JP5950410B2 - スロットマシン - Google Patents
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請求項1の発明は、
複数種類の図柄を表示した複数のリール(31)と、
前記リールを停止させるときに遊技者が操作するストップスイッチ(42)と、
遊技者にとって有利となる特別遊技(MB遊技)に移行するための特別役(MB)及び遊技者に再遊技を行わせるリプレイを含めて役の抽選を行う役抽選手段(61)と、
前記役抽選手段による役の抽選結果に基づいて、前記リールを停止制御するリール制御手段(64)と、
前記特別遊技中の遊技の進行を制御する特別遊技制御手段(68)と
を備え、
前記特別遊技では、前記役抽選手段により前記リプレイに関する抽選が行われるとともに、前記役抽選手段による役の抽選結果に基づいて、少なくとも2種類の入賞態様A(14枚の払出しとなる図柄停止態様)及び入賞態様B(15枚の払出しとなる図柄停止態様)となる各前記ストップスイッチの押し順が定められ、
前記リール制御手段は、入賞態様Aに対応する押し順で前記ストップスイッチが操作されたときは入賞時の遊技媒体の払出し数が「N1」(14枚)となり、入賞態様Bに対応する押し順で前記ストップスイッチが操作されたときは入賞時の遊技媒体の払出し数が「N2」(N2>N1)(15枚)となるように前記リールを停止制御し、
前記特別遊技制御手段は、遊技媒体の払出し数が「N1」より多い所定数(15枚又は30枚)に達したときは、前記特別遊技を終了するように制御し、
前記特別遊技において前記ストップスイッチの押し順を報知する報知制御手段を備える
ことを特徴とする。
図1は、本実施形態によるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。スロットマシン10は、遊技の進行を制御するメイン(遊技)制御手段60と、演出やAT遊技中の報知の出力を制御するサブ制御手段70とを備える。
メイン制御手段60は、役の抽選、リール31の駆動制御、入賞時の払出し等を制御する。メイン制御手段60は、メイン制御基板(図示せず)上に設けられており、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラム等を記憶しておくROM、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
また、メイン制御基板とサブ制御基板は、別体で構成されるとともに、メイン制御基板からサブ制御基板に対し、遊技に関する情報(遊技結果等)を送信可能に両者が電気的に接続されている。
ベットスイッチ40は、遊技者が貯留メダルを当該遊技のために投入するときに操作するスイッチである。
なお、メダル投入口43は、実際のメダルを遊技者が投入する部分であり、メダル投入口43からメダルを投入することは、ベットスイッチ40を操作することと同様の役割を果たす。
さらにまた、(左、中、右)ストップスイッチ42は、3つ(左、中、右)のリール31に対応して3つ設けられ、対応するリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。
モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、各リール31の回転中心部に連結され、後述するリール制御手段64によって制御される。ここで、リール31は、左リール31、中リール31、右リール31からなり、左リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であり、中リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であり、右リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が右ストップスイッチ42である。
ここで、「有効ライン」とは、リール31の停止時における図柄の並びラインであって図柄の組合せを形成させる図柄組合せラインであり、かつ、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止したときに、その役の入賞となるラインである。
また、通常遊技中(特別遊技中以外)は、3枚のメダルを投入して遊技を行い、特別遊技のうち、後述する1BB遊技中及びRB遊技中は2枚のメダルを投入して遊技を行い、MB遊技中は1枚のメダルを投入して遊技を行う。
