JP2007216257A - 高強度部品製造方法、高強度部品製造方法に用いられる熱間プレス成形型及び高強度部品製造方法における中間成形品 - Google Patents

高強度部品製造方法、高強度部品製造方法に用いられる熱間プレス成形型及び高強度部品製造方法における中間成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】熱間プレス技術を用いる高強度部品製造において、熱間プレス工程の後の外形抜きを容易に行なうようにすることである。
【解決手段】熱間成形工程において、加熱された鋼板8は、下金型12と上金型14とで挟まれたフランジ部22と、コーナー部24と、ポンチ20の側壁と上金型14の成形穴の内側とで挟まれた立壁部26とを含む形状となる。ダイ10において下金型12と上金型14とで鋼板を挟み込む部分の一部に、ダイ10のその他の部分より熱伝導率が低い材料で構成される断熱部18が設けられる。断熱部18は、加熱された鋼板8を挟み込むとき、ダイ10の他の部分よりも鋼板8の熱を逃がす能力が低く、したがって、その部分の鋼板8の冷却速度を他の部分に比べ緩やかにし、焼入れによる硬度上昇を抑制する機能を有する。この硬度の低い部分が外形抜きの部位として用いられる。
【選択図】図3

Description

本発明は、高強度部品製造方法、それに用いられる熱間プレス成形型及びその中間成形品に係り、特に、加熱された鋼板を成形型によりプレス成形と同時に冷却し焼入れ成形された中間成形品を製造する工程と、その後に外形抜きする工程とを含む高強度部品製造方法、その高強度部品製造方法に用いられる熱間プレス成形型及びその高強度部品製造方法における中間成形品に関する。
近年、CO排出量低減の面等から、車両の燃費向上が求められており、そのためにも車両の軽量化が必要となってきている。鋼板をプレス成形するボデー部品は、車両を構成する主要部品であり、ボデー部品の軽量化が車両の軽量化を大きく左右する。最近、鋼板の軽量化の目的として、高強度鋼板がボデー部品に適用され始めてきている。これらの高強度鋼板を用いて部材の板厚を薄くすることにより、ボデー部品の軽量化を図ることができる。
一方で車両に要求される他の重要な性能として、衝突安全性能があり、その要求レベルはますます高まってきている。高強度鋼板は、その高強度の反面、追加工が困難であることがあるので、高強度鋼を使用しつつ、この衝突安全性能の確保等に対応する形状を作るためには、多くの補強部材が必要になってくる。その対応として、熱間プレス技術が提案されている。熱間プレス技術は、鋼板を850℃以上に加熱し、その後直ちに金型に挿入し、プレス成形と金型冷却による焼入れで高強度化を同時に行なう技術で、これによりビッカース硬度の値で350を超える高強度な成形部材を得ることが可能となる。
例えば特許文献1には、成形割れを生じることなく絞り成形可能な熱間プレス成形方法及び熱間プレス成形型が開示されている。ここでは、熱間プレス成形型のポンチとダイには製品形状となる成形面を冷却する冷却手段が設けられ、一方ダイとブランクホルダにおいては、その対面するホルダ面を加熱する電熱ヒータ等が設けられている。この構成において、絞り加工の進行に連れてブランクホルダのホールド面とダイのホールド面とで保持したブランク材がポンチとダイからなる成形面に引き込まれる材料の流入が発生し、最終的には成形面に沿って成形されると同時に急冷されて焼入れされる。この材料の流入時に、ブランク材の温度は、ブランクホルダのホールド面とダイのホールド面との加熱部位間に保持されるため、焼入れされる程度までは急冷されていないので、急冷されて強度が増加し材料の流入抵抗が増加することを防止でき絞り成形に必要な材料流入量を確保できる、と述べられている。
特開2005−205416号公報
