JP5935183B2 - マグネシウム合金の接合方法及びマグネシウム合金の接合構造 - Google Patents

マグネシウム合金の接合方法及びマグネシウム合金の接合構造 Download PDF

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Description

本発明はマグネシウム合金の接合方法及びマグネシウム合金の接合構造に関する。詳しくは、高い接合強度を実現することができるマグネシウム合金の接合方法及びマグネシウム合金の接合構造に係るものである。
一般に、マグネシウム合金は、実用化されている合金の中で最も密度が低く、軽量で強度も高いため、電気製品の筐体や、自動車のホイール、足回り部品、エンジン周り部品等への適用が進められている。
特に、自動車に関連する用途の部品においては、高い機械的特性が要求されるため、GdやZn等の元素を添加したマグネシウム合金として、片ロール法、急速凝固法により特定の形態の材料を製造することが行われている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
ところで、主に薄板材の接合法として、電極で2枚の板材を挟んだ状態で電流を流し、板材をジュール熱で発熱させて溶融して一体化する抵抗スポット溶接法が知られている。そして、薄板のマグネシウム合金の接合にもこうした抵抗スポット溶接法が現に利用されている。
特開平6−41701号公報 特開2002−256370号公報
しかしながら、マグネシウム合金は高い熱伝導性を有すると共に、低抵抗材料であるために、マグネシウム合金から成る2枚の板材を当接させた状態で電流を流したとしても、溶融部を溶融するために必要な熱量を確保することが困難であり、高い接合強度を実現するためには、大電流を流す必要がある。
本発明は以上の点に鑑みて創案されたものであって、高い接合強度を実現することができるマグネシウム合金の接合方法及びマグネシウム合金の接合構造を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、本発明のマグネシウム合金の接合方法は、マグネシウム合金から成る第1の部材と、マグネシウム合金から成る第2の部材との間に、長周期積層構造相を含むマグネシウム合金を配置する工程と、前記第1の部材と前記第2の部材との間に配置された前記マグネシウム合金を加熱する工程とを備える。
ここで、第1の部材と第2の部材との間に配置されたマグネシウム合金が長周期積層構造相(以下、「LPSO:Long Period Stacking Order」相と称する)を含んでおり、LPSO相が母材(第1の部材と第2の部材との間に配置されたマグネシウム合金の母材)よりも低融点であるため、LPSO相を含むマグネシウム合金を加熱することで、LPSO相が優先的に溶融し、接合対象である第1の部材と第2の部材との間の凹凸を埋め、健全な接合構造を得ることが可能となる。
また、LPSO相はマグネシウム合金の高強度の主因となり得るため、LPSO相を含むマグネシウム合金を加熱することで溶融したLPSO相が、第1の部材と第2の部材との接合部で再析出することによって、第1の部材と第2の部材との接合部の接合界面強度の向上が実現する。
更に、LPSO相を含むマグネシウム合金は抵抗値が高いために、通電によって、第1の部材と第2の部材との間に配置されたLPSO相を含むマグネシウム合金を加熱する場合には、小さな溶接電流でも溶融することが可能である。
また、上記の目的を達成するために、本発明のマグネシウム合金の接合構造は、マグネシウム合金から成る第1の部材と、該第1の部材と所定の領域で接合されると共に、該所定の領域のみに長周期積層構造相を含むマグネシウム合金から成る第2の部材とを備える。
ここで、LPSO相はマグネシウム合金の高強度の主因となり得るため、第1の部材と第2の部材の接合部分が、LPSO相を含んでいるマグネシウム合金から成ることによって、接合界面強度の向上が実現する。
本発明のマグネシウム合金の接合方法及びマグネシウム合金の接合構造では、高い接合強度を実現することができる。
本発明を適用したマグネシウム合金の接合方法の一例を説明するための模式図である。 本発明を適用した抵抗スポット溶接方法で得られる接合構造を説明するための模式図である。 実施例1の顕微鏡写真である。 実施例2の顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参酌しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は本発明を適用したマグネシウム合金の接合方法の一例である抵抗スポット溶接方法を説明するための模式図である。
本発明を適用した抵抗スポット溶接方法では、図1に示す様に、2枚の母材(被溶接材料)である第1の板材1と第2の板材2との間にインサート材3を配置した状態で、第1の板材1と第2の板材2とを圧着しつつ、電極4同士の間に電流を流す。
ここで、第1の板材1はLPSO相を含んでおらず、インサート材3よりも低抵抗であるマグネシウム合金から成る。なお、第1の板材1は、マグネシウム合金から成る第1の部材の一例である。
同様に、第2の板材2はLPSO相を含んでおらず、インサート材3よりも低抵抗であるマグネシウム合金から成る。なお、第2の板材2は、マグネシウム合金から成る第2の部材の一例である。
また、インサート材3はLPSO相を含むマグネシウム合金から成り、例えば、以下に例示する[インサート材の例示1]〜[インサート材の例示92]に示す様に構成されたマグネシウム合金が適用可能である。
[インサート材の例示1]
Znをa原子%含有し、Yをb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金。
(1)0.5≦a<5.0
