えた場合、例えば、被看護人毎に異なる閾値レベルを超えた場合にのみ、これに連動して対応するカメラID「C103」、「C104」を有するカメラ2を駆動させることで、202号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている、氏名(氏名データ)が「鈴木太郎」であって被看護人識別ID「0003」を有する被看護人の映像、202号室内で子機ID「2」を有するナースコール子機1が病床に設置されている、氏名(氏名データ)が「加藤文人」であって被看護人識別ID「0004」を有する被看護人の映像を、図1、図2(B)に示すナースコール親機4の親機表示部40を構成する副表示部40cに出画させることができるばかりでなく、聴取対象である被看護人に異常が発生している旨の警報報知を行うための警報制御信号を生成し、親機側制御機I/F55、親機ラインL4、ナースコール親機4の親機I/F44を経由して親機CPU43に送出する。ここで、聴取対象の被看護人として、氏名(氏名データ)が「鈴木太郎」であって被看護人識別ID「0003」を有する被看護人にのみ異常が発生している場合には、警報報知を行うための警報制御信号として子機ID「1」及び廊下灯ID「202」を付加した警報制御信号(以下、第1の警報制御信号という)を生成し、親機側制御機I/F55、親機ラインL4、ナースコール親機4の親機I/F44を経由して親機CPU43に送出する。一方、氏名(氏名データ)が「加藤文人」であって被看護人識別ID「0004」を有する被看護人にのみ異常が発生している場合には、警報報知を行うための警報制御信号として子機ID「2」及び廊下灯ID「202」を付加した警報制御信号(以下、第2の警報制御信号という)を生成し、前述の第1の警報制御信号と同様な信号伝送路を経由してナースコール親機4の親機CPU43に送出する。
ナースコール親機4の親機CPU43は、第1の警報制御信号を受信すると、202号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人、すなわち、氏名(氏名データ)が「鈴木太郎」であって被看護人識別ID「0003」を有する被看護人が大きな声を出しており異常状態であることを検出し、親機表示部40及び親機通話部41をそれぞれ制御することで、その旨の警報メッセージを主表示部40bに表示されているリスト又は病床レイアウトを用いて表示することができるばかりでなく、子機音声処理回路10cを経由して子機スピーカ10bから警報音や音声メッセージ等を出力させることができる。したがって、スタッフステーション等の施設内共用部に在室中の医療・看護従事者は、氏名(氏名データ)が「鈴木太郎」であって被看護人識別ID「0003」を有する被看護人が大きな声を出していることを、その映像とともに確認することができ、迅速な対応が可能となる。
また、ナースコール親機4の親機CPU43は、第2の警報制御信号を受信すると、202号室内で子機ID「2」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人、すなわち、氏名(氏名データ)が「加藤文人」であって被看護人識別ID「0004」を有する被看護人が大きな声を出しており異常状態であることを検出し、親機表示部40及び親機通話部41をそれぞれ制御することで、その旨の警報メッセージを主表示部40bに表示されているリスト又は病床レイアウトを用いて表示することができるばかりでなく、子機音声処理回路10cを経由して子機スピーカ10bから警報音や音声メッセージ等を出力させることができる。したがって、スタッフステーション等の施設内共用部に在室中の医療・看護従事者は、氏名(氏名データ)が「加藤文人」であって被看護人識別ID「0004」を有する被看護人が大きな声を出していることを、その映像とともに確認することができ、迅速な対応が可能となる。
なお、前述のようなナースコール親機4の親機表示部40及び親機通話部41を用いた警報報知は、当該ナースコール親機のみならず、例えば、聴取対象の被看護人の部屋に該当する202号室の出入口近傍に設置された廊下灯3等においても同様に行うことでき、この警報報知を確認する例えば、巡回中の医療・看護従事者は、迅速な対応が可能となる。
また、第3の動作に係る説明において、同時に聴取する被看護人として2人を選択したが、この人数に限定されるものではなく、例えば、異なる多部屋にわたってより複数人を選択することもでき、このような複数の被看護人が選択されている場合のカメラ駆動制御について、制御機5の制御機CPU52は、制御機音声処理部50にて検出される、それぞれの被看護人の音声データである聴取時音声データ信号の音量レベルのうち最大の音量レベルの音声入力元である当該被看護人の映像、又は最初に閾値レベルを超えた当該被看護人の映像、を撮像するようにカメラ2を駆動させることもでき、この閾値レベルは、前述の第2、第3の動作に示すような被看護人毎に異なる閾値レベルを適用するのみならず、システム全体で統一されたレベルに設定することもできる。
さらに、第3の動作に係る説明のみならず第2の動作に係る説明においても、被看護人の音声データである聴取音声データ信号の音量レベルと予め定められた閾値レベルとを比較する構成部として、制御機5の制御機CPU52及び制御機音声処理部50を適用したが、この態様に限定されるものではない。例えば、同様なレベル比較機能を、ナースコール子機1を構成するプレート子機1bに備えることもできる。
なお、第3の動作、すなわち、聴取動作が行われているとき、第1の動作に示すような呼出動作が行われた場合、制御機5の制御機CPU52は、この第1の動作を優先させる制御を行うことができる。
本発明のナースコールシステムにおいては、特定の実施の形態をもって説明してきたが、この形態に限定されるものでなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られた如何なる構成の当該システムであっても採用できるということはいうまでもないことである。
具体的に本発明の実施例においては、ナースコール子機1を用いた被看護人からの呼出し(ナースコール呼出し)に医療・看護従事者が応答して通話を成立させる機器としてナースコール親機4を適用したが、このナースコール親機4に限定されるものではない。例えば、施設内を巡回中の医療・看護従事者により携帯される例えば、PHS、スマートフォン等の情報端末も適用し、この情報端末を制御機5により制御させることもできる。
また、本発明の実施例においては、カメラ2、廊下灯3及びナースコール親機4を、個別のライン(カメラライン、廊下灯ライン、親機ライン)L2、L3、L4をそれぞれ経由して制御機5に接続させた構成を適用したが、この態様に限定されるものではない。例えば、カメラ2、廊下灯3、ナースコール親機4及び制御機5をそれぞれ、共通バスであるLAN配線に所定の信号分岐機能、例えば、ハブを経由して接続させた構成を適用することもできる。