JP2015145446A - 熱カチオン重合性組成物、異方導電性フィルム、接続構造体の製造方法及び接続構造体 - Google Patents

熱カチオン重合性組成物、異方導電性フィルム、接続構造体の製造方法及び接続構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】十分な保存安定性を有するとともに、接着界面での浮きの抑制、接着強度及び導電粒子補足効率の観点からバランスが良好な熱カチオン重合性組成物を提供することを目的とする。【解決手段】熱カチオン重合性組成物は、所定の一般式(1)で表される化合物Aと所定の一般式(2)で表される化合物Bとを含む熱カチオン重合開始剤と、バインダ成分と、を含有し、前記化合物Aと前記化合物Bとの合計質量に対する前記化合物Aの質量の比が、0.5以上0.995以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、熱カチオン重合性組成物、異方導電性フィルム、接続構造体の製造方法及び接続構造体に関する。
回路基板に電子部品を実装する際に、絶縁性樹脂組成物に導電粒子を分散させて得た異方性導電接着剤がペーストやフィルムの形態で広く使用されている。ガラス基板としてアルカリガラス基板を使用した場合や回路基板としてポリイミドパッシベーション膜が接続端子の周囲に形成された回路基板を使用した場合や、接続端子の周囲にポリイミドパッシベーション膜が形成された電子部品を使用した場合、接着界面での浮きや、接着強度の著しい低下が起こるだけでなく、接続の際の対向する接続端子間における導電粒子捕捉効率も低下する。このような問題に対する異方性導電性フィルムとして、有機ホウ素化合物を含有することを特徴とする熱カチオン重合性組成物及びこの熱カチオン重合性組成物に、導電粒子を分散させてなる異方性導電接着フィルムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−43898号公報
ここで、特許文献1に記載の技術では、接着界面での重合阻害の抑制が十分ではなく、接着界面での浮きを十分に抑制し、接着強度を十分に良好なものとし、さらに導電粒子を更に配合して作成した異方性導電接着フィルムで異方性導電接続した際の対向する接続端子間における導電粒子捕捉効率を十分に良好なものとすることができていない。
本発明は、上記の従来技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、十分な保存安定性を有するとともに、接着界面での浮きの抑制、接着強度及び導電粒子補足効率の観点からバランスが良好な熱カチオン重合性組成物を提供することを目的とする。また、上記熱カチオン重合性組成物を適用した異方性導電接着フィルムを提供することを目的とする。
また、本発明者らは、所定の構造を有する化合物を含む熱カチオン重合性組成物を用いることでそれらの問題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、下記のとおりである。
[1]
下記一般式(1)で表される化合物Aと下記一般式(2)で表される化合物Bとを含む熱カチオン重合開始剤と、
バインダ成分と、
を含有し、
前記化合物Aと前記化合物Bとの合計質量に対する前記化合物Aの質量の比が、0.5以上0.995以下である、熱カチオン重合性組成物。


Figure 2015145446
Figure 2015145446
(上記一般式(1)及び一般式(2)中、R2、R3、R4は各々独立して、水素、アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アラルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基等、アルキル基、アラルキル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アラルキルカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アラルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールチオカルボニル基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、複素環式炭化水素基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基及びニトロ基からなる群より選ばれる基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Xは1〜5の整数を表す。nは0〜3の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、nとmはn+m≦4を満たす。R1は1価のアニオンになりうる原子団を表す。)
[2]
前記R3が、アルキル基である、[1]に記載の熱カチオン重合性組成物。
[3]
前記R4が、アラルキル基、又はβ位に不飽和基を有するアルキル基である、[1]又は[2]に記載の熱カチオン重合性組成物。
[4]
前記R2が、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、メトキシ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ボロン酸、リン酸、メトキシカルボニル、ヒドロキシメチル基、リン酸ジメチル基、イソブチロ基、イソチオシアネート基、チオウレア基、ニトロ基、トリフルオロ基、アセチル基、カルボニルヒドラジド基、メチルアミノ基、テトラメチルジオキソボラン基及びプロピオン酸基からなる群より選ばれる基である、[1]〜[3]のいずれかに記載の熱カチオン重合性組成物。
[5]
前記R1が、SbY6 -、PY6 -、AsY6 -、BY4 -及びCY3SO3 -(ここで、上記YはF、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも1つである)、からなる群より選ばれる1つである、又は下記一般式(3)である、[1]〜[4]のいずれかに記載の熱カチオン重合性組成物。
Figure 2015145446
(上記一般式(3)中、Y’は水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表し、当該Y’の少なくとも一つはハロゲン原子である。)
[6]
[1]〜[5]のいずれかに記載の熱カチオン重合性組成物と、
前記熱カチオン重合性組成物に分散される導電粒子と、
を有する、異方性導電接着フィルム。
[7]
第1電子部品の端子と第2電子部品の端子とが異方性導電接続された構成を有する接続構造体の製造方法であって、
(A)前記第1電子部品の端子上に[6]に記載の異方性導電接着フィルムを仮貼りする工程と、
(B)前記第2電子部品の端子が前記第1電子部品の対応する端子と対向するように、前記異方性導電接着フィルム上に当該第2電子部品を仮配置する工程と、
(C)押圧手段を用いて前記第2電子部品に対して加圧するとともに加熱手段を用いて加熱することにより、前記第1電子部品の端子と当該第2電子部品の端子とを異方性導電接続する工程と、
を有する、接続構造体の製造方法。
[8]
[7]に記載の接続構造体の製造方法により得られる、接続構造体。
本発明の熱カチオン重合性組成物は、十分な保存安定性を有するとともに、接着界面での浮きの抑制、接着強度及び導電粒子補足効率のいずれにおいても良好な物性を有する。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と略記する。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態の熱カチオン重合性組成物は、下記一般式(1)で表される化合物Aと下記一般式(2)で表される化合物Bとを含む熱カチオン重合開始剤と、バインダ成分と、を含有し、化合物Aと前記化合物Bとの合計質量に対する前記化合物Aの質量の比が、0.5以上0.995以下である。このように構成されているため、本実施形態の熱カチオン重合性組成物は、十分な保存安定性を有するとともに、接着界面での浮きの抑制、接着強度及び導電粒子補足効率のいずれにおいても良好な物性を有する。すなわち、本実施形態の熱カチオン重合性組成物は、化合物A及び化合物Bを含む熱カチオン重合性組成物を用いることにより、接着界面での重合阻害が抑制される。その結果、接着界面での浮きの発生や接着強度の低下が抑制され、しかも、導電粒子を更に配合して作成した異方性導電接着フィルムで異方性導電接続した際の対向する接続端子間における導電粒子捕捉効率の低下を抑制することができる。
Figure 2015145446
Figure 2015145446
上記一般式(1)及び一般式(2)中、R2、R3、R4は各々独立して、水素、アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アラルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基等、アルキル基、アラルキル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アラルキルカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アラルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールチオカルボニル基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、複素環式炭化水素基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基及びニトロ基からなる群より選ばれる基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Xは1〜5の整数を表す。nは0〜3の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、nとmはn+m≦4を満たす。R1は1価のアニオンになりうる原子団を表す。
[熱カチオン重合開始剤]
上述のとおり、本実施形態における熱カチオン重合開始剤は、上記一般式(1)で表される化合物Aと、上記一般式(2)で表される化合物Bと、を含み、当該化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比が0.5以上0.995以下である。本実施形態における熱カチオン重合開始剤は、このように構成されているため、エポキシ系樹脂組成物の防食効果を確保しつつ、優れた低温硬化性、保存安定性を有し、少量でも硬化性を発揮することができる。同様の観点から、上記の比は、好ましくは0.6以上0.99以下であり、より好ましくは0.7以上0.985以下である。上記質量比が0.995以下であることにより、スルホニウム塩の拡散性が低下することで重合性化合物を含む組成物中にスルホニウム塩が残存しやすくなり硬化性が低下する、という不都合を効果的に防止できる。また、上記質量比が0.5以上であることにより、熱カチオン重合の阻害を抑制し、その結果、熱カチオン重合性組成物の硬化が不十分となり、接着界面での浮きの発生、接着強度の低下、異方性導電接続の際の対向する接続端子間における導電粒子捕捉効率の低下を抑制しながら、より優れた保存安定性を確保することができる。このメカニズムは明らかではないが、次のように考えることができる。すなわち、化合物Bの比率が増加すると、1分子内にR4を複数含む構造が増えることにより、スルホニウム基に対して、R4を含む部分の立体障害が大きくなり、カチオンが発生しやすい傾向にあると考えられる。R4を複数含む構造は共鳴構造が大きくなるために安定なカチオンを生成し、従来であれば硬化阻害により失活したカチオンが、上記の場合は失活しにくい傾向にあるためである。
