JP5936201B2 - 電極触媒の分散液の製造方法、電極触媒の製造方法、電極触媒、電極構造体、膜電極接合体、燃料電池および空気電池 - Google Patents

電極触媒の分散液の製造方法、電極触媒の製造方法、電極触媒、電極構造体、膜電極接合体、燃料電池および空気電池 Download PDF

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Description

本発明は、電極触媒の分散液の製造方法、電極触媒の分散液、電極触媒の製造方法、電極触媒、電極構造体、膜電極接合体、燃料電池および空気電池に関する。
本願は、2011年9月6日に、日本国に出願された特願2011−193846号、及び2012年6月25日に日本国に出願された特願2012−142054号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
電極触媒は、電極、特に電極の表面部位に担持される固体触媒であって、例えば水の電解、有機物の電解の他、燃料電池、一次電池ならびに二次電池等の電気化学システムに用いられている。酸性電解質中またはアルカリ電解質中で用いられる電極触媒としては、貴金属、特に白金は、その触媒活性の高さから広く用いられている。
従来の白金を用いた触媒としては、カーボン等に白金が担持された触媒が知られており、電極触媒として性能を高めるためには、白金担持量を高める必要があった。白金を担持させた電極触媒は、通常、純水と触媒担体と塩化白金酸とを混合して、この混合溶液中に塩化白金酸をよく分散させた後、ヒドラジンやチオ硫酸ナトリウム等の還元剤を用いて、白金を触媒担体上に還元・担持させる方法や;これらの混合溶液を乾燥後、水素を含む雰囲気下で熱処理し、白金を触媒担体上に還元・担持させる等の方法により製造される。しかし、これらの方法により製造された電極触媒では、高電位を含む電位サイクルを行うと、性能が劣化する等の問題があった(非特許文献1参照)。
PingYuら、「Journal of Power Sources」、2005年、vol.144、p.11−20
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電極触媒の分散液の製造方法、電極触媒の分散液、電極触媒の製造方法、酸性電解質中またはアルカリ電解質中において、高電位を含む電位サイクルを行っても性能が劣化しにくい電極触媒、前記電極触媒を有する電極構造体、前記電極構造体を有する膜電極接合体、前記膜電極接合体を有する燃料電池および空気電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、溶媒中に粒子状の担体が分散し、且つ前記溶媒中に貴金属元素を含む化合物が溶解した原料混合溶液を用い、電着法により前記担体の表面に貴金属を担持させる工程を有し、前記担体は、酸素還元能を有し、且つ貴金属元素を含まない物質である電極触媒の分散液の製造方法を提供する。
本発明の一態様に係る電極触媒の分散液の製造方法において、前記電着法は、光電着であることが好ましい。
本発明の一態様に係る電極触媒の分散液の製造方法において、前記貴金属元素が、Pt、Pd、Au、IrおよびRuからなる群より選ばれる貴金属元素であることが好ましい。
本発明の一態様は、上記の電極触媒の分散液の製造方法で得られる電極触媒の分散液を提供する。
本発明の一態様は、上記の電極触媒の分散液から溶媒を除去することで電極触媒を得る電極触媒の製造方法を提供する。
本発明の一態様は、上記の電極触媒の製造方法で得られる電極触媒を提供する。
本発明の一態様は、酸素還元能を有し、且つ貴金属元素を含まない粒子状の担体と、
前記担体の表面に担持された貴金属粒子と、を有し、
前記担体は、少なくとも表面に窒素原子が存在し、前記窒素原子と前記貴金属粒子を構成する貴金属元素とが化学結合している電極触媒を提供する。
本発明の一態様に係る電極触媒において、前記貴金属粒子を構成する貴金属元素はPtであることが好ましい。
本発明の一態様は、上記の電極触媒を有する電極構造体を提供する。
本発明の一態様は、上記の電極構造体を有する膜電極接合体を提供する。
本発明の一態様は、上記の膜電極接合体を有する燃料電池を提供する。
本発明の一態様は、上記の膜電極接合体を有する空気電池を提供する。
即ち、本発明は以下に関する。
〔1〕 溶媒中に粒子状の担体が分散し、且つ前記溶媒中に貴金属元素を含む化合物が溶解した原料混合溶液を用いて、電着法により前記担体の表面に貴金属を担持させる工程を有する電極触媒の分散液の製造方法であって、
前記担体は、酸素還元能を有し、且つ貴金属元素を含まない化合物である電極触媒の分散液の製造方法。
〔2〕 前記電着法が、光電着である〔1〕に記載の電極触媒の分散液の製造方法。
〔3〕 前記貴金属元素が、Pt、Pd、Au、IrおよびRuからなる群より選ばれる少なくとも1つの貴金属元素である〔1〕または〔2〕に記載の電極触媒の分散液の製造方法。
〔4〕〔1〕から〔3〕のいずれか1つに記載の電極触媒の分散液の製造方法で得られる電極触媒の分散液。
〔5〕〔4〕に記載の電極触媒の分散液から溶媒を除去することで電極触媒を得る電極触媒の製造方法。
〔6〕〔5〕に記載の電極触媒の製造方法で得られる電極触媒。
〔7〕 酸素還元能を有し、且つ貴金属元素を含まない粒子状の担体と、
前記担体の表面に担持された貴金属粒子と、を有する電極触媒であって、
前記担体は、少なくとも表面に窒素原子が存在し、前記窒素原子と前記貴金属粒子を構成する貴金属元素とが化学結合している電極触媒。
〔8〕 前記貴金属粒子を構成する貴金属元素がPtである〔7〕に記載の電極触媒。
〔9〕〔6〕から〔8〕のいずれか1つに記載の電極触媒を有する電極構造体。
〔10〕〔9〕に記載の電極構造体を有する膜電極接合体。
〔11〕〔10〕に記載の膜電極接合体を有する燃料電池。
〔12〕〔11〕に記載の膜電極接合体を有する空気電池。
本発明によれば、電極触媒の分散液の製造方法、電極触媒の分散液、電極触媒の製造方法、酸性電解質中またはアルカリ電解質中において、高電位を含む電位サイクルを行っても性能が劣化しにくい電極触媒、前記電極触媒を有する電極構造体、前記電極構造体を有する膜電極接合体、前記膜電極接合体を有する燃料電池および空気電池を提供できる。
