JP2007141626A - 固体高分子型燃料電池の触媒電極および燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】経時安定性が良好で、長期間に渡って安定な発電特性を有する固体高分子型燃料電池を実現できる触媒電極を提供する。
【解決手段】固体高分子型燃料電池の触媒電極3であって、触媒1と、該触媒1を担持するナノ構造体2とからなり、前記触媒とナノ構造体の間に、Pt,Al,Si,V,Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ge,Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,In,Sn,Hf,Ta,W,Os,Ir,Au,La,Ce,Ndから選ばれる少なくとも一種類の金属をドープした不定比酸化チタンからなる中間層4が設けられている触媒電極。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体高分子型燃料電池の触媒電極および燃料電池に関するものである。
固体高分子形燃料電池は、エネルギー変換効率が高いこと、クリーンであること、静かであることなどから、将来のエネルギー生成装置として期待されている。近年、自動車や家庭用発電機などの用途だけではなく、そのエネルギー密度の高さから携帯電話やノート型パソコン、デジタルカメラなど小型の電気機器に搭載することによって、従来の2次電池に比べ長時間駆動できる可能性があり、注目を集めている。しかしながら、車載用、家庭用に関しては、まだまだコストの削減が必要であり、その一手段として触媒使用量を減らすことが望まれている。また、小型の電気機器用としての実用化には、システム全体のコンパクト化、発電効率の向上が必須である。
これまで、触媒を微粒子化し、カーボン粒子などに担持させて3次元的に分散させることで、表面積を増大させ、触媒の利用効率を高めるという試みがなされてきた。また、一方では、触媒層を厚さ数μm程度と非常に薄く形成することで、物質輸送を良くし、触媒層が電解質膜近傍に集中することで、触媒有効面積を増大させる試みもなされてきた。特に、燃料電池を小型電気機器に搭載する場合においては、電池自体も小型化する必要があり、空気はポンプやブロワーなどを用いずに通気孔から自然拡散によって空気極へ供給される方式(air breathing)が多く採られている。このような場合、空気極での物質輸送が反応の律速となる場合が多く、触媒層を薄くすることは、有効な手段となると考えられる。
触媒の長期安定性、特に還元雰囲気で使用される触媒の経時安定性に対しては、特許文献1には導電性酸化物担体、たとえばTaをドープした酸化チタン担体上に分散担持した金粒子触媒が有効であることが開示されている。
特願平4−359077号公報
しかしながら、触媒の経時安定性を確保し、長期間に渡り安定な発電特性を有する固体高分子型燃料電池を実現するためには、さらに詳細に触媒電極の構成を吟味する必要がある。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、経時安定性が良好で、長期間に渡って安定な発電特性を有する固体高分子型燃料電池を実現できる触媒電極を提供するものである。
また、本発明は、上記の触媒電極を用いて、長期間に渡って安定な発電特性を有する固体高分子型燃料電池を安価で提供するものである。
本発明は上述した課題を解決するために鋭意検討を行ってなされたものであり、下述する構成のものである。
すなわち、本発明は、固体高分子型燃料電池の触媒電極であって、触媒と、該触媒を担持するナノ構造体とからなり、前記触媒とナノ構造体の間に、Pt,Al,Si,V,Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ge,Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,In,Sn,Hf,Ta,W,Os,Ir,Au,La,Ce,Ndから選ばれる少なくとも一種類の金属をドープした不定比酸化チタンからなる中間層が設けられていることを特徴とする。
前記ナノ構造体は電子伝導性を有することが好ましい。
前記ナノ構造体は、ナノチューブ、ナノワイア−、ナノファイバー、ナノコイル、ナノフレーク、ナノウオールまたはデンドライトであることが好ましい。
前記触媒は、Pt,Al,Si,V,Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ge,Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,In,Sn,Hf,Ta,W,Os,Ir,Au,La,Ce,Ndから選ばれる少なくとも一種類の金属からなることが好ましい。
前記触媒は一次粒径が2nm〜10nmの微粒子であることが好ましい。
