JP2011092158A - クリーム組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
固形物を分散したクリーム組成物であって、固形物やクリームの食感が経日的に変化することなく、また、ブルームやグレーニングの発生も防止されたクリーム組成物、及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】層状ベーカリー製品の破砕物を含有し、油相が連続相であることを特徴とするクリーム組成物。該クリーム組成物は、層状ベーカリー製品の破砕物と、油相が連続相であるクリームとを混合する方法、又は、層状ベーカリー製品と、油相が連続相であるクリームとを混合することで、層状ベーカリー製品を破砕しながらクリーム中に分散させる方法により製造することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、固形物を含有するクリーム組成物及びその製造方法に関する。
製菓製パン用クリームのうち、油脂を含むクリームは水相が連続相であるクリームと、油相が連続相であるクリームとに分類することができる。水相が連続相であるクリームは口溶けが良好である反面、細菌汚染を受けやすく日持ち性が悪いのに対し、油相が連続相であるクリームは、日持ち性は良好である。そのため、前者は冷蔵での販売・流通・保存を行う洋生菓子用途が主であるのに対し、後者は常温での販売・流通・保存を行なう製菓・製パン用途にも広く使用されている。
ここで、水相を連続相とするクリームは、その組成、製法、規格等により、カスタードクリーム、フラワーペースト、生クリーム、洋生クリーム、ホイップクリーム、フルーツソース、ガナッシュ等多くの分類と名称があるのに対し、油相が連続相であるクリームは、水相を含有するものはバタークリームと称され、水相を含有しないものはシュガークリームと称されている程度であり、水相を連続相とするクリームほどの多くの差異は見られない。実際、油相が連続相であるクリームのバラエティー化は、そのクリームに風味を付与するか、固形物を分散させる程度のことが行われているにすぎない。
ここで、油相が連続相であるクリームに分散させる固形物としては、チョコチップやレーズンをはじめ、洋酒漬け果実(例えば特許文献1参照)、乾燥フルーツ(例えば特許文献2参照)、ザラメ糖(例えば特許文献3参照)、コーンフレーク(例えば特許文献4参照)等が見られる。固形物としてこのような各種食品素材を分散させた場合、ほとんどの食品素材は水分及び/又は油分を含有するため、油相が連続相であるクリームはその保存期間が長いことから、固形物とクリームの間で水分含量や油分含量に差があると、水分移行及び/又は油分移行(これらをまとめてミグレーションという)が発生する。
一度ミグレーションが発生すると、固形物は吸水又は吸油してべたついた食感になってしまったり、溶解して消失してしまったり、固形物の水分や油分が抜けてパサついた食感になってしまったりする。また、クリームについても、吸水又は吸油により保型性が悪化したり、離水やオイルオフを発生したり、水分や油分が抜けて滑らかな食感が消失したりする。
更に、油分については、たとえ、油分含量が同一であったとしても、油脂の中でも液状油成分の方が固形脂成分よりも移行しやすい。一般にクリームに使用される油脂は口溶けの面から液状油成分が多いため、固形脂含量の高い固形物、例えばチョコチップ等を分散した場合は、ミグレーションによりブルームやグレーニングが発生して、固形物の表面や周囲が白色化したり固形物の滑らかな食感が消失したり、はなはだしい場合は固形物の食感のみならずクリームの食感もざらつく等の悪影響が出てしまう。
この油分移行は、チョコレートと焼菓子を組み合わせた複合菓子で顕著に発生することから、その分野で多く研究が行われており、油分移行の防止方法について多くの提案が行われている。その防止方法は基本的に3通りに分類することができる。即ち、油分が流出する側の食品素材に使用する油脂として融点の高い油脂(高融点油脂)を使用する方法(例えば特許文献5参照)、乳化剤を使用する方法(例えば特許文献6参照)、融点の低い油脂を使用してブルームやグレーニングの基となる油脂結晶を溶解してしまう方法(例えば特許文献7参照)等が提案されている。
