JP5950816B2 - バイオセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、バイオセンサ、特に中性脂肪濃度測定用バイオセンサに関する。特に、本発明は、生体試料等の特定の試料中の特定成分の濃度を、酵素反応を利用して迅速に定量できるバイオセンサ、特に中性脂肪濃度測定用バイオセンサに関する。
近年、バイオセンサが医療等の分野において応用されている。バイオセンサの測定対象は低分子から高分子に至るまでの様々な化学物質であり、測定対象に応じて、種々の機能を有するバイオセンサの開発が進められている。
従来、生体試料および食品中に含まれる特定成分(基質)を希釈や撹拌等を行うことなく簡易に定量することができるバイオセンサが知られている。例えば、絶縁性の基板上に少なくとも作用極および対極を有する電極系を形成し、この電極系上に酸化還元酵素および電子受容体を親水性ポリマー等の固定化剤で固定化させた酵素反応層を設け、次いでこの酵素反応層の上に濾過層(血球除去層)を設け、さらにこの濾過層の上からカバーを被せて一体化したバイオセンサが提案されている。
このバイオセンサは、以下の方法により試料中の基質濃度を定量する。まず、濾過層に血液等の試料溶液を滴下し、その濾過液が酵素反応層に浸透する。これにより、酸化還元酵素および電子受容体が試料溶液中に溶解し、基質と酵素との間で酵素反応が進行する。この酵素反応によって基質が酸化され、同時に電子受容体が還元される。酵素反応の終了後、還元された電子受容体を電気化学的に酸化し、このとき得られる酸化電流値から試料溶液中の基質濃度を求めるものである。
例えば、中性脂肪をバイオセンサで測定する方法としては、以下のように試料中の中性脂肪を定量する方法が知られている。まず、試料溶液に含まれる中性脂肪は、例えば、リポプロテインリパーゼ(LPL)により遊離脂肪酸とグリセロールとに分解される。ここで生じたグリセロールは、下記式(1)および式(2)で示すように、グリセロールキナーゼ(GK)とグリセロール−3−リン酸オキシダーゼ(GPO)またはグリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GPDH)とを用いることにより定量することができる。すなわち、下記式に示される、酸化型電子受容体の減少、還元型電子受容体の増加またはジヒドロキシアセトンリン酸の量を測定することによって、グリセロールを定量することができる。特に還元型電子受容体の増加量を電気化学的に測定することによって、グリセロールを定量することが可能である。
しかしながら、上記中性脂肪測定に用いられるリポプロテインリパーゼ(LPL)、グリセロールキナーゼ(GK)、およびグリセロール−3−リン酸オキシダーゼ(GPO)の3種の酵素はいずれも高価である。
このような問題を解決するために、中性脂肪分解反応に用いる酵素として、中性脂肪分解酵素とグリセロールデヒドロゲナーゼ(GLDH)との2種類を用いることで、酵素のコストを低下させたバイオセンサが開示されている(特許文献1)。しかしながら、特許文献1のバイオセンサは、測定時間および精度が十分であるとはいえず、より一層の高精度化および測定の迅速化が望まれている。
一方、溶存酸素の影響を受けず、1種類の酵素を用いる方法としては、下記式(3)で示すようにNAD+依存性グリセロールデヒドロゲナーゼ(NAD−GLDH)を用いる方法が知られている。
しかしながら、この反応は、高価なNAD+を添加する必要がある。
より安価で簡便にグリセロールを定量する方法としては、補欠分子族としてピロロキノリンキノンを含むポリオールデヒドロゲナーゼ(PQQ−PDH)を用いる方法がある。
この方法は、下記式(4)の反応によって行われるため、溶存酸素の影響を受けない、反応が簡便で複数の酵素を用いる必要がない、高価なNAD+を添加する必要がない等のメリットがある。
上記を考慮して、短時間かつ高精度で中性脂肪を測定できるバイオセンサを目的として、中性脂肪分解酵素とグリセロールデヒドロゲナーゼとを異なる層に配置したバイオセンサが報告された(特許文献2、3)。ここで、特許文献2のバイオセンサは、電極上に、GLDHおよび親水性ポリマーを含むポリマー層と、濾紙に中性脂肪分解酵素を担持した濾紙層との2反応層を順次積層する構造を有する。また、特許文献3のバイオセンサは、電極上に、GLDHおよび親水性ポリマーを含むポリマー層と、不織布に中性脂肪分解酵素を担持した不織布層との2反応層を順次積層する構造を有することを特徴とする。
国際公開第2006/104077号パンフレット 特開2009−244013号公報 特開2009−244014号公報
しかしながら、上記特許文献2、3に記載されるバイオセンサでも、測定時間が実施例で2分(特許文献2の段落「0100」および特許文献3の段落「0100」)と、依然として測定時間が十分短いとはいえず、より短時間で測定できるバイオセンサが望まれている。
したがって、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、短時間で試料中の中性脂肪等の特定成分の濃度を測定できるバイオセンサを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、濾紙や不織布等の担持体を使用せずに、反応層を、酸化還元酵素を含む層上に直接脂質分解酵素を含む溶液を塗布して脂質分解酵素を含む層を形成する2層構造とすることにより、上記2酵素による反応速度を向上できることを知得した。上記知見に基づいて、本発明を完成した。
すなわち、上記目的は、絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に形成されてなる、少なくとも作用極および対極を含む電極系と、前記電極系上に形成されてなる試料供給部と、を有するバイオセンサであって、前記試料供給部が、前記電極系上に形成され、補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、またはフラビンモノヌクレオチド(FMN)を含む酸化還元酵素を含む第一の反応層と、前記第一の反応層上に脂質分解酵素を含む溶液を塗布することによって形成される第二の反応層と、を含む反応層を有する、バイオセンサによって達成される。
本発明のバイオセンサを用いると、短時間で目的とする成分濃度の測定ができる。
本発明のバイオセンサの一実施形態を示す分解斜視図である。 図1のバイオセンサの断面図である。 本発明のバイオセンサの他の実施形態を示す分解斜視図である。 図3のバイオセンサの断面図である。 実施例1〜2および比較例の全血中の中性脂肪濃度の測定結果を表すグラフである。 実施例3および4の全血中の中性脂肪濃度の測定結果を表すグラフである。 実施例5および6の全血中の中性脂肪濃度の測定結果を表すグラフである。
本発明は、絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に形成されてなる、少なくとも作用極および対極を含む電極系と、前記電極系上に形成されてなる試料供給部と、を有するバイオセンサであって、前記試料供給部が、前記電極系上に形成され、補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、またはフラビンモノヌクレオチド(FMN)を含む酸化還元酵素を含む第一の反応層(本明細書中では、単に「第一の反応層」とも称する)と、前記第一の反応層上に脂質分解酵素を含む溶液を塗布することによって形成される第二の反応層(本明細書中では、単に「第二の反応層」とも称する)と、を含む反応層を有する、バイオセンサを提供する。本発明は、反応層を、酸化還元酵素を含む第一の反応層および脂質分解酵素を含む第二の反応層から構成される2層構造とし、この際、第二の反応層は脂質分解酵素を含む溶液を第一の反応層上に直接塗布することによって形成されることを特徴とする。
従来、上述したように、特許文献1に記載されるような上記2酵素を混合して単一層としたバイオセンサ、ならびに特許文献2や3に記載されるような、酸化還元酵素および親水性ポリマーを含むポリマー層と、濾紙や不織布等の担持体に別途中性脂肪分解酵素を担持し、これら濾紙層や不織布層とをポリマー層上に設けた2層構造としたバイオセンサが報告されている。このうち、上記特許文献1のバイオセンサの場合には、グリセロールデヒドロゲナーゼ(GLDH)等の酸化還元酵素が一般的に脂質分解酵素に比べて溶解性が低く、そのことが脂質分解酵素に影響を与えるために、両者の酵素による反応が速やかに進行せず、ばらつきが生じる。その結果、センサ全体としての酵素反応が遅延してしまい、測定時間を十分短縮できないものと考えられる。また、上記特許文献2および3のバイオセンサの場合には、脂質分解酵素を別途濾紙や不織布に担持させているため、酸化還元酵素の溶解性は良いものの、ポリマー層への試料の浸透に時間が掛かり、その結果、やはり全体としての酵素反応が遅延してしまい、測定時間を十分短縮できないものと考えられる。
これに対して本発明では、酸化還元酵素を含む第一の反応層上に、脂質分解酵素を含む溶液を塗布して第二の反応層を直接形成する。したがって、中性脂肪等の脂肪を含む試料が試料供給部を通過すると、第二の反応層中の脂質分解酵素は溶解性が高いため、試料と接触するとすばやく溶解して、試料中の脂肪を分解して遊離脂肪酸およびグリセロールを生成する。またこの反応は、脂質分解酵素の溶解が完了するのとほぼ同じ所要時間で完了する。次に、酸化還元酵素は、第二の反応層と電極との間に第一の反応層として存在するため、第二の反応層中の脂質分解酵素が溶解完了後、溶解をし始める。脂質が分解された試料は第一の反応層にすばやく浸透して、酸化還元酵素を溶解するとともに、生成したグリセロールから還元型電子伝達体を生成し、当該還元型電子伝達体の増加量を電気化学的に測定する。このため、本発明のバイオセンサによれば、試料中の脂肪を短時間で定量することが可能である。なお、上記特許文献1〜3のメカニズムおよび本発明のメカニズムは推論であり、本発明は上記メカニズムにより限定されるものではない。