また、上述した課題を解決する固体高分子型燃料電池は、固体高分子電解質膜と、一対の電極と、前記固体高分子電解質膜と電極間に各々設けられた触媒層を有する固体高分子型燃料電池であって、前記触媒層の少なくとも一つは上記の触媒電極を有することを特徴とする。
本発明によれば、経時安定性が良好で、長期間に渡って安定な発電特性を有する固体高分子型燃料電池を実現できる触媒電極を提供することができる。
また、本発明は、上記の触媒電極を用いて、長期間に渡って安定な発電特性を有する固体高分子型燃料電池を安価で提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の固体高分子型燃料電池の触媒電極について、好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部材の材質、寸法、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。同様に以下に記述する製造方法も唯一のものではない。
本発明の固体高分子型燃料電池の触媒電極は、触媒と、該触媒を担持するナノ構造体とからなり、前記触媒とナノ構造体の間に、金属をドープした不定比酸化チタンからなる中間層が設けられていることを特徴とする。
図1は、本発明のナノ構造体上に触媒を担持した触媒電極の断面構成の一部分を表す模式図の一例である。
図1において、1は触媒、2は触媒を担持するナノ構造体、4は触媒とナノ構造体の間に設けられた中間層4であり、これらから触媒電極3が構成される。
ナノ構造体の表面に設けられた中間層4は、Pt,Al,Si,V,Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ge,Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,In,Sn,Hf,Ta,W,Os,Ir,Au,La,Ce,Ndから選ばれる少なくとも一種類の金属をドープした不定比酸化チタンからなる。例えば、V,Nb等のVA金属元素を添加することにより電子伝導性を発現せしめた不純物ドープ酸化チタンや、Pd,Co,Pt等の触媒金属を固溶した複合系酸化チタン等を好ましく用いることができる。
一般に、不定比の金属酸化物には(i)金属不足型M1-XO、(ii)金属過剰型M1+XO、(iii)中間相型、(iv)MOX型があり、チタンに関しては中間相型のマグネリ相酸化チタンTin2n-1(3≦n≦8)とMOX型の酸化チタンTiOX(x=0.64〜1.27)が知られている。
ナノ構造体表面に触媒との中間層として本発明の上記不定比酸化チタンを適用する理由は、電子伝導性を確保しながら触媒微粒子の凝集を抑制して長期に渡って安定な発電特性を維持することにある。
すなわち、触媒微粒子は電気的な酸化・還元を繰り返すことによって粒径が増大し、有効表面積の減少や触媒性能が低下してしまうことが知られている。
しかしながら、本発明の不定比酸化チタンを中間層として設置した場合、酸化状態では触媒微粒子が中間層中に固溶し、還元状態では触媒微粒子が表面に析出して触媒微粒子及び中間層の構造が変化するため、粒径増大を抑制することができる。
ナノ構造体2および中間層4は、それぞれ個別に形成してもよいし、ナノ構造体形成後に表面改質によって中間層を形成してもよい。ナノ構造体2の形態としては、ナノチューブ、ナノワイア−、ナノファイバー、ナノコイル、ナノフレーク、ナノウオール、デンドライト等を好ましく用いることができる。例えば、ゾルゲル法等の液相法、スパッタ等の気相法、あるいはこれらを組み合わせによって好適に形成することができる。
次にナノ構造体表面の中間層上に形成される触媒としては、Pt,Al,Si,V,Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ge,Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,In,Sn,Hf,Ta,W,Os,Ir,Au,La,Ce,Ndから選ばれる少なくとも一種類の金属微粒子を好ましく使用することができる。その微粒子の一次粒径は2nm〜10nmの範囲で好適に使用することができる。
図2は、本発明の触媒電極を用いた触媒層を用いて作製した固体高分子型燃料電池の単セルの断面構成の一例を表す模式図である。図2において、11は固体高分子電解質膜、これを挟んで一対の触媒層、すなわちアノード側の触媒層12と、カソード側の触媒層13が配置されている。本実施の形態においては、アノード側の触媒層12と、カソード側の触媒層13のいずれか一方、または両方の触媒層に、本発明の触媒電極を用いることができる。
また、触媒層は、触媒と、該触媒を支持する触媒担体とから構成されてもよい。
アノード側の触媒層12の外側には、アノード側ガス拡散層16とアノード(燃料極)側電極18が配置される。
