JP2007141624A - 固体高分子型燃料電池用触媒層、その製造方法および燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】白金微粒子同士の凝集を防ぎ触媒利用率を低下することなく、触媒層に含有される白金の含有量を高くした固体高分子型燃料電池用触媒層を提供する。
【解決手段】白金酸化物または白金と白金以外の白金族元素とを含む複合酸化物を還元して生成した白金または白金を含んだ複合物からなる触媒微粒子11と、第4から第6周期の遷移金属及びSi,Al,La,Ce,Ndからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の金属元素またはその金属化合物からなる担体微粒子12が担持されている触媒を有する固体高分子型燃料電池用触媒層。白金族元素は、Ru,Rh,Ir,Os,Pdよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素である。担体微粒子の平均粒径が0.5〜100nmである。
【選択図】図2

Description

本発明は、固体高分子型燃料電池用触媒層、その製造方法およびそれを用いた固体高分子型燃料電池に関するものである。
固体高分子型燃料電池は、エネルギー変換効率が高いこと、クリーンであること、静かであることなどから、将来のエネルギー生成装置として期待されている。近年では、そのエネルギー密度の高さから携帯電話やノート型パソコン、デジタルカメラなど小型の電気機器に搭載することによって、従来の2次電池に比べ長時間駆動できる可能性があり、注目を集めている。燃料電池用触媒としては、一般にカーボンブラックなどの炭素材料からなる担体に、触媒としての白金または白金と貴金属の合金からなる微粒子を担持した白金担持カーボンが多く用いられている。
高性能な燃料電池を実現するには、触媒利用率を落とすことなく触媒、すなわち白金重量を多くする必要がある。しかし、炭素担体上に担持した白金微粒子は、燃料電池運転中に一部が凝集して粒成長してしまうことが知られている。これは白金と担持炭素との結合力が物理吸着によるもので結合力が弱いために、白金粒子が剥離し白金微粒子同士の融着によるものが原因と推測されている。白金微粒子が粒成長すると、触媒比面積の減少が起こり触媒として機能する表面積が減少するため、燃料電池の特性を低下させてしまう。従来の白金担持カーボンでは、カーボン微粒子上の白金微粒子が偶然に分散することを期待しているため、白金微粒子同士の凝集を防止するために、触媒層重量あたりの白金重量を高くすることができないという問題点があった。
また、触媒重量を多くしようとして触媒層の厚みを大きくすると、触媒層中の反応物質(水及び燃料ガス)の流通性が阻害され、却って燃料電池の特性を損なうという問題点があった。このため、触媒利用率を落とすことなく触媒層重量当たりの白金重量を大きくすることが望まれていた。
このために、白金担持カーボン触媒におけるカーボン担体上の白金微粒子の粒成長を抑制する方法として、例えば、特許文献1には、担持炭素材料表面を白金より酸化されにくい金属粒子で被覆し、更にその表面を白金で被覆する方法が記載されている。また、特許文献2には、白金と担持炭素材料の間に金属炭化物からなる接着層を設ける方法が記載されている。また、特許文献3には、担持炭素表面の一部に窒素原子を入れ白金微粒子との共有結合を図る方法が記載されている。
特開2002−289208号公報 特開2003−346814号公報 特開2004−207228号公報
しかし、上記の方法はいずれも白金微粒子を炭素担体上に固定させる方法であり、白金微粒子の凝集は防げても、担体を用いているためにやはり触媒層重量当たりの白金重量が低いという問題点があった。例えば、特許文献2に記載されている実施例からは触媒層全重量に対する白金重量は50%、特許文献1の記載からは58〜60%と計算できるが、いずれも従来の白金担持カーボンと同等の値である。このため、触媒担持量を低下させないため触媒層の厚みを薄くすることができないという問題点があった。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたもので、白金微粒子同士の凝集を防ぎ触媒利用率を低下することなく、触媒層に含有される白金の含有量を高くした触媒層およびその製造方法を提供するものである。
また、本発明は上記の触媒層を用いて、触媒層の厚みを薄くし、触媒層中の反応物質の流通性及び触媒利用率を向上させた固体高分子型燃料電池を提供するものである。
本発明は、上述した課題を解決するために鋭意検討を行ってなされたものであり、下述する構成のものである。