(2)0.5<b<5.0
(3)2/3a−5/6≦b
[インサート材の例示2]
上述の[インサート材の例示1]に示すMgにYb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすマグネシウム合金。
(4)0≦c≦3.0
(5)0.2≦b+c≦6.0
[インサート材の例示3]
上述の[インサート材の例示1]に示すMgにLa、Ce、Pr、Eu、Mm及びGdからなる群から選択される少なくとも1 種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たす、又は(5)及び(6)を満たすマグネシウム合金。
(4)0≦c<2.0
(5)0.2≦b+c≦6.0
(6)c/b≦1.5
[インサート材の例示4]
上述の[インサート材の例示1]に示すMgにYb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1 種の元素を合計でc原子%含有し、La、Ce、Pr、Eu、Mm及びGdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でd原子%含有し、c及びdは下記式(4)〜(6)を満たす、又は(6)及び(7)を満たすマグネシウム合金。
(4)0≦c≦3.0
(5)0≦d<2.0
(6)0.2≦b+c+d≦6.0
(7)d/b≦1.5
[インサート材の例示5]
Znをa原子%含有し、Yをb原子% 含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金。
(1)0.25≦a≦5.0
(2)0.5≦b≦5.0
(3)0.5a≦b
[インサート材の例示6]
上述の[インサート材の例示5]に示すMgにYb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすマグネシウム合金。
(4)0≦c≦3.0
(5)0.1≦b+c≦6.0
[インサート材の例示7]
上述の[インサート材の例示5]に示すMgにLa、Ce、Pr、Eu、Mm及びGdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすマグネシウム合金。
(4)0≦c≦3.0
(5)0.1≦b+c≦6.0
[インサート材の例示8]
上述の[インサート材の例示5]に示すMgにYb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、La、Ce、Pr、EU、Mm及びGdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でd原子%含有し、c及びdは下記式(4)〜(6)を満たすマグネシウム合金。
(4)0≦c≦3.0
(5)0≦d≦3.0
(6)0.1≦b+c+d≦6.0
[インサート材の例示9]
上述の[インサート材の例示1]〜[インサート材の例示8]に示すMgにAl、Th、Ca、Si、Mn、Zr、Ti、Hf、Nb、Ag、Sr、Sc、B、C、Sn、Au、Ba、Ge、Bi、Ga、In、Ir、Li、Pd、Sb及びVからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計で0原子%超2.5原子%以下含有するマグネシウム合金。
[インサート材の例示10]
Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金。
(1)0.2≦a≦5.0
(2)0.2≦b≦5.0
(3)0.5a−0.5≦b
[インサート材の例示11]
Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金。
(1)0.2≦a≦3.0
(2)0.2≦b≦5.0
(3)2a−3≦b
[インサート材の例示12]
上述の[インサート材の例示10]、[インサート材の例示11]に示すMgにYおよび/またはGdを合計でy原子%含有し、yは下記式(4)及び(5)を満たすマグネシウム合金。
(4)0≦y≦4.8
(5)0.2≦b+y≦5.0
[インサート材の例示13]
上述の[インサート材の例示10]〜[インサート材の例示12]に示すMgにYb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすマグネシウム合金。
(4)0≦c≦3.0
(5)0.2≦b+c≦6.0
[インサート材の例示14]
上述の[インサート材の例示10]〜[インサート材の例示12]に示すMgにLa、Ce、Pr、Eu及びMmからなる群から選択される少なくとも1 種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすマグネシウム合金。
(4)0≦c≦3.0
(5)0.2≦b+c≦6.0
[インサート材の例示15]
上述の[インサート材の例示10]〜[インサート材の例示12]に示すMgにYb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、La、Ce、Pr、Eu及びMmからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でd原子%含有し、c及びdは下記式(4)〜(6)を満たすマグネシウム合金。
(4)0≦c≦3.0
(5)0≦d≦3.0
(6)0.2≦b+c+d≦6.0
[インサート材の例示16]
Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金。
(1)0.1≦a≦5.0
(2)0.1≦b≦5.0
(3)0.5a−0.5≦b
[インサート材の例示17]
Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金。
(1)0.1≦a≦3.0