カソード側の触媒層13の外側には、カソード側ガス拡散層17とカソード(空気極)側電極19が配置される。
固体高分子電解質膜11としては、弗化炭素骨格にスルホン酸基を末端に有する側鎖が結合した構造のパーフルオロスルホン酸ポリマーを好適に使用することができる。パーフルオロスルホン酸ポリマーは弗化炭素骨格が架橋しておらず、骨格部分がファンデルワールス力で結合した結晶を形成しており、さらにスルホン酸基はいくつかが凝集して逆ミセル構造をとっており、ここがプロトンH+の伝導チャネルとなっている。
なお、プロトンH+が電解質膜中をカソード側に向かって移動する場合には水分子を媒体として移動するので、電解質膜は水分子を保有する機能を有している。したがって、固体高分子電解質膜の機能としては、アノード側で生成したプロトンH+をカソード側に伝達するとともに未反応の反応ガス(水素および酸素)を通さないこと、所定の保水機能があることである。この条件を満たすものであれば、任意のものを選択して使用することができる。
ガス拡散層16,17は、電極反応を効率良く行わせるために、燃料ガスまたは空気を燃料極または空気極の触媒層中の電極反応領域へ、面内で均一に充分に供給するとともに、アノード電極反応によって生じる電荷を単セル外部に放出させること、さらに反応生成水や未反応ガスを単セル外部に効率よく排出する役割を担うものである。ガス拡散層としては、電子伝導性を有する多孔質体、例えばカーボンクロスやカーボンペーパーを好ましく用いることができる。
本発明の触媒電極中の触媒層は、スパッタ法によって好適に中間層上表面に形成することができる。
本発明の触媒電極を用いた固体高分子型燃料電池の作製方法としては様々な方法が考えられるが、図1に示した構成の触媒電極を用いた場合を例として、以下にその一例を挙げて説明する。
本例では、ナノ構造体としてグラファイトナノファイバー、中間層としてTiOx、さらに触媒としてPt−Coを形成した例である。
(1)ナノ構造体としてのグラファイトナノファイバーを準備する。
石英基板上にグラファイトナノファイバー形成触媒となるPd−Co微粒子をCo50原子%の組成比で約20nmの膜厚で成膜する。これを熱CVD(Chemical Vapor Deposition)装置の反応容器内に配置し、真空排気後600℃10分の加熱によりPd−Co微粒子を還元凝集せしめる。さらに、1%アセチレン(99%ヘリウム)ガスおよび100%水素ガスをそれぞれ20sccmづつ導入して、反応容器内の全圧を2kPaに保持する。次いで反応容器内の基板温度を800℃まで上昇させて10分間保持し、石英基板上に膜厚約10μmのグラファイトナノファイバーを成長させる。
(2)次に、上記工程によって作製した基板をスパッタ装置に移動し、触媒とナノ構造体との中間層としての不定比酸化チタンを10nm、次いで触媒としてのPt−Pd(Pd60原子%)を10nm連続成膜する。不定比酸化チタンは中間相型のマグネリ相酸化チタンを用いた。
このとき、不定比酸化チタンについては反応性スパッタによって成膜を行い、触媒については電子ビーム真空蒸着によって成膜を行う。いずれの成膜に関しても成膜時圧力を調整することによって、基板に対して任意の方向から堆積を行い、グラファイトナノファイバーの表面に有効に不定比酸化チタン中間層、およびPt−Pd(Pd60原子%)触媒を形成する。
さらに、これを10kPa水素下で600℃、10分間加熱することより、Pt−Pdの合金および微粒子化、および不定比酸化チタンへの固溶を促進する。
(3)次いで、石英基板上の触媒電極を電解質溶液(和光純薬製、5%Nafion溶液)で処理することによって、イオノマー処理を行う。
(4)こうして作製した石英基板上の触媒電極によって固体高分子電解質膜(Dupont製、Nafion112)を挟みこんでホットプレスを行う。接合後、石英基板のみを剥離する。グラファイトナノファイバーと石英基板の密着性は非常に弱いので界面で容易に剥離することができる。
(5)この接合体をガス拡散層としてのカーボンクロス(E−TEK製、LT1400−W)、さらに燃料極電極および空気極電極によって挟んで単セルを作製する。
以上、図1に示した構成の触媒電極を用いた場合を例として、固体高分子型燃料電池の単セルの作製方法を説明した。本発明はこの単セル構成の固体高分子型燃料電池に限定されるものではなく、単セルを複数スタックした構成の固体高分子型燃料電池をも含むものである。
次に、上記実施の形態に基づくより具体的な実施例を詳細に説明する。
実施例1
本実施例は、実施形態の中の図1に示した固体高分子型燃料電池の触媒電極の構成を用いた例である。
以下、本実施例に係わる固体高分子型燃料電池の製造工程を詳細に説明する。
(工程1)
先ず、ナノ構造体としてのグラファイトナノファイバー(以下、GNFと記す)を準備する。