上記の課題を解決する固体高分子型燃料電池用触媒層は、白金酸化物または白金と白金以外の白金族元素とを含む複合酸化物を還元して生成した白金または白金を含んだ複合物からなる触媒微粒子と、第4から第6周期の遷移金属及びSi,Al,La,Ce,Ndからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の金属元素またはその金属化合物からなる担体微粒子が担持されている触媒を有することを特徴とする。
前記白金族元素は、Ru,Rh,Ir,Os,Pdよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素であることが好ましい。
前記担体微粒子の平均粒径が0.5〜100nmであることが好ましい。
前記触媒中で担体微粒子の占める割合が、触媒微粒子数と担体微粒子数の合計に対して10〜85個数%であることが好ましい。
前記担体微粒子が、Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Rb,Sr,Y,Zr,Nb,Mo,Tc,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,In,Sn,Sb,La,Ce,Nd,Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Au,Al,Siからなる群より選ばれた少なくとも1種類以上の金属元素または金属化合物からなることが好ましい。
前記金属化合物からなる担体微粒子が、酸化物、窒化物、炭化物のうち少なくとも1種類以上からなることが好ましい。
前記触媒の空孔率が35〜95%であることが好ましい。
また、上記の課題を解決する固体高分子型燃料電池用触媒層の製造方法は、白金酸化物または白金と白金以外の白金族元素とを含む複合酸化物に、第4から第6周期の遷移金属及びSi,Al,La,Ce,Ndからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の金属元素またはその金属化合物からなる担体微粒子を担持させる工程、次いで還元処理して白金または白金を含んだ複合物からなる触媒微粒子を生成して前記触媒微粒子と前記担体微粒子が担持されている触媒を得る工程を有することを特徴とする。
また、上記の課題を解決する固体高分子型燃料電池は、固体高分子電解質膜と、一対の電極と、前記固体高分子電解質と電極間に各々設けられた触媒層を有する固体高分子型燃料電池であって、前記触媒層の少なくとも一つは上記の触媒層からなることを特徴とする。
本発明によれば、白金微粒子同士の凝集を防ぎ触媒利用率を低下することなく、触媒層に含有される白金の含有量を高くした触媒層を提供することができる。
また本発明は、前記触媒層を用いることで、触媒量を維持したまま触媒層自体の厚みを薄くでき、触媒層中の反応物質の流通性を向上させた固体高分子型燃料電池の触媒層を提供することができる。
また本発明は、上記の触媒層中の反応物質の流通性を向上した触媒層を用いて、安定な特性を有する固体高分子型燃料電池を低コストで提供することができる。
以下図面を参照して、本発明の固体高分子型燃料電池の触媒層及びその製造方法について、好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部材の材質、寸法、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。同様に以下に記述する製造方法も唯一のものではない。
図1は、本発明の触媒層を用いた固体高分子型燃料電池の単セルの断面構成の一例を表す模式図である。図1において、1は固体高分子電解質膜、これを挟んで一対の触媒層、すなわちアノード側の触媒層2と、カソード側の触媒層3が配置されている。
本実施の形態においては、カソード(空気極)側のみ、本発明の触媒層が配置された例を示すが、触媒層の配置構成としてはこれに限定するものではない。例えば両極とも本発明の触媒層を配置する場合、あるいはアノード側のみ本発明の触媒層を配置する場合をも含んでおり、種々の構成を好ましく選択することができる。
カソード側触媒層3は、触媒4と、該触媒4を支持する触媒担体5とから構成される。なお、触媒4は多孔質からなり、多孔質触媒とも称する。
アノード側の触媒層2の外側には、アノード側ガス拡散層6とアノード側電極(燃料極)8が配置される。
カソード側の触媒層3の外側には、カソード側ガス拡散層7とカソード側電極(空気極)9が配置される。
固体高分子電解質膜1としては、弗化炭素骨格にスルホン酸基を末端につけた側鎖が結合した構造のパーフルオロスルホン酸ポリマーを好適に使用することができる。例えば、パーフルオロスルホン酸ポリマーは弗化炭素骨格が架橋しておらず、骨格部分がファンデルワールス力で結合した結晶を形成しており、さらにスルホン酸基はいくつかが凝集して逆ミセル構造をとっており、ここがプロトンH+の伝導チャネルとなっている。
なお、プロトンH+が電解質膜中をカソード側に向かって移動する場合には水分子を媒体として移動するので、電解質膜は水分子を保有する機能を有する。
