JP5942698B2 - エンジン燃焼室部材の断熱構造体及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、エンジン燃焼室を構成する部品の基材表面に断熱層が形成された断熱構造体及びその製造方法に関する。
1980年代に、エンジンの熱効率を高める方法として、エンジン燃焼室に臨む部分に断熱層を設けることが提案され(例えば、特許文献1を参照。)、その後も、セラミックス焼結体からなる断熱層、又は低熱伝導性を有するジルコニア(ZrO)粒子を含む溶射層からなる断熱層が提案されている。
しかしながら、セラミックス焼結体を用いると、熱応力及び熱衝撃によるクラックの発生、並びに割れの発生といった問題が生じる。このため、特に、ピストンの頂面、シリンダライナの内周面及びシリンダヘッドの下面等の比較的に大きい面積を有する部分に、セラミックス焼結体からなる断熱層が適用されたものは実用に至っていない。
一方、溶射層自体は、シリンダライナ及びロータリーエンジンのトロコイド面に採用された実績があるが、それは耐摩耗性の向上を目的としたものであり、耐熱性の向上を目的としたものではない。溶射層を断熱層とするためには、上記のようにZrOを主体とする低熱伝導材料を溶射することが好ましいが、ジルコニア系の層は、サーメット系の層よりも粒子間の密着性が劣るため、熱応力又は繰り返しの応力による疲労等によってクラックが生じやすいという問題がある。
このような問題を解決するために、例えば、特許文献2では、粒子状の第1の断熱材と、膜状の第2の断熱材と、補強用繊維材とを含む断熱薄膜が提案されている。特許文献2では、第2の断熱材は、第1の断熱材を接着する機能を担うことが記載され、上記粒子状の第1の断熱材として、中空のセラミックビーズ、中空のガラスビーズ、シリカ(二酸化珪素、SiO)を主成分とする微細多孔構造の断熱材、及びシリカエアロゲル等が例示されている。また、上記膜状の第2の断熱材として、ジルコニア(ZrO)、シリコン、チタン、ジルコニウム等のセラミックス、炭素及び酸素を主成分とするセラミックス、並びに高強度且つ高耐熱性のセラミックス繊維等が例示されている。また、第2の断熱材は母材に対してコーティング又は接合することが記載されている。
その他に、特許文献3には、中空部を含むSiOセラミックス層が記載されている。具体的に、その中空部は、無機化合物により表面が被覆された球状樹脂を含む層を形成した後に、その層を加熱して球状樹脂を焼き飛ばすことにより形成された中空状の無機化合物粒子により構成されている。また、特許文献3では、このSiOセラミックス層を加熱することによって、上記の各粒子内の樹脂を熱分解させてガス化すると共に、有機珪素化合物の熱分解により発生するガスを膜内から抜くことでガスの残存による膜強度の低下を防いでいる。
国際公開第89/03930号パンフレット 特開2009−243352号公報 特開2010−070792号公報
特許文献2には、第2の断熱材を母材にコーティング又は接合するとの記載があるのみで、その断熱薄膜を得る方法について詳細には述べられていない。第2の断熱材としてセラミックス材が用いられていることに鑑みれば、その断熱用薄膜はセラミックス焼結体に類すると推測される。また、特許文献2は、燃焼圧力等による変形及びクラックの発生を効果的に抑制することについては開示していない。
一方、特許文献3のSiOセラミックス層の薄膜を、アルミニウム合金からなるエンジン燃焼室の基材表面に設けた場合、それらの熱膨張率が大きく異なるため、高温条件下において薄膜にクラック及び剥離等が生じるおそれがある。また、上記のようにガス抜きされた部分は、表面と連通状態となっているため、燃料の浸み込みが生じる等の問題が生じる。
そこで、断熱層全体をSiOセラミックス層とするのではなく、アルミニウム合金との熱膨張率の差が小さい材料としてシリコーン樹脂を用いることが考えられる。しかしながら、一般に、シリコーン樹脂は低硬度であるため、エンジン燃焼室の壁面をシリコーン樹脂で被覆すると、圧縮行程から燃焼時までの圧力により断熱層が変形してしまうおそれがある。断熱層が変形すると、圧縮比が変わるためエンジン性能に大きな影響が生じる。また、長期に渡り、断熱層がこの圧力変動のサイクルに晒されることにより、断熱層にクラックが生じ、そこから燃料が膜内の未硬化部にまで浸入するおそれもある。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、断熱層にエンジン部品の基材との熱膨張率の差が小さい材料を用いてクラック及び剥離の発生を防ぐと共に、断熱層の強度を高めることにより燃焼圧力等による変形を防ぎ、さらに、燃料の浸み込みを防ぐことにある。