本発明の好適な一実施態様に係る燃料電池のセルについての縦断面図である。 本発明の好適な一実施態様である膜電極接合体の縦断面図である。 本発明の好適な一実施態様に係る連続的に水熱反応を行うための反応装置(流通式反応装置)の概要を示す模式図である。 実施例1で得られた粒子状の担体のTEM写真である。 実施例1で得られた粒子状の担体のEF−TEF写真(白色が炭素)である。 実施例1で得られた粒子状の担体の表面に貴金属を担持させた電極触媒のTEM写真である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(電極触媒の分散液およびその製造方法)
本発明の一実施形態である電極触媒の分散液の製造方法は、溶媒(A)中に、粒子状の担体(B)が分散し、且つ貴金属元素を含む化合物(C)が溶解した原料混合溶液を用いて、電着法により前記担体の表面に貴金属を担持させる工程を有する電極触媒の分散液の製造方法であって、前記担体は、酸素還元能を有し、且つ貴金属元素を含まない物質である。
また、本発明の電極触媒の分散液の製造方法におけるその他の態様としては、溶媒(A)中に、粒子状の担体(B)を分散させ、且つ貴金属元素を含む化合物(C)を溶解させて原料混合溶液を調整する工程と、
電着法により前記原料混合溶液中の前記担体の表面に貴金属を担持させる工程と、を有する電極触媒の分散液の製造方法であって、
前記担体は、酸素還元能を有し、且つ貴金属元素を含まない物質である電極触媒の分散液の製造方法が挙げられる。
本発明の一実施形態である電極触媒の分散液の製造方法によれば、粒子状の担体(B)に、電着法を用いて貴金属を担持させた電極触媒の分散液を得ることができる。
本発明の一実施形態である電極触媒の分散液中の電極触媒は、従来の電極触媒と比較し、例えば酸素飽和雰囲気下において酸性電解質中では、0.8V以上、またはアルカリ電解質中では、−0.1V以上という高電位を含む電位サイクルを行っても性能が劣化しにくい。
本発明の一実施形態における「酸素還元能を有し」とは、後述する実施例に記載の「(4)酸素還元能評価」の評価手法を用いた場合に、0.8Vにおいて−0.001mA/cm以下の酸素還元電流密度をもつことをいう。酸素還元電流密度は、相対的に値が小さいほうが、より酸素還元能が高いことを示す指標として用いられる。
なお、以下の説明においては、「粒子状の担体(B)」を、「担体(B)」と称することがある。
また、「貴金属元素を含む化合物(C)」を、「化合物(C)」と称することがある。
また、以下の説明において、後述する実施例に記載の「(4)酸素還元能評価」における評価時の電位等、明細書中に記載された各電位の値は、いずれも可逆水素電極電位換算による値である。
粒子状の担体を構成する「酸素還元能を有し、且つ貴金属元素を含まない」化合物として、具体的には、
(a)長周期型周期表における4族の金属元素および5族の金属元素の酸窒化物または炭窒化物の部分酸化処理により得られる化合物;
(b)FeフタロシアニンまたはCoフタロシアニン等と、窒素、硼素または酸素を含有する炭素源とを、不活性雰囲気またはアンモニア雰囲気下で焼成して得られる化合物;および
(c)長周期型周期表における4族の金属元素および5族の金属元素を含む水酸化物、ランタノイド族より選択される1種以上の金属元素を含む水酸化物、カーボン前駆体、窒素含有化合物ならびに導電材を、水熱反応処理、亜臨界処理または超臨界処理した後、窒素等の不活性雰囲気下で焼成することで得られる化合物;が挙げられる。
上記(a)の化合物の説明において、「長周期型周期表における4族の金属元素および5族の金属元素の酸窒化物」としては、たとえばTiON、ZrON、NbON、TaON等が挙げられる。
また、「長周期型周期表における4族の金属元素および5族の金属元素の炭窒化物」とは、たとえば、TiCN、ZrCN、NbCN、TaCN等が挙げられる。
上記(a)の化合物の説明において、「部分酸化処理」とは被処理物を酸化処理することにより被処理物の酸素含有量を増加させることをいう。
上記(b)の化合物の説明において、「酸素を含有する炭素源」としては、たとえば、グルコース、フルクトース、スクロース、セルロース、ハイドロプロピルセルロース等の糖類;ポリビニルアルコール等のアルコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類;コラーゲン、ケラチン、フェリチン、ホルモン、ヘモグロビン、アルブミン等の各種タンパク質;グリシン、アラニン、メチオニン等の各種アミノ酸を含む生体物質;アスコルビン酸、クエン酸、ステアリン酸等の有機酸類;イソオキサゾール、モルホリン、アセトアミド、ヒドロキシルアミンなどが挙げられる。
上記(b)の化合物の説明において、「焼成」とは、被処理物を無酸素雰囲気下で、600〜1400℃の条件で熱処理することをいう。
水の超臨界点は、374℃、22MPaである。上記(c)の化合物の説明において、「超臨界処理」とは、被処理物を超臨界状態の水中に入れて、水熱反応させる処理のことを意味する。
「超臨界状態の水」とは、温度374℃以上、且つ圧力22MPa以上である条件下の水のことを意味する。
また、上記(c)の化合物の説明において、「亜臨界処理」とは、被処理物を亜臨界状態の水中に入れて、水熱反応させる処理のことを意味する。
「亜臨界状態の水」とは、温度200℃以上、且つ圧力が大気圧以上であり、なおかつ温度及び圧力のうち少なくとも一方が臨界点未満である条件下の水のことを意味する。、前記亜臨界状態の水は、圧力20MPa以上、かつ温度200℃以上373℃未満、または温度200℃以上、かつ圧力が20MPa以上22MPa未満であることが好ましい。
また、上記(c)の化合物の説明において、「水熱反応処理」とは、例えば、被処理物を温度100〜200℃で、圧力0.1〜20MPaで、反応させることをいう。
上記(c)の化合物の説明において、「焼成」とは、例えば、被処理物を窒素等の不活性雰囲気下で600〜1600℃、好ましくは700〜1400℃熱処理を行うことをいい、これにより、被処理物の一部または全部が炭化される。
なお、上記(c)の化合物の説明において、「4族の金属元素または5族の金属元素を含む水酸化物」としては、水酸化ジルコニウム、水酸化ハフニウム、メタチタン酸、ニオブ酸、タンタル酸等が挙げられる。
また、上記の(c)の化合物の説明において「ランタノイド族より選択される1種以上の金属元素を含む水酸化物」としては、水酸化セリウム、水酸化ランタン等が挙げられる。
