JP5909263B2 - 清澄剤として鉄およびスズを含有する無アルカリガラス - Google Patents

清澄剤として鉄およびスズを含有する無アルカリガラス Download PDF

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Description

本発明は、アクティブマトリクス液晶ディスプレイ(AMLCD)などのフラットパネルディスプレイ装置における基板として使用するための所望の物理的性質および化学的性質を示す無アルカリボロアルミノシリケートガラスに関する。その態様のあるものによれば、本発明は、そのようなガラスの清澄(fining)(当該技術分野において「精錬(refining)」とも称する)に関する。
A. ディスプレイ技術
ディスプレイは、広く、放射型(例えば、CRTおよびプラズマディスプレイパネル(PDP))および非放射型の2つのタイプの内の1つに分類される。液晶ディスプレイ(LCD)が属するこの後者の部類は外部光源に依存し、ディスプレイは光変調器としてしか機能を果たさない。液晶ディスプレイの場合、この外部光源は、周囲光(反射型ディスプレイに用いられる)または専用光源(直視型ディスプレイに見られるような)のいずれかである。
液晶ディスプレイは、光を変調するために液晶(LC)材料の3つの固有特性に依存する。第1の特徴は、偏光を旋光するLC材料の能力である。第2の特徴は、液晶の機械的配向へのそのような旋光の依存性である。そして、第3の特徴は、外部電場の印加によって機械的に配向する液晶の能力である。単純なねじれネマティック(TN)液晶ディスプレイの構造において、2枚の基板が液晶材料層を挟んで取り囲む。ノーマリ・ホワイトとして知られるディスプレイタイプにおいて、基板の内面にアライメント層を設けることによって、液晶配向子が90°旋回する。これは、液晶セルの一方の面に進入する直線偏光が、液晶材料によって90°旋回することを意味する。互いに90°配向された偏光膜が、各基板の外面に配置される。
光は、第1の偏光膜に進入する際に、直線偏光される。液晶セルを横切るときに、この光の偏光は、90°旋回し、第2の偏光膜を通って抜け出ることができる。液晶層に亘り電場を印加すると、液晶配向子を電場でアライメントし、旋光能力が妨げられる。このセルを通過する直線偏光は、その偏光が旋回されず、よって、第2の偏光膜によって遮断される。それゆえ、最も単純な意味で、液晶材料は光弁となり、光の透過を許可または阻止するその能力は電場の印加により制御される。
上述した説明は、液晶ディスプレイ内の1つのピクセルの動作に関する。高度情報型ディスプレイでは、当該技術分野においてサブピクセルと称されるこれらのピクセルを数百万個、マトリクス形態に組み込む必要がある。これらのサブピクセルの全てにアドレスする、すなわち、これらのサブピクセルの全てに電場を印加しながら、アドレス速度を最大にし、かつクロストークを最小にするには、いくつかの課題がある。サブピクセルにアドレスする好ましい方法の1つは、各サブピクセルに位置する薄膜トランジスタで電場を制御することによるものであり、これは、アクティブマトリクス液晶ディスプレイ装置(AMLCD)の基礎をなす。
これらのディスプレイの製造は極めて複雑であり、基板用ガラスの性質は極めて重要である。まず第1に、AMLCD装置の製造に用いられるガラス基板は、厳しく制御された物理寸法を有する必要がある。ダウンドローシート延伸法、特に、特許文献1(ドカーティ(Dockerty))および特許文献2(ドカーティ)に記載されたフュージョン法は、ラップ仕上げや研磨などの費用のかかる成形後の仕上げ作業を必要とせずに、基板として使用できるガラスシートを供給できる数少ないプロセスの内の1つである。残念ながら、フュージョン法は、ガラスの性質に厳しい制限を加えるというよりは、比較的高い液相線粘度、好ましくは100,000ポアズより大きい、より好ましくは150,000ポアズより大きい液相線粘度を必要とする。
一般に、フラットパネルディスプレイを構成する2枚のプレート(基板アセンブリ)は別々に製造される。一方のカラーフィルタプレートは、その上に一連の赤、青、緑、および黒の有機染料が堆積されている。これらの原色の各々は、相手方のアクティブプレートのサブピクセルに精密に対応しなければならない。2枚のプレートの製造中に遭遇する周囲の熱条件の差の影響を除くために、寸法が熱条件に依存しない基板用ガラス(すなわち、熱膨張係数が低いガラス)を使用することが望ましい。しかしながら、この性質は、膨張の不一致のために、堆積される膜(例えば、シリコン膜)と基板との間に応力が生じることによってバランスをとる必要がある。最適な熱膨張係数(CTE)は、28〜35×10-7/℃(0〜300℃)、好ましくは28〜34×10-7/℃(0〜300℃)、より好ましくは28〜33×10-7/℃(0〜300℃)の範囲にあると推測される。
アクティブ薄膜トランジスタを含んでいるのでそう呼ばれるアクティブプレートは、典型的な半導体式プロセスを用いて製造される。これらには、スパッタリング、CVD、フォトリソグラフィー、およびエッチングが含まれる。これらのプロセス中にガラスが不変であることが非常に望ましい。それゆえ、ガラスは、熱安定性および化学的耐久性の両方を示す必要がある。
熱安定性(熱圧縮または収縮としても知られている)は、特定のガラス組成の固有粘度(歪み点により示される)および製造プロセスにより決まるガラスシートの熱履歴の両方に依存する。特許文献3(ダンボー(Dumbaugh)等)および特許文献4(チャコン(Chacon)等)には、650℃を超える歪み点を有するガラスであって、フュージョン法の熱履歴に曝されたときに、a−Si薄膜トランジスタ(TFT)および超低温p−SiTFTの両方に基づくアクティブプレートにとって許容される熱安定性を示すガラスが開示されている。より高温の加工(低温p−Si TFTにより必要とされるような)では、熱安定性を確実にするためにガラス基板の徐冷工程を追加する必要があるであろう。
化学的耐久性は、製造プロセスに用いられる様々なエッチング液の攻撃に対する耐性を意味する。シリコン層をエッチングするのに用いられるドライエッチング条件の攻撃に対する耐性が特に興味深い。ドライエッチング条件を基準評価するために、基板サンプルを110BHFとして知られているエッチング液に曝露する。このテストは、1体積の50質量%のHFおよび10体積の40質量%のNH4Fの溶液中にガラスのサンプルを30℃で5分間に亘り浸漬するものである。サンプルは、質量損失および外観についてランク付けされる。110BHFテストに加え、ガラス基板は、酸条件に対する耐性についてもテストされる。この場合、エッチング液は5%のHClであり、ガラスサンプルは、このテスト溶液に95℃で24時間に亘り浸漬される。
これらの要件に加え、AMLCD製造業者は、ディスプレイサイズの大型化の需要および規模の経済性の両方のために、より大きなサイズのガラス片を加工するように駆り立てられていると考えている。現行の業界基準は第6世代(1500mm×1850mm)および第7世代(1870mm×2200mm)であるが、将来への努力は、各辺が2メートルを超えるより大きなサイズにまで適合されている。このためいくつかの懸念が生じる。
第1の懸念は単純にガラスの質量である。ある世代から次の世代に進む上で、ガラス質量の増加は、ガラスを加工ステーションに搬送しそれに通すために用いられるロボット式取扱装置にとって重大な影響を及ぼす。その上、ガラス密度およびヤング率に依存する弾性垂れ下がりは、シートサイズが大きくなるにつれて特に重大な問題となり、加工ステーション間でガラスを運搬するのに用いられるカセット内にガラスを装填したり、取り出したり、ガラス同士の間隔を空けたりする能力に影響を及ぼす。
質量と垂れ下がりの問題に加え、基板の増加するサイズは、欠陥のないガラスシートを製造するという観点で大変な課題をもたらす。サブピクセルのサイズは小さいので、ディスプレイ用途に用いられる基板は、実質的に完全に欠陥がないものでなくてはならない。
欠陥の主要源の1つは、バッチ材料が溶融されているときの、溶融ガラス中の空気の捕捉から生じるガス状異物(inclusion)(「ぬかあわ(seed)」としても知られている)である。歴史的に、そのようなガス状異物は、清澄剤としてヒ素を使用することにより除去されてきた。しかしながら、ヒ素は、環境と健康上の問題を引き起こし、それゆえ、ヒ素レベルの低いガラス、好ましくはヒ素を実質的に含まないガラスを製造する試みが当該技術分野において引き続き行われている。特許文献5(ドーフェルド(Dorfeld)等)、特許文献6(バンゲ(Bange)等)、特許文献7(バンゲ等)および特許文献8(デアンジェリス(DeAngelis)等)には、無ヒ素ガラスを製造するプロセスが開示されている。
ヒ素による清澄をアンチモンによる清澄で置き換える試みが行われてきた。しかしながら、アンチモン自体にも、環境と健康上の問題がある。また、ヒ素と比較すると、アンチモンは、それほど効果的な清澄剤ではない。
定量的に言えば、工業的に製造されているガラスシートにおけるガス状異物レベルは、少なくとも500cm3の体積を有するシートについて、0.10ガス状異物/ガラスのcm3以下、好ましくは0.05異物/cm3以下である必要がある。さらに、1枚か数枚のガラスシートに低レベルのガス状異物を達成するだけでは十分ではなく、経済的であるためには、ガラス製造業者は、上述した低異物レベルを一貫して達成する必要がある。そのような一貫性の尺度は、連続的に製造されるガラスシートの個体群、例えば、50枚の連続したガラスシートの個体群におけるガス状欠陥レベルを調査することである。それゆえ、工業的に実行可能性であるために、ディスプレイ用途における基板として使用することが意図されたガラスは、少なくとも50枚の連続シートに亘り、平均して上述した(またはそれより良好な)ガス状異物レベルを達成する必要がある。
上述した点に鑑みて、ディスプレイ装置用のガラス組成物であって、より大きなサイズに関連する難点を緩和するための低い密度、好ましくは2.45グラム/cm3以下の密度、および例えば、フュージョン法により製造できるようにするための100,000ポアズ以上の液相線粘度を有するガラス組成物を提供することが望ましいであろう。その上、そのガラスが、0〜300℃の温度範囲に亘り、28〜35×10-7/℃の範囲、好ましくは28〜34×10-7/℃の範囲、より好ましくは28〜33×10-7/℃の範囲の熱膨張係数(CTE)を有することが望ましいであろう。さらに、そのガラスが、650℃より高い歪み点を有し、エッチング液の攻撃に対して耐性であることが都合よいであろう。また、そのガラスが、清澄剤としてヒ素および/またはアンチモンを使用せずに工業的に製造されたときに、低いガス状異物レベルを有することも望ましいであろう。
