JP2002224849A - マグネシウム合金板へのボス形成方法 - Google Patents

マグネシウム合金板へのボス形成方法

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JP2002224849A
JP2002224849A JP2001028040A JP2001028040A JP2002224849A JP 2002224849 A JP2002224849 A JP 2002224849A JP 2001028040 A JP2001028040 A JP 2001028040A JP 2001028040 A JP2001028040 A JP 2001028040A JP 2002224849 A JP2002224849 A JP 2002224849A
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boss
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welding
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aluminum alloy
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Masahisa Iseki
雅久 井石
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NISSHIN Manufacturing KK
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NISSHIN Manufacturing KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プレス法にて成形されたマグネシウム合金板に
マグネシウム合金、又はアルミニウム合金材の何れかか
らなるボス材を、プロジェクション溶接法により一体化
させるマグネシウム合金板へのボス形成方法を提供す
る。 【解決手段】マグネシウム合金板の取付け面をショット
ブラスト処理で酸化被膜除去処理した後、マグネシウム
合金材、又はアルミニウム合金材の何れかからなるボス
材を、前記取付け面に載置してプロジェクション溶接法
により一体化させる。また、プロジェクション溶接法の
詳細においては、同寸法におけるアルミニウム合金製の
板材とボス材との溶接条件と比較して、加圧力条件を1
60〜190%の範囲内に設定する。さらに、上記条件
に、電圧条件を20%の範囲内で低減すること、及び電
流条件を20%の範囲内で低減することの、少なくとも
一方の条件を付加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、マグネシウム合
金板にマグネシウム合金材、又はアルミニウム合金材の
何れからなるボス材を一体化させることに関し、特に、
前記一体化をプロジェクション溶接法により行う技術に
関する。
【0002】
【発明の背景】近年、産業界においては、資源やエネル
ギーの有効利用、環境問題から生産製品に対して軽量
化、リサイクル性の向上というものが求められており、
試行錯誤が繰り返されている。この課題を解決する1つ
の手段として、生産製品にマグネシウム合金を利用する
ことが注目されてきている。
【0003】かかるマグネシウム合金は、マグネシウム
にアルミニウム、亜鉛、ケイ素、マンガン等の金属元素
を添加して、機械的性質や耐食性を向上させた合金であ
り以下の特性を有している。 比重がアルミニウム合金の約3分の2、鋼の4分の1
と軽量である。 比強度、比剛性がアルミニウム合金、鋼より優れてい
る。 切削性がアルミニウム合金、鋼より優れている。 耐くぼみ性がアルミニウム合金、鋼より優れている。 リサイクルして再利用が可能である。 温度や時間による寸法変化が少ない。 電磁波シールド性が優れている。 放熱特性が優れている。 減衰能が高い。
【0004】かかるマグネシウム合金の特性により、最
近は構造材としての用途の需要が伸びており、パーソナ
ルコンピュータ(デスクトップ型、ノート型を含む。以
下「パソコン」と略称する。)の筐体、カメラの筐体、
携帯電話の筐体に利用されてきており、さらには、自動
車のボディーやホイール等にも利用されるようになって
きている。
【0005】
【従来の技術】上記の製品に使用するマグネシウム合金
板の成形方法としては、主に、溶融金属に圧力を加えて
金型に圧入するダイキャスト法、又は、チップ材を成形
機に投入し、シリンダーの中で加熱溶融して金型へ射出
して成形するチクソモールディング法が採用されてい
る。
【0006】しかし、これらの成形方法では、材料であ
るマグネシウム合金を一度溶融し、再凝固させるため、
鋳造割れ、ひけ、湯じわ、湯境、等の外観不良が発生し
易く、さらには、塩化物の巻き込みやガスの混入により