熱間プレス技術は、高強度な成形部品を得ることができ、ボデー等の軽量化に有効な技術と考えられる。しかしながら、熱間プレス技術によって成形された部品は、その高強度のために、熱間プレスの後の加工、例えば熱間絞り成形後の外形抜きを行なう場合、その工具あるいは抜き刃の選定が重要となる。すなわち、従来のプレス工程の後のように、通常の金型鋼で造られた抜き刃にて外形を抜くと、通常の鋼板の外形抜きに比べ、はるかに少ない抜き個数で刃先先端が摩耗し、場合によっては刃が早期に欠けることがある。このため、レーザ加工等の技術によって、熱間プレス技術によって得られた成形部品を外形抜きすることが考えられるが、工数がかかり生産効率が低下する。
このように、熱間プレス技術においては、その後の外形抜きが困難なため、外形抜きを必要としない成形部品にその適用が制限されている。
本発明の目的は、熱間プレス技術を用いる高強度部品製造において、熱間プレス工程の後の外形抜きを容易に行なうことができる高強度部品製造方法、高強度部品製造方法に用いられる熱間プレス成形型及び高強度部品製造方法における中間成形品を提供することである。
本発明に係る高強度部品製造方法は、加熱された鋼板を成形型によりプレス成形と同時に冷却し、焼入れ成形された中間成形品を得る熱間プレス工程と、中間成形品を外形抜きして部品形状とする外形抜き工程と、を含む高強度部品製造方法であって、熱間プレス工程は、プレス成形の際に加熱された鋼板を保持し冷却する上下金型の少なくとも一方金型の一部に断熱部を設け、中間成形品の外形抜き用のフランジ部分において、中間成形品の立壁部からの距離が2mm以上の部分で幅が1mm以上50mm以下の部分のビッカース硬度が、焼入れされた他の部分よりも低い値の180以上300以下となるように成形することを特徴とする。
また、本発明に係る高強度部品製造方法に用いられる熱間プレス成形型は、加熱された鋼板を成形型によりプレス成形と同時に冷却し焼入れ成形された中間成形品を製造し、その後外形抜きして部品形状とする高強度部品製造方法に用いられる熱間プレス成形型であって、プレス成形の際に加熱された鋼板を保持し冷却する上下金型の少なくとも一方金型の一部は、中間成形品の外形抜きする部分に対応する部分に表面粗さが12μm以下のセラミックス層の断熱部を有することを特徴とする。
また、高強度部品製造方法における中間成形品は、加熱された鋼板を成形型によりプレス成形と同時に冷却し焼入れ成形された中間成形品を製造する工程と、その後に外形抜きする工程とを含む高強度部品製造方法における中間成形品であって、成形形状の立壁部に接続する外形抜き用のフランジ部を有し、フランジ部分は、立壁部からの距離が2mm以上の部分で幅が1mm以上50mm以下の外形抜き部分のビッカース硬度が、焼入れされた他の部分よりも低い値の180以上300以下であることを特徴とする。
上記構成により、熱間プレス工程は、プレス成形の際に加熱された鋼板を保持し冷却する上下金型の少なくとも一方金型の一部に断熱部を設け、中間成形品の外形抜き用のフランジ部分において、中間成形品の立壁部からの距離が2mm以上の部分で幅が1mm以上50mm以下の部分のビッカース硬度が、焼入れされた他の部分よりも低い値の180以上300以下となるように成形する。断熱部は、加熱された鋼板を金型で冷却する際に、その冷却速度を緩やかにする機能を有するので、成形時にその断熱部で保持された部分の硬度は、冷却速度が速い他の部分に比べ、軟らかい。そこで外形抜き用のフランジ部を成形時にこの断熱部にて保持して熱間プレス成形し、フランジ部分の硬度が低い中間成形品とすることで、その後の外形抜きが容易となる。
