JP4459134B2 - シート状油中水型乳化油脂組成物およびその製造法 - Google Patents

シート状油中水型乳化油脂組成物およびその製造法 Download PDF

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Description

本発明は、特定量のカカオバター代用脂及びラウリン系油脂を含有し、硬化油及びエステル交換油を一切使用しないことを特徴とするシート状油中水型乳化油脂組成物およびその製造法、並びにそれを用いて製造してなる層状膨化食品に関する。
クロワッサン、デニッシュ、パイ等の層状小麦粉膨化食品は、その独特な食感により、非常に人気の高い食品の一つである。近年、消費者のこれらの食品に対する嗜好は、より食感がソフトで口溶けの良いものを好む傾向にある。これらの食品の製造には、ロールインマーガリンとよばれるシート状の油脂加工食品を用いて、生地と油脂を伸ばしては折り畳む工程(ロールイン)を繰り返し作成された生地を焼成することで作成される。生地と油脂を折り込む際、油脂は生地と同様に良く伸びることが必要で、油脂が硬すぎると充分に伸びずに油脂が生地中に偏在し、生地同士が合一してしまい、最終的にきれいな層が得られず、食感の悪い製品となる。逆に油脂が軟らかすぎても、折りたたむ時に油脂が生地の間からはみ出してしまい、硬い場合と同様、充分に層が出る製品が得られず食感が悪くなってしまう。従って、この様な層状膨化食品を作製するための油脂は、生地と同様に伸びやすく腰のある物性が求められる。一般に層状膨化食品に用いられるシート状油脂加工食品は、求められる物性を満足させるべく、製造時の冷却捏和条件、配合等が種々検討され、良好な物性を持ったシート状油脂加工食品が製造されているが、伸びやすさと、腰の強い物性とは相反する性質であって、両者を満足する製品を得ることは極めて困難である。また、このロールインマーガリンを使用して製造される層状小麦粉膨化食品の食感も物性と相反する性質がある。すなわちロールインマーガリンに必要な特性を付与する為に、配合面では油脂原料として油脂を硬化、エステル交換したものが使用されるが、腰の強い物性にすると一般的に食感は悪く口溶けの悪いものとなる。この課題を解決するために種々の検討がなされてきている。例えば、油相中にSLOSL(SL;パルミチン酸残基又はステアリン酸残基又はアラキン酸残基、O;オレイン酸残基)で表されるトリアシルグリセリンを35%重量%以上含むことを特徴とする水中油型乳化ロールイン用油脂組成物を使用する方法(特許文献1)の試みがなされているが、乳化形態が水中油型乳化で衛生上の制限があるとともに、加圧晶析に関することは記載されていない。また、10〜150MPaの範囲の圧力で加圧晶析して得た,飽和脂肪酸が25%以下の油脂組成物を捏和,成型する方法(特許文献2)が記載されているが、カカオバター代用脂と、ラウリン系油脂の配合量を特定した記載はない。また、カカオバターと豚脂を含有する方法(特許文献3)が記載されているが、加圧晶析に関することは記載されていないとともに、経日的に硬さの変化が起こるなどの問題点がある。
特開2002−306065号公報 特開2001−254093号公報 特開2002−345405号公報
