JP3768404B2 - 建物の施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物ユニットを用いた建物の施工方法に関する。
【0002】
【背景の技術】
近年、予め工場で生産された複数の建物ユニットを組み合わせて立てられるユニット建物が、施工期間が短いなどの利点を備えるため広く採用されるようになった。
このユニット建物を構成する建物ユニットは、鉄骨を直方体状に組み立てたフレームに、床面材や壁面材を貼り付けたものが一般的である。そして、この建物フレームは、建物の天井部を構成する上梁部と、建物の床部を構成する下梁部と、上梁部と下梁部との間に架設される複数の柱とを備えている。
【0003】
そして、例えば特公平8−16350号公報に示すように、複数の柱のうち少なくとも一本の柱を上梁部及び下梁部から取り外し可能な仮柱で構成した建物ユニットを用いて建物を施工する技術が知られている。
この技術によれば、複数の建物ユニットをその仮柱を互いに隣接するようにして並設し、ついでこれら仮柱を取り外すことにより、仮柱が存在していた箇所に空間を形成することができる。すなわち、建物の内部に大空間を形成することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、仮柱は上梁部と下梁部との間に架設されて他の柱と同様に上梁部を支持しているので、仮柱から上梁部及び下梁部に抗力が作用している。したがって、仮柱を取り外すに際して仮柱と上梁部及び下梁部との間に摩擦力が生じるため、この摩擦力に抗して仮柱を動かさなければならず、よって仮柱が取り外し難いという問題があった。本発明の課題は、仮柱を容易に取り外すことができる建物ユニットを用いた建物の施工方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、例えば図1及び図2、図5及び図6に示すように、複数の柱8と、該柱8の上端部どうしを連結する複数の上梁3・4と、該柱8の下端部どうしを連結する複数の下梁6・7とを備え、複数の前記柱8のうち少なくとも一本が前記上梁3・4及び前記下梁6・7から取り外し可能な仮柱10となっており、前記仮柱10は、長さ方向に複数の治具柱11・12に分けられており、隣接する前記治具柱11・12は、それらの間に所定の大きさのクリアランス13をもって連結部材20によって連結されており、この連結部材20は前記治具柱11・12に着脱可能である、建物ユニット用いて建物を施工する建物の施工方法であって、
前記建物ユニット1を所定の位置に設ける工程と、前記建物ユニット1の連結部材20を治具柱11・12から取り外し、次いで、この建物ユニット1の治具柱11・12を上梁3・4及び下梁6・7から取り外す工程とを含むことを特徴とする。
【0006】
ここで、仮柱10を上梁3・4及び下梁6・7から取り外し可能とするには、例えば、図4に示すように、仮柱10の上端部と上梁3・4とをボルト17で締結する一方で、仮柱10の下端部と下梁6・7とをボルトで締結すればよい。
また、連結部材20を治具柱11・12に着脱可能に設けるには、例えば請求項4のようにすればよい。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、連結部材20を治具柱11・12から取り外すことで、仮柱10を構成する複数の治具柱11・12どうしの間にクリアランス13が形成されるので、仮柱10は上梁3・4を支持しなくなる。したがって、仮柱10から上梁3・4及び下梁6・7に抗力が作用しなくなるので、仮柱10を上梁3・4及び下梁6・7から取り外すに際して上梁3・4及び下梁6・7と仮柱10との間に摩擦力が生じなくなる。そして、仮柱10に比して小型・軽量な治具柱11・12を取り外すことで、仮柱10を取り外すことができる。したがって、仮柱10を容易に取り外すことができる。
また、仮柱10を構成する治具柱11・12は連結部材20によって連結されているので、仮柱10は建物ユニットを構成する他の柱8と同様に上梁3・4を支持することができる。
【0008】
請求項2記載の発明は、例えば図1に示すように、請求項1記載の発明において、連結部材20は、建物ユニット1の内部側に配置されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、連結部材20は建物ユニット1の内部側に配置されているので、建物ユニット1を搬送したり取り扱う際に連結部材20が邪魔にならない。さらには、複数の建物ユニット1を所定の位置に設けた後に連結部材20を取り外すに際して、他の建物ユニット1が作業の邪魔にならないので、連結部材20を容易に取り外すことができる。