また、加熱された鋼板を保持し冷却する上下金型の少なくとも一方金型の一部に、断熱部として表面粗さが12μm以下のセラミックス層を設ける。セラミックスは、金属製である金型よりも熱伝導度が小さいので、断熱部の材料として適している。そしてその表面粗さが粗すぎると、鋼板を挟む摩擦力が大きくなり、熱間プレス加工における成形のための塑性鋼板流入量が少なくなり、断熱部の部位の硬度が低いこともあって、この部位でプレス割れが生じることがある。そこで、その表面粗さを12μm以下とすることで、プレス割れを防止することができる。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下では、高強度部品の外形抜き後の形状として、頂部と立壁部とを有するものとし、外形抜き前の熱間プレス工程後の中間成形品の形状を、この円筒状の部品の立壁部に外形抜き用のフランジ部を接続した、いわゆるハット断面の形状として説明する。これは説明の一例であって、これ以外の形状であっても、外形抜き用のフランジ部を有する中間成形品を熱間プレス技術によって成形し、その後にフランジ部のところで外形抜きする高強度部品であればよい。
図1から図5は、熱間プレス技術を用いる高強度部品製造方法の各工程を説明する図である。高強度部品製造の手順は、大別して熱間プレス工程とその後の外形抜き工程になる。図1、図2は熱間プレス工程を構成する各工程を説明し、図3は、金型の構造を説明するための部分拡大図である。図4、図5は、外形抜き工程と、外形抜き後の高強度部品の様子を説明する図である。
高強度部品製造の手順の最初は、熱間プレス用鋼板を加熱する鋼板加熱工程である。ここでは、焼入れによって高強度化できる鋼材を、その後の急冷によって焼入れするために適当な温度に加熱する。1例を上げると、この工程は、板厚1.4mmの炭素鋼板を850℃以上、例えば900℃20分で大気中にて炉中加熱する工程である。
次は、加熱された鋼板を金型内にセットする金型セット工程である。図1は、金型セット工程を説明する図である。ここでは、金型全体はダイ10とポンチ20とで構成され、ダイ10は、下金型12と上金型14とからなり、下金型12と上金型14は、その中心部にポンチ20を通す成形穴16を有する構造が示されている。成形穴16の内部形状は、鋼板8の板厚分に相当するだけ、ポンチ20の外形より大きめに設定される。この金型構造を用いることで、下金型12と上金型14との間に薄板材料を挟み、成形穴16に沿ってポンチ20を突き上げて薄板をいわゆるハット形状に成形することができる。ハット形状とは、頂部と立壁部とフランジ部とを有し、断面形状が鍔付き帽子状になっているものである。ここで図1に、薄板を挟む上金型14の面の一部に断熱部18が設けられていることが示されているが、この断熱部18の詳細については後述する。金型セット工程は、ポンチ20を下げ、ダイ10を開放して下金型12と上金型14との間を広げ、その間に加熱された鋼板8を挿入しセットする工程である。
金型に加熱された鋼板8がセットされると、次は熱間成形工程である。ここでは、ダイ10を閉じて鋼板8を下金型12と上金型14とで挟み、次いでポンチ20を成形穴16に沿って突き上げ、鋼板8をハット形状に成形すると同時に、金型を介して高温の鋼板8の熱を逃がして急冷させ、これにより焼入れが行われる。その様子を図2に示す。
熱間成形工程においては、鋼板8はポンチ20によって突き上げられ、塑性変形してハット形状となる。ハット形状を形成する塑性加工のために、鋼板8は、下金型12と上金型14との間からポンチ20に沿うように材料供給が行なわれる。つまり、塑性加工の過程で、鋼板8は、下金型12と上金型14との間で挟まれながら、ポンチ20方向に移動する。図3は、熱間成形工程におけるダイ10とポンチ20と鋼板8の関係を示す図で、ここでは、金型構造が拡大して示されている。特に、鋼板8とダイ10及びポンチ20との間の隙間は誇張して示されている。ここで、鋼板8は、下金型12と上金型14とで挟まれたフランジ部22と、フランジ部22からポンチ20の側壁に沿って曲がるコーナー部24と、ポンチ20の側壁と上金型14の成形穴の内側とで挟まれた立壁部26とを含む形状となっている。