しかし、高融点油脂を使用する方法や乳化剤を使用する方法は口溶けが悪化するという問題があり、融点の低い油脂を使用する方法は、クリームの保型性が悪化してしまうことに加え、液状油成分がオイルオフを起こすという問題があった。
また、これらの油脂移行防止による方法だけでは、水分移行により発生する問題については改良できなかった。
特開昭50−125047号公報 特開2004−313018号公報 特開2001−095488号公報 特開平10−225265号公報 特開昭64−060325号公報 特開平06−311845号公報 特開2004−016096号公報
従って、本発明の目的は、固形物を分散したクリーム組成物であって、固形物やクリームの食感が経日的に変化することなく、また、ブルームやグレーニングの発生も防止されたクリーム組成物、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、全く別の目的で研究を行っていた際に、パイクラムとバタークリームを混合すると上記目的を解決可能であることを、偶然見出した。即ち、パイの成型時にどうしても発生し廃棄されていたパイクラムについて、パイ生地以外の様々な製菓生地に混合して完全に練込み、同化させることで消費する方法の検討をしていた際に、製菓生地ではなくバタークリームに混合したところ、意に反して、長期間保管した場合でも、吸水や吸油が起きることなく、食感が同化することもなく、混合時の粒状のパイクラムの食感を保持していることを知見した。また、パイクラムとバタークリームを混合すると、油脂含有食品をクリームに添加した場合にクリームに通常発生するはずのブルームやグレーニングの発生がないことも知見した。
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、層状ベーカリー製品の破砕物を含有し、油相が連続相であることを特徴とするクリーム組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記クリーム組成物を製造する方法であって、層状ベーカリー製品の破砕物と、油相が連続相とするクリームとを混合することを特徴とするクリーム組成物の製造方法、及び、層状ベーカリー製品と、油相が連続相であるクリームとを混合することで、層状ベーカリー製品を破砕しながらクリーム中に分散させることを特徴とするクリーム組成物の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、固形物を含有するクリーム組成物でありながら、固形物やクリームの食感が経日的に変化することなく、また、ブルームやグレーニングの発生も防止されたクリーム組成物を提供することができる。
以下、本発明のクリーム組成物について好ましい実施形態に基づき詳述する。
先ず、本発明で使用する層状ベーカリー製品の破砕物について詳述する。
上記層状ベーカリー製品の破砕物としては、積層状の外観を呈する一般的な層状ベーカリー製品を破砕して得られる破砕物を、特に制限なく使用することができる。本発明で使用する層状ベーカリー製品の破砕物の代表的なものとしては、穀粉類を主体とする生地とロールイン油脂を使用した積層状生地を焼成及び/又はフライして得られる、パイ、デニッシュ、クロワッサン、フライドパイ等の層状ベーカリー製品を、破砕して得られる破砕物が挙げられる。
上記穀粉類を主体とする生地は、小麦粉、米粉等の穀粉類に、水と、必要に応じて、油脂、卵、粉乳、食塩、糖類、呈味剤、イースト、膨張剤等を加えて練り上げたものである。該生地中の穀粉類の量は、特に制限されるものではないが、通常、40〜75質量%の範囲が好ましく、より好ましくは62〜72質量%とする。
上記ロールイン油脂は、一般のパイやデニッシュ・ペストリー等の積層状生地の製造で使用するバターや水中油型マーガリン、油中水型マーガリン、ショートニング等であり、折り畳み作業に適したペースト状、シート状、ブロック状、あるいは小片状の一般的なロールイン用の可塑性油脂組成物を使用することができる。
上記ロールイン油脂に使用する原料の油脂としては、特に限定されないが、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明においてはこれらの油脂を単独で用いることもでき、また2種以上を組み合わせて用いることもできる。上記ロールイン油脂中の油脂の量は、特に制限されるものではないが、通常、50〜95質量%の範囲が好ましい。