(2)0.1≦b≦5.0
(3)2a−3≦b
[インサート材の例示18]
上述の[インサート材の例示16]、[インサート材の例示17]に示すMgにYおよび/またはGdを合計でy原子%含有し、yは下記式(4)及び(5)を満たすマグネシウム合金。
(4)0≦y≦4.9
(5)0.1≦b+y≦5.0
[インサート材の例示19]
上述の[インサート材の例示16]、[インサート材の例示17]に示すMgにYb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすマグネシウム合金。
(4)0≦c≦3.0
(5)0.1≦b+c≦6.0
[インサート材の例示20]
上述の[インサート材の例示16]、[インサート材の例示17]に示すMgにLa、Ce、Pr、Eu及びMmからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすマグネシウム合金。
(4)0≦c≦3.0
(5)0.1≦b+c≦6.0
[インサート材の例示21]
上述の[インサート材の例示16]、[インサート材の例示17]に示すMgにYb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、La、Ce、Pr、Eu及びMmからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でd原子%含有し、c及びdは下記式(4)〜(6)を満たすマグネシウム合金。
(4)0≦c≦3.0
(5)0≦d≦3.0
(6)0.1≦b+c+d≦6.0
[インサート材の例示22]
上述の[インサート材の例示16]〜[インサート材の例示21]に示すMgにAl、Th、Ca、Si、Mn、Zr、Ti、Hf、Nb、Ag、Sr、Sc、B、C、Sn、Au、Ba、Ge、Bi、Ga、In、Ir、Li、Pd、Sb及びVからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計で0原子%超2.5原子% 以下含有するマグネシウム合金。
[インサート材の例示23]
Znをa原子%含有し、Gd、Tb、Tm及びLuからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgからなり、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金。
(1)0.2≦a≦5.0
(2)0.5≦b≦5.0
(3)0.5a−0.5≦b
[インサート材の例示24]
Znをa原子%含有し、Gd、Tb、Tm及びLuからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgからなり、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金。
(1)0.2≦a≦3.0
(2)0.5≦b≦5.0
(3)2a−3≦b
[インサート材の例示25]
上述の[インサート材の例示23]、[インサート材の例示24]に示すマグネシウム合金にYb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすマグネシウム合金。
(4)0≦c≦3.0
(5)0.5≦b+c≦6.0
[インサート材の例示26]
上述の[インサート材の例示23]、[インサート材の例示24]に示すマグネシウム合金にLa、Ce、Pr、Eu及びMmからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすマグネシウム合金。
(4)0≦c≦2.0
(5)0.5≦b+c≦6.0
[インサート材の例示27]
上述の[インサート材の例示23]、[インサート材の例示24]に示すマグネシウム合金にYb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、La、Ce、Pr、Eu及びMmからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でd原子%含有し、c及びdは下記式(4)〜(6)を満たすマグネシウム合金。
(4)0≦c≦3.0
(5)0≦d≦2.0
(6)0.5≦b+c+d≦6.0
[インサート材の例示28]
Znをa原子%含有し、Gd、Tb、Tm及びLuからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgからなり、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金。
(1)0.1≦a≦5.0
(2)0.25≦b≦5.0
(3)0.5a−0.5≦b
[インサート材の例示29]
Znをa原子%含有し、Gd、Tb、Tm及びLuからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgからなり、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金。
(1)0.1≦a≦3.0
(2)0.25≦b≦5.0
(3)2a−3≦b
[インサート材の例示30]
上述の[インサート材の例示28]、[インサート材の例示29]に示すマグネシウム合金にYb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすマグネシウム合金。
(4)0≦c≦3.0
(5)0.5≦b+c≦6.0
[インサート材の例示31]
上述の[インサート材の例示28]、[インサート材の例示29]に示すマグネシウム合金にLa、Ce、Pr、Eu及びMmからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすマグネシウム合金。
(4)0≦c≦2.0
(5)0.5≦b+c≦6.0
