JP5890934B2 - 固形油脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固形油脂組成物及びその製造方法に関する。
パイ、クロワッサン、デニッシュのような層状膨化食品は、小麦粉を含む生地原料と油脂組成物を用いて製造され、製造法の違いから、主として折りパイと練りパイのふたつに分けられる。
折りパイは、生地原料を混捏して得た生地にバター、マーガリン、ショートニング等のシート状の油脂組成物を重ね、伸ばして折り畳む伸展工程を繰り返すことにより生地と油脂の薄い層を多数積層させ、これを焼成して得られるものである。シート状の油脂組成物としては、例えば、特許文献1に記載のものが挙げられる。
一方、練りパイは、生地原料に、バター、マーガリン、ショートニング等の可塑性油脂の小片を加え、混捏してから、伸展するのみ、もしくは折り畳む工程を繰り返し、焼成して得られるものである。可塑性油脂を小片とするには、塊状の油脂組成物を特殊な機械で予め処理してチップ状とすることが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−321065号公報 特開2006−204124号公報
折りパイは、パイ生地とシート状の油脂組成物とを交互に重ね、数回の伸展工程を経て得られる何重もの層から構成される。折りパイ用の油脂組成物としては、パイ生地に追従する適切な伸展性を有することが求められる。油脂組成物が硬すぎ伸展性が乏しいと、折り込み時に割れたり、生地への伸展が不充分となったりする原因となる。一方、軟らか過ぎると、生地に練り込まれたり、生地からはみ出たりして、不均一な層の生成、浮き不足、空洞生成、火ぶくれの原因となり、製品のばらつきが大きくなる。
練りパイ用の油脂組成物としては、生地原料に均一に分散させるため、通常、予め切断したり、小さなチップ状に成形したりして、小片化したものが使用される。油脂組成物が充分に小片化されないと生地原料に分散されず、生地において遍在することとなり、焼成後に焼ムラが生じたり、パイの層や食感が不均一となったりする原因となる。
しかし、小片化するには切断又は成型するための設備を必要とするため、追加の製造コストが要求される。また、ユーザーにて塊状の油脂組成物を使用する場合、塊状の油脂を切断することは、手間と労力を要する。
そこで、本発明は、生地原料に均一に分散しやすく、生地に重ねたときに良好な伸展性を示す新規な固形油脂組成物とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究を行った結果、ガス相を含んだ板状及び/又は棒状の固形油脂組織の合一体からなる固形油脂組成物を用いれば、製菓生地又は製パン生地を作成する際に、容易に小片と崩壊し、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、固形油脂組成物の製造過程で油脂組成物原料にガスを供給するとともに、油脂組成物原料の晶析過程で油脂組成物原料を網目に通すことにより、小片へと崩壊しやすい固形油脂組成物が製造されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、以下の固形油脂組成物等が提供される。
1.製菓生地又は製パン生地を作成する際の外力により容易に小片へと崩壊する固形油脂組成物。
2.板状及び/又は棒状の固形油脂組織の合一体からなり、前記合一体がガス相を含む、1に記載の固形油脂組成物。
3.固形油脂組成物100g当たり、0.1ml〜20mlのガスを含む、1又は2に記載の固形油脂組成物。
4.シート状、ブロック状、サイコロ状、又は円柱状に成型された、1〜3のいずれかに記載の固形油脂組成物。
5.固形油脂組成物の全重量を基準として水分が0重量%〜17重量%である、1〜4のいずれかに記載の固形油脂組成物。
6.ガスを除く固形油脂組成物原料を溶解した後、ガスを供給し、前記固形油脂組成物原料を晶析する際に網目に通すことにより製造された、1〜5のいずれかに記載の固形油脂組成物。
7.前記固形油脂組成物原料を網目に通した後に、成型することにより製造された、6に記載の固形油脂組成物。
8.油脂組成物原料にガスを供給する工程と、前記油脂組成物原料を晶析する工程とを含み、前記晶析工程において前記油脂組成物原料を網目に通すことを特徴とする、固形油脂組成物の製造方法。
9.更に、前記油脂組成物原料を成型する工程を含む、8に記載の固形油脂組成物の製造方法。