上金型14の面の一部には、上記のように断熱部18が設けられる。ここで断熱部18の詳細について説明する。断熱部18は、ダイ10において下金型12と上金型14とで鋼板を挟み込む部分の一部に設けられ、ダイ10のその他の部分より熱伝導率が低い材料で構成される。断熱部18は、加熱された鋼板8を挟み込むとき、ダイ10の他の部分よりも鋼板8の熱を逃がす能力が低く、したがって、その部分の鋼板8の冷却速度を他の部分に比べ緩やかにし、焼入れによる硬度上昇を抑制する機能を有する。したがって、断熱部18の配置は、ハット構造の中間成形品の硬度が低い部位を規定することになるので、次に述べる外形抜きの工程を考慮して次のように設定されることが好ましい。なお、以下では寸法a,bを中間成形品の寸法として説明するが、中間成形品の板厚、すなわち鋼板8の板厚tが薄いときは、上金型14の寸法とほぼ同じと考えることができる。ここでは、上記の例のように、鋼板8の板厚tが1.4mmの場合について、寸法a,bの範囲を説明する。
図3における寸法aは、中間成形品の立壁部26からの距離を規定するため、2mm以上100mm以下が好ましい。これは、寸法aが2mm未満であると通常の外形抜きのための刃具を使用することが困難であるばかりでなく、熱間プレス加工後の立壁部26とフランジ部22とを接続するコーナー部24をも切り取ってしまうからである。また、aが100mmを超えると、製品歩留まりが低下する。したがって寸法aは、2mm以上100mm以下とすることが好ましい。
図3における寸法bは、次の外形抜き工程でフランジ部22の外形抜きが行われる部位の幅寸法を規定するため、1mm以上50mm以下が好ましい。これは、寸法bが1mm未満であると通常の外形抜きのための刃具を使用することが困難であることと、寸法bが50mmを超えると、硬度の低い部位の幅が大きすぎて熱間プレス加工における塑性加工時の鋼板流入量に問題が生じ、この部位近傍でプレス割れが生じることがあるからである。したがって寸法bは1mm以上50mm以下が好ましい。
また、図3における寸法bの硬さは、次の外形抜き工程でフランジ部22の外形抜きが行われる部位の硬さであるので、ビッカース硬度の値で180以上300以下とすることが好ましい。なお、中間成形品の他の部位、例えばハット構造の立壁部26や頂部の硬さは、ビッカース硬度の値で400から500である。この寸法bの硬さがビッカース硬度の値で180未満では、硬度が低すぎて熱間プレス加工における塑性加工時の鋼板流入量に問題が生じ、この部位近傍でプレス割れが生じることがある。また、ビッカース硬度の値が300を超えると、通常の外形抜きのための刃具を使用することが困難である。したがって寸法bにおける硬度は、ビッカース硬度の値で180以上300以下が好ましい。
断熱部18は、材質がセラミックスであることが好ましい。セラミックスの熱伝導率は、下金型12、上金型14、ポンチ20の材質である金型鋼あるいは工具鋼の熱伝導率に比べ、格段に低い値を有する。セラミックスの種類としては、その熱伝導率が工具鋼の熱伝導率に比較して十分低く工業的に利用できるものであればいずれでもよいが、例えばアルミナ、ジルコニア、シリカ等を用いることができる。図1から図3においては、断熱部18を上金型14に設けているが、これを下金型12に設けてもよく、また上金型14と下金型12の双方に設けてもよい。
セラミックスを上金型14の所定の配置位置に装着するには、金型強度を確保し、工業的に製造できる方法であればどのような方法を用いてもよい。例えばプラズマ容射法によって、上金型14の所定のくぼみにセラミックスを形成し、あるいは別途形状化されたセラミックスを上金型14の所定のくぼみに焼きばめする方法で装着してもよい。