石英基板上にGNF形成触媒となるPd−Co微粒子をCo50原子%の組成比で約10nmの膜厚で成膜した。これを熱CVD装置の反応容器内に配置し、真空排気後600℃、10分間の加熱によりPd−Co微粒子を還元凝集せしめた。さらに、1%アセチレン(99%ヘリウム)ガスおよび100%水素ガスをそれぞれ20sccmづつ導入して、反応容器内の全圧を2kPaに保持した。次いで、反応容器内の基板温度を800℃まで上昇させて10分間保持し、石英基板上に膜厚約10μmのGNFを成長させた。
(工程2)
次に、上記工程1によって作製した基板をスパッタ装置に移動し、触媒とナノ構造体との中間層としての不定比酸化チタンを10nm、次いで触媒としてのPt−Pd(Pd60原子%)を10nm連続成膜した。不定比酸化チタンは中間相型のマグネリ相酸化チタンを用いた。
このとき、不定比酸化チタンについては反応性スパッタによって成膜を行い、いずれの成膜に関しても成膜時圧力を調整することによって、グラファイトナノファイバー表面上に有効に不定比酸化チタン中間層、およびPt−Pd(Pd60原子%)触媒を形成した。
さらに、これを10kPa水素下で600℃、10分間加熱することより、Pt−Pdの合金および微粒子化、および不定比酸化チタンへの固溶を促進した。
(工程3)
次いで、石英基板上の触媒電極を電解質溶液(和光純薬製、5%Nafion溶液)で処理することによって、イオノマー処理を行う。
(工程4)
こうして作製した石英基板上の触媒電極によって固体高分子電解質膜(Dupont製、Nafion112)を挟みこんでホットプレスを行った。接合後、石英基板のみを剥離する。グラファイトナノファイバーと石英基板の密着性は非常に弱いので界面で容易に剥離することができる。
この接合体をガス拡散層としてのカーボンクロス(E−TEK製 LT1400−W)、さらに燃料極電極および空気極電極によって挟んで単セルを作製した。
以上の工程によって作製した単セルに関して、図3に示した構成の評価装置を用いて特性評価を行った。アノード電極側に水素ガスを、カソード電極側に空気を流し、電池温度80℃にて放電試験を行った。
一方、比較例1として白金担持カーボン触媒を用いて作製した単セルに関して同様の試験を行った。
比較例1の膜−電極接合体は通常のDecal法により作製した。膜−電極接合体以外のセル構成は、実施例1と同じである。
まず反応律速領域である900mVでの電流密度を比較すると、本実施例が4.8mA/cm2であったのに対し、比較例では2.0mA/cm2であった。さらに、これを触媒担持量で除した触媒比活性を比較すると、本実施例が24.0A/gであったのに対し、比較例では5.7A/gであった。
また限界電流領域で比較すると、本実施例の単セルが600mA/cm2以上の電流密度が取れるのに対し、比較例では520mA/cm2であった。すなわち、本発明の触媒層は比較例の触媒層に対し、活性分極、抵抗分極および拡散分極のいずれにおいても、特性を大幅に向上にすることができた。
さらに単セルの初期状態を揃えて、起動特性の試験を行ったところ、比較例のセルでは起動初期に十分な特性が得られなかったのに対し、本実施例のセルでは起動初期からほぼ定格出力を得ることができた。
以上のように、固体高分子型燃料電池の触媒層として本実施例に係わる触媒層を用いることにより、触媒活性が大幅に向上でき、優れた電池特性を有する燃料電池が得られた。さらに本実施例にかかわる触媒層の製造方法は、簡易かつ安価で再現性のよいプロセスであるため、安定な特性を持った固体高分子型燃料電池を低コストで実現できた。
実施例2
本実施例はプラチナナノフレーク構造体上に、中間層として中間相型のマグネリ相酸化チタンを用いた。さらにPt−Co触媒を形成した触媒電極の例である。以下、本実施例に係わる固体高分子型燃料電池の製造工程を、実施例1と構成および製法上異なる工程1と工程2のみ説明するが、その他の工程は実施例1と同様である。
(工程1)
先ず、ナノ構造体としてのプラチナナノフレーク(以下、PNFと記す)を準備する。スパッタ装置に石英基板を投入し、離型層としてのカーボン50nm、次いでナノ構造をとる白金酸化物PNF(Platinum Nano−Flake)を1000nmの厚さに形成した。PNFの成膜は、全圧4Pa、酸素流量比(QO2/(QAr+QO2))80%、投入パワー4.0W/cm2なる条件にて行った。引き続き、2%H2/He雰囲気(0.1MPa)120℃、30分間の条件でPNFの還元処理を行った。
(工程2)
引き続き、触媒とナノ構造体との中間層としての不定比酸化チタンを10nm、次いで触媒としてのPt−Co(Co50原子%)を10nm連続成膜した。不定比酸化チタンは、中間相型のマグネリ相酸化チタンを用いた。
このとき、不定比酸化チタンについては反応性スパッタによって成膜を行い、いずれの成膜に関しても成膜時圧力を調整することによって、基板に対して任意の方向から堆積を行った。グラファイトナノファイバー表面上に有効に不定比酸化チタン中間層、およびPt−Co(Co60原子%)触媒を形成した。