本実施形態における化合物A及び化合物Bの質量比は、LC−MS分析により同定される各ピークに基づいて特定することができる。より詳細には、LCによる面積比はJIS K0124により求めることができる。より具体的には、R4がナフチル基の場合を例にすると、MSスペクトルにおける検出イオンm/zが140異なるピークから、それぞれ化合物A及び化合物Bの各ピークを同定することができる。
(LC測定)
化合物Aと化合物Bとの質量比率Xは、HPLCで観測されるピークの面積の比率(%)から次の計算式により求めることができる。化合物A及び化合物BのLCのピークは、それぞれマススペクトルを測定することにより行うことができる。各ピークの面積は、各ピークに対して直線のベースラインを引き、ベースラインとピークによって囲まれる面積で近似できる。すなわち、Xは次式により求めることができる。
X=(化合物Aの面積の比率%)/(化合物Aの面積の比率%+化合物Bの面積の比率%)
LCはWaters社製高速液体クロマトグラフィー UPLC H Class〔カラム:Waters社製 CSH C18(カラム寸法2.1mmI.D.×50mm)、溶離液:アセトニトリル/0.1質量%ギ酸水溶液=0/100を20分で100/0にするグラジエント分析、流速:0.2mL/min、検出器:PDA(UV280nm)、温度40℃、試料濃度0.5質量%、インジェクション量:1μL、ピーク面積の解析ソフト:Waters社Empower〕により測定することができる。
本実施形態の熱カチオン重合開始剤に含まれる化合物A、化合物Bの化学構造は、それぞれ一般的な分析手法(例えば、1H−核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトル及び/又は元素分析等)によって同定することができる。
上記一般式(2)のより詳細な例としては、下記の一般式(2−1)〜(2−12)を挙げることができる。
Figure 2015145446
上記の一般式(2−1)〜(2−12)におけるR1〜R4、x、m、nは、それぞれ前述と同様である。なお、本実施形態における化合物Bは、上記の一般式(2−1)〜(2−12)に限定されるものではない。
本実施形態において、スルホニウム化反応の収率をより向上させる観点から、上記R3がアルキル基であることが好ましい。そのようなR3の例としては、アルキル基としては、炭素数1〜18の直鎖アルキル基(メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル及びn−オクタデシル等)、炭素数1〜18の分枝鎖アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、イソヘキシル及びイソオクタデシル)、炭素数3〜18のシクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及び4−デシルシクロヘキシル等)等が挙げられる。上記した中でも、立体障害の観点から、メチル基、エチル基、n―プロピル、イソプロピル基がより好ましい。
本実施形態におけるR2の例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、メトキシ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ボロン酸、リン酸、メトキシカルボニル、ヒドロキシメチル基、リン酸ジメチル基、イソブチロ基、イソチオシアネート基、チオウレア基、ニトロ基、トリフルオロ基、アセチル基、カルボニルヒドラジド基、メチルアミノ基、テトラメチルジオキソボラン基、プロピオン酸基が挙げられ、それらを組み合わせてもよい。また、R2の位置はオルト位、メタ位、パラ位のいずれでもよい。また、合成プロセスの容易性の観点から、上記R2がカルボキシル基、アミノ基、水酸基、メトキシ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ボロン酸、リン酸、メトキシカルボニル、ヒドロキシメチル基、リン酸ジメチル基、イソブチロ基、イソチオシアネート基、チオウレア基、ニトロ基、トリフルオロ基、アセチル基、カルボニルヒドラジド基、メチルアミノ基、テトラメチルジオキソボラン基及びプロピオン酸基からなる群より選ばれる基であることが好ましい。中でも、芳香環への電子供与性、電子吸引性の観点から、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、メトキシ基、フッ素、水素、アミノ基が好ましい。
本実施形態におけるR4は、発生カチオンの共役の観点から、アラルキル基、又はβ位に不飽和基を有するアルキル基が好ましい。アラルキル基としては炭素数6〜10のアリール基で置換されている低級アルキル基(ベンジル、2−メチルベンジル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル等)等が挙げられる。R4の例としてはトリフェニルメチル基、ジフェニルメチル基、(1,2−ジフェニルエタン)メチル基、o−/m−/p−ニトロベンジル基、メトキシベンジル基、メチルベンジル基、(安息香酸エチル)メチル基、(安息香酸メチル)エチル基、(安息香酸メチル)メチル基、(安息香酸エチル)エチル基、(トリフルオロメチル)ベンジル基、シアノベンジル基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、テトラメチルベンジル基、ビス(トリフルオロメチル)ベンジル基、4−メトキシ−3−メチルベンジル基、トリメトキシベンジル基、ジメトキシベンジル基、メチルスルホニルベンジル基、4−メチル−ナフチル基、α―ナフチルメチル基、β−ナフチルメチル基、メチルスチリル基、アントラセンメチル基、フルオレンメチル基、4−メトキシトリチル基、メチルビフェニル基、ベンジル基である。中でも立体障害の観点から、α−ナフチルメチル基、2−メチルベンジル基、プロパルギル基、ブテン基がより好ましい。
本実施形態において、酸性度の観点から、上記R1がSbY6 -、PY6 -、AsY6 -、BY4 -及びCY3SO3 -(ここで、上記YはF、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも1つである)、からなる群より選ばれる1つである、又は下記一般式(3)であることが好ましい。
Figure 2015145446
(上記一般式(3)中、Y’は水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表し、当該Y’の少なくとも一つはハロゲン原子である。)
より具体的には、好ましいR1として、SbF6 -、PF6 -、AsF6 -、BF4 -、SbCl6 -、ClO4 -、CF3SO3 -、CH3SO3 -、FSO3 -、F2PO2 -、p−トルエンスルフォネート、カンファースルフォネート、テトラフェニルボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(4−フルオロフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロ基等を挙げることができる。上記ボレート化合物のカチオン部分は、リチウムカチオン又はナトリウムカチオンであることが好ましく、ナトリウムカチオンであることがより好ましい。
本実施形態における化合物A、B(スルホニウム塩)は、カチオン(酸)発生剤として好適である。本明細書において、「カチオン発生剤」とは、加熱又はエネルギー照射によりその化学構造が分解し、カチオン(酸)を発生するものをいう。発生した酸は、重合性化合物の硬化反応等の触媒として使用することができる。
本実施形態における酸発生剤は、本実施形態における化合物A、B(スルホニウム塩)をそのまま使用してもよいし、これに他の酸発生剤を含有させて使用してもよい。他の酸発生剤を含有する場合、他の酸発生剤の含有量(質量部)は、本実施形態におけるスルホニウム塩の総モル数に対して、1〜100質量部が好ましく、さらに好ましくは5〜50質量部である。他の酸発生剤としては、オニウム塩(スルホニウム、ヨードニウム、セレニウム、アンモニウム、ホスホニウム等)並びに遷移金属錯体イオンと、アニオンとの塩等の従来公知のものが含まれる。
本実施形態における熱カチオン重合開始剤は、すなわち、酸発生剤としての機能を有する。上記酸発生剤は、後述するカチオン重合性化合物への溶解を容易にするため、あらかじめ溶剤及び/又はカチオン重合性化合物に溶かしておいてもよい。
上記溶剤としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネートなどのカーボネート類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、及びジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル、又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;蟻酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類等が挙げられる。
溶剤を使用する場合、溶剤の使用割合は、本実施形態における熱カチオン重合開始剤(酸発生剤)100質量部に対して、15〜1000質量部が好ましく、さらに好ましくは30〜500質量部である。使用する溶媒は、単独で使用してもよく、又は2種以上を併用してもよい。
[熱カチオン重合開始剤の製造方法]
本実施形態の熱カチオン重合開始剤の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、以下の反応式1〜3に従って製造することができる。なお、反応式1〜3中におけるR1〜R4、x、m、nは前述した定義と同一である。また、Zはハロゲンを表し、AgZはアルカリ金属カチオンとハロゲンアニオンとの塩を表す。さらにまた、Y1はアルカリ金属イオン(Li、Na、K)を表す。
Figure 2015145446
Figure 2015145446
Figure 2015145446
反応式1中で、AgZはイオン半径の大きいアニオンを有するAg化合物であることが好ましい。反応式1に示す態様では、銀化合物及び硫黄化合物を溶媒に溶解あるいは分散し、その溶液にメチレン基を有する化合物を混合する。次いで、得られた混合物からAgZを除去して、Y11を混合する。得られた混合物を脱塩し、有機溶媒層を分液した後、有機溶媒を留去することにより化合物A、B(スルホニウム塩)を得ることができる。
反応式2に示す態様では、水銀化合物及び硫黄化合物を溶媒に溶解あるいは分散し、その溶液にメチレン基を有する化合物を混合する。得られた混合物にY11を混合する。得られた混合物を脱塩し、有機溶媒層を分液した後、有機溶媒を留去することにより化合物A、B(スルホニウム塩)を得ることができる。
反応式3に示す態様では、同式に示すスルフィドをジクロロメタン等の有機溶媒に溶解あるいは分散し、その溶液にアルキル化剤(Meerwein試薬)を等モル量で混合し、得られた2層系混合物を20〜80℃の温度で1〜3時間撹拌する。次いで、スルホニウムハライドとフッ素化アルキルリン酸アニオンとアルカリ金属カチオンとの塩を反応させ、有機溶媒層を分液した後、有機溶媒を留去することにより化合物A、B(スルホニウム塩)を得ることができる。
上記反応式1〜3の反応は、必要により有機溶媒(ヘキサン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エタノール、アセトン等)中で行ってもよい。反応温度は、0〜120℃程度とすることができる。反応時間は、1〜数十時間程度とすることができる。