【0009】
請求項3記載の発明は、例えば図2及び図3に示すように、請求項1または2記載の発明において、連結部材20には、治具柱11・12の側面11a・11b・12a・12bに面接触する当接面20a・20bが形成されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、連結部材20の当接面20a・20bを治具柱11・12の側面11a・11b・12a・12bに面接触させて連結部材20と治具柱11・12とを接合することで、連結部材20と治具柱11・12とを強固に接合することができる。
【0010】
また、治具柱11・12どうしを連結部材20で連結するに際しては、連結部材20の当接面20a・20bを治具柱11・12の側面11a・11b・12a・12bに面接触させることで、治具柱11・12の軸方向と交差する方向の位置決めを容易に行うことができる。
【0011】
請求項4記載の発明は、例えば図2及び図3に示すように、請求項1〜3のいずれか記載の発明において、連結部材20には、該連結部材20の表面から治具柱11・12側に貫通する連結部材側係合孔(上側係合孔21、下側係合孔22)が一又は複数設けられ、
治具柱11・12の前記連結部材側係合孔21・・・22・・・に対向する部位には、柱側係合孔14・・・15・・・が一又は複数設けられ、
固定部材(ボルト)23・・・が前記連結部材側係合孔21・・・22・・・及び前記柱側係合孔14・・・15・・・を通って、前記治具柱11・12と前記連結部材20とに亙って設けられていることを特徴とする。
ここで、固定部材23としては、例えばボルトがある。
【0012】
請求項4記載の発明によれば、固定部材23・・・が治具柱11・12と連結部材20とに亙って設けられているので、連結部材20を治具柱11・12に強固に接合することができ、したがって治具柱11・12どうしを強固に連結することができる。
また、固定部材23・・・は連結部材側係合孔21・・・22・・・及び柱側係合孔14・・・15・・・を通っているので、固定部材23・・・を容易に取り外すことができ、したがって連結部材20を容易に取り外すことができる。
【0013】
請求項5記載の発明は、例えば、図7〜図9に示すように、請求項1〜4のいずれか記載の発明において、
前記複数の治具柱11A・12Aのうち一番下の治具柱12Aの長さが他の治具柱11Aの長さより長いことを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれか記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、前記仮柱10Aを長さ方向に分ける複数の治具柱11A・12Aのうち、一番下の治具柱12Aの長さが他の治具柱11Aの長さより長いので、前記他の治具柱11Aの長さが短くなり、前記一番下の治具柱12Aより上方に位置する他の治具柱11Aを外すときの作業が容易となる。
【0015】
つまり、一番下の治具柱の長さより高い位置に配置された他の治具柱を外す際、例えば、上端部が上梁に接合されている治具柱等を外す場合等には、脚立を用いて外すことになるが、他の治具柱11Aの長さが短いので、作業者は担いで脚立を下りることができ、その取り外し作業を効率よく容易に行うことができる。
したがって、連結部材20Aを外して、治具柱11A・12Aを取り外す際に、一番下の治具柱12Aは脚立を用いずに下端部を作業面に当接させて倒す等して容易に外すことができるとともに、他の治具柱11Aも容易に取り外すことができ、仮柱の取り外し作業を一層容易に行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
まず、図1〜図4に基づいて本発明に係る建物ユニット1の構成を説明する。建物ユニット1は、建物の天井部を構成する上梁部2と、建物の床部を構成する下梁部5と、上梁部2と下梁部5との間に架設されている3本の柱8及び仮柱10とを備えている。
【0019】
上梁部2は、上梁(長辺上梁)3・3と上梁(短辺上梁)4・4とで組み立てられた矩形状の枠に、図示しない複数の天井根太を一方の上梁3から他方の上梁3にわたって互いに平行にかつ等間隔に架設したものである。
そして、3本の柱8の上端部と仮柱10の上端部とを上梁3・3・4・4が連結している。
