JP5948632B1 - 山形鋼鉄塔の主柱材取替え工法 - Google Patents

山形鋼鉄塔の主柱材取替え工法 Download PDF

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Abstract

【課題】トラス構造を維持しながら、容易かつ確実に山形鋼鉄塔の主柱材を取替える工法を提供する。【解決手段】山形鋼鉄塔の主柱材の取替え工法において、上下端を取替え対象主柱材1の上下端に接続された他の主柱材1に支持させた支え材4を設け、取替え対象主柱材1の、最上位の腹材引付点に接合されている腹材3を取り外し、当該腹材引付点と上位2番目の腹材引付点までの箇所の主柱材1を切断、撤去し、新規な主柱材短片5aを前記切断箇所の上位側の主柱材1に接続し、当該新規な主柱材短片5aに前記取り外した腹材3を接合し、これらの作業を上から順に繰り返し、トラス構造を形成したまま、取替え対象主柱材1を複数の主柱材短片5aから成る新規な主柱材5に取替える。【選択図】 図1

Description

この発明は、山形鋼鉄塔の主柱材を取替える工法に関するものである。
塔状構造物は、経年劣化などによりその構造部材が腐食減肉し、必要な強度を維持できなくなった場合、通常建替えが行われる。しかし、塔状構造物の中で、送電用鉄塔は複数の鉄塔が送電線により接続され、常時電力を送る重要なインフラ設備であり、腐食した構成部材を有する鉄塔のみを建替える場合であっても、仮設鉄塔の建設や電線の移線作業等が必要であり、相当の費用と期間を必要とする。
そこで、近年は鉄塔の建替えを行わず、腐食減肉した構成部材のみを取替える手法が多く採られている。特に、トラス構造である鉄塔の主柱材は構造上重要な部材であり、安易に取り外しを行うとトラス構造として不安定となり、倒壊の危険を伴うことから、様々な治具や工法が開発されている。
例えば、主な主柱材取替え工法としては、図6に示すように、取替え対象の主柱材にジャッキ等を組み込んだ複数本の支え材を添わせて把持し、これに応力を分担させて主柱材を取替える工法(特許文献1及び2)が用いられる。
また、新規な主柱材に取替えるに当たり、取替え対象主柱材1本に1つのダブルワーレン結構が形成されている場合、取替え対象主柱材及びそれに接合された腹材を取り外してもトラス構造(シングルワーレン結構)が形成されているので、取替え対象主柱材を新規な主柱材に取替えることができる(図6及び図7の主柱材と腹材によるトラス構造)。
しかしながら、取替え対象主柱材1本に複数のダブルワーレン結構が形成されている場合、主柱材を取り外すためには、これに接続された複数の腹材も同時に取り外す必要があり、その場合に、トラス構造を形成できず、不安定となる課題があった。一般部を図8に、腕金取付け部を図9に示す。
これを解決するため、図10に示すように、取り外された腹材の代わりとなる仮腹材を取付け、トラス構造を形成しながら主柱材を取り替える工法が用いられている。
また、特許文献3では、取替え対象主柱材の両端に連なる主柱材に固定具を介して設置される支持部材と、取替対象の主柱材を有する主柱に隣接する隣接主柱との間に設置される仮副材により、塔状構造物が補強される。特に、主柱材の撤去に伴い、この主柱材に対する副材の接続が解消されて、塔状構造物のトラス構造が失われても、仮副材により支持部材を介して仮設のトラス構造を形成している。
特開平10−153015号公報 特開平08−163729号公報 特許第5431181号公報
以上の様に、従来、山形鋼鉄塔の主柱材において腐食などにより部材の取替えが必要となった場合、主柱材取替え時に、取替え対象主柱材に支え材を添わせ、上端継手位置の上位と下端継手位置の下位で把持し、取替え対象主柱材に接合された腹材を外すことで、新規な主柱材に取替えている。
また、取替え対象主柱材1本に複数のダブルワーレン結構が形成され、取替え対象主柱材を取り外すと、これに接合された複数の腹材も同時に取り外れてしまい、トラス構造として不安定となる場合は、複数のダブルワーレン結構部分が1つのシングルワーレン結構となるように一時的に仮腹材を取付けて改造することで、トラス構造を形成して新規な主柱材に取替えている。一般部仮腹材取付け例を図10に、腕金取付け部仮腹材取付け例を図11に示す。