ランプ21は、スロットマシン10の演出用のランプであり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。なお、ランプ21には、各リール31の内周側に配置され、リール31に表示された図柄(表示窓11から見える上下に連続する3図柄)を背後から照らすためのバックランプ(図示せず)や、スロットマシン10の筐体前面に配置され、役の入賞時等に点滅する上部ランプ及びサイドランプ(図示せず)等が含まれる。
さらにまた、画像表示装置23は、液晶ディスプレイやドットディスプレイ等からなるものであり、遊技中に各種の演出画像や、AT遊技中にストップスイッチ42の押し順等を表示するものである。
そして、各役に対応する図柄の組合せ及び入賞時の払出し枚数等が定められている。これにより、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止する(その役が入賞する)と、その役に対応する枚数のメダルの払出し又は自動投入が行われる(ただし、特別役を除く)。
特別役(1BB、RB、又はMB)が入賞すると、それぞれ、当該遊技におけるメダルの払い出しはないが、次遊技から、特別遊技(1BB遊技、RB遊技、又はMB遊技)に移行する。特別遊技のうち、1BB遊技及びRB遊技は、特定の役(本実施形態では小役3A)が高確率で当選・入賞する遊技状態であり、出玉率が1を超えるように設定されていることで、遊技者にとって有利な遊技である。
また、MB遊技は、1BB遊技及びRB遊技と同様に出玉率が1を超えるように設定されている遊技であるが、AT遊技中にMBに当選したか否かで、MB遊技中のメダル払出枚数期待値が異なるように設定されている。
さらに、小役1A及び小役1Bは、それぞれ、図柄の組合せが4種類定められている。小役1A及び小役1B以外の役は、1つの役に対して1つの図柄の組合せが定められている。
また、本実施形態では、メダル投入枚数が何枚であっても、1本の有効ラインあたり、図4に示すメダル払出し枚数に設定されている。
持ち越される役は、特別役(1BB、RB、MB)である。特別役に当選したときは、リール31の停止時に、当選した特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの遊技において、特別役の当選を次遊技以降に持ち越すように制御される。なお、後述するように、本実施形態のMBは、当選した遊技で常に入賞するので、次遊技以降に持ち越される場合はない。
ここで、「RT(リプレイタイム)遊技」とは、広義には、非RT遊技とリプレイの当選確率が異なる遊技状態であることを意味する。したがって、本実施形態では、RT1及びRT2遊技は、非RT遊技に対して、それぞれリプレイの当選確率が異なるように設定されている。
なお、非RT遊技よりもリプレイの当選確率が高く設定された遊技状態を「RT遊技」と称する場合もある。
そして、「小役3A重複」とは、小役3Aと他の2つの小役3とが重複当選する場合である。なお、小役3Aは、単独当選する場合はなく、小役3B〜小役3Eの2つと重複当選する。
また、リプレイにおいて「重複」とは、リプレイA及びリプレイBと他の3つのリプレイとが重複当選する場合である。
役抽選テーブル62A及び62Cでは、リプレイAの単独当選のみが抽選され、リプレイの重複当選は抽選されない。
これに対し、役抽選テーブル62Bでは、リプレイAは単独当選せずに、リプレイの重複当選のみが設けられている。さらに、役抽選テーブル62Bでは、リプレイの合算の当選確率は、1/1.5と高く設定されている。すなわち、役抽選テーブル62Bが用いられるRT1遊技中は、リプレイが頻繁に当選する遊技状態となる。
また、役抽選テーブル62Fは、MB遊技中に用いられるものであり、役抽選テーブル62D及び62Eと同様に特別役は抽選されない。さらにまた、MB遊技では、小役の抽選は行われない。ただし、MB遊技では、スタートスイッチ41が操作されたときに、すべての小役の当選フラグ63aがオンとなる。よって、小役1A〜1B、小役2、小役3A〜3E、及び小役4の全てが当選したことと同じ遊技状態となる。
これに対し、役抽選テーブル62Bが用いられている遊技中(RT1遊技)において、MBが当選・入賞してMB遊技に移行したときは、そのMB遊技では、役抽選テーブル62Bと同じリプレイが抽選される。したがって、リプレイの重複当選が合算で1/1.5の確率で当選する。
