JP2009249995A - 鋼管鉄塔主柱材取替工法およびその工法に用いる接続金具構成体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 鋼管鉄塔の鋼管主柱材に適した接続金具構成体を提供して、欠陥主柱材の取替を簡易、迅速に実施できる主柱材取替工法を得ること。
【解決手段】 取替対象主柱材に接続金具構成体を取り付ける工程と、仮設包囲鉄塔を組み立てる工程と、仮設腕金を仮設包囲鉄塔に組み付けて電線支持装置を移設する工程と、取替対象主柱材の上部フランジボルトを緩める工程と、取替対象主柱材に対応する脚を所定距離だけ吊り上げる工程と、新規主柱材と取り替える工程とからなる。接続金具構成体は、所定長さの連結プレートと、連結プレートに支持された1対の第1二分割バンドと、第1二分割バンドに着脱自在にボルト止めされた1対の第2二分割バンドと、連結プレートの他方の側に支持された所定長さの連結山形鋼材とからなる。二分割バンドがボルトによって鋼管鉄塔の主柱材に摩擦止めされる。
【選択図】 図11
【解決手段】 取替対象主柱材に接続金具構成体を取り付ける工程と、仮設包囲鉄塔を組み立てる工程と、仮設腕金を仮設包囲鉄塔に組み付けて電線支持装置を移設する工程と、取替対象主柱材の上部フランジボルトを緩める工程と、取替対象主柱材に対応する脚を所定距離だけ吊り上げる工程と、新規主柱材と取り替える工程とからなる。接続金具構成体は、所定長さの連結プレートと、連結プレートに支持された1対の第1二分割バンドと、第1二分割バンドに着脱自在にボルト止めされた1対の第2二分割バンドと、連結プレートの他方の側に支持された所定長さの連結山形鋼材とからなる。二分割バンドがボルトによって鋼管鉄塔の主柱材に摩擦止めされる。
【選択図】 図11
Description
本発明は、鋼管鉄塔主柱材取替工法およびその工法に用いる接続金具構成体に関するものである。
鋼管鉄塔の主柱材の一部に欠陥が生じた場合、その欠陥主柱材を新規主柱材に取り替える必要がある。従来、主柱材を取り替える場合には、既設鉄塔近傍に仮設鉄塔を建設し、既設鉄塔近傍から仮設鉄塔へ電線を停止工事の下で移設した後、既設鉄塔の欠陥主柱材を取り替え、次いで、仮設鉄塔に移設した電線を既設鉄塔に戻した後、仮設鉄塔の解体を行うという、非常に大規模な設備と煩雑な工程を要していた。
山形鋼材を主柱材とした鉄塔の塔体嵩上げ工法の一例としては、既設塔体下部内側または外側に補強塔体を設置し、既設塔体上部外側に仮設塔体を組み付け、対象嵩上げ階層上方にある既設塔体部分を仮設塔体を支点として引き上げ、引上げ空間に新規の嵩上げ塔部を組み付ける工程を採っている工法がある(特許文献1参照)。
山形鋼材からなる主柱材は、現地での穴明け、ボルト止め等の作業が比較的容易であり、主柱材の強度を低下させないので、既設塔体に補強塔体および仮設塔体を組み付けるために、特別の接続金具を必要としない。しかし、鋼管主柱材は、穴明け、ボルト止め等の作業が困難である上に鋼管主柱材の強度を低下させるので、摩擦止め機能を有する特別の接続金具を必要とする。また、補強塔体を設置する場合には、基礎部の施工も必要となる。さらに、現地での溶接作業は、溶接機械の搬送、設置、足場組付け等の作業の困難さおよび厳重な施工監理等が必要となることから、極力回避することが望ましい。
特開2000−110407号公報
本発明の課題は、鋼管主柱材に適した接続金具構成体を提供して、欠陥主柱材の取替を簡易、迅速に実施できる鋼管鉄塔主柱材取替工法を得ることにある。
上記課題を解決するために、本発明に基づく鋼管鉄塔主柱材取替工法は、既設鋼管鉄塔の取替対象主柱材の下方複数階層に亘って専用の接続金具構成体を取り付ける第1工程と、既設鋼管鉄塔の周囲で接続金具構成体の頂部取付け位置から鉄塔頂部までを包囲する仮設包囲鉄塔を組み立てる第2工程と、既設鋼管鉄塔の腕金を包み込む仮設腕金を仮設包囲鉄塔に組み付け、既設腕金の電線支持装置を仮設腕金に移設する第3工程と、取替対象主柱材の上部フランジボルトを緩める第4工程と、仮設包囲鉄塔の頂部を支点として既設鋼管鉄塔の取替対象主柱材に対応する脚を所定距離だけ吊り上げる第5工程と、および取替対象主柱材を新規主柱材と取り替える第6工程とからなる。