さらに、上記ロールイン油脂には、上記の原料油脂の他に、必要により、副原料として、水、糖類、糖アルコール類、乳化剤、食塩、香料、着色料、酸化防止剤、各種呈味材料等を使用することができる。ただし、糖類及び糖アルコール類は、破砕物の吸湿性を低く保つ観点からは使用しないことが好ましい。そして、原料油脂やその他の副原料を用いて常法に従い、ショートニングタイプやマーガリンタイプのペースト状、シート状、ブロック状、あるいは小片状の可塑性油脂組成物とする。
本発明で使用することができる上記積層状生地は、上記穀粉類を主体とする生地に対し、上記ロールイン油脂をロールインすることによって得られるものである。具体的には例えば、パイ生地、デニッシュ生地、クロワッサン生地、ドーナツ生地、イーストドーナツ生地、タルト生地等が挙げられる。本発明では、破砕物自体の物性が硬く、水分の浸透性が低く、油分含量が高い点で、パイ生地、特にイースト及び糖類を含有しないパイ生地であることが好ましい。
上記ロールイン油脂のロールイン量は、上記の穀粉類を主体とする生地100質量部に対して、好ましくは5〜70質量部、さらに好ましくは15〜60質量部、より好ましくは30〜55質量部である。
上記積層状生地として好ましく使用されるパイ生地の代表的な配合は以下の通りである。尚、下記の配合においては、強力粉と薄力粉の合計量が100質量部となるようにする。
強力粉 50〜100質量部
薄力粉 0〜 50質量部
水 40〜 65質量部
食塩 0.5〜 3質量部
ロールイン油脂 8〜110質量部
また、上記積層状生地の好ましい層数は12〜512層、好ましくは27〜256層、より好ましくは48〜256層である。
上記ロールインの方法としては、ペースト状やシート状のロールイン油脂を使用した折パイ方式であっても、小片状のロールイン油脂を使用した練りパイ方式であってもよいが、より良好な食感の破砕物が得られる点で、折パイ方式で得られたものであることが好ましい。尚、ここで使用するロールイン油脂がシート状のロールイン油脂の場合は、厚さ2〜30mmのもので、成形済みのものでもよいし、ブロック状の可塑性油脂組成物をバターポンプ等で送り出し、連続的に生地上にシート状に合わせていく方法によるものでもよい。
得られた上記積層状生地は、常法に従い焼成及び/又はフライし層状ベーカリー製品とする。尚、焼成による場合であると、積層状生地製造に使用した油脂と得られる層状ベーカリー製品に含まれる油脂は同一であるが、フライする場合は、積層状生地製造に使用した油脂の一部がフライ油で置換されてしまう。そのため、後述するブルームやグレーニングの抑制を主な目的とする場合は、焼成により得た層状ベーカリー製品を用いることが、本発明のクリーム組成物の製造が容易な点で好ましい。
続いて、上記層状ベーカリー製品を破砕して、薄板状のベーカリー製品破砕物とする。該ベーカリー製品破砕物の大きさは、その厚さは好ましくは0.01〜2mm、より好ましくは0.01〜1mmである。また、長さや幅は特に制限はないが、良好な食感とするためには、視認可能な程度の大きさであることが好ましく、具体的には、長さと幅は好ましくは1〜20mm、より好ましくは1〜10mmである。
本発明のクリーム組成物は、上記層状ベーカリー製品の破砕物を含むものであるが、クリーム組成物は油相を連続相とすること、即ち油中水型(油中水中油型を含む)又は水相を含有しないものである必要ある。このようなクリームは、一般にそれぞれバタークリーム、シュガークリームと称されている。ここで、クリーム組成物が水相を連続相とするものであると、経日的に水相の水分を吸収して破砕物の硬い食感が失われてしまう。
本発明のクリーム組成物の油相に使用される食用油脂は、食用に適する油脂であればよく、その代表例としては、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ひまわり油等の常温で液体の油脂が挙げられるが、その他に、パーム油、パーム核油、ヤシ油、サル脂、マンゴー脂、乳脂等の常温で固体の油脂も挙げられ、更に、これらの食用油脂の硬化油、分別油、エステル交換油等の物理的又は化学的処理を施した油脂を使用することもできる。