当選フラグ制御手段63は、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、各役に対応する当選フラグ63aのオン/オフを制御するものである。本実施形態では、当選役に対応するように、1BB、RB、MB、小役1A、小役1B、小役2、小役3A〜小役3E、小役4、リプレイA〜リプレイFの各当選フラグ63aを備える。そして、役抽選手段61による役の抽選において当選したときは、対応する役の当選フラグ63aをオンにする(当選フラグ63aを立てる)。
これに対し、特別役の当選は持ち越されるので、当該遊技で特別役に当選し、特別役に係る当選フラグ63aが一旦オンになったときは、その特別役が入賞するまでオンの状態が維持され、特別役が入賞した時点でオフにされる。
1BBテーブルは、1BBの当選フラグ63aのみがオンであるとき、すなわち当該遊技で1BBに単独当選したとき、又は当該遊技以前に1BBに当選し、かつ当該遊技で非当選であることを条件として用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、1BBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、1BB以外の役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
よって、小役3Aの当選時には、中リール31の停止時には、上段又は中段のいずれにも「ベル」の図柄を停止させることができる。
第1に、小役3Aの重複当選時に、押し順不正解の場合(5枚払出し時)には、中リール31の停止時に、上段に「ベル」の図柄を停止させるが、この場合は、左及び右リール31の停止時にも上段に「ベル」の図柄を停止させる(ただし、後述するMB遊技中の14枚払出し時を除く)。これにより、図3中、有効ラインL1に、「ベル」−「ベル」−「ベル」が停止する入賞態様にする。
これにより、図3中、有効ラインL3又はL4に、「ベル」−「ベル」−「ベル」が停止する入賞態様にする。
図8に示すように、リプレイの重複当選時の遊技では、最初に操作されたストップスイッチ42が特定の1つではリプレイBが入賞し、他の2つではリプレイAが入賞する。
すなわち、リプレイ重複当選時の遊技では、リプレイBの入賞率は1/3であり、リプレイAの入賞率は2/3である。
例えば1BBの内部中の遊技において小役2に単独当選したときは、まず、小役2に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることを優先し、小役2に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、次に、1BBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように制御する。さらに、1BBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように制御する。
非RT遊技中にMB遊技に移行すると、そのMB遊技では、リプレイAが抽選される。このため、非RT遊技から移行したMB遊技では、リプレイAに当選することにより全小役及びリプレイAの当選フラグ63aがオンとなる遊技(以下、当選態様Xという)と、リプレイAに当選せずに全小役の当選フラグ63aがオンとなる遊技(以下、当選態様Yという)とを有する。
図9は、当選態様X〜Zを示す図である。
第1に、上記当選態様X(全小役及びリプレイAの当選フラグ63aがオン)で用いられるMB遊技中テーブルXは、図9に示すように、5枚の払出しに係る小役3Aを入賞させるようにリール31の停止位置を定めたものである。すなわち、中リール31の停止時に、上段に「ベル」の図柄を停止させるように停止位置を定めている。なお、この場合には、左及び右リール31の停止時にも上段に「ベル」の図柄を停止させるようにリール31の停止位置を定めている。さらに、MB遊技中テーブルXでは、ストップスイッチ42の押し順にかかわらず、上記のように各リール31を停止させる。