第6工程終了後、第5工程から第1工程までを順に逆に実施して原状に復帰させることができる。第3工程において既設腕金の片側の送電を停止して、片側ずつ第3工程を実施すれば、全面停電を回避でき、停電時間も短縮できる。第4工程において取替対象主柱材がある階層のすべての主柱材上部フランジボルトを緩め、第5工程において仮設包囲鉄塔の頂部を支点として既設鋼管鉄塔の取替対象主柱材がある階層のすべての主柱材に対応する脚を所定距離だけ吊り上げてもよい。この脚吊上げ距離は20−40mmであることが好ましい。
上述した鋼管鉄塔主柱材取替工法に用いる本発明の第1形態の接続金具構成体は、所定長さの連結プレートと、連結プレートの一方の側に所定の間隔をあけて支持された1対の第1二分割バンドと、第1二分割バンドに着脱自在にボルト止めされた1対の第2二分割バンドと、連結プレートの他方の側に支持された所定長さの連結山形鋼材とからなり、第1および第2二分割バンドが鋼管鉄塔の主柱材に摩擦止めされる。
第1形態の接続金具構成体において、所定長さの連結プレートと、連結プレートの一方の側に所定の間隔をあけて支持された1対の第1二分割バンドと、第1二分割バンドに着脱自在にボルト止めされた1対の第2二分割バンドと、連結プレートの他方の側に支持された所定長さの連結山形鋼材とからなる接続金具ユニットを、鋼管鉄塔の高さ方向に複数階層直列に連結できる。この場合、隣接する接続金具ユニットの連結山形鋼材の端部が相互にボルト止めされてもよい。
上述した鋼管鉄塔主柱材取替工法に用いる本発明の第2形態の接続金具構成体は、所定長さの連結プレートと、連結プレートの一方の側に着脱自在にボルト止めされた1対の第1三分割バンドと、第1三分割バンドの自由端側に着脱自在にボルト止めされた第2三分割バンドと、連結プレートの他方の側に支持された所定長さの連結山形鋼材とからなり、1対の第1三分割バンドの自由端側と前記第2三分割バンドとの間に鋼管鉄塔の腹材ガセットプレートを挟み込みボルト止めされる。
第2形態の接続金具構成体において、所定長さの連結プレートと、連結プレートの一方の側に着脱自在にボルト止めされた1対の第1三分割バンドと、第1三分割バンドの自由端側に着脱自在にボルト止めされた第2三分割バンドと、連結プレートの他方の側に支持された所定長さの連結山形鋼材とからなる接続金具ユニットを、鋼管鉄塔の高さ方向に複数階層直列に連結できる。この場合、隣接する接続金具ユニットの連結山形鋼材の端部が相互にボルト止めされてもよい。
上述した鋼管鉄塔主柱材取替工法に用いる本発明の第3形態の接続金具構成体は、所定長さの連結プレートと、連結プレートの一方の側に所定の間隔をあけて支持された1対の第1二分割バンドと、第1二分割バンドに着脱自在にボルト止めされた1対の第2二分割バンドと、連結プレートの他方の側に支持された所定長さの連結山形鋼材とからなる第1接続金具ユニットと、および連結プレートの一方の側に着脱自在にボルト止めされた1対の第1三分割バンドと、1対の第1三分割バンドの自由端側に着脱自在にボルト止めされた第2三分割バンドとからなる第2接続金具ユニットとからなり、第1および第2二分割バンドが鋼管鉄塔の主柱材に摩擦止めされ、かつ、1対の第1三分割バンドの自由端側と第2三分割バンドとの間に鋼管鉄塔の腹材ガセットプレートを挟み込みボルト止めされる。
第3形態の接続金具構成体において、所定長さの連結プレートと、連結プレートの一方の側に所定の間隔をあけて支持された1対の第1二分割バンドと、第1二分割バンドに着脱自在にボルト止めされた1対の第2二分割バンドと、連結プレートの他方の側に支持された所定長さの連結山形鋼材とからなる第1接続金具ユニットと、および連結プレートの一方の側に着脱自在にボルト止めされた1対の第1三分割バンドと、第1三分割バンドの自由端側に着脱自在にボルト止めされた第2三分割バンドとからなる第2接続金具ユニットとを含む合成ユニットを、鋼管鉄塔の高さ方向に複数階層直列に連結できる。この場合、隣接する合成ユニットの連結山形鋼材の端部が相互にボルト止めされてもよい。