[インサート材の例示32]
上述の[インサート材の例示28]、[インサート材の例示29]に示すマグネシウム合金にYb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、La、Ce、Pr、Eu及びMmからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でd原子%含有し、c及びdは下記式(4)〜(6)を満たすマグネシウム合金。
(4)0≦c≦3.0
(5)0≦d≦2.0
(6)0.5≦b+c+d≦6.0
[インサート材の例示33]
上述の[インサート材の例示28]〜[インサート材の例示32]に示すマグネシウム合金にDy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計で0原子%超1.5原子%以下含有するマグネシウム合金。
[インサート材の例示34]
上述の[インサート材の例示28]〜[インサート材の例示32]に示すマグネシウム合金にYを合計で0原子%超1.0原子%以下含有するマグネシウム合金。
[インサート材の例示35]
上述の[インサート材の例示28]〜[インサート材の例示34]に示すマグネシウム合金であり、Gd、Tb、Tm及びLuからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計で3原子%未満含有するマグネシウム合金。
[インサート材の例示36]
上述の[インサート材の例示28]〜[インサート材の例示35]に示すマグネシウム合金であり、希土類元素を含有する鉱石を精錬することによって得られ、複数の希土類元素が含有された希土類合金を鋳造時の原料の一部に用いて形成され、前記マグネシウム合金中の希土類元素の合計含有量が6.0原子%以下であるマグネシウム合金。
[インサート材の例示37]
上述の[インサート材の例示36]の示す希土類合金は、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びLuからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計で50原子%以上含有するとともにY、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びLu以外の希土類元素を合計で50原子%未満含有するマグネシウム合金。
[インサート材の例示38]
上述の[インサート材の例示28]〜[インサート材の例示37]に示すマグネシウム合金にAl、Th、Ca、Si、Mn、Zr、Ti、Hf、Nb、Ag、Sr、Sc、B及びCからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計で0原子%超2.5原子%以下含有するマグネシウム合金。
[インサート材の例示39]
上述の[インサート材の例示28]〜[インサート材の例示38]に示すマグネシウム合金はMgと希土類元素の化合物、MgとZnの化合物、Znと希土類元素の化合物及びMgとZnと希土類元素の化合物からなる析出物群から選択される少なくとも1種類の析出物を有しているマグネシウム合金。
[インサート材の例示40]
一般式で、Mg(100−x−y)REZn(1<x<5、0.3<y<6;x、yはいずれも原子%、RE;希土類元素)の組成を有し、平均結晶粒径が1μm以下の結晶組織を有するマグネシウム合金であって、Mg(100−x−y)REZnは、希土類元素を含有する鉱石を精錬することによって得られ、複数の希土類元素が含有された希土類合金を出発原料の一部に用いて形成され、液体から急速に凝固された粉末、薄帯又は細線を、せん断が付加されるように固化することで形成されたものであり、希土類合金は、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びLuからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計で50原子%以上含有するとともにY、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びLu以外の希土類元素を合計で50原子%未満含有するマグネシウム合金。
[インサート材の例示41]
Y、Dy、Ho、Er、Gd、Tb、Tm及びLuからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有するマグネシウム合金。
[インサート材の例示42]
全量に対して、Zn1〜4原子%と、Y1〜4.5原子%とを含み、ZnとYとの組成比Zn/Yが0.6〜1.3の範囲にある組成を備え、金属間化合物Mg3Y2Zn3と、長周期構造を示すMg12YZnとを含むマグネシウム合金。
[インサート材の例示43]
全量に対して、Zn2〜3.5原子%と、Y2〜4.5原子%とを含み、ZnとYとの組成比Zn/Yが0.8〜1.2の範囲にある組成を備えるマグネシウム合金。
[インサート材の例示44]
全量に対して、Zn1〜4原子%と、Y1〜4.5原子%と、Zr0.1〜0.5原子%とを含み、残部がMgと不可避の不純物とからなるマグネシウム合金。
[インサート材の例示45]
Cu、Ni及びCoの少なくとも1種の金属を合計でa原子%含有し、Y、Dy、Er、Ho、Gd、Tb及びTmからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金。
(1)0.2≦a≦10
(2)0.2≦b≦10
(3)2/3a−2/3<b
[インサート材の例示46]
Cu、Ni及びCoの少なくとも1種の金属を合計でa原子%含有し、Y、Dy、Er、Ho、Gd、Tb及びTmからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金。