第2段目の反応は、第1段目の反応に引き続いて行ってもよいし、反応中間体を単離(必要に応じて精製)してから行ってもよい。反応中間体を混合・撹拌して、複分解反応を行い、析出する固体をろ別するか、又は分離した油状物を有機溶媒で抽出して有機溶媒を除去することにより、本実施形態のスルホニウム塩が固体あるいは粘稠な液体として得られる。得られる固体又は粘稠液体は必要に応じて適当な有機溶媒で洗浄するか、再結晶法もしくはカラムクロマトグラフィー法により精製することができる。
本実施形態の熱カチオン重合性組成物に含まれるバインダ成分は、フィルム形成性を向上させる役割を果たすものである。上記バインダ成分としては、以下に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールAビスフェノールF混合型フェノキシ樹脂、ビスフェノールAビスフェノールS混合型フェノキシ樹脂、フルオレン環含有フェノキシ樹脂、カプロラクトン変性ビスフェノールA型フェノキシ樹脂等のフェノキシ樹脂等を挙げることができる。
本実施形態の熱カチオン重合性組成物は、有機ホウ素化合物を含むものとすることができる。上記有機ホウ素化合物の含有量は、有機ホウ素化合物の種類にもよるが、熱カチオン重合性組成物の重合物の接着強度と導電粒子捕捉効率とを十分に確保する観点、接着界面に浮きの発生を十分に抑制する観点及び熱カチオン重合性組成物の十分な成膜性を確保する観点から、バインダ成分100質量部に対し、好ましくは0.05〜10質量部、より好ましくは0.5〜10質量部である。
本実施形態の熱カチオン重合性組成物を構成するバインダ成分として含まれうるカチオン重合性化合物としては、以下に限定されないが、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物、環状スルフィド化合物、環状アミン化合物、有機ケイ素環状化合物等が挙げられる。中でも、硬化性と保存安定性とのバランスの点からエポキシ化合物を好ましく使用することができる。
エポキシ化合物としては、分子中に1個以上のエポキシ基又はグリシジル基を含有するモノマー、オリゴマー又はポリマーであり、以下に限定されないが、例えば、液状又は固体状のビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物等を使用することができる。
オキセタン化合物(オキセタン環を1分子内に1個以上有する化合物)としては、以下に限定されないが、例えば、3,3−ビス(ビニルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(ヒドロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−[(フェノキシ)メチル]オキセタン、3−エチル−3−(ヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(クロロメチル)オキセタン、3,3‐ビス(クロルメチル)オキセタン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、ビス([1−エチル(3−オキセタニル)]メチル)エーテル、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビシクロヘキシル、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]シクロヘキサン、1,4−ビス([(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル)ベンゼン、3−エチル−3([(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル)オキセタン等を挙げることができる。
ビニルエーテル化合物の中でも、ビニルエーテル基を1分子内に1個有する化合物としては、以下に限定されないが、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシイソプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、1−メチル−3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、1−メチル−2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、1−ヒドロキシメチルプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールモノビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,3−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,2−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、p−キシレングリコールモノビニルエーテル、m−キシレングリコールモノビニルエーテル、o−キシレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、テトラエチレングリコールモノビニルエーテル、ペンタエチレングリコールモノビニルエーテル、オリゴエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ジプロピレングリコールモノビニルエーテル、トリプロピレングリコールモノビニルエーテル、テトラプロピレングリコールモノビニルエーテル、ペンタプロピレングリコールモノビニルエーテル、オリゴプロピレングリコールモノビニルエーテル、ポリプロピレングリコールモノビニルエーテル等、及びこれらの誘導体等を挙げることができる。また、ビニルエーテル化合物の中でも、ビニルエーテル基を1分子内に2個以上有する化合物としては、以下に限定されないが、例えば、イソソルバイトジビニルエーテル、オキシノルボルネンジビニルエーテル、ハイドロキノンジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等、及びこれらの誘導体等を挙げることができる。
環状スルフィド化合物、としては、以下に限定されないが、例えば、2,5−ビス(メルカプトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,6−ビス(メルカプトメチル)テトラヒドロチオピラン、3,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−オキサチアン、2,4−ビス(メルカプトメチル)−1,3−オキサチオラン、2,4−ビス(メルカプトメチル)−1,3−ジチオラン、2,6−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン等が挙げられる。
環状アミン化合物、としては、以下に限定されないが、例えば、エチレンイミン、オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2,4,5−トリメチル−3−オキサゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、5−フェニル−2−オキサゾリン−2−アミン、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)等が挙げられる。
有機ケイ素環状化合物としては、以下に限定されないが、例えば、1,3−オキサチオラン−2−チオン等が挙げられる。
熱カチオン重合開始剤の熱カチオン重合性組成物中の含有量は、目的に応じて適宜設定することができるが、十分な硬化速度ないし十分な硬化特性を確保する観点及び十分なフィルム成形性を確保して異方性導電フィルムとしてより好適に使用する観点から、熱カチオン重合性化合物100質量部に対し、好ましくは5〜30質量部、より好ましくは5〜20質量部である。
本実施形態の熱カチオン重合性組成物を構成するバインダ成分として含まれうる成膜用樹脂は、重合性組成物のフィルム化に寄与する成分である。このような成膜用樹脂としては、公知の異方性導電接着フィルム(ACF)や絶縁性接着フィルム(NCF)に用いられている成膜用樹脂を適用することができ、以下に限定されないが、例えば、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂等を挙げることができ、これらの2種以上を併用することができる。これらの中でも、成膜性、加工性、接続信頼性の観点から、フェノキシ樹脂を好ましく使用することができる。
本実施形態の熱カチオン重合性組成物における成膜用樹脂の含有量は、フィルム形成能を十分に確保する観点及び有機溶媒への溶解を十分に確保してフィルム調整を良好なものとする観点から、熱カチオン重合性化合物100質量部に対し、好ましくは20〜80質量部、より好ましくは30〜70質量部である。
本実施形態の熱カチオン重合性組成物は、被接着面に対する密着強度を向上させるために、バインダ成分の一つとしてシランカップリング剤を含有することが好ましい。シランカップリング剤としては、以下に限定されないが、例えば、エポキシ系シランカップリング剤、アクリル系シランカップリング剤等を挙げることができる。これらのシランカップリング剤は、分子中に1〜3の低級アルコキシ基を有するアルコキシシラン誘導体であり、分子中にカチオン重合性化合物の官能基に対して反応性を有する基、例えば、ビニル基、スチリル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基等を有していてもよい。
シランカップリング剤の熱カチオン重合性組成物における含有量は、基材への接着性を十分に確保する観点及び十分な硬化特性を確保する観点から、熱カチオン重合性化合物100質量部に対し、好ましくは1〜20質量部、より好ましくは1〜10質量部である。
本実施形態の熱カチオン重合性組成物には、異方性導電接着剤として機能させるために、公知の異方性導電接着剤に配合されている導電粒子を配合することができる。上記導電粒子としては、以下に限定されないが、例えば、粒径1〜50μmのニッケル、コバルト、銀、銅、金、パラジウムなどの金属粒子、金属被覆樹脂粒子などが挙げられる。これらは単独で使用でき、2種以上を併用することもできる。
本実施形態の熱カチオン重合性組成物に導電粒子を配合する場合、熱カチオン重合性組成物中のその配合量は、異方性導電接続をより良好なものとする観点から、好ましくは、バインダ成分100質量部に対し、好ましくは1〜50質量部、より好ましくは1〜30質量部である。
本実施形態の熱カチオン重合性組成物は、必要に応じて充填剤、酸化防止剤、軟化剤、着色剤(顔料、染料)、有機溶剤、イオンキャッチャー剤などを配合することができる。
充填剤としては、以下に限定されないが、例えば、フュームドシリカ、微粒子シリカ、けい石、珪藻土類、クレー、カオリン、珪藻土、シリカゲル、珪酸カルシウム、セリサイト、カオリナイト、フリント、長石粉、蛭石、アタパルジャイト、タルク、マイカ、ミネソタイト、パイロフィライト、シリカ等の珪酸系無機添加剤;ガラス繊維、炭酸カルシウム等が挙げられる。
酸化防止剤としては、以下に限定されないが、例えば、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、亜リン酸系酸化防止剤、ベンゾイミダゾール系酸化防止剤などが挙げられる。
上記アミン系酸化防止剤としては、以下に限定されないが、例えば、アミン−ケトン系酸化防止剤、芳香族第二級アミン、チオウレア、有機チオ酸、及び、ジチオカルバミン酸系酸化防止剤等が挙げられる。
アミン−ケトン系酸化防止剤としては、以下に限定されないが、例えば、2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリン重合体、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリン、ジフェニルアミンとアセトンとの反応物、アニリンとアセトンとの反応物等が挙げられる。