本発明の接続金具構成体は、軽量であり、現地での溶接作業を一切不要とし、既設鋼管鉄塔の任意の箇所に簡単に取り付けることができ、鋼管鉄塔主柱材の取替えを簡易、迅速に実施できる。
次に、図1−4を参照して本発明に基づく鋼管鉄塔主柱材取替工法の実施例について説明する。図1および図2は、本発明に基づく鋼管鉄塔主柱材取替工法を実施する各工程の説明図である。
本発明に基づく鋼管鉄塔主柱材取替工法は、図1および図2に示すように、次の工程からなる。第1工程は、既設鋼管鉄塔1の取替対象主柱材11の下方複数階層に亘って専用の接続金具構成体2を取り付ける(図1の(A)図)。第2工程は、既設鋼管鉄塔1の周囲で接続金具構成体2の頂部取付け位置から鉄塔頂部までを包囲する仮設包囲鉄塔3を組み立てる(図1の(B)図)。第3工程は、既設鋼管鉄塔1の既設腕金12を包み込む仮設腕金31を仮設包囲鉄塔3に組み付け、既設腕金12の電線支持装置13を仮設腕金31に移設する(図1の(C)図)。第4工程は、取替対象主柱材11の上部フランジボルト111を緩める(図2の(A)図)。第5工程は、仮設包囲鉄塔3の頂部32を支点として既設鋼管鉄塔1の取替対象主柱材11に対応する脚を所定距離だけ吊り上げる(図2の(B)図)。第6工程は、取替対象主柱材11を新規主柱材33と取り替える(図2の(C)図)。
図3および図4は、図2の各工程を詳細に示す。図3は、仮設包囲鉄塔3の頂部32の概略説明図である。図4の(A)図は取替対象主柱材11の上部フランジボルト111を緩める第4工程(図2の(A)図)に、図4の(B)図は仮設包囲鉄塔3の頂部32を支点として既設鋼管鉄塔1の脚を所定距離だけ吊り上げる第5工程(図2の(B)図)に、図4の(C)図および(D)図は取替対象主柱材11を新規主柱材と交換する第6工程(図2の(C)図)にそれぞれ対応する。
第6工程終了後、第5工程から第1工程までを順に逆に実施して原状に復帰させることができる。第3工程において既設腕金12の片側の送電を停止して、片側ずつ第3工程を実施すれば(図1の(C)図参照)、全面停電を回避でき、停電時間も短縮できる。第4工程において取替対象主柱材11がある階層のすべての主柱材上部フランジボルトを緩め、第5工程において仮設包囲鉄塔3の頂部32を支点として既設鋼管鉄塔1の取替対象主柱材11がある階層のすべての主柱材に対応する脚を所定距離だけ吊り上げてもよい。この脚吊上げ距離は、20−40mmであることが好ましい。
次に、図5−17を参照して上述した鋼管鉄塔主柱材取替工法に用いる本発明の接続金具構成体2の実施例について説明する。
本発明に基づく第1実施例の接続金具構成体2aを、図5−7に示す。図5は第1実施例の接続金具構成体2aの側面図であり、図6は図5のVI−VI線から取った横断面図であり、図7は図5のVII−VII線から取った横断面図である。
第1実施例の接続金具構成体2aは、所定長さの連結プレート21aと、連結プレート21aの一方の側(図5において右側、すなわち鋼管鉄塔1に近接した側)に所定の間隔をあけて溶接またはボルトによって支持(以下、単に「支持」という。)された1対の第1二分割バンド22a、22aと、1対の第1二分割バンド22a、22aに着脱自在にボルト止めされた1対の第2二分割バンド23a、23aと、連結プレート21aの他方の側(図5において左側、すなわち鋼管鉄塔1から離れた側)に支持された所定長さの連結山形鋼材24aとからなる。第1二分割バンド22aと第二分割バンド23aとがボルト25aによって鋼管鉄塔1の主柱材14に摩擦止めされる。