したがって、固体高分子電解質膜の機能としては、アノード側で生成したプロトンH+をカソード側に伝達するとともに未反応の反応ガス(水素および酸素)を通さないこと、所定の保水機能があること等が挙げられる。この条件を満たすものであれば、任意のものを選択して使用することができる。
ガス拡散層6,7は、電極反応を効率良く行わせるために、燃料ガスまたは空気を燃料極または空気極の触媒層中の電極反応領域へ、面内で均一に充分に供給するとともに、アノード電極反応によって生じる電荷を単セル外部に放出させる。さらに反応生成水や未反応ガスを単セル外部に効率よく排出する役割を担うものである。ガス拡散層としては、電子伝導性を有する多孔質体、例えばカーボンクロスやカーボンペーパーを好ましく用いることができる。
触媒担体5の役割は、助触媒としての触媒活性向上、多孔質触媒4の形態保持、電子伝導チャネルの確保、比表面積増大等が挙げられ、例えばカーボンブラック、白金微粒子層あるいは金微粒子膜層を好ましく用いることができる。
一般に、高性能な触媒層を得るには、触媒と電解質の界面が十分に広く、かつ電極反応物質(反応ガス、水素イオン、電子)の流通が良いこと、すなわち三相界面が有効に形成されていることが必要である。本発明の触媒層は、触媒層重量あたりの白金重量が高いために、触媒担持量を高く維持したままで触媒層自体の厚みを薄くできるため、触媒層中の反応物質の流通性を向上させることができる。
カソード側触媒層3は、触媒4と、該触媒4を支持する触媒担体5とから構成される。触媒4は、その空孔率が35〜95%で、65〜95%であることが特に好ましい。なお、空孔率とは[1−(触媒の実体積)/(図1における電解質膜と触媒担体との間の空間体積)]を意味する。空孔率が低すぎると反応物質の移動チャンネルが細くなってしまい、十分な性能が得られない。また空孔率が高すぎると触媒層自体の機械的強度が弱くなり、セルを組み立てる際に容易に破損してしまう。
触媒4は、白金または白金と白金族元素(但し白金族元素はPt,Ru,Rh,Ir,Os,Pdよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素である)との合金からなる触媒微粒子と、白金以外の、第4から第6周期の遷移金属及びSi,Al,La,Ce,Ndからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の金属元素またはその金属化合物からなる担体微粒子との複合物が互に担持されて構成される。
図2は、本発明の触媒層の構造の一例を示す模式図である。例えば、図2に示すように、触媒微粒子11と担体微粒子12が互に担持されている。また、触媒微粒子11同士が接点を有する形で配置されることが電子伝導性を維持するために好ましい。さらにこのような配置状態が触媒層の下端から上端まで連続することが好ましい。
触媒4中の触媒微粒子は平均粒径2〜20nm、好ましくは2〜10nmの範囲であることが望ましい。2nmより小さいと触媒微粒子中の配位不飽和な原子の割合が相対的に多くなるため触媒活性が低下する。また20nmを超えると表面反応に寄与できる原子の割合が相対的に少なくなるため、やはり触媒活性が低下する。
また前記担体微粒子の平均粒径は0.5〜100nm、好ましくは2〜10nmの範囲であることが望ましい。0.5nmより小さいと、触媒微粒子同士の距離が近くなりすぎ凝集を防ぐことができなくなる。また100nmを超えると、触媒層重量当たりの白金重量率が低くなる他、触媒微粒子同士の接点が少なくなり電子電導性が損なわれるため、燃料電池の特性が低下する。
さらに、前記触媒中で担体微粒子の占める割合が、触媒微粒子数と担体微粒子数の合計に対して10〜85個数%、好ましくは20〜50個数%の範囲であることが望ましい。10個数%未満であると触媒微粒子が寡占状態となり、触媒微粒子の凝集が起こる。また85個数%を越えると触媒微粒子の担持量が少なくなり触媒重量当たりの白金重量が低くなる他、触媒微粒子の接点が少なくなり、電子電導チャンネルが細くなる。
また、前記触媒に含有される触媒微粒子の含有量は、60〜90質量%、好ましくは70〜90質量%の範囲であることが望ましい。また、触媒に含有される担体微粒子の含有量は、10〜40質量%、好ましくは10〜30質量%の範囲であることが望ましい。上記の範囲であれば、白金微粒子同士の凝集が抑制された状態で、触媒重量当たりの白金重量を高くすることができ、触媒利用率を低下することなく、触媒層に含有される白金の含有量を高くした触媒が得られるので好ましい。
