JP7116615B2 - 新規ロールインマーガリン製法 - Google Patents

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Description

本発明は、ロールインマーガリンの製造方法に関する。
シート形状のロールインマーガリンは、デニッシュやクロワッサン等の層状食品を製造するにあたって使用され、ロールインマーガリンを生地に重ねて折り込み、伸展した後、焼成することで層状食品が製造される。従来、ロールインマーガリンを出荷する際には、成形後のロールインマーガリンが1枚ずつ、該ロールインマーガリンより少し大きい可撓性樹脂フィルムで挟まれ、10~20枚程度をダンボール箱に入れることが広く行われている。しかしこの方法では、段ボール箱内の紙粉などがロールインマーガリンに付着することで異物が混入する場合があるなど、衛生上の問題があった。
そこで、特許文献1では、シート状食品(冷却固化したロールインマーガリン)を、製袋機により長手方向の重合面を開封時に包装フィルムを破ることなく開封できるようにヒートシール(センターシール)して筒状に成形されながら水平方向に送られる包装フィルム内に1枚ずつ連続的に供給し、横手方向も開封時に包装フィルムを破ることなく開封できるように1枚ごとにヒートシール(エンドシール)して封入、切断することを特徴とする業務用シート状食品の包装方法が開示されている。
国際公開第06/120785号
特許文献1に記載の方法では、異物混入の問題はある程度解消するものの、ロールインマーガリンを所定の形状に成形してから包装工程を行なうものであるため、異物混入や衛生上の問題は完全には解消されず、この点で改善の余地があった。
また、ロールインマーガリンには、これを用いて層状食品を作製する際に、生地上で均一に伸びて生地に折り込む作業が短時間で済み、作業性が良好であることや、得られた層状食品がジューシーな食感を有し、また、層状食品の各層の間に隙間があって浮きが良好であることが求められる。
本発明の目的は、上記現状に鑑み、異物混入など衛生上の問題がなく、層状食品の作製時に作業性が良好で、作製された層状食品でジューシーな食感、及び良好な浮きを達成できるロールインマーガリンを製造可能な、ロールインマーガリンの製造方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、油脂が融解した状態の油中水型乳化油脂組成物を、特定温度まで冷却した後、特定時間保持して晶析せしめ、その後、混和により軟化させながら特定温度に昇温させて、粘度を特定値に調整して流動状の油中水型乳化油脂組成物をピロー包装に充填し、該ピロー包装の口を閉じてからシート状に圧延した後、特定温度で特定時間以上静置することで、包装前にシート状に成形する工程を経なくても、異物混入など衛生上の問題がなく、層状食品の作製時に作業性が良好で、作製された層状食品でジューシーな食感、及び良好な浮きを達成できるロールインマーガリンを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、油脂が融解した状態の油中水型乳化油脂組成物を、0~25℃まで冷却して該温度に10~300秒保持し晶析せしめた後、混和により軟化させながら10~35℃に昇温させて、粘度を10~250Pa・sに調整し、調整後の流動状の前記油中水型乳化油脂組成物をピロー包装に充填し、該ピロー包装の口を閉じてからシート状に圧延した後、-30℃~30℃で24時間以上静置することを特徴とする、ロールインマーガリンの製造方法に関する。好ましくは、ロールインマーガリンの油脂全体中、パーム油及び/又はパーム分別油の含有量が50~95重量%であり、油脂が融解した状態の油中水型乳化油脂組成物を、0~25℃まで冷却して該温度に10~300秒保持し晶析せしめた後、混和により軟化させながら10~35℃に昇温させて、粘度を10~250Pa・sに調整し、調整後の流動状の前記油中水型乳化油脂組成物をピロー包装に充填し、該ピロー包装の口を閉じてからシート状に圧延した後、15~30℃の温度で10~100時間テンパリング処理してから、-30~25℃で24時間以上静置する。
本発明に従えば、異物混入など衛生上の問題がなく、層状食品の作製時に作業性が良好で、作製された層状食品でジューシーな食感、及び良好な浮きを達成できるロールインマーガリンを製造可能な、ロールインマーガリンの製造方法を提供することができる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明のロールインマーガリンの製造方法は、油脂が融解した状態の油中水型乳化油脂組成物を、冷却保持して晶析せしめ、その後、混和により軟化させながら昇温させて粘度を特定値に調整した流動状の油中水型乳化油脂組成物をピロー包装に充填して口を閉じてからシート状に圧延して、その後、静置することを特徴とする。
