JP5013740B2 - 固体高分子型燃料電池の疎水性触媒層及びその製造方法、固体高分子型燃料電池及びその製造方法 - Google Patents

固体高分子型燃料電池の疎水性触媒層及びその製造方法、固体高分子型燃料電池及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は固体高分子型燃料電池の疎水性触媒層及びその製造方法、固体高分子型燃料電池及びその製造方法に関するものである。
固体高分子型燃料電池は、エネルギー変換効率が高いこと、クリーンであること、静かであることなどから、将来のエネルギー生成装置として期待されている。固体高分子型燃料電池はエネルギー密度が高く、運転温度が低いことから、近年では、自動車や家庭用発電機などの用途だけではなく、携帯電話、ノート型パソコン、デジタルカメラなど小型の電気機器などの用途も検討されている。固体高分子型燃料電池は、従来の二次電池に比べ長時間駆動できる可能性があり、注目を集めている。
固体高分子型燃料電池は、運転温度が100℃以下でも駆動できるという利点を有する。一方、発電時間の経過に伴って次第に電圧が低下し、終には発電が停止するという問題点を有している。
このような問題点は、反応で生じる水が触媒層の空隙内に滞留し、触媒層中の空隙を水が塞いで、反応物質である燃料ガスの供給を妨げることにより、発電反応が停止するという、所謂「フラッディング現象」に起因している。特に水が生成するカソード側の触媒層でフラッディングが起きやすい。
また、小型の電気機器用燃料電池として実用化するためには、システム全体のコンパクト化が必須である。特に燃料電池を小型電気機器に搭載する場合においては、システム全体だけでなく電池自体も小型化する必要がある。そのため、ポンプやブロワーなどを用いずに空気を通気孔から自然拡散によって空気極へ供給される方式(Air Breathing)が有力視されている。
このような場合、生成水は自然蒸発によってのみ燃料電池外へ排出されるので、生成水が触媒層に滞留しフラッディングが起こることが多い。このため、触媒層に疎水性を付与して生成水の散逸性を向上させることが燃料電池の性能安定性を左右する重要な要素となると考えられる。
従来、触媒層の疎水化方法としては、触媒層を形成する際にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などフッ素樹脂系微粒子粉末を溶剤や界面活性剤と共に疎水剤として混合する方法が知られている。
また、更に生成水の散逸性を向上させるため、触媒層の厚み方向に疎水性に濃度分布を持たせる方法(特許文献1)や、疎水性を付与する部分を触媒層面内で偏在させする方法(特許文献2)が提案されている。
また、特許文献3には、フッ素系樹脂微粒子以外にジメチルポリシロキサンからなる微粒子を混合する方法が開示されている。この疎水性微粒子の粒径はカーボン担体粒子と同等で、10μm以下とすることが好ましいと、特許文献3には記載されている。
一方、特許文献4及び5には、スパッタ法やイオンプレーディング法を用いて、燃料電池用触媒層を形成する方法が開示されている。
このように最近、スパッタ法などの真空成膜プロセスを用いて、触媒層を形成する手法が開発されてきている。従来は、触媒粒子と電解質及び溶媒とを混合したスラリーに疎水性粒子を混合して疎水化を行うのに対し、特許文献4及び5のような製造方法では、触媒層の形成時に疎水性微粒子を混合しない製法となっている。すなわち、混合法での疎水性の付与はなされていない。
特許第3245929号公報 特開2004−171847号公報 特開2001−76734号公報 特開2006−49278号公報 特表2001−51959号
上記特許文献3に記載のような従来用いられてきた疎水性微粒子は、導電性もプロトン伝導性もなく、さらに触媒粒子や電解質、担体粒子などと共に混合されランダムに分散している。
そのため、従来の疎水微粒子を用いた場合、触媒層の疎水性は向上する。しかし、疎水性微粒子の一部は触媒粒子間または触媒と電解質との間に入り込んでしまい、触媒表面におけるプロトン吸着面積、即ち有効表面積が低下して、触媒利用率が低下してしまうという問題点があった。
さらに、従来一般に広く用いられてきたフッ素樹脂系の疎水性微粒子の直径は約100nmから数100μm程度であり、2次凝集粒子の直径は更に大きかった。特許文献3に記載の疎水性粒子でもカーボン担体粒子と同程度の10μm程度であった。
従来は疎水性粒子がこのような粒径であったので、触媒層中の100nmより小さい空隙(以下「ミクロ空隙」)内を疎水化することが原理的に不可能である。この場合、ミクロ空隙内は親水性のままなので、大きな疎水性粒子によりミクロ空隙の外側が疎水化されてしまうと、このミクロ空隙内に生成水が閉じ込められてしまうことがあった。この結果、ミクロ空隙内で局所的なフラッディングが起こり、触媒利用率が低下するという問題があった。
また従来の疎水剤は粒状であるため、疎水性微粒子の大きさが空隙の大きさと同程度の場合には、空隙が疎水性微粒子で塞がれてしまい反応ガスの通気性が低下する。そのため、空隙内での反応が停止する結果、やはり触媒利用率が低下するという問題があった。
以上のように従来技術では触媒層への不完全な疎水性付与はなされるものの、同時に触媒利用率の低下が起こるという問題があった。
その結果として、従来、疎水性を付与しない場合に比べて、高電流密度領域における燃料電池の電圧は向上するものの、低電流密度領域では逆に電圧が低下してしまっていた。
このため触媒層の疎水化と触媒利用率の向上を両立する技術が求められていた。