第1実施例の接続金具構成体2aにおいて、所定長さの連結プレート21aと、連結プレート21aの一方の側に所定の間隔をあけて支持された1対の第1二分割バンド22aと、第1二分割バンド22aに着脱自在にボルト止めされた1対の第2二分割バンド23aと、連結プレート21aの他方の側に支持された所定長さの連結山形鋼材24aとからなる接続金具ユニットを、鋼管鉄塔1の高さ方向に複数階層直列に連結できる(図1、2参照)。この場合、隣接する接続金具ユニットの連結山形鋼材24aの端部(図示せず)が相互にボルト止めされてもよい。
図12−14を参照して、第1実施例の接続金具構成体2aの主柱材固定効果を説明する。図12は比較例を示す。図12の(A)図に示すように、長さLの2対の二分割バンド5、5を隣接させて鋼管鉄塔1の主柱材14に取り付けた場合(2個バンド不連続隣接構造)、連結山形鋼材6に加わる荷重Pは各対の二分割バンド5にP/2ずつ分配される。主柱材14は鋼管鉄塔1の高さ方向鉛直中心線に関して僅かに内側(図12においては右側)に傾いている(偏心している)ので、荷重P/2は二分割バンド5の長さLに亘って軸力が分布され、その結果、各対の二分割バンド5にはP・e/2の偏心曲げモーメントが発生し、最大R0の偶力がそれぞれ発生する。ここで、eは主柱材14と連結山形鋼材6との軸心間距離である。主柱材14の耐力を保証するためには、対になった二分割バンド5の数を増やす必要がある場合もある。
図12の(B)図に示すように、(A)図の2対の二分割バンド5、5を一体化させて長さ2Lの1対の二分割バンド5′を鋼管鉄塔1の主柱材14に取り付けた場合(2個バンド一体連続構造)、連結山形鋼材6に加わる荷重Pは1対の二分割バンド5′に作用する。主柱材14は傾いているので、荷重Pは1対の二分割バンド5′の長さ2Lに亘って軸力が分布され、その結果、1対の二分割バンド5′にはP・eの偏心曲げモーメントが発生し、最大R1の偶力が発生する。この偶力により、(B)図の構造(2個バンド一体連続構造)では、(A)図の構造(2個バンド不連続隣接構造)に比べて、分布軸力は半減される。
図12の(C)図に示すように、(A)図と同様な長さLの2対の二分割バンド5、5を、間隔2Lを空けて鋼管鉄塔1の主柱材14に取り付けた場合(2個バンド不連続離間構造)、(A)図構造の場合と同様に、連結山形鋼材6に加わる荷重Pは各対の二分割バンド5にP/2ずつ分配される。主柱材14は傾いているので、荷重P/2は二分割バンド5の長さLに亘って軸力が分布され、その結果、各対の二分割バンド5にはP・e/2の偏心曲げモーメントが発生し、各対の二分割バンド5には最大R2の偶力が発生する。この偶力により、(C)図の構造(2個バンド不連続離間構造)は、(A)図の構造(2個バンド不連続構造)に比べて、分布軸力に変化はない。
一方、第1実施例の接続金具構成体2aにおいては、図13および図14に示すように、1対の第1二分割バンド22aを連結プレート21aに溶接固定し、鋼管鉄塔1の主柱材14を第1二分割バンド22aと第2二分割バンド23aとの間に挟み込み、ボルト止めしているので、分布軸力を飛躍的に低減できる(図12の(C)図構造に比べて、最大1/7に低減できる)。偶力R3による偏心曲げモーメントMはP・eとなる。
図13の拡大詳細説明を図14に示す。図14に示すように、各対の二分割バンド22a、23aの摩擦力によって伝達力Faが発生する。
本発明に基づく第2実施例の接続金具構成体2bを、図8−10に示す。図8は第2実施例の接続金具構成体2bの側面図であり、図9は図8のIX−IX線から取った横断面図であり、図10は図5のX−X線から取った横断面図である。
第2実施例の接続金具構成体2bは、所定長さの連結プレート21bと、連結プレート21bの一方の側(図8において右側、すなわち鋼管鉄塔1に近接した側)に着脱自在にボルト止めされた1対の第1三分割バンド22b、22bと、1対の第1三分割バンド22b、22bの自由端側に着脱自在にボルト止めされた第2三分割バンド23b(図9参照)と、連結プレート21bの他方の側(図8において左側、すなわち鋼管鉄塔1から離れた側)に支持された所定長さの連結山形鋼材24bとからなる。1対の第1三分割バンド22b、22bの自由端側と第2三分割バンド23bとの間に鋼管鉄塔1の腹材ガセットプレート15を挟み込み、ボルト25bによってガセットプレート15にボルト止めされる。ガセットプレート15とのボルト連結により、接続金具構成体2bは鋼管鉄塔1に対して確実に位置決めされる。
