JP2010237145A - バイオセンサ - Google Patents

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直秀 西脇
Akitsugu Inagawa
顕嗣 稲川
Motoaki Kuwahara
基晶 桑原
Hironori Murase
博宣 村瀬
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Abstract

【課題】本発明は、より精度が向上されたバイオセンサを提供することを課題とする。
【解決手段】絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に形成されてなる、少なくとも作用極および対極を含む電極と、前記電極上に形成されてなる試料供給部と、を有するバイオセンサであって、前記試料供給部が、少なくとも補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)またはフラビンモノヌクレオチド(FMN)を含む酸化還元酵素と、電子伝達体と、界面活性剤と、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方と、を含む反応層を有する、バイオセンサを提供することにより解決する。
【選択図】なし

Description

本発明は、試料中の特定成分、特に生体試料中に含まれる特定成分を、酵素反応を利用してその濃度を迅速且つ高精度に定量できるバイオセンサに関する。
試料中の特定成分を簡易に定量する方法としては、様々なバイオセンサが提案されているが、代表的なものとしては、絶縁性の基板上に少なくとも作用極および対極からなる電極系を形成し、この電極系上に、電極系に接して親水性高分子と酸化還元酵素と電子伝達体を含む反応層を形成したものである。
このようにして作製されたバイオセンサの反応層に、基質を含む試料液を供給すると、反応層が試料液によって溶解することにより、酵素と基質が反応し、これに伴って電子伝達体が還元され、この還元された電子伝達体を電気化学的に酸化し、得られる酸化電流値から試料液中の基質濃度を定量することができる(例えば、特許文献1)。
例えば、グルコースを試料とする場合、以下の方法が知られている。グルコースは、下記式(1)で示されるように、グルコースオキシダーゼ(GOD)を用いることにより定量することができる。すなわち、下記式において、還元型電子伝達体の増加量を電気化学的に測定することにより、グルコースを定量することが可能である。
Figure 2010237145
しかしながら、この方法は、溶存酸素の影響を受けるという問題点がある。溶存酸素の影響を受けない方法としては、NAD依存性グルコースデヒドロゲナーゼ(NAD−GDH)もしくはNADP依存性グルコースデヒドロゲナーゼ(NADP−GDH)を用いた下記式(2)に示される方法がある。
Figure 2010237145
しかしながら、この反応は、高価なNADもしくはNADPを添加する必要がある。溶存酸素の影響を受けず、且つ、高価な補酵素を添加しなくてもよい方法としては、PQQ依存性グルコースデヒドロゲナーゼ(PQQ−GDH)もしくはFAD依存性グルコースデヒドロゲナーゼ(FAD−GDH)を用いた下記式(3)に示される方法がある。
Figure 2010237145
上記反応は、溶存酸素の影響を受けず、且つ、高価な補酵素を添加する必要がないというメリットがある。
また、グリセロールを試料とする場合、以下の方法が知られている。グリセロールは、下記式(4)および式(5)で示されるように、グリセロールキナーゼ(GK)およびグリセロール−3−リン酸オキシダーゼ(GPO)またはグリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GPDH)を用いることにより定量することができる。すなわち、下記式において、還元型電子伝達体の増加量を電気化学的に測定することにより、グリセロールを定量することが可能である。
Figure 2010237145
Figure 2010237145
しかしながら、この方法は高価な2種類の酵素を用いる必要があり、且つ、反応が煩雑であるという問題がある。さらに、グリセロール−3−リン酸オキシダーゼを用いた場合は、溶存酸素の影響を受けるという問題点がある。また、グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼを用いた場合は、高価なNADを添加する必要がある。
溶存酸素の影響を受けず、1種類の酵素を用いる方法としては、下記式(6)で示すようにNAD依存性グリセロールデヒドロゲナーゼ(NAD−GLDH)を用いる方法が知られている。
Figure 2010237145
しかしながら、この反応は、NAD依存性グルコースデヒドロゲナーゼと同様、高価なNADを添加する必要がある。
より安価で簡便にグリセロールを定量する方法としては、補欠分子族としてピロロキノリンキノンを含むポリオールデヒドロゲナーゼ(PQQ−PDH)を用いる方法がある。この方法は、下記式(7)の反応によって行われるため、溶存酸素の影響を受けない、反応が簡便で複数の酵素を用いる必要がない、高価なNADを添加する必要がないなどのメリットがある。
Figure 2010237145
補欠分子族としてピロロキノリンキノンを含む酸化還元酵素(以下「PQQ依存性酸化還元酵素」とも称する)の特徴としては、親水性のものが一部知られているが、一般的には膜結合型酵素であるため、疎水性が強く、水に対する溶解性が低いことが知られている。そのため、該酵素をセンサに使用する場合、反応層に界面活性剤を加えることが好ましい。界面活性剤は、その他、試料の入りをよくするためや、電極表面に気泡を生じさせないためなどの様々な理由から、バイオセンサの構成成分として加えられることがある。
特許第2517153号明細書
しかしながら、上記疎水性の膜結合型酸化還元酵素である、例えば補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)含む酸化還元酵素を用いた従来のバイオセンサにおいては、精度が十分ではなかった。
よって、本発明は、より精度が向上したバイオセンサを提供することを課題とする。
本発明者らは、以下の通り、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、特定の酸化還元酵素においては、かかる酸化還元酵素の基質が存在しないにも関わらず、電子伝達体と反応することにより、還元型電子伝達体が生成され、結果として基質との反応以外の応答電流値が生じる場合があることを見出した(以下、「バックグラウンド電流」とも称する)。このことは、以下の問題が生じることを意味する。
つまり、一般的にバイオセンサでは、酵素が失活することを考慮し、過剰量の酵素が用いられ、保存中に一部の酵素が失活しても測定対象物質に対応する応答電流値が変わらないように設計されている。しかしながら、バックグラウンド電流に関しては、酵素量(酵素活性)そのものが応答電流値に影響を与えるため、失活が少ないほどバックグラウンド電流値が高く、失活が大きいほど、バックグラウンド電流値も小さくなり、応答電流値が変動するという問題がある。そして、その問題は、バイオセンサの保存期間により、顕著になることがある。
上記の研究結果に鑑み、上記問題を解決するために鋭意検討を行った結果、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体を、バイオセンサの反応層に添加させることによって、上記問題が解決できることを知得した。
すなわち、本発明の課題は、絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に形成されてなる、少なくとも作用極および対極を含む電極と、前記電極上に形成されてなる試料供給部と、を有するバイオセンサであって、前記試料供給部が、少なくとも補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)またはフラビンモノヌクレオチド(FMN)を含む酸化還元酵素と、電子伝達体と、界面活性剤と、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方と、を含む反応層を有する、バイオセンサを提供することによって、解決されることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明によれば、より精度が向上されたバイオセンサを提供することができる。より詳しくは、バックグラウンド電流を抑制することにより、より精度が向上されたバイオセンサを提供することができる。
本発明の第1のバイオセンサの一実施形態を示す分解斜視図である。 図1のバイオセンサの断面図である。 本発明の第2のバイオセンサの一実施形態を示す分解斜視図である。 図3のバイオセンサの断面図である。 実施例1および比較例1の全血中の中性脂肪濃度の測定結果を表すグラフである。 実施例2〜11および比較例2のバックグラウンド電流の測定結果を表すグラフである。
以下、図面を参照しながら本発明のバイオセンサの実施形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
1.本発明の第1
本発明の第1は、絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に形成されてなる、少なくとも作用極および対極を含む電極と、前記電極上に形成されてなる試料供給部と、を有するバイオセンサであって、前記試料供給部が、少なくとも補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)またはフラビンモノヌクレオチド(FMN)を含む酸化還元酵素と、電子伝達体と、界面活性剤と、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方と、を含む反応層を有する、バイオセンサである。
2.本発明の第2
本発明の第2は、絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に形成されてなる、絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に形成されてなる、少なくとも作用極および対極を含む電極と、前記電極上に形成されてなる試料供給部と、を有するバイオセンサであって、前記試料供給部が、少なくとも補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)またはフラビンモノヌクレオチド(FMN)を含む酸化還元酵素と、電子伝達体と、界面活性剤と、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方と、を含む反応層を有し、前記反応層が、電極上に形成される第一の反応層と、前記第一の反応層と分離されて形成されてなる第二の反応層を有し、前記第一の反応層が、前記酵素および前記電子伝達体の一方を含み、かつ、前記第二の反応層が他方を含む、バイオセンサである。
図1は、本発明の第1のバイオセンサの一実施形態を示す分解斜視図である。図2は、図1のバイオセンサの断面図である。
図1、2が示すとおり、絶縁性基板1(本明細書中、単に「基板」とも称する)の上に、作用極2、参照極3および対極4が形成されている。さらに、接着剤6が、絶縁性基板1上の端部に設置される。作用極2、参照極3および対極4は、バイオセンサ外部を電気的に接続するための手段として機能している。作用極2、参照極3および対極4は、例えば、スクリーン印刷・スパッタリング法などの従来公知の知見を適宜参照し、あるいは組み合わせて、所望のパターンの電極を形成することができる。
そして、絶縁性基板1上に形成された作用極2、参照極3および対極4には電極を露出するように、絶縁層5が形成されている。絶縁層5は、各電極間の短絡を防止するための絶縁手段として機能する。絶縁層の形成方法についても特に制限はなく、スクリーン印刷法や接着法などの従来公知の手法により形成されうる。