1つ目のMB遊技中テーブルY1は、最初に操作されたストップスイッチ42が左ストップスイッチであるときは5枚の払出しに係る小役3Aを入賞させるようにリール31を停止させ、最初に操作されたストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であるときは5枚の払出しに係る小役3Aと9枚の払出しに係る小役4とが当該遊技で重複入賞するようにリール31を停止させ、最初に操作されたストップスイッチ42が右ストップスイッチ42であるときは15枚の払出しに係る小役3Aが入賞するようにリール31を停止させるものである。
1つ目のMB遊技中テーブルZ1は、リプレイの重複当選1となった遊技、すなわち全小役、及びリプレイA+B+C+D+Eに係る当選フラグ63aがオンとなった遊技で用いられ、最初に操作されたストップスイッチ42が左ストップスイッチであるときは5枚の払出しに係る小役3Aを入賞させるようにリール31を停止させ、最初に操作されたストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であるときは5枚の払出しに係る小役3Aと9枚の払出しに係る小役4とが当該遊技で重複入賞するようにリール31を停止させ、最初に操作されたストップスイッチ42が右ストップスイッチ42であるときは15枚の払出しに係る小役3Aが入賞するようにリール31を停止させるものである。
なお、この停止態様では、左及び右リール31の停止時にも上段に「ベル」の図柄を停止させる。
これにより、5枚の払出しに係る小役3Aと、9枚の払出しに係る小役4とが重複入賞し、総払出し枚数が14枚となる。
また、図2に示すように、右リール31には、5図柄以内の間隔で「チェリー」の図柄が配置されている。
したがって、リール制御手段64は、左リール31の停止時に常に下段に「ベル」の図柄を停止させることができ、中リール31の停止時に常に上段に「ベル」の図柄かつ中段に「チェリー」の図柄を停止させることができ、さらに右リール31の停止時に常に上段に「チェリー」の図柄を停止させることができる。よって、リール制御手段64は、常に、図10(B)に示す入賞態様で各リール31を停止させることができる。
停止図柄判断手段66は、リール31の停止時に、有効ラインに停止したリール31の図柄の組合せが、いずれかの役に対応する図柄の組合せと一致するか否かを判断するものである。停止図柄判断手段66は、例えばモータ32の停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上の図柄を判断する。
ただし、停止図柄判断手段66は、ストップスイッチ42が操作され、停止位置決定テーブル65を用いて停止位置が決定された時に、そのリール31が停止したか否かにかかわらず、停止図柄を判断することが可能である。
また、払出し手段67は、役に対応する図柄の組合せが複数の有効ラインに同時に停止したときは、その有効ライン数分を乗じた枚数を払い出すように制御する。
1BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、1BBの入賞となり、特別遊技制御手段68は、次遊技から1BB遊技を開始するように制御する。
1BB遊技では、上述した役抽選テーブル62Dを用いて役の抽選を行う。
このため、特別遊技制御手段68は、1BB遊技では、メダル払出し枚数をカウントし続け、カウント値が上記値になったと判断したときは、当該遊技をもって1BB遊技を終了するように制御する。
このため、特別遊技制御手段68は、MB遊技では、メダル払出し枚数をカウントし続け、カウント値が上記値になったと判断したときは、当該遊技をもってMB遊技を終了する。
RB遊技では、上述した役抽選テーブル62Eを用いて役の抽選を行う。
このため、特別遊技制御手段68は、RB遊技では、役の入賞回数及び遊技回数をカウントし続け、カウント値が上記値になったと判断したときは、当該遊技をもってRB遊技を終了するように制御する。
なお、後述するAT遊技を実行することの決定、及びこれに基づく遊技状態の誘導は、後述するサブ制御手段70(サブ状態制御手段73)によって制御される。
これに対し、メイン制御手段60側のメイン状態制御手段69は、入賞役等に基づいて遊技状態を移行するように制御する。
RT2遊技は、当選した1BB又はRBが入賞するまで継続される。当選した1BBが入賞すると1BB遊技に移行する。また、当選したRBが入賞するとRB遊技に移行する。1BB遊技又はRB遊技が終了すると、非RT遊技に移行する。
