JP4813874B2 - パイプ構造建造物の組立工法及び組立治具 - Google Patents

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Description

本発明は、複数本のパイプを接合して構成するパイプ構造ユニットを利用した建造物の組立工法及び組立治具に関する。
例えば、大型のホール、工場、展示場等の建造物は、大きなスパンで天井を支持し、内部に柱のない空間を設けることが望まれる。
これら大型の建造物を構成するのに、金属パイプをトラス状に組み合せる工法も採用されている。
複数本のパイプの端部を１箇所に集めて接合する場合には、予め接合するパイプの形状に合わせた継手部材を鍛造等により製作しておき、各パイプの端部をこの継手部材に接合して溶接等により固着する工法が採用されている。
本出願人は、パイプをレーザ加工機により精密加工して、ホゾやホゾ穴、ホゾ溝等を形成し、ホゾとホゾ穴、ホゾ溝を直接に組合せることによって、複数のパイプを接合する継手構造を下記の特許出願として既に提案している。
特願２００５−３０１２３３
本発明の目的は、上述したパイプの継手構造を活用した建造物の組立工法と組立治具を提供するものである。
上記目的を達成するために、本発明の組立工法は、一方の端部に形成される接合用の端面及び必要なホゾ、ホゾ穴、ホゾ溝を有し、他方の端部に相手部材への取付部を有する複数本のパイプを用意する工法と、各パイプの取付部を相手部材に仮締めする工程と、各パイプの接合用端面を組立治具上で接合して継手部を形成する工程と、組立治具を上昇させて継手部と取付部の間隙を圧縮する工程と、各パイプの取付部を本締めする工程と、継手部を溶接により固着する工程とを備える。
また、本発明の組立治具は、ベースと、ベース上にジャッキを介して昇降自在に装備されるテーブルと、テーブル上に載置される治具ユニットを備え、治具ユニットは、板材を直交して構成され、板材の上面のプロファイルは組立てられるパイプ構造ユニットの継手部を下方から支持する形状に形成されるものである。
本発明によれば、パイプを直接に連結してトラス構造を構成することができるので、大型の建造物を安価に、しかも短時間で建設することができる。
図１は、本発明を実施する建造物の一部を示す説明図である。
全体を符号Ｂで示す建造物は、例えば大型の展示場やホールを構成するものであって、内部に支柱のない大きなスペースを構成することができるものである。
図１は、この建造物Ｂの屋根部を床面から矢印Ｌ方向に見上げたものであって、主支柱１と主支柱１の上部で分岐される副支柱２、副支柱２の上部に設けられる桁３、建造物Ｂの両側の桁３を結ぶ梁４等を有し、各構造物は、例えば金属パイプ等により構成される。そして、桁と梁の間には、トラス構造のパイプを主体とする組立体５が固定され、屋根の補強とともに天井を構成する。
図２は、本発明に使用されるパイプ構造ユニット１０の継手部を示す説明図である。
パイプ構造ユニット１０は、チャンネル材１２に対して７本のパイプの端部が連結されて継手部を形成するものが示されている。
７本のパイプは、大径の４本のパイプ２０，３０，４０，５０と小径の３本のパイプ６０，７０，８０で構成される。
各パイプの接合端面は、継手の接合面に面接触する形状の端面形状にレーザ加工機により加工される。そして、この端面加工と同時に、接合用のホゾ、ホゾ穴、ホゾ溝が加工される。
これらの加工データは、継手部の三次元ＣＡＤとＣＡＭ情報から算出される。
第１の大径パイプ２０は、端面２１とホゾ２２が加工される。また、後述する第１の小径パイプ６０のホゾ６２を受け入れるホゾ穴２３が加工される。同様に、第２の大径パイプ３０は、端面３１とホゾ３２、チャンネル材１２が挿入されるホゾ溝３３等が加工される。
第３の大径パイプ４０は、端面４１と図示しないホゾやホゾ穴が加工される。第４の大径パイプ５０は、端面５１、ホゾ５２、ホゾ穴５３等が加工される。
第１の小径パイプ６０は、端面６１、ホゾ６２が加工される。第２の小径パイプ７０は、端面７１、ホゾ穴７３が加工される。第３の小径パイプ８０は、端面８１、ホゾ８２が加工される。
図３は、本発明によるパイプ構造ユニット１０が結合された状態を示す。
図４，図５は、上述したパイプ構造ユニット１０を組立てる際に使用する組立治具１００と、組立てたパイプ構造ユニット１０を建設構造物の柱２００，２１０に組付ける工程を示す説明図である。
組立治具１００は、ベース１１０とパンタグラフ状のジャッキ１３０により昇降するテーブル１２０を備える。テーブル１２０上に交換自在に載置される治具ユニット１５０は、直交状態に組立てられる複数の板材１５１，１５２で構成される。