作業性がよく、食感が非常にソフトで口溶け良好なクロワッサン、デニッシュ等の層状膨化食品が得られるシート状油中水型乳化油脂組成物、及びその製造法を提供すること。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定量のカカオバター代用脂及びラウリン系油脂を含有し、且つ硬化油及びエステル交換油を一切使用しないシート状油中水型乳化油脂組成物を用いれば、伸びがよく、腰の強い物性で、食感が非常にソフトで口溶けの良好な層状小麦粉膨化食品が得られることを知見し、本発明を完成するに至った。従来のマーガリン製造法では、カカオバター代用脂を含有すると製造設備の耐圧以上の圧力上昇等の問題が起こり安定的にシート状油中水型乳化油脂組成物が得られなかったが、本発明者らは、油脂の結晶化挙動に関して鋭意研究を行った結果、晶析の際に加圧を行えば、結晶化速度が向上し、晶析が早期に終了し、従来の製造方法に比べ、安定的に製造できることを見い出した。
即ち、本発明の第一は、シート状油中水型乳化油脂組成物全体中、カカオバター代用脂10〜50重量%、ラウリン系油脂5〜20重量%を含有し、且つ硬化油及びエステル交換油を一切使用しないことを特徴とするシート状油中水型乳化油脂組成物に関する。本発明の第二は、融解した油脂を加圧晶析することを特徴とする、上記記載のシート状油中水型乳化油脂組成物の製造方法に関する。好ましい実施態様は、加圧晶析して得た油脂組成物を捏和し、これをシート状に成型する上記記載のシート状油中水型乳化油脂組成物の製造方法に関する。より好ましくは、加圧晶析時の加圧圧力が、10〜150MPaの範囲である上記記載のシート状油中水型乳化油脂組成物の製造方法に関する。本発明の第三は、小麦粉生地に上記記載のシート状油中水型乳化油脂組成物をロールインして製造してなる層状小麦粉膨化食品に関する。
本発明のシート状油中水型乳化油脂組成物を用いて層状小麦粉膨化食品を作製すれば、作業性がよく、食感が非常にソフトで口溶けの良好なクロワッサン、デニッシュ等の層状小麦粉膨化食品が得られる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明のシート状油中水型乳化油脂組成物に使用される油脂は、特定量のカカオバター代用脂、ラウリン系油脂を含有し、硬化油やエステル交換油を一切含有しないことを特徴とする。
本発明ではカカオバター代用脂として、ボルネオタロウ、シア脂、イリッペ脂、サル脂、パーム油やその分別油の中から選ばれた少なくとも1種が用いられる。本発明のシート状油中水型乳化油脂組成物に使用されるカカオバター代用脂の含有量は、シート状油中水型乳化油脂組成物全体中10〜50重量%であることが必要であり、好ましくは15〜40重量%、更に好ましくは20〜30重量%である。カカオバター代用脂の含有量が10重量%未満であると層状膨化食品の食感が悪くなる場合があり、また50重量%を超えるとシート状油中水型乳化油脂組成物の作業性が悪くなる場合がある。
本発明のラウリン系油脂とは、ヤシ油、パーム核油やその分別油が例示でき、それらの内少なくとも1種が用いられる。本発明のラウリン系油脂の含有量は、シート状油中水型乳化油脂組成物全体中5〜20重量%であることが必要であり、好ましくは7〜15重量%、更に好ましくは9〜13重量%である。ラウリン系油脂の含有量が5重量%未満であるとシート状油中水型乳化油脂組成物が経日的に硬くなる場合があり、また20重量%を超えるとシート状油中水型乳化油脂組成物の物性が良好でなくなり、作業性が悪くなる場合がある。
本発明のシート状油中水型乳化油脂組成物には、さらに任意成分として、前記油脂以外の油脂を含有しても良い。例えば従来マーガリンやショートニングに用いられる油脂であれば、いかなる油脂でも使用可能であり、例えば、亜麻仁油、桐油、サフラワー油、かや油、胡桃油、芥子油、向日葵油、綿実油、菜種油、大豆油、辛子油、カポック油、米糠油、胡麻油、落花生油、オリーブ油、椿油、茶油、ひまし油、椰子油、葡萄油、カカオ脂、コクム脂等の植物油脂や、魚油、鯨油、牛脂、豚油、鶏油、卵黄油、羊油等の動物油脂、或いはそれらの油脂を分別したもの等が挙げられ、それらから選ばれる少なくとも1種が用いられる。しかし本発明では、通常ロールインマーガリンの物性を調整する為に使用される硬化油やエステル交換油を一切使用しない。硬化油やエステル交換油を使用すれば、層状膨化食品の食感が悪くなり好ましくない場合があるためである。