【0020】
下梁部5は、下梁(長辺下梁)6・6と下梁(短辺下梁)7・7とで組み立てられた矩形状の枠に、図示しない複数の床根太を一方の下梁6から他方の下梁6にわたって互いに平行にかつ等間隔に架設したものである。
そして、3本の柱8の下端部と仮柱10の下端部とを下梁6・6・7・7が連結している。
【0021】
仮柱10は、上梁部2及び下梁部5に取り外し可能に接合されている部材である。
仮柱10は、長さ方向に2つの治具柱11・12に分けられており、治具柱11と治具柱12とがクリアランス13をもって連結部材20により連結されている。なお、クリアランス13の高さは約10mmに設定されている。
治具柱11・12は中空部を有する断面矩形状の長尺部材であり、治具柱11は上梁部2に接合され、治具柱12は下梁部5に接合されている。
【0022】
治具柱11と上梁部2との接合構造は以下のようになっている。すなわち、図4に示すように、上梁3・4で構成される角部の下端部に当接板9が溶接固定されており、一方、治具柱11の上端部には当接板16が溶接固定されている。
当接板9には、その上端面から下端面に貫通する係合孔9aが形成されており、一方、当接板16の係合孔9aに対応する部位には、その上端面から下端面に貫通する係合孔16aが形成されている。
【0023】
ここで、係合孔9a・16aの内壁面には雌ネジが形成されており、また、治具柱11の上端部にはナット18やレンチが通される作業用孔が形成されている。
そして、当接板9と当接板16とが当接しており、ボルト17が当接板9の表面から係合孔9a・16aを通して治具柱11の内部までねじ込まれている。
また、治具柱11の作業用孔から挿入されたナット18がボルト17に螺合している。
なお、治具柱12と下梁部5との接合構造は、上述した治具柱11と上梁部2との接合構造と同様である。
【0024】
治具柱11の側面のうち、建物ユニット1内部に面する側面11a・11bの下端部には、治具柱11の内部に貫通する柱側係合孔14がそれぞれ2つ形成されている。一方、治具柱12の側面のうち、建物ユニット1内部に面する側面12a・12bの上端部には、内部に貫通する柱側係合孔15がそれぞれ2つ形成されている。
また、柱側係合孔14・・・15・・・の内壁面には雌ネジが形成されている。
【0025】
連結部材20は、金属板を直角に折り曲げることで形成された断面L字状の部材であり、建物ユニット1の内部側に配置されている。
連結部材20は、治具柱11の側面11a及び治具柱12の側面12aに面接触している当接面20aと、治具柱11の側面11b及び治具柱12の側面12bに面接触している当接面20bとを備えている。
【0026】
また、治具柱11の柱側係合孔14・・・に対向する部位に上側係合孔(連結部材側係合孔)21・・・が形成されており、治具柱12の柱側係合孔15に対向する部位に下側係合孔(連結部材側係合孔)22・・・が形成されている。
上側係合孔21・・・及び下側係合孔22・・・は、連結部材20の表面から治具柱11・12側に貫通しており、上側係合孔21・・・及び下側係合孔22・・・の内壁面には雌ネジが形成されている。
【0027】
そして、ボルト(固定部材)23・・・が連結部材20から上側係合孔21・・・及び柱側係合孔14・・・を通って治具柱11の内部までねじ込まれており、連結部材20から下側係合孔21・・・及び柱側係合孔15・・・を通って治具柱12の内部までねじ込まれている。
【0028】
次に、建物ユニット1を用いて建物を施工するに際して、建物ユニット1を設置する方法及び建物ユニット1の仮柱10を取り外す方法について図4〜図6に基づいて説明する。なお、本実施の形態では、建物ユニット1を4つ用いて建物ユニット4つ分の広さを有する大空間を形成する方法について説明する。
【0029】
まず、4つの建物ユニット1を、仮柱10が互いに隣接するようにして設置し、隣り合う上梁3・4どうし及び下梁6・7どうしを接合する。
そして、各建物ユニット1の仮柱10を以下の方法により取り外す。
すなわち、まずボルト23を取り外して、連結部材20を治具柱11・12から取り外す。
【0030】
次いで、治具柱11と上梁部2とを接合しているボルト17及びナット18を取り外すことで治具柱11を上梁3・4から取り外す一方で、治具柱12と下梁部5とを接合しているボルト及びナットを取り外すことで治具柱12を下梁6・7から取り外すことで、仮柱10を取り外す。
このように各建物ユニット1の仮柱10を取り外すことで、建物ユニット4つ分の大きさを有する大空間が形成される。