また、上記(c)の化合物の説明において、「カーボン前駆体」とは、焼成によりカーボンを生じる化合物のことを指す。具体的には、グルコース、フルクトース、スクロース、セルロース、ハイドロプロピルセルロース等の糖類;ポリビニルアルコール等のアルコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類;アクリロニトリル、ポリアクリロニトリル等のニトリル類;コラーゲン、ケラチン、フェリチン、ホルモン、ヘモグロビン、アルブミン等の各種タンパク質;グリシン、アラニン、メチオニン等の各種アミノ酸を含む生体物質;アスコルビン酸、クエン酸、ステアリン酸等の有機酸類等が挙げられる。
また、上記(c)の化合物の説明において、「窒素含有化合物」とは、例えば、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン等の複素環化合物およびその誘導体;アセトアミド、シアナミド等のアミド化合物;ヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルアミン等のヒドロキシルアミン類;アンモニア、尿素等が挙げられる。中でも、窒素含有化合物としては、アンモニアまたは尿素が好ましい。
また、上記(c)の化合物の説明において、「導電材」とは、例えば、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、導電性酸化物、導電性酸化物繊維または導電性樹脂等が挙げられる。
また、原料として用いる粒子状の担体(B)が「貴金属元素を含まない」とは、具体的には金(Au),銀(Ag),ルテニウム(Ru),ロジウム(Rh),パラジウム(Pd),オスミウム(Os),イリジウム(Ir),および白金(Pt)の貴金属元素を完全に含まないことを意味する。すなわち、本発明においては、原料として用いる粒子状の担体中に前記貴金属元素は検出されない。ここで、元素分析は、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析で行うことができる。
本発明の一実施形態において、原料として用いられる担体(B)の一次粒子径、および分散液中の担体(B)の一次粒子径は、担持する貴金属を高分散にするため、好ましくは1nm以上100nm以下、より好ましくは2nm以上50nm以下である。
本発明の一実施形態において、原料として用いられる担体(B)のBET比表面積、および分散液中の担体(B)のBET比表面積は、担持する貴金属を高分散にするために、好ましくは50m/g以上1000m/g以下、より好ましくは70m/g以上500m/g以下である。
本発明の一実施形態において用いられる担体(B)の形成材料は、上記(a)の化合物のうち炭窒化物の部分酸化処理により得られる化合物または上記(c)の化合物を用いた場合、長周期型周期表における4族および5族の金属元素が炭素化合物の層により被覆された構造となる。この場合、前記金属元素を被覆する層に含まれる炭素化合物は、担体(B)の酸素還元能を高めるために、窒素を含有していることが好ましい。本発明の一実施形態において用いられる担体(B)に含まれる炭素化合物が窒素を含有する場合、その含有量は、好ましくは0.1質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上15質量%以下である。
本発明の一実施形態において用いられる化合物(C)に含まれる貴金属元素としては、Pt、Pd、Au、IrまたはRuが好ましい。また、化合物(C)としては、上記貴金属の硫化物、塩化物、硝酸物、オキソイオン等が挙げられる。
溶媒(A)中に担体(B)を分散させた分散液に混合される化合物(C)の量は、貴金属元素換算で、担体(B)100質量部に対して0.1質量部以上60質量部以下であり、好ましくは1質量部以上30質量部以下、より好ましくは2質量部以上15質量部以下である。貴金属元素量が多いと製造コストが上昇し、また貴金属元素の添加量が少ないと、得られる電極触媒の分散液ならびに電極触媒としての効果が小さくなる。
本発明の一実施形態において用いられる化合物(C)として、以下の化合物を例示することができる。
貴金属元素としてPtを含む化合物(C)としては、例えば、塩化白金(PtCl、PtCl)、臭化白金(PtBr、PtBr)、沃化白金(PtI、PtI)、塩化白金カリウム(K(PtCl))、ヘキサクロロ白金酸(HPtCl)、亜硫酸白金(HPt(SOOH)、塩化テトラアンミン白金(Pt(NHCl)、炭酸水素テトラアンミン白金(C14Pt)、テトラアンミン白金リン酸水素(Pt(NHHPO)、水酸化テトラアンミン白金(Pt(NH(OH))、硝酸テトラアンミン白金(Pt(NO(NH)、テトラアンミン白金テトラクロロ白金((Pt(NH)(PtCl))、ジニトロジアミン白金(Pt(NO(NH)等が挙げられる。
貴金属元素としてPdを含む化合物(C)としては、例えば、酢酸パラジウム((CHCOO)Pd)、塩化パラジウム(PdCl)、臭化パラジウム(PdBr)、沃化パラジウム(PdI)、水酸化パラジウム(Pd(OH))、硝酸パラジウム(Pd(NO)、硫酸パラジウム(PdSO)、テトラクロロパラジウム酸カリウム(K(PdCl))、テトラブロモパラジウム酸カリウム(K(PdBr))、テトラアンミンパラジウム塩化物(Pd(NHCl)、テトラアンミンパラジウム臭化物(Pd(NHBr)、テトラアンミンパラジウム硝酸塩(Pd(NH(NO)、テトラアンミンパラジウムテトラクロロパラジウム酸((Pd(NH)(PdCl))、テトラクロロパラジウム酸アンモニウム((NHPdCl)等が挙げられる。
貴金属元素としてAuを含む化合物(C)としては、例えば、塩化金(AuCl)、臭化金(AuBr)、沃化金(AuI)、水酸化金(Au(OH)2)、テトラクロロ金酸(HAuCl)、テトラクロロ金酸カリウム(KAuCl)、テトラブロモ金酸カリウム(KAuBr)等が挙げられる。
貴金属元素としてIrを含む化合物(C)としては、例えば、塩化イリジウム(IrCl)、臭化イリジウム(IrBr)、よう化イリジウム(IrI)等が挙げられる。
貴金属元素としてRuを含む化合物(C)としては、例えば、臭化ルテニウム(RuBr)、塩化ルテニウム(RuCl)、よう化ルテニウム(RuI)、ニトロシル塩化ルテニウム水和物(Ru(NO)Cl・HO)、ニトロシル硝酸ルテニウム(Ru(NO)(NO、ルテニウムポルフィリン錯体(C5752ORu)等が挙げられる。
上述した化合物(C)は、1種の化合物のみ用いることとしてもよく、2種以上の化合物を用いることとしてもよい。