10.9又は10に記載の製造方法により製造された固形油脂組成物。
11.1〜7及び10のいずれかに記載の固形油脂組成物と、生地原料とを用いて製造した層状膨化食品。
本発明によれば、生地原料に均一に分散しやすく、生地に重ねたときに良好な伸展性を示す新規な固形油脂組成物とその製造方法を提供できる。
本発明の固形油脂組成物の内部構造を示す模式図である。 本発明の固形油脂組成物の内部構造の一例を示す写真である。 本発明の固形油脂組成物の内部構造の一例を示す写真である。 本発明の固形油脂組成物の内部構造の一例を示す写真である。 本発明の固形油脂組成物の内部構造の一例を示す写真である。 従来のショートニングの内部構造を示す模式図である。 本発明の固形油脂組成物の製造方法の工程の一態様を示す。 実施例9及び比較例6の崩壊性試験の様子を示す写真である。
[固形油脂組成物]
本発明の固形油脂組成物は、製菓生地又は製パン生地を作成する際の外力により容易に小片へと崩壊することを特徴とする。
本発明において、「小片」とは、文字どおり、小さなかけらを意味する。また、「崩壊」は、文字通り、崩れて壊れることを意味する。従って、「小片へと崩壊する」とは、固形油脂組成物が元の大きさよりも小さい複数のかけらへと崩れて壊れることを意味する。小片は、特定の形状や特定の寸法に限定されない。
また、本発明において、「製菓生地又は製パン生地を作成する際の外力」とは、製菓生地又は製パン生地の作成する際、生地原料等の他の食品原料と混合するときに固形油脂組成物に対して外部から加えられる力をいう。具体的には、ミキサー等の機械的な手段や人の手により、固形油脂組成物と他の食品原料とを混合したり捏ねたりする際に、固形油脂組成物に対して通常加えられる力である。
従って、「製菓生地又は製パン生地を作成する際の外力により容易に小片へと崩壊する」とは、固形油脂組成物を原料として用いる食品の製造過程において、過度な圧力やせん断力等の特別な力を何ら加えることなく、固形油脂組成物を他の食品原料と混合する際に通常加えられる力により、固形油脂組成物が小片へと崩壊することを意味する。
製菓生地又は製パン生地を作成するときには、固形油脂組成物が、ミキサーの羽根やミキサーボウル等の機械的手段により削り取られて、小片となることもある。しかし、本発明における「小片へと崩壊する」とは、削り取られた結果、小片となることを意味するのではなく、外力により崩れたり壊れたりして小片となることを意味する。従って、固形油脂組成物が削り取られて小片となるだけでは、本発明の固形油脂組成物とは言えない。また、外力により小片へと崩壊する限り、削り取られて小片ができたとしても、そのような固形油脂組成物が本発明の範囲から除外されるものではない。
食品、特に層状膨化食品を製造する際に本発明の固形油脂組成物を用いれば、生地原料と混合する際に加えられる外力により固形油脂組成物は容易に細かい小片へと崩壊し、生地原料に均一に分散させることができる。生地原料と混合する前に予め固形油脂組成物を切断したり、小さな塊状に成形したりして、小片化する必要もない。また、本発明の固形油脂組成物は、生地原料上への伸展性にもすぐれる。従って、本発明の固形油脂組成物は、層状膨化食品、特に練りパイや折りパイを製造する際に好適に用いることができる。
本発明の固形油脂組成物は、例えば、ショートニング、マーガリン、ファットスプレッド、バター等であることができる。
本発明の固形油脂組成物は、一般的な数十Kgの業務用マーガリンや0.5Kg程度のポンドマーガリンと同様の形態であることができる。更に、使用用途に応じて、シート状、ブロック状、サイコロ状、又は円柱状に成型された形態であることができる。
本発明において、「シート状」とは、例えば、厚さ40mm未満の平たい板の形態をいい、「ブロック状」とは、例えば、厚さ40mm以上の直方体の形態をいうものとする。また、「サイコロ状」とは、例えば、一辺が5〜30mm程度の直方体の形態又はそれと同視し得る形態をいい、「円柱状」とは、例えば、直径が5〜30mm程度の円柱の形態又はそれと同視し得る形態をいう。
本発明の固形油脂組成物は、ガス相を含んだ板状及び/又は棒状の固形油脂組織の合一体からなり、前記合一体がガス相を含むものであってもよい。
即ち、本発明の固形油脂組成物は、板状の固形油脂組織又は棒状の固形油脂組織のどちらかが組み合わさって、あるいは板状の固形油脂組織と棒状の固形油脂組織の両方が混在して組み合わさって、合一体を形成していてもよい。また、このとき合一体はガス相を含んでいてもよい。