前記の目的を達成するために、本発明は、エンジン燃焼室部材の断熱構造体に用いられる断熱層の材料に、かご型シルセスキオキサン構造部を含むシリコーン系樹脂組成物を用いる。
具体的に、本発明に係るエンジン燃焼室部材の断熱構造体では、エンジン燃焼室を構成する部品の基材表面に断熱層が形成されており、断熱層は、かご型シルセスキオキサン構造部を含むシリコーン系樹脂組成物と中空状粒子とを含み、前記断熱層の表面に該表面を保護するSiO 層が形成されている
本発明に係るエンジン燃焼室部材の断熱構造体によると、シリコーン系樹脂組成物により断熱層が構成されているため、例えばアルミニウム合金からなるエンジン燃焼室部材に当該断熱層を設けた場合、それぞれの熱膨張率の差を小さくすることができる。このため、それらの熱膨張率の差に起因して断熱層に剥離及びクラック等が生じることを防ぐことができる。また、そのシリコーン系樹脂組成物がかご型シルセスキオキサン構造部を含むため、かご型シルセスキオキサン構造部の3次元構造により、低架橋で変形し難く、強度が高い断熱層を得ることができる。このため、燃焼圧力等による変形が生じることを防止できると共に、断熱層にクラック及び剥離が発生することを防ぎ、さらに燃料の浸み込みをも防ぐことができる。また、当該断熱層は、中空状粒子を含むため、その熱伝導率をより低減することができる。また、断熱層の表面にSiO 層が形成されているから、断熱層における燃料と接する表面がSiO 層により保護されるため、断熱層の耐燃料性を向上するとともに、断熱層の表面の硬度が高くなり、耐熱性も向上する。
本発明に係るエンジン燃焼室部材の断熱構造体において、中空状粒子の表面は、シラン化合物により処理されていることが好ましい。
このようにすると、中空状粒子の表面のシラン化合物と、シリコーン系樹脂の主鎖及びシルセスキオキサン構造部とが架橋され、中空状粒子とシリコーン系樹脂とが強固に結合されるため、より強度が高い断熱層を得ることができる。
本発明に係るエンジン燃焼室部材の断熱構造体において、部品の基材表面と断熱層との間には、化成処理層及びアルマイト処理層の少なくとも1つが設けられていることが好ましい。
このようにすると、エンジン燃焼室部品の基材表面と断熱層との密着性を向上することができる。
本発明に係るエンジン燃焼室部材の断熱構造体において、断熱層は、かご型シルセスキオキサン構造部を10重量%以上含むことが好ましい。
このようにすると、かご型シルセスキオキサン構造部による断熱層の強度の向上効果をより顕著にすることができる。
本発明に係るエンジン燃焼室部材の断熱構造体において、かご型シルセスキオキサン構造部は、紫外線(UV)硬化処理されていることが好ましい。
このようにすると、熱を加えることなく断熱層の硬化処理をすることができるため、エンジン部品の基材がアルミ合金等の場合でも、基材を軟化させることなく硬化処理できる。
本発明に係るエンジン燃焼室部材の断熱構造体において、断熱層は、フルオロアルキル基を有する鎖状シロキサンを含むことが好ましい。
このようにすると、断熱層が、撥油性及び耐油性を有するフルオロアルキル基を有する鎖状シロキサンを含むため、断熱層の耐燃料性を向上することができる。
本発明に係るエンジン燃焼室部材の断熱構造体の製造方法は、エンジン燃焼室を構成する部品の基材表面に断熱層が形成された断熱構造体の製造方法を対象とし、ポリシロキサン化合物を、かご型シルセスキオキサン構造部を含むかご型ケイ酸塩化合物及び中空状粒子と混合してなる断熱材を得る工程と、断熱材をエンジン燃焼室を構成する部品の基材表面に形成して、かご型シルセスキオキサン構造部を有するシリコーン樹脂組成物及び中空状粒子を含む断熱層を得る工程と、前記断熱層の表面に該表面を保護するSiO 層を形成する工程とを備えている。