(1)0.2≦a≦10
(2)0.2≦b≦10
(3)2/3a−2/3<b
[インサート材の例示47]
Cu、Ni及びCoの少なくとも1種の金属を合計でa原子%含有し、Y、Dy、Er、Ho、Gd、Tb及びTmからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、aとbは下記式(1)〜(3)を満たす組成を有する液体を形成し、前記液体を急冷して凝固させた粉末、薄帯又は細線からなり、前記粉末、薄帯又は細線は長周期積層構造相の結晶組織を有するマグネシウム合金。
(1)0.2≦a≦10
(2)0.2≦b≦10
(3)2/3a−2/3<b
[インサート材の例示48]
上述の[インサート材の例示45]〜[インサート材の例示47]に示すマグネシウム合金において、MgにZnをc原子%含有し、aとcは下記式(4)を満たすマグネシウム合金。
(4)0.2<a+c≦15
[インサート材の例示49]
上述の[インサート材の例示48]に示すマグネシウム合金において、aとcはさらに下記式(5)を満たすマグネシウム合金。
(5)c/a≦1/2
[インサート材の例示50]
上述の[インサート材の例示45]〜[インサート材の例示49]に示すマグネシウム合金において、MgにLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Yb及びLuからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でd原子%含有し、bとdは下記式(6)を満たすマグネシウム合金。
(6)0.2<b+d≦15
[インサート材の例示51]
上述の[インサート材の例示50]に示すマグネシウム合金において、bとdはさらに下記式(7)を満たすマグネシウム合金。
(7)d/b≦1/2
[インサート材の例示52]
上述の[インサート材の例示45]〜[インサート材の例示51]に示すマグネシウム合金において、MgにZr、Ti、Mn、Al、Ag、Sc、Sr、Ca、Si、Hf、Nb、B、C、Sn、Au、Ba、Ge、Bi、Ga、In、Ir、Li、Pd、Sb、V、Fe、Cr及びMoからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でe原子%含有し、eは下記式(8)を満たすマグネシウム合金。
(8)0<e≦2.5
[インサート材の例示53]
上述の[インサート材の例示52]に示すマグネシウム合金において、eとaとbとdはさらに下記式(9)を満たすマグネシウム合金。
(9)e/(a+b+c+d)≦1/2
[インサート材の例示54]
必須成分としてZn:0.5〜3原子%、RE:1〜5原子%の範囲で含有し、残部がMgと不可避的不純物からなるMg−Zn−RE系合金から構成されるマグネシウム合金材であって、Mg−Zn−RE系合金の合金組織中に、長周期積層構造とα−Mgとで形成されるラメラ相を有し、少なくとも一部の長周期積層構造が、湾曲部および屈曲部のうちの少なくとも一方を有し、かつ、分断部を有するマグネシウム合金。
[インサート材の例示55]
上述の[インサート材の例示54]に示すマグネシウム合金において、REがY、Dy、Ho、Er、Tmの少なくとも1種以上からなるマグネシウム合金。
[インサート材の例示56]
上述の[インサート材の例示55]に示すマグネシウム合金において、REがGd、Tbの少なくもと1種以上からなるマグネシウム合金。
[インサート材の例示57]
必須成分としてZn、および、REとしてGd、Tb、Tmのうち少なくとも1つ以上を含有し、残部がMgと不可避的不純物からなるMg−Zn−RE系合金であり、Mg−Zn−RE系合金に針状析出物または板状析出物を有するマグネシウム合金。
[インサート材の例示58]
上述の[インサート材の例示57]に示すマグネシウム合金において、針状析出物または板状析出物は、MgGdまたは/およびMgGdであるマグネシウム合金。
[インサート材の例示59]
上述の[インサート材の例示57]に示すマグネシウム合金において、成分範囲をZn:0.5〜3原子%、RE:1〜5原子%であるマグネシウム合金。
[インサート材の例示60]
Zn:0.5〜3原子%、Gd:1〜5原子%を含有し、残部がMgと不可避的不純物からなるMg−Zn−Gd系合金から構成され、組織中にMgGdおよび/またはMgGdを有し、粒界に晶出または析出したMgGdおよび長周期積層構造の面積率が30%以上であるマグネシウム合金。
[インサート材の例示61]
Znをa原子%含有し、Y、Gd、Dy、Ho、Er、Tb及びTmからなる群から選択される少なくとも1種類の元素を合計でb原子%含有し、Alをc原子%含有し、残部がMgから成り、aとbとcは下記式(1)〜(4)を満たすマグネシウム合金。
(1)0.2≦a≦5.0
(2)0.2≦b≦5.0
(3)2a−3≦b
(4)0.05b≦c<0.75b
[インサート材の例示62]
上述の[インサート材の例示61]に示すマグネシウム合金において、マグネシウム合金に、Li、Sn、Di、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Mm、Yb、Th、Ca、Si、Mn、Zr、Ti、Hf、Nb、Ag、Sr、Sc、B、C、Ga及びGeからなる群から選択される少なくとも1種類の元素を合計でd原子%含有し、dは下記式(5)を満たすマグネシウム合金。
(5)0≦d≦b/2
[インサート材の例示63]
必須成分としてZn:1〜5質量%、Gd:5〜15質量%の範囲で含有し、残部がMgと不可避的不純物からなるMg−Gd−Zn系合金から構成されるマグネシウム合金材であって、Mg−Gd−Zn系合金の合金組織中に、長周期積層構造を有し、かつ、MgGdおよび/またはMgZnGdを有するマグネシウム合金。
[インサート材の例示64]