B. LCD基板として使用するためのガラス中の鉄およびスズ
LCD基板として使用すべきガラスの鉄とスズの含有量が、数多くの文献において論じられてきた。
特許文献9は、LCDガラスのための清澄剤としてのアンモニウム塩の使用に関する。ガラス中のアンモニウム(NH4 +)の量は、0.001から0.01質量%、好ましくは0.0004から0.001質量%である。そのようなアンモニウム塩が効果的であるためには、ガラスは、この文献が高「還元度」と称しているものを有する必要がある。この還元度は、転じて、Fe2+にFe3+を加えたものに対するFe2+の比を測定することによって決定できる。この比を測定するために、この文献は、Fe23として計算されるFeの含有量が少なくとも0.0015質量%(15ppm)である必要があると述べている。上限では、Fe23として計算されるFeの含有量は、多くとも0.3質量%(3,000ppm)であり、ディスプレイ用途に使用されるガラスの場合には、多くとも0.2質量%(2,000ppm)、好ましくは多くとも0.1質量%(1,000ppm)、より好ましくは多くとも0.05質量%(500ppm)である。スズに関して、この文献は、そのガラスは、SnO2を含有しない、または含有する場合には、その含有量は、ガラス塊100部当たり多くとも0.03部(300ppm)、好ましくは100部当たり多くとも0.02部(200ppm)であると述べている。この文献のどの実施例もスズを含んでいない。
特許文献10は、Fe3+の濃度を0.005質量%(50ppm)以下に維持することによって、LCD基板の300ナノメートルでの吸収を減少させることに関する。この文献には、特定のガラス組成は開示されておらず、SnO2についても言及されていない。
特許文献11も、300ナノメートル、並びにそれより長い波長での光透過に関する。この文献には、Fe23で表したときに、0.008〜0.050質量%(80〜500ppm)のFe3+含有量と、Fe23で表したときに、0.009〜0.055質量%(90〜550ppm)の総酸化鉄含有量が開示されている。いくつかの実施例では、0.5質量%(5,000ppm)または1.0質量%(10,000ppm)レベルでスズを使用している。全ての実施例がヒ素および/またはアンチモンを含んでいる。
特許文献12は、鉄含有LCD基板の透過率に関するさらに別の文献である。この文献は、Fe含有量を、Fe23で表して、0.005〜0.03質量%(50〜300ppm)(好ましくは0.007〜0.03質量%;70〜300ppm)に制限し、Fe3+をFe2+に転化するためにSnO2(0.01〜0.3質量%;100〜3,000ppm)をガラスに加えている。この文献によると、ヒ素はスズの効果を阻害し、よって、その濃度は0.1質量%以下、好ましくは0.05質量%以下である。低レベルのヒ素で清澄を行うために、この文献では、アンチモンと塩素を使用しており、ヒ素と異なり、アンチモンはUV範囲に吸収ピークを有するので、アンチモンの量は1.0質量%以下である。全ての実施例は、ヒ素、アンチモン、および塩素の内の少なくとも1種類を使用している。塩素しか有さない実施例は、200ppm以下のFe23含有量を有する。
いくつかの文献には、ヒ素も、アンチモンも、バリウムも含有しないガラスが開示されている。上述した特許文献9は、特許文献13のように、この種の実施例を含んでいる。この後者の特許文献では、ZnO、SO3、F、ClおよびSnO2を多くとも5モル%の総量で含んでもよいと述べられている。この特許文献には鉄は述べられておりず、どの実施例もスズも鉄も有していない。特許文献14は、ヒ素も、アンチモンも、バリウムも含有していない実施例を1つ(実施例3)含んでいる。この実施例は、1.0質量%のSnO2(10,000ppm)を含有している。この特許文献には、鉄は述べられていない。
米国特許第3338696号明細書 米国特許第3682609号明細書 米国特許第5374595号明細書 米国特許第6319867号明細書 米国特許第5785726号明細書 米国特許第6128924号明細書 米国特許第5824127号明細書 米国特許出願公開第2006/0242996号明細書 米国特許出願公開第2005/0096209号明細書 特開平7−202208号公報 特開2001−261366号公報 特開2004−189535号公報 米国特許第6169047号明細書 米国特許第5908703号明細書
第1の態様によれば、本発明は、アルカリを実質的に含まないガラスであって、酸化物基準のモルパーセントで表して、64.0〜71.0%のSiO2、9.0〜12.0%のAl23、7.0〜12.0%のB23、1.0〜3.0%のMgO、6.0〜11.5%のCaO、0〜2.3%(好ましくは0〜1.0%)のSrO、0〜2.3%(好ましくは0〜0.1%)のBaO、0〜0.05%(好ましくは0〜0.02%)のAs23、および0〜0.05%(好ましくは0〜0.02%)のSb23を含み、
(a) 0.010〜0.033モルパーセントの範囲のFe23として表された鉄含有量を有し、
(b) 0.017〜0.112モルパーセントの範囲のSnO2として表されたスズ含有量を有する、
ガラスを提供する。
第2の態様によれば、本発明は、アルカリ、バリウム、ヒ素、およびアンチモンを実質的に含まないガラスであって、
(a) SiO2、Al23、B23、MgO、CaO、およびSrO、
(b) 0.010〜0.033モルパーセントの範囲のFe23として表された鉄、および
(c) 0.017〜0.112モルパーセントの範囲のSnO2として表されたスズ、
を含むガラスを提供する。
第3の態様によれば、本発明は、ダウンドロー法(例えば、フュージョン法)によりアルカリを実質的に含まないガラスシートを製造する方法であって、シートを構成するガラスが、SiO2、Al23、B23、MgO、CaO、およびSrOを含み、
(i) 0.010〜0.033モルパーセントの範囲のFe23として表された鉄含有量、および
(ii) 0.017〜0.112モルパーセントの範囲のSnO2として表されたスズ含有量
を有するようにバッチ材料を選択し、溶融し、清澄させる各工程を含み、
(a) 清澄工程が、ヒ素またはアンチモンのいずれも多量に使用せずに行われ、
(b) 溶融され清澄されたバッチ材料からダウンドロー法によって製造された50枚の連続したガラスシートの個体群が、0.05ガス状異物/立方センチメートル未満の平均ガス状異物レベルを有し、個体群の各シートが少なくとも500立方センチメートルの体積を有する
方法を提供する。
第4の態様によれば、本発明は、ダウンドロー法(例えば、フュージョン法)によりアルカリを実質的に含まないガラスシートを製造する方法であって、
(a) シートを構成するガラスが、SiO2、Al23、B23、MgO、CaO、およびSrOを含むようにバッチ材料を選択し、
(b) 工程(a)で選択されたバッチ材料を溶融し、清澄させ、
(c) 工程(b)の溶融され清澄されたバッチ材料を用いてガラスシートを製造し(好ましくは、ヒ素またはアンチモンのいずれも相当な量では使用せずに)、
(d) 工程(c)のガラスシートを構成するガラスの、Fe23として表される鉄含有量を測定し、
(e) 工程(d)で測定した鉄含有量が0.010〜0.033モルパーセントの範囲から外れている場合には、工程(d)で測定した鉄含有量が0.010〜0.033モルパーセントの範囲に入るまで、工程(a)から(d)を繰り返す、
各工程を有してなる方法を提供する。
工程(e)の後、溶融され清澄されたバッチ材料からダウンドロー法によって製造された50枚の連続したガラスシートの個体群が、0.05ガス状異物/立方センチメートル未満の平均ガス状異物レベルを有し、個体群の各シートが少なくとも500立方センチメートルの体積を有することが好ましい。
本発明のこの態様の特定の好ましい実施の形態において、工程(d)で、ガラスシートを構成するガラスの、SnO2として表されるスズ含有量も測定され、0.017〜0.112モルパーセントの範囲から外れている場合には、工程(d)で測定されたスズ含有量が0.017〜0.112モルパーセントの範囲に入るまで、工程(a)から(d)を繰り返す。
本発明の先の態様の各々によれば、ガラスは、以下の性質の内の好ましくはいくつか、最も好ましくは全てを有する:
(a) 0.012〜0.024モルパーセントの範囲のFe23として表される鉄含有量、
(b) 0.021〜0.107モルパーセントの範囲のSnO2として表されるスズ含有量、
(c) 0.05モルパーセント以下のBaO含有量(すなわち、ガラスはBaOを実質的に含まない)、
(d) 0.002モルパーセント以下の硫黄元素として表される硫黄含有量(本発明のガラスについて約10ppm)、
(e) 0.4モルパーセント以下のハロゲン化物含有量(塩素に関しては、本発明のガラスについて約2200ppmに対応する)、および/または
(f) 0.5以下のFe2+対Fe3+の比。
本発明の先の態様の各々によれば、ガラスは、以下の性質の内の好ましくはいくつか、最も好ましくは全てを有する:
(a) 2.41グラム/cm3以下の密度、
(b) 100,000ポアズ以上の液相線粘度、
(c) 650℃以上の歪み点、および/または
(d) 関係式:
28×10-7/℃≦CTE≦35×10-7/℃
を満たす、0〜300℃の温度範囲に亘る線熱膨張係数(CTE)。
本発明の先の態様の各々によれば、ガラスは、以下の関係の内の好ましくは一方、最も好ましくはその両方を満たす:
(a) Σ[RO]/[Al23]≧1.00(好ましくは、Σ[RO]/[Al23]≧1.03)、および/または
(b) Σ[RO]/[Al23]≦1.25(好ましくは、Σ[RO]/[Al23]≦1.12)、
ここで、[Al23]はAl23のモルパーセントであり、Σ[RO]は、MgO、CaO、SrO、およびBaOのモルパーセントの合計である。