本発明に係るエンジン燃焼室部材の断熱構造体の製造方法によると、シリコーン系樹脂組成物を用いて断熱層を作製するため、例えばアルミニウム合金からなるエンジン燃焼室部材に当該断熱層を設けた場合、それぞれの熱膨張率の差を小さくすることができる。このため、それらの熱膨張率の差に起因して断熱層に剥離及びクラック等が生じることを防ぐことができる。また、そのシリコーン系樹脂組成物にかご型シルセスキオキサン構造部を含ませるため、かご型シルセスキオキサン構造部の3次元構造により、低架橋で変形し難く、強度が高い断熱層を得ることができる。このため、燃焼圧力等による変形が生じることを防止できると共に、断熱層にクラック及び剥離が発生することを防ぎ、さらに燃料の浸み込みをも防ぐことができる。また、当該断熱層には、中空状粒子を加えているため、その熱伝導率をより低減することができる。また、断熱層における燃料と接する表面がSiO 層により保護されるため、断熱層の耐燃料性を向上するとともに、断熱層の表面の硬度が高くなり、耐熱性も向上する。SiO 層は、断熱層の表面に新たにSiO を含む材料を塗布又は溶射することにより形成されてもよく、断熱層の表面を加熱して断熱層に含まれるSiを積極的に酸化することにより形成されてもよい。
本発明に係るエンジン燃焼室部材の断熱構造体の製造方法では、中空状粒子をポリシロキサン化合物と混合する前に、中空状粒子の表面をシラン化合物により処理することが好ましい。
このようにすると、中空状粒子の表面のシラン化合物と、シリコーン系樹脂の主鎖及びシルセスキオキサン構造部とが架橋され、中空状粒子とシリコーン系樹脂とが強固に結合されるため、より強度が高い断熱層を得ることができる。
本発明に係るエンジン燃焼室部材の断熱構造体の製造方法では、断熱層にかご型シルセスキオキサン構造部が10重量%以上含まれるように、かご型ケイ酸塩化合物をポリシロキサン化合物に加えることが好ましい。
このようにすると、かご型シルセスキオキサン構造部による断熱層の強度の向上効果をより顕著にすることができる。
本発明に係るエンジン燃焼室部材の断熱構造体及びその製造方法によると、断熱層がエンジン部品の基材との熱膨張率の差が小さい材料で構成されるため、それらの熱膨張率差に起因するクラック及び剥離の発生を防止できる。また、低架橋で変形し難い分子構造を有する強度が高い断熱層を得ることができ、しかも、断熱層の表面をSiO 層で保護することができるから、燃焼圧力等による変形が生じることを防止できると共に、断熱層にクラック及び剥離が発生することを防ぎ、さらに燃料の浸み込みをも防ぐことができる。
本発明の実施形態に係るエンジン構造を示す断面図である。 本発明に係るエンジン燃焼室部材の断熱構造体を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用方法或いはその用途を制限することを意図するものでない。
本実施形態は、エンジン燃焼室部材の断熱構造体を図1に示すエンジンに採用したものである。
<エンジンの特徴>
図1において、符号1はピストン、符号2はシリンダブロック、符号3はシリンダヘッド、符号4はシリンダヘッド3の吸気ポート5を開閉する吸気バルブ、符号6は排気ポート7を開閉する排気バルブ、符号8は燃料噴射弁である。エンジンの燃焼室は、ピストン1の頂面、シリンダブロック2、シリンダヘッド3、吸排気バルブ4,6のバルブヘッド面(燃焼室に臨む面)で形成される。ピストン1の頂面には、キャビティ9が形成されている。なお、点火プラグの図示は省略している。
ところで、エンジンの熱効率は、理論的に幾何学的圧縮比を高めるほど、また、作動ガスの空気過剰率を大きくするほど、高くなることが知られている。しかし、実際には、圧縮比を大きくするほど、また、空気過剰率を大きくするほど、冷却損失が大きくなるため、圧縮比及び空気過剰率の増大による熱効率の改善は頭打ちになる。
すなわち、冷却損失は、作動ガスからエンジン燃焼室壁への熱伝達率、その伝熱面積、及びガス温と壁温との温度差に依存する。このため、エンジン燃焼室において、エンジン部品の金属製母材よりも熱伝導率が低い材料からなる断熱層が用いられた断熱構造体が構成されている。
<断熱構造体>
そこで、以下では、本実施形態に係る断熱構造体について説明する。
本実施形態に係るエンジン燃焼室部材の断熱構造体は、エンジン燃焼室を構成する部品であるピストンの頂面等に断熱層が形成されて構成されるものである。このようなエンジン燃焼室部材の断熱構造体について図2を参照しながら説明する。
図2に示すように、エンジン燃焼室を構成するピストン1の頂面、及びピストン1の外周面におけるピストンリング溝10よりも頂面側に、シリコーン樹脂組成物を含む断熱層11が形成されている。また、断熱層11は、その熱伝導率を低減するために、中空状粒子12を含んでいる。このような断熱層11が設けられていることにより、エンジン燃焼室における冷却損失を低減でき、エンジン性能を向上できる。