このような特徴を有することにより、本発明の固形油脂組成物は、生地原料と混合する際に加えられる外力により、容易に細かい小片へと崩壊し、生地原料に均一に分散させることができる。
板状の固形油脂組織と、棒状の固形油脂組織の寸法は特に限定されない。板状又は棒状の固形油脂組織の厚さは、後述する本発明の固形油脂組成物の製造方法において使用する網目の目開きの寸法に依存し、例えば、250μm〜5.6mmである。
また、本発明の固形油脂組成物は、油脂結晶相とガス相とから構成された繊維状組織を有していてもよい。固形油脂組成物中にはガスが存在し、ガスは分散した気泡として存在するのではなく連続した相として存在し、油脂結晶は、このガス相により複数の油脂結晶相に分けられている。複数の油脂結晶相の間にガス相が入り込むことにより、隣り合う複数の油脂結晶相は、隣り合う面の全体が結着するのではなく、隣り合う面の一部において結着し、その結果、固形油脂組成物は板状及び/又は棒状の固形油脂組織の合一体からなり、前記合一体がガス相を含む組織を有する。このような組織を有することにより、本発明の固形油脂組成物は、生地原料と混合する際に加えられる外力により、容易に細かい小片へと崩壊し、生地原料に均一に分散させることができる。
図1に、本発明の固形油脂組成物の内部構造を模式図として示す。固形油脂組成物中にはガスが存在し、ガスは、球状の気泡ではなく、板状及び/又は棒状の固形油脂組織の間に入り込んでいる。
図2〜図5に、本発明の固形油脂組成物の内部構造の一例を写真で示す。本発明の固形油脂組成物は、複数の板状及び/又は板状の固形油脂組成物が隣り合う面の一部において結着した合一体である。
ガス相を含んだ固形油脂組成物として、従来、ショートニングがあり、いわゆる流し込みショートニングと呼ぶ。図6に、一般的なショートニング(急冷捏和品)の内部構造を模式図として示す。一般的なショートニングは、油脂結晶の連続相中にガスが気泡として分散して存在する。一般的なショートニングのような、ガスが気泡として分散して存在する内部構造では、生地原料と混合してもその際に加えられる外力により、充分に小片へと崩壊しない。
本発明の固形油脂組成物の崩壊性、及び従来の流し込みショートニングの崩壊性との比較は、例えば、実施例9及び比較例6に記載した方法により確認することができる。
本発明の固形油脂組成物は、好ましくは、固形油脂組成物100g当たり、0.1ml〜20mlのガスを含む。適度にガスを含むことにより固形油脂組成物が脆くなり、外力により容易に小片へと崩壊しやすくなる。固形油脂組成物100g当たりのガス量は、より好ましくは0.2ml〜15mlであり、更に好ましくは0.5ml〜10mlである。
本発明において「ガス量」とは、固形油脂組成物100g当たりに含まれる気体の体積(ml)をいい、農林水産省「日本農林規格 平成二十四年七月十七日 農林水産省告示第一六八八号」により測定した値である。
本発明の固形油脂組成物は、固形油脂組成物を用いて製造する菓子やパンの食感上、好ましくは、固形油脂組成物の全重量を基準として水分が0重量%〜17重量%である。水分は、より好ましくは、0重量%〜10重量%であり、更に好ましくは、0重量%〜5重量%である。
本発明の固形油脂組成物は、後述する本発明の固形油脂組成物の製造方法により製造することができる。
好ましくは、本発明の固形油脂組成物は、ガスを除く固形油脂組成物原料を溶解した後、ガスを供給し、前記油脂組成物原料を晶析する際に網目に通すことにより製造されたものである。
また、好ましくは、本発明の固形油脂組成物は、油脂組成物原料を網目に通した後に、成型することにより製造されたものである。
[固形油脂組成物の製造方法]
本発明の固形油脂組成物の製造方法は、油脂組成物原料にガスを供給する工程と、前記油脂組成物原料を晶析する工程とを含み、前記晶析工程において前記油脂組成物原料を網目に通すことを特徴とする。これにより、外力により容易に小片へと崩壊する固形油脂組成物を製造することができる。本発明の製造方法により製造される固形油脂組成物は、生地原料と混ぜ合わせる際に崩壊しやすく、生地原料に均一に分散する。また、本発明の製造方法により製造される固形油脂組成物は、生地原料上への伸展性にもすぐれる。
油脂組成物原料にガスを供給する工程は、油脂組成物原料を晶析する工程より前に行うか、又は、油脂組成物原料を晶析する工程の間に行うことができる。但し、晶析工程において油脂組成物原料を網目に通す前に、油脂組成物原料にガスを供給する工程を行う。