芳香族第二級アミンとしては、以下に限定されないが、例えば、オクチル化ジフェニルアミン、ジ−tert−ブチル−ジフェニルアミン等のアルキル化ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(=4,4’−ジクミル−ジフェニルアミン)、スチレン化ジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−メチレン−ビス−アクリルアミド、及び、フェノチアジン誘導体等が挙げられる。
チオウレアとしては、以下に限定されないが、例えば、1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チオ尿素、トリブチルチオ尿素、R12NC(=S)NR34で表されるチオ尿素誘導体(R1〜R4は、水素、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基若しくはジアルキルアミノ基で置換されたアルキル基、シクロアルキル基及びフェニル基から選ばれる)が挙げられる。
チオ尿素誘導体としては、以下に限定されないが、例えば、1,3−ジエチル−2−チオ尿素、1,3−ジブチル−2−チオ尿素、1−メトキシプロピル−3−オキシジエチレン−2−チオ尿素、1−n−ブチル−3−オキシジエチレン−2−チオ尿素、エチレンチオ尿素(2−メルカプトイミダゾリン)、1−メトキシプロピル−3−ブチル−2−チオ尿素、1−ジメチルアミノプロピル−3−ブチル−2−チオ尿素、1−メトキシプロピル−3−シクロヘキシル−2−チオ尿素、1−ジメチルアミノプロピル−3−フェニル−2−チオ尿素、1−ジエチルアミノプロピル−3−オキシジエチレン−2−チオ尿素、1−メトキシプロピル−3,3−ジブチル−2−チオ尿素、1−ジメチルアミノピロピル−3,3−ジイソプロピル−2−チオ尿素、1−ジエチルアミノプロピル−3−メチル−3−シクロヘキシル−2−チオ尿素、1−メトキシプロピル−3−フェニル−3−シクロヘキシル−2−チオ尿素等が挙げられる。
有機チオ酸としては、以下に限定されないが、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル等が挙げられる。
ジチオカルバミン酸系酸化防止剤としては、以下に限定されないが、例えば、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等が挙げられる。
上記フェノール系酸化防止剤としては、以下に限定されないが、例えば、モノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、ポリフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。
モノフェノール系酸化防止剤としては、以下に限定されないが、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、(α−メチルベンジル)フェノール、ジ(α−メチルベンジル)フェノール、トリ(α−メチルベンジル)フェノール、スチレン化フェノール等が挙げられる。
ビスフェノール系酸化防止剤としては、以下に限定されないが、例えば、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、p−クレゾールとジシクロペンタジエンのブチル化反応物、4,4’−チオ−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)等の2,2’−メチレン−ビス(4−アルキル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス[6−(1−メチルシクロヘキシル−p−クレゾール)]、及び、2,2’−ジハイドロキシ−3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチルジフェニルメタン等が挙げられる。
ポリフェノール系酸化防止剤としては、以下に限定されないが、例えば、2,5−ジ−tert−アミルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン等の2,5−ジ−tert−アルキルハイドロキノン等が挙げられる。
上記亜リン酸系酸化防止剤としては、以下に限定されないが、例えば、亜リン酸トリス(ノニルフェニル)等が挙げられる。
上記ベンゾイミダゾール系酸化防止剤としては、以下に限定されないが、例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール等が挙げられる。
軟化剤としては、以下に限定されないが、例えば、DOP(フタル酸ジオクチル)、DINP(フタル酸ジイソノニル)、DINA(アジピン酸ジイソノニル)、DBP(フタル酸ジブチル)、TOTM(トリメリット酸トリ2−エチルヘキシル)、DIDP(フタル酸ジイソデシル)等の二塩基酸エステル;液状ポリイソブチレン、液状イソプレン、液状ブテン等の液状ゴム;芳香族系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、パラフィン系オイル、ひまし油、トール油などの一般的な軟化剤が使用できる。
着色剤としては、以下に限定されないが、例えば、公知慣用の顔料、分散染料等がいずれも使用できる。また、必要に応じてこれらを併用し、用いることもできる。
顔料には、主に無機顔料、有機顔料、体質顔料等があり、本実施形態では、いずれの顔料も用いることができる。また、それらの顔料は組み合わせることも可能であり、例えば、有機顔料中に体質顔料を加えてインクジェット用水系着色分散液を調製することも可能である。
無機顔料としては、以下に限定されないが、例えば、カーボンブラック、金属酸化物、水酸化物、硫化物、フェロシアン化物、金属塩化物等が挙げられる。特に黒色水性インク組成物では、カーボンブラックが好ましい。熱分解法で得られるカーボンブラックとしては、例えば、サーマルブラック、アセチレンブラックが挙げられ、不完全燃焼法で得られるカーボンブラックとしては、例えば、オイルファーネスブラック、ガスファーネスブラック、ランプブラック、ガスブラック、チャンネルブラックが挙げられる。これらのカーボンブラックは1種類を使用してもよく、また複数のカーボンブラックを併用してもよい。
黒色の顔料としては、以下に限定されないが、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料が好ましい。カーボンブラックの具体例としては、以下に限定されないが、Raven760ULTRA、Raven780ULTRA、Raven790ULTRA、Raven1060ULTRA、Raven1080ULTRA、Raven1170、Raven1190ULTRA II、Raven1200、Raven1250、Raven1255、Raven1500、Raven2000、Raven2500ULTRA、Raven3500、Raven5000ULTRA II、Raven5250、Raven5750、Raven7000(コロンビア・カーボン社製);Monarch700、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400、Regal1330R、Regal1400R、Regal1660R、Mogul L(キャボット社製);Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW200、Color Black S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、 Printex 140U、 Printex 140V、 SpecIal Black 4、SpecIal Black 4A、SpecIal Black 5、Special Black 6(デグサ社製);MA7、MA8、MA100、MA600、MCF−88、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300(三菱化学社製);等が挙げられる。
有機顔料としては、以下に限定されないが、例えば、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、不溶性ジアゾ顔料、縮合アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アンソラキノン顔料、キノフタロン顔料等が挙げられる。これらの有機顔料は1種類を使用してもよく、また複数の有機顔料を併用してもよい。また、上記の無機顔料も併せて使用することができ、流動性改良のため、体質顔料等を併せて使用することもできる。
有機顔料の具体例としては、以下に限定されないが、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、12、13、14、16、17、24、55、73、74、75、83、93、94、95、97、98、108、114、128、129、138、139、150、151、154、180、185、193、199、202等のイエロー系の顔料;C.I.Pigment Red 5、7、12、48、48:1、57、88、112、122、123、146、149、166、168、177、178、179、184、185、202、206、207、254、255、257、260、264、272等のレッド系の顔料;C.I.Pigment Blue 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、25、60、66、80等のブルー系の顔料;C.I.Pigment Violet19、23、29、37、38、50等のバイオレット系の顔料;C.I.Pigment Orange13、16、68、69、71、73等のオレンジ〜ブラウン系の顔料;C.I.Pigment Green7、36、54等のグリーン系の顔料;C.I.Pigment Black 1等のブラック系の顔料;等が挙げられる。
体質顔料としては、以下に限定されないが、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレー、硫酸バリウム、ホワイトカーボン等が挙げられる。これらの体質顔料は単独で使用されることはなく、通常、無機顔料又は有機顔料と併用して使用される。
分散染料としては、以下に限定されないが、例えば、アゾベンゼン系分散染料やアントラキノン系分散染料等の公知の分散染料を用いてもよいし、色相の調整のために1種類以上の分散染料を用いてもよい。
好適な分散染料としては、以下に限定されないが、例えば、C.I.Dispers Yellow9、23、33、42、49、54、58、60、64、66、71、76、79、83、86、90、93、99、114、116、119、122、126、149、160、163、165、180、183、186、198、200、211、224、226、227、231、237;C.I.Dispers Red60、73、88、91、92,111、127、131、143、145、146、152、153、154、167、179、191、192、206,221,258,283:C.I.Dispers Orange9、25、29、30、31、32、37、38、42、44、45、53、54、55、56、61、71、73、76、80、96、97;C.I.Dispers Violet25、27、28、54、57、60、73、77、79、79:1、;C.I.Dispers Blue:27、56、60、79:1、87、143、165、165:1、165:2、181、185、197、202、225、257、266、267、281、341、353、354、358、364、365、368等が挙げられる。