また、絶縁層5を挟むように、作用極作用部分2−1、参照極作用部分3−1および対極作用部分4−1が形成されている。そして、作用極作用部分2−1、参照極作用部分3−1および対極作用部分4−1上には、反応層10が形成されている。なお、図1では、反応層10と、前記反応層10とカバー7との間に位置する空間部Sと、が試料供給部を形成する。この反応層10は、少なくとも、電子伝達体と、補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)またはフラビンモノヌクレオチド(FMN)を含む酸化還元酵素(以下、「本発明の酸化還元酵素」とも称する)と、界面活性剤と、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方と、を含む。この作用部分(2−1、3−1、4−1)は、バイオセンサの使用時において、反応層10中の試料に電位を印加するための電位印加手段および試料中に流れる電流を検出するための電流検出手段として機能する。なお、作用部分(2−1、3−1、4−1)を含めて作用極2、参照極3および対極4と称する場合もある。作用極2および対極4は、バイオセンサの使用時に一対となって、反応層10中の試料に電位を印加した際に流れる酸化電流(応答電流)を測定するための電流測定手段として機能する。バイオセンサの使用時には、参照極3を基準として、対極4と、作用極2との間に所定の電位が印加される。
第1のバイオセンサは、基板1に設置された接着剤(両面テープ)6を介して反応層10を覆うようにカバー7が接着されることにより構成される。なお、接着剤(両面テープ)6は、電極側に設置してもよいし、カバー7側のみに設置してもよいし、両方に設置してもよい。
続いて、図3は、本発明の第2のバイオセンサの一実施形態を示す分解斜視図である。図4は、図3のバイオセンサの断面図である。
図3、4に示すとおり、基本的な構造は、図1、2で示す第1のバイオセンサと同様であるが、第1のバイオセンサとの相違点は、反応層を2つ(第一の反応層8と、第二の反応層9)設ける点である。この際、第一の反応層8と、第二の反応層9と、前記第一の反応層8と前記第二の反応層9との間に配置される空間部Sと、が試料供給部を形成する。前記第一の反応層8が、本発明の酸化還元酵素および前記電子伝達体の一方を含み、かつ、前記第二の反応層9が他方を含む。換言すれば、本発明の第2のバイオセンサにおいては、本発明の酸化還元酵素および前記電子伝達体が同時に同一の反応層に含まれない。具体的には、第一の反応層8に電子伝達体が含まれれば、本発明の酸化還元酵素は含まれず、前記第二の反応層9に、本発明の酸化還元酵素が含まれば、電子伝達体が含まれない。なお、便宜的に、カバー7側に形成される方を第一の反応層8と称し、電極側に形成される方を第二の反応層9と称する。なお、第一の反応層8は、両端に接着剤(両面テープ)6aが設置されたカバー7上の両端の隙間に形成されてなる。
第2のバイオセンサは、第二の反応層9が形成されている基板1に接着された接着剤(両面テープ)6bと、第一の反応層8が形成されているカバー7に接着した接着剤(両面テープ)6aと、が互いに貼り合わされることにより、構成されてなる。なお、接着剤(両面テープ)6は、基板1側のみに設置してもよいし、カバー7側のみに設置してもよい。
以下、各構成要件を詳説する。なお、上記の通り、本発明の第1のバイオセンサの構造と、本発明の第2のバイオセンサの構造の相違点は、反応層が1つだけであるか、反応層が2つ(第一の反応層8と、第二の反応層9)であるか、である。それ以外の点は同様であるので、特に明記しない限り、下記に記載する構成要件の具体的な説明は、本発明の第1のバイオセンサにも、本発明の第2のバイオセンサにも適用される。また、本明細書中において、各構成要件の含有量を説明する際に「1センサ」という用語を用いることがあるが、本明細書における「1センサ」とは、一般的なバイオセンサの大きさである、試料供給部に供給される試料が「0.1〜20μl(好ましくは2μl程度)」であるものを想定している。よって、それよりも小さかったり、大きかったりするバイオセンサにおいては、各構成要件の含有量を適宜調整することによって制御することができる。
<絶縁性基板>
本発明において使用される絶縁性基板1は、特に制限はなく従来公知のものを使用することができる。一例を挙げると、プラスチック、紙、ガラス、セラミックスなどが挙げられる。また、絶縁性基板1の形状やサイズについては、特に制限されない。
プラスチックとしても、特に制限はなく従来公知のものを使用することができる。一例を挙げると、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリル樹脂などが挙げられる。
<電極>
本発明の電極は、少なくとも作用極2と対極4を含む。
本発明の電極は、試料(測定対象物)と、本発明の酸化還元酵素との反応を電気化学的に検出できるものであれば特に制限されず、例えば、カーボン電極、金電極、銀電極、白金電極、パラジウム電極などが挙げられる。耐腐食性およびコストの観点からは、カーボン電極が好ましい。
本発明においては、作用極2と対極4のみの二電極方式であっても、参照極3をさらに含む三電極方式であってもよい。なお、電位の制御がより高感度で行われるという観点からは、二電極方式よりも三電極方式が好ましく用いられうる。また、その他、液量を感知するための感知電極などを含んでいてもよい。
また、試料供給部と接触する部分(作用部分)は、それ以外の電極部分と構成材料が異なってもよい。例えば、参照極3が、カーボンからなっている場合に、参照極作用部分3−1が、銀/塩化銀からなっていてもよい。なお、バイオセンサは、一般的に使い捨てであるため、電極としては、ディスポーザブル電極を用いるとよい。
<絶縁層>
絶縁層5を構成する材料は特に制限されないが、例えば、レジストインク、PETやポリエチレン等の樹脂、ガラス、セラミックス、紙などにより構成されうる。好ましくは、PETである。
<試料供給部>
上記の通り、本発明の第1のバイオセンサにおいて、試料供給部は、電子伝達体と、本発明の酸化還元酵素と、界面活性剤と、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方と、を含む反応層10を有する。
本発明の第1のバイオセンサのような反応層を1つとする形態においては、簡便にバイオセンサを作製できる点で好ましい。また、大量生産時における製造コストが安くなる点で好ましい。
反応層10の厚さにも特に制限はないが、好ましくは0.01〜50μm、より好ましくは0.05〜40μm、さらに好ましくは0.1〜25μmにするとよい。この際の、厚みの制御方法としても特に制限はないが、例えば、滴下する量を適宜調節することにより、制御することができる。
一方で、本発明の第2のバイオセンサにおいては、前記試料供給部が、電子伝達体と、本発明の酸化還元酵素と、界面活性剤と、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方と、を含む反応層を有し、前記反応層が、電極上に形成される第一の反応層8と、前記第一の反応層と分離されて形成されてなる第二の反応層9を有し、前記第一の反応層8が、本発明の酸化還元酵素および前記電子伝達体の一方を含み、かつ、前記第二の反応層9が他方を含む。
本発明の第2のバイオセンサのような反応層を2つとする形態においては、本発明の酸化還元酵素および電子伝達体を別々の反応層に含有させることができるため、電子伝達体と、かかる酸化還元酵素とが接触することによる保存中の劣化を防ぐことができる点で好ましい。
また、第一の反応層8、第二の反応層9それぞれの厚さにも特に制限はないが、好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.025〜10μm、さらに好ましくは0.05〜8μmにするとよい。ここで、第一の反応層8と、第二の反応層9の厚さは、同じであっても異なってもよい。この際の、厚みの制御方法としても特に制限はないが、例えば、滴下する量を適宜調節することにより、制御することができる。なお、第一の反応層8と、第二の反応層9との、離隔距離には特に制限はないが、好ましくは0.05〜1.5mm、より好ましくは0.075〜1.25mm、さらに好ましくは0.1〜1mmである。0.05mm未満であると、保存中に本発明の酸化還元酵素と、電子伝達体が接触する場合がある。また、1.5mmを超えると、毛細管現象が起こりにくく、試料が反応層に吸引されない場合がある。離隔距離は、接着剤の厚みを制御することにより、制御することができる。つまり、接着剤は、第一の反応層8と、第二の反応層9と、を離隔される、スペーサとしての役割をも担う。
(酸化還元酵素)
本発明における反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)は、補欠分子族(「補酵素」とも称する)としてピロロキノリンキノン(PQQ)またはフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)の少なくとも一方を含む酸化還元酵素を含む。特に、補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)を含むポリオール脱水素酵素が好ましい。なお、本発明においては、本発明の酸化還元酵素を単独で、または混合物の形態として使用してもよい。
本発明において、補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)またはフラビンモノヌクレオチド(FMN)を含む酸化還元酵素としては、特に制限されず、試料の種類に依存するが、補欠分子族として、ピロロキノリンキノン(PQQ)を含む酸化還元酵素としては、グリセロールデヒドロゲナーゼ、ソルビトールデヒドロゲナーゼ、マンニトールデヒドロゲナーゼ、アラビトールデヒドロゲナーゼ、ガラクチトールデヒドロゲナーゼ、キシリトールデヒドロゲナーゼ、アドニトールデヒドロゲナーゼ、エリスリトールデヒドロゲナーゼ、リビトールデヒドロゲナーゼ、プロピレングリコールデヒドロゲナーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、グルコン酸デヒドロゲナーゼ、2−ケトグルコン酸デヒドロゲナーゼ、5ケト−グルコン酸デヒドロゲナーゼ、2,5−ジケトグルコン酸デヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、環状アルコールデヒドロゲナーゼ、アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ、アミンデヒドロゲナーゼ、シキミ酸デヒドロゲナーゼ、ガラクトースオキシダーゼなどが挙げられる。補欠分子族としてフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)またはフラビンモノヌクレオチド(FMN)を含む酸化還元酵素としては、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、D−アミノ酸オキシダーゼ、コハク酸デヒドロゲナーゼ、モノアミンオキシダーゼ、サルコシンデヒドロゲナーゼ、グリセロールデヒドロゲナーゼ、ソルビトールデヒドロゲナーゼ、D−乳酸デヒドロゲナーゼ、コレステロールオキシダーゼなどが挙げられる。
中でも、補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)またはフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)の少なくとも一方を含むグリセロールデヒドロゲナーゼが好ましく、特に、補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)を含むグリセロールデヒドロゲナーゼが好ましい(以下、「PQQ依存性グリセロール脱水素酵素」とも称する)。