必須成分としてZn、および、REとしてGd、Tb、Tmのうち少なくとも1つ以上を含有し、残部がMgと不可避的不純物からなるMg−Zn−RE系合金であり、Mg−Zn−RE系合金の合金組織中に、Znおよび前記REが二原子層濃化した積層欠陥を有するマグネシウム合金。
[インサート材の例示65]
上述の[インサート材の例示64]に示すマグネシウム合金において、Mg−Zn−RE系合金の合金組織中に再結晶粒を有し、再結晶粒の平均結晶粒径が5μm以下で、かつ、再結晶粒の前記合金組織に対する面積率が35%以上であるマグネシウム合金。
[インサート材の例示66]
上述の[インサート材の例示64]、[インサート材の例示65]に示すマグネシウム合金において、Znは、成分範囲が0.5〜3原子%、REは、成分範囲が1〜5原子%であるマグネシウム合金。
[インサート材の例示67]
必須成分としてZn、および、REとしてGd、Tb、Tmのうち少なくとも1つ以上を含有し、残部がMgと不可避的不純物からなるMg−Zn−RE系合金であり、Mg−Zn−RE系合金の合金組織中に、β相、β´相、β1相のうち少なくとも一つ以上と、長周期積層構造と、を有するマグネシウム合金。
[インサート材の例示68]
上述の[インサート材の例示67]に示すマグネシウム合金において、Znは成分範囲が0.5〜3原子%、REは成分範囲が1〜5原子%であるマグネシウム合金。
[インサート材の例示69]
必須成分としてZn、及び、希土類元素(RE)としてGd、Tb、Tmのうち少なくとも1つ以上を含有し、残部がMgと不可避的不純物からなるMg−Zn−RE系合金から構成されるマグネシウム合金であって、Mg−Zn−RE系合金の合金組織中に、β'相若しくはその一部がβ1相に変化したもの若しくはGP帯と、キンク変形した長周期積層構造とを有するマグネシウム合金。
[インサート材の例示70]
上述の[インサート材の例示69]に示すマグネシウム合金において、Znは成分範囲が0.05〜3原子%、希土類元素は成分範囲が1〜5原子%であるマグネシウム合金。
[インサート材の例示71]
必須成分としてZn、Y、及び、希土類元素(RE)としてLa、Ce、Nd、Pr、Sm、Ybのうち少なくとも1つ以上を含有し、残部がMgと不可避的不純物からなるMg−Zn−Y−RE系合金から構成されるマグネシウム合金であって、Mg−Zn−Y−RE系合金の合金組織中に、長周期積層構造相、αMg相、及び、Mg−RE化合物若しくはMg−Zn−RE化合物の少なくとも1つ以上の化合物を有すると共に、長周期積層構造相と化合物が積層構造を構成し、更に、長周期積層構造相の厚さが0.5μm〜5μmであるマグネシウム合金。
[インサート材の例示72]
上述の[インサート材の例示71]に示すマグネシウム合金において、Znは成分範囲が2.5原子%未満であるマグネシウム合金。
[インサート材の例示73]
上述の[インサート材の例示71]、[インサート材の例示72]に示すマグネシウム合金において、Znは成分範囲が2原子%以下であるマグネシウム合金。
[インサート材の例示74]
必須成分としてZn、Y、及び、希土類元素(RE)としてLa、Ce、Nd、Pr、Sm、Ybのうち少なくとも1つ以上を含有し、残部がMgと不可避的不純物からなるMg−Zn−Y−RE系合金から構成されるマグネシウム合金であって、Mg−Zn−Y−RE系合金の合金組織中に、長周期積層構造相、αMg相、及び、Mg−RE化合物若しくはMg−Zn−RE化合物の少なくとも1つ以上の化合物を有すると共に、長周期積層構造相と化合物が積層構造を構成し、更に、長周期積層構造相の厚さが0.5μm〜5μmであるマグネシウム合金。
[インサート材の例示75]
上述の[インサート材の例示74]に示すマグネシウム合金において、Znは成分範囲が2.5原子%未満であるマグネシウム合金。
[インサート材の例示76]
上述の[インサート材の例示74]に示すマグネシウム合金において、Znは成分範囲が2原子%以下であるマグネシウム合金。
[インサート材の例示77]
常温より高い温度で使用されるマグネシウム合金であって、Znをa原子%含有し、Yをb原子%含有し、La、Ce、Nd、Pr、Sm及びYbからなる群から選択される少なくとも1つの元素を合計でc原子%含有し、残部がMgと不可避的不純物からなり、aとbとcは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金。
(1)0<a≦2.0
(2)1.0≦b≦1.95
(3)0.05≦c≦1.0
[インサート材の例示78]
必須成分としてZnとYとを含有し、残部がMgと不可避的不純物からなるMg−Zn−Y系合金から構成されるマグネシウム合金であって、Mg−Zn−Y系合金の合金組織中に、針状若しくは板状の長周期積層構造相を有するマグネシウム合金。
[インサート材の例示79]
常温より高い温度で使用されるマグネシウム合金であって、Znをa原子%含有し、Yをb原子%含有し、La、Ce、Nd、Pr、Sm及びYbからなる群から選択される少なくとも1つの元素を合計でc原子%含有し、残部がMgと不可避的不純物からなり、aとbとcは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金。
(1)0<a≦2.0
(2)1.0≦b≦1.95
(3)0.05≦c≦1.0
[インサート材の例示80]
Znを含有し、Y、Dy、HoおよびErの少なくとも一つの元素を合計でRE原子%含有し、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、TbおよびYbからなる群から選択された少なくとも一つの元素を合計でX原子%含有し、残部がMgからなり、下記式(1)〜(4)を満たすマグネシウム合金。
(1)0.2≦[Zn(原子%)]≦5.0
(2)0.2≦[RE(原子%)]≦5.0