本発明のクリーム組成物においては、上記層状ベーカリー製品に含まれる油脂と、クリームの油相に含まれる油脂が略同一の油脂であることが好ましい。両者に含まれる油脂が略同一であることにより、油脂移行によりそれぞれの油脂が混合された場合であっても結晶性に変化が生じない。そのため、それぞれの油分含量に違いがあり油分移行が発生した場合であっても、通常、固形物を含有するクリーム組成物に経日的に発生するブルームやグレーニングを抑制することが可能となる。
通常、ロールイン油脂は加工軟化を避けるためあるいはホイロ時の保型性、さらには層状ベーカリー製品の浮き高さ等を目的として融点が高い油脂を使用し、バタークリームは口溶けのために融点の低い液状油成分の多い油脂を使用するところ、本発明においては、層状ベーカリー製品の浮きや作業性に関する品質が本発明の効果と直接関係ないため、略同一の油脂を使用することが可能である。
尚、上述のように、層状ベーカリー製品がフライにより得られたものであると、積層状生地の製造に用いた油脂の一部がフライ油で置換されているため、層状ベーカリー製品に含まれる油脂を特定するためには、層状ベーカリー製品の製造後に油脂の分析を行うか、又は、フライ油を積層状生地製造に用いる油脂と略同一の油脂とする必要がある。
ここで、「略同一である」とは、上述のブルームやグレーニングを抑制する観点から、まず固体脂含量(SFC)のプロフィールが略同一であることが必須条件である。具体的には、クリームの保管・流通・販売に供される温度(10〜30℃)全域において、同一の温度におけるSFCの値の差が7以下、好ましくは5以下であることを要す。
さらに結晶性の点で、脂肪酸組成において結晶性への影響が高い脂肪酸、即ち炭素数16以上の飽和脂肪酸の含量が略同一であることも必須条件である。具体的には、該脂肪酸の含量の差が7質量%以下、好ましくは5質量%以下であることを示す。
尚、同一の起源の油脂であっても、植物油脂の場合は収穫時期や産地、あるいは搾油方法によってその組成が大きく異なる場合があり、また、動物油脂の場合には、さらに飼料等によっても異なる場合があるので注意が必要である。
本発明のクリーム組成物における上記層状ベーカリー製品の破砕物の含有量は、好ましくは5〜70質量%、より好ましくは20〜70質量%、さらに好ましくは40〜60質量%である。5質量%未満では破砕物の食感を知覚することが困難であり、70質量%超であると、破砕物によりクリーム組成物の物性が悪化し、絞りや塗布等のクリームとしての使用方法に供することが困難になってしまうおそれがある。
本発明のクリーム組成物において、連続相である油相を構成する上記食用油脂の含量は、好ましくは15〜60質量%、より好ましくは20〜45質量%、さらに好ましくは24〜36質量%である。
本発明のクリーム組成物は、連続相である油相中に水相を含んでもよい。水相に使用する水としては、特に限定されず、天然水や水道水等が挙げられる。
本発明のクリーム組成物が水相を含有する場合、本発明のクリーム組成物の水分含量は、上記破砕物を除くその他の配合原料中に含まれる水分も含めた純水分含量が、好ましくは45質量%未満、さらに好ましくは30質量%未満、より好ましくは5〜12質量%とする。
また、本発明のクリーム組成物には、上記破砕物、食用油脂、水以外に、通常、バタークリームやシュガークリームに使用されることが知られているその他の原料を、本発明の目的を損なわない限り、任意に使用することができる。
上記その他の原料としては、乳化剤、糖類、甘味料、澱粉類、繊維類、増粘安定剤、乳や乳製品、蛋白質、卵類、果実、果汁、ジャム、カカオ及びカカオ製品、セルロース、デキストリン、ナッツペースト、香辛料、茶、酒類、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類、コーヒー及びコーヒー製品等の呈味成分、酢酸・乳酸・グルコン酸等の酸味料、調味料、酵素、着香料、着色料、安定剤、食品保存料、日持ち向上剤、酸化防止剤、pH調整剤等の食品素材や食品添加物が挙げられる。
上記乳化剤としては、大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等を挙げることができる。