本発明の一実施形態において用いられる溶媒(A)は、イオン交換水;メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロパノール等のアルコール類;ポリプロピレングリコール等のグリコール類;アセトン等のケトン類;蓚酸等のカルボン酸類等が挙げられる。溶媒(A)として前記したイオン交換水以外の溶媒は、光電着の際の犠牲剤としても機能する。また、前記の化合物(C)から解離する有機物も犠牲剤として機能する。
このような溶媒(A)に、担体(B)を分散させ、さらに化合物(C)を溶解させることにより、原料混合溶液を得ることができる。
溶媒(A)中に、担体(B)を分散させる際に用いる手法としては、例えば超音波分散機、ビーズミル、サンドグラインダー、ホモジナイザー、湿式ジェットミル、ボールミル、攪拌機等が挙げられる。
また、溶媒(A)中に、担体(B)を分散させる際には、溶媒(A)および担体(B)と共に、本発明の一実施形態である電極触媒の製造方法により得られる電極触媒の機能を損なわない範囲で分散剤を用いることができる。
前記分散剤の量は、原料として用いる担体(B)100質量部に対して0.01質量部以上10質量部以下であり、好ましくは0.1質量部以上7質量部以下、より好ましくは0.5質量部以上5質量部以下である。
分散剤としては、例えば、硝酸、塩酸、硫酸等の無機酸;シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸等の有機酸;オキシ塩化ジルコニウム等の水溶性ジルコニウム塩;ポリカルボン酸アンモニウム、ポリカルボン酸ナトリウム等の界面活性剤;エピカテキン、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレード等のカテキン類;ナフィオン(デュポン社の登録商標)等のフッ素系イオン交換樹脂;スルホン酸化されたフェノールホルムアルデヒド樹脂等の炭化水素系イオン交換樹脂等が挙げられる。
本発明の一実施形態においては、溶媒(A)中に、担体(B)を分散させた分散液に、化合物(C)を溶解させて原料混合溶液を得る。
前記原料混合溶液の固形分濃度は、0.1質量%以上50質量%以下であり、好ましくは1質量%以上30質量%以下である。原料混合溶液中の固形分濃度が低いと、電着の効率が低下する場合がある。一方、原料混合溶液中の固形分濃度が高すぎると、原料混合溶液の粘度が上昇するために電着が困難になる場合がある。
なお、原料混合溶液を得る方法として、溶媒(A)にまず担体(B)を分散させ、次いで化合物(C)を溶解させることとして説明したが、溶媒(A)に対する担体(B)の分散と、化合物(C)の溶解との順は、逆でもよい。すなわち、まず溶媒(A)に化合物(C)を溶解させた溶液を調製した後に、得られた溶液に担体(B)を分散させることで、原料混合溶液を得ることとしてもよい。担体(B)を分散させる際には、上述の手法や上述の分散剤を用いることができる。
得られた原料混合溶液を用いた電着法により、担体(B)の表面に貴金属を担持させる。
用いられる電着法としては、電解還元や光電着等が挙げられ、好ましくは光電着である。
なお、本発明における「電着法」とは、具体的には、電気的に担体中の電子を励起させ、その励起させた電子を用いて貴金属元素イオンを還元させることで、担体の表面に貴金属元素を担持させる手法をいう。
「光電着」とは、具体的には、担体に光を照射することにより担体中の電子を励起させ、その励起された電子を用いて貴金属元素イオンを還元させることで、担体の表面に貴金属元素を担持させる手法をいう。
光電着の際に用いる光源は、担体(B)から光電子を放出させ、貴金属元素イオンを還元し、担体(B)の表面に前記貴金属元素を担持させることが可能なエネルギーを有する光を照射することが可能であれば特に制限はない。光源の具体例としては、殺菌灯、水銀灯、発光ダイオード、蛍光灯、ハロゲンランプ、キセノンランプ、太陽光等を挙げることができる。
光源から照射される光の波長は、好ましくは180〜500nmである。光の照射は、原料混合溶液を撹拌しながら行ってもよい。透明なガラスやプラスチック製の管内に原料混合溶液を通過させながら管の内外から照射してもよく、これを繰り返してもよい。
光照射を行う時間は、好ましくは10分間以上24時間以下、より好ましくは30分間以上6時間以下である。
電着法により還元された貴金属は、担体(B)の表面において粒子状に析出する。貴金属の粒子(貴金属粒子)の一次粒子径は、好ましくは0.1nm以上50nm以下、より好ましくは1nm以上10nm以下である。また担持させた貴金属粒子は、担体(B)の表面において均一に分散していることが好ましい。
貴金属粒子は、担体(B)の表面に存在する窒素原子と化学結合を有している。担体(B)の表面に担持された貴金属元素(貴金属粒子)と、担体(B)が有する窒素原子と、が化学結合を有していることで、貴金属元素の電子密度が向上する。また、貴金属粒子の表面では、酸化被膜の形成が抑制され、耐久性と活性が向上する。
原料混合溶液中の担体(B)の表面に担持された貴金属元素(すなわち、貴金属粒子)と、原料混合溶液中の担体(B)が有する窒素原子と、が化学結合を有していることは、XPS分析を行うことにより確認することができる。XPS分析は、X線光電子分光分析装置(ULVAC−PHI社製、QuanteraSXM)を用いて、X線としてAl Kα線(1486.6eV)を用いて測定し、X線光電子分光スペクトル(XPSスペクトル)を求めることで行う。XPSスペクトルは、測定結果について、横軸(X軸)を照射したX線を基準としたときの光電子のエネルギー、縦軸(Y軸)を光電子の数としてグラフ化することで得られる。
このようなXPSスペクトルにおいて、貴金属元素と窒素原子との結合に対応するピークでのカウント数が300以上である場合に、貴金属元素と窒素原子との間に化学結合があると判断することができる。
「貴金属元素と窒素原子との結合に対応するピーク」は、炭素原子−窒素原子の結合に対応するピーク(400eV付近)の近傍に現れる。一例として、Pt−N結合に対応するピークは、395eVに現れる。
本発明の一実施形態である電極触媒の分散液は、本発明の一実施形態である電極触媒の製造方法により得られる電極触媒の機能を損なわない範囲で導電材を含有してもよい。
前記導電剤の量は、原料として用いる担体(B)100質量部に対して0.1質量部以上100質量部以下であり、好ましくは1質量部以上70質量部以下、より好ましくは5質量部以上50質量部以下である。