ここで、MBの図柄の組合せは、図4に示すように、「RP」−「チェリー」−「ベル」に設定されている。そして、左リール31の「RP」の図柄、中リール31の「チェリー」の図柄、及び右リール31の「ベル」の図柄は、いずれも5図柄以内の間隔で配置されている。このため、MBに当選し、上述したMBテーブルが用いられたときは、常に、当該遊技でMBを入賞させることができる(PB(引込み率)=1)。よって、本実施形態では、MBに当選した遊技でMBが非入賞となり、MBの当選が次遊技に持ち越される場合はない。
また、非RT遊技(かつ非MB遊技)において小役1Aに当選すると、非RT遊技からRT1遊技への移行条件を満たすと判断し、次遊技から、RT1遊技(非MB遊技)に移行する。RT1遊技は、リプレイAが入賞するまで継続される。RT1遊技中(非MB遊技)にリプレイAが入賞したときは、RT1遊技の終了条件を満たすと判断し、次遊技から非RT遊技(非MB遊技)に移行する。
以上のようにして、メイン状態制御手段69は、各遊技状態において、遊技状態の移行条件を満たすか否かを判断し、遊技状態の移行条件を満たすと判断したときは、それぞれ所定の遊技状態に移行するように制御する。
図1において、サブ制御手段70は、演出制御手段71等を備える。
演出制御手段71は、上述したランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23からの演出の出力を制御するものである。
演出制御手段71は、遊技ごとに、遊技の開始時等に、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、ソフトウエア乱数を用いた抽選によって演出を選択し、出力する。
演出には、遊技の進行に伴って、どのようなタイミングで(スタートスイッチ41の操作時や各ストップスイッチ42の操作時等)、どのような演出を出力するか(ランプ21をどのように点灯、点滅又は消灯させるか、スピーカ22からどのようなサウンドを出力するか、及び画像表示装置23にどのような画像を表示させるか等)を定めたものである。
ここで、本実施形態における「報知」は、ストップスイッチ42の押し順に係るものであり、押し順報知の対象として、上述した小役3Aの重複当選時、及びリプレイの重複当選時、MB遊技中が挙げられる。
なお、報知制御手段72によるストップスイッチ42の押し順(遊技者にとって有利な図柄停止態様(入賞役等)となるための押し順)を報知する遊技は、「AT(アシストタイム)遊技」と称される。
なお、非RT遊技のリプレイAの当選確率は1/7.3であるが、RT1遊技のリプレイの合算の当選確率は1/1.5である。このため、リプレイの当選確率だけをみても、RT1遊技は、非RT遊技よりも遊技者に有利となる。
サブ状態制御手段73は、メイン制御手段60から送信されてくる役抽選手段61の役抽選結果が小役1Aの当選であると判断したときは、次遊技から、AT遊技を実行することに決定する。なお、AT遊技の遊技回数を別途抽選で決定してもよいが、一定(例えば100遊技)に設定してもよい。以下の説明では、AT遊技の遊技回数を一定(100遊技)であるものとして説明を行う。
一方、サブ状態制御手段73は、AT遊技中は、報知制御手段72によるストップスイッチ42の押し順報知を継続し、AT遊技が終了すると、押し順報知を終了するように制御する。
AT遊技中の押し順報知は、第1に、小役3Aの重複当選時(非MB遊技中)に、15枚の払出しに係る小役3Aが入賞するストップスイッチ42の押し順を報知する。
第2に、リプレイの重複当選時に、リプレイBを入賞させる押し順を報知する。
MB遊技の第1遊技目では、14枚の払出しとなるように報知を行う。例えば第1遊技目でリプレイの重複当選2(図9中、当選態様Z2)となった遊技では、最初に右ストップスイッチ42を操作すべきことを遊技者に報知する。また、例えば第1遊技目で非当選(当選態様Y)となり、抽選の結果、MB遊技中テーブルY1が選択されたときは、最初に中ストップスイッチ42を操作すべきことを遊技者に報知する。
そして、MB遊技の第1遊技目でメダル払出し枚数が14枚である場合、MB遊技の終了条件である「15枚以上の払出しとなる」を満たさない。よって、次遊技もMB遊技が継続される。
そして、MB遊技の第2遊技目で15枚のメダルが払い出されると、上記のMB遊技の終了条件を満たすので、当該遊技でMB遊技が終了し、次遊技から、非MB遊技であるRT1遊技となる。