有機溶剤としては、以下に限定されないが、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネートなどのカーボネート類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、及びジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル、又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;蟻酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類等が挙げられる。
イオンキャッチャー剤としては、以下に限定されないが、例えば、トリスメトキシアルミニウム、トリスエトキシアルミニウム、トリスイソプロポキシアルミニウム、イソプロポキシジエトキシアルミニウム及びトリスブトキシアルミニウム等のアルコキシアルミニウム、トリスフェノキシアルミニウム及びトリスパラメチルフェノキシアルミニウム等のフェノキシアルミニウム、トリスアセトキシアルミニウム、トリスステアラトアルミニウム、トリスブチラトアルミニウム、トリスプロピオナトアルミニウム、トリスアセチルアセトナトアルミニウム、トリストリフルオロアセチルアセナトアルミニウム、トリスエチルアセトアセタトアルミニウム、ジアセチルアセトナトジピバロイルメタナトアルミニウム及びジイソプロポキシ(エチルアセトアセタト)アルミニウム等の有機アルミニウム化合物等が挙げられる。これら成分は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態のカチオン重合性組成物は、保存安定性の観点から、安定剤を含んでもよい。上記安定剤としては、特に限定されないが、グアニジン系化合物としては、N,N′−ジメチルグアニジン、N,N′−ジフェニルグアニジン等が挙げられる。また、チアゾール系化合物を例示すれば、2−メルカプトチアゾール、2−アミノチアゾール等が挙げられる。さらに、チオウレア系化合物を例示すれば、チオウレア、エチレンチオウレア、N,N−ジメチルチオウレア、N,N′−ジエチルチオウレア、N,N′−ジブチルチオウレア、トリメチルチオウレア、トリエチルチオウレア、ジシクロヘキシルチオウレア、テトラメチルチオウレア、テトラエチルチオウレアが挙げられる。さらにまた、アルキルフェニルスルフィド系化合物を例示すれば、4−ヒドロキシフェニルメチルスルフィド、4−ヒドロキシフェニルエチルスルフィド、4−ヒドロキシフェニルベンジルスルフィド、4−メトキシフェニルメチルスルフィド等が挙げられる。
上記のほか、本実施形態のカチオン重合性組成物に対して安定化のために加えられるスルホニウム塩としては、特に限定されないが、例えば、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムクロライド、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルエチルスルホニウムクロライド、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルメチルサルフェート、p−クロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムクロライド、p−ニトロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムクロライド、o−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムクロライド、m−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムクロライド、ベンジル−4−メトキシフェニルメチルスルホニウムクロライド、ベンジル−3−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムクロライド、ベンジル−3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニルメチルスルホニウムクロライド、α−ナフチルメチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムクロライド、4−ヒドロキシフェニルジメチルメチルサルフェート、4−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)フェニルジメチルメチルサルフェートを挙げることができ、1種もしくは2種以上を併用して用いることができる。これらは予め適当な溶媒(例えば、プロピレンカーボネート、カルビトール、カルビトールアセテート、ブチロラクトン等)に溶解して使用することもできる。
以上説明した本実施形態の熱カチオン重合性組成物は、常法によりフィルム状に成形することにより、通常、10〜50μm厚の絶縁接着フィルムとして使用することができる。導電粒子が配合されている場合には、異方性導電接着フィルムとして好ましく使用することができる。すなわち、本実施形態の異方性導電接着フィルムは、本実施形態の熱カチオン重合性組成物と、当該熱カチオン重合性組成物に分散される導電粒子と、を有する。このように構成されているため、本実施形態の異方性導電接着フィルムは、回路基板の間に載置し、押圧ツールで、加熱、加圧すると、接着剤中の樹脂が良好に流動し、各回路基板上に形成された電極間の隙間に好適に埋入されると同時に、導電性粒子の一部が対峙する電極間に噛みこまれて電気的接続が達成される。従って、本実施形態の異方性導電接着フィルムは、加熱加圧により各回路基板上の電極間間隙に流入できる流動性と、接合体において、相対峙する接続された電極間の電気的接続を保持するフィルム状異方導電性接着剤として機能するものである。
本実施形態において、導電性粒子を分散させる方法としては、従来公知の分散方法を用いることができ、特に限定されない。上記バインダ樹脂中に上記導電性粒子を分散させる方法としては、以下に限定されないが、例えば、上記バインダ樹脂中に上記導電性粒子を添加した後、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法;上記導電性粒子を水又は有機溶剤中にホモジナイザー等を用いて均一に分散させた後、上記バインダ樹脂中に添加し、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法;上記バインダ樹脂を水又は有機溶剤等で希釈した後、上記導電性粒子を添加し、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法等が挙げられる。
本実施形態の異方性導電接着フィルムは、第1電子部品の端子と第2電子部品の端子とを異方性導電接続してなる接続構造体の製造方法に好ましく使用することができる。すなわち、本実施形態に係る接続構造体の製造方法は、第1電子部品の端子と第2電子部品の端子とが異方性導電接続された構成を有する接続構造体の製造方法であって、(A)前記第1電子部品の端子上に本実施形態の異方性導電接着フィルムを仮貼りする工程と、(B)前記第2電子部品の端子が前記第1電子部品の対応する端子と対向するように、前記異方性導電接着フィルム上に当該第2電子部品を仮配置する工程と、(C)押圧手段を用いて前記第2電子部品に対して加圧するとともに加熱手段を用いて加熱することにより、前記第1電子部品の端子と当該第2電子部品の端子とを異方性導電接続する工程と、を有する。このように構成されているため、本実施形態の接続構造体の製造方法によれば、位置精度の高い接続構造体の製造ができる。本実施形態に係る接続構造体の製造方法における工程(A)、(B)及び(C)について以下に詳述する。
工程(A)
先ず、第1電子部品の端子上に本実施形態の異方性導電接着フィルムを仮貼りする。ここで、仮貼りとは、本実施形態の異方性導電接着フィルムが流動性を示す所定の温度であって、当該異方性導電接着フィルムが熱硬化しない程度の温度に調整され、この状態で、当該異方性導電接着フィルムをベースフィルムより剥離し、後述する第1電子部品としての基板等へ貼る工程を意味する。上記所定の温度としては、低温化の要請から、例えば、30℃〜120℃の範囲に設定することが好ましい。上記第1電子部品としては、以下に限定されないが、例えば、ガラス回路基板、リジッド回路基板、フレキシブル回路基板等が挙げられる。また、それらの端子としては、以下に限定されないが、例えば、銅、ニッケル、金、半田などの金属パッドやバンプ等が挙げられる。異方性導電接着フィルムの仮貼り操作は、従来公知の操作を適用することができる。上記仮貼り操作としては、以下に限定されないが、例えば、金属やセラミック製の硬質ヘッドやゴムなどの弾性ヘッドを有する加圧ボンダーで、必要に応じて本重合しない程度に当該押圧ボンダー又は他の加熱手段(例えば、加熱装置を備えた定盤)で加熱しながら押圧すればよい。
工程(B)
次に、本実施形態の異方性導電接着フィルム上に第2電子部品を、その端子が第1電子部品の対応する端子と対向するように仮配置する。ここで、仮配置とは、仮貼りした電子部品(第1電子部品)でない方の電子部品(第2電子部品)を、前記異方性導電材料上に載置する工程である。第1電子部品と第2電子部品とは、上記仮配置の状態では、異方性導電接続には至っていない。上記第2電子部品としては、以下に限定されないが、例えば、フレキシブル回路基板やICチップ等が挙げられる。それらの端子としては、以下に限定されないが、例えば、銅、ニッケル、金、半田などの金属パッドやバンプ等が挙げられる。仮配置の操作にも特に制限はなく、従来公知の手法により行うことができる。
工程(C)
次に、第2電子部品を押圧ボンダー等の押圧手段を用いて加圧しながら、加熱手段で加熱することにより、第1電子部品の端子と第2電子部品の端子とを異方性導電接続する。これにより、第1電子部品の端子と第2電子部品の端子とが本実施形態の異方性導電接着フィルムを介して異方性導電接続された接続構造体を得ることができる。なお、上記加熱手段として押圧ボンダー等の押圧手段を用いる態様とすることも、その他種々公知の加熱手段を用いる態様とすることもできる。前記加熱の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、140℃〜200℃が好ましい。前記押圧の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1MPa〜80MPaが好ましい。前記加熱及び押圧の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5秒間〜120秒間が挙げられる。
本実施形態の接続構造体は、本実施形態の接続構造体の製造方法により得られる。そのため、本実施形態の接続構造体は、接続信頼性が向上した異方性導電接合を得ることができる。
次に製造例、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものでない。なお、特に断りがない限り、実施例及び比較例中の「部」及び「%」は、質量基準に基づくものである。
[化合物A、Bの構造決定及び定量]
化合物A、Bの構造の決定は1H−NMR(JNM−GX400、JEOL製)、およびLC−MS(Waters社製 UPLC+Waters SynaptG2)により行った。また、化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比並びに化合物Aの質量及び化合物Bの質量はUPLC(Waters社製)にて測定し、それぞれ観測されるピークの面積比から算出した。以上の要領で、次のようにして得られた熱重合開始剤1〜31の構造を分析した結果を前述の一般式(1)〜(2)におけるR1〜R4に対応する形式で表1〜4に示す。また、各例の上記質量比を表1〜4に併せて示す(表中「(1)/(2)」と表記、単位は%)。