また一方で、特許文献4及び5に示されているように、スパッタ法などを用いて触媒層を形成する場合には、従来技術のように疎水性微粒子を混合して触媒層を形成することができず、従来の混合法では疎水性を付与できない。この場合、触媒層形成後に従来のフッ素樹脂系の疎水性微粒子を塗布しても、触媒層の空孔径の多くが数100nm程度と疎水性微粒子より小さいため、疎水性粒子が触媒層中に分散されず、触媒層の内部に効果的に疎水性を付与することができないという問題点があった。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたもので、触媒層中のミクロ空隙内にも疎水性を効果的に付与し、同時に有効表面積及び触媒利用率を向上させた固体高分子型燃料電池の疎水性触媒層を提供するものである。また本発明はスパッタ法で形成された触媒層に対して、疎水性と有効表面積の向上をもたらすことができる。
また本発明は、上記の疎水性を付与した疎水性触媒層を用いて、安定な発電特性を有する固体高分子型燃料電池を低コストで提供するものである。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものである。
すなわち本発明は、触媒と、疎水剤とプロトン導電性電解質とからなる、固体高分子型燃料電池用触媒層において、前記触媒は、白金酸化物を還元してなる樹枝状形状触媒であり、前記疎水剤は、Si原子、O原子および疎水性置換基を有する化合物からなり、SiとPtの原子数比Si/Ptが0.15以上0.25以下であることを特徴とする固体高分子型燃料電池用疎水性触媒層である。
前記疎水剤は、疎水性置換基を有するシロキサン重合体からなることが好ましい。
また前記疎水剤は、アルキルシロキサンからなることが好ましい。
また本発明は、白金酸化物の触媒作用で、加水分解反応を起こし重合可能基を生成する、疎水性置換基を含むSi化合物を、白金酸化物に接触させる工程と、前記Si化合物を白金酸化物の近傍で重合反応させることで、前記疎水剤を白金酸化物表面に生じさせる工程と、その後に白金酸化物を還元する工程を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用疎水性触媒層の製造方法である。
前記Si化合物は、2,4,6,8−テトラアルキルシクロテトラシロキサン、1,1,1,3,3,3−ヘキサアルキルジシラザン、モノアルキルシラン、ジアルキルシラン、トリアルキルシラン、からなる群より選ばれた少なくとも一種類以上の化合物または混合物であることが好ましい。
また、本発明は、上記の疎水性触媒層を有する固体高分子型燃料電池である。
本発明によれば、白金酸化物表面で、疎水性置換基を含むSi化合物の加水分解及び重合反応を開始させることにより、ミクロ空隙内を含む触媒層空孔中に疎水剤を形成させ、その後に前記酸化物を還元することにより、触媒利用率と生成水の散逸性を同時に向上させることができる。
前記疎水剤は、ミクロ空隙より小さなSi化合物分子から、触媒層空孔内で重合反応により生成されるため、従来困難であった100nm以下のミクロ空隙内部にも疎水性を付与することができる。
また本発明は、上記の生成水の散逸性を向上させた触媒層を用いて、安定な特性を有する固体高分子型燃料電池を低コストで提供するものである。
さらに安定な特性を有する固体高分子型燃料電池を低コストで提供することができる。
さらに本発明によれば、触媒と電解質との接触面積、即ち触媒反応に寄与し得る有効表面積を向上させることができ、このため触媒利用率を向上させることができる。
これにより従来困難であった疎水性の付与と触媒利用率の向上を同時に達成することができる。また触媒の利用率が向上することにより、触媒担持量を低減することもできるため、製造コストを下げることができる。
また本発明は、上記の生成水散逸性及び触媒利用率を向上した触媒(以下、「疎水性触媒」)を用いて、安定な発電特性を有する固体高分子型燃料電池を低コストで提供することができる。さらに、本発明の触媒層の製造方法は、簡易かつ安価で再現性のよい工程により、固体高分子型燃料電池の触媒層を低コストで実現できる。
本発明によれば、触媒層中の生成水の散逸性の向上と触媒利用率の向上とを両立させた固体高分子型燃料電池の疎水性触媒層を提供することができる。
また、本発明は、上記の疎水性を付与した疎水性触媒層を用いて、安定な発電特性を有する固体高分子型燃料電池を低コストで提供することができる。
以下図面を参照して、本発明の固体高分子型燃料電池の疎水性触媒層の実施の形態を示して説明する。ただし、この実施の形態に記載されている材質、寸法、形状、配置等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲を限定するものではない。以下に記述する製造方法も同様である。
図1は、本発明の固体高分子型燃料電池用疎水性触媒層(以降、疎水性触媒層と略記する。)を用いた燃料電池単セルの断面構成の一例を示す模式図である。図1において、1は固体高分子電解質膜、これを挟んで一対の触媒層、すなわちアノード側の触媒層2と、カソード側の触媒層3が配置されている。
本実施例においては、カソード(空気極)側のみに本発明の疎水性触媒層が配置された例を示すが、触媒層の配置構成はこれに限定されるものではない。例えば、本発明の疎水性触媒層を両極に配置しても、あるいはアノード側のみに配置してもよい。もっとも、水が生成するカソード側の触媒層でフラッディングが起きやすいことからすれば、少なくともカソード側には本発明の疎水性触媒層を配置することが好ましい。