しかしながら、図12に示すように、一般的に腹材の取付け構造は、鉄塔が構成される4つの平面トラスの面に対して、鉄塔の内側から部材を取付けている内付きと、鉄塔の外側から部材を取付けている外付きがあり、右下がり部材を内付き、右上がり部材を外付きとすることで、それぞれが干渉しない構造となっている。仮腹材の取付けは、トラス構造が形成できる範囲で既設腹材を取り外し、かつ、残った腹材等と干渉しないように仮腹材を取付ける必要があるため、仮腹材取付け構造と改造手順を決めるための多大な事前検討作業が必要となる。
また、図13に示すように、電線を支持する腕金が取付いている箇所の主柱材取替えにおいては、上記の構造と同様に仮腹材を取付けようとすると、腕金を取付けるために鉄塔に設置されている水平材と仮腹材が双方とも外付きとなるため、部材干渉が生じて仮腹材を取付けることができない。
さらに、複数のダブルワーレン結構部分が1つのシングルワーレン結構となるように仮腹材を取付けると、仮腹材の取付け角度が主柱材の角度に近づき、仮腹材に作用する応力が大きくなる(図14参照)。このため、特殊形状の接合用の仮設プレートを用いたり、既設部材に接合用のボルト穴あけ加工などが必要となる場合がある(図15参照)。このボルト穴あけ加工は、塔上の作業環境下で一定の精度が求められるとともに、部材取替え完了後も穴が残るため、ボルト穴あけ加工した部位に防錆処理を施す必要があった。
また、仮腹材は主柱材取替え工事完了後には不要となる部材であり、仮腹材の製作に伴いコスト増となる。この様に、取替え対象の主柱材位置の鉄塔構造により仮腹材の取付け構造が異なるため、状況に応じて改造可能な仮腹材取付け構造と改造手順を検討しなければならないという課題があった。
なお、特許文献3で考案された仮腹材を隣接主柱材と支え材に特殊治具を用いて結合する構造とすると、取付けられた仮腹材は隣接主柱材側で既設腹材の接合点から少し離れた位置に取付けられ、かつ、取替え対象主柱材側で主柱材と腹材で構成される平面トラスの面から面外に飛び出した構造となる。このため、一般的な鉄塔とは細部構造の異なるトラス構造となることから、既存設計と異なる考え方で強度検討を行わなければならない。
このように、特許文献1〜3に示す様な従来の主柱材の取替え工法においては、種々の課題がある。
そこで、この発明は、トラス構造を形成しながら、容易かつ確実に山形鋼鉄塔の主柱材を取替える工法を提供することを目的としたものである。
請求項1の発明は、山形鋼鉄塔の主柱材の取替え工法において、取替え対象主柱材の上下端に接続された他の主柱材を把持する支え材を設け、取替え対象主柱材を1つの腹材引付点を有する主柱材毎に区切って複数の切断区間に分け、当該各切断区間で主柱材を切断、撤去し、当該切断箇所に新規な主柱材短片を接続し、これらの作業を前記切断区間毎に順次行い、トラス構造を形成したまま取替え対象主柱材を複数の主柱材短片から成る新規な主柱材に取替える、山形鋼鉄塔の主柱材の取替え工法とした。
請求項2の発明は、前記切断、撤去する主柱材の腹材引付点に接続された部材を前記撤去前に取り外し、新規な主柱材短片を接続するごとに前記取り外した部材を再び接続する、請求項1に記載の山形鋼鉄塔の主柱材の取替え工法とした。
請求項3の発明は、山形鋼鉄塔の主柱材の取替え工法において、取替え対象主柱材の上下端に接続された他の主柱材を把持する支え材を設け、取替え対象主柱材の、最上位の腹材引付点に接合されている腹材及び水平材がある場合は当該水平材を取り外し、当該腹材引付点と上位2番目の腹材引付点までの箇所の主柱材を切断、撤去し、新規な主柱材短片を前記切断箇所の上位側の主柱材又は主柱材短片に接続し、当該新規な主柱材短片に前記取り外した腹材及び水平材がある場合は水平材を接合し、これらの作業を上から順に繰り返し、トラス構造を形成したまま、取替え対象主柱材を複数の主柱材短片から成る新規な主柱材に取替える、山形鋼鉄塔の主柱材の取替え工法とした。