【0031】
従って、本実施の形態に係る建物ユニット1によれば、連結部材20を治具柱11・12から取り外すことで、治具柱11と治具柱12との間にクリアランス13が形成されるので、仮柱10は上梁を支持しなくなる。したがって、仮柱10から上梁3・4及び下梁6・7に抗力が作用しなくなるので、仮柱10を上梁3・4及び下梁6・7から取り外すに際して上梁3・4及び下梁6・7と仮柱10との間に摩擦力が生じなくなる。また、仮柱10に比して小型・軽量な治具柱11・12を取り外せばよいこととなる。
よって、仮柱10を容易に取り外すことができる。
また、治具柱11・12は連結部材20によって連結されているので、仮柱10は他の3本の柱8と同様に上梁3・4を支持することができる。
【0032】
ここで、連結部材20は建物ユニット1の内部側に配置されているので、建物ユニット1を搬送したり取り扱う際に連結部材20が邪魔にならない。さらに、複数の建物ユニット1を所定の位置に設けた後に連結部材20を取り外すに際して、他の建物ユニット1が作業の邪魔にならないので、連結部材20を容易に取り外すことができる。
【0033】
また、連結部材20の当接面20a・20bを治具柱11・12の側面11a・11b・12a・12bに面接触させて連結部材20と治具柱11・12とを接合しているので、連結部材20と治具柱11・12とを強固に接合することができる。そして、治具柱11と治具柱12とを連結部材20で連結するに際しては、連結部材20の当接面20a・20bを治具柱11・12の側面11a・11b・12a・12bに面接触させることで、治具柱11・12の軸方向と交差する方向の位置決めを容易に行うことができる。
【0034】
また、ボルト23が治具柱11・12と連結部材20とに亙って設けられているので、連結部材20を治具柱11・12に強固に接合することができ、したがって治具柱11と治具柱12とを強固に連結することができる。さらに、ボルト23は連結部材側係合孔(上側係合孔21・・・、下側係合孔22・・・)及び柱側係合孔14・・・15・・・を通っているので、ボルト23を容易に取り外すことができ、したがって連結部材20を容易に取り外すことができる。
【0035】
〔第2の実施の形態〕
次に、図7〜図11に基づいて本発明に係る第2の実施の形態の建物ユニット1の構成を説明する。
建物ユニット1Aは、仮柱10Aの構成のみ異なり、その他の構成は上記建物ユニット1と程同様であり同様の構成要素については同符号同名称を用いて説明は省略する。
すなわち、建物の天井部を構成する上梁部2と、建物の床部を構成する下梁部5と、上梁部2と下梁部5との間に架設されている3本の柱8及び仮柱10Aとを備える。
【0036】
仮柱10Aは、上梁部2及び下梁部5に取り外し可能に接合されている部材であり、長さ方向に2つの治具柱11A・12Aに分けられている。
これら治具柱11Aと治具柱12Aとはクリアランス13Aをもって連結部材20Aにより連結されている。なお、クリアランス13Aの高さは約10mmに設定されている。
治具柱11A・12Aは中空部を有する断面矩形状の長尺部材であり、治具柱11Aは上梁部2に接合され、治具柱12Aは下梁部5に接合されている。
ここで治具柱11A・11Bのうち一番下の治具柱である治具柱12Aの長さLは、上の治具柱11Aの長さlより長くなるように構成されている。例えば、治具柱11Aの長さを略910mm、治具柱12Aの長さを略1500mmとする等である。
よってこれら治具柱11A・12Aとを連結する連結部材の位置は、仮柱10A全体で見ると上方に配置された状態となっている。
【0037】
治具柱11Aと上梁部2との接合構造や、治具柱12と下梁部5との接合構造は上述した治具柱11と上梁部2との接合構造と同様の構造であるので説明は省略する。
【0038】
治具柱11Aの建物ユニット1A内部に面する側面11a・11bの下端部には、上述した柱側係合孔14と同様の柱側係合孔14Aがそれぞれ2つ形成されている。一方、治具柱12Aの建物ユニット1A内部に面する側面12a・12bの上端部には、上述した柱側係合孔15と同様の柱側係合孔15Aがそれぞれ2つ形成されている。これら柱側係合孔14A…15A…の内壁面には雌ネジが形成されている。
【0039】
連結部材20Aは、連結部材20と同様に金属板を直角に折り曲げることで形成され、当接面20a及び当接面20bを備えた断面L字状の部材であり、建物ユニット1の内部側に配置されている。
