JP5388691B2 - 触媒層および膜電極接合体の製造方法 - Google Patents
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Description
1)少なくとも白金酸化物を含む触媒前駆体層の表面に、Siと、該Siと結合している−OHまたは該Siと結合しており加水分解により−OHとなる基と、疎水性基と、を有するSi化合物を付与する工程と、
2)前記Si化合物が付与された触媒前駆体層の表面に、金属原子と該金属原子と結合している−OHまたは前記金属原子と結合しており加水分解により−OHとなる基とを有する金属化合物と、プロトン伝導性高分子電解質と、を含む混合物を付与する工程と、
3)前記混合物が付与された触媒前駆体層を還元する工程と、
を有することを特徴とする触媒層の製造方法である。
膜電極接合体の製造方法であって、
前記1)〜3)の工程に加えて、
前記2)の工程の後かつ3)の工程の前に、もしくは3)の工程の後に、前記混合物が付与された触媒前駆体層を高分子電解質膜の表面に転写もしくは接合させる工程を有することを特徴とする膜電極接合体の製造方法である。
i)少なくとも白金酸化物を含む触媒前駆体層の表面に、Siと、該Siと結合している−OHまたは該Siと結合しており加水分解により−OHとなる基と、疎水性基と、を有するSi化合物を付与する工程と、
ii)前記触媒前駆体層を還元して触媒構造体(a)を得る工程と、
iii)前記触媒構造体(a)の表面に、金属原子と該金属原子と結合している−OHまたは前記原子と結合しており加水分解により−OHとなる基とを有する金属化合物と、プロトン伝導性高分子電解質と、を含む混合物を付与する工程と、
を有することを特徴とする触媒層の製造方法である。
膜電極接合体の製造方法であって、
前記i)〜iii)の工程に加えて、
iii)の工程の後に、前記混合物が付与された触媒前駆体層を高分子電解質膜の表面に転写もしくは接合させる工程を有することを特徴とする膜電極接合体の製造方法である。
1)少なくとも白金酸化物を含む触媒前駆体層の表面に、Siと、該Siと結合している−OHまたは該Siと結合しており加水分解により−OHとなる基と、疎水性基と、を有するSi化合物を付与する工程と、
2)前記Si化合物が付与された触媒前駆体層の表面に、金属原子と該金属原子と結合している−OHまたは前記金属原子と結合しており加水分解により−OHとなる基とを有する金属化合物と、プロトン伝導性高分子電解質と、の混合物を付与する工程と、
3)前記混合物が付与された触媒前駆体層を還元する工程と、
を有することを特徴とする触媒層の製造方法である。
1)の工程において、少なくとも白金酸化物を含む触媒前駆体層は、少なくとも白金酸化物を含む多孔質体であることが好ましく、樹枝状形状を有していることが更に好ましい。ここで、樹枝状形状とは、棒状あるいはフレーク(薄片)状の組織が、分岐点を有して集まった構造を示す。なお、後の3)の工程によって得られる樹枝状形状を有する触媒層の断面を電子顕微鏡などで観察すると、棒状の構造体やフレーク状の構造体が複数集合することによって枝分かれした樹木のように見える。1つの棒状あるいはフレーク状組織は、その短手方向の長さが5nm以上200nm以下であることが好ましい。なお、ここでの短手方向の長さとは、1つの棒状の構造体あるいはフレーク状の構造体の仮想投影面内における最小の寸法を意味する。
2)の工程では、1)の工程によって得られたSi化合物が付与された触媒前駆体層の表面に、金属原子と該金属原子と結合している−OHまたは前記金属原子と結合しており加水分解により−OHとなる基とを有する金属化合物と、プロトン伝導性高分子電解質と、を含む混合物を付与する。
3)の工程では、2)の工程で混合物が付与された触媒前駆体層を還元して触媒層を得る。
i)少なくとも白金酸化物を含む触媒前駆体層の表面に、Siと、該Siと結合している−OHまたは該Siと結合しており加水分解により−OHとなる基と、疎水性基と、を有するSi化合物を付与する工程と、
ii)前記触媒前駆体層を還元して触媒構造体(a)を得る工程と、
iii)前記触媒構造体(a)の表面に、Al、Si、Ti、Zr、W、Nb、Taのうちのいずれかの原子と該原子と結合している−OHまたは前記原子と結合しており加水分解により−OHとなる基とを有する金属化合物と、プロトン伝導性高分子電解質と、を含む混合物を付与する工程と、
を有することを特徴とする触媒層の製造方法である。
一)前記金属化合物と前記プロトン伝導性高分子電解質とを含む溶液であり前記プロトン伝導性高分子電解質の濃度が5.0〜20wt%の溶液を作製する段階と、
二)前記溶液を希釈する段階と、