また、請求項4の発明は、前記新規な主柱材短片と上位側の主柱材又は上位側の主柱材短片との接続は、接続箇所をまたいだ継手用部材をこれらの主柱材短片に当ててボルト・ナットにより接続する、請求項1〜3のいずれかに記載の山形鋼鉄塔の主柱材の取替え工法とした。
請求項5の発明は、前記新規な主柱材短片は、両端及び腹材引付点に接続用ボルト穴を予め設けている、請求項1〜4のいずれかに記載の山形鋼鉄塔の主柱材の取替え工法とした。
請求項1〜5の各発明によれば、取替え対象主柱材に接合された腹材を取り外した場合、すなわち、ダブルワーレン結構の安定構造において、一部の腹材を取り外した後も、シングルワーレン結構が形成されるので取替え対象主柱材を切断しても、鉄塔に働く応力をトラス構造として応力伝達することができる。
これにより、仮腹材を用いる必要がなく、既設腹材をそのまま使用してトラス構造を形成できるため、仮腹材の取付け構造や改造手順を検討する必要がない。また、既設部材には軸力のみ作用するものと仮定でき、既存設計と同様の考え方で強度検討を行うことができる。従って、仮腹材を用いる場合に比べ、事前検討時間を大幅に短縮することができる。
この様に、仮腹材を用いないため、仮腹材を取付ける作業を塔上で行う必要がなく、塔上での取替え工事を短縮できる。また、仮腹材の製作費用も発生せず、工事費用を低減できる。
更に、取替え対象主柱材を切断した後、上位の取替え対象主柱材を取り外して予め工場で製作して用意しておいた新規主柱材と取替え、先に取り外した腹材を接合してダブルワーレン結構に戻した後、他の腹材を取り外して新たなシングルワーレン結構を形成し、順次、取替え対象の主柱材を切断して新規な主柱材に取替えるため、鉄塔の構造的安定性を確実に維持できる。
また、新規な主柱材と切断した下位の取替え対象主柱材は接合する必要がないので、取替え対象主柱材の切断にあたっては寸法精度を管理する必要がなく、接続用のボルト穴あけ加工を塔上で行う必要もない。更に、最終的に切断した主柱材は全て撤去されるため、切断面に防錆処理を施す必要もない。
この発明の実施の形態例1の山形鋼鉄塔の主柱材の取替え工法の手順を示す説明正面図である。 この発明の実施の形態例1の山形鋼鉄塔の主柱材の取替え工法の手順を示す図1の続きの説明正面図である。 この発明の実施の形態例2の山形鋼鉄塔の主柱材の取替え工法の手順を示す説明正面図である。 この発明の実施の形態例2の山形鋼鉄塔の主柱材の取替え工法の手順を示す図3の続きの説明正面図である。 この発明の実施の形態例1及び2の山形鋼鉄塔の主柱材の取替え工法における新規な主柱材短片相互の接続構成を示す斜視図である。 従来例における取替え対象主柱材に支え材を設ける主柱材の取替え工法を示す概略構成正面図である。 従来例における取替え対象主柱材に支え材を設ける主柱材の取替え工法を示す他の概略構成正面図である。 従来例における主柱材の取替え工法の一般部において腹材を取り外し、トラス構造を形成できなくなることを示す概略構成正面図である。 従来例における主柱材の取替え工法の腕金取付け部において腹材を取り外し、トラス構造を形成できなくなることを示す概略構成正面図である。 従来例における主柱材の取替え工法において一般部に仮腹材を取付け、トラス構造を形成しながら主柱材を取替えることを示す概略構成正面図である。 従来例における主柱材の取替え工法において腕金取付け部に仮腹材を取付け、トラス構造を形成しながら主柱材を取替えることを示す概略構成正面図である。 従来例における主柱材の取替え工法において一般部に仮腹材を取付け、腹材等の内付き部材や外付き部材が仮腹材と干渉し合わないように組み立ててトラス構造を形成しながら主柱材を取替えることを示す概略構成正面図である。 従来例における主柱材の取替え工法において、腕金取付け部の水平材と仮腹材とが干渉し合い、仮腹材を取付けられない例を示す概略構成正面図である。 従来例における主柱材の取替え工法において、仮腹材の取付け角度が主柱材の角度に近づき、仮腹材等に作用する応力が大きくなる例を示す概略構成正面図である。 従来例における主柱材の取替え工法において、特別な仮腹材や仮設プレートを用いた複数の例を示す概略構成正面図である。