本発明のガラスについて、0.010〜0.033モルパーセントの範囲のFe23は約250〜800質量ppmに相当し、一方で、0.012〜0.024モルパーセントは約300〜600ppmに相当する。スズの場合、本発明のガラスについて、0.017〜0.112モルパーセントの範囲のSnO2は、約400〜2600質量ppmに相当し、一方で、0.021〜0.107モルパーセントの範囲は約500〜2500ppmに相当する。
先に規定された範囲はその範囲の端点を含むことに留意されたい。例えば、SiO2が酸化物基準の64.0〜71.0モルパーセントの濃度を有すると規定された場合、64.0および71.0の値はSiO2濃度の許容値に含まれる。同様に、濃度または他のパラメータが「XおよびYの間である」と記載されている場合、XおよびYの値はその範囲の一部に含まれる。
本発明の追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明に述べられており、一部は、その説明から当業者には容易に明らかであるか、またはここに記載された発明を実施することによって認識されるであろう。添付の図面は、本発明をさらに理解するために含められており、本明細書に包含され、その一部を構成する。
本明細書および図面に開示された本発明の様々な特徴は、任意の組合せと全ての組合せに使用できることが理解されよう。より一般に、先の概要および以下の詳細な説明の両方とも、本発明の単なる例示であり、発明の性質および特徴を理解するための概要または構成を提供することを意図したものである。
CaO−Al23−SiO2系の液相図 MgO−Al23−SiO2系の液相図 (i)ヒ素により清澄されたコーニング社(Corning Incorporated)のCode Eagle2000(登録商標)LCDガラス(曲線11)、および(ii)スズにより清澄された共に譲渡された米国特許出願第11/478493号にしたがって構成されたガラス(曲線13)に関する、透過率パーセント対ナノメートルで表された波長のプロット 1600℃での黒体に関して計算されたエネルギー対波長のプロット アルミノケイ酸塩ガラスにおける220ppmおよび300ppmの鉄に関する透過率曲線(左側の縦軸とそれぞれ、曲線17および19を参照のこと)と共に、500から2500nmの波長範囲に関する図4の膨張部分(右側の縦軸および曲線15を参照のこと)を示すグラフ 数日間に亘る実験に関するポンド値当たりの異物(気泡)へのΣ[RO]/[Al23]比の影響を示すグラフ 数日間に亘る実験に関するポンド値当たりの欠陥(気泡)への鉄含有量の影響を示すグラフ フュージョン法により製造されたガラスシートの定期点検中に発見されたポンド値当たりの気泡への鉄の影響を示すグラフ
A. 基礎ガラス
上述したように、本発明は、フラットパネルディスプレイ、例えば、AMLCDにおける基板として使用するための改良ガラスに関する。特に、本発明のガラスは、そのような基板の様々な特性要件を満たす。ガラスの主成分は、SiO2、Al23、B23、および少なくとも2種類のアルカリ土類酸化物、すなわち、少なくともMgOおよびCaOである。
SiO2は、本発明のガラスの基礎ガラス形成材として働く。その濃度は、フラットパネルディスプレイ用ガラス、例えば、AMLCD用ガラスに適した密度と化学的耐久性、およびそのガラスをダウンドロー法(例えば、フュージョン法)によって形成可能にする液相線温度(液相線粘度)をガラスに提供するために、64モルパーセント以上でなければならない。
とりわけ、フラットパネルディスプレイ用途、特に、AMLCD用途に使用するのに適するためには、本発明のガラスは、2.45グラム/cm3以下(より好ましくは2.43グラム/cm3以下、最も好ましくは2.41グラム/cm3以下)の密度と、研磨サンプルが5%のHCl溶液に95℃で24時間に亘り曝露されたときの0.8ミリグラム/cm2以下の質量損失と、1体積の50質量%のHFおよび10体積の40質量%のNH4Fの溶液に30℃で5分間に亘り曝露されたときの1.5ミリグラム/cm2未満の質量損失とを有することが好ましい。
ダウンドロー法によって形成されるために、本発明のガラスは、好ましくは100,000ポアズ以上、より好ましくは150,000ポアズ以上、最も好ましくは200,000ポアズ以上の液相線粘度を有する。
上限に関して、SiO2濃度は、従来の大容量の溶融技法、例えば、耐火性溶融装置内でのジュール加熱溶融を用いてバッチ材料を溶融できるようにするために、71モルパーセント以下でなければならない。SiO2の濃度が71モルパーセントを超えると、200ポアズである温度(溶融温度)が、一般に、従来の溶融プロセスにとって典型的に上限である1650℃を超えて上昇してしまう。
SiO2濃度は66.0および70.5モルパーセントの間であることが好ましく、66.5および70.0モルパーセントの間がより好ましく、67.0および69.5モルパーセントの間が最も好ましい。そのSiO2含有量の結果として、本発明のガラスは典型的に、1600℃以上かつ1650℃以下の溶融温度を有する。
SiO2は一般に、砂屑の堆積物から得られるか、もしくは砂岩または珪岩から採鉱された、アルファ石英から作られた砕砂として加えられる。これらは低コストで市販されているが、溶融挙動にほとんど影響を与えずに、一部または全てを他の結晶質または非晶質形態のSiO2で置換しても差し支えない。溶融SiO2は非常に粘性が強く、無アルカリガラス中にゆっくりと溶解するので、砂の少なくとも85%が、約150マイクロメートルのメッシュ開口サイズに相当する100のUSメッシュサイズを通過するようにその砂を粉砕することが一般に都合よい。製造において、細粒は、バッチ移送プロセスによって、またはエア・ハンドリング装置によって舞い上げられることがあり、これにより生じる健康被害を避けるために、砕砂の最小の分画を除去することも同様に望ましいであろう。
Al23は、本発明のガラスの別のガラス形成材である。9.0モルパーセント以上のAl23濃度により、液相線温度が低く、それに対応して液相線粘度が高いガラスが提供される。少なくとも9.0モルパーセントのAl23を使用すると、ガラスの歪み点およびヤング率も改善される。1.00以上のΣ[RO]/[Al23]を達成するために(以下参照)、Al23濃度は、12.0モルパーセント以下に維持する必要がある。Al23濃度が9.5および11.5モルパーセントの間であることが好ましい。
23は、ガラス形成材かつ溶融を補助し、溶融温度を低下させる融剤の両方である。これらの効果を達成するために、本発明のガラスは、7.0モルパーセント以上のB23濃度を有する。しかしながら、B23の量が多いと、歪み点(7.0モルパーセントを超えてB23が1モルパーセント増加するごとに約10℃)、ヤング率、および化学的耐久性が低下してしまう。
フラットパネル(例えば、AMLCD)用途に使用するために、本発明のガラスは、650℃以上(より好ましくは655℃以上、最も好ましくは660℃以上)の歪み点、10.0×106psi(約69.0GPa)以上(より好ましくは10.3×106psi(約71.0GPa)以上、最も好ましくは10.6×106psi(約73.1GPa)以上)のヤング率、およびガラスのSiO2含有量の議論に関して先に記載したような化学的耐久性を有することが好ましい。ガラス製造後の熱処理工程中の圧縮/収縮によるパネル歪みを防ぐのに役立つように、高い歪み点が望ましい。ヤング率が高いと、出荷および取扱い中の大型のガラスシートが示す垂れ下がりの量が減少するので、高いヤング率が望ましい。
上述した性質を達成するために、本発明のガラスは、12.0モルパーセント以下のB23濃度を有する。B23濃度が8.0および12.0モルパーセントの間であることが好ましく、8.5および11.5モルパーセントの間がより好ましく、9.0および11.0モルパーセントの間が最も好ましい。
Al23およびB23濃度は、ガラスの溶融と成形の性質を維持しながら、歪み点を上昇させ、ヤング率を増加させ、耐久性を改善し、密度を減少させ、CTEを減少させるように対で選択されることが好ましい。例えば、B23を増加させ、それに対応してAl23が減少すると、密度とCTEを低くするに役立つことができ、一方で、Al23が増加することによりΣ[RO]/[Al23]が1.00未満に減少しないという条件で、Al23を増加させ、それに対応してB23を減少させると、歪み点、ヤング率、および耐久性が増加するのに役立つことができる。参考に、先に述べたように、AMLCD用途に使用するためのガラスは、28〜35×10-7/℃の範囲にあるCTE(0〜300℃)を有することが好ましい。
ガラス形成材(SiO2、Al23、およびB23)に加え、本発明のガラスは、少なくとも2種類のアルカリ土類酸化物、すなわち、少なくともMgOおよびCaO、並びに随意的なSrOおよび/またはBaOを含んでもよい。アルカリ土類は典型的に、酸化物(特にMgO)、炭酸塩(CaO、SrOおよびBaO)、硝酸塩(CaO、SrOおよびBaO)、および/または水酸化物(全て)として加えられることが当該技術分野において知られている。MgOおよびCaOの場合、供給源として機能できる天然に生じる鉱物としては、ドロマイト((Cax、Mg1-x)CO3)、マグネサイト(MgCO3)、ブルーサイト(Mg(OH)2)、タルク(Mg3Si410(OH)2)、かんらん石(Mg2SiO4)および石灰岩(CaCO3)が挙げられる。これらの天然供給源は鉄を含み、この成分を加えるための手段として同様に用いても差し支えない。
アルカリ土類酸化物は、溶融、清澄、成形、および最終的な用途にとって重要な様々な性質をガラスに与える。例えば、ガラス中のMgO濃度および[Al23]がAl23のモルパーセントであり、Σ[RO]がMgO、CaO、SrOおよびBaOのモルパーセントの合計であるガラスのΣ[RO]/[Al23]比は、ガラスの性能にとって重要であり、特に、溶融性および清澄に関して重要である。
動作のいずれの特定の理論により拘束することを意図するものではないが、ガラスの化学的性質の以下の態様は、本発明のガラスにおけるMgOおよびΣ[RO]/[Al23]の役割に含まれると考えられる。