以下、図面を参照しながら本発明のバイオセンサの実施形態を具体的に説明する。なお、本発明は、下記特許請求の範囲で規定される概念から逸脱しない限り、下記実施形態に限定されない。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、本発明のバイオセンサの一実施形態を示す分解斜視図である。図2は、図1のバイオセンサの断面図である。なお、本明細書では、図1および2に示されるバイオセンサを「第1のバイオセンサ」とも称する。
図1および2が示すとおり、絶縁性基板1(本明細書中、単に「基板」とも称する)の上に、作用極2、参照極3および対極4を含む電極系が形成されている。なお、上記電極系は、少なくとも作用極および対極を含むものであればよい。このため、参照極3は省略することができる。また、接着剤6が、絶縁性基板1上の端部に設置される。作用極2、参照極3および対極4は、バイオセンサを電気的に接続するための手段として機能している。作用極2、参照極3および対極4は、例えば、スクリーン印刷・スパッタリング法等の従来公知の知見を適宜参照し、あるいは組み合わせて、所望のパターンの電極を形成することができる。
そして、絶縁性基板1上に形成された作用極2、参照極3および対極4には電極系を露出するように、絶縁層5が形成されている。絶縁層5は、各電極間の短絡を防止するための絶縁手段として機能する。絶縁層の形成方法についても特に制限はなく、スクリーン印刷法や接着法等の従来公知の手法により形成されうる。
また、絶縁層5を挟むように、作用極作用部分2−1、参照極作用部分3−1および対極作用部分4−1が形成されている。そして、電極系を構成する、作用極作用部分2−1、参照極作用部分3−1および対極作用部分4−1上には、第一の反応層8および第二の反応層9が順次形成されている。なお、図1では、第一の反応層8と、第二の反応層9と、前記第二の反応層9とカバー7との間に位置する空間部Sと、が試料供給部を形成する。
ここで、第一の反応層8は、少なくとも、補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)またはフラビンモノヌクレオチド(FMN)を含む酸化還元酵素(以下、「本発明の酸化還元酵素」とも称する)を含む。
また、第二の反応層9は、前記第一の反応層8上に形成され、少なくとも、脂質分解酵素を含む溶液を塗布することによって形成される。なお、本明細書中、「第二の反応層が脂質分解酵素を含む溶液を塗布することによって形成される」とは、脂質分解酵素を濾紙や不織布等の担持体に担持させることなく、脂質分解酵素を含む溶液を直接第一の反応層に塗布し、乾燥することによって、塗膜を形成することを意味する。
ここで、上記作用部分(2−1、3−1、4−1)は、バイオセンサの使用時に、第一の反応層8中の試料に電位を印加するための電位印加手段および試料中に流れる電流を検出するための電流検出手段として機能する。なお、作用部分(2−1、3−1、4−1)を含めて作用極2、参照極3および対極4と称する場合もある。作用極2および対極4は、バイオセンサの使用時に一対となって、第一の反応層8中の試料に電位を印加した際に流れる酸化電流(応答電流)を測定するための電流測定手段として機能する。バイオセンサの使用時には、参照極3を基準として、対極4と、作用極2との間に所定の電位が印加される。
本実施形態のバイオセンサは、基板1に設置された接着剤(両面テープ)6を介して第一の反応層8および第二の反応層9を覆うようにカバー7が接着されることにより構成される。なお、接着剤(両面テープ)6は、電極側に設置してもよいし、カバー7側のみに設置してもよいし、両方に設置してもよい。
本発明のバイオセンサにおいて、試料供給部は、さらに電子伝達体を含むことが好ましい。このような形態における電子伝達体は、いずれの形態で試料供給部中に存在してもよい。具体的には、(ア)第一の反応層8が電子伝達体を含む(電子伝達体を第一の反応層8に配置する)形態、(イ)第二の反応層9が電子伝達体を含む(電子伝達体を第二の反応層9に配置する)形態、(ウ)電子伝達体を含む第三の反応層をさらに配置する形態等が挙げられる。これらの形態(ア)〜(ウ)のいずれかが適用されても、あるいは上記形態(ア)〜(ウ)の2以上が組み合わせて適用されてもよい。上記形態のうち、(イ)または(ウ)がより好ましい。すなわち、本発明のバイオセンサは、上記第二の反応層が電子伝達体を有する(電子伝達体を第二の反応層に配置する)、または、電子伝達体を含む第三の反応層をさらに有することがより好ましい。
前者(第二の反応層が電子伝達体を有する)の場合、界面活性剤を含む層(以下界面活性剤層とも称する)をさらに、前記第一の反応層8および第二の反応層9と分離するように、前記試料供給部にもうけることが好ましい。この際、界面活性剤層の配置は特に制限されないが、例えば、界面活性剤層が、第一の反応層8および第二の反応層9と分離されてカバー側に形成されることが好ましい。その際、界面活性剤層がカバー側に形成されていると、カバー7が直接試料にふれる場合よりも、カバー側への全血等の試料の広がりや濡れ性がよくなり、試料を試料供給部に素早く導入できる利点もある。
また、後者(第三の反応層が電子伝達体を有する)の場合、電子伝達体を有する第三の反応層をさらに、前記第一の反応層8および第二の反応層9と分離するように、前記試料供給部にもうけることが好ましい。この際、第三の反応層の配置は特に制限されないが、例えば、上記第三の反応層は、第一の反応層8および第二の反応層9と分離されてカバー側に形成されることが好ましい。このような配置で、電子伝達体を有することによって、電子伝達体自身、また酸化還元酵素の、保存中の安定性の向上という効果が得られる。これは電子伝達体と酸化還元酵素が互いに接触しないことによる効果である。
すなわち、上記第三の反応層を含む場合の、本発明のバイオセンサの他の実施形態によると、絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に形成されてなる、少なくとも作用極および対極を含む電極系と、前記電極系上に形成されてなる試料供給部と、を有するバイオセンサであって、前記試料供給部が、前記電極系上に形成され、補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、またはフラビンモノヌクレオチド(FMN)を含む酸化還元酵素を含む第一の反応層と、前記第一の反応層上に脂質分解酵素を含む溶液を塗布することによって形成される第二の反応層と、を含む反応層を有し、さらに電子伝達体を含む第三の反応層を第一の反応層および第二の反応層と分離した形態で配置される。以下、上記本発明の他の実施形態によるバイオセンサを、図3、4を参照しながら説明する。
図3は、本発明のバイオセンサの、上記第三の反応層を含む、他の実施形態を示す分解斜視図である。図4は、図3のバイオセンサの断面図である。なお、本明細書では、図3、4に示されるバイオセンサを「第2のバイオセンサ」とも称する。
図3、4に示されるとおり、基本的な構造は、電子伝達体を含む第三の反応層10をさらに設ける(すなわち、第一の反応層8および第二の反応層9に加えて、第三の反応層10を配置する)以外は、図1、2で示されるバイオセンサと同様である。すなわち、カバー7側に形成される方を第三の反応層10と称し、電極側に形成される方を電極側から順次第一の反応層8および第二の反応層9と称する。この際、第一の反応層8と、第二の反応層9と、第三の反応層10と、前記第二の反応層9および前記第三の反応層10の間に配置される空間部Sと、が試料供給部を形成する。前記第一の反応層8が酸化還元酵素を含み、前記第二の反応層9が脂質分解酵素を含み、かつ前記第三の反応層10が電子伝達体を含む。換言すれば、当該他の実施形態による第2のバイオセンサにおいては、酸化還元酵素、脂質分解酵素および電子伝達体は同時に同一の反応層に含まれない。なお、第三の反応層10は、両端に接着剤(両面テープ)6aが設置されたカバー7上の両端の隙間に形成されてなる。
第2のバイオセンサは、第一の反応層8および第二の反応層9が形成されている基板1に接着された接着剤(両面テープ)6bと、第一の反応層8が形成されているカバー7に接着した接着剤(両面テープ)6aと、が互いに貼り合わされることにより、構成されてなる。なお、接着剤(両面テープ)6は、基板1側のみに設置してもよいし、カバー7側のみに設置してもよい。
以下、各構成要件を詳説する。なお、上記の通り、第1のバイオセンサの構造と、第2のバイオセンサの構造とは、第2のバイオセンサがさらに第三の反応層10を有すること以外は同様であるので、特に明記しない限り、下記に記載する構成要件の具体的な説明は、本発明の第1のバイオセンサにも、第2のバイオセンサにも適用される。また、各構成要件の含有量を説明する際に「1センサ」という用語を用いることがあるが、本明細書における「1センサ」とは、一般的なバイオセンサの大きさである、試料供給部に供給される試料が「0.1〜20μl(好ましくは2μl程度)」であるものを想定している。よって、それよりも小さかったり、大きかったりするバイオセンサにおいては、各構成要件の含有量を適宜調整することによって、本発明を適用することができる。
<絶縁性基板>
本発明において使用される絶縁性基板1は、特に制限はなく従来公知のものを使用することができる。一例を挙げると、プラスチック、紙、ガラス、セラミックス等である。また、絶縁性基板1の形状やサイズについては、特に制限されない。
プラスチックとしても、特に制限はなく従来公知のものを使用することができる。一例を挙げると、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリル樹脂等が使用できる。
<電極>
本発明の電極は、少なくとも作用極2と対極4とを含む。
本発明の電極は、試料(測定対象物)と、本発明の酸化還元酵素との反応を電気化学的に検出できるものであれば特に制限されず、例えば、カーボン電極、金電極、銀電極、白金電極、パラジウム電極等が挙げられる。耐腐食性およびコストの観点からは、カーボン電極が好ましい。
本発明においては、作用極2および対極4のみの二電極方式であっても、参照極3をさらに含む三電極方式であってもよい。なお、電位の制御がより高感度で行われるという観点からは、二電極方式よりも三電極方式が好ましく用いられうる。また、その他、液量を感知するための感知電極等を含んでいてもよい。