通常、固形油脂組成物は、固形油脂組成物を構成する各原料を液体状態で混合し、混合した油脂組成物原料を急冷捏和し、更にレスティングチューブを通して晶析することにより、製造される。
従って、本発明の製造方法では、例えば、油脂組成物原料を混合する際に原料の混合液体中にガスを供給してもよく、又は、急冷捏和する際に油脂組成物原料にガスを供給してもよく、又は、レスティングチューブにおいて油脂組成物原料にガスを供給してもよい。
尚、晶析工程では、晶析が進行するにつれてガスを供給する際の抵抗が大きくなるため、供給するガスの圧力に依存して晶析工程の後段ではガスを供給しにくいか、供給できない場合も生じ得る。
使用するガスの種類は、食品に使用できるものであれば、特に限定されない。例えば、窒素、ヘリウム、二酸化炭素、空気、亜酸化窒素等を用いることができる。油脂組成物原料を変性させない、窒素、ヘリウム、二酸化炭素、亜酸化窒素が好ましい。
供給するガスの流量は、油脂組成物原料の流量と製造設備の容積に依存して適宜決定することができる。供給するガスの流量は、例えば、油脂組成物原料の流量に対して、5〜25%であり、好ましくは、10〜20%である。供給するガスの流量は、製造される固形油脂組成物100g当たりのガス量が0.1ml〜20mlとなるような流量であることが好ましい。
油脂組成物原料を晶析する工程は、例えば、油脂組成物原料を急冷捏和し、レスティングチューブに通すことにより行うことができる。急冷捏和することにより、油脂組成物原料が結晶化され、更にレスティングチューブに通すことにより結晶化が進行し、結晶が熟成される。
急冷捏和の「捏和」とは機械的に練ることを意味する。急冷捏和は、当技術分野において既知の適する装置を用いて行うことができる。具体的には、ボテーター、コンビネーター、オンレーター、パーフェクター等の掻き取り式チューブラー冷却器(「Aユニット」とも呼ばれる。)において急冷し、ピンマシン(「Bユニット」とも呼ばれる。)やレスティングチューブを通して捏和可塑化する方法が一般的である。例えば、油脂原料、又は、油脂原料に、水、乳化剤、呈味物質等を必要に応じて添加した油中水型エマルションを、加熱、融解後、急冷捏和する。急冷捏和の方法には、通常、マーガリンやショートニングを作製する方法を用いることができる。
本発明の固形油脂組成物の製造方法においては、晶析工程において油脂組成物原料を網目に通すことを特徴とする。ガスを含む油脂組成物成分を晶析工程において網目に通すことで、得られる固形油脂組成物が外力により容易に崩壊しやすくなる。
網目は、晶析工程の任意の場所に任意の数を配置することができる。網目は、油脂組成物原料の流れ方向に対して平行とならないように配置すればよい。好ましくは、網目は、油脂組成物原料の流れ方向に対して垂直に配置する。
網目は、レスティングチューブの入口から中間点までの間の任意の箇所に設置することが好ましい。また、網目は、レスティングチューブ内に二箇所設置することが好ましい。レスティングチューブの入口から中間点までの間に二箇所設置することがより好ましく、レスティングチューブの入口と、レスティングチューブの流れ方向長さの中間点の二箇所に設置することがさらにより好ましい。
また、網目を構成する材料は、特に限定されず、針金、糸、ピアノ線等を用いることができる。通常、篩に用いられる金属製の網目を用いる。
網目の目開きの寸法は、好ましくは、2.0mm〜5.6mmである。
また、油脂組成物原料を網目に通す代わりに、例えば、油脂組成物原料の流れ方向に対して平行とならないように配置した、複数の針金、糸、ピアノ線や、パンチングメタルに通してもよい。
本発明の固形油脂組成物の製造方法の一態様においては、油脂組成物原料にガスを供給した後で、かつ、油脂組成物原料を網目に通す前に、油脂組成物原料をインラインミキサーに通してもよい。これにより、ガスを微細化したり、ガスを油脂組成物原料中に良く分散させたりすることができる。インラインミキサーとしては、特に限定されないが、例えば、スタティックミキサー(株式会社ノリタケカンパニーリミテド製)、パイプラインホモミクサー(プライミクス株式会社製)、スルーザーミキサー(緑機械工業株式会社製)等が挙げられる。インラインミキサーは、例えば、レスティングチューブの前に設置することができる。