アルミノケイ酸塩ガラスにおいて、Al3+イオンは、4つの酸素イオン(O2-)により取り囲まれたがっていることが当該技術分野において知られている。このことが生じる手段の1つは、昔から、電荷均衡相互作用と呼ばれている。4つのO2-に結合した1つのケイ素イオン(Si4+)は、各O2-の結合要件に対して1/4×(+4)すなわち+1の増分電荷を与えるものと考えられる。転じて、これらの酸素イオンの内の1つが4配位Al3+に結合したら、O2-イオンの結合要件に対して、1/4×(+3)=+3/4の追加の寄与が生じ、合計で1と3/4になる。残りの+1/4は、アルカリ土類などの近くの+2価の陽イオンにより得られる、例えば、1/8×(+2)=+1/4。正に荷電したイオンに与えられる総電荷は、酸素イオンの負の電荷を正確に釣り合わせ、アルミニウムは4配位のままでいられる。この役割で機能する+2価の陽イオンは、電荷均衡陽イオンと称される。Σ[RO]/[Al23]比が1以上であるとすると、アルミノケイ酸カルシウムガラス中のほぼ全てのアルミニウムが酸素により4配位される。M Taylor, GE Brown, Structure of mineral glasses: I. The feldspar glasses NaAlSi3O8, KAlSi3O8, CaAl2Si2O8. Geochim. Cosmochim Acta 43:61-75 (1979); P. McMillan, B. Piriou, A Navrotsky, A Raman spectroscopic study of glasses along the joins silica-calcium aluminate, silica-sodium aluminate, and silica-potassium aluminate. Geochim Cosmochim Acta 46:2021-2037 (1982); およびA Navrotsky, G Peraudeau, P McMillan, JP Coutures, A thermochemical study of glasses and crystals along the joins silica-calcium aluminate and silica-sodium aluminate. Geochim Cosmochim Acta 46:2039-2047 (1982)を参照のこと。+2価の陽イオンによる電荷均衡の効果は、そのサイズに反比例することが当該技術分野において知られている。このことの通常の説明は、小さな+2価の陽イオンが、酸素イオンを分極させ、他の陽イオンとの結合を不安定にさせる。KL Geisinger, GV Gibbs, A Navrotsky, A molecular orbital study of bond length and angle variations in framework silicates. Phys Chem Minerals 11: 266-285 (1985); and A Navrotsky, KL Geisinger, P McMillan, GV Gibbs, The tetrahedral framework in glasses and melts-inferences from molecular orbital calculations and physical properties. Phys Chem Minerals 11:284-298 (1985)を参照のこと。本発明のガラスにおける好ましい+2価の陽イオンは、最高濃度の順に、CaO、MgO、SrO、およびBaOである。Ca2+イオンは、Mg2+イオンよりも4配位のアルミニウムを安定化させるのに良好であるが、Sr2+イオンほどは効果的ではない。本発明のガラスにおいて、Ba2+およびSr2+は、電荷均衡相互作用において完全に消費され、実質的に全てのAl3+イオンがCa2+、Sr2+またはBa2+により4配位で安定化される限界に至るまで、Ca2+が続く。Al3+イオンが、まだ電荷均衡を必要とするままであれば、残りのAl3+イオンが4配位で安定化されるまで、Mg2+イオンがこの目的に用いられる。
4配位のアルミニウムを安定化させるのに用いられないアルカリ土類イオンは、隣接するケイ素イオンと酸素イオンを共有する傾向にある。この役割において、アルカリ土類は網状構造変更陽イオンと呼ばれる。何故ならば、それらアルカリ土類は、Si−O−SiおよびSi−O−Al結合の四面体網状構造を壊すからである。本発明のガラスに許容される組成範囲では、網状構造変更陽イオンとして利用できる唯一のアルカリ土類イオンがCa2+およびMg2+であるように、Sr2+およびBa2+の全てを電荷均衡役割において消費する必要がある。ガラスの網状構造の破壊において、これら変更陽イオンは、高温での減少した粘度に寄与し、それによって、基礎溶融プロセスを促進させる。これらの陽イオンは、ガラス中の気体の溶解度も減少させ、それによって、高温での気泡の核生成や成長の可能性を減少させる。さらに、これらの陽イオンは、バッチ材料中のシリカ粒子を攻撃し、それら粒子を均質溶融物中に急激に組み込ませる。最後に、そして、本発明のガラスに最も重要なことに、それら陽イオンは、結晶質シリカ(例えば、クリストバライト)の安定性を減少させ、その液体を安定化させることができ、それによって、冷却の際に結晶が最初に現れる粘度を上昇させる。このことは、Σ[RO]/[Al23]が1以上でなければならない重要な理由の内の1つである。
この最後の役割、すなわち、結晶質シリカの安定性を減少させる役割を理解するために、図1に示したCaO−Al23−SiO2系の液相図を考えることが有用である(この図を作成するために用いたデータは、EM Levin, CR Robbins, HF McMurdie, Phase Diagrams for Ceramists. The American Ceramic Society, Inc., Columbus, OH (1964), p. 219からのものであり、モルパーセントに換算されている。)。図の中央を通る曲線は、液体と平衡状態にある結晶がそこを横切ると密度を変化させる組成分布の境界を示す。図の上部は、SiO2の結晶質多形体であるクリストバライトである。右下は、4、5および6配位でアルミニウムを含有するアルミノケイ酸塩である、ほぼ3Al23・2SiO2のムライトである。図の下部の中間は、CaO/Al23比が1.0であり、全てのAl3+イオンが酸素により4配位されている、CaAl2Si28であるアルミノケイ酸カルシウム灰長石である。左下の相は、全てのSi4+イオンが酸素により4配位され、全てのCa2+イオンが酸素により6配位され、少なくともいくつかの酸素イオンがCa2+イオンとSi4+イオンとで共有されている、Ca2Si26のウォラストナイトである。三角形の中央を通る縦の線は、CaO/Al23比が正確に1.0である組成を示す。これらの領域の各々において、問題の結晶は溶融ガラスと平衡しており、液体と特定の結晶との間の平衡領域は、結晶の液相場と称される。
2つの液相場が交差する場合、その交差を示す曲線はコテクティックと呼ばれ、3つの相場が交差する場合、その場が集まる点は共晶と称される。共晶は、3つの結晶相が液体と共に同時に共存する場所である。それらは、定義によれば、特定の結晶集合体の溶融温度における極小であり、したがって、3つの結晶相のいずれかまたは組合せに対して液体が最も安定である組成である。2つの共晶が図1に示されている。クリストバライト、灰長石およびムライトの間の第1の共晶(右側の)は、1345℃まで低下した1つの溶融物であり、この温度で、3つの結晶相が同時に液体と平衡状態になる。ウォラストナイト、灰長石およびクリストバライトの間の第2の共晶は、1170℃まで低下した1つの溶融物であり、この温度で、それら3つの相が同時に、液体と平衡状態になる。
ウォラストナイト、クリストバライトおよび灰長石の結晶集合体を室温から加熱した場合、液体が最初に現れるのは1170℃であり、その結晶の組成は、対応する共晶組成と等しいであろう。同様に、灰長石、ムライトおよびクリストバライトの結晶集合体を室温から加熱した場合、液体が最初に現れるのは1345℃であり、その液体の組成は、これらの相間の対応する共晶の組成であろう。これら2つの共晶の間で、温度は、CaO/Al23=1.0を示す線まで単調に上昇する。この線は、R=Ca、SrおよびBaに関するRO−Al23−SiO2系における熱極大を示す。言い換えれば、(Ca,Sr,Ba)O/Al23=1の線のAl23が豊富な側に対する(Ca,Sr,Ba)O−Al23−SiO2組成物は、[アルミノケイ酸アルカリ土類]−ムライト−クリストバライト共晶組成で溶融し、相図の[ケイ酸アルカリ土類]−[アルミノケイ酸アルカリ土類]−クリストバライト側での溶融から、熱力学的に妨げられる。
図2は、MgO−Al23−SiO2系の液相図(この図を作成するのに用いたデータは、EM Levin, CR Robbins, HF McMurdie, Phase Diagrams for Ceramists. The American Ceramic Society, Inc., Columbus, OH (1964), p. 246からのものであり、モルパーセントに変換されている)を示している。この系は、アルミノケイ酸マグネシウム(コージエライト)−ムライト−クリストバライト共晶組成物が1よりやや大きいΣ[RO]/[Al23]比を有するという点で、RO−Al23−SiO2系の中で独特である。他のRO−Al23−SiO2系とは異なり、マグネシウムベースの系における高SiO2組成物の最初の溶融は、Σ[RO]/[Al23]>1.00を有する共晶で生じる傾向にある。とても重要な別の点は、問題の共晶が、他のRO−Al23−SiO2系のどれよりも、ずっと低いSiO2濃度にあることである。したがって、他のRO−Al23−SiO2系と比較して、MgO−Al23−SiO2系において比較的低いSiO2濃度で、最低の液相線温度が見つかるであろう。
本発明のガラスの目的に関して、初期段階の溶融物の組成物の最も重要な結果は、ガス溶解度およびガラス中のガス状異物の外観に関する。ガスの溶解度は、アルミニウムの豊富なガラスにおいて比較的高く、Σ[RO]/[Al23]比が1.00を超えて増加するにつれ、急激に低下する。さらに、シリカは、溶融中に最後の溶解する成分であり、溶解するときに、ガスの溶解度は著しく減少する。ROの豊富な系において、シリカは比較的低温で溶解し、それゆえ、初期のガス溶解度を阻害する。このことの最終的な影響は、ROの豊富なガラスが低い初期ガス溶解度を有し、溶解度は溶融が進行するにつれて実際に上昇することであるのに対して、Al23の豊富なガラスは非常に高い初期溶解度を有するが、溶融が進行するにつれて溶解度が減少することである。溶解度が減少するにつれて、ガスはガラスから押し出されて、気泡になる。ある程度反応したシリカ粒子の表面は、これら気泡の効果的な核形成部位として働き、それら気泡をガラス塊中に保持するのを助ける。