上記糖類としては、特に限定されないが、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖等の糖類が挙げられる。これらの糖類は、単独で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記糖類の含有量は、本発明のクリーム組成物中、破砕物に含まれる糖分も含め、固形分として好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜30質量%である。
次に、本発明のクリーム組成物の好ましい製造方法について以下に説明する。
本発明のクリーム組成物は、油相が連続層であるクリームの製造の過程で、上記層状ベーカリー製品の破砕物を添加し、分散する方法によって得ることが可能であるが、以下の製造方法を採ることが安定した製造が可能な点で好ましい。
即ち、本発明のクリーム組成物は、層状ベーカリー製品の破砕物と、油相が連続相であるクリームとを混合することによって得ることができる。
また、別の方法として、層状ベーカリー製品と、油相が連続相であるクリームとを混合することで、層状ベーカリー製品を破砕しながらクリーム中に分散させることによって得ることもできる。
ここで、上記層状ベーカリー製品又はその破砕物と上記油相が連続相であるクリームとの好ましい混合比は、上述の本発明のクリーム組成物における上記層状ベーカリー製品の破砕物の含有量となる混合比であればよい。
層状ベーカリー製品の破砕物と、油相が連続相であるクリームとを混合する製造方法による場合は、特にクリームが気相を含有するクリームの場合、大きな比重の変動を伴うことなく製造が可能な点で、層状ベーカリー製品の破砕物:クリームの比(前者:後者)が、好ましくは20:80〜60:40、より好ましくは30:70〜50:50である。
また、層状ベーカリー製品と、油相が連続相であるクリームとを混合することで、層状ベーカリー製品を破砕しながらクリーム中に分散させる製造方法による場合は、短時間の混合で製造が可能な点で、層状ベーカリー製品:クリームの比(前者:後者)が、好ましくは30:70〜60:40、より好ましくは30:70〜50:50である。
これらの製造方法で使用する、油相が連続相であるクリームは、上述のように、油中水型又は水相を含有しないものであり、一般にそれぞれバタークリーム、シュガークリームと称されているクリームのことである。
このクリームに使用する原材料としては、本発明のクリーム組成物に使用する原材料として前述したものを使用する。クリームの配合については、層状ベーカリー製品又はその破砕物を混合して得られるクリーム組成物は、クリームそのもの(クリーム100%)よりもクリームの含有率が当然低くなるため、両者の混合比を考慮して、最終的なクリーム組成物に求める物性や風味にあわせてクリームの配合を設定することが好ましい。特に甘味度を混合比にあわせ高く設定したクリームを使用することが好ましい。
上記クリームの製造方法は、一般にそれぞれバタークリーム、シュガークリームと称されているクリームの製造と同様に行うことができる。
上記クリームは、空気又は窒素を配合したり、クリーミング等の操作により、比重を0.3〜0.8、特に0.5〜0.7としておくことが好ましい。これは、嵩が増えることで、破砕物の添加量が多い場合であっても均質に混合することが可能であるためである。
また、上述のいずれの製造方法においても、混合手段に特に制限はなく、クリーム中に層状ベーカリー製品の破砕物が概ね均一に分散されるまで適宜混合すればよい。例えば、たて型ミキサー、横型ミキサー、リボンミキサー、スパイラルミキサー等の機器を使用して機械的に行ってもよいし、ヘラ等を使用して手作業で行ってもよい。また、層状ベーカリー製品を破砕しながらクリーム中に分散させる製造方法の場合には、層状ベーカリー製品の破砕の程度も考慮しながら混合する。
また、層状ベーカリー製品を予め破砕物としてからクリームに添加する場合の層状ベーカリー製品の破砕方法にも特に制限はなく、手で砕いたり、フードプロセッサー、リボンミキサー、横型ミキサー、スパイラルミキサー等の機器により、所望のサイズになるように破砕すればよい。
尚、上記の方法で得られた本発明のクリーム組成物に対し、さらにその他の成分を添加したり、クリーミング等の方法により含気させたりすることももちろん可能である。