本発明の固形油脂組成物の製造方法は、好ましくは、更に油脂組成物原料を成型する工程を含む。晶析工程により結晶化した油脂組成物を適する口金や成型機等を通して成型することにより、シート状、ブロック状、サイコロ状、又は円柱状に成型した固形油脂組成物を製造することができる。
本発明の固形油脂組成物の製造方法の一態様は、油脂組成物原料を混合する工程と、前記油脂組成物原料を急冷捏和し、レスティングチューブを通すことにより、晶析する工程とからなり、前記油脂組成物原料にガスを供給することと、前記晶析工程において前記油脂組成物原料を網目に通すことを特徴とする。
油脂組成物原料の混合は、当技術分野において既知の適する混合手段を用いて行うことができる。
本発明の固形油脂組成物がマーガリンである場合には、本発明の製造方法において、混合工程で油脂組成物原料を乳化させる。混合工程の後、急冷捏和工程の前に、油脂組成物原料を殺菌する殺菌工程を行うことが好ましい。
また、本発明の固形油脂組成物がショートニングである場合には、油脂組成物原料に水を含まないため、本発明の製造方法において、混合工程では乳化しない。
図7に、本発明の製造方法の工程の一態様を示す。
図7において、油脂組成物を構成する各原料は、混合槽1において充分に混合される。混合槽は、当技術分野において既知のものを使用することができ、混合条件等も適宜設定することができる。
混合工程を経た油脂組成物原料は、ポンプ2により、続く晶析工程に供給される。ポンプは、当技術分野において既知のものを使用することができる。
晶析工程では、油脂組成物原料は、まず急冷捏和装置3に供給され、ここで急冷され、捏和される。急冷捏和装置は、当技術分野において既知のものを使用することができ、条件等も適宜設定することができる。急冷捏和装置により油脂組成物原料の結晶化が開始され、進行する。
急冷捏和装置3に続いて、油脂組成物原料はレスティングチューブ4に供給され、ここで結晶が熟成される。レスティングチューブは、当技術分野において既知のものを使用することができ、条件等も適宜設定することができる。
図7において、網目は、晶析工程を構成する急冷捏和装置3及びレスティングチューブ4の任意の場所に任意の数を配置することができる。
本発明の製造方法において、油脂組成物原料にガスを供給する工程は、油脂組成物原料を晶析する工程より前に行うか、又は、油脂組成物原料を晶析する工程の間に行うことができる。従って、図7において、混合槽1にガスを供給するか、又は、急冷捏和装置3若しくはレスティングチューブ4にガスを供給することができる。但し、ガスの供給は晶析工程において油脂組成物原料を網目に通す前に行う。
図7には図示していないが、図7においてレスティングチューブ4を経て製造された固形油脂組成物は、更に任意の口金や成型機等を通過させて、所望の形態に成型することができる。
本発明で用いることができる油脂組成物原料は、通常の油脂加工食品に用いられる食用油脂であれば特に限定されないが、例えば、大豆油、菜種油、ヒマワリ油、オリーブ油、サフラワー油、カボック油、パーム油、コーン油、綿実油、ヤシ油、パーム核油、シア脂、ハイオレイック菜種油、ハイエルシン菜種油、ハイオレイックヒマワリ油、ハイオレイックサフラワー油等の植物油脂類;牛脂、ラード、魚油、鯨油、乳脂等の動物油脂類、等を挙げることができる。また、これらの油脂を分別、水添処理したもの、及びエステル交換したものも使用できる。これらの油脂は一種を単独で、又は二種以上を混合して使用することができる。
油脂は、水と乳化されたエマルションとして使用してもよい。
また、必要に応じて、油脂加工食品に通常添加される、呈味成分、香料、栄養成分、乳化剤、着色料、増粘剤、酸化防止剤等が含まれていてもよい。
本発明で用いることができる油脂組成物原料は、本発明の固形油脂組成物がマーガリンであるか、ショートニングであるか、ファットスプレッドであるか、又はバターであるかに応じて、適宜選択することができる。
[層状膨化食品]
本発明の層状膨化食品は、上記説明した本発明の固形油脂組成物と、生地原料とを用いて製造されるものである。例えば、パイ、デニッシュ、クロワッサン、タルト等が挙げられる。
生地原料は、特に限定されないが、例えば、薄力粉、中力粉、強力粉等の小麦粉類、蕎麦粉、米粉、大麦粉、ライ麦粉等の穀粉類、大豆粉等の堅果粉類、コーンスターチ、タピオカ澱粉等の澱粉類やこれらの澱粉を加工した加工澱粉類等、塩、水、粉乳等を用いることができる。
層状膨化食品は、当技術分野において既知の方法により製造することができる。例えば、パイは、練りパイでも折りパイでもよく、例えば、後述する実施例に記載する方法により製造することができる。