導電材としてはカーボンファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、導電性酸化物、導電性酸化物繊維および導電性樹脂等が挙げられる。
以上により、担体(B)に、電着法を用いて貴金属を担持させた電極触媒の分散液を得ることができる。
(電極触媒およびその製造方法)
上述のように製造した電極触媒の分散液から、溶媒を除去することにより、本発明の一実施形態である電極触媒を得ることができる。
本発明の一実施形態である電極触媒は、酸素還元能を有し、且つ貴金属元素を含まない担体(B)と;担体(B)の表面に担持された貴金属粒子と、を有している。担体(B)は、少なくとも表面に窒素原子が存在し、この窒素原子と、前記貴金属粒子を構成する貴金属元素とが化学結合している。前記貴金属粒子を構成する貴金属元素は、Ptであると好ましい。
本発明の一実施形態である電極触媒は、上述したように電着法を用いて製造されていることにより、または上述したような構造を有していることにより、従来の電極触媒と比較して性能が劣化しにくい。例えば、本発明の一実施形態である電極触媒は、酸素飽和雰囲気下において、酸性電解質中では、0.8V以上、またはアルカリ電解質中では、−0.1V以上という高電位を含む電位サイクルを行っても性能が劣化しにくい。
(電極構造体)
本発明の一実施形態である電極触媒の分散液を、カーボンクロス、カーボンペーパー等の電極上にダイコーターやスプレーを用いて塗工し、乾燥させて溶媒(A)を除去することにより、前記電極上に電極触媒を積層させた電極構造体とすることができる。ここで、電極構造体における電極触媒に対する溶媒の含有量は、0.01〜1.0質量%程度である。
なお、本発明の一実施形態である電極構造体は、上記した原料混合溶液を電極上に塗工し、前記電極上で前記原料混合溶液の電着(光電着)を行った後に乾燥させて溶媒(A)を除去することでも得ることができる。 本発明の一実施形態である電極構造体は、酸性電解質中またはアルカリ電解質中での水の電気分解、有機物の電気分解、空気電池の電極等に用いることもできる。
(膜電極接合体)
本発明の一実施形態における膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)は、上記した本発明の一実施形態における電極構造体をイオン交換膜に圧着させることで得ることができる。「イオン交換膜」とは、イオン交換樹脂を膜状に成型したものをいい、たとえば、プロトン伝導膜、アニオン交換膜等が挙げられる。得られた膜電極接合体は、固体高分子形燃料電池、リン酸形燃料電池、直接メタノール型燃料電池、直接エタノール型燃料電池、アルカリ型燃料電池または空気電池等に用いることもできる。
(燃料電池)
次に、上記本発明の膜電極接合体を備えた燃料電池の好ましい一実施態様について、添付の図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の好適な一実施態様に係る燃料電池のセルについての縦断面図である。図2は、本発明の好適な一実施態様である膜電極接合体の縦断面図である。図1では、燃料電池80は、電解質膜72(プロトン伝導膜)と、これを挟む一対の触媒層74a,74bとから構成された膜電極接合体70(すなわち、図2に示す本発明の一実施形態である膜電極接合体)を備えている。燃料電池80は、膜電極接合体70の両側に、これを挟むようにガス拡散層86a,86b及びセパレータ88a,88b(セパレータ88a,88bは、触媒層74a,74b側に、燃料ガス等の流路となる溝(図示せず)が形成されていると好ましい)を順に備えている。なお、電解質膜72、触媒層74a,74b及びガス拡散層86a,86bとからなる構造体は、一般的に、膜電極ガス拡散層接合体(MEGA)と呼ばれることがある。
触媒層74a、74bは、燃料電池における電極層として機能する層であり、これらの一方がアノード電極層となり、他方がカソード電極層となる。かかる触媒層74a、74bには、上記した本発明の一実施形態である電極触媒とナフィオン(登録商標)に代表されるプロトン伝導性を有する電解質とを含む。
前記電解質膜72(プロトン伝導膜)としては、例えば、Nafion NRE211、Nafion NRE212、Nafion112、Nafion1135、Nafion115、Nafion117(いずれもデュポン社製)、フレミオン(旭硝子社製)、アシプレックス(旭化成社製)(いずれも商品名、登録商標)等を用いることができる。
ガス拡散層86a,86bは、触媒層74a,74bへの原料ガスの拡散を促進する機能を有する層である。このガス拡散層86a,86bは、電子伝導性を有する多孔質材料により構成されることが好ましい。前記多孔質材料としては、多孔質性のカーボン不織布およびカーボンペーパーが、原料ガスを触媒層74a,74bへ効率的に輸送することができるために好ましい。
セパレータ88a,88bは、電子伝導性を有する材料で形成されている。前記電子伝導性を有する材料としては、例えば、カーボン、樹脂モールドカーボン、チタン、ステンレス等が挙げられる。
次いで、燃料電池80の好適な製造方法を説明する。
まず、本発明の一実施形態である電極触媒の分散液を、カーボン不織布やカーボンペーパーの上にスプレーやスクリーン印刷法により塗布し、溶媒等を蒸発させることで、ガス拡散層86a,86b上に触媒層74a,74bが形成された積層体が得られる。
このような積層体を一対形成した後、得られた一対の積層体をそれぞれの触媒層74a,74bが対向するように配置し、その間に電解質膜72を配置する。これら一対の積層体および電解質膜72を圧着することにより、MEGAが得られる。
このMEGAを、一対のセパレータ88a,88bで挟み込み、これらを接合させることで、燃料電池80が得られる。この燃料電池80は、ガスシール等で封止することもできる。
なお、ガス拡散層86a,86b上への触媒層74a,74bの形成は、例えば、ポリイミド、ポリ(テトラフルオロエチレン)等の基材の上に、電極触媒の分散液を塗布し、乾燥させて触媒層を形成させた後、これをガス拡散層に熱プレスで転写することにより行うこともできる。
また、燃料電池80は、固体高分子型燃料電池の最小単位であるが、単一の燃料電池80(セル)の出力は限られている。そこで、必要な出力が得られるように複数の燃料電池80を直列に接続して、燃料電池スタックとして使用することが好ましい。