また、連結部材20Aには、前記上側係合孔21及び下側係合孔22と同様に構成された上側係合孔21A及び下側係合孔22A…が形成されている。
そして、ボルト(固定部材)23…が連結部材20から上側係合孔21A…及び柱側係合孔14A…を通って治具柱11Aの内部までねじ込まれており、連結部材20Aから下側係合孔21A…及び柱側係合孔15A…を通って治具柱12Aの内部までねじ込まれている。
【0040】
また、上側係合孔21Aは上下に延在する長穴であるので、治具柱11A・12Aとを接合する際には、まず下側係合孔22Aにボルト23を通して治具柱12Aに固定した後、治具柱11Aと連結部材20Aとを連結する場合、連結されることで形成される仮柱10Aの長さを調整することができる。また、連結部材20Aを治具柱11A・12Aから外す際に、上側係合孔21Aからボルト23を外すことで、上側係合孔21Aの長穴が、治具柱11A・12Aから上梁3・4及び下梁6・7への抗力を吸収するので、下側係合孔22Aからボルト23を容易に外すことができる。
【0041】
なお、この建物ユニット1Aを用いて建物を施工する際に、建物ユニットを設置する方法は上述した建物ユニット1と略同様である。
ここでは建物を施工する際の仮柱10Aを外す方法について説明する。
図11に示すように、仮柱10Aを互いに隣接するようにして設置し、隣り合う上梁3・4どうし及び下梁6・7どうしを接合した建物ユニット1Aの仮柱10Aを取り外す際には、仮柱10Aの備える複数の治具柱11A・12Aのうち、一番下の治具柱12Aの長さが長い分、上述した建物ユニット1の構成よりも容易に取り外すことができる。
すなわち、図11において治具柱11Aと上梁部2とを接合しているボルト及びナットを取り外すことで治具柱11Aを上梁3・4から取り外す一方で、治具柱12Aと下梁部5とを接合しているボルト及びナットを取り外すことで治具柱12Aを下梁6・7から取り外すことで、仮柱10Aを取り外す。
【0042】
このとき、上端部が上梁に接合されている治具柱11Aを外す際には脚立を用いる。ここで治具柱11Aの長さは短くなっているので重量が軽く、上梁から外す作業が容易となり、さらにその後、作業者が担いで脚立を下りることができ、治具柱11Aの取り外し作業を効率よく容易に行うことができる。
したがって、連結部材20Aを外して、治具柱11A・12Aを上梁4や下梁7から取り外す際に、長さのある一番下の治具柱12Aについては下端部を作業面に当接させて倒す等して容易に外すことができるとともに、治具柱12Aの上方で隣接する他の治具柱11Aも容易に取り外すことができ、仮柱の取り外し作業を一層容易に行うことができる。
これにより各建物ユニット1Aの仮柱10Aを取り外すことで大空間(図11では建物ユニット2つ分の大きさを有する空間)を形成できる。
【0043】
なお、以上の実施の形態においては、建物ユニット1・1Aに仮柱10・10Aを一本備えたものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、2本以上備えさせてもよい。
また、仮柱10(10A)を2つの治具柱11・12(11A・12A)に分けるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、3つ以上の治具柱に分けるものとしてもよい。
また、治具柱11・12(11A・12A)を断面矩形状の柱としたが、他の形状の柱例えば円柱としてもよい。
【0044】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、仮柱を上梁及び下梁から取り外すに際して上梁及び下梁と仮柱との間に摩擦力が生じなくなる。そして、仮柱に比して小型・軽量な治具柱を取り外すことで、仮柱を取り外すことができる。したがって、仮柱を容易に取り外すことができる。また、仮柱を構成する治具柱は連結部材によって連結されているので、仮柱は建物ユニットを構成する他の柱と同様に上梁を支持することができる。
【0045】
請求項2記載の発明によれば、請求項1と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、建物ユニットを搬送したり取り扱う際に連結部材が邪魔にならない。さらには、複数の建物ユニットを所定の位置に設けた後に連結部材を取り外すに際して、他の建物ユニットが作業の邪魔にならないので、連結部材を容易に取り外すことができる。