第2実施例の接続金具構成体2bにおいて、所定長さの連結プレート21bと、連結プレート21bの一方の側に着脱自在にボルト止めされた1対の第1三分割バンド22b、22bと、1対の第1三分割バンド22b、22bの自由端側に着脱自在にボルト止めされた第2三分割バンド23bと、連結プレート21bの他方の側に支持された所定長さの連結山形鋼材24bとからなる接続金具ユニットを、鋼管鉄塔1の高さ方向に複数階層直列に連結できる(図1、2参照)。この場合、隣接する接続金具ユニットの連結山形鋼材24bの端部(図示せず)が相互にボルト止めされてもよい。
図15は、図8に対応する拡大詳細説明図であって、第2実施例に係る接続金具構成体2bの軸力および曲げモーメントを示す。連結山形鋼材24bに加わる荷重Pは、連結プレート21bを介して1対の第1三分割バンド22b、22bに伝達され、バンド22b、23b、ガセットプレート15、ボルト25bによって剪断力Fsを支持する。接続金具構成体2bには回転変形Nが作用する。このように、第2実施例の接続金具構成体2bでは主柱材14に確実に位置決めをすることはできるが、主柱材14に変形が発生し、耐剪断力が低下する場合もある。
本発明に基づく第3実施例の接続金具構成体2cを、図11および17に示す。図11は第3実施例の接続金具構成体2cの側面図であり、図17は接続金具構成体2cを鋼管鉄塔1に取り付けるさいの分解斜視図である。第3実施例の接続金具構成体2cは、実質的には前述の第1実施例の接続金具構成体2aと前述の第2実施例の接続金具構成体2bとの合成体である。
第3実施例の接続金具構成体2cは、所定長さの連結プレート21cと、連結プレート21cの一方の側(図11において右側、すなわち鋼管鉄塔1に近接した側)に所定の間隔をあけて支持された1対の第1二分割バンド22c、22cと、1対の第1二分割バンド22c、22cに着脱自在にボルト止めされた1対の第2二分割バンド23c、23cと、連結プレート21cの他方の側(図11において左側、すなわち鋼管鉄塔1から離れた側)に支持された所定長さの連結山形鋼材24cとからなる第1接続金具ユニットと、および連結プレート21cの一方の側に着脱自在にボルト止めされた1対の第1三分割バンド22c−1、22c−1と、1対の第1三分割バンド22c−1、22c−1の自由端側に着脱自在にボルト止めされた第2三分割バンド23c−1(図17参照)とからなる第2接続金具ユニットとからなり、第1二分割バンド22cおよび第2二分割バンド23cがボルト25cによって鋼管鉄塔1の主柱材14に摩擦止めされ、かつ、第1三分割バンド22c−1の自由端側と第2三分割バンド23c−1との間に鋼管鉄塔1の腹材ガセットプレート15を挟み込み、ボルト25cによってガセットプレート15にボルト止めされる。二分割バンド22c、23cと主柱材14とは摩擦止めであるが、三分割バンド22c−1、23c−1とガセットプレート15とはボルト止めであるので、接続金具構成体2cは鋼管鉄塔1に対して確実に位置決めされる。
第3実施例の接続金具構成体2cにおいて、所定長さの連結プレート21cと、連結プレート21cの一方の側に所定の間隔をあけて支持された1対の第1二分割バンド22c、22cと、1対の第1二分割バンド22c、22cに着脱自在にボルト止めされた1対の第2二分割バンド23c、23cと、連結プレート21cの他方の側に支持された所定長さの連結山形鋼材24cとからなる第1接続金具ユニットと、および連結プレート21cの一方の側に着脱自在にボルト止めされた1対の第1三分割バンド22c−1、22c−1と、1対の第1三分割バンド22c−1、22c−1の自由端側に着脱自在にボルト止めされた第2三分割バンド23c−1とからなる第2接続金具ユニットとを含む合成ユニットを、鋼管鉄塔1の高さ方向に複数階層直列に連結できる(図1、2参照)。この場合、隣接する合成ユニットの連結山形鋼材24cの端部(図示せず)が相互にボルト止めされてもよい。