これらの板材は、レーザ加工機により精密加工され、その上面が形成するプロファイルＰ１は、パイプ構造ユニット１０を下方から支持する形状を形成する。このプロファイルの加工データは、継手部の三次元ＣＡＤとＣＡＭデータから算出される。
図５は、組立治具１００上でパイプ構造ユニット１０を組立てる工程を示す。
各パイプ構造ユニット１０を構成する８本のパイプは、それぞれ上端面が柱や桁、梁等にそれぞれ固着される。
図５にあっては、第３の大径パイプ４０と、第４の大径パイプ５０の上端が２本の柱２００，２１０に固着される状態を示す。
この固着のために、パイプ４０の上端には板状の取付部４５が設けられ、パイプ５０も同様の取付部５５を有する。
柱２００，２１０にも取付用の板材２０５，２１５が予め溶接されている。板材２０５には、取付用のボルト穴２０６が用意されており、板材２１５にも図示しないボルト穴が用意される。
第４の大径パイプ５０を組付ける手順を説明すると、まず大径パイプ５０の上端部の取付部５５のボルト穴５６を柱２００の板材２０５のボルト穴２０６に合わせて、ボルト・ナットにより仮締めする。
残りのパイプの上端部を相手の部材の取付部に仮締めする。
この状態で、組立治具１００上で、各パイプの下端部とチャンネル材を予めレーザ加工されたホゾ、ホゾ穴、ホゾ溝等を利用して組立てて、継手部を形成する。
この際に、組立治具１００のテーブル１２０の上下位置を調整して継手部の組立てを容易にする。
組立てられたパイプ構造ユニット１０は、その継手部を構成するホゾ、ホゾ穴、ホゾ溝等の間には、接合部に必要な間隙や公差による間隙が当然に存在する。
また、パイプ構造ユニット１０の上部は、相手部材に対して仮締めされた状態であるので、この仮締め部での間隙も存在する。
そこで、この状態からジャッキ１３０を作動させてテーブル１２０を矢印Ｚ方向に上昇させる。この作用によって、パイプ構造ユニット１０の継手部の間隙やパイプの上端部の仮締部の間隙は圧縮される。
この状態で各パイプの仮締部のボルト・ナット部を本締めする。次にパイプ構造ユニット１０の継手部を点溶接等により固着する。
この工程が完了した後は、ジャッキ１３０を作動して、テーブル１２０と治具ユニット１５０を降下させても、パイプ構造ユニット１０は柱２００，２１０や他の構造物に強固に固着され、建造物の屋根の剛性は確保される。
上述した工程をくり返すことによって、内部に柱ない広い空間を有する建造物を容易に建設することができる。
図６は、完成したパイプ構造ユニット１０を下方から見上げた状態を示す。
各パイプの先端は、柱、桁、梁等の構造物にボルト・ナット等により確実に固着される。また、パイプ構造ユニット１０の継手部も点溶接Ｗ１等により強固に構成される。
チャンネル材１２は、例えば天井部材を支持する部材として、または、照明機材の取付部材等に利用される。
本発明を実施する建造物の一部を示す説明図。 本発明に使用されるパイプ構造ユニットの継手部を示す説明図。 本発明によるパイプ構造ユニットが結合された状態を示す説明図。 組立治具の説明図。 組立治具上でパイプ構造ユニットを組立てる工程を示す説明図。 完成したパイプ構造ユニットを下方から見上げた状態を示す説明図。
符号の説明
１０ パイプ構造ユニット
１２ チャンネル材
２０ 第１の大径パイプ
２１ 端面
２２ ホゾ
２３ ホゾ穴
３０ 第２の大径パイプ
４０ 第３の大径パイプ
５０ 第４の大径パイプ
６０ 第１の小径パイプ
７０ 第２の小径パイプ
８０ 第３の小径パイプ
１００ 組立治具
１２０ テーブル
１３０ ジャッキ
１５０ 治具ユニット

Claims (2)

  1. トラス構造を有するパイプ構造ユニットによる建造物の組立工法であって、
    一方の端部に形成される接合用の端面及び必要なホゾ、ホゾ穴、ホゾ溝を有し、他方の端部に相手部材への取付部を有する複数本のパイプを用意する工程と、
    各パイプの取付部を相手部材に仮締めする工程と、
    各パイプの接合用端面を組立治具上で接合して継手部を形成する工程と、
    組立治具を上昇させて継手部と取付部の間隙を圧縮する工程と、
    各パイプの取付部を本締めする工程と、
    継手部を溶接により固着する工程と、
    を備える建造物の組立工法。
  2. パイプ構造ユニットを構成するパイプの継手部の端面及び必要なホゾ、ホゾ穴、ホゾ溝は、継手部の三次元ＣＡＤとＣＡＭ情報に基いて算出される
    加工データにより精密レーザ加工される請求項１記載の建造物の組立工法。
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