カソード側触媒層3は、疎水性触媒4と、該疎水性触媒4を支持する触媒担体5とから構成される。カソード側の触媒層3の外側には、カソード側ガス拡散層7とカソード側電極(空気極)9が配置される。
アノード側の触媒層2の外側には、アノード側ガス拡散層6とアノード側電極(燃料極)8が配置される。
固体高分子電解質膜1としては、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体を好適に使用することができる。
パーフルオロスルホン酸重合体の例としてナフィオン(登録商標、デュポン社製)が挙げられる。
なお、プロトンH+が電解質膜中をカソード側に向かって移動する場合には水分子を媒体として電解質中の親水性部分を移動する場合が多いので、電解質膜は水分子を保有する機能も有していることが好ましい。
固体高分子電解質膜の機能としては、アノード側で生成したプロトンH+をカソード側に伝達するとともに未反応の反応ガス(水素および酸素)を通さないこと、所定の保水機能があることが好ましい。高分子電解質膜には、このような機能を有する材料のうち、諸条件を考慮して任意の材料を選択して使用することができる。
ガス拡散層6,7は、以下の機能を有することが好ましい。まず、電極反応を効率良く行わせるために、燃料ガスまたは空気を燃料極または空気極の触媒層中の電極反応領域へ、面内で均一に充分に供給する機能である。また、電極反応によって生じる電荷を単セル外部に放出させる機能である。さらに、反応生成水や未反応ガスを単セル外部に効率よく排出する機能である。ガス拡散層としては、電子伝導性を有する多孔質体、例えばカーボンクロスやカーボンペーパーを好ましく用いることができる。
触媒担体5に期待される役割としては、助触媒としての触媒活性向上、疎水性触媒4の形態保持、電子伝導チャネルの確保、比表面積増大等が挙げられる。触媒担体としては、例えばカーボンブラック層や金微粒子層を好ましく用いることができる。
つづいて、疎水性触媒4の構造を図2に模式的に示す。疎水性触媒4は、触媒11と疎水剤12及び電解質13とからなり、疎水剤12は、触媒層中のミクロ空隙内14にも入り込んでいる。
本発明の好適な製造方法では、触媒11上に疎水剤12を形成した後に電解質13を形成するため、図2のように疎水剤12の上にも電解質13が被さっている箇所がある。
ここで、疎水剤12は、触媒11中のPtと疎水剤12中に含まれるSiの原子数比Si/Ptが、0.15以上0.25以下の範囲となる量であることが好ましく、0.18以上0.22以下の範囲となる量がより好ましい。
疎水剤12が多すぎると、(1)触媒層の空孔の多くが塞がれてガス拡散性が低下する、(2)触媒表面が疎水剤12で覆われ過ぎて、電解質と触媒の接触面積が低下する、という理由で触媒層の性能が低下する。
逆に疎水剤12が少なすぎると、触媒層が十分な疎水性を得られない。
触媒11は白金酸化物を還元して得られる白金ナノ粒子の集合体からなり、樹枝状形状を有している。
ここで本明細書における樹枝状とは、触媒粒子が集まって構成されるフレーク(薄片)状組織が、分岐点を有して多数集まった構造を指す。
一つのフレーク状組織は、その短手方向の長さが5nm以上200nm以下であることが好ましい。なお、ここにいう短手方向の長さとは、一つのフレークの面内における最小の寸法を意味する。樹枝状形状の白金ナノ粒子の集合体に関しては、例えば、特開2006−49278号公報に開示されている技術を本発明に適用することが可能である。
前記白金ナノ粒子としては直径は3から20nm程度のものが、触媒活性が高いため好ましく、3から10nmのものが表面積が大きいため特に好ましい。20nm以上では触媒活性が低くなってしまい、燃料電池の性能が低下する恐れがある。
本発明の疎水性触媒層の製造方法は、白金酸化物の触媒作用で、加水分解反応を起こし重合可能基を生成する、疎水性置換基を含むSi化合物を、白金酸化物に接触させる工程と、前記Si化合物を白金酸化物の近傍で加水分解及び重合反応させることで、前記疎水剤を白金酸化物表面に生じさせる工程と、その後に白金酸化物を還元する工程を有することを特徴とする。
ここで前記Si化合物を白金酸化物と接触させる工程を、白金酸化物の還元工程後に行うことは好ましくない。還元後の白金と、前記Si化合物とを接触させてしまうと、加水分解反応が速く進行するので、過剰なアルキルシロキサンが触媒層中に生成して、電解質膜との接着性を悪くしたり、触媒層中の空孔が塞がれてしまう。
また前記Si化合物を、白金酸化物に接触させる工程は、3分から30分の間であることが好ましい。接触時間が短すぎると、十分な効果が得られない場合がある。また接触時間が長すぎると、過剰なアルキルシロキサンが生成して、電解質膜との接着性を悪くしたり、触媒層中の空孔を塞いだりして、燃料電池の出力が低下する場合がある。
前記工程に使用する白金酸化物としては、二酸化白金または二酸化白金を主成分とする金属酸化物の混合物を用いると、触媒11が樹枝状形状となり、触媒層の空孔率が高くなるので、より好ましい。
また本明細書中における、二酸化白金とは、化学式PtO2のみならず、化学式PtOx(X>2)で表されるものを含む。化学式PtOx(X>2)で表されるものを使用しても、本発明の製法で本発明の効果を得られる。
本発明で用いられる疎水性置換基としては、アルキル基(炭素鎖が分岐していてもよいし、二重結合を有していてもよい。また、いずれも、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい)が例として挙げられ、メチル基を特に好ましく用いることができる。