図16は、図11に対応する拡大詳細説明図であって、第3実施例に係る接続金具構成体3cの軸力および曲げモーメントを示す。図16は、図14と図15とを合成したものであるが、接続金具構成体2cには回転変形Nが作用しない。このように、第3実施例の接続金具構成体2cでは主柱材14に確実に位置決めをすることができると共に、主柱材14に変形も発生せず、耐剪断力も向上する。
本発明は、主として送電線用鋼管鉄塔に利用されるが、鋼管を主柱材とした、橋梁、倉庫、体育館、電波鉄塔、石油掘削用櫓、海上プラットホーム等の建造物にも広く利用できる。
1 既設鋼管鉄塔 3 仮設包囲鉄塔
11 取替対象主柱材 12 既設腕金
13 電線支持装置 14 主柱材
31 仮設腕金 32 頂部
33 新規主柱材 111 上部フランジボルト
2、2a、2b、2c 接続金具構成体
21a、21b、21c 連結プレート
22a、22c 第1二分割バンド
22b、22c−1 第1三分割バンド
23b、23c−1 第2三分割バンド
23a、23c 第2二分割バンド
24a、24b、24c 連結山形鋼材
25a、25b、25c ボルト
11 取替対象主柱材 12 既設腕金
13 電線支持装置 14 主柱材
31 仮設腕金 32 頂部
33 新規主柱材 111 上部フランジボルト
2、2a、2b、2c 接続金具構成体
21a、21b、21c 連結プレート
22a、22c 第1二分割バンド
22b、22c−1 第1三分割バンド
23b、23c−1 第2三分割バンド
23a、23c 第2二分割バンド
24a、24b、24c 連結山形鋼材
25a、25b、25c ボルト
Claims (11)
- 次の工程からなる鋼管鉄塔主柱材取替工法。
既設鋼管鉄塔の取替対象主柱材の下方複数階層に亘って専用の接続金具構成体を取り付ける第1工程と、
既設鋼管鉄塔の周囲で前記接続金具構成体の頂部取付け位置から鉄塔頂部までを包囲する仮設包囲鉄塔を組み立てる第2工程と、
既設鋼管鉄塔の腕金を包み込む仮設腕金を前記仮設包囲鉄塔に組み付け、前記既設腕金の電線支持装置を前記仮設腕金に移設する第3工程と、
前記取替対象主柱材の上部フランジボルトを緩める第4工程と、
前記仮設包囲鉄塔の頂部を支点として前記既設鋼管鉄塔の取替対象主柱材に対応する脚を所定距離だけ吊り上げる第5工程と、および
前記取替対象主柱材を新規主柱材と取り替える第6工程。 - 前記第6工程終了後、前記第5工程から前記第1工程までを順に逆に実施して原状に復帰させる、請求項1に記載の鋼管鉄塔主柱材取替工法。
- 前記第3工程において前記既設腕金の片側の送電を停止して、片側ずつ該第3工程を実施する、請求項1に記載の鋼管鉄塔主柱材取替工法。
- 前記第4工程において前記取替対象主柱材がある階層のすべての主柱材上部フランジボルトを緩め、前記第5工程において前記仮設包囲鉄塔の頂部を支点として前記既設鋼管鉄塔の取替対象主柱材がある階層のすべての主柱材に対応する脚を所定距離だけ吊り上げる、請求項1に記載の鋼管鉄塔主柱材取替工法。
- 前記第5工程における脚吊上げ距離を20−40mmに設定した、請求項1または4に記載の鋼管鉄塔主柱材取替工法。
- 所定長さの連結プレートと、該連結プレートの一方の側に所定の間隔をあけて支持された1対の第1二分割バンドと、該第1二分割バンドに着脱自在にボルト止めされた1対の第2二分割バンドと、前記連結プレートの他方の側に支持された所定長さの連結山形鋼材とからなり、前記第1および第2二分割バンドが鋼管鉄塔の主柱材に摩擦止めされる、鋼管鉄塔主柱材取替工法用接続金具構成体。