本発明のクリーム組成物の用途としては、フィリング用(サンド、トッピング、スプレッド、コーティング等を含む)として好適に使用することができ、特に、製菓製パン用フィリングクリームに好適に使用できる。
また、本発明の油中水型クリームの上記用途における使用量は、各用途により異なるものであり、特に制限されるものではない。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例及び比較例により何等制限されるものではない。
<層状ベーカリー製品の破砕物の製造>
〔製造例1〕
強力粉70質量部、薄力粉30質量部、食塩1.5質量部、脱脂粉乳3質量部、水50質量部、ロールイン油脂(下記の配合・製法で得られた小片状マーガリンA)78質量部をミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーにて低速3分ミキシングした練りパイ生地を、リバースシーターを使用して4つ折り4回行ない、256層のパイ生地である積層状ベーカリー生地を得た。このパイ生地を厚さ4mmに圧延し、30×300mmに成型し、200℃の固定窯で25分焼成し、層状ベーカリー製品Aを得た。室温1時間放冷後、手でくだき、層状ベーカリー製品の破砕物A(パイクラム)を得た。
〔製造例2〕
強力粉70質量部、薄力粉30質量部、食塩1.5質量部、脱脂粉乳3質量部、水50質量部、下記の配合・製法で得られた小片状マーガリンA8質量部をミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーにて低速2分中速2分ミキシングした。この生地を0℃で1晩リタードした後、ロールイン油脂(下記の配合・製法で得られたシート状マーガリンA)70質量部を包み込み、リバースシーターを使用して4つ折り4回行ない、256層のパイ生地である積層状ベーカリー生地を得た。このパイ生地を厚さ4mmに圧延し、30×300mmに成型し、200℃の固定窯で25分焼成し、層状ベーカリー製品Bを得た。室温1時間放冷後、手でくだき、層状ベーカリー製品の破砕物B(パイクラム)を得た。
(小片状マーガリンAの調製)
パームステアリン(ヨウ素価=33)25質量部、豚脂45質量部及び大豆液状油30質量部と、乳化剤としてのステアリン酸モノグリセリド0.4質量部及びレシチン0.1質量部を混合溶解した油相81質量%と、水16質量%、食塩1質量%及び脱脂粉乳2質量%を混合溶解した水相とを、常法により油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、マーガリンを得た。得られたマーガリンを直径10mm、長さ30mmの円柱状に成形し、小片状マーガリンAとした。
(シート状マーガリンAの調製)
成形の形状を縦210mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に変更した以外は上記小片状マーガリンAと同一の配合・製法で、シート状マーガリンAを得た。
<油中水型クリームの製造>
〔製造例3〕
パーム核油とパーム極度硬化油を70:30(前者:後者、質量比)で混合した配合油のランダムエステル交換油脂60質量%及びコーン油40質量%からなる混合油脂59.1質量部、レシチン0.2質量部、香料0.1質量部並びに色素液0.1質量部からなる油相と、脱脂粉乳1質量部、上白糖24.4質量部、水14.5質量部、食塩0.2質量部及び乳清ミネラル0.4質量部からなる水相とを、45〜55℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を80℃にて15秒間殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化後、クリーミングにより比重0.7の油中水型クリームAを製造した。
〔製造例4〕
混合油脂を、パームステアリン(ヨウ素価=33)25質量%、豚脂45質量%、及び大豆液状油30質量%からなる混合油脂に変更した以外は、油中水型クリームAと同様の配合・製法で、油中水型クリームBを製造した。
小片状マーガリンA及びシート状マーガリンAの油相に使用した油脂の脂肪酸組成(炭素数16以上の飽和脂肪酸含量;質量%)及びSFCについて表1に記載した。油中水型クリームA及び油中水型クリームBの油相に使用した油脂の脂肪酸組成及びSFCについても表1に記載した。