[製造例1]
4−メトキシチオアニソール1.55質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、1−クロロメチルナフタレン1.77質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.43質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、熱カチオン重合開始剤1を7.80質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.970であった。4−メトキシチオアニソールに対する収率は80.0%であった。化合物Aの質量は7.57g、化合物Bの質量は0.23gであった。
[製造例2]
4−メチルチオフェノール1.41質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、1−クロロメチルナフタレン1.77質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.31質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、熱カチオン重合開始剤2を7.88質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.972であった。4−メチルチオフェノールに対する収率は82%であった。化合物Aの質量は7.66g、化合物Bの質量は0.22gであった。
[製造例3]
4−メチルチオトルエン1.25質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、1−クロロメチルナフタレン1.77質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.17質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、熱カチオン重合開始剤3を7.08質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.971であった。4−メチルチオトルエンに対する収率は75%であった。化合物Aの質量は6.87g、化合物Bの質量は0.21gであった。
[製造例4]
4−メチルチオアセトフェノン1.53質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、1−クロロメチルナフタレン1.77質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.42質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、熱カチオン重合開始剤4を7.49質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.969であった。4−メチルチオアセトフェノンに対する収率は77%であった。化合物Aの質量は7.26g、化合物Bの質量は0.23gであった。
[製造例5]
4−アセトキシチオアニソール1.69質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、1−クロロメチルナフタレン1.77質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.57質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、熱カチオン重合開始剤5を7.81質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.967であった。4−メチルチオトルエンに対する収率は79%であった。化合物Aの質量は7.55g、化合物Bの質量は0.26gであった。
[製造例6]
4−メチルカーボネートチオアニソール1.99質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、1−クロロメチルナフタレン1.77質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.84質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、熱カチオン重合開始剤6を7.64質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.974であった。4−メチルカーボネートチオアニソールに対する収率は75%であった。化合物Aの質量は7.44g、化合物Bの質量は0.20gであった。
[製造例7]
4−フッ化チオアニソール1.43質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、1−クロロメチルナフタレン1.77質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.33質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、熱カチオン重合開始剤7を7.70質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.962であった。4−メチルカーボネートチオアニソールに対する収率は80%であった。化合物Aの質量は7.41g、化合物Bの質量は0.29gであった。
[製造例8]
4−メチルチオアニソール1.39質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、1−クロロメチルナフタレン1.77質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.30質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、化合物8を7.09質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.973であった。4−メチルチオトルエンに対する収率は74%であった。化合物Aの質量は6.90g、化合物Bの質量は0.19gであった。熱重合開始剤8を得た。
[製造例9]
4−メトキシチオアニソール1.55質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、α−クロロ−o−キシレン1.41質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.46質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、熱カチオン重合開始剤9を7.41質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.974であった。4−メトキシチオアニソールに対する収率は79%であった。化合物Aの質量は7.22g、化合物Bの質量は0.19gであった。
[製造例10]
4−メトキシチオアニソール1.55質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、α−クロロ−p−キシレン1.41質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.46質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、化合物10を7.60質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.962であった。4−メトキシチオアニソールに対する収率は81%であった。化合物Aの質量は7.31g、化合物Bの質量は0.29gであった。熱重合開始剤10を得た。
[製造例11]
4−メトキシチオアニソール1.55質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、α−クロロ−m−キシレン1.41質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.46質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、熱カチオン重合開始剤11を7.50質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.968であった。4−メトキシチオアニソールに対する収率は80%であった。化合物Aの質量は7.26g、化合物Bの質量は0.24gであった。
[製造例12]
4−メトキシチオアニソール1.55質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、1−クロロ−2−ブテン0.91質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿2.67質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、熱カチオン重合開始剤12を6.66質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.972であった。4−メトキシチオアニソールに対する収率は75%であった。化合物Aの質量は6.47g、化合物Bの質量は0.19gであった。
[製造例13]
4−メトキシチオアニソール1.55質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、9−クロロメチルアントラセン2.26質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿4.32質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウムx質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、熱カチオン重合開始剤13を8.50質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.968であった。4−メトキシチオアニソールに対する収率は83%であった。化合物Aの質量は8.23g、化合物Bの質量は0.27gであった。
[製造例14]
4−メトキシチオアニソール1.55質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、4−(クロロメチル)ビフェニル2.03質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.67質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、熱カチオン重合開始剤14を8.10質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.974であった。4−メトキシチオアニソールに対する収率は81%であった。化合物Aの質量は7.89g、化合物Bの質量は0.21gであった。
[製造例15]
4−メトキシチオアニソール1.55質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、2−クロロメチルナフタレン1.77質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.43質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、熱カチオン重合開始剤15を7.31質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.968であった。4−メトキシチオアニソールに対する収率は75%であった。