また、試料供給部と接触する部分(作用部分)は、それ以外の電極部分と構成材料が異なってもよい。例えば、参照極3が、カーボンからなっている場合に、参照極作用部分3−1が、銀/塩化銀からなっていてもよい。なお、バイオセンサは、一般的に使い捨てであるため、電極としては、ディスポーザブル電極を用いるとよい。
<絶縁層>
絶縁層5を構成する材料は特に制限されないが、例えば、レジストインク、PETやポリエチレン等の樹脂、ガラス、セラミックス、紙等により構成されうる。好ましくは、PETである。
<試料供給部>
上記の通り、本発明の第1のバイオセンサにおいて、試料供給部は、酸化還元酵素を含む第一の反応層8と脂質分解酵素を含む第二の反応層9とを有する。また、第一の反応層および第二の反応層と分離されて、カバー7側に界面活性剤層が設けられる場合には、試料供給部は界面活性剤層をも有する。
一方で、本発明の第2のバイオセンサにおいては、前記試料供給部が、酸化還元酵素を含む第一の反応層8と脂質分解酵素を含む第二の反応層9とに加えて、前記第一の反応層8および第二の反応層9から分離されて形成される第三の反応層10を有し、前記第三の反応層9が電子伝達体を含む。本発明の第2のバイオセンサのように、第三の反応層を設けることによって、酸化還元酵素および電子伝達体を別々の反応層に含有させることができるため、電子伝達体と、かかる酸化還元酵素とが接触することによる保存中の劣化を防ぐことができる。
本発明において、第一の反応層8および第二の反応層9の厚みは、特に制限されず、通常の反応層の厚みとなるように適宜選択できる。第一の反応層8は、好ましくは0.01〜25μm、より好ましくは0.025〜10μm、特に好ましくは0.05〜8μmである。また、第二の反応層9の厚みは、好ましくは0.01〜25μm、より好ましくは0.025〜10μm、特に好ましくは0.05〜8μmである。さらに、第一の反応層8および第二の反応層9の厚みの合計厚みは、好ましくは0.02〜50μm、より好ましくは0.05〜20μm、特に好ましくは0.1〜16μmにするとよい。この際の、厚みの制御方法としても特に制限はないが、例えば、所定の成分を含む溶液の塗布量(例えば、滴下する量)を適宜調節することにより、制御することができる。
また、本発明の第一のバイオセンサにおいて、第一の反応層8および第二の反応層9と分離されてカバー7側に界面活性剤層が形成される場合には、その厚みは0.01〜25μmが好ましく、より好ましくは0.025〜10μm、さらに好ましくは0.05〜8μmである。第二の反応層9と、界面活性剤層との離隔距離は好ましくは0.05〜1.5mm、より好ましくは0.07〜1.25mm、さらに好ましくは0.09〜1mmである。上記範囲であれば、毛細管現象が起こりやすく、試料が試料供給部に導入されやすい。ここで、第一の反応層8、第二の反応層9、および必要に応じて形成される界面活性剤層の厚さは、同じであっても異なっていてもよい。
また、本発明の第2のバイオセンサの場合における第一の反応層8、第二の反応層9および第三の反応層の厚みは、特に制限されず、通常の反応層の厚みとなるように適宜選択できる。第一の反応層8は、好ましくは0.01〜25μm、より好ましくは0.025〜10μm、特に好ましくは0.05〜8μmである。また、第二の反応層9の厚みは、好ましくは0.01〜25μm、より好ましくは0.025〜10μm、特に好ましくは0.05〜8μmである。さらに、第一の反応層8および第二の反応層9の厚みの合計厚みは、好ましくは0.02〜50μm、より好ましくは0.05〜20μm、特に好ましくは0.1〜16μmにするとよい。
また、第三の反応層10の厚さは、好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.025〜10μm、特に好ましくは0.05〜8μmにするとよい。ここで、第一の反応層8、第二の反応層9および第三の反応層10の厚さは、同じであっても異なってもよい。この際の、厚みの制御方法としても特に制限はないが、例えば、所定の成分を含む溶液の塗布量(例えば、滴下する量)を適宜調節することにより、厚みを制御することができる。なお、第二の反応層9と、第三の反応層10との、離隔距離には特に制限はないが、好ましくは0.05〜1.5mm、より好ましくは0.075〜1.25mm、特に好ましくは0.1〜1mmである。上記範囲であれば、保存中に酸化還元酵素と、電子伝達体とが接触せず、また、毛細管現象が起こりやすく、試料が反応層に吸引されやすい。離隔距離は、接着剤の厚みを制御することにより、制御することができる。つまり、接着剤は、第二の反応層9と、第三の反応層10と、を離隔される、スペーサとしての役割をも担う。
(酸化還元酵素)
本発明における第一の反応層8は、補欠分子族(「補酵素」とも称する)としてピロロキノリンキノン(PQQ)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、またはフラビンモノヌクレオチド(FMN)を含む酸化還元酵素を含む。特に、補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)を含むポリオール脱水素酵素が好ましい。なお、本発明においては、本発明の酸化還元酵素を単独で、または混合物の形態として使用してもよい。
本発明において、補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)またはフラビンモノヌクレオチド(FMN)を含む酸化還元酵素としては、特に制限されず、試料の種類に依存するが、補欠分子族として、ピロロキノリンキノン(PQQ)を含む酸化還元酵素としては、グリセロールデヒドロゲナーゼ、ソルビトールデヒドロゲナーゼ、マンニトールデヒドロゲナーゼ、アラビトールデヒドロゲナーゼ、ガラクチトールデヒドロゲナーゼ、キシリトールデヒドロゲナーゼ、アドニトールデヒドロゲナーゼ、エリスリトールデヒドロゲナーゼ、リビトールデヒドロゲナーゼ、プロピレングリコールデヒドロゲナーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、グルコン酸デヒドロゲナーゼ、2−ケトグルコン酸デヒドロゲナーゼ、5ケト−グルコン酸デヒドロゲナーゼ、2,5−ジケトグルコン酸デヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、環状アルコールデヒドロゲナーゼ、アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ、アミンデヒドロゲナーゼ、シキミ酸デヒドロゲナーゼ、ガラクトースオキシダーゼ等が挙げられる。
補欠分子族としてフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)またはフラビンモノヌクレオチド(FMN)を含む酸化還元酵素としては、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、D−アミノ酸オキシダーゼ、コハク酸デヒドロゲナーゼ、モノアミンオキシダーゼ、サルコシンデヒドロゲナーゼ、グリセロールデヒドロゲナーゼ、ソルビトールデヒドロゲナーゼ、D−乳酸デヒドロゲナーゼ、コレステロールオキシダーゼ等が挙げられる。
中でも、補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)またはフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)の少なくとも一方を含むグリセロールデヒドロゲナーゼが好ましく、補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)を含むグリセロールデヒドロゲナーゼ(以下、「PQQ依存性グリセロール脱水素酵素」とも称する)が特に好ましい。
上記の本発明の酸化還元酵素は、市販の商品を購入して用いてもよいし、自ら調製したものを用いてもよい。当該酸化還元酵素を自ら調製する手法としては、例えば、当該酸化還元酵素を産生する細菌を、栄養培地に培養し、該培養物から当該酸化還元酵素を抽出する公知の方法が挙げられる(例えば、特開2008−220367号公報参照)。
具体的には、PQQ依存性グリセロール脱水素酵素を例に挙げると、当該グリセロールデヒドロゲナーゼを産生する細菌としては、例えば、グルコノバクター属、シュードモナス属等様々な属に属する細菌が挙げられる。特にグルコノバクター属に属する細菌の膜画分に存在するPQQ依存性グリセロール脱水素酵素が好ましく用いられうる。中でも、入手の容易さから、グルコノバクター・アルビダス(Gluconobacter albidus)NBRC 3250、3273、103509、103510、103516、103520、103521、103524;グルコノバクター・セリナス(Gluconobacter cerinus)NBRC 3267、3274、3275、3276;グルコノバクター・フラテウリ(Gluconobacter frateurii)NBRC 3171、3251、3253、3262、3264、3265、3268、3270、3285、3286、3290、16669、103413、103421、103427、103428、103429、103437、103438、103439、103440、103441、103446、103453、103454、103456、103457、103458、103459、103461、103462、103465、103466、103467、103468、103469、103470、103471、103472、103473、103474、103475、103476、103477、103482、103487、103488、103490、103491、103493、103494、103499、103500、103501、103502、103503、103504、103506、103507、103515、103517、103518、103519、103523;グルコノバクター・ジャポニカス(Gluconobacter japonicus)NBRC 3260、3263、3269、3271、3272;グルコノバクター・カンチャナブリエンシス(Gluconobacter kanchanaburiensis)NBRC 103587,103588;グルコノバクター・コンドニ(Gluconobacter kondonii)NBRC 3266;グルコノバクター・オキシダンス(Gluconobacter oxydans)NBRC 3130、3189、3244、3287、3292、3293、3294、3462、12528、14819;グルコノバクター・ロセウス(Gluconobacter roseus)NBRC 3990;グルコノバクター・エスピー(Gluconobacter sp)NBRC 3259、103508;グルコノバクター・スファエリカス(Gluconobacter sphaericus)NBRC 12467;グルコノバクター・タイランディカス(Gluconobacter thailandicus)NBRC 3172、3254、3255、3256、3257、3258、3289、3291、100600、100601等を使用することができる。