なお、断熱層11が形成された部位において、断熱層11とピストン1の基材表面との間には、化成処理層13が形成されていてもよい。化成処理層13は、例えばピストン1の基材表面にジルコン酸化成処理等を行うことにより形成できる。また、ピストン1の材料にアルミニウムが用いられている場合、化成処理層13の代わりに、ピストン1の基材表面をアルマイト処理することによって、アルマイト処理層を形成してもよい。これらの層を形成することにより、ピストン1の基材表面に対する断熱層11の密着性を向上できる。なお、化成処理層とアルマイト処理層との両方を形成しても構わない。
図2では、エンジン燃焼室部材をピストン1として説明したが、当然にこれに限られず、シリンダヘッド等の他のエンジン燃焼室を構成する部材に断熱層11を設けてもよい。
次に、本実施形態に係る断熱構造体に用いられる断熱層の材料等について説明する。
本実施形態に係る断熱層は、かご型シルセスキオキサン構造部を含むシリコーン系樹脂組成物と中空状粒子とを含むことに特徴がある。
本実施形態において、シリコーン系樹脂組成物とは、下記の[化1]及び[化2]に示すポリシロキサン及びポリカルボシラン等を主成分として構成される高分子化合物を含む組成物をいう。
Figure 0005942698
Figure 0005942698
[化1]及び[化2]に示す化学式において、R及びRは、例えば水素原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシル基、アクリロイル基、グリシジル基、ビニル基、ハロゲン原子、アリール基、有機チタン化合物又は有機ジルコン化合物の群から1種以上選択できる。
また、本実施形態に係る断熱層は、フルオロアルキル基を含む鎖状シロキサンを含んでもよい。すなわち上記のR又はRとしてフルオロアルキル基を選択することもできる。断熱層が撥油性及び耐油性を有するフルオロアルキル基を含むことにより、断熱層の耐燃料性を向上できる。
本実施形態において、かご型シルセスキオキサン構造部とは、シリコーン系樹脂に、[RSiO3/2で表されるかご型シルセスキオキサンを結合させることによって、シリコーン系樹脂に組み込まれる構造部をいう。
具体的なかご型シルセスキオキサンの一例を[化3]に示す。
Figure 0005942698
[化3]に示す化学式において、Yは、例えば水素原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシル基、アクリロイル基、グリシジル基、ビニル基から選択できる。さらに、これらの他にYは、[化4]に示す官能基であってもよい。
Figure 0005942698
[化4]に示す化学式において、R及びRは、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシル基、又はハロゲン原子のうちの少なくとも1つを含み、アクリロイル基、グリシジル基、ビニル基、フェニル基若しくはトリアルキルシロキシ基等の有機官能基であってもよい。
上記の[化3]に示すかご型シルセスキオキサンを用いた場合、かご型シルセスキオキサン構造部とは、[化5]で示す部分のみをいい、すなわち[SiO3/2で示されるかご型部分のみをいう。
Figure 0005942698
上記に示すかご型シルセスキオキサンを用いることにより、シリコーン系樹脂とかご型シルセスキオキサンとの共有結合が可能となり、シリコーン樹脂にかご型シルセスキオキサン構造部を組み込むことが可能となる。具体的に、シリコーン系樹脂及びかご型シルセスキオキサンが共にアルコキシル基を有すると、アルコキシル基同士が加水分解縮重合できて、シリコーン系樹脂にかご型シルセスキオキサン構造部を組み込むことが可能となる。この他に、例えばシリコーン系樹脂がアルコキシル基を有し、かご型シルセスキオキサンがアルキル基を有すると、それらが縮重合できて、シリコーン系樹脂にかご型シルセスキオキサン構造部を組み込むことが可能となる。当然にこれらに限られず、シリコーン樹脂とかご型シルセスキオキサンとが重合できる条件を満たす官能基を、それぞれが有していればよい。
また、これらの重合を促進するために、酸触媒及び塩基触媒を含む種々の触媒を用いてもよい。さらに、硬化反応を促進するために、例えば脂肪族カルボン酸の塩等の硬化触媒を用いることもできる。また、約50℃〜400℃で10分〜5時間程度の熱硬化処理を用いることもできる。また、本実施形態に係る断熱層には、紫外線(UV)を用いた硬化処理が施されていてもよい。UVを用いると、熱を加えることなく断熱層の硬化処理をすることができるため、エンジン部品の基材がアルミニウム合金等の場合でも、基材を軟化させることなく硬化処理できる。