【0046】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、連結部材と治具柱とを強固に接合することができる。
また、治具柱どうしを連結部材で連結するに際して、治具柱の軸方向と交差する方向の位置決めを容易に行うことができる。
【0047】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか記載の発明と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、連結部材を治具柱に強固に接合することができ、したがって治具柱どうしを強固に連結することができる。
また、固定部材を容易に取り外すことができるので、連結部材を容易に取り外すことができる。
【0048】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれか記載の発明と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、前記他の治具柱の長さが前記一番下の治具柱の長さより短くなり、前記一番下の治具柱の上方に配置された他の治具柱の取り外し作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施の形態の建物ユニットの構成を示す図である。
【図2】同、仮柱及び連結部材の構成を示す図である。
【図3】同、治具柱と連結部材との接合の態様を示した斜視図である。
【図4】同、治具柱と上梁との接合の態様を示した一部破断部分を含む斜視図である。
【図5】同、建物ユニットを設置する態様を示した平面図である。
【図6】同、建物ユニットから仮柱を取り外す態様を示した斜視図である。
【図7】本発明を適用した第2の実施の形態の建物ユニットの構成を示す図である。
【図8】図7において上梁と下梁とを連結した状態の仮柱を示す図であり、(a)は仮柱をユニットの内側から見た図、(b)は(a)の平面図である。
【図9】同、仮柱部分を示す分解斜視図である。
【図10】同、治具柱と連結部材との接合の態様を示す斜視図である。
【図11】同、建物ユニットから仮柱を取り外す態様を示した斜視図である。
【符号の説明】
1・1A 建物ユニット
3・4 上梁
6・7 下梁
8 柱
10・10A 仮柱
11・12・11A・12A 治具柱
11a・11b・12a・12b 治具柱の側面
13・13A クリアランス
14・15・14A・15A 柱側係合孔
20・20A 連結部材
20a・20b 当接面
21・21A 上側係合孔(連結部材側係合孔)
22・22A 下側係合孔(連結部材側係合孔)
23 ボルト(固定部材)
Claims (5)
- 複数の柱と、該柱の上端部どうしを連結する複数の上梁と、該柱の下端部どうしを連結する複数の下梁とを備え、複数の前記柱のうち少なくとも一本が前記上梁及び前記下梁から取り外し可能な仮柱となっており、前記仮柱は、長さ方向に複数の治具柱に分けられており、隣接する前記治具柱は、それらの間に所定の大きさのクリアランスをもって連結部材によって連結されており、この連結部材は前記治具柱に着脱可能である、建物ユニット用いて建物を施工する建物の施工方法であって、
前記建物ユニットを所定の位置に設ける工程と、前記建物ユニットの連結部材を治具柱から取り外し、次いで、この建物ユニットの治具柱を上梁及び下梁から取り外す工程とを含むことを特徴とする建物の施工方法。 - 連結部材は、建物ユニットの内部側に配置されていることを特徴とする請求項1記載の建物の施工方法。
- 連結部材には、治具柱の側面に面接触する当接面が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の建物の施工方法。
- 連結部材には、該連結部材の表面から治具柱側に貫通する連結部材側係合孔が一又は複数設けられ、治具柱の前記連結部材側係合孔に対向する部位には、柱側係合孔が一又は複数設けられ、固定部材が前記連結部材側係合孔及び前記柱側係合孔を通って、前記治具柱と前記連結部材とに亙って設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の建物の施工方法。
- 前記複数の治具柱のうち一番下の治具柱の長さが他の治具柱の長さより長いことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の建物の施工方法。
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