本発明のガラスの別の重要な成分は酸化ホウ素、B23である。この成分は、二成分または三成分のアルミノケイ酸塩結晶のいずれにも、もしくはシリカにも著しく関与せず、その結果、その主な影響は、単純な希釈による液相線温度を減少させることである。主な結果は、例えば、CaO−Al2O3−SiO2系の液相表面上の所定の点に関して、液相線温度はB2O3の添加により減少することである。高シリカ液体において、液相線温度へのB2O3の影響が、モル%当たり約20℃であることが経験的に分かっている。例として、灰長石−クリストバライト−ムライト共晶(図1のAl2O3の豊富な側)の温度は、10モル%のB2O3により希釈されたときに、1345℃から約1145℃まで減少する。液相線温度への希釈の影響は、凝固点降下と通常称される。
AMLCDタイプのガラス組成物中の組成調査の意外な結果は、CaO−Al2O3−SiO2系においてCaOを1〜3モル%のMgOで置換すると、灰長石−ムライト−クリストバライト液相線の位置が、CaO−Al2O3−SiO2系におけるコージエライト−ムライト−クリストバライト液相線とほぼ同じ位置まで急激にシフトすることである。その結果、MgOを添加すると、初期溶融の全てを、その相図のROの豊富な側に押しやるだけでなく、MgOまたはCaOいずれかに基づく系のみから予測されるであろう極小よりも低い、液相線温度の極小も生じる。前者は、MgO−Al2O3−SiO2系に関する先の議論から得られる。後者は、適切な少量の任意の酸化物の添加により、凝固点降下によって液相線温度が最初に減少するために生じる。したがって、三成分系、すなわち、MgOまたはCaOのみを有する系における高温のために、液相線温度の上昇が直感的に予測されるであろうが、実際には、約1〜3モル%から減少が得られ、その後、液相線温度は上昇する。CaOのMgOによる置換によって粘度は著しくは影響を受けないので、液相線温度を減少させることの最終的な結果は、液相線粘度の上昇である。高い液相線粘度は、溶融ガラスをAMLCD用途に適したシートに加工するのに用いられる精密シートダウンドロー法にとっての必要条件である。
以前は、1モルパーセント以上のMgO濃度により液相線温度が上昇し(液相線粘度が低下し)、それにより、ダウンドロー法、例えば、フュージョン法などの高粘度成形法が損なわれると考えられていた。しかしながら、先に論じ、以下に示す実施例により例証されるように、同時にΣ[RO]/[Al2O3]比およびSiO2濃度を上述したように注意深く制御するという条件で、高レベルのMgOを使用できることが分かった。
それゆえ、要約すると、先の検討事項は、アルカリ土類酸化物の中で、MgOが溶融および清澄に関して特に重要であることを示す。その上、他のアルカリ土類酸化物に対して、MgOが存在すると、密度とCTEが低くなり、化学的耐久性、歪み点、およびヤング率が高くなる。
濃度に関して、MgOは、上述したMgOに関する様々な利点を達成するために、1.0モルパーセント以上であるべきである。3.0モルパーセントよりも高い濃度では、Σ[RO]/[Al2O3]比およびSiO2濃度を制御したとしても、高粘度成形法(例えば、フュージョン法)を用いたガラス成形が損なわれるほど、液相線温度が上昇し、液相線粘度が降下してしまう。MgO濃度が1.2および2.8モルパーセントの間にあることが好ましく、1.4および2.6モルパーセントの間がより好ましく、1.6および2.4モルパーセントの間が最も好ましい。
アルカリ土類酸化物の中で、本発明のガラス中のCaO濃度が最も大きい。CaOは、低い液相線温度(高い液相線粘度)、高い歪み点とヤング率、およびフラットパネル用途、特に、AMLCD用途にとって最も望ましい範囲にあるCTEを生じるのに必須である。CaOは、化学的耐久性にも好ましく寄与し、他のアルカリ土類酸化物と比較して、バッチ材料として比較的安価である。したがって、CaO濃度は、6.0モルパーセント以上である必要がある。しかしながら、高濃度では、CaOは濃度とCTEを上昇させてしまう。したがって、本発明のガラスのCaO濃度は、11.5モルパーセント以下である。CaO濃度が6.5および10.5モルパーセントの間であることが好ましい。
残りのアルカリ土類酸化物のSrOおよびBaOは両方とも、低い液相線温度(高い液相線粘度)に寄与でき、それゆえ、本発明のガラスは一般に、これらの酸化物の少なくとも一方を含有する。しかしながら、両方の酸化物とも、MgOおよびCaOと比較して、CTEと密度を上昇させ、ヤング率と歪み点を低下させてしまう。SrOとBaOの間では、一般に、BaOにはSrOよりも、ガラスの性質により悪影響を及ぼす。また、環境的に優しい「グリーンな」製品を製造する点に関して、バリウムを最小にするまたは排除することが好ましいと考えられている。何故ならば、バリウムは、資源保全再生法(RCRA)における列記金属の内の1つであり、したがって、米国の環境保護庁(US EPA)によって有害であると分類されているからである。
それゆえ、環境にやさしいガラスを製造する目的のために、バリウムをできるだけ低レベルに維持することが好ましい。しかしながら、酸化バリウム(BaO)がガラスの全体のRO濃度の一部として含まれるときに、同じ清澄特徴が得られる。すなわち、量(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al2O3<1である場合、気泡が、溶融中に後期段階で形成され、ガラス中に捕捉されたままであるのに対し、(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al2O3≧1である場合、ガスは初期段階で排除され、異物がより少なくなる。したがって、好ましい実施の形態はバリウムを実質的に含まないが、本発明の最も一般的な実施の形態は、バリウム並びに他のアルカリ土類陽イオンを含有する。
バリウムは、使用する場合、一般に密度と熱膨張係数を犠牲にするにもかかわらず、液相線温度を減少させるのに役立ち得る。バリウムの濃度が、ガラス中の他のアルカリ土類、特にストロンチウムに対抗される場合、それでもなお0.1モル%より多くBaOを含有する好ましい実施の形態の比較的狭い範囲内の性質を得ることも可能である。物理的性質および所望の清澄挙動が関連するので、低濃度のバリウム(すなわち、2.3モルパーセント以下、好ましくは1.5モルパーセント以下、より好ましくは0.1モルパーセント以下の濃度)では、許容できないほどの不利益は被らず、それゆえ、ガラスからバリウムを排除する必要はない。
要約すると、本発明のガラス中のBaO濃度は2.3モルパーセントほど高くても差し支えないが、1.5モルパーセント以下であることが好ましく、0.1モルパーセント以下であることがより好ましく、0.05モルパーセント未満である(ここでは「バリウムを実施的に含まない」と称される)ことが最も好ましい。
ストロンチウムは、バリウムの毒性特徴を全く持たず、したがって、ストロンチウムを含有するが、バリウムも、ヒ素も、アンチモンも含有しないAMLCDガラスは、「超グリーン」であると認識されている。本発明のガラスのSrO濃度は、2.3モルパーセント以下、好ましくは2.0モルパーセント以下、最も好ましくは1.0モルパーセント以下である。SrO濃度は通常、BaO濃度よりも大きい。一般に、SrOとBaO濃度の合計は、主に、ガラスをダウンドロー法によって形成できるように十分な高い液相線粘度を提供するために、0.4モルパーセント以上である。
上述した成分に加え、本発明のガラスは、ガラスの様々な物理的特性、溶融特性、清澄特性、および成形特性を調整するための様々な他の酸化物を含有しても差し支えない。そのような他の酸化物の例としては、以下に限られないが、TiO2、MnO、ZnO、Nb2O5、MoO3、Ta2O5、WO3、Y2O3、La2O3、およびCeO2が挙げられる。これらの酸化物の各々の量は、2.0モルパーセント以下であるべきであり、それらの合計濃度は、5.0モルパーセント以下であるべきである。本発明のガラスは、バッチ材料に関連する、および/またはガラスを製造するために用いられる溶融、清澄、および/または成形装置によりガラス中に導入される(例えば、ZrO2)様々な汚染物も含む。
本発明のガラスは通常、汚染物としていくつかのアルカリ、特に、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、およびカリウム(K)も含有する。しかしながら、AMLCD用途にとって、アルカリレベルは、ガラスから薄膜トランジスタ(TFT)のシリコン中へのアルカリイオンの拡散によるTFT性能への悪影響を被ることを避けるために、R2O(R=Li,Na,K)を0.1モルパーセント以下に維持する必要がある。ここに用いたように、「アルカリを実質的に含まないガラス」(「無アルカリガラス」としても知られている)は、0.1モルパーセント以下であるR2Oとして表される総アルカリ濃度を有するガラスであり、ここで、総アルカリ濃度は、Na2O、K2O、およびLi2O濃度の合計である。総アルカリ濃度が0.07モルパーセント以下であることが好ましい。
B. 清澄
上述したように、1.00以上のΣ[RO]/[Al2O3]比により、清澄、すなわち、溶融されたバッチ材料からのガス状異物の除去が改善されることが分かった。この改善によって、より環境にやさしい清澄パッケージが可能になる。例えば、酸化物基準で、本発明のガラスは、以下の組成特徴の1つ以上、好ましくはこれらの特徴の両方を有することができる:
(i) 多くとも0.05モルパーセントのAs2O3濃度(ここでは、ヒ素を実質的に含まないと称される)、および/または
(ii) 多くとも0.05モルパーセントのSb2O3濃度(ここでは、アンチモンを実質的に含まないと称される)。