また、前記疎水性置換基を含むSi化合物は、2,4,6,8−テトラアルキルシクロテトラシロキサン、1,1,1,3,3,3−ヘキサアルキルジシラザン、モノアルキルシラン、ジアルキルシラン、トリアルキルシラン、からなる群より選ばれた化合物または混合物であることが好ましい。
上記Si化合物は、金属などとの接触により、加水分解反応を起こしてSi−OH基を生成するので、Si−OH基同士の脱水縮重合反応が起こり、Si原子、O原子および疎水性置換基を有するシロキサン重合体を生成することが一般に知られている。ここで、前記Si化合物分子中の疎水性置換基がアルキル基である場合は、アルキルシロキサン重合体が生成される。
上記加水分解反応は金属との接触で起こることが知られているが、白金酸化物との接触でも、加水分解及び重合反応は進行する。
本発明の製造方法はこの現象を利用したもので、白金酸化物と前記Si化合物を、適度な時間接触させることで、触媒層中にアルキルシロキサン重合体を適量生成させ、効果的に疎水性を付与できる。
白金と接触させることによって前記Si化合物の加水分解反応を行った場合、反応速度が速くなってしまうため、短時間でアルキルシロキサン重合体が過剰に生成し、電解質膜との接着性を悪くしたり、触媒層中の空孔が塞がれてしまう可能性が高い。
このため、前記Si化合物を接触させる工程は、白金酸化物の還元工程前に行うことが強く推奨される。
また、1,1,1,3,3,3−ヘキサアルキルジシラザンやトリアルキルシランを単独で用いる場合には、一分子中の重合可能基が少ないので、UV光照射などの手法で疎水性置換基の一部を加水分解してSi−OH基に置換すると、重合反応を促進できるので好ましい。
Si−OH基の脱水縮重合反応は室温下でも進行するが、疎水剤が形成された後に触媒層を加熱する操作を加えることがより好ましい。そのようにした場合、加熱により疎水剤中の未重合Si−OH基を重合させ疎水性をさらに向上させることができる。
加熱処理時の温度は疎水性置換基及び触媒層中の材料が熱分解しない程度の温度が好ましく、200℃以下であることがより好ましい。
一般に、高性能な触媒層を得るには、疎水性のみならず触媒の利用効率を高くすることも重要である。本発明の疎水性触媒4は、疎水化処理を行わない場合に比べて、触媒表面におけるプロトン吸着面積、すなわち有効表面積が大きく、触媒利用率が高いという特徴を有する。
この特徴を得るためには、前記疎水剤を形成した後に、パーフルオロスルホン酸ポリマー溶液などの添加によりプロトン伝導性電解質を触媒層中に形成することが好ましい。白金酸化物の還元後にプロトン伝導性電解質を形成することがより好ましい。
上記のようにすることで、電解質分子の疎水性部と疎水剤との濡れ性が高くなる。これにより、疎水剤と接していない触媒表面部分とプロトン伝導性電解質分子の親水性部との濡れ性が相対的に向上するため、疎水性触媒4中では有効表面積が疎水化処理をしていない触媒に比べて大きくなって好ましい。
本発明の疎水性触媒層の製造方法としては、様々な方法が挙げられる。図1に示した構成の場合を例として、以下にその一例を挙げて説明する。なお、本発明は下記の製法になんら限定されるものではない。
(1)カソード側の触媒層を準備する。
固体高分子電解質膜への転写層としてのPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シート上に、電子ビーム蒸着法により触媒担体としてのAuを成膜した後、反応性スパッタ法により多孔質白金酸化物触媒層を形成する。
(2)触媒層を疎水化処理する。
(1)で得られた触媒層を、疎水性置換基を含むSi化合物の気体とを接触させることによって、触媒表面上に疎水剤を形成する。その後加熱によって、疎水剤の重合反応を促進しても良い。
つづいて、この白金酸化物層を水素還元処理することによって、多孔質な白金/金触媒層を得る。さらにその後、得られた触媒層上にプロトン伝導性電解質であるNafionのIPA溶液(5wt%,和光純薬製)を適量滴下し、その後真空中にて溶媒を揮発させることで、触媒表面にプロトンパスを形成する。
(3)アノード側の触媒層を準備する。
(1)と同様にPTFEシート上に、ドクターブレードを用いて白金担持カーボン触媒層を形成する。触媒層の厚さは20から40μmの範囲が好ましい。
ここで使用する触媒スラリーは、白金担持カーボン(Jhonson Matthey製、HiSPEC4000)、及びNafion、PTFE、IPA(イソプロピルアルコール)、水の混錬物である。
(4)上記により作製した一対の触媒層によって固体高分子電解質膜(Dupont製、Nafion112)を、PTFEシートが外側になる様に挟みこんでホットプレスを行う。さらにPTFEシートを剥離することにより、一対の触媒層を固体高分子電解質膜に転写して、電解質膜と一対の触媒層を接合し膜−電極接合体(MEA)を得る。
(5)このMEAをガス拡散層としてのカーボンクロス(E−TEK製、LT1400−W)、さらに燃料極電極および空気極電極によって挟んで単セルを作製する。
本発明の触媒層の製造方法はこの単セル構成の固体高分子型燃料電池に限定されるものではなく、単セルを複数スタックした構成の固体高分子型燃料電池にも適用可能である。
次に、具体的な実施例を示し、本発明を詳細に説明する。
実施例1
本実施例は、実施形態の中の図1に示した構成からなる固体高分子型燃料電池を作製した例である。
以下、本実施例に係わる固体高分子型燃料電池の製造工程を詳細に説明する。
(工程1)
高分子電解質膜への転写層として、PTFEシート(日東電工製、ニトフロン)上に電子ビーム真空蒸着法により金薄膜を50nmの厚さに形成した。これに反応性スパッタ法により、多孔質白金酸化物層を2μmの厚さに形成した。反応性スパッタは、全圧5Pa、酸素流量比(QO2/(QAr+QO2))70%、基板温度25℃、RF投入パワーは、5.4W/cm2の条件にて行った。