このように、かご型シルセスキオキサン構造部をシリコーン樹脂組成物内に組み込むことにより、その3次元構造が作用して、低架橋で変形し難い、例えば鉛筆硬度で5H以上の硬度が高い断熱層を得ることができる。
また、ここでは、[化3]の8つのSiを含む、所謂T8のかご型シルセスキオキサンを用いた場合について例示したが、これに限られず、10個又は12個のSiを含むT10又はT12等のかご型シルセスキオキサンを用いることもできる。このとき、当然に、T10及びT12等のかご型シルセスキオキサンに対応するかご型シルセスキオキサン構造部が形成される。
本実施形態の断熱層に用いられる中空状粒子は、その熱伝導率をより低減するために含まれており、無機酸化物の中空状粒子を用いることが好ましい。無機酸化物の中空状粒子として、例えばジルコニア含有酸化物、シリカ含有酸化物及びアルミナ等を材料に用いることができる。具体的に、中空状粒子としては、アルミナバブル、フライアッシュバルーン、シラスバルーン、シリカバルーン、エアロゲルバルーン等のセラミック系中空状粒子、その他の無機系中空状粒子を用いることができる。なお、各々の材質及び粒径は[表1]の通りである。
Figure 0005942698
例えば、フライアッシュバルーンの化学組成は、SiO;40.1〜74.4%、Al;15.7〜35.2%、Fe;1.4〜17.5%、MgO;0.2〜7.4%、CaO;0.3〜10.1%(以上は質量%)である。シラスバルーンの化学組成は、SiO;75〜77%、Al;12〜14%、Fe;1〜2%、NaO;3〜4%、KO;2〜4%、IgLoss;2〜5%(以上は質量%)である。
本実施形態では、上記のような中空状粒子の表面は、シラン化合物で処理されていることが好ましい。ここで、シラン化合物は、中空状粒子の表面に結合でき、且つ、かご型シルセスキオキサン構造部を含むシリコーン系樹脂組成物と結合できる珪素化合物であり、XSiA (4−a−b)で示される化合物である。
ここで、Rは、例えばヒドロキシル基、アルコキシル基又はハロゲン原子である。なお、シラン化合物と中空状粒子の表面との結合は、シラン化合物のRと中空状粒子の表面に存在するSi若しくはAl等の金属原子又は−OH基とが反応することにより起こる。このため、シラン化合物のRは、それらと反応が可能な官能基等であれば上記のものに限られない。また、Aは、例えば水素原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシル基又はハロゲン原子であり、Xは、例えばアクリロイル基、アルケニル基、カルボキシル基、スルホ基、アミノ基又はアリール基である。なお、a及びbはa+bが1〜3の整数であることを満たし、且つ、aは0〜2であり、bは1〜3の整数であることを満たす。
本実施形態の断熱層は、その表面に該表面を保護するSiO2層が形成されている。SiO2層は、断熱層の表面に新たにSiO2を含む材料を塗布又は溶射することにより形成されてもよく、断熱層の表面を加熱して断熱層に含まれるSiを積極的に酸化することにより形成されてもよい。このように断熱層の表面にSiO2層を形成することにより、極めて厳しい熱及び圧力環境に晒される断熱層の表面の硬度、耐熱性及び耐燃料性を向上できる。
以下に、本発明に係るエンジン燃焼室部材の断熱構造体について詳細に説明するための実施例を示す。本実施例において、かご型シルセスキオキサン構造部を含むシリコーン系樹脂組成物を、ポリチタノカルボシラン及びメチルフェニルポリシロキサンを材料として形成したシリコーン系樹脂と、テトラメチルアンモニウム−T8−シルセスキオキサン(GELEST社製)とを用いて生成した。一方、比較例として、テトラメチルアンモニウム−T8−シルセスキオキサンを用いずに、かご型シルセスキオキサン構造部を含まないシリコーン系樹脂組成物を含む断熱層を形成した。
以下に、実施例及び比較例の断熱層の製造方法について説明し、また、[表2]にそれらの組成を示す。なお、[表2]に示すシルセスキオキサン構造部の重量比は、成膜した後の膜の樹脂成分中に上記[化5]で示したかご型部分のみの重量比を示している。また、シリコーン系樹脂組成物及び中空状粒子は、塗料固形分中(溶剤を除く)の重量比を示している。
Figure 0005942698
(実施例1)