以下に本発明の実施例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
図7に示すような装置を用いて、油脂組成物原料から固形油脂組成物を製造した。具体的には、まず、油脂組成物原料を準備し、充分に混合して混ぜ合わせた。油脂組成物原料は、パーム油70%、ヤシ油20%、菜種油10%からなる混合油のエステル交換油とパーム油50%、ヤシ油30%、米油20%からなる混合油のエステル交換油を5:5で混合したものを用いた。
次に、この原料混合物を150L/hの流量で、急冷捏和装置、レスティングチューブの順に通して、晶析させ、シート状に成形して、固形油脂組成物を得た。急冷捏和装置の入口において、原料中に、表2に示す所定量の窒素ガスを吹き込むとともに、レスティングチューブの入口と、レスティングチューブの流れ方向長さの中間点の二箇所に、表2に示す所定の目開きの網目を配置し、原料を通過させた。
得られた固形油脂組成物について、ガス量を測定した。ガス量は、固形油脂組成物100g当たりに含まれる気体の体積(ml)であり、農林水産省「日本農林規格 平成二十四年七月十七日 農林水産省告示第一六八八号」により測定した。結果を表2に示す。
(パイ製造試験1)
(パイ生地の調製)
得られた固形油脂組成物を用いてパイ(いわゆる練りパイ)を製造した。具体的には、表1に示す所定量の強力粉、薄力粉、食塩、及び固形油脂組成物をミキサーボウルに入れ、30コートミキサー(カントーミキサー、関東混合機工業株式会社)を用いて、低速(スピードセレクト1、フック使用)で2分50秒混合した。尚、固形油脂組成物は、大きな塊から所定量を切り出したものをそのままミキサーボウルに入れた。ミキサーにより低速にて過度なせん断力を加えることなく他のパイ生地原料と混合する以外は、固形油脂組成物を細かくするための特別な処理はしていない。
このとき、固形油脂組成物の分散性を以下のとおりに評価した。結果を表2に示す。
(分散性)
分散性は、以下の方法により評価した。
まず、表1に示す氷水以外の原料、即ち、強力粉、薄力粉、食塩及び固形油脂組成物をミキサーボウルに入れ、30コートミキサー(カントーミキサー、関東混合機工業株式会社)を用いて、低速(スピードセレクト1、フック使用)にて混合した。混合を開始してから3分後に混合物を回収し、目開き9.5mmの篩に通し、篩に残った混合物の重量(A)[g]を測定した。次に、9.5mmの篩を通過した混合物を目開き5.6mmの篩に通し、篩に残った混合物の重量(B)[g]を測定し、(A)/(B)[−]を計算した。
油脂組成物が充分に崩壊し、生地原料に均一に分散している場合、大きい油脂粒子を表わす(A)が小さくなり、適度な大きさの油脂粒子を表わす(B)が大きくなるため、(A)/(B)はゼロに近づく。
一方、油脂組成物の崩壊が不充分であり、生地原料への分散が不均一である場合、大きい油脂粒子を表わす(A)が大きくなり、適度な大きさの油脂粒子を表わす(B)が小さくなるため、(A)/(B)はゼロから離れて大きくなる。
分散性は、(A)/(B)の値に基づいて以下の基準で分類して評価した。
◎: 非常に良好、(A)/(B)が1未満
○: 良好、(A)/(B)が1以上1.5未満
△: やや不良、(A)/(B)が1.5以上2未満
×: 不良、(A)/(B)が2以上
(パイの焼成)
次いで、混合物に氷水を加え、低速で1分間混合した後、生地をまとめて5℃で1時間冷蔵した。冷蔵後、生地を三つ折りにしてから、四つ折りにして、5℃で30分間冷蔵した。冷蔵後、さらに生地を三つ折りにしてから、四つ折りにして、5℃で30分間冷蔵した。
次いで、生地をリバースシーターにて厚さ3mmのシート状に延ばし、20cm×6cmの寸法にカットして、5℃で30分間冷蔵してから、上火220℃、下火200℃のオーブンにて14分間焼成した。
焼き上がったパイを冷却した後、以下の項目を評価した。
(高さ[mm])
それぞれの実施例及び比較例について12個のパイの高さ(パイの高さ方向の最も膨らんでいる頂点と底面との間の距離)をノギスで測定し、平均値と標準偏差を算出した。高さの平均値、標準偏差、最大値、最小値を表2に示す。
(外観)
パイの外観を評価した。パイの各層が均一に浮いているものを良(○)とし、浮きが不均一で、パイ表面に凹凸がある、パイの層が大きく剥がれ捲れている、もしくは割れているものを不良(×)とした。