断熱部18の表面粗さ、すなわち上記の例で、セラミックスの鋼板8に対面する表面粗さRzは、鋼板8の移動に対する摩擦力を規定するので、0.8μm以上12μ以下とすることが好ましい。ここで表面粗さRzは、表面位置の最大値と最小値との差で示されるものである。通常のプラズマ容射法あるいはセラミック外形加工法ではその表面粗さRzがおよそ50μm程度であるが、この粗さでは断熱部18と鋼板8との間の摩擦力が大きすぎ、熱間プレス加工における塑性加工時の鋼板流入量に問題が生じ、この部位近傍でプレス割れが生じることがある。これを防ぐには表面粗さRzを12μm以下とすることが好ましい。また、表面粗さが0.8μm未満では表面仕上げに時間がかかりすぎる。したがって、断熱部18のセラミックスの表面粗さRzは、0.8μm以上12μ以下が好ましい。
図4に、熱間成形工程においてハット構造に成形された中間成形体30の様子が示される。中間成形体30は、頂部28と、それから下部に延びる立壁部26と、立壁部26からコーナー部24を介して曲げられたフランジ部22を含んだ形状を有する。ここで、上記のように、熱間成形工程におけるダイ10の断熱部18の機能により、フランジ部22は、立壁部からの距離が2mm以上の部分で幅が1mm以上50mm以下の外形抜き部分のビッカース硬度が、焼入れされた他の部分、例えば立壁部26や頂部28のビッカース硬度よりも低い値の180以上300以下である。
このようにして製造された中間成形体30に対し、次に外形抜き工程が行われる。外形抜き工程は、図4に矢印32で示されるように、中間成形体30の硬度の低い部位、すなわち寸法bの部分に、外形抜き刃具が当てられ、フランジ部22の不要部分が切り落とされる工程である。このようにして外形抜きされ、硬度の高い部分のみで構成される高強度部品34の断面図が図5に示される。上記のように、熱間プレス技術によってダイ10及びポンチ20によって冷却され焼入れされた硬度の高い部分は、ビッカース硬度の値で400から500である。なお、フランジ部で残された部分の寸法は、上記寸法aで定まるもので、高強度部品34の仕様等によって設定することができる。例えば、高強度部品34の仕様上フランジ部で残された部分が不要のときは、寸法aをできるだけ小さくする。高強度部品34が他の部品への取り付け等のために適当な幅のフランジ部が必要なときは、その仕様に合わせて寸法aを定めることができる。
具体的に実施例と比較例を実験した。使用した熱間プレス用鋼板は、炭素量が0.21重量%、他に微量のSi及びMn等が添加された成分の鋼板で、その厚さは1.4mmである。用いた熱間プレス金型は、図3で説明したようにダイとポンチから構成されハット構造を成形するためのものである。ダイ及びポンチは断熱部を除き通常の金型鋼を用いた。断熱部は図3に説明したように上金型に設け、その装着方法としてプラズマ容射法あるいは焼きばめ法を用いた。プラズマ容射法は、下地処理として事前にNiCr合金を容射し、その後に所定厚さになるようにアルゴンガスを用いてセラミックスを容射した。焼きばめ法は、上金型を約300℃に加熱して行なった。断熱部の配置はいくつかのものを用意した。
熱間プレスは、鋼板を約900℃で20分、大気中にて炉中加熱し、その後直ちに熱間プレス金型に挿入して行なった。得られた中間成形品は、ハット構造断面の頂部及び立壁部の硬度が、ビッカース硬度の値で約400から約450の範囲であり、熱間プレス部材として十分な硬さであることが確かめられた。
得られた中間成形品を通常の外形抜き刃具を用いて外形抜きを行い、その連続外形抜き可能個数を評価した。その結果を図6に示す。ここでは実施例として3つ、比較例として4つ示されている。断熱部の材質はアルミナ、ジルコニアの2種類のセラミックスを比較し、断熱部の装着方法は上記のようにプラズマ容射法と焼きばめ法とを比較し、その厚さd、表面粗さRzは数種類を比較した。なお、比較例1は、断熱部を設けないものである。