PQQ依存性グリセロール脱水素酵素は、バイオセンサの使用時において、試料中のグリセロールを酸化して電子伝達体を還元するという機能を有する補酵素結合型の酸化還元酵素である。ここで、PQQ依存性グリセロール脱水素酵素は溶液中の溶存酸素の影響を受けない。したがって、PQQ依存性グリセロール脱水素酵素を用いて還元型の電子伝達体の酸化電流を測定することにより、試料中のグリセロール濃度がより正確に測定されうる。しかしながら、このような利点がある中で、本発明者らは、補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)またはフラビンモノヌクレオチド(FMN)の少なくとも一方を含む酸化還元酵素(特に、PQQ依存性グリセロール脱水素酵素)は、該酵素の基質が存在しないにも関わらず、電子伝達体と反応することにより、還元型電子伝達体が生成され、結果として基質との反応以外の応答電流値が生じる場合があり、しかも、その電流値は無視できる程度のものではないため、精度がより向上されたバイオセンサを提供するために抜本的な工夫が必要と考えられた。
よって、本発明においてはシクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方を反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)に含有させる。そのことによって、その機構は不明ではあるが、バックグラウンド電流の上昇が抑えられる。すなわち、本発明においては、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方を反応層10(第一の反応層8または第二の反応層9)に含有させることによって、バイオセンサにおいてバックグラウンド電流を抑制する方法も提供される。なお、抑制する程度に関しては、バックグラウンド電流が観測されないこと(検出限界以下となること)が好ましいが、バイオセンサを使用した際に、1分間に好ましくは0〜1μA、より好ましくは0〜0.5μA、さらに好ましくは0〜0.2μAの上昇に抑える。
上記の本発明の酸化還元酵素は、市販の商品を購入して用いてもよいし、自ら調製したものを用いてもよい。当該酸化還元酵素を自ら調製する手法としては、例えば、当該酸化還元酵素を産生する細菌を、栄養培地に培養し、該培養物から当該酸化還元酵素を抽出する公知の方法が挙げられる(例えば、特開2008−220367号公報参照)。
具体的には、PQQ依存性グリセロール脱水素酵素を例に挙げると、当該グリセロールデヒドロゲナーゼを産生する細菌としては、例えば、グルコノバクター属、シュードモナス属など様々な属に属する細菌が挙げられる。特にグルコノバクター属に属する細菌の膜画分に存在するPQQ依存性グリセロール脱水素酵素が好ましく用いられうる。中でも、入手の容易さから、グルコノバクター・オキシダンス(Gluconobacter oxydans) NBRC 3130、3171、3172、3189、3244、3250、3253、3255、3256、3257、3258、3285、3287、3289、3290、3291、3292、3293、3294、3462、3990、12467、14819;グルコノバクター・フラテウリ(Gluconobacter frateurii) NBRC 3251、3254、3260、3264、3265、3268、3270、3271、3272、3273、3274、3286、16669;グルコノバクター・セリナス(Gluconobacter cerinus)NBRC 3262、3263、3266、3267、3269、3275、3276等が用いられうる。このような微生物の代表菌株としては、グルコノバクター・オキシダンス(Gluconobacter oxydans)NBRC 3291が挙げられる。
上記PQQ依存性グリセロール脱水素酵素を培養する培地は、使用菌株が資化しうる炭素源、窒素源、無機物、その他必要な栄養素を適量含有するものであれば、合成培地であっても天然培地であってもよい。炭素源としては、例えば、グルコース、グリセロール、ソルビトールなどが使用される。窒素源としては、例えば、ペプトン類、肉エキス、酵母エキスなどの窒素含有天然物や、塩化アンモニウム、クエン酸アンモニウムなどの無機窒素含有物が使用される。無機物としては、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、硫酸マグネシウムなどが使用される。その他、特定のビタミンなどが必要に応じて使用される。上記の炭素源、窒素源、無機物、およびその他の必要な栄養素は、単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
培養は、振とう培養あるいは通気撹拌培養で行うことが好ましい。培養温度は20℃〜50℃、好ましくは22℃〜40℃、最も好ましくは25℃〜35℃である。培養pHは4〜9、好ましくは5〜8である。これら以外の条件下でも、使用する菌株が生育すれば実施される。培養期間は通常0.5〜5日が好ましい。上記培養により、菌体内に酸化還元酵素が蓄積される。なお、これらの酸化還元酵素は、上記培養によって得られた酵素であっても、酸化還元酵素遺伝子を大腸菌等に形質導入して得られた組換え酵素であってもよい。
次いで、得られたPQQ依存性グリセロール脱水素酵素を抽出する。抽出方法は一般に使用される抽出方法を用いることができ、例えば超音波破砕法、フレンチプレス法、有機溶媒法、リゾチーム法などを用いることができる。抽出した酸化還元酵素の精製方法は特に制限されず、例えば、硫安やぼう硝などの塩析法、塩化マグネシウムや塩化カルシウムを用いる金属凝集法、ストレプトマイシンやポリエチレンイミンを用いる除核酸、またはDEAE(ジエチルアミノエチル)−セファロース、CM(カルボキシメチル)−セファロースなどのイオン交換クロマト法などを用いることができる。
なお、これらの方法で得られる部分精製酵素や精製酵素液は、そのままの形態で使用しても、または化学修飾された形態で使用してもよい。本発明において、化学修飾された形態の酸化還元酵素を使用する場合には、上記の方法で得られる培養物由来の酸化還元酵素を、例えば、特開2006−271257号公報に記載されるような方法などを用いて適宜化学修飾して使用することができる。なお、化学修飾方法は、上記公報に記載の方法に限定されるものではない。
また、本発明のバイオセンサを中性脂肪センサとして使用する場合においては、脂質を構成するエステル結合を加水分解する酵素をさらに添加してもよい。かような酵素として、具体的には、リポプロテインリパーゼ(LPL)、リパーゼ、エステラーゼが好適に挙げられる。特に、反応性の観点で、リポプロテインリパーゼ(LPL)が好ましい。
LPLの含有量については特に制限はなく、測定する試料の種類や試料の添加量、使用する親水性高分子の量や電子伝達体の種類などによって適宜選択することができる。一例を挙げると、中性脂肪の分解を迅速に行い、且つ反応層の溶解性を下げない酵素量(酵素活性量)という観点から、1センサあたり、0.1〜1000活性単位(U)、好ましくは1〜500U、より好ましくは10〜100Uである。なお、LPLの活性単位(U)の定義および測定方法は、WO2006/104077に記載の方法による。また、LPLは、後述もするが、グリシルグリシンのような緩衝液で調製しておくことも好ましい。
また、本発明の酸化還元酵素の含有量については特に制限はなく、測定する試料の種類や試料の添加量、電子伝達体の種類や、後述する親水性高分子の量などによって適宜選択することができる。一例を挙げると、例えば、PQQ依存性グリセロール脱水素酵素を使用する場合には、1センサあたり、グリセロールの分解を迅速に行い、且つ反応層の溶解性を下げない酵素量(酵素活性量)という観点から、0.01〜100U、好ましくは0.05〜50U、より好ましくは0.1〜10Uの酵素が反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)に含まれるとよい。なお、PQQ依存性グリセロール脱水素酵素の活性単位(U)の定義および測定方法は、特開2006−271257号公報に記載の方法による。また、PQQ依存性グリセロール脱水素酵素を含む酸化還元酵素は、後述もするが、例えば、グリシルグリシンのような緩衝液で調製しておくことも好ましい。
なお、本発明の第2のバイオセンサにおいては、本発明の酸化還元酵素は、電子伝達体と同じ層に含まれなければ、第一の反応層8、第二の反応層9のいずれの反応層に含まれてもよいが、好ましくは第二の反応層9に含まれる。ここで、一般的なバイオセンサにおいては、電極に酵素が直接接触しないような構成を採る。それは、酵素はタンパク質から構成されているため、電極表面にそれが付着すると、電極表面が不動態化する虞があるからである。そのような一般的な常識があるため、例えば、本発明の第2のバイオセンサのように、反応層が2つある形態においては、電極に直接接しない第一の反応層8に本発明の酸化還元酵素を含有させるのが一般と考えられる。しかしながら、本発明の第2のバイオセンサにおいては、電極に接する側の第二の反応層9に本発明の酸化還元酵素を含有させる。それは、本発明においては、本発明の酸化還元酵素が電極に固着することが有意に防止されているからである。その理由は、後述する親水性高分子や界面活性剤の機能によるものと考えられる。逆に、第二の反応層9に本発明の酸化還元酵素を含有させることで電極近傍での、酸化型電子伝達体の還元型電子伝達体への変換効率が高くなる、換言すれば、より試料液中の基質濃度との相関性が高くなるという利点がある。
(電子伝達体)
本発明における反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)は、電子伝達体(「電子受容体」とも称する場合がある)を含む。
電子伝達体は、バイオセンサの使用時において、酸化還元酵素の作用によって生成した電子を受け取る、すなわち還元される。そして、還元された電子伝達体は、酵素反応の終了後に電極への電位の印加によって電気化学的に酸化される。この際に流れる電流(以下、「酸化電流」とも称する)の大きさから、試料中の所望の成分の濃度が算出されうる。
本発明において使用される電子伝達体としては、従来公知のものを使用することができ、試料や使用する酸化還元酵素に応じて適宜決定できる。なお、電子伝達体は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
電子伝達体としては、より具体的には、フェリシアン化カリウム、フェリシアン化ナトリウム、フェロセンおよびその誘導体、フェナジンメトサルフェートおよびその誘導体、p−ベンゾキノンおよびその誘導体、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール、メチレンブルー、ニトロテトラゾリウムブルー、オスミウム錯体、ルテニウム錯体などを好適に使用することができる。
電子伝達体の含有量については特に制限はなく、試料の添加量などに応じて適宜調節されうる。一例を挙げると、1センサあたり、基質量に対して十分量を含有させるという観点から、1〜2000μg、好ましくは5〜1000μg、より好ましくは10〜500μgの電子伝達体が含まれるとよい。また、電子伝達体は、後述もするが、グリシルグリシンのような緩衝液で調製しておくことも好ましい。
本発明の第2のバイオセンサおいては、電子伝達体は、本発明の酸化還元酵素と同じ層に含まれなければ、第一の反応層8、第二の反応層9のいずれの反応層に含まれてもよいが、好ましくは第一の反応層8に含まれる。その理由は、上記のように、第二の反応層9に本発明の酸化還元酵素を含ませることが好ましいからである。また、電極に接する第二の反応層9に電子伝達体が存在すると、つまり、電極上に電子伝達体が存在すると、局部電池のような現象が生じ、電子伝達体が自動的に還元されてしまう虞がある。よって、より精度の向上されたバイオセンサを提供することを鑑みると、第一の反応層8(つまり、電極と接しない方)に含まれる。
(シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体)
本発明における反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)は、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方を含む。
上記述べたとおり、本発明においてはシクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方を反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)に含有させることによって、バックグラウンド電流の上昇が抑えられる。本発明の効果はこれだけに留まらない。後述もするが、試料供給部に供給される試料が全血である場合、全血が溶血を引き起こすことがある。その場合、溶血によって、バイオセンサの精度に影響が与えられることがある。そして、全血によっても、溶血し易かったり、し難かったりすることがある。同じ人間の全血を使用する場合であっても、その日の体調等によって溶血し易かったり、し難かったりすることがある。
本発明においては、そのような事実があっても、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方を反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)に含有させることによって、溶血が有意に抑制・防止され、ひいてはバイオセンサの精度がより向上する。換言すれば、本発明においては、供給される試料が、全血であるバイオセンサにおいて、溶血を抑制することによって、バイオセンサの精度を向上させる方法も提供される。
本発明に用いられるシクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の種類にも特に制限はない。シクロデキストリンとしては、α型、β型、γ型、δ型、ε型のいずれでもよい。ただ、溶解性が高いという観点から、γ-シクロデキストリンが特に好ましい。
また、シクロデキストリン誘導体としてもα型、β型、γ型、δ型、ε型のいずれでもよい。ただ、溶解性が高いという観点から、β-シクロデキストリン誘導体またはγ-シクロデキストリン誘導体が好ましく、より好ましくはγ-シクロデキストリン誘導体である。なお、シクロデキストリン誘導体とは、例えば、アミノ体、トシル体、メチル体、プロピル体、モノアセチル体、トリアセチル体、ベンゾイル体、スルホニル体及びモノクロロトリアジニル体等の化学修飾体を意図したものである(無論、これらに限らない)。
例えば、シクロデキストリン誘導体としては、2−ヒドロキシプロピル−α−シクロデキストリン、2,6−ジ−O−メチル−α−シクロデキストリン、6−O−α−マルトシル−α−シクロデキストリン、6−O−α−D−グルコシル−α−シクロデキストリンモノ、ヘキサキス(2,3,6−トリ−O−アセチル)−α−シクロデキストリン、ヘキサキス(2,3,6−トリ−O−メチル)−α−シクロデキストリン、ヘキサキス(6−O−トシル)−α−シクロデキストリン、ヘキサキス(6−アミノ−6−デオキシ)−α−シクロデキストリン、ヘキサキス(2、3−アセチル−6−ブロモ−6−デオキシ)−α−シクロデキストリン、ヘキサキス(2,3,6−トリ−O−オクチル)−α−シクロデキストリン、モノ(2−O−ホスホリル)−α−シクロデキストリン、モノ[2,(3)−O−(カルボキシルメチル)]−α−シクロデキストリン、オクタキス(6−O−t−ブチルジメチルシリル)−α−シクロデキストリン、スクシニル−α−シクロデキストリン、
グルクロニルグルコシル−β−シクロデキストリン、ヘプタキス(2,6−ジ−O−メチル) −β−シクロデキストリン、ヘプタキス(2,6−ジ−O−エチル) −β−シクロデキストリン、ヘプタキス(6−O−スルホ)−β−シクロデキストリン、ヘプタキス(2,3−ジ−O−アセチル−6−O−スルホ) −β−シクロデキストリン、ヘプタキス(2,3−ジ−O−メチル−6−O−スルホ) −β−シクロデキストリン、ヘプタキス(2,3,6−トリ−O−アセチル)−β−シクロデキストリン、ヘプタキス(2,3,6−トリ−O−ベンゾイル)−β−シクロデキストリン、ヘプタキス(2,3,6−トリ−O−メチル)−β−シクロデキストリン、ヘプタキス(3−O−アセチル−2,6−ジ−O−メチル)−β−シクロデキストリン、ヘプタキス(2,3−O−アセチル−6−ブロモ−6−デオキシ)−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、(2−ヒドロキシ−3−N,N,N-トリメチルアミノ)プロピル−β−シクロデキストリン、6−O−α−マルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、ヘキサキス(6−アミノ−6−デオキシ)−β−シクロデキストリン、ビス(6−アジド−6−デオキシ)−β−シクロデキストリン、モノ(2−O−ホスホリル)−β−シクロデキストリン、ヘキサキス[6−デオキシ−6−(1−イミダゾリル)]−β−シクロデキストリン、モノアセチル−β−シクロデキストリン、トリアセチル−β−シクロデキストリン、モノクロロトリアジニル−β−シクロデキストリン、6−O−α−D−グルコシル−β−シクロデキストリン、6−O−α−D−マルトシル−β−シクロデキストリン、スクシニル−β−シクロデキストリン、スクシニル−(2−ヒドロキシプロピル)−β−シクロデキストリン、2−カルボキシメチル−β−シクロデキストリン、2−カルボキシエチル−β−シクロデキストリン、ブチル−β−シクロデキストリン、スルホプロピル−β−シクロデキストリン、6−モノデオキシ−6−モノアミノ−β−シクロデキストリン、シリル[(6−O−t−ブチルジメチル)2,3−ジ−O−アセチル] −β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ブチル−γ−シクロデキストリン、3A−アミノ−3A−デオキシ−(2AS,3AS)−γ−シクロデキストリン、モノ−2−O−(p−トルエンスルホニル)−γ−シクロデキストリン、モノ−6−O−(p−トルエンスルホニル)−γ−シクロデキストリン、モノ−6−O−メシチレンスルホニル−γ−シクロデキストリン、オクタキス(2,3,6−トリ−O−メチル)−γ−シクロデキストリン、オクタキス(2,6−ジ−O−フェニル)−γ−シクロデキストリン、オクタキス(6−O−t−ブチルジメチルシリル)−γ−シクロデキストリン、オクタキス(2,3,6−トリ−O−アセチル)−γ−シクロデキストリン、などが挙げられる。中でも、入手の容易さおよびコストの観点で、2−ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、3A−アミノ−3A−デオキシ−(2AS,3AS)−γ−シクロデキストリン、モノ−2−O−(p−トルエンスルホニル)−γ−シクロデキストリン、モノ−6−O−(p−トルエンスルホニル)−γ−シクロデキストリン、ブチル−γ−シクロデキストリンが好ましく、特に好ましくは2−ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、3A−アミノ−3A−デオキシ−(2AS,3AS)−γ−シクロデキストリン、モノ−2−O−(p−トルエンスルホニル)−γ−シクロデキストリン、モノ−6−O−(p−トルエンスルホニル)−γ−シクロデキストリン、ブチル−γ−シクロデキストリンである。
また、本発明に用いられるシクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体は、塩の形態で含有してもよい。かかる塩としても、特に制限はないが、リン酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、硫酸塩などが好ましい。
シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体の含有量については特に制限はなく、試料の添加量などに応じて適宜調節されうる。一例を挙げると、1センサあたり、溶血を有意に抑制し、且つバックグラウンド電流を有意に抑制し、さらに反応層の溶解性を下げないという観点から1〜1000μg、好ましくは5〜500μg、より好ましくは10〜100μgが含まれるとよい。より詳しくは、供給される試料が全血であった場合、全血が1mlに対して、好ましくは0.5〜500mg、より好ましくは2.5〜250mg、さらに好ましくは5〜50mg含有されるとよい。また、電子伝達体との対比で考えると、前記シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方が、好ましくは電子伝達体1モルに対して0.01〜0.8モル、より好ましくは0.01〜0.5モル、さらに好ましくは0.01〜0.2モルである。電子伝達体1モルに対して、0.8モルを超えて含有させてしまうと、バイオセンサに供給する試料へのなじみが悪くなる虞がある。このように有意に少量のシクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方を含有させることによって、溶血の起因物質の1つと考えられる界面活性剤の溶血活性を有意に抑制する。なお、含有するシクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方の量がこのように有意に少ないと、これらが電子伝達体を包接することはないと考えられる(しかも、電子伝達体として例えばフェリシアン化カリウムを使用した場合、溶解性の問題も生じないため包接させる意味もない)。
なお、シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体の含有量について上記で述べたが、シクロデキストリンと、シクロデキストリン誘導体の組み合わせのように複数の種類を使用する場合は、その総量を意味する。
本発明においてシクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方を含有させる意図は、基質非存在下でのバックグラウンド電流の抑制および供給される試料が全血である場合の溶血の防止を行うことによって、バイオセンサの精度をより向上させようとするものである。この際、本発明者らは、バックグラウンド電流の抑制に関しては、酵素反応を誘発する基質や、本発明の酸化還元酵素の一部分を包接することによって、その課題を解決していると考えている。
なお、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方は、後述もするが、例えば、グリシルグリシンのような緩衝液で調製しておくことも好ましい。
なお、本発明の第2のバイオセンサにおいては、シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体は、第一の反応層8、第二の反応層9のいずれの反応層に含まれてもよいし、両方の層に含まれてもよいが、好ましくは両方の層に含まれるのがよい。
(界面活性剤)
本発明のバイオセンサにおいては、反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)が、界面活性剤を有する。界面活性剤が反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)に添加されることにより、反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)の溶解が促進されうる。
しかしながら、特に全血を試料とする場合、赤血球に含まれる成分が電子伝達体を還元するため、測定値に正誤差を与える場合がある。また、溶血により、血清中の測定対象物質が希釈されることにより、溶血の程度によって測定誤差が生じる場合がある。そして、その溶血の発生は、界面活性剤が存在すると顕著となる場合がある。