外観良好なパイの数[個]と良品率[%]を表2に示す。
(内層の状態)
パイの内層の状態を以下の基準により評価した。結果を表2に示す。
5: 全体的に層が均一である。
4: 空洞がわずかにあるが、全体的に層が均一である。
3: 大きな空洞がわずかにあるが、全体的に層が均一である。
2: 大きな空洞が多く、全体的に不均一である。
1: 殆どのもので層が大きくつぶれている。
(製菓性総合評価)
パイの高さ、外観、内層の状態を勘案して、製菓性を総合的に評価した。製菓性を1〜5(1、2、3、4、5)の基準で区別し、1〜2を不良、3〜5を良好とした。数字が大きくなるほど製菓性が高く良好であることを示す。
実施例2〜5
窒素ガスの量と網目の目開きを表2に示すように変更したことを除いては、実施例1と同様に固形油脂組成物を製造し、評価を行った。結果を表2に示す。
比較例1〜3
窒素ガス導入の有無及び窒素ガスの量、並びに、網目の有無と網目の目開きを表2に示すように変更したことを除いては、実施例1と同様に固形油脂組成物を製造し、評価を行った。結果を表2に示す。
実施例6〜7
油脂組成物原料を変更し、窒素ガスの量と網目の目開きを表2に示すように変更したことを除いては、実施例1と同様に固形油脂組成物を製造し、評価を行った。油脂組成物原料は、パーム油70%、ヤシ油20%、菜種油10%からなる混合油のエステル交換油にグリセリン脂肪酸エステル0.3%、大豆レシチン0.2%を添加した油相に対し、水14%、塩0.5%を添加した油中水型エマルションを使用した。
比較例4
窒素ガスを導入しなかったことを除いては、実施例6と同様に固形油脂組成物を製造し、評価を行った。結果を表2に示す。
表2において「*1」は、固形油脂組成物の試料が溶融した際に油相と水相の境界が明確ではなく、測定不可能であった。
ガスを供給せずに製造した比較例1、3の固形油脂組成物のガス量は、マイナスの値が測定された。ガス量測定時の加温による油脂組成物の体積変化の影響によるものと考えられる。
また、ガスを供給して製造した比較例2の固形油脂組成物のガス量は、比較例1、3と同様に、マイナスの値が測定された。ガスを供給しても網目を設置しないと、ガスが油脂組成物中に分散して保持されずにそのまま抜けてしまうと考えられる。
実施例1〜7で製造された固形油脂組成物は、生地原料と混合した際に容易に均一な小片へと崩壊した。一方、比較例1〜4で製造された固形油脂組成物は、生地原料と混合しても小片に崩壊せず、油脂の塊が撹拌羽根に削られて、大きな油脂の塊と削られた小さな油脂が混在していた。
実施例8
(パイ製造試験2)
(パイ生地の調製)
実施例5で得られた固形油脂組成物を用いて、パイ(いわゆる折りパイ)を製造した。具体的には、表3に示す所定量の強力粉、薄力粉、食塩、及び練り込み用ショートニングをミキサーボウルに入れ、30コートミキサー(カントーミキサー、関東混合機工業株式会社)を用いて、低速(スピードセレクト1、フック使用)で1分間混合した。
次いで、混合物に氷水を加え、低速で1分30秒、中速(スピードセレクト2)で1分間、高速(スピードセレクト3)で1分間混捏した後、生地をまとめて5℃で一晩冷蔵した。
冷蔵後、固形油脂組成物を厚さ0.5cmに延ばした物を生地の上に載せ、生地で包んで折り込んだ。折り込みは、三つ折りにしてから、四つ折りにして、5℃で1時間冷蔵し、冷蔵後、さらに生地を三つ折りにしてから、四つ折りにして、5℃で1時間冷蔵した。
(パイの焼成)
次いで、生地をリバースシーターにて厚さ3mmのシート状に延ばし、20cm×6cmの寸法にカットして、5℃で30分間冷蔵してから、上火220℃、下火200℃のオーブンにて14分間焼成した。
焼き上がったパイを冷却した後、実施例1と同様に、高さ、外観、内層の状態を評価した。
また、固形油脂組成物の伸展性を以下のとおりに評価した。結果を表4に示す。
(伸展性)
伸展性は、以下の方法により評価した。
15℃で一晩調温した固形油脂組成物をベーキングシートに挟み、リバースシーターで厚さ5mmに延ばした。このときの様子を以下の基準で分類して評価した。
○: 良好な伸展性があり、油脂組成物に割れが見られない。
△: やや伸展性が乏しく、油脂組成物に若干の割れが見られる。
×: 伸展性が乏しく、油脂組成物に割れが見られる。
比較例5
比較例1で得られた固形油脂組成物を用いたことを除いては、実施例8と同様にパイ(いわゆる折りパイ)を製造し、評価した。結果を表4に示す。