(実施の形態例1)
以下、この発明の実施の形態例1の山形鋼鉄塔の主柱材取替え工法を図1及び2に基づいて説明する。
図1の(1)図は既設鉄塔の主柱材と腹材との関係を示す正面図である。図1の(2)図〜(4)図、図2の(5)〜(7)図はそれぞれ実施の形態例1における本工法の手順を示す概略図である。
鉄塔Aの4本の主柱Bは、それぞれ上下方向に複数の山形鋼から成る主柱材1を継ぎ足して設けられている。各主柱材1はその両端部にボルト穴を有しており、接続する上位側の主柱材1の端部及び下位側の主柱材1の端部にもボルト穴を有しており、上位側の主柱材1の端部ボルト穴と下位側の主柱材1の端部ボルト穴を重ね合わせ、ボルト穴にボルトを挿入して接続されている。
図1の(1)図において、主柱材1に2本の水平線で記載された部分(「=」記号)が継手2を示す。また、各主柱材1は、斜めに配置された腹材3の接合位置にボルト穴を有し、腹材3の端部に設けられたボルト穴を重ね合わせ、ボルト穴にボルトを挿入することにより接合されている。
まず、図1の(2)図に示すように、複数の主柱材1のうち、取替え対象の主柱材1に添わせて支え材4を設置する。具体的には従来から主柱材取替え工法で用いられている、油圧ジャッキ等を有し、取替え対象の主柱材に加わる荷重に耐える支え材4であり、この支え材4の上下端を、取替え対象主柱材1の上下の継手2により接続された上位側の主柱材1と、下位側の主柱材1とに夫々把持させる。
次に、図1の(3)図に示すように、取替える主柱材1において、上位側の一つの腹材引付点(第1腹材引付点a)に接合されている腹材3aからボルトを抜き、取替え対象主柱材1と各腹材3aの接合を解除する。なお、取替え対象となる主柱材1には正面側と側面側に、夫々2本の腹材3aが接合されていることから、合計4本の腹材3aの接合を解除することとなる。この時、前記取替え対象主柱材1に他の腹材引付点、例えば、第2腹材引付点b、第3腹材引付点c等がある場合でも、これらは接合を解除しない。
次に、取替え対象主柱材1において、腹材3aが取り外された第1腹材引付点aから次の下位側にある第2腹材引付点bを含まない範囲の中で主柱材1を切断する。その後、切断した取替え対象の主柱材短片1aと上位側の接続主柱材1とを接続している継手2のボルトを抜き、切断した主柱材短片1aを撤去する。これにより切断撤去した主柱材短片1aに相対する正面側(正面左側)、側面側(側面奥側)の主柱材1の腹材引付点には腹材3bが接合されたままとなっているので、安定構造であるいわゆるシングルワーレン結構が維持される。なお、前述の腹材3aの接合解除は、主柱材短片1aを切断した後に行ってもよい。
次に、図1の(4)図に示すように、予め工場で製作しておいた、上下端に継手用ボルト穴と第1腹材引付点aに当たる箇所に接合用ボルト穴を有する新規な主柱材短片5aを塔上に上げ、撤去した主柱材短片1aの前記上位側の接続主柱材1の既設の継手用ボルト穴を利用し新規な主柱材短片5aを上位側の接続主柱材1と継手を介して接続する。
その後、図1の(4)図に示すように、先に取り外した4本の腹材3を、取替えた新規な主柱材短片5aの第1腹材引付点aに当たる位置にあけた接合用ボルト穴を利用してボルトで接合する。
次に、切断された塔上に残った既設の主柱材1について、切断位置より下位の第2腹材引付点bにおいて、前記腹材引付点に接合されている腹材3cからボルトを抜き、取替え対象主柱材1との接合を解除する。
次に、図1の(4)図に示すように、腹材3cが取り外された第2腹材引付点bを含め、次の第3腹材引付点cを含まない範囲の取替え対象の主柱材1を切断し、撤去する。切断撤去した主柱材短片1bに相対する正面側(正面左側)、側面側(側面奥側)の主柱材1には腹材引付点があり、前述と同様に、その腹材引付点には腹材3dが接合されたままとする。