まず、攪拌機及び温度計が設置された3口ガラスフラスコに、12.8gのテトラメチルジシロキサン、150gのトルエン及び10gのメタノールを入れて混合した。得られた混合溶液を5℃にまで冷却し、該混合溶液を撹拌しながらその中に、17.4gの69%硝酸を少量ずつ滴下した。その後、混合溶液を室温に戻し、該混合溶液を撹拌しながらその中に、50.0gのメタノールに50.0gのかご型ケイ酸塩化合物(テトラメチルアンモニウム−T8−シルセスキオキサン:GELEST社製、SIO6696.9)が溶解された溶液を、1時間かけて滴下した。その混合溶液を室温で4時間撹拌した後に、水層を分離し、有機層を100gの水で3回洗浄した。その後、有機層を蒸発乾固し、[化6]に示す化合物の白色の結晶を得た。ここで[化6]のYは、[化7]に示す官能基を有し、[化7]のRは水素であり、Rはメチル基である。なお、上記のかご型ケイ酸塩化合物の量は、表1に示すように、成膜後の断熱層における樹脂成分中にかご型シルセスキオキサン構造部が10重量%含まれることを目的として設定した。
Figure 0005942698
Figure 0005942698
次に、攪拌機、温度計及び冷却管を備えた反応容器に、ポリチタノカルボシラン(47.4重量%)とポリシロキサン化合物であるメチルフェニルポリシロキサン(52.6重量%)との混合物の濃度が45.7重量%のキシレン/1−ブタノール溶液(チラノワニス:宇部興産社製、VN−100)70.0gを入れ、さらに、5.6gの上記の白色の結晶、7.5gの1−ブタノール及び37.6gの中空状粒子(スーパーバルーン732C:昭和化学工業社製)を入れて、室温で24時間撹拌することによってそれらを均一分散させた。これにより実施例1に係る断熱材である塗料を得た。
次に、平面のサイズが40mm×40mmで、厚みが3mmのアルミニウム板をシンナーにより脱脂した後、320番のサンドペーパーを用いて一方向に向かって塗装する面のの全面を5回研磨することによって、その表面を洗浄化した。この後に、上記の塗料をスプレー(アネスト岩田社製、W−101)を用いて、アルミニウム板の洗浄化した側の面の全面に塗装した。塗装されたアルミニウム板を室温で3分間静置した後、再度、上記塗料を用いて塗装した。この塗装をさらに2回繰り返した。塗装が完了したアルミニウム板を30分間静置した。
その後、熱風乾燥機(ヤマト科学社製、DK−400)を用いて、アルミニウム板の塗装面を、80℃で10分間乾燥した。続いて、同一の熱風乾燥機を用いて、アルミニウム板の塗装面を、180℃で30分間処理して塗装を定着及び硬化した。以上により、アルミニウム板の表面に実施例1に係る断熱層を形成できた。なお、該断熱層の膜厚は0.16mmであった。
(実施例2)
実施例2は、上記実施例1と比較して、断熱層自体の組成は同一であり、塗装されるアルミニウム板の塗装面にアルマイト処理を施したことのみが異なる。このため、ここではアルマイト処理についてのみ説明し、他の工程の説明は省略する。
アルマイト処理として、被処理材であるアルミニウム板を、溶存アルミニウム濃度が5g/L以下の15%(w/v)硫酸水溶液の電解浴に入れ、浴温が20℃〜25℃、電流密度が60A/m〜130A/m、浴電圧が16V、処理時間が2分間の条件で処理した。アルマイト処理後の酸化皮膜の厚さは、1.5μmであった。
(実施例3)
実施例3は、上記実施例1と比較して、断熱層自体の組成は同一であり、塗装されるアルミニウム板の塗装面にジルコン酸化成処理を施したことのみが異なる。このため、ここではこの化成処理についてのみ説明し、他の工程の説明は省略する。
まず、硝酸ジルコニウム(日本軽金属社製)、フッ化水素(和光純薬社製)、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−603)、ビス(2−ヒロドキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン(GELEST社製、SIB1140.0)を用いて、ジルコニウム濃度が500ppm、フッ素濃度が420ppm、固形分としてアミノ基を含むアルコキシシラン濃度が200ppm、水酸基を含有するアルコキシシラン濃度が50ppmである化成処理剤を調製した。水酸化ナトリウム水溶液を用いて、その化成処理剤のpHを2.8に調整した。化成処理剤の温度を40℃に調整した後、その中に被処理剤であるアルミニウム板を60秒間浸漬した。これにより化成処理がなされたアルミニウム板に対して、水道水で30秒間スプレー水洗処理を行った。続いて、イオン交換水により、そのアルミニウム板に10秒間のスプレー水洗処理を行った。
(実施例4)