本発明者らは、かかる問題を解決すべく鋭意検討を行った結果、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方を反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)に含有させることによって、解決することができることを見出した。なお、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方を反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)に含有させることによって、溶血を抑制する機構は必ずしも明確ではないが、発明者らが考えるに、溶血の一因と考えられる界面活性剤の働きを抑制することによって、溶血を抑制するものと考えている。ただ、あくまで推測に過ぎず、かかるメカニズムによって本発明の技術的範囲が制限されることはない。
本発明に用いられる界面活性剤としては、使用する本発明の酸化還元酵素の酵素活性が低下しないものであれば、特に制限されないが、例えば、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、天然型界面活性剤などを適宜選択して使用することはできる。これらは、単独で用いても、混合物の形態で用いてもよい。好ましくは本発明の酸化還元酵素の酵素活性に影響を及ぼさないという観点から、非イオン性界面活性剤および両性界面活性剤の少なくとも一方である。
非イオン性界面活性剤としては、特に制限されないが、本発明の酸化還元酵素の酵素活性に影響を及ぼさないという観点から、ポリオキシエチレン系またはアルキルグリコシド系であることが好ましい。
ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤としては、特に制限はないが、ポリオキシエチレン−p−t−オクチルフェノール(オキシエチレン数=9,10)[(polyoxyethylene-p-t-octylphenol;TritonX-100)]、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(Polyoxyethylene Sorbitan Monolaurate;Tween 20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノパリミテート(Polyoxyethylene Sorbitan Monopalmitate;Tween 40)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(Polyoxyethylene Sorbitan Monostearate;Tween 60)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(Polyoxyethylene Sorbitan Monooleate;Tween 80)などが好ましい。中でも、本発明の酸化還元酵素の溶解性を上げるという観点から、ポリオキシエチレン−p−t−オクチルフェノール(オキシエチレン数=9,10)[(polyoxyethylene-p-t-octylphenol;TritonX-100)]が好ましい。
アルキルグリコシド系非イオン性界面活性剤としては、特に制限はないが、炭素数7〜12のアルキル基を有するアルキルグリコシド、アルキルチオグリコシドなどが好ましい。かかる炭素数については、より好ましくは7〜10であり、特に好ましくは炭素数8である。糖部分は、グルコース、マルトースが好ましく、より好ましくはグルコースである。より具体的には、n−オクチル−β−D−グルコシド、n−オクチル−β−D−チオグルコシドであると好ましい。アルキルグリコシド系非イオン性界面活性剤は、バイオセンサに使用する際、製造過程において、非常に塗りやすく、均一にできる。特に、n−オクチル−β−D−チオグルコシド)が反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)に含有されると、試料溶液を滴下した際の広がりが非常によく、濡れ性がよい(表面張力を起こしにくくする。)。よって、広がりや濡れ性の観点で考えると、アルキルグリコシド」よりも「アルキルチオグリコシド」が非常に好ましい。なお、これらは、単独で用いても混合物の形態で用いてもよい。
両性界面活性剤としては、特に制限されないが、例えば、3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホン酸(CHAPS)、3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(CHAPSO)、n−アルキル−N−N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホン酸(Zwittergent)などが挙げられる。
なお、これらは、単独で用いても、混合物の形態で用いてもよい。好ましくは、3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホン酸(CHAPS)または3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(CHAPSO)である。特にCHAPSが好ましい。その理由は、CHAPSは界面活性剤の中でも低溶血性のものだからである。
陽イオン性界面活性剤としては、特に制限されないが、例えば、セチルピリジニウムクロリド、トリメチルアンモニウムブロミドが挙げられる。これらは、単独で用いても、混合物の形態で用いてもよい。
陰イオン性界面活性剤としては、特に制限されないが、例えば、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウムなどが挙げられる。これらは、単独で用いても、混合物の形態で用いてもよい。
天然型界面活性剤としては、特に制限されないが、例えば、リン脂質が挙げられ、好ましくは、卵黄レシチン、大豆レシチン、水添レシチン、高純度レシチンなどのレシチンなどが挙げられる。これらは、単独で用いても、混合物の形態で用いてもよい。
上記の界面活性剤のうち、バイオセンサの精度をより向上させる観点で、試料として全血を使用する場合、低溶血性の界面活性剤を使用することが好ましい。具体例を挙げると、上記のCHAPSや、Tween、エマルゲンPP290(花王製)(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール)が好ましい。特に、溶解性の観点で、CHAPS、Tweenが好ましい。
上記の界面活性剤のうち、本発明の第1のバイオセンサにおいては、界面活性剤としては、CHAPS、Tween、エマルゲンPP290が好ましく、中でも溶解性の観点から、CHAPS、Tweenが好ましい。
また、本発明の第2のバイオセンサにおいては、界面活性剤は、第一の反応層8、第二の反応層9のいずれの反応層に含まれてもよいし、両方の反応層に含まれてもよいが、好ましくは両方の反応層に含まれる。両方の反応層に含める各界面活性剤の種類は、同一であっても異なるものであってもよい。この際、第一の反応層8、第二の反応層9に含有される各構成要件との相互作用を考慮して選択することが好ましい。
より具体的には、まず、上記の通り、第二の反応層9においては、本発明の酸化還元酵素が含有されることが好ましいが、例えば、本発明の酸化還元酵素としてPQQ依存性グリセロール脱水素酵素を含有させる場合、それらは疎水性が強いため、少なくとも第二の反応層9には界面活性剤が含有されることが好ましい。この場合、界面活性剤の種類としては、バイオセンサの精度をより向上させる観点で、試料として全血を使用する場合、低溶血性の界面活性剤(例えば、CHAPS、Tweenなど)を使用することが好ましい。一方で、第一の反応層8においては、上記述べた通り、好ましくは電子伝達体(例えば、フェリシアン化カリウム)が含有されることが好ましいが、広がりや濡れ性を向上させて、バイオセンサの精度をより向上させるとの観点で、第一の反応層8にも界面活性剤が含有されることが好ましい。この場合、広がりや濡れ性の観点で考えると、界面活性剤の種類として、前記したアルキルチオグリコシド(n−オクチル−β−D−チオグルコシドなど)を使用することが好ましい。ただし、アルキルチオグリコシド(n−オクチル−β−D−チオグルコシドなど)は広がりや濡れ性を向上させて、バイオセンサの精度を向上させるという利点を有する一方で、溶血を比較的誘発しやすい界面活性剤の部類に属する。この問題を解決するため、本発明においては、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方を反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)に含有させる。そのことによって、かような界面活性剤に起因する溶血を有意に抑制、防止し、ひいては、バイオセンサの精度を向上させる。なお、アルキルチオグリコシド(n−オクチル−β−D−チオグルコシドなど)が溶血を誘発する可能性があるのであれば、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方を、アルキルチオグリコシドを含む同一の反応層に含有させることが好ましいとも考えられる。ただ、上記も述べたが、同一の反応層に含有させると、シクロデキストリン・シクロデキストリン誘導体は、広がりや濡れ性の効果を抑制する虞があるため、敢えて、別の反応層に含有させてもよい。このような工夫を施すことによって、よりバイオセンサとしての精度が向上する。
界面活性剤の含有量については特に制限はなく、試料の添加量などに応じて適宜調節されうる。
界面活性剤として、両性のものを用いる場合、1センサあたり、本発明の酸化還元酵素の溶解性を上げ、且つ酵素活性を失活させず、また製造工程において塗布しやすいという観点から、0.01〜100μg、好ましくは0.05〜50μg、より好ましくは0.1〜10μgが含まれるとよい。また、かような界面活性剤は、後述もするが、グリシルグリシンのような緩衝液で調製しておくことも好ましい。なお、界面活性剤が1センサに2種類以上含まれるときは、含量は、その合計量を意味する。
界面活性剤として、非イオン性界面活性剤のものを用いる場合、1センサあたり、本発明の酸化還元酵素の溶解性を上げ、且つ酵素活性を失活させず、また製造工程において塗布しやすいという観点から、0.01〜100μg、好ましくは0.05〜50μg、より好ましくは0.1〜10μgが含まれるとよい。また、かような界面活性剤は、後述もするが、グリシルグリシンのような緩衝液で調製しておくことも好ましい。
(親水性高分子、膨潤性層状粘度鉱物粒子)
本発明における反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)は、さらに、親水性高分子および膨潤性層状粘度鉱物粒子の少なくとも一方を含むと好ましい。
親水性高分子は、親水性高分子は本発明の酸化還元酵素または電子伝達体などを電極上に固定化する機能を有する。また、反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)が親水性高分子を含むことにより、基板1および電極表面からの反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)の剥離が防止されうる。また、親水性高分子は、反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)表面の割れを防ぐ効果も有しており、バイオセンサの信頼性を高めるのに効果的である。さらに、タンパク質などの吸着性成分の電極への吸着もまた、抑制されうる。なお、反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)が親水性高分子を含む場合、反応層内に親水性高分子が含まれる形態を有していてもよく、または反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)を覆うように親水性高分子を含む親水性高分子層を形成させた形態を有してもよい。