さらに、これを10kPa水素下で600℃、10分間加熱することより、Pt−Coの合金微粒子化、および不定比酸化チタンへの固溶を促進した。
石英基板とカーボンとの密着性は悪いので、IPA中で超音波照射することによりカーボン上の触媒電極は石英基板から容易に剥離され、これを分別することにより所望の担持触媒、すなわちPt−Co担持プラチナナノフレーク触媒を得た。
以上の工程によって作製した単セルに関して、図3に示した構成の評価装置を用いて特性評価を行った。アノード電極側に水素ガスを、カソード電極側に空気を流し、電池温度80℃にて放電試験を行った。このとき、比較例1として白金担持カーボン触媒を用いて作製した単セルに関して同様の試験を行った。
まず、反応律速領域である900mVでの電流密度を比較すると、本実施例が7.2mA/cm2であったのに対し、比較例では2.0mA/cm2であった。さらに、これを触媒担持量で除した触媒比活性を比較すると、本実施例が16.0A/gであったのに対し、比較例では5.7A/gであった。
また、限界電流領域で比較すると、本実施例の単セルが600mA/cm2以上の電流密度が取れるのに対し、比較例では520mA/cm2であった。すなわち、本発明の触媒層は比較例の触媒層に対し、活性分極、抵抗分極および拡散分極のいずれにおいても、特性を大幅に向上にすることができた。
さらに単セルの初期状態を揃えて、起動特性の試験を行ったところ、比較例のセルでは起動初期に十分な特性が得られなかったのに対し、本実施例のセルでは起動初期からほぼ定格出力を得ることができた。
以上のように、固体高分子型燃料電池の触媒層として本実施例に係わる触媒層を用いることにより、触媒活性が大幅に向上でき、優れた電池特性を有する燃料電池が得られた。さらに本実施例にかかわる触媒層の製造方法は、簡易かつ安価で再現性のよいプロセスであるため、安定な特性を持った固体高分子型燃料電池を低コストで実現できた。
本発明の触媒電極は、経時安定性が良好で、長期間に渡って安定な発電特性を有する固体高分子型燃料電池を実現できるので、小型電気機器に搭載する固体高分子型燃料電池に利用することができる。
本発明のナノ構造体上に触媒を担持した触媒電極の断面構成の一部分を表す模式図の一例である。 本発明の触媒電極を用いて作製した固体高分子型燃料電池の単セルの断面構成を表す模式図の一例である。 固体高分子型燃料電池の評価装置の模式図である。
符号の説明
1 触媒
2 ナノ構造体
3 触媒電極
4 中間層
10 膜−電極接合体
11 固体高分子電解質膜
12 燃料極触媒層
13 空気極触媒層
16 燃料極ガス拡散層
17 空気極ガス拡散層
18 燃料極側電極
19 空気極側電極

Claims (6)

  1. 固体高分子型燃料電池の触媒電極であって、触媒と、該触媒を担持するナノ構造体とからなり、前記触媒とナノ構造体の間に、Pt,Al,Si,V,Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ge,Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,In,Sn,Hf,Ta,W,Os,Ir,Au,La,Ce,Ndから選ばれる少なくとも一種類の金属をドープした不定比酸化チタンからなる中間層が設けられていることを特徴とする固体高分子型燃料電池の触媒電極。
  2. 前記ナノ構造体は電子伝導性を有することを特徴とする請求項1に記載の触媒電極。
  3. 前記ナノ構造体は、ナノチューブ、ナノワイア−、ナノファイバー、ナノコイル、ナノフレーク、ナノウオールまたはデンドライトであることを特徴とする請求項1または2に記載の触媒電極。
  4. 前記触媒は、Pt,Al,Si,V,Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ge,Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,In,Sn,Hf,Ta,W,Os,Ir,Au,La,Ce,Ndから選ばれる少なくとも一種類の金属からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載の触媒電極。
  5. 前記触媒は一次粒径が2nm〜10nmの微粒子であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載の触媒電極。
  6. 固体高分子電解質膜と、一対の電極と、前記固体高分子電解質膜と電極間に各々設けられた触媒層を有する固体高分子型燃料電池であって、前記触媒層の少なくとも一つは請求項1乃至5のいずれかに記載の触媒電極を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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