14+15−1×2=27(枚)
となる。
さらに、非AT遊技中は、サブ状態制御手段73は、最初に操作すべきストップスイッチ42を左ストップスイッチ42に指定する。この指定に反し、遊技者が、最初に中又は右ストップスイッチ42を操作したときは、当該遊技から(当該遊技を含めて)20遊技間をペナルティ期間に設定し、この期間中に小役1Aに当選してRT1遊技に移行したとしても、AT遊技を実行しないように制御する。
よって、非AT遊技中にMBに当選してMB遊技に移行したとしても、最初に操作するストップスイッチ42を左ストップスイッチ42に制限することができる。
このため、非RT遊技中のMB遊技では、毎遊技、5枚の払出しを受けると仮定すると、このMB遊技(3遊技)での差枚数は、
5×3−1×3=12(枚)
となる。
よって、AT遊技であるか非AT遊技であるかで、差枚数に2倍以上の差がつく。
なお、以下の出玉率の計算においては、1BB及びRBを除いて行う。また、リプレイ入賞時は、3枚の払出しがあるものとする。
先ず、非RT遊技(MB遊技を除く)でのメダル払出し枚数の期待値は、
4×1/300(小役1A)+4×1/200(小役1B)+4×1/80(小役2)+5×9/120×5/6(5枚払出しに係る小役3A)+15×9/120×1/6(15枚払出しに係る小役3A)+9×1/150(小役4)+3×1/7.3(リプレイA)
≒1.05(枚)
となる。
よって、1遊技あたりの差枚数の期待値は、「−1.95」(枚)となる。
1/10×(5×3−3)
=+1.2(枚)
となる。
ゆえに、非RT遊技中のMB遊技を含めた1遊技あたりの差枚数の期待値は、
−1.95+1.2=−0.75(枚)
となる。
よって、出玉率は「0.75」となり、「1」を下回る。
4×1/300(小役1A)+4×1/200(小役1B)+4×1/80(小役2)+15×9/120×1/1(15枚払出しに係る小役3A)+9×1/150(小役4)+3×1/1.5(リプレイA)
≒3.27(枚)
となる。
よって、1遊技あたりの差枚数の期待値は、「+0.27」(枚)となる。
1/10×(29−2)
=+2.7(枚)
となる。
ゆえに、RT1遊技かつAT遊技におけるMB遊技を含めた1遊技あたりの差枚数の期待値は、
+0.27+2.7=+2.97(枚)
となる。
よって、出玉率は「1.99」となり、「1」を上回る。
これにより、仮に1BBやRBを設けないとしても、MBとAT遊技とを利用して、出玉に波を与えることができる。
(1)上記実施形態では、非RT遊技中に小役1Aに当選したときは、常に(100%の確率で)RT1遊技に移行するようにした。しかし、これに限らず、小役1A当選時にRT1遊技に移行するか否かの抽選を行い、この抽選に当選したときはRT1遊技に移行するようにしてもよい。また、特定の役の当選に限らず、非RT遊技中は、RT1遊技に移行するか否かの抽選を毎遊技行い、この抽選に当選したらRT1遊技に移行することも可能である。また、抽選によってRT1遊技に移行する場合において、ペナルティ期間中は、この抽選を行わないようにすればよい。
これに対し、AT遊技では、第1遊技目は14枚の払出しとなる押し順を報知し、第2遊技目は15枚の払出しとなる押し順を報知し、第3遊技目は15枚の払出しとなる押し順を報知すればよい。このようにすれば第2遊技目までの総払出し数は29枚となり、MB遊技の終了条件である30枚に達しないので、第3遊技目も行うことができる。
<付記>
本願の出願当初の請求項に係る発明(当初発明)が解決しようとする課題、当初発明に係る課題を解決するための手段及び当初発明の効果は、以下の通りである。
(a)当初発明が解決しようとする課題
従来のスロットマシンでは、非AT中は、特別役に当選しても、その特別役を入賞させる操作方法(ストップスイッチの押し順)がわからないので、その特別役を容易に入賞させることができない。このため、内部中の状態、すなわち特別役が抽選されない遊技状態が続いてしまうという問題がある。
また、特別役の当選時に、入賞させるための操作方法が報知されない場合であっても、遊技者が自力で特別役を入賞させることが可能となる。この場合には、意図しない出玉の増加につながるという問題がある。
当初発明が解決しようとする課題は、特定の特別役に当選した場合の特別遊技において、非AT中とAT中とで、出玉を変化させることである。
(b)当初発明に係る課題を解決するための手段(なお、かっこ書きで、対応する実施形態を記載する。)