本発明の油中水型乳化油脂組成物には、その他必要に応じて乳製品、食塩、乳化剤、香料、着色料、酸化防止剤等を良く溶解できる油相又は水相に適量添加することができる。
本発明のシート状油中水型乳化油脂組成物は、シート状に加工可能であるなど、保型性を付与できるのであればどのような製造法で製造しても良いが、工業的に効率良く生産を行うためには、以下のような製造法に従うことが望ましい。晶析の工程において、まず所定の油脂を所定量調合したものを油相とし、それに所定量の水相を添加してから50℃〜70℃に加温、温調し、プロペラミキサーで撹拌混合して、融解したエマルションを得る。これに所定の条件で加圧晶析を行ない、これをシート状に成型することで、シート状油中水型乳化油脂組成物を得る。
本発明における加圧晶析とは、融解したエマルションを冷却晶析させる時に、強制的に加圧することをいう。ここで、加圧は冷却と同時に開始してもよいが、エマルションを予め結晶が析出しない程度に冷却した後に加圧して晶析を行った方が、得られる結晶が微細となり、より好ましい物性となるだけではなく、加圧時間の短縮や晶析時間の短縮等の利点があるため好ましい。通常、カカオバター代用脂を含有する油中水型乳化油脂組成物は、マーガリン製造時の急冷可塑化により製造設備の耐圧以上に圧力上昇が起こり、安定的にシート化することは困難であるが、一方融解したエマルションを加圧晶析することで得た油中水型乳化油脂組成物は、安定的にシート状に成型できる為好ましい。本発明におけるエマルションとは、油相中に水相が粒子として分散して乳状をなすものをいう。
以下に上記シート状油中水型乳化油脂組成物の製造方法を詳しく説明する。前記加圧晶析の方法は特に限定されないが、具体的には上記のように加熱融解したエマルションを、例えば、静水圧容器に注入して加圧と冷却を行う。この静水圧容器は、加圧と冷却とを同時に行うことができるようになっているもので、静水圧容器内の内容物を加圧しながら、静水圧容器壁面部から内容物の冷却を行うことができる。加圧方式は、ピストン式、液圧式、空気圧式のいずれの方法でもよい。冷却方式は、冷媒式、空冷式いずれでもよい。加圧圧力、加圧時間、冷却媒体温度は、用いる食用油脂の原料組成や量等により最適値が異なるので一概に規定できないが、通常、加圧圧力は10〜150MPaが好ましく、より好ましくは20〜70MPaであり、加圧時間は1〜60分が好ましく、より好ましくは2〜10分であり、冷却媒体の温度は−30〜15℃の範囲で処理を行うのが好ましく、より好ましくは−20〜−5℃である。前記加圧圧力が10MPa未満であると、加圧による晶析の促進や結晶の微細化が不十分であり、効果が少ない場合がある。また、圧力が150MPaを越える高圧で処理をしても差し支えないが、晶析促進効果や結晶の微細化効果が少なくなってゆき、必要以上の高圧での加圧は経済的にも、安全性の面からも好ましくない場合がある。また、加圧時間は加圧圧力、温度、油脂組成等との兼ね合いで決まるが、1分未満であると晶析が不十分な場合がある。一方、晶析が終了した後に、即ち60分を越えて更に加圧を続けても、油脂物性等の品質の劣化はないが、更なる結晶の微細化効果は少ない場合がある。更に、冷却媒体の温度が15℃より高いと冷却速度が遅く、加圧の効果があっても晶析時間は長い場合がある。一方、冷却媒体の温度が−30℃より低い場合は冷却速度は速まるが、加圧による晶析促進効果や結晶の安定化、微細化効果の向上は少なくなり、経済面からも好ましくない場合がある。