上記PQQ依存性グリセロール脱水素酵素を培養する培地は、使用菌株が資化しうる炭素源、窒素源、無機物、その他必要な栄養素を適量含有するものであれば、合成培地であっても天然培地であってもよい。炭素源としては、例えば、グルコース、グリセロール、ソルビトール等が使用される。窒素源としては、例えば、ペプトン類、肉エキス、酵母エキス等の窒素含有天然物や、塩化アンモニウム、クエン酸アンモニウム等の無機窒素含有物が使用される。無機物としては、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、硫酸マグネシウム等が使用される。その他、特定のビタミン等が必要に応じて使用される。上記の炭素源、窒素源、無機物、およびその他の必要な栄養素は、単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
培養は、振とう培養あるいは通気撹拌培養で行うことが好ましい。培養温度は好ましくは20℃〜50℃、より好ましくは22℃〜40℃、最も好ましくは25℃〜35℃である。培養pHは好ましくは4〜9、より好ましくは5〜8である。これら以外の条件下でも、使用する菌株が生育すれば実施される。培養期間は通常0.5〜5日が好ましい。上記培養により、菌体内に酸化還元酵素が蓄積される。なお、これらの酸化還元酵素は、上記培養によって得られた酵素であっても、酸化還元酵素遺伝子を大腸菌等に形質導入して得られた組換え酵素であってもよい。
次いで、得られたPQQ依存性グリセロール脱水素酵素を抽出する。抽出方法は一般に使用される抽出方法を用いることができ、例えば超音波破砕法、フレンチプレス法、有機溶媒法、リゾチーム法等を用いることができる。抽出した酸化還元酵素の精製方法は特に制限されず、例えば、硫安やぼう硝等の塩析法、塩化マグネシウムや塩化カルシウムを用いる金属凝集法、ストレプトマイシンやポリエチレンイミンを用いる除核酸、またはDEAE(ジエチルアミノエチル)−セファロース、CM(カルボキシメチル)−セファロース等のイオン交換クロマト法等を用いることができる。
なお、これらの方法で得られる部分精製酵素や精製酵素液は、そのままの形態で使用しても、または化学修飾された形態で使用してもよい。本発明において、化学修飾された形態の酸化還元酵素を使用する場合には、上記の方法で得られる培養物由来の酸化還元酵素を、例えば、特開2006−271257号公報に記載されるような方法等を用いて適宜化学修飾して使用することができる。なお、化学修飾方法は、上記公報に記載の方法に限定されるものではない。
本発明の酸化還元酵素の含有量については特に制限はなく、測定する試料の種類や試料の添加量、電子伝達体の種類や、後述する親水性高分子の量等によって適宜選択することができる。一例を挙げると、例えば、PQQ依存性グリセロール脱水素酵素を使用する場合には、1センサあたり、グリセロールの分解を迅速に行い、且つ反応層の溶解性を下げない酵素量(酵素活性量)という観点から、好ましくは0.01〜100U、より好ましくは0.05〜50U、特に好ましくは0.1〜10Uである。なお、PQQ依存性グリセロール脱水素酵素の活性単位(U)の定義および測定方法は、特開2006−271257号公報に記載の方法による。また、PQQ依存性グリセロール脱水素酵素を含む酸化還元酵素は、後述もするが、例えば、グリシルグリシンのような緩衝液で調製しておくことも好ましい。
(脂質分解酵素)
また、本発明における第二の反応層9は、脂質を構成するエステル結合を加水分解する脂質分解酵素を含む。ゆえに、本発明のバイオセンサは、中性脂肪センサとして使用ことができる。かような脂質分解酵素として、特に制限されないが、具体的には、リポプロテインリパーゼ(LPL)、リパーゼ、エステラーゼが好適に挙げられる。特に、反応性の観点で、リポプロテインリパーゼ(LPL)が好ましい。
LPLの含有量については特に制限はなく、測定する試料の種類や試料の添加量、使用する親水性高分子の量や電子伝達体の種類等によって適宜選択することができる。一例を挙げると、中性脂肪の分解を迅速に行い、且つ反応層の溶解性を下げない酵素量(酵素活性量)という観点から、1センサあたり、好ましくは0.1〜1000活性単位(U)、より好ましくは1〜500U、特に好ましくは10〜100Uである。なお、LPLの活性単位(U)の定義および測定方法は、国際公開第2006/104077号パンフレットに記載の方法による。また、LPLは、後述もするが、グリシルグリシンのような緩衝液で調製しておくことも好ましい。
本発明では、前記酸化分解酵素と前記脂質分解酵素とは、それぞれ、第一の反応層および第二の反応層という別の層に分かれて存在する。かような形態であれば、脂質分解酵素による加水分解反応が効率よく進行する。
(電子伝達体)
本発明のバイオセンサは、電子伝達体を含むことが好ましい。ここで、電子伝達体は、第一の反応層8または第二の反応層9に含まれてもよいが、これらの反応層とは別に第三の反応層に含まれることが好ましい。この場合には、電子伝達体を含む反応層は、電極とは離間して存在させることがより好ましく、第一の反応層8または第二の反応層9、特に第二の反応層9と離間して存在させることが特に好ましい。すなわち、本発明は、絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に形成されてなる、少なくとも作用極および対極を含む電極系と、前記電極系上に形成されてなる試料供給部と、を有するバイオセンサであって、前記試料供給部が、前記電極系上に形成され、補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、またはフラビンモノヌクレオチド(FMN)を含む酸化還元酵素を含む第一の反応層と、前記第一の反応層上に脂質分解酵素を含む溶液を塗布することによって形成される第二の反応層と、を含む反応層を有し、さらに、電子伝達体を含む第三の反応層を前記第一および第二の反応層と分離されて形成されてなる、バイオセンサ(第2のバイオセンサ)が提供される。
本発明の第2のバイオセンサでは、第三の反応層10は、電子伝達体(「電子受容体」とも称する場合がある)を含む。このように電子伝達体を電極とは離間して存在させることにより、局部電池のような現象により電子伝達体が自動的に還元されてしまうのを抑制・防止できる。これにより、精度がより向上したバイオセンサを提供することができる。
電子伝達体は、バイオセンサの使用時において、酸化還元酵素の作用によって生成した電子を受け取る、すなわち還元される。そして、還元された電子伝達体は、酵素反応の終了後に電極への電位の印加によって電気化学的に酸化される。この際に流れる電流(以下、「酸化電流」とも称する)の大きさから、試料中の所望の成分の濃度が算出されうる。
本発明において使用される電子伝達体としては、従来公知のものを使用することができ、試料や使用する酸化還元酵素に応じて適宜決定できる。なお、電子伝達体は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
電子伝達体としては、より具体的には、フェリシアン化カリウム、フェリシアン化ナトリウム、フェロセンおよびその誘導体、フェナジンメトサルフェートおよびその誘導体、p−ベンゾキノンおよびその誘導体、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール、メチレンブルー、ニトロテトラゾリウムブルー、オスミウム錯体、ヘキサアンミンルテニウム(III)塩化物等のルテニウム錯体等を好適に使用することができる。これらのうち、ヘキサアンミンルテニウム(III)塩化物、フェリシアン化カリウムが好ましく、ヘキサアンミンルテニウム(III)塩化物がより好ましく使用される。
電子伝達体の含有量については特に制限はなく、試料の添加量等に応じて適宜調節されうる。一例を挙げると、1センサあたり、基質量に対して十分量を含有させるという観点から、好ましくは1〜2000μg、より好ましくは5〜1000μg、特に好ましくは10〜500μgの電子伝達体が含まれるとよい。また、電子伝達体は、後述もするが、グリシルグリシンのような緩衝液で調製しておくことも好ましい。
(界面活性剤)
本発明のバイオセンサにおいては、第一の反応層8、第二の反応層9または第三の反応層10が、必要であれば界面活性剤を有する。また、本発明の第1のバイオセンサにおいては、第一の反応層8および第二の反応層9と分離されて、界面活性剤層がカバー7側に形成されていてもよい。
酸化還元酵素はタンパク質から構成されているため、電極表面にそれが付着すると、電極表面が不動態化する虞があるため、従来の一般的なバイオセンサにおいては、電極に酵素が直接接触しないような構成を採っていた。しかし、第一の反応層8に界面活性剤を含有させることにより、酸化還元酵素が電極に固着することを有意に抑制・防止し、その結果、電極近傍での、酸化還元酵素による酸化型電子伝達体の還元型電子伝達体への変換効率を向上できる、換言すれば、より試料液中の基質濃度との相関性を高くすることができる。また、カバー7側に界面活性剤が形成されていると、カバー7が直接試料に触れる場合よりも、カバー側への全血等の試料の広がりや濡れ性がよくなり、試料を試料供給部に素早く導入できるため好ましい。