また、前記担体微粒子が、Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Rb,Sr,Y,Zr,Nb,Mo,Tc,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,In,Sn,Sb,La,Ce,Nd,Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Au,Al,Siからなる群より選ばれた少なくとも一種類以上の金属元素または金属化合物からなることが好ましい。これらの金属または金属化合物は、強酸性条件において安定であることが好ましい。
また、金属化合物を用いる場合は、酸化物、窒化物、炭化物のうち、少なくとも1種類以上からなることが好ましい。金属を用いる場合は水素よりイオン化傾向の小さな金属を用いることが好ましい。また強酸に対し不動体を形成するAl,Fe,Ni等を用いることも好ましい。
また本発明の触媒層をカソード極側に使用する場合は、担体微粒子として、酸素還元能を有する化合物、例えばMoO2,CeO2,TaONなどの化合物を用いるとこれらが助触媒としての機能を果たすため、より好適である。
本発明の固体高分子型燃料電池用触媒層の製造方法は、白金酸化物または白金と白金以外の白金族元素とを含む複合酸化物に、第4から第6周期の遷移金属及びSi,Al,La,Ce,Ndからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の金属元素またはその金属化合物からなる担体微粒子を担持させる工程、次いで還元処理して前記複合酸化物から白金または白金を含んだ複合物からなる触媒微粒子を生成し、前記触媒微粒子と前記担体微粒子が担持されている触媒を得る工程を有することを特徴とする。
本発明の触媒層の製造方法について、および図1に示した構成の本発明の触媒層を用いた燃料電池を例として、以下に説明する。
(1)カソード側の触媒層を準備する。
固体高分子電解質膜への転写層としてのPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シート上に、電子ビーム蒸着法により触媒担体としてのAuを成膜した後、反応性スパッタ法等により白金酸化物または白金と白金族元素とを含む複合酸化物層を形成する。さらに、得られた白金酸化物層または複合酸化物層の表面に、担体微粒子を担持させる。つづいて、水素還元処理することによって、白金酸化物または白金と白金族元素とを含む複合酸化物を還元する。担体微粒子はこの際還元されても、還元されなくとも良い。
還元初期においては、白金酸化物または複合酸化物表面に、白金または白金と白金族元素とを含む合金からなる触媒微粒子が析出してくる。しかし、白金酸化物または複合酸化物表面には、前記担体微粒子が予め担持されているため、析出してくる触媒微粒子は、前記担体微粒子間の空隙に析出する。このようにして、還元処理を終了すると担体微粒子間に触媒微粒子が図2のように配置された、カソード側の触媒層が得られる。
(2)アノード側の触媒層を準備する。
(1)と同様にPTFEシート上に、ドクターブレードを用いて白金担持カーボン触媒層または白金黒触媒層を形成する。触媒層の厚さは20〜40μmの範囲が好ましい。ここで使用する触媒スラリーは、Jhonson Matthey製白金担持カーボン(HiSPEC4000)又は白金黒(HiSPEC1000)、及びNafion、PTFE、IPA(イソプロピルアルコール)、水の混錬物である。
(3)上記により作製した一対の触媒層によって固体高分子電解質膜(Dupont製、Nafion112)を、PTFEシートが外側になる様に挟みこんでホットプレスを行う。さらにPTFEシートを剥離することにより、一対の触媒層を固体高分子電解質膜に転写して、電解質膜と一対の触媒層を接合しMEA(膜電極接合体)を得る。
(4)このMEAをガス拡散層としてのカーボンクロス(E−TEK製 LT1400−W)、さらに燃料極電極および空気極電極によって挟んで単セルを作製する。
本発明の触媒層は、この単セル構成の固体高分子型燃料電池に用いることに限定されるものではなく、単セルを複数スタックした構成の固体高分子型燃料電池にも適用可能である。
次に、具体的な実施例を示し、本発明を詳細に説明する。
実施例1
本実施例は、実施形態の中の図1に示した構成からなる固体高分子型燃料電池を作製した例である。
以下、本実施例に係わる固体高分子型燃料電池の製造工程を説明する。
(工程1)
高分子電解質膜への転写層として、PTFEシート(日東電工製、ニトフロン、面積6.25cm2)上に電子ビーム真空蒸着法により金薄膜を50nmの厚さに形成した。これに反応性スパッタ法により、多孔質白金酸化物層を0.8μmの厚さに形成した。反応性スパッタは、全圧5Pa、酸素流量比(QO2/(QAr+QO2))70%、基板温度25℃、RF投入パワーは、Ptカソード=5.4W/cm2の条件にて行った。
(工程2)