第1の解決手段は、複数種類の図柄を表示した複数のリール(31)と、前記リールを停止させるときに遊技者が操作するストップスイッチ(42)と、遊技者にとって有利となる特別遊技(MB遊技)に移行するための特別役(MB)を含めて役の抽選を行う役抽選手段(61)と、前記役抽選手段による役の抽選結果に基づいて、前記リールを停止制御するリール制御手段(64)と、前記特別遊技中の遊技の進行を制御する特別遊技制御手段(68)とを備え、前記特別遊技では、前記役抽選手段は、特定の役抽選結果Pを複数種類(3種類)有して役の抽選を行い、いずれかの役抽選結果Pとなった遊技では、少なくとも3種類の入賞態様A(14枚の払出しとなる図柄停止態様)、入賞態様B(15枚の払出しとなる図柄停止態様)及び入賞態様C(5枚の払出しとなる図柄停止態様)となる各前記ストップスイッチの押し順が定められ、前記リール制御手段は、前記役抽選手段でいずれかの役抽選結果Pとなった遊技において、入賞態様Aに対応する押し順で前記ストップスイッチが操作されたときは入賞時の遊技媒体の払出し数が「N1」(14枚)となり、入賞態様Bに対応する押し順で前記ストップスイッチが操作されたときは入賞時の遊技媒体の払出し数が「N2」(N2>N1)(15枚)となり、入賞態様A又は入賞態様B以外の押し順で前記ストップスイッチが操作されたときは、遊技媒体の払出し数が「N1」未満(5枚)である入賞態様Cとなるように前記リールを停止制御し、前記特別遊技制御手段は、遊技媒体の払出し数が「N2」(15枚)に達したときは、前記特別遊技を終了するように制御し、前記特別遊技において、最初にいずれかの役抽選結果Pとなった遊技では入賞態様Aとなる押し順を報知し、次にいずれかの役抽選結果Pとなった遊技では入賞態様Bとなる押し順を報知する報知制御手段(72)を備えることを特徴とする。
第2の解決手段は、第1の解決手段において、前記報知制御手段は、所定の条件(報知を開始する条件)を満たしたときは、報知を終了する条件(所定遊技回数又は所定報知回数の消化等のAT遊技の終了条件)を満たすまで、前記特別遊技でいずれかの役抽選結果Pとなったときに入賞態様A又は入賞態様Bとなる押し順を報知することに決定し、前記特別遊技でいずれかの役抽選結果Pとなったときに押し順が報知されないときは、前記特別遊技を含む出玉率(MB遊技を含む非RT遊技。1BB遊技及びRB遊技を除く。以下同じ。)が「1」を下回るように設定されており、前記特別遊技でいずれかの役抽選結果Pとなったときに押し順が報知され、入賞態様A及び入賞態様Bとなる遊技を介して前記特別遊技を終了するときは、前記特別遊技を含む出玉率が「1」を上回るように設定されていることを特徴とする。
第3の解決手段は、第1又は第2の解決手段において、前記特別遊技で押し順が報知されない遊技において、前記ストップスイッチが特定の押し順以外の押し順で操作されたときは、遊技者に対してペナルティ(報知を開始する条件を満たした場合であってもペナルティ期間は報知を行わないこと等)を付与するように制御し、前記特別遊技で押し順が報知された遊技であって、報知された押し順が前記特定の押し順以外の押し順である場合は、その押し順で前記ストップスイッチが操作されたときであっても遊技者に対してペナルティを付与しないように制御し、前記特別遊技(非RT遊技中にMB遊技に移行した場合)では、前記特定の押し順(最初に左ストップスイッチ42を操作した場合)以外の押し順で入賞態様A又は入賞態様Bとなる割合が多くなるように設定することを特徴とする。
第4の解決手段は、第1〜第3の解決手段において、役抽選結果Pは、遊技者に再遊技の権利を与える複数種類のリプレイの重複当選であり、入賞態様A、入賞態様B及び入賞態様Cは、いずれも、少なくとも1つの小役が入賞する態様であり、入賞する小役の種類、又は小役に対応する図柄の組合せが停止する有効ライン数の少なくとも一方を異ならせることで、入賞態様A、入賞態様B及び入賞態様Cに係る遊技媒体の払出し数を異ならせるように制御することを特徴とする。
第5の解決手段は、第1〜第3の解決手段において、遊技状態として、遊技状態S1(非RT遊技)と、前記報知制御手段による押し順の報知を行う機会が遊技状態S1よりも多く設定された遊技状態S2(RT1遊技)とを備え、前記役抽選手段は、遊技状態S1のときに前記特別遊技に移行したときは、その特別遊技では、所定役(リプレイAの単独当選)の抽選を行い、前記リール制御手段は、遊技状態S1のときに移行した前記特別遊技で前記所定役に当選したときは、前記ストップスイッチの押し順にかかわらず、「N1」未満(5枚)の遊技媒体の払出しが行われる小役(小役3A)が入賞するように前記リールを停止制御することを特徴とする。