本発明に用いられる界面活性剤としては、使用する本発明の酸化還元酵素の酵素活性が低下しないものであれば、特に制限されないが、例えば、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、天然型界面活性剤等を適宜選択して使用することはできる。これらは、単独で用いても、混合物の形態で用いてもよい。好ましくは本発明の酸化還元酵素の酵素活性に影響を及ぼさないという観点から、非イオン性界面活性剤および両性界面活性剤の少なくとも一方である。
非イオン性界面活性剤としては、特に制限されないが、本発明の酸化還元酵素の酵素活性に影響を及ぼさないという観点から、ポリオキシエチレン系またはアルキルグリコシド系であることが好ましい。
ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤としては、特に制限はないが、ポリオキシエチレン−p−t−オクチルフェノール(オキシエチレン数=9,10)[(polyoxyethylene−p−t−octylphenol;Triton(登録商標)X−100)]、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(Polyoxyethylene Sorbitan Monolaurate;Tween 20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノパリミテート(Polyoxyethylene Sorbitan Monopalmitate;Tween 40)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(Polyoxyethylene Sorbitan Monostearate;Tween 60)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(Polyoxyethylene Sorbitan Monooleate;Tween80)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(エマルゲンPP−290(花王株式会社製))等が好ましい。中でも、本発明の酸化還元酵素の溶解性を上げるという観点から、ポリオキシエチレン−p−t−オクチルフェノール(オキシエチレン数=9,10)[(polyoxyethylene−p−t−octylphenol;Triton(登録商標)X−100)]、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(エマルゲンPP−290(花王株式会社製))が好ましい。
アルキルグリコシド系非イオン性界面活性剤としては、特に制限はないが、炭素数7〜12のアルキル基を有するアルキルグリコシド、アルキルチオグリコシド等が好ましい。かかる炭素数については、より好ましくは7〜10であり、特に好ましくは炭素数8である。糖部分は、グルコース、マルトースが好ましく、より好ましくはグルコースである。より具体的には、n−オクチル−β−D−グルコシド、n−オクチル−β−D−チオグルコシドであると好ましい。アルキルグリコシド系非イオン性界面活性剤は、バイオセンサに使用する際、製造過程において、非常に塗りやすく、均一にできる。特に、n−オクチル−β−D−チオグルコシド)が反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)に含有されると、試料溶液を滴下した際の広がりが非常によく、濡れ性がよい(表面張力を起こしにくくする。)。よって、広がりや濡れ性の観点で考えると、アルキルグリコシドよりもアルキルチオグリコシドが非常に好ましい。なお、これらは、単独で用いても混合物の形態で用いてもよい。
両性界面活性剤としては、特に制限されないが、例えば、3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホン酸(CHAPS)、3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(CHAPSO)、n−アルキル−N−N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホン酸(Zwittergent(登録商標))等が挙げられる。なお、これらは、単独で用いても、混合物の形態で用いてもよい。好ましくは、3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホン酸(CHAPS)または3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(CHAPSO)である。特にCHAPSが好ましい。その理由は、CHAPSは界面活性剤の中でも低溶血性のものだからである。
陽イオン性界面活性剤としては、特に制限されないが、例えば、セチルピリジニウムクロリド、トリメチルアンモニウムブロミドが挙げられる。これらは、単独で用いても、混合物の形態で用いてもよい。
陰イオン性界面活性剤としては、特に制限されないが、例えば、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム等が挙げられる。これらは、単独で用いても、混合物の形態で用いてもよい。
天然型界面活性剤としては、特に制限されないが、例えば、リン脂質が挙げられ、好ましくは、卵黄レシチン、大豆レシチン、水添レシチン、高純度レシチン等のレシチン等が挙げられる。これらは、単独で用いても、混合物の形態で用いてもよい。
上記の界面活性剤のうち、バイオセンサの精度をより向上させる観点で、試料として全血を使用する場合、低溶血性の界面活性剤を使用することが好ましい。具体例を挙げると、上記のCHAPSや、Tween、エマルゲンPP−290(花王株式会社製)(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール)が好ましい。
また、本発明の第2のバイオセンサにおいては、界面活性剤は、第一の反応層8、第二の反応層9、および第三の反応層10のいずれの反応層に含まれてもよいが、好ましくは第一の反応層8または第三の反応層10、より好ましくは第一の反応層8および第三の反応層10が界面活性剤を含む。これにより、酸化還元酵素や電子伝達体の溶解が促進されうる。また、上記3反応層の2以上の反応層に界面活性剤を存在させる場合には、これらの反応層に含める各界面活性剤の種類や配合量は、同一であっても異なるものであってもよい。この際、第一の反応層8、第二の反応層9、第三の反応層10に含有される各構成要件との相互作用を考慮して選択することが好ましい。
より具体的には、まず、上記の通り、第一の反応層8に酸化還元酵素が含有されるが、例えば、酸化還元酵素としてPQQ依存性グリセロール脱水素酵素を含有させる場合、それらは疎水性が強いため、少なくとも第一の反応層8には界面活性剤が含有されることが好ましい。この場合、界面活性剤の種類としては、バイオセンサの精度をより向上させる観点で、試料として全血を使用する場合、低溶血性の界面活性剤(例えば、CHAPS、Tween、エマルゲンPP−290等)を使用することが好ましい。一方で、上記述べた通り、第2のバイオセンサでは、第三の反応層10は電子伝達体(例えば、ヘキサアンモンルテニウム(III)塩化物)を含有するが、この際、広がりや濡れ性を向上させて、バイオセンサの精度をより向上させるとの観点で、第三の反応層10にも界面活性剤が含有されることがより好ましい。この場合にもまた、広がりや濡れ性の観点で考えると、低溶血性の界面活性剤(例えば、CHAPS、Tween、エマルゲンPP−290等)を使用することが好ましい。このような工夫を施すことによって、よりバイオセンサとしての精度が向上する。
界面活性剤の含有量については特に制限はなく、試料の添加量等に応じて適宜調節されうる。
界面活性剤として、両性のものを用いる場合、1センサあたり、本発明の酸化還元酵素の溶解性を上げ、且つ酵素活性を失活させず、また製造工程において塗布しやすいという観点から、好ましくは0.01〜100μg、より好ましくは0.05〜50μg、特に好ましくは0.1〜10μgが含まれるとよい。また、かような界面活性剤は、後述もするが、グリシルグリシンのような緩衝液で調製しておくことも好ましい。なお、界面活性剤が1センサに2種類以上含まれるときは、含量は、その合計量を意味する。
界面活性剤として、非イオン性界面活性剤のものを用いる場合、1センサあたり、本発明の酸化還元酵素の溶解性を上げ、且つ酵素活性を失活させず、また製造工程において塗布しやすいという観点から、好ましくは0.01〜100μg、より好ましくは0.05〜50μg、特に好ましくは0.1〜10μgが含まれるとよい。また、かような界面活性剤は、グリシルグリシンのような緩衝液で調製しておくことも好ましい。
(親水性高分子)
本発明における第一の反応層8、第二の反応層9、または第三の反応層10は、さらに親水性高分子を含んでもよい。
上記したように、酸化還元酵素はタンパク質から構成されているため、電極表面にそれが付着すると、電極表面が不動態化する虞があるため、従来の一般的なバイオセンサにおいては、電極に酵素が直接接触しないような構成を採っていた。しかし、第一の反応層8に親水性高分子を含有させることにより、酸化還元酵素が電極に固着することを有意に抑制・防止し、その結果、電極近傍での、酸化還元酵素による酸化型電子伝達体の還元型電子伝達体への変換効率を向上できる、換言すれば、より試料液中の基質濃度との相関性を高くすることができる。