本発明の一実施形態である燃料電池は、燃料が水素である場合は固体高分子型燃料電池として動作させることができ、また、燃料がメタノールである場合は直接メタノール型燃料電池として動作させることができる。
本発明の一実施形態である電極触媒は、燃料電池用電極触媒、水電気電解用触媒として用いることができるが、燃料電池用電極触媒として用いることが好ましい。本発明の一実施形態である電極触媒および膜電極接合体を用いた燃料電池は、例えば、自動車用電源、家庭用電源、携帯電話、携帯用パソコン等のモバイル機器用小型電源として有用である。
(空気電池)
上記した本発明の一実施形態である電極構造体および膜電極接合体は、空気電池の電極として用いることもできる。「空気電池」とは、正極活物質として空気中の酸素、負極活物質として金属を用いる電池のことを意味する。空気電池は、通常、空気中の酸素を電池内に取り込むために、空気極(正極)には触媒作用を有する多孔質炭素材料、多孔質金属材料、もしくはこれら両者の複合材料が使用され、負極には各種金属が使用され、電解液には水酸化カリウム水溶液等の水溶液が使用されている。空気電池の放電では、空気中の酸素(O)は空気極(陽極)の触媒作用でOHとして電解液に溶け込み、負極活物質と反応して起電力を発生する。上記した本発明の一実施形態である電極構造体および膜電極接合体は、空気電池の負極として用いることができる。本発明の一実施形態である電極構造体および膜電極接合体を用いた空気電池は、例えば、自動車用電源、家庭用電源、携帯電話、携帯用パソコン等のモバイル機器用小型電源として有用である。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例1および比較例1における評価方法は以下の通りである。
(1)BET比表面積:
BET比表面積(m/g)は、BET比表面積測定装置(Mountech社製、型名:Macsorb HB1208)の装置を用い窒素吸着法により求めた。
(2)結晶構造:
結晶構造は、粉末X線回折装置(PANalytical製、装置名:X’Pert)を用い、ターゲットにCu管球、電圧:45kV、電流:40mA、測定範囲測定範囲:10〜90°の条件にて行った。
(3)炭素量:
炭素量としては、TG/DTA(SII製、型名:EXSTAR6000)を用い、昇温速度10℃/分間、空気流通下の条件で、室温から800℃まで昇温した際の次の式により算出される炭素量の値(イグロス値)を用いた。
炭素量(質量%)=(WI−WA)/WI×100
(ここで、WIは焼成前の電極触媒質量、WAは焼成後の質量である。)
(4)酸素還元能評価:
純水10mL、イソプロピルアルコール10mLならびにナフィオン(デュポン社の登録商標)の溶液(固形分5質量%)0.6gを混合し、混合溶媒を作製した。この混合溶媒を0.5mL採取し、これに電極触媒0.01gを混合し、超音波を照射して懸濁液とした。
この懸濁液30μLをグラッシーカーボン電極〔日厚計測社製、6mm径、電極面積は28.3mm〕に塗布し、自然乾燥後、真空乾燥機にて1時間処理をすることで電極触媒をグラッシーカーボン電極上に担持させた修飾電極を得た。
得られた修飾電極は、濃度0.1モル/Lの硫酸水溶液中に浸漬し、RRDEスピードコントローラ(日厚計測社製、型名:SC−5)、および電気化学アナライザー(ビー・エー・エス株式会社製、型名:Model 701C)を用いて、室温(約25℃)、大気圧下、電極回転速度600rpmで評価した。
まず、修飾電極に対する前処理として、窒素雰囲気において、0Vより大きく〜1.0V未満の電位範囲で50mV/秒間の速度で昇圧させながら電位を変化させた後、折り返し、1.0V未満〜0Vより大きい電位範囲で50mV/秒間の速度で降圧させながら電位を変化させた。この昇圧および降圧を合わせて1サイクルとして、10サイクル繰り返した。
次いで、窒素雰囲気下および酸素雰囲気下にて、1.0V未満〜0Vより大きい電位範囲で5mV/秒間の速度にて電位を変化させ、窒素雰囲気下および酸素雰囲気下における電流値を求めた。得られた酸素雰囲気での電流値から窒素雰囲気の電流値を引くことで0Vより大きく〜1.0V未満の電位範囲における酸素還元電流を算出し、さらに0Vより大きく〜1.0V未満の電位範囲における酸素還元電流のうち0.8Vにおける電流値を、電極面積(28.3mm)で割ることで、酸素還元電流密度を求めた。
得られた酸素還元電流密度の値が−0.001mA/cm以下の場合、酸素還元能を有するとした。
(5)電極触媒の酸素還元電流密度評価:
後述する実施例および比較例に従って得られる電極触媒の分散液を、グラッシーカーボン電極(日厚計測社製、6mm径、電極面積は28.3mm)に塗布し、乾燥させた後、真空乾燥機にて1時間処理をすることで、電極触媒をグラッシーカーボン電極上に担持させた修飾電極を得た。修飾電極における電極触媒の担持量が、2.8mg/cmとなるように、分散液の塗布量を制御した。この修飾電極を用いて、上記「(4)酸素還元能評価」と同様の操作を行い、電極触媒の酸素還元電流密度を求めた。
(6)耐久性評価:
上記(5)で作製した修飾電極を濃度0.1モル/Lの硫酸水溶液中に浸漬し、RRDEスピードコントローラ(日厚計測社製、型名:SC−5)、電気化学アナライザー(ビー・エー・エス株式会社製、型名:Model 701C)を用いて、室温(約25℃)、大気圧下、電極回転速度600rpmで、0.6より大きく〜1.0V未満の電位範囲で、50mV/秒間の速度で電位を変化させるサイクル処理を、1000回行った。その後、1000回サイクル処理後の0.8Vでの酸素還元電流密度を測定し、サイクル処理前の0.8Vでの酸素還元電流密度との比(酸素還元電流密度比)を用いて評価した。酸素還元電流密度比が大きいほど、サイクル処理前後で酸素還元電流密度の変化が小さく、耐久性が高いことを示している。
なお、この評価方法は酸性電解質中での耐久性評価であるが、一般に酸性電解質中においてはアルカリ電解質中より電極の劣化が促進されることから、アルカリ電解質中での耐久性は行わず、酸性電解質中での耐久性評価をもって、アルカリ電解質中および酸性電解質中での耐久性を判断した。
(7)仕事関数値:
仕事関数値は、理研計器株式会社製の光電子分光装置「AC−2」を用い、光量測定500nW、測定エネルギー4.2eV〜6.2eVで測定して得られる、電流検出時のエネルギー値から算出した。
(8)TEM、EF−TEM観察:
日本電子株式会社製の透過型電子顕微鏡「JEM2200FS」を用い、真空条件下、加速電圧200kVの条件下で実施した。格子間距離を測定することで、金属状態のPtが担持されていることを確認した。
(9)XPS分析:光電着により担持されたPtとNとの化学結合の状態については、X線光電子分光分析装置(ULVAC−PHI社製、QuanteraSXM)を用いて、X線としてAl Kα線(1486.6eV)を用いて測定したときの、395eV値におけるカウント数が300以上である場合に、PtとNに化学結合があるとした。
(実施例1)
(担体の調整に使用した反応装置)
まず、実施例1において、担体の調整に使用した反応装置について説明する。
図3は実施例1で使用した連続的に水熱反応を行うための流通式反応装置を示す図である。
水タンク1、8bは、水を供給するためのタンクである。混合物スラリータンク8aは、混合物スラリーを供給するためのタンクである。用いた混合物スラリーについては、後述する。送液ポンプ2、9a、9bを用いて、これらのタンクから液が供給される。送液ポンプ9aの駆動により、混合物スラリータンク8aから、配管10aを通じて加熱部12に液が送られる。送液ポンプ9bの駆動により、水8bから、配管10bを通じて加熱部12に液が送られる。送液ポンプ2の駆動により、水タンク1から、配管3を通じて加熱部11に液が送られる。送られた各液は、混合部14で混合され、配管13を通じて主に反応部4で水熱反応する。水熱反応後、生成したスラリーは、冷却部5により冷却されたのち、方向制御弁15により切り替えられた流れ方向に向かって移送される。スラリーは、方向制御弁15で切り替えられた方向に応じて、回収シリンダ6aまたは回収シリンダ6bで一次回収されたのち、最終的に回収タンク7aまたは回収タンク7bで回収される。
図3において、送液ポンプ2、9a、9bを動かし、さらに、背圧弁16a、16bを開閉することにより、これら送液ポンプ2、9a、9bから背圧弁16a、16bまでの配管内の圧力を調節することができる。
回収シリンダ6aには、生成物を回収する回収室17aと、可動式の隔壁18aと、回収室17aとは隔壁18aを挟んで隣り合う圧力調整室19aと、が備えられている。回収シリンダ6aでは、圧力調整室19aに接続されたポンプ20aを用い、水等の流体が貯留された貯槽21aから圧力調整室19aに流体を送り込むことによって、可動式の隔壁18aを回収室17a側に押し込み、回収室17aを加圧することが可能である。また、回収シリンダ6bも同様に、回収室17bと隔壁18bと圧力調整室19bとを有し、ポンプ20bおよび貯槽21bを用いて回収室17bを加圧可能に設けられている。これら回収シリンダ6a,6bの機能によって、回収シリンダ6a,6b内の圧力を調整することにより、送液ポンプ2、9a、9bから背圧弁16a、16bまでの配管内の圧力を調節することができる。
また、加熱部11、12および反応部4の温度を調節することにより、超臨界状態または亜臨界状態の水を得ることができる。
このような装置では、まず送液ポンプ2、9a、9bを駆動し、また背圧弁16a、16bを用いて、送液ポンプ2、9a、9bから背圧弁16a、16bまでの配管内の圧力を適宜調節する。さらに、加熱部11、12および反応部4の温度を適宜調節することで、反応部4内の水を超臨界状態または亜臨界状態になるように調整する。混合物スラリータンク8aから混合物スラリーを供給すると、混合部14以降の配管内、主に反応部4で、混合物スラリー内の原料が水熱反応して水熱反応物が生成する。生成したスラリーは、まず回収シリンダ6a,6bで回収されたのち、回収シリンダ6a,6bから回収タンク7a,7bに移送され、回収タンク7a、7bで回収される。
〔担体の調製〕
市販の水酸化ジルコニウム(第一稀元素工業株式会社製、品名:R型水酸化ジルコニウム)60gとD−グルコース(和光純薬株式会社製)80gとアンモニア水(pH10.5)160gとケッチェンブラック(品名:EC−300J、ライオン株式会社製)2gとポリビニルピロリドン(和光純薬工業株式会社製)0.2gを、φ0.05mmジルコニアビーズ(東ソー株式会社製)1000gと共にバッチ式レディーミル(アイメックス株式会社製、型番:RMB−08)の容器に投入し、2000rpmの周速で120分間分散した。得られた混合溶液を、粒度分布測定装置(Malvern Instruments社製、型名:Mastersizer2000)を用いて分析したところ(屈折率2.17)、中心粒子径は0.12μmであった。
得られた混合溶液50gに、pH10.5のアンモニア水1450gを混合し、混合物スラリーを得た。その混合物スラリーを、図3に示す流通式反応装置の混合物スラリータンク8aに仕込んだ。水タンク1,8bに水を仕込み、送液ポンプ2,9bを起動して、これらの水の送液を開始した。ここで、送液ポンプ2における流量を16.7mL/分間に、送液ポンプ9bにおける流量を6.67mL/分間に、それぞれ調節した。背圧弁16a、16bを用いて、配管内圧力を30MPaに調節した。加熱部11を400℃に、加熱部12を250℃に、反応部4の温度を350℃に、それぞれ調節した。定常状態における混合部14の液温を測定したところ380℃であり、超臨界状態の水であることを確認した。
その後、送液ポンプ9bを停止し、送液ポンプ9aを稼動させることにより、混合物スラリータンク8aから混合物スラリーを供給して、水熱反応を行い、回収シリンダ6a,6bおよび回収タンク7a、7bにて、生成スラリーを回収した。回収した生成スラリーをろ過により固液分離し、室温、真空で約1日乾燥して、混合前駆体を得た。
前記混合前駆体を、カーボン製るつぼに入れ、ボックス型電気炉〔型番:NP−15S、ネムス株式会社製〕中、大気圧下で、昇温前に真空引きをした後、窒素ガスを1.0L/分間の流量で流通させながら、昇温速度300℃/時間で室温(約25℃)から800℃まで昇温し、800℃で1時間保持後、室温(約24℃)まで300℃/時間で降温することにより粒子状の担体を得た。
得られた担体のTEM(透過型電子顕微鏡)写真を図4に、同化合物の粒子のEF−TEM(エネルギーフィルタリング透過型電子顕微鏡)写真を図5に示す。図5に示すEF−TEM写真において、白色部分が炭素を示す。図4および図5に示す写真を用いて確認したところ、得られた担体は、炭素で被覆された、一次粒子が約10nmの酸化ジルコニウムであった。また、表面を被覆した炭素には窒素が含まれることを確認した。