本発明に用いることができる親水性高分子としては、従来公知のものを使用することができる。より具体的には、親水性高分子としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリリジンなどのポリアミノ酸、ポリスチレンスルホン酸、ゼラチンおよびその誘導体、アクリル酸の重合体またはその誘導体、無水マレイン酸の重合体またはその塩、スターチおよびその誘導体などが挙げられる。これらのうち、本発明の酸化還元酵素の酵素活性を失活させず、且つ溶解性が高いという観点から、カルボキシメチルセルロースが好ましい。なお、これらは、単独で用いても、混合物の形態で用いてもよい。
なお、このような親水性高分子の配合量は、1センサあたり、酵素や電子伝達体を固定化でき、且つ反応層の溶解性を下げないという観点から、好ましくは0.01〜100μgであり、より好ましくは0.05〜50μgであり、特に好ましくは0.1〜10μgである。親水性高分子は、後述もするが、例えば、グリシルグリシンのような緩衝液で調製しておくことも好ましい。
膨潤性層状粘度鉱物粒子も親水性高分子と同様に本発明の酸化還元酵素や電子伝達体などを電極上に固定化する機能を有する。
本発明者らは、より精度が向上されたバイオセンサを提供すべく鋭意検討を行っていたところ、電子伝達体については、従来の親水性高分子で固定するよりも膨潤性層状粘度鉱物粒子によって固定する方が、より均一に固定化することができることを見出した。固定化が不十分であると、試料が供給された後も反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)における溶解性が不十分となり、測定にバラツキが生じる虞がある。よって、電子伝達体については、膨潤性層状粘度鉱物粒子によって固定することによって、固定化が均一となり、電流値のバラツキを抑え、ひいては、より精度が向上されたバイオセンサを提供することができる。
本発明に用いることができる膨潤性層状粘度鉱物粒子としては、従来公知のものを使用することができる。より具体的には、スメクタイト、ベントナイト、合成フッ素雲母、バーミキュライトなどが挙げられる。これらのうち、本発明の酸化還元酵素の酵素活性を失活させず、且つ溶解性が高いという観点から、スメクタイトが好ましい。なお、これらは、単独で用いても、混合物の形態で用いてもよい。これらは、市販のものを購入することなどにより準備することができ、例えば、スメクタイトとしては、ルーセンタイト(商品名)などが好ましい。
なお、このような膨潤性層状粘度鉱物粒子の配合量は、1センサあたり、反応層の溶解性を下げず、且つ電子伝達体を均一に保持できるという観点から、好ましくは0.01〜100μgであり、より好ましくは0.05〜50μgであり、特に好ましくは0.1〜10μgである。膨潤性層状粘度鉱物粒子は、後述もするが、例えば、グリシルグリシンのような緩衝液で調製しておくことも好ましい。
親水性高分子・膨潤性層状粘度鉱物粒子は、本発明の第2のバイオセンサにおいては、第一の反応層8、第二の反応層9のいずれに含有されてもよいが、上記の通り、好ましくは、第一の反応層8に電子伝達体が含まれるため、膨潤性層状粘度鉱物粒子も電子伝達体が含まれる第一の反応層8に含有させることが好ましい。一方で、好ましくは、第二の反応層9に本発明の酸化還元酵素が含まれるため、酸化還元酵素が含まれる第二の反応層9に親水性高分子を含有させることが好ましい。なお、第二の反応層9に本発明の酸化還元酵素が含まれる場合、固定化の効果を勘案すると、膨潤性層状粘度鉱物粒子よりも親水性高分子が好ましい。そして、この場合、親水性高分子の溶解性を考慮すると、後述する微粒子を含有させることが好ましい。
上記の通り、本発明の第2のバイオセンサのように2つの反応層を有する形態において、各反応層(第一の反応層8、第二の反応層9)に含有させるそれぞれの成分に応じて固定化剤を使い分けることも大きな特徴と言える。
(微粒子)
本発明における反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)は、さらに、微粒子を含むと好ましい。微粒子は、ブラウン運動をするため、拡散、攪拌の役割もある。
このように、反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)に微粒子を含有させることにより、反応層が多孔質となり、試料溶液の染み込みが速くなる。その結果、電子伝達体や本発明の酸化還元酵素を含む層が迅速に溶解し、反応層全体が均一になる。そして、ひいては、短時間で高精度な測定をすることが可能となる。より具体的には、反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)に親水性高分子が含有される場合、親水性高分子は難溶解性であるという性質を有する場合があるが、微粒子を添加することによってその問題を解決できる。
本発明の微粒子としては、特に制限はなく、高分子・低分子を問わず、従来公知のものを使用することができる。ただ、本発明において使用される微粒子は、電解を起こす不純物を含まず、電気化学的に不活性であるものであると好ましい。また、本発明において使用される微粒子は、水に対して不溶もしくは難溶性であることが好ましい。
より具体的には、微粒子としては、高分子化合物、無機化合物、金属酸化物、炭酸塩などが挙げられる。これらは、単独で用いても、混合物の形態で用いてもよい。
さらに具体的には、高分子化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸エステルおよびスチレン誘導体モノマーのうち少なくとも一つを含む重合体もしくは共重合体が挙げられる。これらは、単独で用いても、混合物の形態で用いてもよい。
前記スチレン誘導体を含む重合体としては、例えば、ポリスチレン、スチレン、アルキルスチレンなどが挙げられる。
その他、ポリアミドも例示される。また、例えば、ポリウレタン、ポリウレアなどのウレタン化合物、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系化合物などが挙げられる。
無機化合物としては、シリカゲル、アルミナ、ゼオライト、アパタイト、ガラスやエーライトなどに代表されるセラミックスなどが挙げられる。これらは、単独で用いても、混合物の形態で用いてもよい。
金属酸化物としては、ラテックス球、ダイヤモンド粉末、酸化チタンなどが挙げられる。これらは、単独で用いても、混合物の形態で用いてもよい。
炭酸塩としては、炭酸カルシウムが挙げられる。
その他、本発明の微粒子としては、ポリマーでコートした金、微細セルロース粉末、微細結晶セルロース粉体なども使用することができる。
なお、本発明の微粒子は、表面の特性を変化させてもよい。具体的には、微粒子表面に、カルボキシル基やアミノ基を導入してもよい。カルボキシル基やアミノ基を導入する方法は、従来公知の知見を適宜参照し、あるいは組み合わせて行うことができ、あるいは、市販品を購入してもよい。このように、カルボキシル基やアミノ基を導入することにより、電荷を有するため、試料中に含まれる不純物(血球など)と吸着し、不純物による感度低下を抑制する効果を有する場合もある。
微粒子の平均粒径は、特に制限はないが、0.1〜20μmであることが好ましい。0.1μm未満では、微粒子が小さすぎるため、本発明の効果が得られない場合がある。また、20μmより大きいと、微粒子が沈殿し、電極表面に付着する可能性がある。0.1〜15μmであることがより好ましく、0.1〜10μmであることがさらに好ましい。
なお、平均粒径は、例えば、SEM観察、TEM観察により測定することができる。上記でいう平均粒径は、粒子の形状が一様でない場合もあるため、絶対最大長で表すものとする。ここで、絶対最大長とは、単結合体の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の長さLの平均をとるものとする。なお、値は10個から求めた平均値とする。
なお、このような微粒子の配合量は、1センサあたり、反応層の溶解性を向上させるという観点から、好ましくは0.01〜1000μgであり、より好ましくは0.1〜500μgであり、特に好ましくは1〜50μgである。
本発明の第2のバイオセンサにおいては、微粒子は、第一の反応層8、第二の反応層9のいずれの反応層に含まれてもよいし、両方の層に含まれてもよい。例えば、第一の反応層8に膨潤性層状粘度鉱物粒子が含まれず、親水性高分子が含まれ、第二の反応層9に親水性高分子が含まれる場合、両方に含まれることが好ましい。このように、両方の反応層(第一の反応層8、第二の反応層9)に微粒子を含有させることにより、反応層が多孔質となり、試料の染み込みが速くなる。その結果、電子伝達体や酵素を含む層が迅速に溶解し、反応層全体が均一になる。そして、ひいては、短時間で高精度な測定をすることが可能となる。また、第一の反応層8に電子伝達体と膨潤性層状粘度鉱物粒子が含まれ、親水性高分子が含まれず、第二の反応層9に酸化還元酵素と親水性高分子が含まれる場合、好ましくは第二の反応層9にのみ含まれる。それは、微粒子が存在しなくても、膨潤性層状粘度鉱物粒子は、電子伝達体を均一に固定し、且つ均一に溶解させることができるからである。
<バイオセンサの製造方法>
(本発明の第1のバイオセンサ)
本発明の第1のバイオセンサにおける反応層10を形成する方法にも特に制限はないが、例えば以下の方法が考えられる。
本発明の酸化還元酵素と、電子伝達体と、界面活性剤と、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方を含む反応層10を形成するための原料を、グリシルグリシン緩衝液などで調製し、その調製した原料を、電極(作用部分)に、所定量滴下する。調製した試料を滴下した後、所定の温度に保った恒温槽内やホットプレート上にて乾燥させる。なお、界面活性剤については、単に反応層内に含有されていてもよいし、反応層を覆うように界面活性剤を含む界面活性剤含有層を形成してもよい。また、必要に応じ上記した他の成分(例えば、微粒子など)を添加してもよい。また、必要に応じエタノール等の揮発性有機溶媒を添加しておいてもよい。揮発性有機溶媒を添加しておくことで、早く乾きやすく、結晶化が小さくて済む。最後に、反応層10にカバー7を覆うようにして、接着剤を介して張り合わせることにより、第1のバイオセンサを製造することができる。
(本発明の第2のバイオセンサ)
本発明の第2のバイオセンサにおける第一の反応層8、第二の反応層9を形成する方法にも特に制限はないが、例えば以下の方法が考えられる。
第一の反応層8については、電子伝達体(例えば、フェリシアン化カリウム)と、膨潤性層状粘度鉱物粒子(例えば、スメクタイト)と、界面活性剤(例えば、オクチルチオグルコシド)と、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方(例えば、γ−シクロデキストリン)と、を含む第一の反応層8を形成するための原料を、グリシルグリシン緩衝液などで調製し、その調製した原料を、カバー7に、所定量滴下する。この際、界面活性剤については、単に反応層内に含有されていてもよいし、反応層を覆うように界面活性剤を含む界面活性剤含有層を形成してもよい。なお、予めカバー7に接着剤を設置しておくとよい。調製した原料を滴下した後、所定の温度に保った恒温槽内やホットプレート上にて乾燥させる。このようにして、第一の反応層8を作製することができる。