つづいて工程1で作製した触媒層を容器に入れ、0.01MのHAuCl4・H2Oと0.5mLの0.01Mのクエン酸ナトリウム溶液に純水18mLを加え攪拌した後、0.5mLの0.1MのNaBH4を加えた。この溶液を更に2時間攪拌し、金微粒子コロイドを溶液中で生成させた後乾燥させて、多孔質白金酸化物表面に金微粒子を担持させた触媒層を得た。図3はその触媒層の薄膜を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真(倍率 40万倍)である。この時の金微粒子の平均粒径は4nmであり、担持された金コロイドの重量は0.11mg/cm2であった。
(工程3)
引き続き、工程2で作製した触媒層を2%H2/He雰囲気、0.1MPa(1atm)にて25℃、30分間の還元処理を行い、多孔質白金/金触媒層を得た。Pt担持量は0.33mg/cm2であり、触媒層重量当たりの白金重量率は75.5%であった。
その後、得られた触媒層上にNafion溶液(5質量%,和光純薬製)を適量滴下し、その後真空中にて溶媒を揮発させることで、触媒表面に電解質チャネルを形成した。
(工程4)
本工程では、工程2で作製した触媒層と対になる触媒層として、白金黒触媒層を作製した。
高分子電解質膜への転写層としてのPTFEシート上に、ドクターブレードを用いて白金黒触媒層を形成した。ここで使用する触媒スラリーは、白金黒(Jhonson Matthey製、HiSPEC1000)、Nafion、IPA、水の混錬物である。このときのPt担持量は4.96mg/cm2であった。
(工程5)
工程3および工程4によって作製した2つの触媒層で固体高分子電解質膜(Dupont製、Nafion112)を挟み、8MPa、150℃、1minなるプレス条件でホットプレスを行った。
PTFEシートを剥離することにより、一対の触媒層を高分子電解質膜に転写して、電解質膜と一対の触媒層を接合した。
(工程6)
本発明の複合金属触媒層をカソード側、白金黒触媒層をアノード側として、この接合体をガス拡散層としてのカーボンクロス(E−TEK製 LT1400−W)、さらに燃料極電極および空気極電極によって挟んで単セルを形成した。
以上の工程によって作製した単セルに関して、図4に示した構成の評価装置を用いて特性評価を行った。アノード電極側に水素ガスをデッドエンドで充填し、カソード電極側は空気に開放して、電池温度80℃にて放電試験を行ったところ、図5に示すような電流−電圧特性が得られた。
比較例1として、カソード側に白金担持カーボン触媒層を用いた電流−電圧特性例を図5中に示した。ここで使用した白金担持カーボン触媒層は高分子電解質膜への転写層としてのPTFEシート上に、ドクターブレードを用いて白金担持カーボン触媒を形成することにより得られたものである。ここで使用した触媒スラリーは、白金担持カーボン(Jhonson Matthey製、HiSPEC4000)、Nafion、PTFE、IPA、水の混錬物である。この白金担持カーボン触媒層のPt担持量は0.35mg/cm2であり、触媒層重量当たりの白金重量率は50%、膜厚は約30μmであった。
アノード側の白金黒触媒層は工程(3)と同様の方法で作成した。
まず反応律速領域である0.9Vでの電流密度を比較すると、本実施例が6.3mA/cm2であったのに対し、比較例2では6.0mA/cm2であった。さらに、これをPt担持量で除した触媒比活性を比較すると、本実施例が19.1A/gであったのに対し、比較例1では17.1A/gであった。すなわち本発明の触媒層は比較例1の触媒層に対し、同等の活性分極を有していた。
このことは本発明の触媒層では触媒層重量当たりの白金重量率が高いにも関わらず、担体微粒子により触媒微粒子の凝集が抑制されているため、触媒利用率が損なわれていないことを示す。
また限界電流領域で比較すると、本実施例の単セルが700mA/cm2以上の電流密度が取れるのに対し、比較例1では520mA/cm2であった。
すなわち、実施例の触媒層は比較例1の触媒層に対し、触媒重量当たりの白金重量率を高くすることで膜厚を1/30程度に薄くできているため、電極反応物質の物質輸送特性に優れており、そのため拡散分極による電池特性の劣化が大幅に抑えられたと考えられる。
以上の実施例に示すように、固体高分子型燃料電池の触媒層として、本実施例に係わる触媒層を用いることにより、白金微粒子同士の凝集を防ぎ、触媒層に含有される白金の含有量を高くした触媒層を提供することができた。
さらに本実施例にかかわる触媒層は、触媒量を維持したまま触媒層自体の厚みを薄くでき、触媒層中の反応物質の流通性を向上させた固体高分子型燃料電池の触媒層を提供することができた。
また本実施例にかかわる触媒層は、簡易かつ安価で再現性のよいプロセスであるため、安定な特性を持った固体高分子型燃料電池を低コストで実現できた。
本発明の燃料電池用触媒層は、触媒活性および触媒利用率を向上できるので、固体高分子型燃料電池の触媒層として利用することができる。
また、本発明の触媒層を用いた固体高分子型燃料電池は、携帯電話やノート型パソコン、デジタルカメラなど小型の電気機器用の燃料電池として利用することができる。