As2O3は、AMLCDガラスのための最も効果的な高温清澄剤であることがよく知られており、本発明のある実施の形態において、As2O3は、その優れた清澄特性のために清澄に用いられる。しかしながら、As2O3は、毒性であり、それゆえ、ガラス製造プロセス中に特別な取扱いを必要とする。したがって、好ましい実施の形態において、清澄は、多量のAs2O3を使用せずに行われる、すなわち、完成したガラスは多くとも0.05モルパーセントしかAs2O3を有さない。ガラスの清澄に故意にAs2O3を使用しないことが最も好ましい。そのような場合、完成したガラスは、一般に、バッチ材料中に存在する汚染物、および/またはバッチ材料を溶融するために用いられる装置の結果として、多くとも0.005モルパーセントしかAs2O3を有さない。
As2O3ほど毒性ではないが、Sb2O3も毒性であり、特別な取扱いを必要とする。その上、Sb2O3は、清澄剤としてAs2O3またはSnO2を使用するガラスと比較して、密度を上昇させ、CTEを上昇させ、歪み点を低下させる。したがって、好ましい実施の形態において、清澄は、多量のSb2O3を使用せずに行われる、すなわち、完成したガラスは多くとも0.05モルパーセントのSb2O3しか有さない。ガラスの清澄に故意にSb2O3を使用しないことが最も好ましい。そのような場合、完成したガラスは、一般に、バッチ材料中に存在する汚染物、および/またはバッチ材料を溶融するために用いられる装置の結果として、多くとも0.005モルパーセントしかSb2O3を有さない。
上述した溶融の初期段階に関連する清澄の検討事項に加え、溶融ガラスが溶融装置内においてある段階で白金または白金合金と接触したときに、水素が白金を通ってガラスから出て、後にガス状欠陥を残す可能性がある。この欠陥は2つの形態をとり得る。
第1に、白金と接触したガラスが実質的に溶解した硫酸塩を有する場合、その硫酸塩は水素浸透により還元して、SO3(またはSO2)と酸素が充填された欠陥が残り得る。これらの種のどれか一方をSO2+x(x=0〜1)と表記すると、硫酸塩が水素浸透に関わる反応は、硫酸の還元、すなわち、
H2SO4 → SO2+x+(1−1/2x)O2+H2
に関するものと都合よく考えられる。
この場合、SO2+xは主要な反応生成物であり、SO2+xは、どのガラス中においても溶解度が非常に低いので、ガス状異物に溶離し、よって、溶融プロセスの残りの間ずっと欠陥として残る。その後に酸化が生じて可溶性の硫酸塩にならない限り、もしくはさらに還元して可溶性のS2-にならない限り、SO2+xは永久的な欠陥として残ってしまう。したがって、ガラスバッチ中の硫黄レベルを合理的に達成可能にできるだけ低く維持することが非常に望ましい。硫黄元素として表されるガラス中の総硫黄含有量は、欠陥を許容できるレベルに維持するために、好ましくは0.002モルパーセント以下、より好ましくは0.001モルパーセント以下である。
第2に、硫酸塩を実質的に含まないガラスにおいて、欠陥は、最初は酸素から主になる。ガラスが装置の出口に向かって移動するにつれて、酸素は、ガラス中の多価物質によりある程度または完全に吸収されるが、ガラス中に溶解した他のガス、特に、N2およびCO2が、欠陥中に移動する。これらのガスの気泡への交換は、その温度での溶融物中の拡散率により制限されるが、拡散率は一般にかなり低い。したがって、ガラスが低濃度の多価物質を有する場合、酸素の再吸収は遅くなり、気泡が比較的大きいままであり、物品中に不合格の欠陥として見えてしまう。多価物質が十分に存在する場合、気泡は、実質的にガス交換の時間が生じる前に酸素の消費により非常に小さなサイズまで収縮し、最終物品中に欠陥として見えない。実際に、多価物質は、Pt/ガラス界面で生成されるときに、直ちに酸素を吸収することによって、欠陥の最初の形成と核生成を抑制するであろう。
歴史的に、この酸素の再吸収機能は、典型的なディスプレイ用ガラスにおいて酸化ヒ素または酸化アンチモンにより行われてきた。これらが排除された場合、他の多価物質が、合理的に達成可能なできるだけ高いレベルで存在する必要がある。
そのような多価物質の1つはスズである。As2O3およびSb2O3による清澄と比較して、スズによる清澄(すなわち、SnO2による清澄)は、それほど効果的ではないが、SO2は、公知の毒性のないどこにでもある材料である。また、長年に亘り、SnO2は、AMLCDガラスのバッチ材料のジュール加熱溶融(例えば、コーニング社(Corning Incorporated)のコード7059、1737、および「EAGLE2000」ガラスの溶融)における酸化スズ電極の使用により、そのようなガラスの成分である。AMLCDガラス中にSnO2が存在しても、液晶ディスプレイの製造においてこれらのガラスの使用においてどのような公知の悪影響も生じない。しかしながら、SnO2は、高濃度で使用した場合、AMLCDガラスにおいて結晶性欠陥を形成し得る。特に、フュージョン法において用いられる高粘度およびそれゆえの低い延伸温度により、溶融ガラス中のSn4+の溶解度が限られてしまう。したがって、完成ガラス中のSnO2の濃度は、0.112モルパーセント以下であることが好ましい。ガラスのスズ濃度は、SnO2、SnO、SnCO3、SnC2O4などのスズ含有材料のバッチ配合によって調節できる。
本発明によれば、スズに加え、鉄が、特にスズと組み合わせて用いたときに、効果的な清澄剤である別の多価物質であることが分かった。
歴史的に、AMLCDガラス中の鉄レベルは、LCD用途のために十分な透明性を有する基板を製造するために、低く、すなわち、約100ppm(典型的なAMLCDガラスについて約0.004モルパーセント)までの混入レベルに維持されてきた。注目に値すべきなのは、このことが行われてきたガラスは、ヒ素、アンチモンおよび/またはハロゲン化物を含んでいたことである。どの特定の動作理論により拘束することを意図するものではないが、鉄はガラス中のアンチモンおよび/またはヒ素と優先的に錯体を形成し、吸収端を可視へと動かす電荷移動相互作用を可能にすると考えられる。これは明らかに、単純なヒ素またはアンチモンドープトガラスに観察され、ここでは、強烈な黄色の着色を生じるのにppmレベルの鉄で十分である。同様に、両方の濃度は非常に低いかもしれないが、ハロゲン化物ドープトガラスはしばしば、遷移金属とハロゲン化物間に形成される錯体のために、実質的に色を有することが当業者によく知られている。鉄は、頻繁な混入成分であり、そのような成分に関して比較的高い濃度を有するので、通常は、そのような錯体への最も大きい寄与因子であり、それゆえ、これらの相互作用から生じる強烈な黄色の主な原因となる。様々なこれらの成分が存在しない場合でさえ、LCD用途、特にTFTフォトリソグラフィーが基板自体を通して行われる用途(先のセクションII(B)を参照)にとって、適切な近UV透明性を達成する上で都合よいと考えられている。
意外なことに、またこれらの従来信じられていたこととは正反対なことに、本発明によれば、ガラスがヒ素、アンチモン、およびハロゲン化物を実質的に含まないという条件で、鉄レベルを、適切な透過レベルを達成するために低く維持する必要がないことが分かった。この発見が、(i)ヒ素により清澄された、コーニング社のコード「EAGLE2000」LCDガラス(曲線11)、および(ii)スズにより清澄された、共に譲渡された米国特許出願第11/478493号明細書により構成されたガラス(曲線13)に関する、ナノメートルで表された波長に対するパーセントの透過率のプロットである図3に例示されている(この米国特許出願第11/478493号明細書の内容の全てがここに引用される)。両方のガラスは同量の混入鉄を含んでいた。図3に示されるように、ヒ素を除去することによって、透過率が改善された。特に、LCD基板のUV透過に関する一般に用いられる標準波長である300nmと350nmの両方で、透過率が改善された。
スズ、特に、Sn2+の存在下で、鉄は、強烈なUV吸収を有するFe3+に変わることに留意すべきである。したがって、丁度、結晶質欠陥の形成(上記参照)に基づいてスズに上限(すなわち、0.112モルパーセント)があるように、UVフォトリソグラフィーをLCD基板を通して行うべき用途に関してであるが、欠陥形成ではなく透過率に基づいて、鉄に上限(すなわち、0.033モルパーセント)がある。別の見方でみると、本発明の特定の好ましい実施の形態によれば、ガラスの鉄とスズのレベルは、鉄の少なくとも50パーセント、好ましくは少なくとも60パーセント、最も好ましくは少なくとも70パーセントが+2価の状態にあるように選択される。+2価の状態にある鉄の合計のパーセントは、電子常磁性共鳴(EPR)により、または比色滴定により決定される。
また、ハロゲン化物による錯体の形成を避けるために、ガラスのハロゲン化物含有量、すなわち、Br、Cl、およびF元素のモルパーセントの合計は、好ましくは0.4モルパーセント以下、より好ましくは0.2モルパーセント以下、最も好ましくは0.1モルパーセント以下である。
ガラスの鉄含有量は、その酸化物(FeO、Fe3O4、またはFe2O3)、有機金属化合物(例えば、シュウ酸鉄、FeC2O4)、ハロゲン化物(FeCl2・6H2OまたはFeCl3・6H2O)の形態にある鉄をバッチ配合することにより、または適量の鉄を含有する他の酸化物のためにバッチ材料を使用する(選択する)ことにより、調節することができる。例えば、それぞれ、SiO2とCaOの典型的な供給源である砂および石灰石は、様々な量の鉄混入物を有することがあり、いくつかの工業用途においてMgOの一般的な供給源であるタルクも、多量の鉄を含有している。実際に、本発明によれば、砂および/または石灰石のより純粋な供給源(すなわち、不純物の少ない砂または石灰石)を使用すると、それほど純粋ではない供給源は典型的に、より純粋な供給源よりも多く鉄を有するから、それほど純粋ではない供給源で達成されるよりも多くガス状異物が生成され得ることが分かった。このことは、それほど純粋ではない供給源に対してより純粋な供給源に関して特に意外なことである。何故ならば、それほど純粋ではない供給源は含水量が多く、これ自体では、鉄の影響がないときには、少ないというよりむしろ多くガス状異物が生じるからである。
総鉄濃度を混入レベルよりも多く上昇させるようにバッチ材料が選択されるかまたは鉄が加えられる場合、直ちにいくつかの利点が得られる。第1に、バッチ材料中の鉄がFe2O3として存在する程度まで、溶融の初期段階中のFeOへの還元は、酸素を初期段階の気泡に寄与させ、それら気泡が浮力によりガラスから出るように上昇させるのに役立つ。
第2に、三価の鉄は、特に、本発明の好ましい実施の形態のガラスに関して典型的な溶融温度である、1600℃の黒体温度で、赤外線を吸収するのを助ける。これにより、溶融効率が改善され、プロセスの安定性が向上する。