そして、図2の(5)図に示すように、撤去した箇所に、予め工場で製作しておいた上下端に継手ボルト穴及び第2腹材引付点bに当たる位置に接合用ボルト穴を有する新規な主柱材短片5bを塔上に上げ、上位側の接続主柱材短片5aの継手用ボルト穴を利用し、新規な主柱材短片5bを上位側の接続主柱材短片5aと接続し、その後、先に取り外した4本の腹材3を新規な主柱材短片5bにボルトで接続する。
上記の取替え対象主柱材1について、図2の(5)図及び(6)図に示すように、腹材3eの接合解除、主柱材1の切断及び撤去、新規な主柱材短片5について、上位側の主柱材短片5との接合及び取り外した腹材3eの再接合という工程を繰り返し、支え材4で支えられた部位の主柱材1の取替えを順次進める。
なお、支え材4で支えられた部位の主柱材1の最後の取替え時では、主柱材1を切断せず、下位側の主柱材1との継手からボルトを抜くことで接続を解除する。また、支え材4で支えられた部位の主柱材1の取替え完了後、最後に接続した新規な主柱材短片5の下側端部を取替え対象主柱材1の下位側の接続主柱材1の継手用ボルト穴を利用し継手を介してボルトで接続する。
新規な主柱材短片5と既設の主柱材1をボルトで接続する継手は、取替え対象主柱材1の上位側、下位側の既設主柱材1との継手2と同一の継手を用いるものとし、切断後に取替えた新規な主柱材短片5a、5b、5c同士の継手は、図5に示すように、端部を突き合せた主柱材短片5a又は5b又は5cの内側に、山形鋼から成る継手用部材7を添えてボルトで接合する突合せ継手2´を用いる。本継手の組み合わせにより、取替え対象の主柱材の背の位置と取替え後の新規な主柱材5の背の位置が一致するので、既設の腹材3をそのまま利用し、取り付けることができる。
また、主柱材同士をボルトで接続する突合せ継手では、継手長さが長くなり、構造上収まらない場合には、山形鋼の外側にも鋼板を添え、ボルトを2面せん断で対応させた突合せ継手とし、継手長さを短くすることも可能である。また、継手を従来の重ね継手とすることもできる。
そして、図2の(7)図に示すように、主柱材1の支え材4を取り外して、取替え作業が完了する。
他の取替え対象主柱材がある場合は、取替え対象主柱材の上位側、下位側に接続する主柱材に支え材を設置する工程から、上記工程を繰り返す。これにより、鉄塔頂部から順次一番下側の主柱材まで取替えることができる。また、同様の方法により、他の主柱の主柱材全てを取替えることも可能である。
(実施の形態例2)
次に、本発明の実施の形態例2を図3及び図4に基づいて説明する。
図3の(1)図は、既設鉄塔Aの主柱材1と腹材3及び腕金部Cとの関係を示す正面図である。なお、図では右腕金を省略しているが、本発明の実施の形態例2において、取替え対象主柱材1に取付けられた腕金Cを取り外すことを要件にしたものではない。取替え対象の主柱材1側の腕金Cが存在する場合でも、本工法は適用できる。図3の(2)図〜(4)及び図4の(5)図〜(7)図はそれぞれ実施の形態例2における手順を示す。
図3の(2)図に示すように、まず、取替え対象の主柱材1の上位側、下位側に接続された主柱材1に支え材4の上下端を把持させて、当該支え材4を取替え対象の主柱材1に添わせて設置する。
次に、図3の(3)図に示すように、取替える主柱材1において、上位側の一つの腹材引付点(第1腹材引付点a)に接合されている腹材3a等からボルトを抜き、取替え主柱材1との接合を解除する。更に、前記第1腹材引付点aに水平材6が接合されている場合は当該水平材6と取替え対象主柱材1を接合するボルトを抜き、接合を解除する。このとき、前記取替え対象主柱材1に他の腹材引付点(第2腹材引付点b、第3腹材引付点c)がある場合でも、これらは接合を解除しない。
次に、腹材3aが取り外された第1腹材引付点aから、次の下位側にある第2腹材引付点bを含まない範囲の主柱材1を切断する。その後、切断した取替え対象の主柱材短片1aと上位側の接続主柱材1とを接続している継手2のボルトを抜き、切断した取替え対象主柱材短片1aを撤去する。これにより、切断撤去した主柱材短片1aに相対する正面側(正面左側)、側面側(側面奥側)の主柱材1の腹材引付点には腹材3bが接合されたままとなっているので、安定構造であるいわゆるシングルワーレン結構が維持される。