また、親水性高分子は、第1のバイオセンサの場合には、第一の反応層8もしくは第二の反応層9、または第2のバイオセンサの場合には、第一の反応層8、第二の反応層9もしくは第三の反応層10のいずれに含有されてもよい。親水性高分子は、本発明の酸化還元酵素または電子伝達体等を電極上に固定化する機能を有する。このため、第一の反応層8、第二の反応層9または第三の反応層10、特に第一の反応層8または第三の反応層10が親水性高分子を含むと、基板1および電極表面からのこれらの反応層の剥離が防止されうる。また、親水性高分子は、上記第一の反応層8、第二の反応層9および第三の反応層10の表面の割れを防ぐ効果も有しており、バイオセンサの信頼性を高めるのに効果的である。さらに、タンパク質等の吸着性成分の電極への吸着もまた、抑制されうる。なお、第一の反応層8、第二の反応層9または第三の反応層10が親水性高分子を含む場合、反応層内に親水性高分子が含まれる形態を有していてもよく、または第一の反応層8、第二の反応層9または第三の反応層10を覆うように親水性高分子を含む親水性高分子層を形成させた形態を有してもよい。
本発明に用いることができる親水性高分子としては、従来公知のものを使用することができる。より具体的には、親水性高分子としては、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリリジン等のポリアミノ酸、ポリスチレンスルホン酸、ゼラチンおよびその誘導体、アクリル酸の重合体またはその誘導体、無水マレイン酸の重合体またはその塩、スターチおよびその誘導体等が挙げられる。これらのうち、本発明の酸化還元酵素の酵素活性を失活させず、且つ溶解性が高いという観点から、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよびポリビニルアルコールが好ましい。なお、これらは、単独で用いても、混合物の形態で用いてもよい。
なお、このような親水性高分子の配合量は、1センサあたり、酵素や電子伝達体を固定化でき、且つ反応層の溶解性を下げないという観点から、好ましくは0.01〜100μgであり、より好ましくは0.05〜50μgであり、特に好ましくは0.1〜10μgである。親水性高分子は、後述もするが、例えば、グリシルグリシンのような緩衝液で調製しておくことも好ましい。また、上記第一の反応層8、第二の反応層9または第三の反応層10の2以上の反応層に親水性高分子を存在させる場合には、これらの反応層に含める各親水性高分子の種類や配合量は、同一であっても異なるものであってもよい。この際、第一の反応層8、第二の反応層9、第三の反応層10に含有される各構成要件との相互作用を考慮して選択することが好ましい。
(糖)
本発明の第一のバイオセンサおよび第二のバイオセンサにおいて、第一の反応層8、第二の反応層9および第三の反応層10の少なくとも一つは、さらに糖を含んでもよい。糖は測定に関わる酵素反応に関与せず、また、自身が反応することもないものを適宜選択して使用することができ、各層の固定化や安定化に寄与し得る。糖は、第一の反応層8、第二の反応層9および第三の反応層10のいずれに含まれてもよいが、少なくとも第一の反応層8に含まれることが好ましい。
第一の反応層8、第二の反応層9および第三の反応層10の少なくとも一つに含み得る糖としては、遊離性のアルデヒド基やケトン基を持たない、還元性を有していない非還元糖が好ましい。このような非還元糖としては、還元基同士の結合したトレハロース型小糖類、糖類の還元基および非糖類が結合した配糖体、糖類に水素添加して還元した糖アルコール等が挙げられる。より具体的には、スクロース、トレハロース、ラフィノース等のトレハロース型小糖類;アルキル配糖体、フェノール配糖体、カラシ油配糖体等の配糖体;およびアラビトール、キシリトール等の糖アルコール等が挙げられる。これら非還元糖は、単独で用いてもよいし、二種以上の混合物の形態で用いてもよい。中でも、トレハロース、ラフィノース、スクロースが好ましく、特にトレハロースが好ましい。
第一の反応層8、第二の反応層9および第三の反応層10の少なくとも一つに含まれる糖の配合量は、1センサあたり好ましくは0.1〜500μg、より好ましくは0.5〜400μg、さらに好ましくは1〜300μgである。糖が混合物の形態であれば、配合量は全成分の合計を意味する。上記の範囲であれば、センサの性能を低下させることなく各層の固定化や安定化に寄与できる。
(タンパク質)
本発明の第1および第2のバイオセンサにおいて、第一の反応層8、第二の反応層9および第三の反応層10の少なくとも一つは、さらにタンパク質を含んでもよい。タンパク質は測定に関わる酵素反応に関与せず、また、自身が反応することもない、生理活性を示さないものを適宜選択して使用することができ、各層の固定化や安定化に寄与し得る。タンパク質は、第一の反応層8、第二の反応層9および第三の反応層10のいずれに含まれてもよいが、少なくとも第一の反応層8に含まれることが好ましい。
第一の反応層8、第二の反応層9および第三の反応層10の少なくとも一つに含み得るタンパク質としては、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン、セリシン、およびそれらの加水分解物が挙げられる。これらのタンパク質は単独でも二種以上の混合物の形態で用いてもよい。このうち、入手し易くコストも安いことからBSAが好ましい。好ましいタンパク質の分子量は、10〜1000kDa、より好ましくは25〜500kDa、さらに好ましくは50〜100kDaである。この際、分子量はゲル濾過クロマトグラフィー法を用いて測定した値を採用する。
第一の反応層8、第二の反応層9および第三の反応層10に含まれるタンパク質の配合量は、1センサあたり好ましくは0.1〜200μg、より好ましくは0.5〜100μg、さらに好ましくは1〜50μgである。タンパク質が二種以上の混合物の形態であれば、配合量は全成分の合計を意味する。上記の範囲であれば、センサの性能を低下させることなく各層の固定化や安定化に寄与できる。
<バイオセンサの製造方法>
本発明の第1および第2のバイオセンサにおける第一の反応層8、第二の反応層9および第三の反応層10を形成する方法にも特に制限はない。以下では、本発明の第2のバイオセンサの作製方法の好ましい実施形態を説明する。なお、本発明は、下記の方法に限定されるものではない。また、本発明の第1のバイオセンサの作製もまた、特に制限されないが、例えば、下記において第三の反応層を形成しない以外は、同様にして実施できる。
前記第一の反応層8および第三の反応層10は、いずれの方法によって形成されてもよいが、第二の反応層9は、脂質分解酵素を含む溶液を塗布することによって第一の反応層8上に形成される。ここで、塗布方法は、特に制限されず、脂質分解酵素を含む溶液を、滴下により、あるいはスプレー装置、バーコーター、ダイコーター、リバースコーター、コンマコーター、グラビアコーター、スプレーコーター、ドクターナイフ等の塗布器具を用いて塗布する方法が使用できる。
また、前記第一の反応層8および第三の反応層10の形成方法は、特に制限されず、上記第二の反応層の形成方法と同等の方法が使用できる。この際、第二の反応層9の形成方法、ならびに前記第一の反応層8および第三の反応層10の形成方法は、同一であってもあるいは異なるものであってもよいが、作製のしやすさや製造コスト等を考慮すると、同様の方法を使用することが好ましく、所定の成分を含む溶液を滴下により塗布した後、塗膜を乾燥する方法が特に好ましい。このような方法は、簡便にバイオセンサを作製でき、また、大量生産時における製造コストを安く抑えることができる点で好ましい。
まず、第一の反応層を以下のようにして形成する。すなわち、酸化還元酵素(例えば、PQQ依存性グリセロール脱水素酵素)、ならびに必要に応じて界面活性剤(例えば、エマルゲン)およびグリシルグリシン緩衝液等の所望の成分を混合して、酸化還元酵素溶液を調製する。この酸化還元酵素溶液を、電極(作用部分)に、所定量滴下する。調製した酸化還元酵素溶液を滴下した後、所定の温度に保った恒温槽内やホットプレート上にて乾燥させることにより、第一の反応層を電極(作用部分)に形成する。なお、界面活性剤については、単に第一の反応層内に含有されていてもよいし、第一の反応層を覆うように界面活性剤を含む層を形成してもよいし、電極上に界面活性剤層を形成させ、その上に第一の反応層8を形成してもよい。また、必要に応じ上記した他の成分(例えば、親水性高分子等)を添加してもよい。また、必要に応じエタノール等の揮発性有機溶媒を添加しておいてもよい。揮発性有機溶媒を添加しておくことで、早く乾きやすく、結晶化が小さくて済む。なお、予め基板1に接着剤を設置してもよい。
界面活性剤層を形成する場合は、界面活性剤(例えば、エマルゲンPP−290(花王株式会社製)をグリシルグリシン緩衝液、揮発性有機溶媒等の所望の成分と混合して、界面活性剤溶液を調製する。この界面活性剤溶液を、電極や第一の反応層上に、または、後述するように、第二の反応層、第三の反応層またはカバー7上に、所定量滴下する。界面活性剤溶液を滴下した後、所定の温度に保った恒温槽内やホットプレート上にて乾燥させることにより、界面活性剤層を形成する。
次に、第二の反応層を以下のようにして形成する。すなわち、脂質分解酵素(例えば、リポプロテインリパーゼ(LPL))をグリシルグリシン緩衝液等の所望の成分を混合して、脂質分解酵素溶液を調製する。この脂質分解酵素溶液を、上記で作製した酸化還元酵素層に、所定量滴下する。調製した脂質分解酵素溶液を滴下した後、所定の温度に保った恒温槽内やホットプレート上にて乾燥させることにより、第二の反応層を第一の反応層上に形成する。なお、界面活性剤をさらに第二の反応層に追加してもよい。界面活性剤は単に第二の反応層内に含有されていてもよいし、第二の反応層を覆うように界面活性剤を含む層を上記の通り形成してもよい。また、必要に応じ上記した他の成分(例えば、親水性高分子等)を添加してもよい。また、必要に応じエタノール等の揮発性有機溶媒を添加しておいてもよい。揮発性有機溶媒を添加しておくことで、早く乾きやすく、結晶化が小さくて済む。
また、第三の反応層は以下のようにして形成する。すなわち、電子伝達体(例えば、ヘキサアンミンルテニウム(III)塩化物)、ならびに必要に応じて界面活性剤(例えば、エマルゲン)およびグリシルグリシン緩衝液等の所望の成分を混合して、電子伝達体溶液を調製する。この電子伝達体溶液を、カバー7に、所定量滴下する。調製した電子伝達体溶液を滴下した後、所定の温度に保った恒温槽内やホットプレート上にて乾燥させることにより、第三の反応層をカバー上に形成する。この際、界面活性剤については、単に反応層内に含有されていてもよいし、反応層を覆うように界面活性剤を含む層を上記の通り形成してもよいし、カバーに界面活性剤層を形成し、その上に第三の反応層10を形成してもよい。なお、予めカバー7に接着剤を設置してもよい。