実施例4は、上記実施例1と比較して、用いた中空状粒子のみが異なり、シラン化合物処理された中空状粒子を用いた。このため、ここでは、中空状粒子に対するシラン化合物処理についてのみ説明し、他の工程の説明は省略する。
まず、攪拌機、温度計及び冷却管を備えた反応容器に、70重量部のイソプロパノール、30重量部の中空状粒子(昭和化学工業社製、スーパーバルーン732C)、及びシラン化合物として7重量部の3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、SZ−6030)を入れて、撹拌しながら徐々に加熱した。その反応溶液の温度が68℃に到達した後、さらに5時間加熱をした。その後、撹拌を続けながら減圧濃縮することにより、中空状粒子の表面にシラン化合物処理をした。
(実施例5)
実施例5は、上記実施例1と比較して、シリコーン系樹脂にかご型シルセスキオキサン構造部を付加する方法のみが異なる。このため、ここでは、実施例1と異なる工程についてのみ説明し、実施例1と同一の工程の説明は省略する。
まず、攪拌機、温度計及び冷却管を備えた反応容器に、ポリチタノカルボシラン(47.4重量%)とメチルフェニルポリシロキサン(52.6重量%)との混合物の濃度が45.7重量%のキシレン/1−ブタノール溶液70.0gを入れて、5℃に冷却した後に、その混合溶液を撹拌しながらその中に、17.4gの69%硝酸を少量ずつ滴下した。その後、混合溶液を室温に戻し、該混合溶液を撹拌しながらその中に、7.5gのテトラメチルアンモニウム−T8−シルセスキオキサン(GELEST社製、SIO6696.0)を7.5gの1−ブタノールに溶解させた溶液を1時間かけて滴下した。その後、室温でその溶液を4時間撹拌した後に、水層を分離除去した。その後、39.6gの中空状粒子(スーパーバルーン732C:昭和化学工業社製)を入れて、室温で24時間撹拌することによってそれらを均一分散させた。これにより実施例5に係る断熱材である塗料を得た。その後のアルミニウム板への塗装は、実施例1と同様である。なお、実施例5で得られた断熱層の厚みは0.18mmであった。
(実施例6)
実施例6は、実施例1と比較して、シリコーン系樹脂組成物にフルオロアルキル基を有する鎖状シロキサンを加える点で異なる。このため、ここでは、実施例1と異なる工程についてのみ説明し、実施例1と同一の工程の説明は省略する。
まず、実施例1と同一の方法により、かご型ケイ酸塩化合物(テトラメチルアンモニウム−T8−シルセスキオキサン:GELEST社製、SIO6696.9)を含む上記の[化6]の白色の結晶を得た。
次に、攪拌機、温度計及び冷却管を備えた反応容器に、ポリチタノカルボシラン(47.4重量%)とメチルフェニルポリシロキサン(52.6重量%)との混合物の濃度が45.7重量%のキシレン/1−ブタノール溶液(チラノワニス:宇部興産社製、VN−100)70.0gを入れ、さらに、5.6gの上記の白色の結晶、7.5gの1−ブタノール及び37.6gの中空状粒子(スーパーバルーン732C:昭和化学工業社製)と共に、フルオロアルキル基を有する鎖状シロキサンとしてトリフルオロプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製)を2.0g入れて、室温で24時間撹拌することによってそれらを均一分散させた。これにより実施例6に係る断熱材である塗料を得た。その後のアルミニウム板への塗装は、実施例1と同様である。なお、実施例6で得られた断熱層の厚みは0.17mmであった。
(比較例1)
比較例1では、上記の実施例1〜6と異なり、シリコーン系樹脂にかご型ケイ酸塩化合物を加えていない。
具体的に、攪拌機、温度計及び冷却管を備えた反応容器に、ポリチタノカルボシラン(47.4重量%)とメチルフェニルポリシロキサン(52.6重量%)との混合物の濃度が45.7重量%のキシレン/1−ブタノール溶液(チラノワニス:宇部興産社製、VN−100)70.0gの中に、7.5gの1−ブタノール及び32.0gのシラン化合物処理を行っていない中空状粒子(スーパーバルーン732C:昭和化学工業社製)を入れて、室温で24時間撹拌することによってそれらを均一分散させた。これにより比較例1に係る断熱材である塗料を得た。その後のアルミニウム板への塗装は、実施例1と同様である。なお、比較例1で得られた断熱層の厚みは0.14mmであった。
以上のようにして得られた実施例1〜6及び比較例1の断熱層について、初期外観と耐油性を評価した。