第6の解決手段は、第1〜第5の解決手段において、前記リール制御手段は、前記役抽選手段で前記特別役に当選したときは、他の役に当選していないことを条件に、前記ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず常に前記特別役が入賞するように前記リールを停止制御することで、前記特別役の当選を次遊技以降に持ち越さないように制御し、前記特別遊技で入賞態様A又は入賞態様Bとなる押し順で前記ストップスイッチが操作されたときは、前記ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず常に入賞態様A又は入賞態様Bとなるように前記リールを停止制御することを特徴とする。
(作用)
当初発明においては、入賞態様A又は入賞態様Bとなる押し順の報知が行われる特別遊技では、遊技媒体の払出し数を最大限として特別遊技を終了することができる。
これに対し、押し順の報知が行われない特別遊技では、遊技者は入賞態様A又は入賞態様Bとなる押し順を知ることができないので、入賞態様Cとなる場合がある。よって、押し順の報知が行われる特別遊技に対して、押し順の報知が行われない特別遊技では、差枚数が少なくなる。
なお、第1の解決手段における「特定の役抽選結果P」とは、実施形態では、非RT遊技中のMB遊技においては、役の非当選時(全小役のフラグがオン)の場合であり、RT1遊技中のMB遊技においては、リプレイの重複当選時(当選した複数のリプレイ及び全小役のフラグがオン)又は役の非当選時(全小役のフラグがオン)の場合である。
(c)当初発明の効果
当初発明によれば、押し順の報知を行う特別遊技では、押し順の報知を行わない特別遊技よりも、出玉を増加させることができる。
また、特別遊技中に押し順の報知に基づいて出玉を変化させるので、当選した特別役を持ち越す必要がなくなる。このため、特別役に当選したときに当該遊技で特別役を入賞させることも可能となる。
11 表示窓
21 ランプ
22 スピーカ
23 画像表示装置
31 リール
32 モータ
40 ベットスイッチ
41 スタートスイッチ
42 ストップスイッチ
43 メダル投入口
60 メイン制御手段(遊技制御手段)
61 役抽選手段
62(62A〜62F) 役抽選テーブル
63 当選フラグ制御手段
63a 当選フラグ
64 リール制御手段
64a 押し順検出手段
65 停止位置決定テーブル
66 停止図柄判断手段
67 払出し手段
68 特別遊技制御手段
69 メイン状態制御手段
70 サブ制御手段
71 演出制御手段
72 報知制御手段
73 サブ状態制御手段
L1〜L4 有効ライン(図柄組合せライン)
Claims (1)
- 複数種類の図柄を表示した複数のリールと、
前記リールを停止させるときに遊技者が操作するストップスイッチと、
遊技者にとって有利となる特別遊技に移行するための特別役及び遊技者に再遊技を行わせるリプレイを含めて役の抽選を行う役抽選手段と、
前記役抽選手段による役の抽選結果に基づいて、前記リールを停止制御するリール制御手段と、
前記特別遊技中の遊技の進行を制御する特別遊技制御手段と
を備え、
前記特別遊技では、前記役抽選手段により前記リプレイに関する抽選が行われるとともに、前記役抽選手段による役の抽選結果に基づいて、少なくとも2種類の入賞態様A及び入賞態様Bとなる各前記ストップスイッチの押し順が定められ、
前記リール制御手段は、入賞態様Aに対応する押し順で前記ストップスイッチが操作されたときは入賞時の遊技媒体の払出し数が「N1」となり、入賞態様Bに対応する押し順で前記ストップスイッチが操作されたときは入賞時の遊技媒体の払出し数が「N2」(N2>N1)となるように前記リールを停止制御し、
前記特別遊技制御手段は、遊技媒体の払出し数が「N1」より多い所定数に達したときは、前記特別遊技を終了するように制御し、
前記特別遊技において前記ストップスイッチの押し順を報知する報知制御手段を備える
ことを特徴とするスロットマシン。
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