最後に、第一の反応層8および第二の反応層9が形成されている基板1と、第三の反応層10が形成されているカバー7を、接着剤6a、6bを介して張り合わせることにより、第2のバイオセンサを製造することができる。
<バイオセンサの適用>
本発明において使用される試料は、好ましくは、溶液形態である。溶液形態における溶媒としても特に制限されず、従来公知の溶媒を適宜参照し、あるいは組み合わせて適用することができる。
試料としても、特に制限はされないが、例えば、全血、血漿、血清、唾液、尿、骨髄等の生体試料;ジュース等の飲料水、醤油、ソース等の食品類;排水、雨水、プール用水等が挙げられる。好ましくは、全血、血漿、血清、唾液、骨髄であり、より好ましくは全血である。
なお、試料は原液がそのまま用いられてもよいし、粘度等を調節する目的で適当な溶媒で希釈された溶液が用いられてもよい。試料に含まれる基質についても特に制限はなく、本発明の第一の反応層および第二の反応層に含まれる各酵素と反応し、後述するように測定可能な電流を生じうる物質であればよい。
試料中の所望の成分(基質)としては、例えば、グルコース等の糖類、グリセロール、ソルビトール、アラビトール等の多価アルコール、中性脂肪、コレステロール等の脂質、グルタミン酸や乳酸等の有機酸類、クレアチン、クレアチニン等が挙げられる。上記と同様の理由から、中性脂肪やコレステロール等の脂質が基質として選択されることが好ましい。
試料を試料供給部へ供給する形態は特に制限されず、例えば、毛細管現象を利用して、反応層(第一の反応層8、第二の反応層9、第三の反応層10)に対して水平方向から試料を供給してもよい。
反応層(第一の反応層8、第二の反応層9、第三の反応層10)へと試料が供給されると、試料中の所望の成分(基質)は、第二の反応層9に含まれる脂質分解酵素と第一の反応層8に含まれる酸化還元酵素の作用によって酸化され、自身の酸化と同時に電子を放出する。基質から放出された電子は、第三の反応層10から溶け出した電子伝達体に捕捉され、これに伴って電子伝達体は酸化型から還元型へと変化する。試料の添加後、バイオセンサを所定時間放置することにより、脂質分解酵素と酸化還元酵素によって基質が完全に酸化され、一定量の電子伝達体が酸化型から還元型へと変換される。
本発明のバイオセンサによると、基質と酵素との反応を完結させる反応時間(即ち、測定時間)を有意に短縮できる。この際、基質と酵素との反応を完結させる反応時間(測定時間)は、特に制限されないが、試料添加後、通常は1秒〜120秒、好ましくは1秒〜90秒、より好ましくは1〜60秒、特に好ましくは1〜45秒である。
その後、還元型の電子伝達体を酸化する目的で、電極を介して、作用極2と対極4との間に、所定の電位を印加する。これにより、還元型の電子伝達体が電気化学的に酸化され、酸化型へと変換される。この際に測定される電流(以下、「酸化電流」とも称する)の値から、電位印加前の還元型の電子伝達体の量が算出され、さらに、酵素と反応した基質の量が定量されうる。酸化電流を流す際に印加される電位の値は特に制限されず、従来公知の知見を参照して適宜調節されうる。一例を挙げると、−200〜+700mV程度、好ましくは0〜+500mVの電位を、対極4と作用極2との間に印加すればよい。電位を印加するための電位印加手段についても特に制限はなく、従来公知の電位印加手段が適宜用いられうる。
酸化電流値の測定、および当該電流値から基質濃度への換算の手法としては、所定の電位を印加してから一定時間後の電流値を測定するクロノアンペロメトリー法が用いられてもよいし、クロノアンペロメトリー法による電流応答を時間で積分して得られる電荷量を測定するクロノクーロメトリー法が用いられてもよい。簡単な装置系により測定されるという点で、クロノアンペロメトリー法が好ましく用いられうる。
以上、還元型の電子伝達体を酸化する際の電流(酸化電流)を測定することにより基質濃度を算出する形態を例に挙げて説明したが、場合によっては、還元されずに残存している酸化型の電子伝達体を還元する際の電流(還元電流)を測定することにより基質濃度を算出する形態が採用されてもよい。
本発明のバイオセンサは、いずれの形態で使用してもよく特に制限されない。例えば、使い捨て用途としてのディスポーザブルタイプのバイオセンサ、少なくとも電極部分を人体に埋め込んで連続的に所定の値を測定するためのバイオセンサ等、様々な用途に使用できる。
本発明のバイオセンサは、中性脂肪センサ、コレステロールセンサ等の従来公知のセンサに適用することが可能である。
本発明の効果を以下に纏める。
本発明のバイオセンサにおいては、酸化還元酵素および脂質分解酵素を別の反応層に含有されるため、脂質分解酵素による中性脂肪のグリセロールへの分解および酸化還元酵素による酸化反応が速やかに進行する。このため、短時間で試料中のグルコースや中性脂肪濃度を測定できる。また、この際、測定値のばらつきがほとんど生じず、バイオセンサの測定精度がより向上する。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味する。
<全血中の中性脂肪濃度の測定>
(実施例1)
電極は、DEP Chip EP−N(有限会社バイオデバイステクノロジー製)を使用した。DEP Chip EP−Nは、絶縁性基板1の上に、それぞれカーボンからなる作用極2、参照極3、対極4が形成され、絶縁層5を挟んで、カーボンからなる作用極作用部分2−1、銀/塩化銀からなる参照極作用部分3−1、カーボンからなる対極作用部分4−1が形成されている。
第一の反応層(GLDH層)は以下の手順で形成した。
1センサ(供給される試料「全血」の量2μl)あたり、終濃度で、PQQ依存性グリセロール脱水素酵素を1.5U、グリシルグリシン(和光純薬工業工業株式会社製)を5mM(0.65μg)、エマルゲンPP−290(花王株式会社製)を0.025%(0.5μg)になるように混合し、溶液(GLDH溶液)を得た。得られたGLDH溶液をEP−Nの作用極作用部分、参照極作用部分、および対極作用部分を被覆するように滴下し、30℃で5分間乾燥させ、第一の反応層(GLDH層)を得た。
第二の反応層(LPL層)は以下の手順で形成した。
1センサ(試料液量2μl)あたり、リポプロテインリパーゼ(LPL、旭化成株式会社製)を75U、グリシルグリシン(和光純薬工業工業製)を5mM(0.65μg)になるように混合し、溶液(LPL溶液)を得た。得られたLPL溶液を、形成させたGLDH層の上に重層(被覆)するように滴下し、30℃で5分間乾燥させ、第二の反応層(LPL層)を得た。
このようにして、第一の反応層であるGLDH層上に第二の反応層であるLPL層を形成(重層)した。
第三の反応層(電子伝達体層)は以下の手順で形成した。
1センサ(供給される試料「全血」の量2μl)あたり、終濃度で、ヘキサアンミンルテニウム(III)塩化物(和光純薬工業工業株式会社製)を100mM(65μg)、グリシルグリシン(和光純薬工業工業株式会社製)を25mM(3.25μg)、エマルゲンPP−290(花王株式会社製)を0.1%(2μg)になるように混合し、メディエーター溶液を得た。得られたメディエーター溶液を、PETからなるカバーに接着剤(両面テープ)を貼り合わせた隙間に滴下後、50℃で5分間乾燥させ、第三の反応層(電子伝達体層)を形成した。
第三の反応層が形成されているカバーと、第一の反応層および第二の反応層が形成されている基板に接着した接着剤(両面テープ)とを互いに貼り合わせることにより、中性脂肪センサを作製し、特性評価を行った。なお、この際、第一の反応層、第二の反応層および第三の反応層の厚みはそれぞれ5μmであり、第二の反応層と第三の反応層との離隔距離は0.15mmであった。
試料液(全血、中性脂肪値300mg/dl)2μlを吸入させてから反応時間として各秒数待機後、参照極を基準にして作用極と対極の間に+200mVの電位を印加し、5秒後に作用極と対極との間に流れる電流値を測定した。この電流値は、還元した電子伝達体の濃度、すなわち全血中の分解された中性脂肪の濃度に比例し、この電流値から全血中の中性脂肪濃度を求めることができる。結果を表1および図5に示す。なお、図5中、実施例1の結果は、白抜き丸(○)で表わす。
(実施例2)
上記実施例1と同様にして、第一の反応層(GLDH層)を形成した。
第二の反応層(電子伝達体含有LPL層)は以下の手順で形成した。
1センサ(試料液量2μl)あたり、リポプロテインリパーゼ(LPL、旭化成株式会社製)を75U、グリシルグリシン(和光純薬工業工業製)を5mM(0.65μg)、ヘキサアンミンルテニウム(III)塩化物(和光純薬工業工業株式会社製)を100mM(65μg)になるように混合し、溶液(電子伝達体含有LPL溶液)を得た。得られた電子伝達体含有LPL溶液を、形成させたGLDH層の上に重層(被覆)するように滴下し、30℃で5分間乾燥させ、第二の反応層(電子伝達体含有LPL層)を得た。
このようにして、第一の反応層であるGLDH層上に第二の反応層である電子伝達体含有LPL層を形成(重層)した。
界面活性剤層は、以下の手順で形成した。
1センサ(供給される試料「全血」の量2μl)あたり、終濃度で、グリシルグリシン(和光純薬工業工業株式会社製)を25mM(3.25μg)、エマルゲンPP−290(花王株式会社製)を0.1%(2μg)になるように混合し、界面活性剤溶液を得た。得られた界面活性剤溶液を、PETからなるカバーに接着剤(両面テープ)を貼り合わせた隙間に滴下後、50℃で5分間乾燥させ、界面活性剤層を形成した。
界面活性剤層が形成されているカバーと、第一の反応層および第二の反応層が形成されている基板に接着した接着剤(両面テープ)とを互いに貼り合わせることにより、中性脂肪センサを作製し、特性評価を行った。なお、この際、第一の反応層、第二の反応層および界面活性剤層の厚みはそれぞれ5μmであり、第二の反応層と界面活性剤層との離隔距離は0.15mmであった。
このようにして作製された中性脂肪センサについて、実施例1と同様にして、電流値を測定した。その結果を表1および図5に示す。なお、図5中、実施例2の結果は、白抜き三角(△)で表わす。