内部欠陥がある恐れがあった。また、金型内全体に均一
に材料を流れ込むように金型に導入路を形成する必要が
あるため、材料の歩留まりが悪く、加えてバリ取り作業
などの煩雑な作業が必要となっていた。
【0007】一方、上記の問題を解決する試みとして、
最近はマグネシウム合金板をプレスにより成形するプレ
ス法が確立されつつある。このプレス法は、深絞り、張
出、伸びフランジ、曲げ、の方法に分類され、ダイキャ
スト法やチクソモールド法に比べ、外観品質の向上、手
仕上げ不要、歩留まりの向上、加工硬化を利用可能、と
いう多くの利点が認められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、パソコ
ン筐体や自動車の部品等は他の部品との連結のために嵌
合穴やボルト穴を形成するための柱状に突出したボス部
を設ける必要があり、このボス部の形成は、ダイキャス
ト法やチクソモールディング法では予め金型設計の段階
で形成しておけばよいが、プレス法ではこのような凹凸
差の大きい突出部を筐体のプレス成形と同時に成形する
ことは、現在のところ技術的に不可能なものであった。
そのため、筐体成形後に何らかの手段でボス材を取付け
る必要があり、プレス成形したマグネシウム合金板にマ
グネシウム合金材、又はアルミニウム合金材の何れかか
らなるボス材を溶接することが試みられているが、かか
る溶接技術は未だ確立されておらず、プレス法によるマ
グネシウム合金板の生産製品への採用範囲は非常に限定
されたものとなっていた。
【0009】
【目的】そこで、本願発明は、かかる課題に着目して為
されたものであり、プレス法にて成形されたマグネシウ
ム合金板にマグネシウム合金材、又はアルミニウム合金
材の何れかからなるボス材を、プロジェクション溶接法
により一体化させるマグネシウム合金板へのボス形成方
法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明は以下の方法でマグネシウム合金板にボス
を形成する。すなわち、マグネシウム合金板の取付け面
を、酸化被膜除去処理した後に、マグネシウム合金材、
又はアルミニウム合金材の何れかからなるボス材を、前
記取付け面に載置してプロジェクション溶接法により一
体化させたことを特徴としてマグネシウム合金板へボス
を形成する。なお、酸化被膜除去処理は、ショットブラ
スト処理で行うことを特徴としている。
【0011】また、プロジェクション溶接法の詳細にお
いては、同寸法におけるアルミニウム合金板とボス材の
アルミニウム合金板への溶接条件と比較して、加圧力条
件を160〜190%の範囲内に設定したことを特徴と
している。
【0012】さらに、上記加圧力条件に、印加する電圧
条件を20%の範囲内で低減すること、及び通電する電
流条件を20%の範囲内で低減することの、少なくとも
一方の条件を付加したことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本願発明にかかるマグネ
シウム合金板へのボス形成方法について、図面に基づき
詳細に説明する。図1は本実施形態におけるボスを示す
斜視図(A)と断面図(B)であり、図2は本実施形態
におけるマグネシウム合金板へのアルミニウム合金ボス
の溶接状態を示す側面図(A)と溶接後を示す断面図
(B)であり、図3は本実施形態の溶接法にてマグネシ
ウム合金板にボスを形成した状態を示す斜視図である。
【0014】本実施形態のおけるマグネシウム合金板1
へのボス2の形成は、マグネシウム合金板1の取付け面
を、酸化皮膜除去した後に、アルミニウム合金材からな
るボス2を載置して、プロジェクション溶接法にて実施
している。
【0015】先ず、本実施形態のマグネシウム合金板
(JIS記号:MP1、ASTM記号:AZ31C)は
板厚0.6mmの圧延板材である。また、その化学組成
(mass%)は下記の表1に示すものである。
【0016】
【表1】
【0017】通常、マグネシウム合金は熱伝導性が高
く、その表面に酸化皮膜が生じているため、溶接時には
酸化皮膜除去処理を必要としている。本実施形態のマグ
ネシウム合金板1の酸化皮膜除去処理は、湿式のショッ
トブラスト処理を採用している。従来はブラシ等により
溶接面を削る方法が一般的であったが、この方法では、
溶接面の凹凸が大きく、溶接条件が同じでも溶飛物の発
生にバラツキが発生すると共に、ボス材の溶接強度が低
下するからである。また、湿式を採用した点は防爆を考
慮したためである。
【0018】次に、本実施形態のボス2は、アルミニウ
ム合金材(JIS記号:A5052S)であり、その化
学組成(mass%)は表2に示すものである。ボス2
をアルミニウム合金とした理由は、コスト低減を考慮し
たためである。
【0019】
【表2】
【0020】また、ボス2の形状は、外径が約5mm、
高さが約4mmであって、上面側には深さ約3mmのM
3のタップ20を形成し、下面側には外径を約4.5m
m、内径を約3.8mm、高さ寸法を約0.25mmの