そして、中間成形品について寸法a、寸法bを断熱部の配置で規定し、寸法bの部分のビッカース硬度の値としての硬さHvを測定した。評価としての外形抜き性能は、連続外形抜き可能性個数が1000以上のものを○、それ未満のものを×とした。
図6に示されるように、実施例1から3まではいずれも良好な外形抜き性能を示した。一方で、断熱部を設けない比較例1は、外形抜き部分の硬度がビッカース硬度の値で約450と高いため、連続外形抜き個数が1000に達しなかった。また、比較例2では、断熱部の表面粗さが大きすぎてその摩擦力のため熱間プレス加工における塑性加工時の鋼板流入量が低下し、この部位近傍で熱間プレス割れが生じた。さらに比較例3では、寸法bが大きすぎ、熱間プレス加工における塑性加工時の鋼板流入量が低下し、この部位近傍で熱間プレス割れが生じた。さらに比較例4では、寸法bの硬さが低すぎ、熱間プレス加工における塑性加工時の鋼板流入量が低下し、この部位近傍で熱間プレス割れが生じた。なお、断熱層の材質、装着の製法、厚さdについては、特に外形抜き性能に有意差を与えていない。
本発明に係る実施の形態における高強度部品製造方法の金型セット工程を説明する図である。 本発明に係る実施の形態における高強度部品製造方法の熱間成形工程を説明する図である。 本発明に係る実施の形態における金型の構造を説明するための部分拡大図である。 本発明に係る実施の形態における高強度部品製造方法の外形抜き工程を説明する図である。 本発明に係る実施の形態における高強度部品製造方法の中間成形品を示す図である。 本発明に係る実施の形態において得られた中間成形品について比較例とともに外形抜き性能を実験した結果をまとめた図である。
符号の説明
8 鋼板、10 ダイ、12 下金型、14 上金型、16 成形穴、18 断熱部、20 ポンチ、22 フランジ部、24 コーナー部、26 立壁部、28 頂部、30 中間成形体、32 外形抜きを示す矢印、34 高強度部品。

Claims (3)

  1. 加熱された鋼板を成形型によりプレス成形と同時に冷却し、焼入れ成形された中間成形品を得る熱間プレス工程と、
    中間成形品を外形抜きして部品形状とする外形抜き工程と、
    を含む高強度部品製造方法であって、
    熱間プレス工程は、
    プレス成形の際に加熱された鋼板を保持し冷却する上下金型の少なくとも一方金型の一部に断熱部を設け、中間成形品の外形抜き用のフランジ部分において、中間成形品の立壁部からの距離が2mm以上の部分で幅が1mm以上50mm以下の部分のビッカース硬度が、焼入れされた他の部分よりも低い値の180以上300以下となるように成形することを特徴とする高強度部品製造方法。
  2. 加熱された鋼板を成形型によりプレス成形と同時に冷却し焼入れ成形された中間成形品を製造し、その後外形抜きして部品形状とする高強度部品製造方法に用いられる熱間プレス成形型であって、
    プレス成形の際に加熱された鋼板を保持し冷却する上下金型の少なくとも一方金型の一部は、中間成形品の外形抜きする部分に対応する部分に表面粗さが12μm以下のセラミックス層の断熱部を有することを特徴とする高強度部品製造方法に用いられる熱間プレス成形型。
  3. 加熱された鋼板を成形型によりプレス成形と同時に冷却し焼入れ成形された中間成形品を製造する工程と、その後に外形抜きする工程とを含む高強度部品製造方法における中間成形品であって、
    成形形状の立壁部に接続する外形抜き用のフランジ部を有し、
    フランジ部分は、立壁部からの距離が2mm以上の部分で幅が1mm以上50mm以下の外形抜き部分のビッカース硬度が、焼入れされた他の部分よりも低い値の180以上300以下であることを特徴とする高強度部品製造方法における中間成形品。
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