具体的に、初期外観として、背景色はJIS Z 8721に規定するN5程度の無彩色とし、蛍光灯以外の光源のすりガラス透過光又は拡散昼光を用い、有効面に300lx以上の均一な照度を与え、約0.5m隔ててそれぞれの断熱層の外観を目視にて観察し、素地露出、膨れ、はがれ、割れ、透け、はじき、ピンホール、ゆずはだの有無を評価した。その結果、上記の[表2]に示すように、いずれの断熱層も欠陥は認められなかった。
また、耐油性試験として、各断熱層を室温の合成ガソリンに60分間浸漬した後に、それぞれの膜厚の変化及び溶解の有無を測定した。その結果、上記の[表2]に示すように、実施例1〜6の断熱層では、それらの膜厚の変化及び溶解が見られなかった。一方、比較例1の断熱層では、その膜厚の変化及び溶解が認められた。これらの結果から、断熱層において、シリコーン系樹脂にかご型シルセスキオキサン構造部が含まれることにより、耐油性を向上できることが示唆された。
1 ピストン
2 シリンダブロック
3 シリンダヘッド
4 吸気バルブ
5 吸気ポート
6 排気バルブ
7 排気ポート
8 燃料噴射弁
9 キャビティ
10 ピストンリング溝
11 断熱層
12 中空状粒子
13 化成処理層

Claims (11)

  1. エンジン燃焼室を構成する部品の基材表面に断熱層が形成された断熱構造体であって、
    前記断熱層は、かご型シルセスキオキサン構造部を含むシリコーン系樹脂組成物と中空状粒子とを含み、
    前記断熱層の表面に該表面を保護するSiO 層が形成されていることを特徴とするエンジン燃焼室部材の断熱構造体。
  2. 前記中空状粒子の表面は、シラン化合物により処理されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジン燃焼室部材の断熱構造体。
  3. 前記部品の基材表面と前記断熱層との間には、化成処理層及びアルマイト処理層の少なくとも1つが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン燃焼室部材の断熱構造体。
  4. 前記断熱層は、前記かご型シルセスキオキサン構造部を10重量%以上含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジン燃焼室部材の断熱構造体。
  5. 前記かご型シルセスキオキサン構造部は、紫外線硬化処理されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエンジン燃焼室部材の断熱構造体。
  6. 前記断熱層は、フルオロアルキル基を有する鎖状シロキサンを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のエンジン燃焼室部材の断熱構造体。
  7. エンジン燃焼室を構成する部品の基材表面に断熱層が形成された断熱構造体の製造方法であって、
    ポリシロキサン化合物を、かご型シルセスキオキサン構造部を含むかご型ケイ酸塩化合物及び中空状粒子と混合してなる断熱材を得る工程と、
    前記断熱材をエンジン燃焼室を構成する部品の基材表面に形成して、前記かご型シルセスキオキサン構造部を有するシリコーン樹脂組成物及び中空状粒子を含む断熱層を得る工程と
    前記断熱層の表面に該表面を保護するSiO 層を形成する工程とを備えていることを特徴とするエンジン燃焼室部材の断熱構造体の製造方法。
  8. 前記中空状粒子をポリシロキサン化合物と混合する前に、前記中空状粒子の表面をシラン化合物により処理することを特徴とする請求項7に記載のエンジン燃焼室部材の断熱構造体の製造方法。
  9. 前記断熱層に前記かご型シルセスキオキサン構造部が10重量%以上含まれるように、前記かご型ケイ酸塩化合物を前記ポリシロキサン化合物に加えることを特徴とする請求項7又は8に記載のエンジン燃焼室部材の断熱構造体の製造方法。
  10. 前記断熱層の表面にSiO を含む材料を塗布又は溶射することにより前記SiO 層を形成することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のエンジン燃焼室部材の断熱構造体の製造方法。
  11. 前記断熱層の表面を加熱して前記断熱層に含まれるSiを酸化することにより前記SiO 層を形成することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のエンジン燃焼室部材の断熱構造体の製造方法。
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