リング状突起21を形成している。
【0021】以上のようなマグネシウム合金板1、ボス
2を、図2(A)に示すように、溶接機の電極T間に配
置してプロジェクション溶接を行う。そして、図3に示
すような、ボス2を形成したマグネシウム合金板1とな
る。なお、溶接機は既存の溶接機を使用している。
【0022】本実施形態の場合の最適な溶接条件の範囲
を表3に示す。また、最適な溶接条件の範囲を選定する
ために行った代表的な溶接実験結果を、参考のために表
4に示す。この溶接実験の評価は溶着強度(トルク剥離
試験:JASO F1177−77に基づく。)及び外
観(10倍の実体顕微鏡により検査。)により行ってい
る。なお、溶着強度は、196N・cm以上を、外観は
0.1mm以上の大きさの溶飛物がないことをその評価
の良否の基準としている。
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】上記の溶接条件の参考として、同型の溶接
機による板厚0.6mmのJIS記号:A5052Pの
アルミニウム合金板と本実施形態で使用するボス2との
最適な溶接条件を表5に示す。
【0026】
【表5】
【0027】表3、表4、表5より、本実施形態の溶接
条件は、板材及びボス材がアルミニウム合金の場合の溶
接条件と比較すると、加圧力が大きく変更されているこ
とが特徴となっている。本実施形態においては、板材及
びボス材がアルミニウム合金である場合に比べて、加圧
力条件が160〜190%の範囲で良好に溶着し、この
範囲を逸脱するとボスが溶着しなくなり、溶接が不可能
となる。
【0028】また、印可する電圧条件を20%の範囲内
で低減すること、及び通電する電流条件を20%の範囲
内で低減することの、いずれか一方の又は両方の条件を
適宜変更設定しても、溶着強度や外観がより良好な溶接
結果を得ることができると共に、エネルギーの節約も図
られる。
【0029】
【効果】本願発明は上記の方法により、マグネシウム合
金板にボスを形成できるため、プレス法によるマグネシ
ウム合金板の生産製品への採用範囲が拡大すると共に、
上記の生産製品はプレス法によるマグネシウム合金板の
利点、すなわち、外観品質の向上、手仕上げ不要、歩留
まりの向上、加工硬化を利用可能と言った利点を享受で
きるようになる。
【0030】また、プロジェクション溶接法を採用して
いるので、既存設備が使用できると共に、コスト削減の
利点も享受できるようになる。以上より、本願発明の産
業界への貢献度は極めて大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態におけるボスを示す斜視図(A)
と断面図(B)である。
【図2】 本実施形態におけるマグネシウム合金板への
アルミニウム合金ボスの溶接状態を示す側面図(A)と
溶接後を示す断面図(B)である。
【図3】 本実施形態の溶接法にてマグネシウム合金板
にボスを形成した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 マグネシウム合金板 2 ボス(アルミニウム合金の) 20 タップ 21 突起 T 電極(溶接機の)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23K 11/34 B23K 11/34 // B23K 103:08 103:08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウム合金板の取付け面を、酸化
    被膜除去処理した後に、マグネシウム合金材、又はアル
    ミニウム合金材の何れかからなるボス材を、前記取付け
    面に載置してプロジェクション溶接法により一体化させ
    たことを特徴とするマグネシウム合金板へのボス形成方
    法。
  2. 【請求項2】 酸化被膜除去処理を、ショットブラスト
    処理で行うことを特徴とする請求項1記載のマグネシウ
    ム合金板へのボス形成方法。
  3. 【請求項3】 プロジェクション溶接法の溶接条件にお
    いて、 同寸法におけるアルミニウム合金のボス材のアルミニウ
    ム合金板への溶接条件と比較して、加圧力条件を160
    〜190%の範囲内に設定したことを特徴とする請求項
    1、又は2記載のマグネシウム合金板へのボス形成方
    法。
  4. 【請求項4】 プロジェクション溶接法の溶接条件にお
    いて、 さらに、同寸法におけるアルミニウム合金のボス材のア
    ルミニウム合金板への溶接条件と比較して、印加する電
    圧条件を20%の範囲内で低減すること、及び通電する
    電流条件を20%の範囲内で低減することの、少なくと
    も一方の条件を付加したことを特徴する請求項3記載の
    マグネシウム合金板へのボス形成方法。
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