によって形成することが好ましい。なお、希釈する際は、プロトン伝導性高分子電解質が触媒中に均一に分散する濃度に希釈することが好ましく、具体的には、0.5〜3.0wt%とすることが好ましい。
本実施例は、図3に示す本発明の第2の触媒層の製造方法を用いて、図4に示した構成からなる固体高分子型燃料電池を作製した例である。
まず、触媒前駆体層の形成を行った。
特開2006−332041に記載の公知技術に従い、PtOx層の表面にSi化合物を付与してシロキサン重合体からなる疎水剤を形成した。すなわち、(工程1)で得られた触媒前駆体層を、2,4,6,8−テトラメチルテトラシクロシロキサンの蒸気と、室温(蒸気圧約1.2kPa)、密閉容器中で、4分間接触させることによって、PtOxの表面に適量の疎水剤を形成した。触媒前駆体中のSi/Ptモル比は、0.10であった。
続いて、得られたPtOx層を2%H2/He雰囲気に30分間曝して還元処理を行い、PTFEシートの表面に樹枝状形状を有する触媒構造体(a)を得た。Pt担持量は0.6mg/cm2であった。
金属化合物であるケイ酸エチル(キシダ化学製)6.2質量部、水2.2質量部、希塩酸(0.1mol/g)0.02質量部、IPA13.8質量部を混合し、攪拌して、金属化合物溶液であるシロキサン溶液を作製した。このシロキサン溶液を室温にて2時間攪拌した後、プロトン伝導性高分子電解質溶液である1%ナフィオン溶液(シグマアルドリッチ製5%ナフィオン分散溶液をIPAで希釈したもの)と混合し、その後24時間攪拌して混合溶液を得た。この際、シロキサン重合体の量がナフィオンの4wt%となるように混合した。
その後、(工程3)で得られた触媒構造体(a)に、(工程4)で得られた混合溶液を触媒面積1cm2当たり8μl滴下し、真空中にて溶媒を揮発させることで、触媒層を形成した。
アノード側触媒層を作成するため、PTFEシートの表面に、ドクターブレード法にて白金担持カーボン層をPt担持量が0.3mg/cm2になるように形成した。ここで、使用する触媒スラリーは、白金担持カーボン(Johnson Matthey製、HiSPEC4000)1質量部、ナフィオン0.07質量部、IPA1質量部、水0.4質量部の混錬物である。
触媒層が内側になるようにして、(工程5)及び(工程6)で作成した触媒層付きPTFEシートで、固体高分子電解質膜(Dupont製Nafion112、厚さ50μm)を挟み、4MPa、150℃、10minなるプレス条件でホットプレスを行った。その後、アノード側及びカソード側の両触媒層からPTFEシートを剥離してPTFEシートを除去することにより、MEAを得た。このMEAは、カソード側触媒層が本発明によって製造された触媒層であり、アノード側触媒層が白金担持カーボン触媒層である。
実施例1において、(工程4)を行わなかったこと以外は、すべて同様にしてMEAを作製した。触媒中のSi/Ptモル比は、0.11であった。Pt担持量は0.6mg/cm2であった。
実施例1の(工程4)において、シロキサン溶液とプロトン伝導性高分子電解質溶液とを混合する際、プロトン伝導性高分子電解質溶液の濃度を3%とした。混合・攪拌後にプロトン伝導性高分子電解質の濃度が1%となるよう更にIPAで希釈した。それ以外の工程は、すべて実施例1と同様にしてMEAを作製した。触媒層中のSi/Ptモル比は、0.10であった。Pt担持量は0.6mg/cm2であった。
実施例1の(工程4)において、シロキサン溶液とプロトン伝導性高分子電解質溶液とを混合する際、プロトン伝導性高分子電解質溶液の濃度を5%とした。混合・攪拌後にプロトン伝導性高分子電解質の濃度が1%となるようIPAで希釈した。それ以外の工程は、すべて実施例1と同様にしてMEAを作製した。触媒層中のSi/Ptモル比は、0.11であった。Pt担持量は0.6mg/cm2であった。
実施例1の(工程4)において、シロキサン溶液とプロトン伝導性高分子電解質溶液とを混合する際、プロトン伝導性高分子電解質溶液の濃度を7%とした。濃度7%のプロトン伝導性高分子電解質溶液は、和光純薬工業製20%ナフィオン分散溶液をIPAで7%に希釈したものを使用した。混合・攪拌後に、プロトン伝導性高分子電解質の濃度が1%となるよう更にIPAで希釈した。それ以外の工程は、すべて実施例1と同様にしてMEAを作製した。触媒層中のSi/Ptモル比は、0.10であった。Pt担持量は0.6mg/cm2であった。
実施例1の(工程4)において、シロキサン溶液とプロトン伝導性高分子電解質溶液とを混合する際、プロトン伝導性高分子電解質溶液の濃度を10%とした。濃度10%のプロトン伝導性高分子電解質溶液は、和光純薬工業製20%ナフィオン分散溶液をIPAで10%に希釈したものを使用した。混合・攪拌後に、プロトン伝導性高分子電解質の濃度が1%となるよう更にIPAで希釈した。それ以外の工程は、すべて実施例1と同様にしてMEAを作製した。触媒層中のSi/Ptモル比は、0.10であった。Pt担持量は0.6mg/cm2であった。