Figure 2011092158
<クリーム組成物の製造>
〔実施例1〕
上記層状ベーカリー製品の破砕物Aと、上記油中水型クリームAを50:50の質量比で、たて型ミキサーでビーターを使用して低速1分混合し、本発明のクリーム組成物Aを得た。
得られたクリーム組成物Aを、12℃の恒温器で保管し、100日後まで観察したところ、パイクラム部分のサクサクした食感は保持されていた。尚、100日後の観察時には、パイクラム部分に若干のブルームの発生が見られた。
〔実施例2〕
上記層状ベーカリー製品の破砕物Bと、上記油中水型クリームAを50:50の質量比で、たて型ミキサーでビーターを使用して低速1分混合し、本発明のクリーム組成物Bを得た。
得られたクリーム組成物Bを、12℃の恒温器で保管し、100日後まで観察したところ、パイクラム部分のサクサクした食感は保持されていた。サクサク感はクリーム組成物Aよりもやや良好であった。尚、100日後の観察時には、パイクラム部分に若干のブルームの発生が見られた。
〔実施例3〕
上記層状ベーカリー製品の破砕物Aと、上記油中水型クリームBを50:50の質量比で、たて型ミキサーでビーターを使用して低速1分混合し、本発明のクリーム組成物Cを得た。
得られたクリーム組成物Cを、12℃の恒温器で保管し、100日後まで観察したが、パイクラム部分のサクサクした食感は保持されており、パイクラム部分にもクリーム部分にもブルームの発生は見られなかった。
〔実施例4〕
上記層状ベーカリー製品の破砕物Bと、上記油中水型クリームBを50:50の質量比で、たて型ミキサーでビーターを使用して低速1分混合し、本発明のクリーム組成物Dを得た。
得られたクリーム組成物Dを、12℃の恒温器で保管し、100日後まで観察したが、パイクラム部分のサクサクした食感は保持されており、パイクラム部分にもクリーム部分にもブルームの発生は見られなかった。尚、サクサク感はクリーム組成物Cよりもやや良好であった。
〔実施例5〕
上記層状ベーカリー製品Aと、上記油中水型クリームAを50:50の比で、たて型ミキサーでビーターを使用して低速3分混合し、層状ベーカリー製品を破砕しながらクリーム中に分散させることで、本発明のクリーム組成物Eを得た。
得られたクリーム組成物Eを、12℃の恒温器で保管し、100日後まで観察したところ、パイクラム部分のサクサクした食感は保持されていた。サクサク感はクリーム組成物Aとほぼ同等であった。尚、パイクラム部分に若干のブルームの発生が見られた。

Claims (6)

  1. 層状ベーカリー製品の破砕物を含有し、油相が連続相であることを特徴とするクリーム組成物。
  2. 上記層状ベーカリー製品が、穀粉類を主体とする生地とロールイン油脂を使用した積層状生地を焼成及び/又はフライして得られたものであることを特徴とする請求項1記載のクリーム組成物。
  3. 上記積層状生地がパイ生地であることを特徴とする請求項2記載のクリーム組成物。
  4. 上記層状ベーカリー製品に含まれる油脂と、上記油相に含まれる油脂とが略同一の油脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のクリーム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のクリーム組成物の製造方法であって、層状ベーカリー製品の破砕物と、油相が連続相であるクリームとを混合することを特徴とするクリーム組成物の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のクリーム組成物の製造方法であって、層状ベーカリー製品と、油相が連続相であるクリームとを混合することで、層状ベーカリー製品を破砕しながらクリーム中に分散させることを特徴とするクリーム組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017175982A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 太陽油脂株式会社 バタークリーム用油脂組成物

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