尚、加圧処理は一度のみでも十分な効果が見られるが、晶析が不十分である場合等、必要によっては同様の処理を繰り返し行うことで更に効果が得られる。また工業的に本発明の加圧晶析を行う場合は、静水圧容器の代わりに、耐圧構造を有するエクストルーダーや耐圧冷却ユニット等を利用して、加圧と冷却を同時に行うように工夫することもできる。
上記のように晶析した油脂組成物は更に捏和を行う。前記捏和とは油脂組成物を機械的に練ることを意味する。また、晶析と捏和を同時に行ってもよい。晶析が終了した油脂組成物は、必要に応じてレスティングチューブ等の熟成ユニットで、更なる結晶の安定化を図ることが好ましい。
本発明のシート状油中水型乳化油脂組成物は、前記のようにして晶析および捏和を行った油中水型乳化油脂組成物をシート状に成型することにより得ることができる。シート状に成型する方法に特に限定はなく、一般的に使用される方法を用いることができる。即ち、前記油中水型乳化油脂組成物をシート状に成型するには、晶析、捏和を行った油中水型乳化油脂組成物を麺棒等を用いて厚さ5〜15mm程度に引き伸ばすことでシート状油中水型乳化油脂組成物が得られる。また、工業的な連続生産においては、晶析、捏和を行った油脂組成物を、通常、開口部が、高さ5〜15mm程度、幅200〜250mm程度の成型ノズルを用いて連続的に押し出し、押し出された帯状の油脂組成物を、一定時間または一定長さごとにカッター等により切断することで、シート状油中水型乳化油脂組成物を得ることができる。
上記のようにして得られたシート状油中水型乳化油脂組成物を、折り込み用油脂として使用することができる。本発明でいう層状膨化食品とは、クロワッサン、デニッシュ、デニッシュブレッド、パイ、クローネ等用の生地に油脂を折り込んで作られることを特徴とする、いわゆるペーストリー類とよばれる食品をいう。本発明のシート状油中水型乳化油脂組成物を用いて層状小麦粉膨化食品を作製すれば、作業性がよく、食感が非常にソフトで口溶けの良好な層状小麦粉膨化食品を製造することができる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明はこれらにより何ら限定を受けるものではない。尚、以下の記載において、特にことわらない限り、「部」、「%」は全て「重量部」、「重量%」を表す。
<作業性評価>
実施例及び比較例において、生地にシート状油中水型乳化油脂組成物を折り込んでいく際の作業性を、5人の訓練された作業員により、実感を基に5段階で評価し、その平均を評価点とした。その際の評価基準は以下の通りであった。5点:シート状油中水型乳化油脂組成物の伸びが非常に良好で腰が非常に強い、4点:シート状油中水型乳化油脂組成物の伸びが良好で腰が強い、3点:シート状油中水型乳化油脂組成物の伸びが普通で腰が普通、2点:シート状油中水型乳化油脂組成物の伸びが劣り且つ腰が弱い、1点:シート状油中水型乳化油脂組成物の伸びが非常に劣り腰が非常に弱い。
<クロワッサンの評価>
実施例及び比較例で作製したクロワッサンを、5人の訓練されたパネラーにより5段階で官能評価し、その平均を評価点とした。その際の評価基準は以下の通りであった。5点:食感が非常にソフトで口溶けが非常に良好、4点:食感がソフトで口溶けが良好、3点:食感及び口溶けともに普通、2点:食感が硬く口溶けが劣る、1点:食感が非常に硬く口溶けが非常に劣る。
<パイの評価>
実施例及び比較例で作製したパイを、5人の訓練されたパネラーにより5段階で官能評価し、その平均を評価点とした。その際の評価基準は以下の通りであった。5点:食感が非常に軽く口溶けが非常に良好、4点:食感が軽く口溶けが良好、3点:食感及び口溶けともに普通、2点:食感が重く口溶けが劣る、1点:食感が非常に重く口溶けが非常に劣る。