実施例1の(工程4)において、シロキサン溶液とプロトン伝導性高分子電解質溶液とを混合する際、プロトン伝導性高分子電解質溶液の濃度を15%とした。濃度15%のプロトン伝導性高分子電解質溶液は、和光純薬工業製20%ナフィオン分散溶液をIPAで15%に希釈したものを使用した。混合・攪拌後に、プロトン伝導性高分子電解質の濃度が1%となるよう更にIPAで希釈した。それ以外の工程は、すべて実施例1と同様にしてMEAを作製した。触媒層中のSi/Ptモル比は、0.12であった。Pt担持量は0.6mg/cm2であった。
実施例1の(工程4)において、シロキサン溶液とプロトン伝導性高分子電解質溶液とを混合する際、プロトン伝導性高分子電解質溶液濃度を20%とした。濃度20%のプロトン伝導性高分子電解質溶液には、和光純薬工業製20%ナフィオン分散溶液を使用した。混合・攪拌後に、プロトン伝導性高分子電解質の濃度が1%となるよう更にIPAで希釈した。それ以外の工程は、すべて実施例1と同様にしてMEAを作製した。触媒層中のSi/Ptモル比は、0.13であった。Pt担持量は0.6mg/cm2であった。
実施例7において、触媒前駆体層の還元工程の順序を変更し、図2に示す本発明の第1の触媒層の製造方法の手順に従って触媒層を作製した。
実施例1〜8及び比較例1で作製したMEAを、蛍光X線分析(X−ray−Fluorescence Analysis以下、XRFと略す)にて分析し、疎水剤の構成元素であるSi量を測定した。分析装置にはZSX1009e(株式会社リガク製)を用いた。
2 アノード側触媒層
3 カソード側触媒層
4 アノード側ガス拡散層
5 カソード側ガス拡散層
6 アノード側電極
7 カソード側電極
8 MEA(膜電極接合体)
9 MPL
10 ガス拡散基材
11 Oリングシール
12 発泡金属
13 カーボンクロス
Claims (8)
- 1)少なくとも白金酸化物を含む触媒前駆体層の表面に、Siと、該Siと結合している−OHまたは該Siと結合しており加水分解により−OHとなる基と、疎水性基と、を有するSi化合物を付与する工程と、
2)前記Si化合物が付与された触媒前駆体層の表面に、金属原子と該金属原子と結合している−OHまたは前記金属原子と結合しており加水分解により−OHとなる基とを有する金属化合物と、プロトン伝導性高分子電解質と、を含む混合物を付与する工程と、
3)前記混合物が付与された触媒前駆体層を還元する工程と、
を有することを特徴とする触媒層の製造方法。 - 前記金属化合物がメタロキサン重合体であることを特徴とする請求項1に記載の触媒層の製造方法。
- 前記2)の工程の混合物を、
I)前記金属化合物と前記プロトン伝導性高分子電解質とを含む溶液であり前記プロトン伝導性高分子電解質の濃度が5.0〜20wt%の溶液を作製する段階と、
II)前記溶液を希釈する段階と、
によって形成することを特徴とする請求項1または2に記載の触媒層の製造方法。 - 膜電極接合体の製造方法であって、
請求項1の1)〜3)の工程に加えて、
前記2)の工程の後かつ3)の工程の前に、もしくは3)の工程の後に、前記混合物が付与された触媒前駆体層を高分子電解質膜の表面に転写もしくは接合させる工程を有することを特徴とする膜電極接合体の製造方法。 - i)少なくとも白金酸化物を含む触媒前駆体層の表面に、Siと、該Siと結合している−OHまたは該Siと結合しており加水分解により−OHとなる基と、疎水性基と、を有するSi化合物を付与する工程と、
ii)前記触媒前駆体層を還元して触媒構造体(a)を得る工程と、
iii)前記触媒構造体(a)の表面に、金属原子と該金属原子と結合している−OHまたは前記原子と結合しており加水分解により−OHとなる基とを有する金属化合物と、プロトン伝導性高分子電解質と、を含む混合物を付与する工程と、
を有することを特徴とする触媒層の製造方法。 - 前記金属化合物がメタロキサン重合体であることを特徴とする請求項5に記載の触媒層の製造方法。
- 前記iii)の工程の混合物を、
一)前記金属化合物と前記プロトン伝導性高分子電解質とを含む溶液であり前記プロトン伝導性高分子電解質の濃度が5.0〜20wt%の溶液を作製する段階と、
二)前記溶液を希釈する段階と、
によって形成することを特徴とする請求項5または6に記載の触媒層の製造方法。 - 膜電極接合体の製造方法であって、
請求項5に記載のi)〜iii)の工程に加えて、
iii)の工程の後に、前記混合物が付与された触媒前駆体層を高分子電解質膜の表面に転写もしくは接合させる工程を有することを特徴とする膜電極接合体の製造方法。
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