本発明における油中水型乳化油脂組成物とは、水相が油相に分散するタイプの乳化物を指し、通常、油脂組成物全体中の油相の量は30~99.5重量%、水相の量は0.5~70重量%である。本発明のロールインマーガリンは、前記油中水型乳化油脂組成物を固体状に晶析せしめたものであり、前記油中水型乳化油脂組成物と同様、ロールインマーガリン中の油相の量は30~99.5重量%、水相の量は0.5~70重量%である。よって、本発明でいうロールインマーガリンには、油分が80%を超えるマーガリンの他、油分が80%未満のファットスプレッドも包含される。
前記油中水型乳化油脂組成物に含まれる油脂としては、一般的にロールインマーガリンに使用される油脂であれば特に限定されない。例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、ナタネ油、大豆油、コーン油、サフラワー油、綿実油、落花生油、米ぬか油、コーン油、オリーブ油、ヒマワリ油、ゴマ油、シア脂、サル脂、カカオ脂等の植物性油脂;乳脂、牛脂、ラード等の動物性油脂;それらの分別油、硬化油、エステル交換油などが挙げられる。1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。原料コストの観点から、パーム油及び/又はパーム油分別油を前記油脂全体中50~95重量%含むことが好ましく、パーム油を前記油脂全体中50~95重量%含むことがより好ましい。また、乳脂肪の含有量は、油脂全体中50重量%未満であることが好ましい。
前記油中水型乳化油脂組成物は、前記油脂と水以外に、通常ロールインマーガリンに配合できる成分を適宜含有することができる。そのような成分としては、例えば、乳化剤、香料、酸化防止剤、着色料、糖類、食塩、増粘安定剤、甘味料、酸味料、呈味素材等を挙げることができる。
前記乳化剤としては、大豆レシチン、卵黄レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等を挙げることができる。
前記香料としては、バターフレーバー、ミルクフレーバー等を挙げることができる。
前記酸化防止剤としては、トコフェロール、β-カロテン、茶抽出物(カテキン等)等を挙げることができる。
前記着色料としては、β-カロテン、カラメル、紅麹色素等を挙げることができる。
前記糖類としては、砂糖、果糖、ブドウ糖、水飴、還元水飴、はちみつ、異性化糖、転化糖、オリゴ糖、トレハロース、糖アルコール等を挙げることができる。
前記増粘安定剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉等を挙げることができる。
前記甘味料としては、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、カンゾウ抽出物(グリチルリチン)、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビア抽出物、ステビア粉末等を挙げることができる。
前記酸味料としては、酢酸、乳酸、グルコン酸等を挙げることができる。
前記呈味素材としては、前記糖類、前記甘味料、前記酸味料は除かれ、乳製品、風味エキス類、その他呈味を有する原料等を挙げることができる。前記乳製品としては、全粉乳、脱脂粉乳、練乳粉、乳脂の加熱処理物や酵素処理物、牛乳、加糖練乳、発酵乳、生クリーム、チーズ等を挙げることができる。前記風味エキス類としては、昆布エキス、発酵調味料等を挙げることができる。前記その他呈味を有する原料としては、卵黄、全卵、コーヒー、カカオ原料、抹茶、緑茶、餡類、果汁、果肉、野菜ペースト、粉末野菜等を挙げることができる。
以下に、本発明のロールインマーガリンの製造方法を具体的に説明する。まず、油脂が融解した状態の油中水型乳化油脂組成物を特定温度まで冷却する。ここで油脂が融解した状態の油中水型乳化油脂組成物とは、油脂を加熱融解し、必要に応じて乳化剤などの油溶性成分を添加して油相を調製し、該油相に、水や、必要に応じて食塩、香料や呈味素材などの水溶性成分を加えて攪拌した水相を加え、油脂の融解状態を維持しつつ乳化させることで調製され、その油脂の融解状態が維持されている油中水型乳化油脂組成物のことをいう。
油相と水相を混合してから、乳化する前後何れかで殺菌処理を行なうことが望ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でもよい。
前記冷却に用いる装置としては、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機である密閉型連続式チューブ冷却機、プレート型熱交換機、開放型のダイアクーラーとコンプレクターとの組合せ等の冷却機器または冷却捏和装置が挙げられる。