本発明の触媒層を用いた固体高分子型燃料電池の単セルの断面構成の一例を表す模式図である。 本発明の触媒層の構造の一例を示す模式図である。 本発明の実施例1の触媒層の薄膜を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真(倍率 40万倍)である。 固体高分子型燃料電池の評価装置の模式図である。 本発明の実施例1の触媒層を用いて作製した固体高分子型燃料電池および比較例1の固体高分子型燃料電池の電圧−電流特性を示す図である。
符号の説明
1 固体高分子電解質膜
2 アノード側触媒層
3 カソード側触媒層
4 触媒
5 触媒担体
6 アノード側ガス拡散層
7 カソード側ガス拡散層
8 アノード側電極(燃料極)
9 カソード側電極(空気極)
10 MEA(膜電極接合体)
11 触媒微粒子
12 担体微粒子

Claims (10)

  1. 白金酸化物または白金と白金以外の白金族元素とを含む複合酸化物を還元して生成した白金または白金を含んだ複合物からなる触媒微粒子と、第4から第6周期の遷移金属及びSi,Al,La,Ce,Ndからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の金属元素またはその金属化合物からなる担体微粒子が担持されている触媒を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用触媒層。
  2. 前記白金族元素は、Ru,Rh,Ir,Os,Pdよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素であることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用触媒層。
  3. 前記担体微粒子の平均粒径が0.5〜100nmであることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用触媒層。
  4. 前記触媒中で担体微粒子の占める割合が、触媒微粒子数と担体微粒子数の合計に対して10〜85個数%であることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用触媒層。
  5. 前記担体微粒子が、Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Rb,Sr,Y,Zr,Nb,Mo,Tc,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,In,Sn,Sb,La,Ce,Nd,Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Au,Al,Siからなる群より選ばれた少なくとも1種類以上の金属元素または金属化合物からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載の固体高分子型燃料電池用触媒層。
  6. 前記金属化合物からなる担体微粒子が、酸化物、窒化物、炭化物のうち少なくとも1種類以上からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの項に記載の固体高分子型燃料電池用触媒層。
  7. 前記触媒の空孔率が35〜95%である請求項1乃至6のいずれかの項に記載の固体高分子型燃料電池用触媒層。
  8. 白金酸化物または白金と白金以外の白金族元素とを含む複合酸化物に、第4から第6周期の遷移金属及びSi,Al,La,Ce,Ndからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の金属元素またはその金属化合物からなる担体微粒子を担持させる工程、次いで還元処理して白金または白金を含んだ複合物からなる触媒微粒子を生成して前記触媒微粒子と前記担体微粒子が担持されている触媒を得る工程を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用触媒層の製造方法。
  9. 前記白金族元素は、Ru,Rh,Ir,Os,Pdよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素であることを特徴とする請求項8に記載の固体高分子型燃料電池用触媒層の製造方法。
  10. 固体高分子電解質膜と、一対の電極と、前記固体高分子電解質と電極間に各々設けられた触媒層を有する固体高分子型燃料電池であって、前記触媒層の少なくとも一つは請求項1乃至7のいずれかに記載の触媒層からなることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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