次に、図3の(4)図に示すように、予め工場で製作しておいた、上下端及び腹材引付点に当たる位置に接合用ボルト穴を有する新規な主柱材短片5aを塔上に上げ、撤去した主柱材短片1aの前記上位側の接続主柱材1の既設の継手用ボルト穴を利用し、新規な主柱材短片5aを上位側の接続主柱材1と接続する。その後、先に取り外した4本の腹材3と、水平材6を取り外した場合はその水平材6とを、取替えた新規な主柱材短片5aにボルトで接合する。
上記を繰り返し、図4の(5)図〜(6)図に示すように、支え材4で支えられた部位の主柱材1の複数の主柱材短片5a〜cから成る新規な主柱材5への取替え完了後、最後に接続した新規な主柱材短片5cの下側端部と取替え対象の主柱材1の下側接続主柱材1をボルトで接続する。その後、図4の(7)図に示すように、主柱材1の支え材4を取り外し、取替え作業が完了する。
他の取替え対象主柱材がある場合には、取替え対象主柱材の上位側、下位側に接続する主柱材に支え材を設置する工程から、上記工程を繰り返す。これにより、鉄塔頂部から順次一番下側の主柱材まで取替えることができる。また、同様の方法により、他の主柱の主柱材全てを取替えることも可能である。
なお、上記実施の形態例1及び2において、腹材やその他の部材が腐食・損傷等している場合に、主柱材の取替え時に合わせて取替えを行うこともできる。また、上記実施の形態例1及び2では、主柱材の上位側から順次主柱材の取替えを行っているが、下位側から行うこともできる。更に、本発明は、山形鋼の鉄塔であれば送電用鉄塔のみならず、無線塔鉄塔などの塔状構造物の主柱材取替えを行うことも可能である。
A 鉄塔 B 主柱
C 腕金
1 主柱材 1a〜1c 主柱材短片
2 継手 2´ 継手
3a〜3e 腹材 4 支え材
5 新規な主柱材 5a〜5c 新規な主柱材短片
6 水平材 7 継手用部材

Claims (5)

  1. 山形鋼鉄塔の主柱材の取替え工法において、
    取替え対象主柱材の上下端に接続された他の主柱材を把持する支え材を設け、
    取替え対象主柱材を1つの腹材引付点を有する主柱材毎に区切って複数の切断区間に分け、当該各切断区間で主柱材を切断、撤去し、当該切断箇所に新規な主柱材短片を接続し、
    これらの作業を前記切断区間毎に順次行い、トラス構造を形成したまま取替え対象主柱材を複数の主柱材短片から成る新規な主柱材に取替えることを特徴とする、山形鋼鉄塔の主柱材の取替え工法。
  2. 前記切断、撤去する主柱材の腹材引付点に接続された部材を前記撤去前に取り外し、新規な主柱材短片を接続するごとに前記取り外した部材を再び接続する、請求項1に記載の山形鋼鉄塔の主柱材の取替え工法。
  3. 山形鋼鉄塔の主柱材の取替え工法において、
    取替え対象主柱材の上下端に接続された他の主柱材を把持する支え材を設け、
    取替え対象主柱材の、最上位の腹材引付点に接合されている腹材及び水平材がある場合は当該水平材を取り外し、当該腹材引付点と上位2番目の腹材引付点までの箇所の主柱材を切断、撤去し、
    新規な主柱材短片を前記切断箇所の上位側の主柱材又は主柱材短片に接続し、当該新規な主柱材短片に前記取り外した腹材及び水平材がある場合は水平材を接合し、
    これらの作業を上から順に繰り返し、トラス構造を形成したまま、取替え対象主柱材を複数の主柱材短片から成る新規な主柱材に取替えることを特徴とする、山形鋼鉄塔の主柱材の取替え工法。
  4. 前記新規な主柱材短片と上位側の主柱材短片との接続は、接続箇所をまたいだ継手用部材をこれらの主柱材短片に当ててボルト・ナットにより接続することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の山形鋼鉄塔の主柱材の取替え工法。
  5. 前記新規な主柱材短片は、両端及び腹材引付点に接続用ボルト穴を予め設けていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の山形鋼鉄塔の主柱材の取替え工法。

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