[製造例16]
4−メトキシチオアニソール1.55質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、p−メトキシベンジルクロリド1.57質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.26質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、熱カチオン重合開始剤16を7.06質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.965であった。4−メトキシチオアニソールに対する収率は74%であった。化合物Aの質量は6.81g、化合物Bの質量は0.25gであった。
[製造例17]
4−メトキシチオアニソール1.55質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、p−クロロベンジルクロリド1.56質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.26質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、熱カチオン重合開始剤17を6.13質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.934であった。4−メトキシチオアニソールに対する収率は64%であった。化合物Aの質量は5.73g、化合物Bの質量は0.40gであった。
[製造例18]
4−メトキシチオアニソール1.55質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、2,6−ジクロロベンジルクロリド1.60質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.24質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、熱カチオン重合開始剤18を6.95質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.921であった。4−メトキシチオアニソールに対する収率は70%であった。化合物Aの質量は6.40g、化合物Bの質量は0.55gであった。
[製造例19]
4−メトキシチオアニソール1.55質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、1−クロロメチルナフタレン1.77質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.43質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、ジエチルエーテル10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再結晶を行った。熱カチオン重合開始剤19を6.82質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.984であった。4−メトキシチオアニソールに対する収率は70.0%であった。化合物Aの質量は6.72g、化合物Bの質量は0.10gであった。
[製造例20]
4−メトキシチオアニソール1.55質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、1−クロロメチルナフタレン1.77質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、35℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.43質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去した。熱カチオン重合開始剤20を7.99質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.900であった。4−メトキシチオアニソールに対する収率は82%であった。化合物Aの質量は7.19g、化合物Bの質量は0.80gであった。
[製造例21]
4−メトキシチオアニソール1.55質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、1−クロロメチルナフタレン1.77質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、45℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.43質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去した。熱カチオン重合開始剤21を8.28質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.550であった。4−メトキシチオアニソールに対する収率は85%であった。化合物Aの質量は4.55g、化合物Bの質量は3.73gであった。
[製造例22]
4−メチルチオフェノール1.41質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、1−クロロメチルナフタレン1.77質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.31質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、ジエチルエーテル10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再結晶を行い、熱カチオン重合開始剤22を6.72質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.984であった。4−メチルチオフェノールに対する収率は70%であった。化合物Aの質量は6.62g、化合物Bの質量は0.10gであった。
[製造例23]
4−メチルチオフェノール1.41質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、1−クロロメチルナフタレン1.77質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、35℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.31質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去し、熱カチオン重合開始剤23を7.88質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.900であった。4−メチルチオフェノールに対する収率は82%であった。化合物Aの質量は7.09g、化合物Bの質量は0.79gであった。
[製造例24]
4−メチルチオフェノール1.41質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、1−クロロメチルナフタレン1.77質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、45℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.31質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去し、熱カチオン重合開始剤24を8.16質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.550であった。4−メチルチオフェノールに対する収率は85%であった。化合物Aの質量は4.49g、化合物Bの質量は3.67gであった。
[製造例25]
4−フッ化チオアニソール1.43質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、1−クロロメチルナフタレン1.77質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.33質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、ジエチルエーテル10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再結晶を行い、熱カチオン重合開始剤25を6.74質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.984であった。4−フッ化チオアニソールに対する収率は70%であった。化合物Aの質量は6.64g、化合物Bの質量は0.10gであった。
[製造例26]
4−フッ化チオアニソール1.43質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、1−クロロメチルナフタレン1.77質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.33質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去し、熱カチオン重合開始剤26を7.89質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.900であった。4−フッ化チオアニソールに対する収率は82%であった。化合物Aの質量は7.10g、化合物Bの質量は0.79gであった。
[製造例27]
4−フッ化チオアニソール1.43質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、1−クロロメチルナフタレン1.77質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.33質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去し、熱カチオン重合開始剤27を8.18質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.550であった。4−フッ化チオアニソールに対する収率は85%であった。化合物Aの質量は4.50g、化合物Bの質量は3.68gであった。
[製造例28]
4−メトキシチオアニソール1.55質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、1−クロロメチルナフタレン1.77質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.43質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、ジエチルエーテルにより再結晶を行い、熱カチオン重合開始剤28を3.90質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.997であった。4−メトキシチオアニソールに対する収率は10.0%であった。化合物Aの質量は0.38883gであった。化合物Bの質量は0.00117gであった。
[製造例29]