一方で、第二の反応層9については、例えば本発明の酸化還元酵素(例えば、PQQ依存性グリセロール脱水素酵素)と、リポプロテインリパーゼ(LPL)と、親水性高分子(例えば、カルボキシメチルセルロース)と、界面活性剤(例えば、CHAPS)と、微粒子(例えば、ポリスチレンビーズ)と、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方(例えば、γ−シクロデキストリン)と、を含む第二の反応層9を形成するための原料を、グリシルグリシン緩衝液などで調製し、その調製した原料を、電極に、所定量滴下する。この際、界面活性剤については、単に反応層内に含有されていてもよいし、反応層を覆うように界面活性剤を含む界面活性剤含有層を形成してもよい。なお、予め基板1に接着剤を設置しておくとよい。調製した原料を滴下した後、所定の温度に保った恒温槽内やホットプレート上にて乾燥させる。このようにして、第二の反応層9を作製することができる。
最後に、第二の反応層9が形成されている基板1と、第一の反応層8が形成されているカバー7を、接着剤6a、6bを介して張り合わせることにより、第2のバイオセンサを製造することができる。
<バイオセンサの適用>
本発明において使用される試料は、好ましくは、溶液形態である。溶液形態における溶媒としても特に制限されず、従来公知の溶媒を適宜参照し、あるいは組み合わせて適用することができる。
試料としても、特に制限はされないが、例えば、全血、血漿、血清、唾液、尿、骨髄などの生体試料;ジュースなどの飲料水、醤油、ソースなどの食品類;排水、雨水、プール用水などが挙げられる。好ましくは、全血、血漿、血清、唾液、骨髄であり、より好ましくは全血である。
なお、試料は原液がそのまま用いられてもよいし、粘度などを調節する目的で適当な溶媒で希釈された溶液が用いられてもよい。試料に含まれる基質についても特に制限はなく、本発明の酸化還元酵素と反応しうる物質であればよい。
試料中の所望の成分(基質)としては、例えば、グルコースなどの糖類、グリセロール、ソルビトール、アラビトールなどの多価アルコール、中性脂肪、コレステロールなどの脂質、グルタミン酸や乳酸などの有機酸類、クレアチン、クレアチニンなどが挙げられる。上記と同様の理由から、中性脂肪やコレステロールなどの脂質が基質として選択されることが好ましい。
試料を試料供給部へ供給する形態は特に制限されず、例えば、毛細管現象を利用して、反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)に対して水平方向から試料を供給してもよい。
反応層10(第一の反応層8、第二の反応層9)へと試料が供給されると、試料中の所望の成分(基質)は、反応層に含まれる酸化還元酵素の作用によって酸化され、自身の酸化と同時に電子を放出する。基質から放出された電子は、電子伝達体に捕捉され、これに伴って電子伝達体は酸化型から還元型へと変化する。試料の添加後、バイオセンサを所定時間放置することにより、酸化還元酵素によって基質が完全に酸化され、一定量の電子伝達体が酸化型から還元型へと変換される。
基質と酵素との反応を完結させるための放置時間については特に制限はないが、試料添加後、通常は1秒〜5分間、好ましくは3秒〜3分間、バイオセンサを放置すればよい。
その後、還元型の電子伝達体を酸化する目的で、電極を介して、作用極2と対極4との間に、所定の電位を印加する。これにより、還元型の電子伝達体が電気化学的に酸化され、酸化型へと変換される。この際に測定される電流(以下、「酸化電流」とも称する)の値から、電位印加前の還元型の電子伝達体の量が算出され、さらに、酵素と反応した基質の量が定量されうる。酸化電流を流す際に印加される電位の値は特に制限されず、従来公知の知見を参照して適宜調節されうる。一例を挙げると、−200〜700mV程度、好ましくは0〜500mVの電位を、対極4と作用極2との間に印加すればよい。電位を印加するための電位印加手段についても特に制限はなく、従来公知の電位印加手段が適宜用いられうる。
酸化電流値の測定、および当該電流値から基質濃度への換算の手法としては、所定の電位を印加してから一定時間後の電流値を測定するクロノアンペロメトリー法が用いられてもよいし、クロノアンペロメトリー法による電流応答を時間で積分して得られる電荷量を測定するクロノクーロメトリー法が用いられてもよい。簡単な装置系により測定されるという点で、クロノアンペロメトリー法が好ましく用いられうる。
以上、還元型の電子伝達体を酸化する際の電流(酸化電流)を測定することにより基質濃度を算出する形態を例に挙げて説明したが、場合によっては、還元されずに残存している酸化型の電子伝達体を還元する際の電流(還元電流)を測定することにより基質濃度を算出する形態が採用されてもよい。
本発明のバイオセンサは、いずれの形態で使用してもよく特に制限されない。例えば、
使い捨て用途としてのディスポーザブルタイプのバイオセンサ、少なくとも電極部分を人
体に埋め込んで連続的に所定の値を測定するためのバイオセンサなど、様々な用途に使用
できる。
本発明のバイオセンサは、中性脂肪センサ、グルコースセンサ等の従来公知のセンサに適用することが可能である。
本発明の効果を以下に纏める。
本発明のバイオセンサにおいては、特定の酸化還元酵素が含まれる反応層に、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方が含有されるため、バックグラウンド電流の発生が有意に抑制・防止され、ひいては、バイオセンサの精度がより向上する。
本発明の効果は、これだけに留まらない。本発明のバイオセンサにおいては、反応層にシクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方が含有されるため、特に全血を試料とする場合、溶血が有意に抑制・防止され、赤血球に含まれる成分に基づく電子伝達体の還元を抑制・防止し、測定値に正誤差を与えない。加えて、血清中の測定対象物質を希釈しないようにし、測定誤差が生じさせない。そのことによって、バイオセンサの精度がより向上する。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味する。
<応答電流値の測定1(全血中の中性脂肪濃度の測定)>
応答電流値の測定1は、本発明の第2のバイオセンサ(つまり、反応層が2つの形態)を作製し、シクロデキストリンの添加の有無によって、中性脂肪測定用バイオセンサとしての精度を観察した。
(実施例1)
電極として、DEP Chip ER−N(有限会社バイオデバイステクノロジー製)を使用した。DEP Chip ER−Nは、絶縁性基板1の上に、それぞれカーボンからなる作用極2、参照極3、対極4が形成され、絶縁層5を挟んで、金からなる作用極作用部分2−1、銀塩化銀からなる参照極作用部分3−1、カーボンからなる対極作用部分4−1を形成した。
まず、第二の反応層9(酵素層)は以下の手順で形成した。
1センサ(供給される試料「全血」の量2μl)あたり、終濃度で、PQQ依存性グリセロール脱水素酵素を2.5U、リポプロテインリパーゼ(天野エンザイム製)を80U、粒径0.5μmのポリスチレンビーズ(Polysciences製)を0.625%(12.5μg)、γ−シクロデキストリン(和光純薬製)を1.5%(30μg)、CHAPS(DOJINDO製)を0.05%(1μg)、カルボキシメチルセルロースを0.1%(2μg)、グリシルグリシン(和光純薬製)を50mM(6.5μg)になるように混合し酵素溶液を得た。得られた酵素溶液を、ER−Nの作用極作用部分2−1、参照極作用部分3−1、および対極作用部分4−1を被覆するように滴下し、40℃で10分間乾燥させ、第一の反応層(酵素層)を得た。
第一の反応層8(電子伝達体層)は以下の手順で形成した。
1センサ(供給される試料「全血」の量2μl)あたり、終濃度で、フェリシアン化カリウム(和光純薬製)を200mM(132μg)、n−オクチル−β−D−チオグルコシドを0.1%(2μg)、γ−シクロデキストリン(和光純薬製)を0.1%(2μg)、膨潤性層状粘度鉱物粒子ルーセンタイトSWN(コープケミカル製)を0.05%(1μg)、グリシルグリシン(和光純薬製)を50mM(6.5μg)、エタノールを50%(1mg)になるように混合し、電子伝達体溶液を得た。得られた電子伝達体溶液を、PETからなるカバー7に接着剤(両面テープ)6aを貼り合わせた隙間に滴下後、50℃で5分間乾燥させ、第一の反応層8(電子伝達体層)を形成した。
第二の反応層9が形成されている基板と、第一の反応層8が形成されているカバー7に接着した接着剤(両面テープ)6a、6bと、を互いに貼り合わせることにより、中性脂肪センサを作製し、特性評価を行った。なお、この際、第一の反応層8と、第二の反応層9の厚みはそれぞれ5μmであり、離隔距離は0.15mmであった。
試料液(全血)2μlを吸入させてから55秒後に、参照極3を基準にして作用極2と対極4の間に500mVの電位を印加し、5秒後に作用極2と対極4との間に流れる電流値を測定した。この電流値は、還元した電子伝達体の濃度、すなわち試料液中の中性脂肪濃度に比例し、この電流値から全血中の中性脂肪濃度を求めることができる。
中性脂肪濃度が異なる4人の全血(121、131、204、336mg/dl)を試料として、4回測定を行った。結果を表1および図5に示す。
(比較例1)
γ−シクロデキストリンを蒸留水に変更した以外は、実施例1と同様の方法で測定を行った。その結果を、表1および図5に示す。
Figure 2010237145
表1および図5からわかるように、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方(γ−シクロデキストリン)を含んでいる実施例の方が、全体的な電流値が低く、またどの全血においてもばらつきが少ないことがわかる。これは、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方(γ−シクロデキストリン)を加えることにより、バックグラウンド電流の上昇を抑制するととともに、血液中の赤血球の溶血反応を防止しているためであると考えられる。
<応答電流値の測定2(バックグラウンド電流の測定)>
応答電流値の測定2は、PQQ依存性ポリオール脱水素酵素と界面活性剤と電子伝達体を含む溶液にシクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方を添加することにより、評価した。なお、本測定系は、実際の電極系にも適用可能である。
(実施例2)
PQQ依存性ポリオール脱水素酵素を0.2% CHAPSを含む50mM グリシルグリシン−NaOH緩衝液 (pH 7.5)で溶解し、1.25U/μl濃度となるよう調整した。
1.5mlプラスチックチューブに、1.25U/μl PQQ依存性ポリオール脱水素酵素 10μl(12.5U)と、6%(w/v)α−シクロデキストリン5μlを加えた後、真空ポンプで1時間ひくことにより、乾燥させた。乾燥後、200mM フェリシアン化カリウム(和光純薬製)を10μl(658μg)加え、撹拌した。所定時間経過後2μlサンプリングし、電極の各作用部分を覆うように滴下し、参照極を基準にして作用極と対極の間に+500mVの電位を印加して、5秒後に作用極と対極との間に流れる電流値を測定することにより、基質(ポリオール)がない状態でのPQQ依存性PDHと電子伝達体との反応を評価した。なお、電極は、DEP Chip ER−N(有限会社バイオデバイステクノロジー製)を使用した。結果を表2および図6に示す。なお、実施例2では、反応層10において白濁が見られた。
(実施例3)
α−シクロデキストリン6%を、β−シクロデキストリン1.8%に変更した以外(90μg)は、実施例2と同様に評価を行った。なお、実施例3では、反応層10において白濁が見られた。
(実施例4)
α−シクロデキストリンを、2−HE−β−シクロデキストリン(2−ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン)に変更した以外(300μg)は、実施例2と同様に評価を行った。なお、実施例4では、反応層10において白濁は見られなかった。
(実施例5)