さらに、得られた担体のBET比表面積は170m/g、結晶形は正方晶、炭素量は28.1質量%であった。また、得られた担体の0.8Vでの酸素還元電流密度値は−0.384mA/cmであり、−0.001mA/cm以下であるため酸素還元能を有し、また仕事関数値は4.9eVであった。
〔光電着による金属を電着した電極触媒の調整〕
得られた担体0.25g、溶媒として水24.93g、エタノール19.69g、分散剤としてナフィオン(デュポン社の登録商標)の溶液(固形分5質量%)1.5g、貴金属化合物としてヘキサクロロ白金酸(和光純薬工業株式会社製)をPt金属換算で担体100質量部に対して5質量部になるよう混合した。その混合溶液を光化学反応用実験装置(光源冷却管:石英タイプ、ウシオ電機株式会社製)に投入し、光源にはペン型低圧水銀ランプ(型式:L937、浜松ホトニクス株式会社製)を用い、窒素バブリング下で90分間照射することで電極触媒の分散液を得た。
得られた電極触媒のTEM写真を図6に示す。図6に示すTEM写真において、点線で囲んだ領域内にあるのが、担持された白金粒子の一次粒子である。図5に示すTEM写真で確認したところ、粒子状の担体の表面に、一次粒子が2〜5nmのPt粒子が担持されていることを確認した。電極触媒についてのXPS分析の結果、395eV値のカウント数が500であったため、担持されたPtと担体に含まれるNとの間に化学結合があると評価した。
得られた電極触媒の酸素還元電流密度評価における電流密度の値は−2.80mA/cmであった。また耐久性評価の結果、サイクル前後の酸素還元電流密度値比は1.08であった。
(比較例1)
市販の白金担持カーボン触媒(E−TEK社製;Pt量20質量%、炭素量80%;電着法以外の手法を用いてカーボンへ白金を担持した触媒)の耐久性評価を行った。なお、上記白金担持カーボン触媒に用いられているカーボンブラック(品名:VulcanXC−72、キャボット社製)は、0.8Vでの酸素還元電流密度値が0.00mA/cmであり、−0.001mA/cm以上であるため、酸素還元能を有しないと評価できる。
評価の結果、電極触媒の酸素還元電流密度評価における電流密度の値は−2.76mA/cmで、サイクル前後の酸素還元電流密度比は0.76であった。また、XPS分析の結果、395eV値のカウント数が200であったため、PtとNとの化学結合があると評価できなかった。
(比較例2)
市販の酸化タングステン(日本無機化学工業社製)の粉末0.25g、溶媒として水24.93g、エタノール19.69g、分散剤としてナフィオン(デュポン社の登録商標)の溶液(固形分5質量%)1.5g、貴金属化合物としてヘキサクロロ白金酸(和光純薬工業株式会社製)をPt金属換算で担体100質量部に対して5質量部になるよう混合し、その混合溶液を光化学反応用実験装置(光源冷却管:石英タイプ、ウシオ電機株式会社製)に投入し、光源にはペン型低圧水銀ランプ(型式:L937、浜松ホトニクス株式会社製)を用い、窒素バブリング下で90分間照射することで電極触媒の分散液を得た。
得られた電極触媒の酸素還元電流密度評価における電流密度の値は−2.24mA/cmであった。また耐久性評価の結果、サイクル前後の酸素還元電流密度値比は0.15であった。
以上の結果より、本発明の電極触媒の分散液の製造方法を用いて製造された電極触媒は、酸性電解質中またはアルカリ電解質中において、高電位を含む電位サイクルを行っても性能が劣化しにくいことが確認された。
本発明は、分散液の製造方法、電極触媒の分散液、電極触媒の製造方法、酸性電解質中またはアルカリ電解質中において、高電位を含む電位サイクルを行っても性能が劣化しにくい電極触媒の電極触媒、前記電極触媒を有する電極構造体、前記電極構造体を有する膜電極接合体、前記膜電極接合体を有する燃料電池および空気電池を提供できるので、産業上極めて有用である。
1、8b…水タンク、2、9a、9b…送液ポンプ、3、10a、10b、13…配管、11、12…加熱部、4…反応部、5…冷却部、6a、6b…回収シリンダ、7a、7b…回収タンク、8a…混合物スラリータンク、14…混合部、15…方向制御弁、16a、16b…背圧弁、17a,17b…回収室、18a,18b…隔壁、19a,19b…圧力調整室、20a,20b…ポンプ、21a,21b…貯槽、70…膜電極ガス拡散層接合体、72…高分子電解質膜、80…燃料電池、88a,88b…セパレータ

Claims (11)

  1. 溶媒中に粒子状の担体が分散し、且つ前記溶媒中に貴金属元素を含む化合物が溶解した原料混合溶液を用いて電着法により前記担体の表面に貴金属を担持させる工程を有する電極触媒の分散液の製造方法であって、
    前記担体は、酸素還元能を有し、且つ貴金属元素を含まない物質であり、
    前記電着法が、光電着である電極触媒の分散液の製造方法。
  2. 前記貴金属元素が、Pt、Pd、Au、IrおよびRuからなる群より選ばれる少なくとも1つの貴金属元素である請求項1に記載の電極触媒の分散液の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の電極触媒の分散液の製造方法により電極触媒の分散液を得る工程と、
    前記電極触媒の分散液から溶媒を除去する工程と、を有する電極触媒の製造方法。
  4. 酸素還元能を有し、且つ貴金属元素を含まない粒子状の担体と、
    前記担体の表面に担持された貴金属粒子と、を有する電極触媒であって、
    前記担体は、少なくとも表面に窒素原子が存在し、前記窒素原子と前記貴金属粒子を構成する貴金属元素とが化学結合しており、
    前記担体は、一次粒子径が2nm以上50nm以下であり、かつ表面が炭素化合物の層で被覆されている電極触媒。
  5. 前記貴金属粒子を構成する貴金属元素がPtである請求項に記載の電極触媒。
  6. 前記担体は、長期周期律表における4族の金属元素および5族の金属を含む請求項4または5に記載の電極触媒。
  7. 前記炭素化合物は、窒素原子を含有している請求項4から6のいずれか1項に記載の電極触媒。
  8. 請求項4から7のいずれか1項に記載の電極触媒を有する電極構造体。
  9. 請求項に記載の電極構造体を有する膜電極接合体。
  10. 請求項に記載の膜電極接合体を有する燃料電池。
  11. 請求項に記載の膜電極接合体を有する空気電池。
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