(実施例1)
シア脂の分別油(mp:38℃、カカオ代用脂)15部、ヤシ油(mp:24℃、ラウリン系油脂)7部、精製パーム油(mp:34℃、カカオ代用脂)30部、ナタネ白絞油30部からなる油相を作製した。この油相に対し、食塩1.5部と水16.5部からなる水相を添加し、約60℃に温度を調節し、プロペラミキサーにて攪拌混合し、エマルションを作製した。その後、図1に示すような、乳化槽1、ピストンポンプ2、3台の冷却捏和装置(A1ユニット3、A2ユニット5及びA3ユニット6)及びレスティングチューブ(Rユニット9)を備えるシステムにおいて、A2ユニット5出口圧力をギアポンプ4及び7により50MPaにコントロールし、加圧時間が5分、冷却媒体の温度が−20℃で処理し、高さ10mm、幅230mm、長さ230mmのシート状油中水型乳化油脂組成物を作製した。
(実施例2)
シア脂の分別油(mp:38℃、カカオ代用脂)40部、ヤシ油(mp:24℃、ラウリン系油脂)15部、精製パーム油(mp:34℃、カカオ代用脂)5部、ナタネ白絞油22部からなる油相を作製した。この油相に対し、食塩1.5部と水16.5部からなる水相を添加し、約60℃に温度を調節し、実施例1と同じプロペラミキサーにて攪拌混合し、エマルションを作製した。その後、実施例1と同様のシステム、条件、サイズで、シート状油中水型乳化油脂組成物を作製した。
(比較例1)
シア脂の分別油(mp:38℃、カカオ代用脂)5部、ヤシ油(mp:24℃、ラウリン系油脂)1部、精製パーム油(mp:34℃、カカオ代用脂)9部、ナタネ白絞油22部、硬化大豆油(mp:40℃)45部からなる油相を作製した。この油相に対し、食塩1.5部と水16.5部からなる水相を添加し、約60℃に温度を調節し、実施例1と同じプロペラミキサーにて攪拌混合し、エマルションを作製した。その後、実施例1と同様のシステム、条件、サイズで、シート状油中水型乳化油脂組成物を作製した。
(比較例2)
シア脂の分別油(mp:38℃、カカオ代用脂)60部、ナタネ白絞油22部、からなる油相を作製した。この油相に対し、食塩1.5部と水16.5部からなる水相を添加し、約60℃に温度を調節し、実施例1と同じプロペラミキサーにて攪拌混合し、エマルションを作製した。その後、実施例1と同様のシステム、条件、サイズで、シート状油中水型乳化油脂組成物を作製した。
(比較例3)
シア脂の分別油(mp:38℃、カカオ代用脂)60部、ヤシ油(mp:24℃、ラウリン系油脂)22部からなる油相を作製した。この油相に対し、食塩1.5部と水16.5部からなる水相を添加し、約60℃に温度を調節し、実施例1と同じプロペラミキサーにて攪拌混合し、エマルションを作製した。その後、実施例1と同様のシステム、条件、サイズで、シート状油中水型乳化油脂組成物を作製した。
(実施例3〜4,比較例4〜6) クロワッサンの作製
実施例1〜2、及び比較例1〜3で得られたシート状油中水型乳化油脂組成物を使用し、以下の配合、製法でクロワッサンを作製した。
生地配合:
小麦粉(強力) 700g
小麦粉(薄力) 300g
上白糖 80g
食塩 20g
脱脂粉乳 20g
マーガリン 50g
イースト 50g
卵 50g
水 500g