(3)2[Zn(原子%)]−3≦[RE(原子%)]
(4)0.05[RE(原子%)]≦[X(原子%)]<0.75[RE(原子%)]
[インサート材の例示81]
上述の[インサート材の例示80]に示すマグネシウム合金において、Alを含有し、下記式(5)を満たすマグネシウム合金。
(5)0.05[RE(原子%)]≦[Al(原子%)]<0.75[RE(原子%)]
[インサート材の例示82]
上述の[インサート材の例示80]、[インサート材の例示81]に示すマグネシウム合金において、Y、Dy、HoおよびErの少なくとも二つの元素を合計でRE原子%含有するマグネシウム合金。
[インサート材の例示83]
Znを含有し、GdおよびTbの少なくとも一つの元素を合計でRE原子%含有し、Al、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Dy、Ho、Er、TmおよびYbからなる群から選択された少なくとも一つの元素を合計でX原子%含有し、残部がMgからなり、下記式(1)〜(4)を満たすマグネシウム合金。
(1)0.2≦[Zn(原子%)]≦5.0
(2)0.2≦[RE(原子%)]≦5.0
(3)2[Zn(原子%)]−3≦[RE(原子%)]
(4)0.05[RE(原子%)]≦[X(原子%)]<0.75[RE(原子%)]
[インサート材の例示84]
上述の[インサート材の例示83]に示すマグネシウム合金において、GdおよびTbの両方の元素を合計でRE原子%含有するマグネシウム合金。
[インサート材の例示85]
AlとGdを含有し、残部がMgからなり、Al含有量とGd含有量が下記式(1)および(2)を満たすマグネシウム合金であって、長周期積層構造または最密原子面積層欠陥を含む相およびhcp構造マグネシウム相を有する結晶組織を具備するマグネシウム合金。
(1)0.01≦[Al含有量(原子%)]≦2.0
(2)0.2≦[Gd含有量(原子%)]b≦5.0
[インサート材の例示86]
必須成分としてZn,Cu,Ni若しくはCoから選択される元素(TM)と希土類元素(RE)を含有し、残部がMgと不可避的不純物からなるMg−TM−RE系合金から構成されるマグネシウム合金であって、Mg−TM−RE系合金の合金組織中に、少なくとも一部の組織が熱処理により板状とされた長周期積層構造相と、少なくとも一部が長周期積層構造相とラメラ状に存在するマグネシウム合金。
[インサート材の例示87]
必須成分としてZnと希土類元素(RE)を含有し、残部がMgと不可避的不純物からなるMg−Zn−RE系合金から構成されるマグネシウム合金であって、Mg−Zn−RE系合金の合金組織中に、少なくとも一部の組織が熱処理により板状とされた長周期積層構造相と、少なくとも一部が長周期積層構造相とラメラ状に存在するマグネシウム合金。
[インサート材の例示88]
Znをa原子%を含有し、Gd,Tb,Tm及びLuからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgからなり、aとbは下記式(1)〜(3)を満たし、塊状の長周期積層構造相及び板状の長周期積層構造相を有するマグネシウム合金。
(1)0.2≦a≦5.0
(2)0.5≦b≦5.0
(3)0.5a−0.5≦b
[インサート材の例示89]
Caをa原子%含有し、Alをb原子%含有し、残部がMgからなる組成を有し、(Mg,Al)Caをc体積%含有し、aとbとcが下記式(1)〜(4)を満たし、(Mg,Al)Caが分散されているマグネシウム合金。
(1)3≦a≦7
(2)4.5≦b≦12
(3)1.2≦b/a≦3.0
(4)10≦c≦30
[インサート材の例示90]
上述の[インサート材の例示89]に示すマグネシウム合金にMn、Zr、Si、Sc、Sn、Ag、Cu、Li、Be、Mo,Nb,W,及び希土類元素の群から選択された少なくとも一つの元素をi原子%含有し、iが下記式(5)を満たすマグネシウム合金。
(5)0<i≦0.3
[インサート材の例示91]
上述の[インサート材の例示89]、[インサート材の例示90]に示すマグネシウム合金にAl、MgSi、SiC、MgO、及びCaOの群から選択された少なくとも一つの化合物を、化合物中に金属原子の量としてj原子%含有し、jが下記式(6)を満たすことを特徴とするマグネシウム合金。
(6)0<i≦2
[インサート材の例示92]
Znをa原子%含有し、Alをb原子%含有し、Gdをc原子%含有し、残部がMgからなり、aとbとcは下記式(1)〜(4)を満たすマグネシウム合金であって、長周期積層構造または最密原子面積層欠陥を含む相およびhcp構造マグネシウム相を有する結晶組織を具備するマグネシウム合金。
(1)0.01≦a+b≦2.0
(2)0.2≦c≦5.0
(3)0≦a
(4)0<b
本発明を適用した抵抗スポット溶接方法では、電極4同士の間に電流を流すと、第1の板材1及び第2の板材2よりも高抵抗であるインサート材3が発熱し、接合面を溶融することで、第1の板材1と第2の板材2との接合が達成されることとなる。
ここでの接合面とは、インサート材3が発熱することで溶融する第1の板材1及び第2の板材2の領域を意味しており、概ね第1の板材1のインサート材3と接した部分及び第2の板材2のインサート材3と接した部分である。
図2は、本発明を適用した抵抗スポット溶接方法で得られる接合構造を説明するための模式図であり、図2に示す接合構造では、第1の板材1及び第2の板材2にインサート材3の発熱で溶融した溶融部5が存在する。また、溶融部5の周辺領域には、インサート材3の発熱により影響を受けた熱影響部6が存在する。
なお、第1の板材1の溶融部5と第2の板材2の溶融部5の当接面が接合界面である。
本発明を適用した抵抗スポット溶接方法では、インサート材3としてLPSO相を含むマグネシウム合金を用いることによって、LPSO相の有する高抵抗を利用して発熱することができ、低い溶接電流であっても第1の板材1及び第2の板材2を充分に溶融することができる。