実施例、比較例の固形油脂組成物について伸展性には差が見られず、どちらも良好であったが、実施例ではパイの外観が良好であり良品率が優れているのに対して、比較例では良品率が低かった。
実施例の固形油脂組成物は、伸展性にすぐれ、折りパイの製造にも好適であった。
(崩壊性試験)
本発明の固形油脂組成物と従来の流し込みショートニングについて、崩壊性を評価した。
実施例9
実施例5で調製した本発明の固形油脂組成物を、厚さ20mmのシート状に成型する口金から製品を吐出時一定重量にカットし、−18℃にて冷凍保存した。
30コートミキサー(カントーミキサー、関東混合機工業株式会社)のミキサーボウルに小麦粉60g(強力粉30g及び薄力粉30g)を入れた後、冷凍保存したシート状の固形油脂組成物600gを入れ、20℃±2℃の室温にて、低速にて30秒混合した。
混合物を回収し、目開き18mmの篩に通し、篩に残った混合物の重量(A)[g]を測定した。次に、目開き18mmの篩を通過した混合物を目開き9.5mmの篩に通し、篩に残った混合物の重量[g]を測定した。次に、目開き9.5mmの篩を通過した混合物を目開き5.6mmの篩に通し、篩に残った混合物の重量(B)[g]を測定した。次に、目開き5.6mmの篩を通過した混合物を目開き3.5mmの篩に通し、篩に残った混合物と篩を通過した混合物の重量[g]をそれぞれ測定した。目開き18mmの篩に残った混合物と目開き9.5mmの篩に残った混合物の合計重量[g]を(A)とし、(A)/(B)[−]を計算した。結果を表5に示す。
また、混合30秒後の状態を図8に示す。
比較例6
従来の流し込みショートニング(ジュアンソラーレ、太陽油脂株式会社製)をシート状にカットし、−18℃にて冷凍保存した。このシート状流し込みショートニングを用いて、実施例9と同じ手順で操作を行い、(A)/(B)[−]を計算した。結果を表5に示す。また、混合30秒後の状態を図8に示す。
実施例9では、本発明の固形油脂組成物は、小麦粉との混合により短時間で容易に小片へと崩壊した。小片の寸法は、大きいものでも18mm以下が多く、小さいものでは、3.5mmより大きく5.6mm以下のものが多かった。
比較例6では、従来の流し込みショートニングは、小麦粉との混合により大きな塊へと砕けはしたが、寸法18mm未満の小片へと崩壊したものは少なかった。
本発明の固形油脂組成物は、パイ、デニッシュ、クロワッサン、タルトのような層状膨化食品を製造する際に好適に使用することができる。
上記に本発明の実施形態及び/又は実施例を幾つか詳細に説明したが、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施形態及び/又は実施例に多くの変更を加えることが容易である。従って、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
この明細書に記載の文献及び本願のパリ優先の基礎となる日本出願明細書の内容を全てここに援用する。

Claims (6)

  1. 100g当たり、0.1ml〜20mlのガスを含む、層状膨化食品用の固形油脂組成物であって、内部構造が、複数の板状及び/又は棒状の油脂結晶相が隣り合う面の一部において結着している、前記固形油脂組成物。
  2. シート状、ブロック状、サイコロ状、又は円柱状に成型された、請求項1に記載の固形油脂組成物。
  3. 固形油脂組成物の全重量を基準として水分が0重量%〜17重量%である、請求項1又は2に記載の固形油脂組成物。
  4. 層状膨化食品用の固形油脂組成物の製造方法であって、
    混合した固形油脂組成物原料にガスを供給する工程と、
    前記固形油脂組成物原料を晶析する工程とを含み、
    前記晶析工程において、前記固形油脂組成物原料を急冷捏和し、レスティングチューブに通し、ガスを含んだ状態で前記レスティングチューブの入口から、前記レスティングチューブの流れ方向長さの中間点までの間のみにおいて前記固形油脂組成物原料を目開きが2.0mm〜5.6mmの網目に通す、層状膨化食品用の固形油脂組成物の製造方法。
  5. 前記網目を、前記レスティングチューブの入口と、前記レスティングチューブの流れ方向長さの中間点の二箇所に設置する、請求項4に記載の固形油脂組成物の製造方法。
  6. 更に、前記固形油脂組成物原料を成型する工程を含む、請求項4又は5に記載の固形油脂組成物の製造方法。
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