上記配合の原料をボールに入れ、ビーターを用いタテ型ミキサーにて低速、中速にて各原料が均一に混合されるまで混捏、生地を作製した。その時の捏ね上げ温度は25〜26℃になるように調整した。フロアータイム30分の後、−5℃の冷蔵庫に保存した。この生地を冷蔵庫から取り出して生地温度が0℃になった時点で、予め20℃に一晩温調されたシート状油中水型乳化油脂組成物(実施例1〜2、比較例1〜3)を各500gロールインした。ロールインは四つ折り一回、三つ折2回行った。−5℃で一晩保存した後、シーターにて延ばした生地を底辺12.5cm、高さ15cmの二等辺三角形にカットし、丸めて成型し、35℃、湿度70%のホイロにて醗酵後、上火230℃、下火210℃のオーブンにて18分間焼成を行い、クロワッサンを得た。シート状油中水型乳化油脂組成物ロールイン時の作業性評価、及び、得られたクロワッサンの官能評価結果は表1に示した。
Figure 0004459134
表1から明らかなように、実施例1〜2で得られたシート状油中水型乳化油脂組成物を使用した実施例3〜4のクロワッサンは、比較例4〜6のクロワッサンと比べて食感、作業性の点で良好であることが示された。
(実施例5〜6,比較例7〜9) パイの製造
実施例1〜2、及び比較例1〜3で得られたシート状油中水型乳化油脂組成物を使用し、以下の配合、製法でパイを作製した。
生地配合:
小麦粉(強力) 500g
小麦粉(薄力) 500g
食塩 15g
油脂 50g
水 580g
上記配合で、カントーミキサーにて低速2分、高速5分でパイ生地を作製した(捏ね上げ温度:20℃)。その後、粉500g分に分割し丸めて、アルミ製の天板にのせ、ナイロン袋をかぶせて−5℃で一晩冷却した。室温20℃にて、温調されたパイ生地を取り出し、麺棒にて30センチ四方に延ばし、その上に予め20℃に一晩温調されたシート状油中水型乳化油脂組成物(実施例1〜2、比較例1〜3)を各800g乗せた。生地の四方を合わせてシート状油中水型乳化油脂組成物を包み込み、シーターにて延ばした後、四つ折、三つ折を行った。−3℃にて1時間温調した後、同様に四つ折り、三つ折りを繰り返す。更に−3℃で2時間温調した後、生地をシーターで延ばし、直径9センチと5センチの円形抜き型を用いてドーナッツ型に成型した。250℃のオーブンにて15分焼成を行い、パイを得た。シート状油中水型乳化油脂組成物ロールイン時の作業性評価、及び、得られたクロワッサンの官能評価結果は表2に示した。
Figure 0004459134
表2から明らかなように、実施例1〜2で得られたシート状油中水型乳化油脂組成物を使用した実施例5〜6のパイは、比較例7〜9のパイと比べて食感、作業性の点で良好であることが示された。
本発明の実施例1〜2、及び比較例1〜3に係るシート状油中水型乳化油脂組成物の製造工程を示す工程説明図。
符号の説明
1:乳化槽、2:ピストンポンプ、3:冷却捏和装置(A1ユニット)、4,7:ギアポンプ、5:冷却捏和装置(A2ユニット)、6:冷却捏和装置(A3ユニット)、8:配管、9:レスティングチューブ(Rユニット)。

Claims (5)

  1. シート状油中水型乳化油脂組成物全体中、カカオバター代用脂10〜50重量%、ラウリン系油脂5〜20重量%を含有し、且つ硬化油及びエステル交換油を一切使用しないことを特徴とするシート状油中水型乳化油脂組成物。
  2. 融解した油脂を加圧晶析することを特徴とする、請求項1に記載のシート状油中水型乳化油脂組成物の製造方法。
  3. 加圧晶析して得た油脂組成物を捏和し、これをシート状に成型する請求項2に記載のシート状油中水型乳化油脂組成物の製造方法。
  4. 加圧晶析時の加圧圧力が、10〜150MPaの範囲である請求項2〜3のいずれかに記載のシート状油中水型乳化油脂組成物の製造方法。
  5. 小麦粉生地に請求項1に記載のシート状油中水型乳化油脂組成物をロールインして製造してなる層状小麦粉膨化食品。
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