(比較例)
上記実施例1と同様にして、GLDH溶液とLPL溶液を調製した。次に、GLDH溶液とLPL溶液とを、1センサ(供給される試料「全血」の量2μl)あたりの各成分量が実施例と同じになるように混合し、その混合液をEP−Nの作用極作用部分、参照極作用部分、および対極作用部分を被覆するように滴下し、30℃で5分間乾燥させてGLDH層とLPL層の混合層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較用中性脂肪センサを作製した。
このようにして作製された比較用中性脂肪センサについて、実施例1と同様にして、電流値を測定した。その結果を表1および図5に示す。なお、図5中、比較例1の結果は、黒塗り四角(◆)で表わす。
(実施例3)
使用する電極には、独自に設計・製造した3電極系の電極を使用した。この電極は、絶縁性基板1の上に、それぞれカーボンからなる作用極2、参照極3、対極4が形成され、絶縁層5を挟んで、カーボンからなる作用極作用部分2−1、銀塩化銀からなる参照極作用部分3−1、カーボンからなる対極作用部分4−1が形成されている。
第一の反応層(GLDH層)は以下の手順で形成した。
1センサ(供給される試料「全血」の量1μl)あたり、終濃度で、PQQ依存性グリセロール脱水素酵素を1.0U、グリシルグリシン(和光純薬工業株式会社製)を10mM(1.3μg)、エマルゲンPP−290(花王株式会社製)を0.05%(0.5μg)、および親水性高分子としてポリエチレングリコール6000(和光純薬工業株式会社製)を0.75%(7.5μg)になるように混合し、溶液(GLDH溶液)を得た。得られたGLDH溶液を電極の作用極作用部分、参照極作用部分、および対極作用部分を被覆するように滴下し、40℃で5分間乾燥させ、第一の反応層(GLDH層)を得た。
第二の反応層(電子伝達体含有LPL層)は、以下の手順で形成した。
1センサ(試料液量1μl)あたり、リポプロテインリパーゼ(LPL、旭化成株式会社製)を80U、グリシルグリシン(和光純薬工業株式会社製)を5mM(0.65μg)、ヘキサアンミンルテニウム(III)塩化物(和光純薬工業株式会社製)を200mM(61.9μg)になるように混合し、溶液(電子伝達体含有LPL溶液)を得た。得られた電子伝達体含有LPL溶液を、形成させたGLDH層の上に重層(被覆)するように滴下し、40℃で5分間乾燥させ、第二の反応層(電子伝達体含有LPL層)を得た。
このようにして、第一の反応層であるGLDH層上に第二の反応層である電子伝達体含有LPL層を形成(重層)した。
界面活性剤層は、以下の手順で形成した。
界面活性剤層が形成されているカバーと、第一の反応層および第二の反応層が形成されている基板に接着した接着剤(両面テープ)とを互いに貼り合わせることにより、中性脂肪センサを作製し、特性評価を行った。なお、この際、第一の反応層、第二の反応層および界面活性剤層の厚みはそれぞれ5μmであり、第二の反応層と界面活性剤層との離隔距離は0.1mmであった。
このようにして得られた中性脂肪センサは以下のように評価した。試料液(全血、中性脂肪値(183mg/dl)1μlを吸入させてから反応時間として各秒数待機後、参照極を基準にして作用極と対極の間に+200mVの電位を印加し、1秒後に作用極と対極との間に流れる電流値を測定した。この電流値は、還元した電子伝達体の濃度、すなわち全血中の分解された中性脂肪の濃度に比例し、この電流値から全血中の中性脂肪濃度を求めることができる。結果を表1および図6に示す。なお、図6中、実施例3の結果は、白抜き丸(○)で表わす。
(実施例4)
実施例3の0.75%(7.5μg)のポリエチレングリコール6000の代わりに同濃度のポリビニルアルコール500(和光純薬工業株式会社製)を用いた以外は、実施例3と同様にして電流値を測定した。その結果を表1および図6に示す。また、図6中、実施例4の結果は黒塗り丸(●)で表す。
(実施例5)
実施例3の0.75%(7.5μg)のポリエチレングリコール6000の代わりに10%(100μg)のトレハロース(和光純薬工業株式会社製)を用いた以外は、実施例3と同様にして電流値を測定した。その結果を表1および図7に示す。また、図7中、実施例5の結果は白抜き四角(□)で表す。
(実施例6)
実施例3の0.75%(7.5μg)のポリエチレングリコール6000の代わりに1%(10μg)のBSA(和光純薬工業株式会社製)を用いた以外は、実施例3と同様にして電流値を測定した。その結果を表1および図7に示す。また、図7中、実施例6の結果は白抜き三角(△)で表す。
上記表1、図5、図6および図7から明らかなように、比較例の比較用中性脂肪センサでは測定された電流値が平衡に達するまでに約120秒かかるのに対し、実施例1〜6の中性脂肪センサでは約45秒で電流値が平衡に達することが分かる。これらの結果から、本発明のバイオセンサを使用することにより、従来より短時間で中性脂肪を測定できることが明らかに示される。比較例の結果は、溶解性において、酸化還元酵素であるGLDHよりも脂質分解酵素であるLPLの方が優れているため、比較例の比較用中性脂肪センサのように、GLDHおよびLPLを同じ層に混合状態で存在させると、GLDHの溶解性の低さがLPLの溶解性にも影響を及ぼし、結果として全体の溶解性が低下するためであると考えられる。一方、本発明の中性脂肪センサではこのような問題は解決されており、実施例に示されるように、上記2酵素を別層にすることにより、LPLはすばやく溶解し反応し、その後、GLDHが溶解して反応する。その結果として、2酵素をそれぞれ別層に含有させる方が、全体としての反応性が良くなるため、本発明により反応時間の短縮が実現されると推察される。
また、実施例3〜6においても、反応時間は45秒と実施例1〜2と同程度に短縮されている。したがって、第一の反応層、第二の反応層および第三の反応層の少なくとも一つに、糖、タンパク質または親水性高分子を混合した場合にも、優れた反応時間短縮の効果が得られている。
1 絶縁性基板、
2 作用極、
2−1 作用極作用部分、
3 参照極、
3−1 参照極作用部分、
4 対極、
4−1 対極作用部分、
5 絶縁層、
6(6a、6b) 接着剤、
7 カバー、
8 第一の反応層、
9 第二の反応層、
10 第三の反応層、
S 空間部。

Claims (6)

  1. 絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に形成されてなる、少なくとも作用極および対極を含む電極系と、前記電極系上に形成されてなる試料供給部と、を有するバイオセンサであって、
    前記試料供給部が、
    前記電極系上に形成され、少なくとも、補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、またはフラビンモノヌクレオチド(FMN)を含む酸化還元酵素を含む第一の反応層と、
    前記第一の反応層上に形成される脂質分解酵素を含む第二の塗布反応層と、
    を含む反応層を有し、
    前記試料供給部が、さらに電子伝達体を含み、
    前記電子伝達体は、第二の塗布反応層に配置される、または
    電子伝達体を有する第三の反応層をさらに、前記第一の反応層および第二の塗布反応層と分離するように、前記試料供給部にもうけられ、
    前記電子伝達体が、フェリシアン化カリウム、フェリシアン化ナトリウム、フェナジンメトサルフェートおよびその誘導体、p−ベンゾキノンおよびその誘導体、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール、メチレンブルー、ニトロテトラゾリウムブルー、オスミウム錯体またはルテニウム錯体である、バイオセンサ。
  2. 前記酸化還元酵素が、補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)を含むポリオール脱水素酵素である、請求項1に記載のバイオセンサ。
  3. 前記第一の反応層、第二の塗布反応層、または第三の反応層は、界面活性剤をさらに含む、請求項1または2に記載のバイオセンサ。
  4. 前記第一の反応層、第二の塗布反応層、または第三の反応層は、親水性高分子をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
  5. 前記第一の反応層、第二の塗布反応層、または第三の反応層は、糖およびタンパク質の少なくとも一つをさらに含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
  6. 絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に形成されてなる、少なくとも作用極および対極を含む電極系と、前記電極系上に形成されてなる試料供給部と、を有するバイオセンサの反応時間の短縮方法であって、
    前記電極系上に、少なくとも、補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、またはフラビンモノヌクレオチド(FMN)を含む酸化還元酵素を含む第一の反応層を形成し、
    前記第一の反応層上に、脂質分解酵素を含む溶液を塗布することによって第二の塗布反応層を形成することを含んでなる反応層を有させることで、前記試料供給部を形成し、
    前記試料供給部に、さらに電子伝達体を含ませ、
    前記電子伝達体を、第二の塗布反応層に配置させる、または
    電子伝達体を有する第三の反応層をさらに、前記第一の反応層および第二の塗布反応層と分離するように、前記試料供給部にもうけ、
    前記電子伝達体が、フェリシアン化カリウム、フェリシアン化ナトリウム、フェナジンメトサルフェートおよびその誘導体、p−ベンゾキノンおよびその誘導体、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール、メチレンブルー、ニトロテトラゾリウムブルー、オスミウム錯体またはルテニウム錯体である、バイオセンサの反応時間の短縮方法。
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