この効果が図4および5に例示されている。図4は、1600℃での黒体に関する波長に対して計算されたエネルギーをプロットしており、図5は、LCD基板用ガラスに関する典型的な条件下で溶融したアルミノケイ酸塩ガラスにおける0.009モルパーセントおよび0012モルパーセントの鉄(Fe2O3として)に関する透過率曲線(左側の縦軸およびそれぞれ、曲線17と19を参照のこと)と共に、500から2500nmの波長範囲に関する図4の拡大部分(右側の縦軸および曲線15を参照のこと)を示している。図5から分かるように、これらの条件下では、鉄は、黒体エネルギー分布のピークを捉えており、統合された影響(約1000nm以降の面積)は、ガラスの鉄含有量の急勾配の関数である。さらに、黒体エネルギー分布のピークは、温度が減少するにつれて、より長い波長に移動するので、鉄の影響は他のガラス温度に関して大きくあり続ける。相対IR吸収の点では、Fe3+は、Fe2+の約10倍の吸収断面を有している。このことは、鉄がFe2O3としてバッチ材料中に存在することが何故都合よいかの別の理由である。
第3に、+2価の状態にある(通常FeO)鉄の一部は、白金または白金合金を通じた水素浸透の結果として生成された、新たに形成された酸素の豊富な気泡から、またはPt/ガラス界面で生成された酸素を吸収できる。
残念ながら、高レベルの鉄はガラスの強烈な着色を生じ、非常に高いレベルにより、ガラス塊への熱伝達に干渉するほど、溶融装置内においてずっと多くの赤外線吸収を生じる。したがって、ガラス中の総鉄レベルは、好ましくは0.010モルパーセントから0.033モルパーセントの範囲、より好ましくは0.010モルパーセントから0.020モルパーセントの範囲、最も好ましくは、より還元されたガラスについては、0.012モルパーセントから0.024モルパーセントの範囲、またはより酸化されたガラスについては、0.011モルパーセントから0.016モルパーセントの範囲にある。
要約すると、鉄を清澄剤として使用することの利点としては以下が挙げられる:
(1) アンチモンやヒ素とは異なり、鉄は、健康上の危険または環境の危険を引き起こさない。
(2) ヒ素やアンチモンに取って代わる潜在的な化学的清澄手法であるハロゲン化物とは異なり、鉄により、汚染軽減の課題が生じたり、生成された有害な廃物の形成/廃棄が生じない。
(3) 高レベルの酸化スズとは異なり、鉄は、多少なりとも、LCD基板の液相線温度を損なわず、それゆえ、ガラスの液相線粘度に影響を及ぼすことがない。
(4) ほとんどの他の遷移金属多価物質とは異なり、低レベルの鉄は、LCD基板をわずかしか着色せず、本発明の方法のレベルでは、当面の用途に影響を及ぼす様な様式では透明性に影響を与えない。
(5) 標準的な(または鉄の少ない)バッチ材料中の不純物から生じるかもしれない混入レベルとは異なり、提案されたレベルで鉄を意図的に含むことにより、ガラス中の水素浸透の結果としての酸素気泡の形成を明らかに抑制し、LCDガラスの放射照度を減少させ、それゆえ、熱バランスのやり繰りを改善し、Fe2O3として加えられたときに、小さいかもしれないが、溶融誘起ガス状異物の排除を向上させる、溶融の初期段階における追加の清澄作用に影響を与えるであろう。
鉄/スズによる清澄は、単独で、または所望であれば他の清澄技法と組み合わせて、使用することができる。例えば、鉄/スズによる清澄は、ハロゲン化物による清澄、例えば、臭素による清澄と組み合わせることができる。しかしながら、ハロゲン化物による清澄は、汚染軽減の観点からの課題を提示し、上述したように、ハロゲン化物は、鉄と錯体を形成して、許容できない透過率の特性を持つガラスを生成し得る。したがって、それは好ましくない。他の可能性のある組合せとしては、以下に限られないが、鉄/スズによる清澄に、硫酸塩、硫化物、酸化セリウム、機械的バブリング、および/または真空清澄を加えたものが挙げられる。しかしながら、先に論じたように、ガラスの硫黄含有量は、SO2+xを含有するガス状欠陥の生成を避けるために制御する必要がある。これらの場合の全てにおいて、Σ[RO]/[Al2O3]比およびMgO濃度を上述した範囲に維持することにより、清澄プロセスを実施するのが容易になり、より効果的になる。
本発明のガラスは、当該技術分野において公知の様々な技法を使用して製造できる。そのガラスは、ダウンドロー法によって製造することが好ましく、フュージョン・ダウンドロー法が最も好ましい。フロート法などの他の成形法と比較すると、フュージョン法はいくつかの理由のために好ましい。第1に、フュージョン法により製造されるガラス基板は、研磨の必要がない。現行のガラス基板研磨では、原子間力顕微鏡で測定して、約0.5nm(Ra)より大きい平均表面粗さを有するガラス基板を製造できる。本発明により、フュージョン法を用いて製造されたガラス基板は、原子間力顕微鏡で測定して、0.5nmより小さい平均表面粗さを有する。この基板は、光学的遅延により測定して、150psi(約1.03MPa)以下の平均内部応力も有する。
本発明のガラスの組成は、当該技術分野においてよく知られた定量分析技法を用いて決定される。適切な技法は、8より大きい原子番号を持つ元素に関してはX線蛍光分光分析、誘導結合プラズマ発光分析(ICP−OES)、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)、および電子顕微分析が挙げられる。例えば、J. Nolte, ICP Emission Spectrometry: A Practical Guide, Wiley-VCH (2003), H.E. Taylor, Inductively Coupled Plasma Mass Spectroscopy: Practices and Techniques, Academic Press (2000), and S.J.B. Reed, Electron Microprobe Analysis, Cambridge University Press; 2nd edition (1997)を参照のこと。各元素について約10分間の分析時間で、電子顕微分析を使用して、Fについては約200ppmの、Cl、Br、Fe、およびSnについては約20ppmの検出限界が容易に達成できる。硫黄については、LECO社(LECO Corporation)(ミシガン州、セントジョセフ所在)により製造された燃焼赤外分光法を用いて分析装置を、本発明のガラスについては4ppmまたは約0.0008モルパーセントの典型的な検出限界で使用できる。微量元素については、ICP−MSが好ましい。
C. 具体例
本発明を以下の具体例によりさらに例証する。これらの具体例は、説明を意図するものであって、特許請求の範囲に記載された発明を決して制限するものではない。
具体例1〜57
表1には、坩堝溶融物の場合には、ガラスバッチから酸化物基準で計算されたか、連続溶融装置を用いて調製された組成物については完成したガラスへの測定から決定されたかいずれかのモルパーセントで示された本発明のガラスと比較のガラスの具体例が列記されている(以下参照)。表1には、これらのガラスについての様々な物理的性質も列記されており、これらの性質の単位は以下のとおりである:
密度 グラム/立方センチメートル
CTE ×10-7/℃(0〜300℃)
歪み点 ℃
ヤング率 ×10+6psi
溶融温度 ℃
液相線温度 ℃
液相線粘度 ポアズ。
個々の成分の合計が100に近いので、全ての実際的な目的にとって、報告された値は、モルパーセントを示すものと考えてよい。実際のバッチ成分は、他のバッチ成分と一緒に溶融されたときに、適切な比率で所望の酸化物に転化される、酸化物または他の化合物のいずれかである、任意の材料を含んでよい。例えば、SrCO3およびCaCO3は、それぞれ、SrOおよびCaOの供給源を提供できる。
表1のガラスを調製するのに用いた具体的なバッチ成分は、細砂、アルミナ、ホウ酸、酸化マグネシウム、石灰石、炭酸ストロンチウムまたは硝酸ストロンチウム、および酸化スズであった。
具体例1〜6、9〜11、29〜31、33〜34、36〜42、および46〜56のガラスは、比較的均質なガラス組成物が得られるような時間と温度で、例えば、白金坩堝内において約16時間の期間に亘り約1600℃の温度で、各ガラス組成物の3,000グラムのバッチを溶融することによって調製した。特に、バッチ材料は、セラミックミル内でセラミック媒体を用いて1時間に亘りボールミル粉砕した。このバッチを、1800ccの白金坩堝に移し、1600℃の炉内に装填した。16時間後、坩堝を炉から取り出し、ガラスを冷たい鋼製プレート上に注いだ。取り扱うのに十分に粘性になったときに、ガラスを725℃のアニール炉に移し、この温度に1時間に亘り保持し、次いで、0.5℃/分で室温まで冷却した。
具体例7〜8、12〜28、32、35、および43〜45において、溶融は、研究室規模の連続式ジュール加熱溶融装置内で行った。一塊りが45.4kgの原料のバッチを機械式ミキサ中に計り取り、5分間に亘り一緒に混合した。約0.25kgに相当する量の水をこの混合物に、混合の最後の60秒間に加えて、粉塵の生成を減少させた。この混合物を、スクリューフィーダを用いて、酸化スズ電極と、溶融物の表面上で燃焼する対向したバーナとを備えたセラミックで裏打ちされた溶融炉中に装填した。電極により供給された電力は、ガラスを、1590℃および1610℃の間の温度に対応するほぼ一定の抵抗に維持することにより制御した。ガラスを溶融装置から、高温清澄装置からなる白金系の状態調節システムに移動させ、その後、撹拌室に移動させた。清澄装置および撹拌室の温度は、実験中ずっと一定に保持されたが、セラミックで裏打ちされた溶融炉の温度は、組成により異ならせた。ガラスを、加熱オリフィスを通して撹拌室から排出し、約5mm厚で30mm幅のリボンに圧延した。リボンからのガラスを、欠陥について周期的に分析した。その欠陥は、特定し、計数し、1ポンド(約454グラム)当たりの欠陥数に変換した。組成物は、標準的な化学的方法によりリボンから得て(上述した分析方法を参照のこと)、物理的性質は以下に記載するように得た。
具体例57は、米国特許出願公開第2006/0242996号明細書に開示されたタイプのカプセルを用いたフルスケールのフュージョン法を用いて調製した。