(工程2)
引き続き、この多孔質白金酸化物層を、25℃で2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン(以下TMCTSと略称)の蒸気(分圧0.05Pa)と30分間接触させ、白金酸化物表面上にメチルシロキサン重合体を生成させた。その後、大気中180℃で3時間の加熱処理を行い、未重合Si−OH基の縮重合を促進した。
(工程3)
続いて得られた触媒層を2%H2/He雰囲気0.1MPaにて30分間の還元処理を行い、PTFEシート上に多孔質白金触媒層を得た。Pt担持量は0.85mg/cm2であった。この時の触媒層の水に対する平衡接触角は138°であり、触媒層表面は疎水性であった。
また、図4から図6に示すように、触媒層にメチルシロキサン重合体が存在しているのを走査電子顕微鏡で確認した。図4から図6において、暗斑状部分が触媒上に生成したメチルシロキサン重合体である。
図6から判るように、触媒層中の100nm以下のミクロ空隙内部にもメチルシロキサン重合体が入り込んでいる様子が判る。
なお図6に示したメチルシロキサン重合体は、本発明の主旨が判りやすくなるように、全体の中で比較的大きい箇所をクローズアップしており、触媒層中には、これより小さな、数10nmの大きさの重合体も多数存在していた。
また、図5の暗斑状部分以外の部分は樹枝状形状の触媒を示すものであり、多数のフレーク状組織が分岐点を有して集まった形状となっている。透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察したところ、このフレーク部分は直径約5から10nmの白金微粒子の集合体であった。
走査型蛍光X線分析装置(リガク社製、ZSX100e)によって、得られた触媒層中のSiとPtの原子数比を測定したところ、Si/Pt=0.22であった。
その後、得られた触媒層を5wt%のNafion溶液(和光純薬工業製)を触媒面積1cm2当たり8μl滴下し、真空中にて溶媒を揮発させることで、触媒表面にプロトンパスを形成した。
(工程4)
本工程では、(工程3)で作製した触媒層と対になる触媒層として、白金担持カーボン触媒層を作製した。高分子電解質膜への転写層としてのPTFEシート上に、ドクターブレードを用いて白金担持カーボン触媒層を形成した。ここで使用する触媒スラリーは、白金担持カーボン(Jhonson Matthey製、HiSPEC4000)、Nafion、IPA、水の混錬物である。このときのPt担持量は0.35mg/cm2であった。
(工程5)
(工程3)および(工程4)によって作製した2つの触媒層で固体高分子電解質膜(Dupont製Nafion112)を挟み、8MPa、150℃、1minのプレス条件でホットプレスを行った。PTFEシートを剥離することにより、一対の触媒層を高分子電解質膜に転写して、電解質膜と一対の触媒層を接合した。
(工程6)
本発明の疎水性触媒層をカソード側、白金担持カーボン触媒層をアノード側として、この接合体をガス拡散層としてのカーボンクロス(E−TEK製、LT−1400W)、さらに燃料極電極および空気極電極によって図1のような順で挟んで単セルを形成した。
以上の工程によって作製した単セルに関して、図3に示した構成の評価装置を用いて特性評価を行った。アノード電極側に水素ガスをデッドエンドで充填し、カソード電極側は空気に開放して、電池温度80℃にて放電試験を行ったところ、図7に示すような電流−電圧特性が得られた。
比較例1
比較例1として、工程(2)を省略した以外はすべて実施例1と同様にして作成した触媒層を用いた場合の例を図7中に示した。なお、この触媒層のPt担持量は実施例1と同じく0.85mg/cm2であった。また比較例1の触媒層の水に対する平衡接触角は6.3°であり、触媒層表面は親水性であった。また比較例1はメチルシロキサンを付与していないため、Si/Pt比は0であった。
まず反応律速領域である0.9Vでの電流密度を比較すると、実施例1が12.3mA/cm2であったのに対し、比較例1では7.6mA/cm2であった。さらに、これをPt担持量で除した触媒比活性を比較すると、実施例1が14.5A/gであったのに対し、比較例1では8.9A/gであった。
すなわち実施例1の触媒層は比較例1の触媒層に対し、活性化分極による電池特性の劣化が大幅に抑えられていた。この結果は実施例1のメチルシロキサン重合体が触媒表面における酸化還元反応を阻害せず、むしろ触媒層の活性を向上させていることを示す。これは後述するように触媒層の有効表面積が増加したためであると考えられる。
また拡散分極律速領域である600mA/cm2での電圧を比較すると、実施例1の単セルが0.42V以上の電圧が取れるのに対し、比較例1では約0.3Vであった。すなわち、実施例1の触媒層は比較例1の触媒層に対し、拡散分極による電池特性の劣化が大幅に抑えられていた。このことは、実施例1の疎水性触媒層が比較例1の触媒層に対し、生成水散逸性に優れていることを示す。
次に実施例1の単セルを600mA/cm2の電流密度で、連続発電を行った場合の電圧の時間変化を、比較例1の単セルの結果とともに図8に示す。
実施例1の疎水性触媒層を用いた単セルが、1時間40分を経過してもなお電圧が0.3V以上あったのに対し、比較例1の単セルでは12分で電圧が0になり発電が停止してしまった。
このことは、実施例1の疎水性触媒層が比較例1の触媒層に対し生成水散逸性に優れていたため、燃料電池性能の安定性を大幅に向上させたことを示す。