4−メトキシチオアニソール1.55質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、1−クロロメチルナフタレン1.77質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で72時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.43質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、熱カチオン重合開始剤29を8.78質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.440であった。4−メトキシチオアニソールに対する収率は90.1%であった。化合物Aの質量は3.86gであった。化合物Bの質量は4.92gであった。
[製造例30]
4−メチルチオフェノール1.41質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、1−クロロメチルナフタレン1.77質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で72時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.48質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、ジエチルエーテルにより再結晶を行い、熱カチオン重合開始剤30を1.15質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.998であった。4−メチルチオフェノールに対する収率は12%であった。化合物Aの質量は1.1477gであった。化合物Bの質量は0.0023gであった。
[製造例31]
4−メチルチオフェノール1.41質量部、ホウフッ化銀1.95質量部、1−クロロメチルナフタレン1.77質量部、アセトン10.0質量部を均一混合し、25℃で72時間反応させた。塩化銀を除去してから、反応液をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、アセトン10.0質量部、ヘキサン10.0質量部にて再沈殿を行った。得られた沈殿3.48質量部、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウム6.86質量部、アセトン10質量部を均一混合し、25℃で24時間反応させた。反応液に蒸留水10.0質量部を加えて、生成物を洗浄した。有機層より溶媒を減圧除去して、熱カチオン重合開始剤31を8.65質量部得た。化合物Aと化合物Bとの合計質量に対する当該化合物Aの質量の比=0.450であった。4−メチルチオフェノールに対する収率は90%であった。化合物Aの質量は3.89であった。化合物Bの質量は4.76であった。
[実施例1〜27、比較例1〜4]
各例の熱カチオン重合開始剤、フェノキシ樹脂(YP−50、新日鐵住金化学製)、液状エポキシ樹脂(EP828、三菱化学(株)製)、シランカップリング剤(KBE403、信越化学工業(株)製)、導電性粒子(Ni/Auメッキ樹脂粒子(3.2μm)、新日本化学(株)製)を、表5〜6に示す配合比となるように均一に混合することにより、各例の熱カチオン重合性組成物(異方性導電接着剤組成物)を調製した。なお、表5〜6における各成分の数値は質量部数を示す。この組成物を、表面剥離処理が施された50μm厚の剥離ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、バーコーターを用いて塗布し、40℃に加熱されたオーブン中で加熱することにより、異方性導電接着剤組成物を20μm厚の異方性導電接着フィルムとした。更に、異方性導電接着フィルムが露出した面上に剥離ポリエステルフィルム(カバーフィルム)をラミネートさせ、積層体を得た。
両面が剥離ポリエステルフィルムで挟持された異方性導電接着フィルムの片面の剥離ポリエステルフィルム(カバーフィルム)を剥がし、露出した異方性導電接着フィルムを、1.1mm厚のアルカリガラス基板に、加熱加圧ボンダーを用いて、加熱温度70℃、圧力0.5MPa、2秒という条件で仮貼りした。
仮貼りされた異方性導電接着フィルムの表面の剥離ポリエステルフィルムを剥がし、露出した異方性導電接着フィルム上に、金メッキバンプが形成されたICチップ(1.8mm×20mm×0.5mm(t);金メッキバンプ30μm×85μm×15μm(h))を、そのバンプ形成面が異方性導電接着フィルム側となるように載せ、更にその上に50μm厚のテフロン(登録商標)フィルムを載せ、その上から加熱加圧ボンダーを用いて、170℃、60MPa、5秒という条件で、加熱加圧した。これにより、アルカリガラス基板にICチップが異方性導電接着フィルムで異方性導電接続された構造の接続構造体を得た。
以上のようにして得られた各例の接続構造体について、以下に説明するように、外観(浮き)評価、接着強度測定、導電粒子捕捉効率測定、保存安定性評価を行った。得られた結果を表5〜6に示す。
<外観(浮き)評価>
接続構造体のアルカリガラス側から接着後界面を目視観察し、浮きの発生の程度を以下の基準で評価した。A又はB評価であることが望まれる。
A: 浮きの存在が観察されない場合
B: 接続構造体の一部で浮きの発生が観察される場合
C: 接続構造体の全面において浮きが観察される場合
<接着強度測定>
接続構造体のICチップを、接着強度試験機(ダイシェアテスターSERIES4000、DAGE製)を用いて、ツールスピード0.2mm/秒で接着強度を測定した。接着強度は30kg以上であることが望まれる。
<導電粒子捕捉効率測定>
圧着したICチップのバンプ(バンプ一個当たりの表面積=2550μm2)上に存在する導電粒子数を顕微鏡にてカウントし、その平均値を粒子捕捉数とし、その粒子捕捉数を、異方性導電接続前の異方性導電接着フィルムの2550μm2当たりに存在する全導電粒子数で除した価を導電粒子捕捉効率とした。この数値は少なくとも17%、好ましくは20%以上であることが望まれる。
<保存安定性>
100質量部のAER2603(旭化成イーマテリアルズ社製)に対して、各例で製造した熱カチオン重合開始剤1.0質量部を均一に混合した。このようにして作製した組成物を30℃で1週間保存した。各例の組成物について、保存する前と保存した後との粘度をそれぞれ測定し、その粘度上昇倍率を求めた。各例の組成物の貯蔵安定性については、以下の基準に基づき、上記粘度上昇倍率を評価することとした。なお、上記粘度は、25℃でBM型粘度計を使用して測定した。次のとおり、「A」及び「B」に該当する場合、保存安定性は十分であると評価した。
A:保存後の粘度上昇率が2倍未満のもの
B:2倍以上5倍未満のもの
C:5倍以上10倍未満のもの
Figure 2015145446
Figure 2015145446
Figure 2015145446
Figure 2015145446
Figure 2015145446
Figure 2015145446
芳香族スルホニウム塩等の熱カチオン重合性組成物を用いることにより、接着界面での重合阻害が抑制される。その結果、カチオン重合を阻害するようなアルカリ表面を有する回路基板や電子部品の実装の際に使用するNCFやACFの主要成分の絶縁性樹脂組成物として有用である。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物Aと下記一般式(2)で表される化合物Bとを含む熱カチオン重合開始剤と、
    バインダ成分と、
    を含有し、
    前記化合物Aと前記化合物Bとの合計質量に対する前記化合物Aの質量の比が、0.5以上0.995以下である、熱カチオン重合性組成物。
    Figure 2015145446
    Figure 2015145446
    (上記一般式(1)及び一般式(2)中、R2、R3、R4は各々独立して、水素、アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アラルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基等、アルキル基、アラルキル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アラルキルカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アラルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールチオカルボニル基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、複素環式炭化水素基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基及びニトロ基からなる群より選ばれる基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Xは1〜5の整数を表す。nは0〜3の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、nとmはn+m≦4を満たす。R1は1価のアニオンになりうる原子団を表す。)
  2. 前記R3が、アルキル基である、請求項1に記載の熱カチオン重合性組成物。
  3. 前記R4が、アラルキル基、又はβ位に不飽和基を有するアルキル基である、請求項1又は2に記載の熱カチオン重合性組成物。
  4. 前記R2が、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、メトキシ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ボロン酸、リン酸、メトキシカルボニル、ヒドロキシメチル基、リン酸ジメチル基、イソブチロ基、イソチオシアネート基、チオウレア基、ニトロ基、トリフルオロ基、アセチル基、カルボニルヒドラジド基、メチルアミノ基、テトラメチルジオキソボラン基及びプロピオン酸基からなる群より選ばれる基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱カチオン重合性組成物。
  5. 前記R1が、SbY6 -、PY6 -、AsY6 -、BY4 -及びCY3SO3 -(ここで、上記YはF、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも1つである)、からなる群より選ばれる1つである、又は下記一般式(3)である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱カチオン重合性組成物。
    Figure 2015145446
    (上記一般式(3)中、Y’は水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表し、当該Y’の少なくとも一つはハロゲン原子である。)
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱カチオン重合性組成物と、
    前記熱カチオン重合性組成物に分散される導電粒子と、
    を有する、異方性導電接着フィルム。
  7. 第1電子部品の端子と第2電子部品の端子とが異方性導電接続された構成を有する接続構造体の製造方法であって、
    (A)前記第1電子部品の端子上に請求項6に記載の異方性導電接着フィルムを仮貼りする工程と、
    (B)前記第2電子部品の端子が前記第1電子部品の対応する端子と対向するように、前記異方性導電接着フィルム上に当該第2電子部品を仮配置する工程と、
    (C)押圧手段を用いて前記第2電子部品に対して加圧するとともに加熱手段を用いて加熱することにより、前記第1電子部品の端子と当該第2電子部品の端子とを異方性導電接続する工程と、
    を有する、接続構造体の製造方法。
  8. 請求項7に記載の接続構造体の製造方法により得られる、接続構造体。
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