表1に述べられたガラス特性は、ガラス技術分野において慣習的な技法にしたがって決定した。それゆえ、0〜300℃の温度範囲に亘る線熱膨張係数(CTE)は×10-7/℃で表され、歪み点は℃で表される。これらは、ファイバ伸張技法により決定した(それぞれ、ASTM E228−85およびC336)。グラム/cm3で表される密度は、アルキメデス法(ASTM C693)により測定した。℃で表される溶融温度(ガラス溶融物が200ポアズの粘度を示す温度として定義される)は、回転シリンダ粘度測定法(ASTM C965−81)により測定した高温粘度データに合わせられたフルチャーの式を用いて計算した。℃で表されるガラスの液相線温度は、ASTM C829−81の標準勾配ボート液相線法(standard gradient boat liquidus method)を用いて測定した。これには、白金ボート内に粉砕されたガラス粒子を入れ、そのボートをある領域の勾配温度を有する炉内に配置し、ボートを24時間に亘り適切な温度領域で加熱し、顕微鏡検査により、ガラスの内部に結晶が現れる最高温度を決定する各工程が含まれる。ポアズで表される液相線粘度は、液相線温度およびフルチャーの式の係数から決定した。Mpsiで表されるヤング率値は、ASTM E1875−00elに述べられた一般的なタイプの共鳴超音波分光法を用いて決定した。
具体例1〜43および53〜57は、ガラスをAMLCD用途などのディスプレイ用途に使用するのに適したものにする、密度、CTE、歪み点、およびヤング率値を有する。それらのガラスは、これらの用途に適した化学的耐久性を有する。特に、具体例12、13、23、28および57の各々は、1.25と1.35ミリグラム/cm2の間の110BHF値、および0.5と0.8ミリグラム/cm2の間のHCl耐久性を有することが分かった。具体例1〜43および53〜57のガラスも、フュージョン法などのダウンドロー法を用いて成形できる。それゆえ、それらのガラスは、1170℃以下の液相線温度および100,000以上の、ほとんどの場合には、150,000以上の液相線粘度を有する。表1のガラスの鉄含有量は、0.010から0.013モルパーセントの範囲にある。
具体例57に示された組成および性質を有するガラスは、本発明の最も好ましい実施の形態を示すものとして、すなわち、現時点で本発明の目的のための特性の最良の組合せを提供するものとして、現在みなされる。
具体例44および45は、100,000ポアズ未満の液相線粘度を有するガラスを示す。具体例44は、結晶化の際にムライトを生成することが分かった。これは、ダウンドロー法にとって望ましくない液相である。この相の存在は、Σ[RO]/[Al2O3]比を少し増加させることによってなくすことができる。より一般には、本発明の組成空間において、液相がムライトである局所領域が存在する。これらの領域は、この開示から当業者に容易に認識され、Σ[RO]/[Al2O3]比のわずかな変化により避けることができる。
具体例45は、3.0モルパーセントの上限に近いMgO濃度を有する。上述したように、MgOが増加するにつれ、液相線温度は最初に低下し、次いで、上昇する。具体例45は、この後者の結果を示している。
具体例46〜48は、1.00未満のΣ[RO]/[Al2O3]比を有しており、それゆえ、低い液相線粘度(具体例46)または高い溶融温度(具体例47および48)のいずれかを有している。具体例48〜52は、1.0モルパーセント未満のMgO濃度を有しており、それゆえ、高いか不十分な溶融温度(具体例48〜50)または高いCTE(具体例51および52)を有している。
具体例58
図6は、ガラスのΣ[RO]/[Al2O3]比を1.00未満から1.00より上に切り換えることによって達成できる欠陥レベルの劇的な改善を示している。このグラフは、Σ[RO]/[Al2O3]比をAl2O3および/またはSiO2を犠牲にしてCaOおよび/またはMgOを増加させることにより調節した、30日間の期間に亘り行った実験研究の結果を示している。△のデータ点は、実験の様々な日々でのΣ[RO]/[Al2O3]比を示しており、●は、ポンド当たりの異物の数を示している。Σ[RO]/[Al2O3]比が1.00のレベルを突破するやいなや、異物レベルは、実質的に二桁低下し、CaOおよび/またはMgOが変化してさえも低レベルに維持されるのが分かる。この実験中ずっと、MgO濃度は1.0モルパーセントより大きく、SiO2濃度は71モルパーセント未満であった。
具体例59
図7は、ガラスの鉄含有量を0.010モルパーセントから0.010モルパーセントより上に増加させることによって達成できる欠陥レベルの劇的な改善を示している。このグラフは、ガラスの鉄含有量が、様々な量の鉄を有するバッチ材料の選択によって調節された、何日にも亘る期間に行った実験研究の結果を示している。「+」データ点は、実験の様々な日々での鉄含有量を示しており、「o」データ点は、ポンド当たりの欠陥(ガス状異物)の数を示している。鉄含有量が0.010モルパーセントのレベルを突破するやいなや、異物レベルが相当低下し、常に低レベルに維持されたのが分かる。
具体例60
図8は、ガラスの鉄含有量を増加させることによって達成できる欠陥レベルの実質的に単調な改善を示している。このグラフは、(ii)x線蛍光分光法により決定されたガラスの総鉄含有量に対して、(i)フュージョン法により製造された表1の具体例57の組成を有するガラスシートの定期検査中に見つかった気泡の平均数をプロットしている。Fe含有量を増加させると、気泡の数が劇的に減少したのが分かる。この結果にこれほど密接に結びつくプロセスまたは組成の変数は他にはなかった。
この結果に基づいて、最も望ましいFeレベルは約0.013モルパーセント以上であり、これは、この実験に用いたガラスについて約330ppm以上に相当する。鉄の混入レベルが異なる様々なバッチ材料を使用することによって、様々な鉄レベルが得られた。鉄の初期の原子価状態は、一方の極値(例えば、石灰石、ほとんどがFe2+)から他方の極値(例えば、砂、ほとんどがFe3+)まで激しく変動するので、初期の原子価状態はこの結果にとって重要ではない。
具体例61
表1の具体例57によるSiO2、Al2O3、B2O3、MgO、CaO、SrO、およびSnO2含有量を有するガラスシートを、ダウンドロー法、詳しくは、米国特許出願公開第2006/0242996号明細書に開示されたタイプのカプセルを用いたフルスケールのフュージョン法を用いて製造した。これらのシートは、アルカリ、ヒ素、およびアンチモンを実質的に含まなかった。このガラスの鉄、スズ、ハロゲン化物および硫黄の含有量は、先に記載した技法によって決定した。ハロゲン化物および硫黄の含有量は、先のセクションIIIに明記された好ましい範囲にあった。ガラスの鉄とスズの含有量は、ガス状異物を減少させるようにバッチ材料を選択することによって調節した。0.010モルパーセント以上の鉄含有量および0.017モルパーセント以上のスズ含有量では、前記プロセスにより、0.05ガス状異物/1立方センチメートル未満の平均異物レベルを有する50枚の連続したガラスシートの個体群であって、個々のシートが少なくとも500立方センチメートルの体積を有している個体群が製造された。詳しくは、そのような異物レベルは、0.013モルパーセントの鉄含有量および0.07モルパーセントのスズ含有量について見られた。
本発明を、例示を目的として詳細に記載してきたが、そのような詳細はその目的のためだけであり、以下の特許請求の範囲に定義された本発明の精神と範囲から逸脱せずに、当業者によりここに変更を行えることが理解されよう。
Figure 0005909263
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Claims (6)

  1. アルカリ金属酸化物を実質的に含まないガラスシートを製造する方法であって、前記シートを構成するガラスが、SiO、Al、B、MgO、CaO、およびSrOを含み、
    (i) 0.010〜0.033モルパーセントの範囲のFe23として表された鉄含有量、
    (ii) 0.017〜0.112モルパーセントの範囲のSnO2として表されたスズ含有量、
    (iii) 0.2モルパーセント以下のハロゲン化物含有量、および
    (iv) 0.002モルパーセント以下の硫黄元素として表される硫黄含有量、
    を有するようにバッチ材料を選択し、溶融し、清澄させる各工程を含み、
    (a) 前記清澄工程が、ヒ素またはアンチモンのいずれも使用せずに行われ、
    (b) 溶融され清澄されたバッチ材料から製造された50枚の連続したガラスシートの個体群が、0.05ガス状異物/立方センチメートル未満の平均ガス状異物レベルを有し、個体群の各シートが少なくとも500立方センチメートルの体積を有する、
    ことを特徴とする方法。
  2. Fe23として表される前記鉄含有量が0.012〜0.024モルパーセントの範囲にあることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. SnO2として表される前記スズ含有量が0.021〜0.107モルパーセントの範囲にあることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 前記ガラスがΣ[RO]/[Al23]≧1.00を有し、
    ここで、[Al23]がAl23のモルパーセントであり、Σ[RO]がMgO,CaO,SrO,およびBaOのモルパーセントの合計である、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  5. 前記ガラスが、以下の性質:
    (a) 2.41グラム/cm3以下の密度、
    (b) 100,000ポアズ以上の液相線粘度、
    (c) 650℃以上の歪み点、および/または
    (d) 関係式:
    28×10-7/℃≦CTE≦35×10-7/℃
    を満たす、0〜300℃の温度範囲に亘る線熱膨張係数(CTE)
    の1つ以上を有することを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  6. 前記ガラスが、0.5以上のFe2+対Fe3+比を有することを特徴とする請求項1または2記載の方法。
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