次に、アノード電極側に水素ガスを20sccmで流し、カソード電極側はN2ガスを40sccmで流し、電池温度80℃にてサイクリックボルタンムグラム測定を行い、単位電極面積当たりのH+吸着面積、即ち有効表面積を測定した。
実施例1の触媒層の電極単位面積当たりの有効表面積は282cm2であり、比較例1の触媒層の有効表面積は208cm2であった。実施例1の疎水化触媒層は、比較例1の触媒層に比べて、同じ白金担持量でありながら有効表面積が30%以上も増加しており、触媒利用率が大幅に向上していた。
実施例2
本実施例は、実施形態の中の図1に示した固体高分子型燃料電池の構成を本発明の触媒層およびその製造方法によって作製した例である。
以下、本実施例に係わる固体高分子型燃料電池の製造工程を詳細に説明する。
(工程1)
高分子電解質膜への転写層として、PTFEシート(日東電工製、ニトフロン)上に電子ビーム真空蒸着法により金薄膜を50nmの厚さに形成した。これに反応性スパッタ法により、多孔質白金酸化物層を2μmの厚さに形成した。反応性スパッタは、全圧5Pa、酸素流量比(QO2/(QAr+QO2))70%、基板温度25℃、RF投入パワーは、5.4W/cm2の条件にて行った。
(工程2)
引き続き、この多孔質白金酸化物層を、紫外線を照射しながら50℃で1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザンの蒸気(分圧105hPa)と10分間接触させ、白金酸化物表面上にメチルシロキサン重合体を成膜した。その後、大気中180℃で3時間の加熱処理を行い、未重合Si−OH基の縮重合を促進した。
その後の工程((工程3)から(工程6)まで)は、実施例1と同様に行い、単セルを形成した。Pt担持量は0.85mg/cm2であった。また触媒層の水に対する平衡接触角は138°であり、触媒層表面は疎水性であった。またSi/Pt比は、0.18であった。
以上の工程によって作製した単セルに関して、図3に示した構成の評価装置を用いて特性評価を行った。アノード電極側に水素ガスを、カソード電極側に空気を流し、電池温度80℃にて放電試験を行ったところ、図9に示すような電流−電圧特性が得られた。
まず反応律速領域である0.9Vでの電流密度を比較すると、実施例2が14.9mA/cm2であったのに対し、比較例1では7.6mA/cm2であった。さらに、これをPt担持量で除した触媒比活性を比較すると、実施例2が17.5A/gであったのに対し、比較例1では8.9A/gであった。
すなわち実施例2の触媒層は比較例1の触媒層に対し、活性化分極による電池特性の劣化が大幅に抑えられていた。この結果は実施例2のメチルシロキサン重合体が触媒表面における酸化還元反応を阻害せず、むしろ触媒の活性を向上させていることを示す。
また拡散分極律速領域である500mA/cm2での電圧を比較すると、実施例2の単セルが0.53Vの電圧が取れるのに対し、比較例1では0.4V以下の電圧であった。すなわち、実施例2の触媒層は比較例1の触媒層に対し、拡散分極による電池特性の劣化が大幅に抑えられていた。このことは、実施例2の疎水性触媒層が比較例1の触媒層に対し、生成水散逸性に優れていることを示す。
次に実施例2の単セルを500mA/cm2の電流密度で、連続発電を行った場合の電圧の時間変化を、比較例1の単セルの結果とともに図10に示す。
実施例2の疎水性触媒層を用いた単セルが、50分を経過してもなお電圧が0.48Vあったのに対し、比較例1の単セルでは約27分後に電圧が0になり発電が停止してしまった。このことは、本発明の疎水性触媒層が比較例1の触媒層に対し生成水散逸性に優れていたため、燃料電池性能の安定性を大幅に向上させたことを示す。
次に、アノード電極側に水素ガスを20sccmで流し、カソード電極側はN2ガスを40sccmで流し、電池温度80℃にてサイクリックボルタンムグラム測定を行い、有効表面積を測定した。
実施例1の触媒層の電極単位面積当たりの有効表面積は236cm2であり、比較例1の触媒層の有効表面積は208cm2であった。実施例2の疎水化触媒は、疎水化処理を行っていない触媒を用いた場合に比べて、有効表面積が13%以上増加しており、触媒利用率が大幅に向上していた。
実施例3
(工程1)
ガス拡散層を兼ねた触媒層の基板として、カーボンクロス(E−TEK製LT−1400W)の炭素微粒子からなる面に、反応性スパッタ法により、多孔質白金酸化物層を2μmの厚さに形成した。反応性スパッタは、全圧5Pa、酸素流量比(QO2/(QAr+QO2))70%、基板温度25℃、RF投入パワーは、5.4W/cm2の条件にて行った。
(工程2)
引き続き、この多孔質白金酸化物層とガス拡散層の複合体を、25℃でTMCTSの蒸気(分圧0.05Pa)と5分間接触させ、白金酸化物表面上にメチルシロキサン重合体を生成した。実施例1とは異なり、実施例3ではこの後の加熱処理は実施しなかった。
(工程3)
続いて得られた触媒層を2%H2/He雰囲気0.1MPaにて30分間の還元処理を行い、多孔質白金触媒層―ガス拡散層複合体を得た。Pt担持量は0.85mg/cm2であった。この時の触媒層の水に対する平衡接触角は131°であり、触媒層表面は疎水性であった。
その後、得られた触媒層を5wt%のNafion溶液(和光純薬工業製)を触媒面積1cm2当たり8μl滴下し、真空中にて溶媒を揮発させることで、触媒表面にプロトンパスを形成した。
(工程4)