α−シクロデキストリンを、2−HP−β−シクロデキストリン(2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン)に変更した以外(300μg)は、実施例2と同様に評価を行った。なお、実施例5では、反応層10において白濁は見られなかった。
(実施例6)
α−シクロデキストリンを、γ−シクロデキストリンに変更した以外(300μg)は、実施例2と同様に評価を行った。なお、実施例6では、反応層10において白濁が見られた。
(実施例7)
α−シクロデキストリンを、2−HP−γ−シクロデキストリン(2−ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン)に変更した以外(300μg)は、実施例2と同様に評価を行った。なお、実施例7では、反応層10において白濁は見られなかった。
(実施例8)
α−シクロデキストリンを、γ−シクロデキストリンリン酸(γ−シクロデキストリンリン酸ナトリウム)に変更した以外(300μg)は、実施例2と同様に評価を行った。なお、実施例8では、反応層10において白濁は見られなかった。
(実施例9)
α−シクロデキストリンを、アミノ化γ−シクロデキストリン(3A−アミノ−3A−デオキシ−(2AS,3AS)−γ−シクロデキストリン水和物)に変更した以外(300μg)は、実施例2と同様に評価を行った。なお、実施例9では、反応層10において白濁は見られなかった。
(実施例10)
α−シクロデキストリンを、トシル化γ−シクロデキストリン[モノ2−O−(p−トルエンスルホニル)−γ−シクロデキストリン]]に変更した以外(300μg)は、実施例2と同様に評価を行った。なお、実施例10では、反応層10において白濁は見られなかった。
(実施例11)
α−シクロデキストリン6%を、γ−シクロデキストリン3%に変更した以外(150μg)は、実施例2と同様に評価を行った。なお、実施例11では、反応層10において白濁が見られた。
(比較例2)
α−シクロデキストリンを添加しなかった以外は、実施例2と同様に評価を行った。なお、比較例2では、反応層10において白濁は見られなかった。
Figure 2010237145
表2および図6より、β−シクロデキストリン誘導体、γ−シクロデキストリンおよびその誘導体に、基質(ポリオール)がない状態でのPQQ依存性グリセロール脱水素酵素と電子伝達体の反応を抑制する効果があることが認められた。特に、γ−シクロデキストリンおよびその誘導体に抑制効果が高いことが分かる。
<溶血防止効果確認>
溶血防止効果確認は、γ−シクロデキストリンの添加における溶血防止の程度を測定するため、簡易な測定系(電極反応層内の反応をチューブ内で実施)を用いて評価を行った。なお、本測定系は、実際の電極系にも適用可能である。また、界面活性剤の溶血作用およびγ−シクロデキストリンの溶血防止効果を明確にするため、酸化還元酵素は入れないこととし、試料として全血を使用した。
(実施例12)
1.5mlのプラスチックチューブに、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)を溶媒とした800mM フェリシアン化カリウム(和光純薬製)溶液を5μl(1320μg)、3% Triton X−100溶液を2μl(60μg)、10% γ−シクロデキストリン溶液を2μl(200μg)を添加し混合することによって反応溶液(9μl)を得た。
得られた反応溶液に、全血11μlを滴下・混合し、60秒間反応させる。その後、電極(ER−N、バイオデバイステクノロジー製)を用いて、電極の各作用部分を覆うように反応溶液3μlを滴下・塗布し、参照極3を基準にして作用極2と対極4の間に+500mVの電位を印加して、5秒後に作用極2と対極4との間に流れる電流値を測定した。この電流値は、還元した電子伝達体の濃度、すなわち溶血の度合いに対応している。
溶血測定を行った結果を表3に示す。
併せて、目視による溶血の評価を行った。
上記と同様の手順によって反応溶液を調製した。得られた反応溶液に、全血11μlを滴下・混合し、60秒間反応させる。その後、1.5mlプラスチックチューブを1,500×gで5分間遠心し、上清の色を目視により評価した。評価基準として、溶血が見られなかったものを○、若干の溶血が認められたものを△、明らかに溶血していたものを×として評価した。溶血が起こると、赤血球中の成分が溶出して反応液中のフェリシアン化カリウム(酸化型電子伝達体)と反応し、フェロシアン化カリウム(還元型電子伝達体)を生成する。電極にてフェロシアン化カリウムを酸化することによって得られる酸化電流値は、すなわち、反応液中でどれくらい溶血したかの指標になり、電流値の大きさに比例して溶血も多く起こっていると考えることができる。結果を表3に示す。
(実施例13)
3% Triton X−100溶液を、5% CHAPS溶液に変更した以外(100μg)は、実施例12と同様の方法で測定した。
(実施例14)
3% Triton X−100溶液を、1%n−オクチル−β−D−チオグルコシド溶液に変更した以外(20μg)は、実施例12と同様の方法で測定した。
(実施例15)
3% Triton X−100溶液を、2% オクチルチオグルコシド溶液に変更した以外(40μg)は、実施例12と同様の方法で測定した。
(実施例16)
10% γ−シクロデキストリンを、10% 2−ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン(2−HP−γ−シクロデキストリン)に変更した以外(200μg)は、実施例12と同様の方法で測定した。
(実施例17)
10% γ−シクロデキストリンを、10% 2−ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン(2−HP−γ−シクロデキストリン)に変更した以外(200μg)は、実施例13と同様の方法で測定した。
(実施例18)
10% γ−シクロデキストリンを、10% 2−ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン(2−HP−γ−シクロデキストリン)に変更した以外(200μg)は、実施例14と同様の方法で測定した。
(実施例19)
10% γ−シクロデキストリンを、10% 2−ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン(2−HP−γ−シクロデキストリン)に変更した以外(200μg)は、実施例15と同様の方法で測定した。
(比較例3)
10% γ−シクロデキストリンを、PBSに変更した以外は、実施例12と同様の方法で測定した。
(比較例4)
10% γ−シクロデキストリンを、PBSに変更した以外は、実施例13と同様の方法で測定した。
(比較例5)
10% γ−シクロデキストリンを、PBSに変更した以外は、実施例14と同様の方法で測定した。
(比較例6)
10% γ−シクロデキストリンを、PBSに変更した以外は、実施例15と同様の方法で測定した。
(比較例7)
10% γ−シクロデキストリンを、PBSに変更し、3%Triton X−100をPBSに変更した以外は、実施例12と同様の方法で測定し、「ブランク」として示す。ブランクは、溶血していない基準となるサンプルである。
Figure 2010237145
表3の目視評価および電流値評価より、4種の界面活性剤のみでは溶血が起こり、電流値がブランクより上昇している。しかし、終濃度で1%のγ−シクロデキストリンまたは2−HP−γ−シクロデキストリンを添加すると、溶血が抑えられることで、電流値の上昇が抑制され、ブランクと同等の値を示している。これらの結果から、γ−シクロデキストリンおよびその誘導体は、溶血を防止する効果があると考えられる。なお、本実施例で用いられた界面活性剤の濃度は、バイオセンサにおいて通常設定される濃度によりも高くされている。換言すれば、バイオセンサ中にそのような高い濃度の界面活性剤が存在すると、容易に溶血が引き起こされる。しかしながら、シクロデキストリンが反応層に含有されていると、そのような高い濃度の界面活性剤の存在下においても、有意に溶血を防止でき、ひいては、バイオセンサの精度が有意に向上する。
1 絶縁性基板、
2 作用極、
2−1 作用極作用部分、
3 参照極、
3−1 参照極作用部分、
4 対極、
4−1 対極作用部分、
5 絶縁層、
6(6a、6b) 接着剤、
7 カバー、
8 第一の反応層、
9 第二の反応層、
10 反応層、
S 空間部。

Claims (11)

  1. 絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に形成されてなる、少なくとも作用極および対極を含む電極と、前記電極上に形成されてなる試料供給部と、を有するバイオセンサであって、
    前記試料供給部が、
    少なくとも補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)またはフラビンモノヌクレオチド(FMN)を含む酸化還元酵素と、
    電子伝達体と、
    界面活性剤と、
    シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方と、
    を含む反応層を有する、バイオセンサ。
  2. 前記シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の少なくとも一方が、前記電子伝達体1モルに対して0.01〜0.8モル含まれる、請求項1に記載のバイオセンサ。
  3. 酸化還元酵素が、補欠分子族としてピロロキノリンキノン(PQQ)を含むポリオール脱水素酵素である、請求項1または2に記載のバイオセンサ。
  4. 前記シクロデキストリンが、γ-シクロデキストリンであり、
    前記シクロデキストリン誘導体が、β-シクロデキストリン誘導体またはγ-シクロデキストリン誘導体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
  5. 前記シクロデキストリン誘導体が、γ-シクロデキストリン誘導体である、請求項4に記載のバイオセンサ。
  6. 前記反応層が、親水性高分子および膨潤性層状粘度鉱物粒子の少なくとも一方を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
  7. 前記電子伝達体が、フェリシアン化カリウム、フェリシアン化ナトリウム、フェロセン、フェロセン誘導体、フェナジンメトサルフェート、フェナジンメトサルフェート誘導体、p−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン誘導体、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール、メチレンブルー、ニトロテトラゾリウムブルー、オスミウム錯体およびルテニウム錯体からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
  8. 前記反応層が、微粒子をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
  9. 前記微粒子の平均粒径が、0.1μm〜20μmである、請求項8に記載のバイオセンサ。
  10. 前記反応層が、電極上に形成される第一の反応層と、前記第一の反応層と分離されて形成されてなる第二の反応層を有し、
    前記第一の反応層が、前記酵素および前記電子伝達体の一方を含み、かつ、
    前記第二の反応層が、他方を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
  11. 中性脂肪センサである、請求項1〜10のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
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