前記冷却時の油中水型乳化油脂組成物の最低温度は、0~25℃が好ましく、1~20℃がより好ましく、5~15℃が更に好ましい。0℃未満まで冷却すると、油中水型乳化油脂組成物中の水分が凍結して設備を傷める場合があり、冷却時の最低温度が25℃を超えると油脂が十分に結晶化せず、作製した層状食品においてジューシーな食感が得られず、また、各層の間に十分な隙間が形成されず、浮きが悪い場合がある。冷却する際の冷却速度は特に限定されないが、-10~-100℃/分の冷却速度が好ましい。
以上のように冷却された油中水型乳化油脂組成物を、前記冷却に用いる装置内で所定の温度帯に保持して晶析させる。保持する温度帯は0~25℃が好ましく、1~20℃がより好ましく、5~15℃が更に好ましい。晶析のために前記温度帯で保持する時間(以下、冷却保持時間ともいう)は、前記冷却に用いる装置内で油中水型乳化油脂組成物の温度が25℃になった時点から、前記冷却に用いる装置から油中水型乳化油脂組成物を搬出する(後述する混和昇温装置に移送する)までの時間を意味し、10~300秒間が好ましく、20~200秒間がより好ましく、30~150秒間が更に好ましい。冷却保持時間が10秒間未満であると油脂が十分に結晶化せず、層状食品作製時にロールインマーガリンが均一に伸展せず作業性が悪く、また、作製した層状食品において各層の間に十分な隙間が形成されず、浮きが悪い場合があり、300秒間を超えると、前記冷却に用いる装置による油中水型乳化油脂組成物の練りが過剰になり、得られるロールインマーガリンの硬さやコシが劣る場合がある。
なお、油中水型乳化油脂組成物に含まれる油脂がエステル交換油及び/又は硬化油を40重量%以上含む場合は、前記冷却時の最低温度は10~20℃で、前記冷却保持時間は10~100秒間が好ましい。また、油中水型乳化油脂組成物に含まれる油脂がパーム油及び/又はパーム分別油を40重量%以上含む場合は、前記冷却時の最低温度は5~15℃で、前記冷却保持時間は30~150秒間が好ましい。
次いで、前記冷却によって晶析された油中水型乳化油脂組成物を、混和昇温装置を用いて混和により軟化させながら特定温度に昇温させる。前記混和昇温装置としては、オンレーターなどの掻き取り式熱交換機、多管円筒式熱交換機、スタティックミキサー内蔵式熱交換器、ピンマシン等が挙げられる。また、前記混和昇温装置を通した後に、密閉型連続式チューブ冷却機や、冷却機器または冷却捏和装置を用いて再度冷却を行なっても良いが、その場合も、後述する油中水型乳化油脂組成物の粘度を満足する範囲で該再冷却を行なう。
混和昇温装置による昇温後の油中水型乳化油脂組成物の温度は、10~35℃が好ましく、15~30℃がより好ましく、20~25℃が更に好ましい。また、前記混和昇温装置を通した後に、密閉型連続式チューブ冷却機や、冷却機器または冷却捏和装置を用いて再度冷却を行なう場合も、冷却後の油中水型乳化油脂組成物の温度は、10~35℃が好ましく、15~30℃がより好ましく、20~25℃が更に好ましい。昇温後または再冷却後の油中水型乳化油脂組成物の温度が10℃未満であると、充填時の粘度が高すぎたり充填中に硬化して粘度が上がることで、充填後にシート状に成形加工する際に割れたり空気穴が空いたりする場合がある。一方、35℃を超えると、大部分の結晶が溶けて充填後に水相部が分離したり、ロールインマーガリンに不適な物性となる場合がある。
混和昇温装置による昇温後の油中水型乳化油脂組成物の粘度は、10~250Pa・sが好ましく、20~200Pa・sがより好ましく、50~150Pa・sが更に好ましい。10Pa・s未満であると、作製した層状食品においてジューシーな食感が得られず、また、各層の間に十分な隙間が形成されず、浮きが悪い場合があり、250Pa・sを超えると、圧延時に油中水型乳化油脂組成物が均一に広がりにくく、作製されたロールインマーガリンを生地に折り込む際にひび割れが入る場合がある。前記粘度は、混和昇温装置による剪断を変更することでコントロールすることができる。なお、粘度は、振動式粘度計、回転式粘度計、落球式粘度計、細管式粘度計等を用いて定法に従い測定することができる。
また、混和昇温装置による昇温後の油中水型乳化油脂組成物の粘度が上記範囲内にあれば、後述するピロー包装への充填時の油中水型乳化油脂組成物のペネ値が140~460になることから、相関的に、折り込み時のロールインマーガリンのペネ値を50~130にコントロールしやすく好ましい。
次に、粘度が上記範囲内にある流動状の油中水型乳化油脂組成物をピロー包装に充填する。ここで、ピロー包装とは、包装フィルムを、開口部を有する袋状に加工した後、内容物を充填し、前記開口部を閉じて該内容物を包装するものをいう。前記ピロー包装は、密封性と開封作業性を両立するため、イージーピール性を有する方が好ましい。
流動状の油中水型乳化油脂組成物をピロー包装の開口部から投入してピロー包装に充填した直後に、ピロー包装の開口部を閉じる。これにより、以後の工程では衛生面の懸念は解消される。ピロー包装の開口部を閉じる方法としては、ヒートシール、チャック、クリップで挟む等の方法が挙げられるが、密封する方法が好ましい。