(工程3)によって作製した疎水性触媒層と、実施例1の工程(4)で得られた白金担持カーボン触媒層で、固体高分子電解質膜(Dupont製Nafion112)を挟み、4MPa、150℃、20minのプレス条件でホットプレスを行った。白金担持カーボン触媒層側のPTFEシートを剥離することにより、一対の触媒層を高分子電解質膜に転写して、ガス拡散層が一体化したMEAを得た。
その後の工程((工程5)、(工程6))は、実施例1と同様に行い、単セルを形成した。
以上の工程によって作製した単セルに関して、実施例1と同様にして放電試験を行った結果を図11に示した。
また実施例3に対する比較例を下記に記述した。各比較例の電流―電圧特性は図11に示した。また比較がしやすいように、表1に、実施例3と比較例の、0.9Vでの電流密度、触媒比活性、限界電流値、有効表面積、Si/Pt原子数比を記載した。
比較例2
(工程2)を省略した以外はすべて実施例3と同様にして作成した触媒層を用いて単セルを形成した。なお、この触媒層のPt担持量は実施例3と同じく0.84mg/cm2であった。また比較例2の触媒層の水に対する平衡接触角は6.3°であり、触媒層表面は親水性であった。
比較例3
(工程2)において、多孔質白金酸化物層を、TMCTSの蒸気と接触させる代わりに、PTFE(テトラフルオロエチレン)ディスパージョン溶液(Polyfron、60wt%、ダイキン工業製、平均粒径300μm)を純水で20%に希釈したものに浸漬後、引上げて室温で風乾した以外は、すべて実施例3と同様にして作成した触媒層を用いて単セルを形成した。
Pt担持量は0.84mg/cm2であり、触媒層の水に対する平衡接触角は146°で、触媒層表面は疎水性であった。
比較例4
(工程2)において、多孔質白金酸化物層を、25℃でTMCTSの蒸気(分圧0.05Pa)と1分間接触させた以外は、すべて実施例3と同様にして作成した触媒層を用いて単セルを形成した。
Pt担持量は0.84mg/cm2であり、触媒層の水に対する平衡接触角は20°で、触媒層表面は親水性であった。
比較例5
(工程2)において、多孔質白金酸化物層を、25℃でTMCTSの蒸気(分圧0.05Pa)と60分間接触させた以外は、すべて実施例3と同様にして作成した触媒層を用いて単セルを形成した。
Pt担持量は0.84mg/cm2であり、触媒層の水に対する平衡接触角は138°で、触媒層表面は疎水性であった。
比較例6
(工程2)を、(工程3)の水素還元処理後に行い、(工程2)において25℃でTMCTSの蒸気(分圧0.05Pa)と3分間接触させた以外は、すべて実施例3と同様にして触媒層を作成した。
この触媒層を、実施例3の(工程4)と同様にして、固体高分子電解質膜(Nafion112)にホットプレスしたところ、触媒層がNafion112に転写できない箇所が多数発生し、MEAを形成することができなかった。
比較例7
(工程1)で白金酸化物層の厚さを約1.8μmとし、実施例3の(工程2)を(順序を入れ替えて)、(工程5)のホットプレス後に行い、(工程2)において4℃でTMCTSの蒸気(分圧0.02Pa)と3分間接触させた以外は、すべて実施例3と同様にして作成した触媒層を用いて単セルを形成した。
Pt担持量は0.71mg/cm2であり、触媒層の水に対する平衡接触角は138°で、触媒層表面は疎水性であった。
比較例8
(工程1)で白金酸化物層の厚さを約3μmとし、(工程2)を(順序を入れ替えて)、(工程5)のホットプレス後に行い、(工程2)において25℃でTMCTSの蒸気(分圧0.05Pa)と6分間接触させた以外は、すべて実施例3と同様にして作成した触媒層を用いて単セルを形成した。
Pt担持量は1.1mg/cm2であり、触媒層の水に対する平衡接触角は138°で、触媒層表面は疎水性であった。
実施例3、比較例2から5及び7から8の結果を、図11及び表1に示す。
比較例7及び8の有効表面積は、Pt担持量が実施例3と大きく異なるため比較が困難と判断し、測定していない。また比較例2及び3は、メチルシロキサンを加えていないため、Si原子は観測されなかった。
実施例3及び表1から判るように、実施例3は最も大きい比活性を有し、100から500mA/cm2の広い電流密度範囲に渡って、他のすべての比較例より高い電圧値が得られた。また限界電流密度も比較例2に比べて大きく向上していた。
また実施例3の比活性及び有効表面積は、実施例1及び2と同様、疎水化処理をしていない比較例2に比べて大きく向上しており、触媒利用率が向上していることが判る。
比較例3では、限界電流密度は高いものの、比活性及び600mA/cm2までの電圧は、実施例3に比べて大きく低下していた。これは、PTFE微粒子の粒子径が数百μmと大きかったため、疎水剤が分散せず触媒層を効果的に疎水化できていなかったことが原因と考えられる。
また、比較例3の比活性及び450mA/cm2までの電圧は、疎水化処理をしていない比較例2より低下していた。
すなわち比較例3では、PTFE微粒子により触媒層に疎水性は付与できていたものの、触媒層中にPTFE微粒子が過剰な部分と過小な部分ができてしまい、その部分のガス拡散が阻害された結果、触媒利用率が低下したものと考えられる。
比較例4は、比較例2の疎水化処理を行っていなかった場合より、少し電流―電圧特性が向上していたが、実施例3よりは劣る結果となった。
また比活性も比較例2より向上していたが、限界電流及び有効表面積は比較例2と同等に留まり、実施例3には及ばなかった。
これはTMCTS蒸気との接触時間が短すぎたために、十分な疎水性を触媒層に付与できていなかったことが原因と考えられる。
比較例5では、比活性、限界電流、有効表面積が実施例3に比べて大きく低下していた。これは、TMCTS蒸気との接触時間が長すぎたために、過剰なメチルシロキサン重合体が触媒層中に生成してしまったことが原因と考えられる。