- 所定長さの連結プレートと、該連結プレートの一方の側に所定の間隔をあけて支持された1対の第1二分割バンドと、該第1二分割バンドに着脱自在にボルト止めされた1対の第2二分割バンドと、前記連結プレートの他方の側に支持された所定長さの連結山形鋼材とからなる接続金具ユニットを、鋼管鉄塔の高さ方向に複数階層直列に連結した、請求項6に記載の鋼管鉄塔主柱材取替工法用接続金具構成体。
- 所定長さの連結プレートと、該連結プレートの一方の側に着脱自在にボルト止めされた1対の第1三分割バンドと、該第1三分割バンドの自由端側に着脱自在にボルト止めされた第2三分割バンドと、前記連結プレートの他方の側に支持された所定長さの連結山形鋼材とからなり、前記第1三分割バンドの自由端側と前記第2三分割バンドとの間に鋼管鉄塔の腹材ガセットプレートを挟み込みボルト止めされる、鋼管鉄塔主柱材取替工法用接続金具構成体。
- 所定長さの連結プレートと、該連結プレートの一方の側に着脱自在にボルト止めされた1対の第1三分割バンドと、該第1三分割バンドの自由端側に着脱自在にボルト止めされた第2三分割バンドと、前記連結プレートの他方の側に支持された所定長さの連結山形鋼材とからなる接続金具ユニットを、鋼管鉄塔の高さ方向に複数階層直列に連結した、請求項8に記載の鋼管鉄塔主柱材取替工法用接続金具構成体。
- 所定長さの連結プレートと、該連結プレートの一方の側に所定の間隔をあけて支持された1対の第1二分割バンドと、該第1二分割バンドに着脱自在にボルト止めされた1対の第2二分割バンドと、前記連結プレートの他方の側に支持された所定長さの連結山形鋼材とからなる第1接続金具ユニットと、および
前記連結プレートの一方の側に着脱自在にボルト止めされた1対の第1三分割バンドと、該第1三分割バンドの自由端側に着脱自在にボルト止めされた第2三分割バンドとからなる第2接続金具ユニットとからなり、
前記第1および第2二分割バンドが鋼管鉄塔の主柱材に摩擦止めされ、かつ、前記第1三分割バンドの自由端側と前記第2三分割バンドとの間に鋼管鉄塔の腹材ガセットプレートを挟み込みボルト止めされる、鋼管鉄塔主柱材取替工法用接続金具構成体。 - 所定長さの連結プレートと、該連結プレートの一方の側に所定の間隔をあけて支持された1対の第1二分割バンドと、該第1二分割バンドに着脱自在にボルト止めされた1対の第2二分割バンドと、前記連結プレートの他方の側に支持された所定長さの連結山形鋼材とからなる第1接続金具ユニットと、および前記連結プレートの一方の側に着脱自在にボルト止めされた1対の第1三分割バンドと、該第1三分割バンドの自由端側に着脱自在にボルト止めされた第2三分割バンドとからなる第2接続金具ユニットとを含む合成ユニットを、鋼管鉄塔の高さ方向に複数階層直列に連結した、請求項10に記載の鋼管鉄塔主柱材取替工法用接続金具構成体。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN101812927A (zh) * | 2010-03-26 | 2010-08-25 | 四川电力送变电建设公司 | 铁塔液压扶正系统 |
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CN103726705A (zh) * | 2014-01-15 | 2014-04-16 | 国家电网公司 | 一种变电站支架 |
CN111682474A (zh) * | 2020-06-19 | 2020-09-18 | 广东电网有限责任公司东莞供电局 | 一种电气设备的保护装置 |
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2008
- 2008-04-10 JP JP2008102921A patent/JP2009249995A/ja active Pending
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