そして、低い溶融電流で被溶接材料(第1の板材及び第2の板材)の溶融が実現することで、電流コストの削減が可能である。また、大電流を流さないために、使用する電極4の消耗を抑制し、電極4の長寿命化が実現することとなる。
また、インサート材3に含まれているLPSO相はマグネシウムよりも低融点であるために、接合中に溶融し、第1の板材1と第2の板材2の間の凹凸を埋めることで、第1の板材1と第2の板材2との接合強度を高める結果となる。
更に、接合中に溶融したLPSO相は第1の板材1と第2の板材2との接合界面で再析出することとなるが、そもそもLPSO相はマグネシウム合金の高強度の主因であるため、第1の板材1と第2の板材2の接合部の強度は、第1の板材1及び第2の板材2よりも高くなることが期待できる。
即ち、一般的に接合面に異物質が存在する場合には、接合時の界面反応により脆性的な反応物が界面上に生成し、接合界面が脆くなってしまうのに対して、本発明を適用した抵抗スポット溶接方法では、インサート材3の存在に起因した脆弱な反応層が生じることがないばかりか、母材(第1の板材及び第2の板材)よりも高強度の接合部の実現が期待できる。
また、インサート材3近傍のみが溶融して第1の板材1と第2の板材2とを接合することができ、溶融部5及び熱影響部6を狭い範囲に抑えることができ、溶接による母材(第1の板材及び第2の板材)の材質や特性の変化を抑制することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。なお、ここで示す実施例は一例であり本発明を限定するものではない。
[実施例1]
実施例1では、第1の板材1及び第2の板材2として、ASTM合金記号AZ31Bで規定されるマグネシウム合金から成るものを用いた。また、インサート材3として、Znを6原子%、Yを9原子%とし、残部がMgと不可避的不純物であるMg85Znから成るものを用いた。
なお、図3(a)にMg85Zn合金の顕微鏡写真を示すが、図3(a)中の針状組織がLPSO相であり、Mg85Zn合金ではLPSO相の含有率が非常に高いことが分かる。
また、図3(b)に実施例1で得られた接合構造の熱影響部の顕微鏡写真を示し、図3(c)に実施例1で得られた接合構造の溶融部の顕微鏡写真を示す。
ここで、実施例1で得られた接合構造の溶融部の元素分析を行ったところ、Zn及びYが偏析していることが判明し、SEMで観察された形態と併せて考慮すると、図3(c)中の矢印で示す部分には、LPSO相が偏析していることが分かる。
[実施例2]
実施例2では、第1の板材1及び第2の板材2として、ASTM合金記号AZ31Bで規定されるマグネシウム合金から成るものを用いた。また、インサート材3として、Znを2原子%、Yを2原子%とし、残部がMgと不可避的不純物であるMg96Znから成るものを用いた。
なお、図4(a)にMg96Zn合金の顕微鏡写真を示すが、図4(a)中の針状組織がLPSO相であり、図3(a)の結晶組織と比較すると、LPSO相の含有率が低いことが分かる。
また、図4(b)に実施例2で得られた接合構造の熱影響部の顕微鏡写真を示し、図4(c)に実施例2で得られた接合構造の溶融部の顕微鏡写真を示す。熱影響部は粒内に等軸状の析出物が確認でき、溶融部は網目状を呈していることが分かる。図4(b)の熱影響部の形態は図3(b)とほぼ同じであったが、図4(c)の溶融部においては、図3(c)と異なり、LPSO相が観察されなかった。
[比較例]
比較例では、第1の板材1及び第2の板材2として、ASTM合金記号AZ31Bで規定されるマグネシウム合金から成るものを用いた。また、インサート材3は用いなかった。
上述した実施例1、実施例2及び比較例について、溶接電流と破断荷重との関係を表1に、ナゲット径(接合界面の大きさ)と破断荷重との関係を表2に示す。
[表1]
[表2]
表1から、実施例1及び実施例2では比較例よりも高い破断荷重を実現していることが分かる。また、実施例1は実施例2よりも高い破断荷重を実現していることも分かる。
表2から、実施例1では実施例2及び比較例よりも同一ナゲット径で高い破断荷重を実現していることが分かる。
また、上述した実施例1、実施例2及び比較例について、各組織のビッカース硬度を表3に示す。なお、Mg85Zn合金のもともとのビッカース硬度値はHv102であり、Mg96Zn合金のもともとのビッカース硬度値はHv90である。
[表3]
表3から、実施例1では比較例よりも溶融部では約2倍の硬度であることが分かる。
1 第1の板材
2 第2の板材
3 インサート材
4 電極
5 溶融部
6 熱影響部

Claims (4)

  1. マグネシウム合金から成る第1の部材と、マグネシウム合金から成る第2の部材との間に、長周期積層構造相を含むマグネシウム合金を配置する工程と、
    前記第1の部材と前記第2の部材との間に配置された前記マグネシウム合金を加熱する工程とを備える
    マグネシウム合金の接合方法。
  2. 前記マグネシウム合金の加熱は、前記第1の部材と前記第2の部材との間に配置された前記マグネシウム合金に通電することで行う
    請求項1に記載のマグネシウム合金の接合方法。
  3. マグネシウム合金から成る第1の部材と、
    該第1の部材と所定の領域で接合されると共に、該所定の領域のみに長周期積層構造相を含むマグネシウム合金から成る第2の部材とを備える
    マグネシウム合金の接合構造。
  4. 前記第1の部材は、前記第2の部材と接合された領域のみに長周期積層構造相を含むマグネシウム合金である
    請求項3に記載のマグネシウム合金の接合構造。
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