すなわち過剰なメチルシロキサンにより、(1)メチルシロキサンで覆われた触媒表面が多くなりすぎて、電解質であるNafionと触媒との接触面積が低下した、及び(2)触媒層中の空孔がメチルシロキサンで塞がれ、酸素ガスの拡散性が低下した。それが原因で燃料電池の性能が低下したと考えられる。
実施例1から3及び比較例4及び5の結果より、本発明の構成で高性能な疎水性触媒層を得るためには、Si/Pt比がおおよそ0.15以上0.25以下の範囲にあることが好ましいことが判る。またTMCTS蒸気と白金酸化物との接触時間を適切に制御することが重要であることを示す。
比較例6では、上述したように、触媒層のNafion112への転写不良箇所が発生し、MEAを作成することができなかった。
これは、TMCTSの触媒接触による加水分解及び重合反応において、白金酸化物触媒より白金触媒を用いた方が反応速度が速く、反応が進行しすぎた為である。
すなわち活性の高い白金触媒とTMCTSを接触させたため、過剰なメチルシロキサン重合体が触媒層中に生成してしまった結果、Nafion112と触媒層との接着性が低下してしまったのである。
比較例7及び8では、比活性及び限界電流が実施例3と比べて大きく低下してしまっていた。特に比較例8ではPt担持量が実施例3より多いにも関わらず、0.9Vにおける電流密度、比活性、限界電流ともに、実施例3より低かった。
これは、活性の高い白金触媒とTMCTSを接触させたために、比較例5の場合と同様、過剰なメチルシロキサン重合体が触媒層中に生成してしまったためである。
さらに比較例7および8では、工程上、触媒還元後にナフィオンを添加してからTMCTSを接触させている。この場合、TMCTSの加水分解は、ナフィオンで覆われていないPt表面近傍で進行するので、この近傍に集中してメチルシロキサンが生成する。このため、いわゆる三相界面(白金、ナフィオン及び反応ガスが同時に接する界面)をメチルシロキサンが覆ってしまい、三相界面積が大きく減少してしまったと考えられる。このため燃料電池の性能が低下したのである。
比較例6、7及び8の結果は、本発明の構成で高性能な疎水性触媒層を得るためには、TMCTS蒸気と白金酸化物を接触させた後に、白金酸化物を還元処理することが必要であることを示す。
以上の実施例に示すように、固体高分子型燃料電池の触媒層として、本発明に係わる疎水性触媒層を用いることにより、触媒層中の生成水散逸性及び触媒利用率が大幅に向上し、優れた電池特性を有する燃料電池が得られた。さらに本実施例にかかわる触媒層の製造方法は、簡易かつ安価で再現性のよいプロセスであるため、安定な特性を持った固体高分子型燃料電池を低コストで実現できた。
本発明の疎水性触媒層は、触媒層中の生成水散逸性及び触媒利用率を向上できるので、固体高分子型燃料電池の触媒層として利用することができる。
また、前記触媒層を有する固体高分子型燃料電池は、携帯電話やノート型パソコン、デジタルカメラなど小型の電気機器用の燃料電池として利用することができる。
本発明の疎水性触媒層を用いた固体高分子型燃料電池の単セルの構造を表す模式図である。 本発明の疎水性触媒層における疎水性触媒の一例を示す模式図である。 固体高分子型燃料電池の評価装置の模式図である。 本発明の実施例1の疎水性触媒層の表面の走査電子顕微鏡写真(倍率2500倍)である。 本発明の実施例1の疎水性触媒層の表面の走査電子顕微鏡写真(倍率2万倍)である。 本発明の実施例1の疎水性触媒層の表面の走査電子顕微鏡写真(倍率10万倍)である。 本発明の実施例1および比較例1の固体高分子型燃料電池の特性を示す図である。 本発明の実施例1および比較例1の固体高分子型燃料電池の出力電流密度600mA/cm2における電圧の時間変化を示す図である。 本発明の実施例2および比較例1の固体高分子型燃料電池の特性を示す図である。 本発明の実施例2および比較例1の固体高分子型燃料電池の、出力電流密度500mA/cm2における電圧の時間変化を示す図である。 本発明の実施例3および比較例2から5及び7から8の固体高分子型燃料電池の特性を示す図である。
符号の説明
1 固体高分子電解質膜
2 アノード側触媒層
3 カソード側触媒層
4 疎水性触媒
5 触媒担体
6 アノード側ガス拡散層
7 カソード側ガス拡散層
8 アノード側電極(燃料極)
9 カソード側電極(空気極)
10 膜−電極接合体
11 触媒
12 疎水剤
13 プロトン伝導性電解質
14 ミクロ空隙

Claims (4)

  1. 触媒と、疎水剤とプロトン伝導性電解質とからなる、固体高分子型燃料電池用多孔質触媒層において、前記触媒は、白金酸化物を還元してなる樹枝状形状触媒であり、前記疎水剤は、Si原子、O原子および疎水性置換基を有する化合物からなり、SiとPtの原子数比Si/Ptが0.15以上0.25以下であることを特徴とする固体高分子型燃料電池用疎水性触媒層。
  2. 前記疎水剤は、置換基を有するシロキサン重合体からなることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用疎水性触媒層。
  3. 前記疎水剤は、アルキルシロキサンからなることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用疎水性触媒層。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の疎水性触媒層と固体高分子電解質膜とを少なくとも有する固体高分子型燃料電池。
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