本発明では、生産プロセスでの異物混入など衛生上の問題を考慮して、油脂が融解した状態の油中水型乳化油脂組成物を冷却して晶析せしめた後、混和により軟化させながら昇温するまでの一連の工程を閉鎖系のラインで行なうことが好ましい。さらに、流動状の前記油中水型乳化油脂組成物をピロー包装に充填し、該ピロー包装の口を閉じる工程を、前記ラインから流動状の前記組成物が出た直後に実施することが好ましく、具体的には、前記ラインを出てからピロー包装が密封されるまでの時間を60秒以下に設定することが好ましく、30秒以下がより好ましく、10秒以下がさらに好ましい。
ピロー包装の口を閉じた後、流動状の油中水型乳化油脂組成物を、ピロー包装と共に、シート状に圧延成形する。当該圧延成形方法によると、流動状の油中水型乳化油脂組成物をピロー包装に充填してから、ピロー包装ごと圧延するので、作製されるロールインマーガリンでは、ピロー包装を構成する包装フィルムの内面と、ピロー包装内のロールインマーガリンの表面が密接することになる。
ピロー包装に充填された流動状の油中水型乳化油脂組成物をシート状に圧延成形するには、当該乳化油脂組成物を、(1)適切なクリアランスを保持した2枚の平板で挟む、(2)適切なクリアランスを保持した2つのローラー間に通す、(3)袋容量に対する内容量を調整した上で、振動させ自然に厚みを揃える、などの方法が挙げられる。
次いで、ピロー包装されたシート状の油中水型乳化油脂組成物を、特定温度で特定時間以上静置することで、本発明のピロー包装されたロールインマーガリンが製造される。このように特定条件で静置することで、油中水型乳化油脂組成物中の油脂の結晶化を進行させ、結晶を安定化させて、ロールインマーガリンの製造を実現できる。
静置する際の温度は、-30~30℃が好ましく、-20~25℃がより好ましく、0~10℃が更に好ましい。-30℃より低いと保管コストの点で不利であり、30℃を超えると、層状食品作製時にロールインマーガリンが伸展しにくく、作業性が悪かったり、作製した層状食品においてジューシーな食感が得られず、また、各層の間に十分な隙間が形成されず、浮きが悪い場合があり、また、ロールインマーガリンに油浸や変形が発生する場合がある。
静置する時間は、24時間以上であることが好ましい。24時間未満であると、油脂の結晶が十分に析出せず、または安定しておらず、製造されたロールインマーガリンの物性が不十分となり、作製した層状食品においてジューシーな食感が得られず、また、各層の間に十分な隙間が形成されず、浮きが悪い場合がある。静置時間の上限としては、保管コストの観点から2年が好ましいが、特にこれに限定されない。
本発明の好適な実施態様では、ロールインマーガリンに含まれる油脂全体中、パーム油及び/又はパーム油分別油の含有量が50~95重量%であり、上記のように流動状の油中水型乳化油脂組成物をピロー包装に充填し、シート状に圧延した後、特定温度で特定時間テンパリング処理してから、テンパリング処理温度より低い特定温度で特定時間以上静置する。
前記冷却時の最低温度は、0~25℃の範囲内であって、かつ油相部の融点から20~40℃低い温度が好ましく、油相部の融点から25~40℃低い温度がより好ましく、油相部の融点から25~35℃低い温度が更に好ましい。0℃未満まで冷却すると、油中水型乳化油脂組成物中の水分が凍結して設備を傷める場合がある。また、油相部の融点から20℃未満の温度まで冷却すると、油脂が十分に結晶化しない場合があり、該油脂の融点から40℃を超える温度まで冷却すると、冷却のためのコストがかかりすぎる場合がある。また冷却の際の冷却速度は、-20~-110℃/分が好ましい。
前記テンパリング処理は、15~30℃で10~100時間行うことが好ましい。テンパリング処理温度は18~27℃がより好ましく、更に好ましくは20~25℃である。テンパリング時の温度が15℃未満であるとテンパリング効果が十分に得られないため、テンパリング処理によるロールインマーガリンの物性改善が不十分となる場合があり、30℃を超えると、ロールインマーガリンが必要以上に軟化したり、油浸を起こすため、ロールインマーガリンの品質が悪くなる場合がある。テンパリング処理時間は18~72時間がより好ましく、24~48時間が更に好ましい。10時間未満であるとテンパリング効果が十分に得られない場合があり、一方、100時間を超えてテンパリングしても効果が頭打ちとなり、生産性が落ちる場合がある。
前記テンパリング処理後には、テンパリング処理温度より低い特定温度で特定時間以上静置する必要がある。具体的には、静置時の温度は-30~25℃が好ましく、-20~25℃がより好ましく、0~10℃が更に好ましい。-30℃より低いと保管コストの点で不利であり、25℃を超えると、層状食品作製時にロールインマーガリンが伸展しにくく、作業性が悪かったり、作製した層状食品においてジューシーな食感が得られず、また、各層の間に十分な隙間が形成されず、浮きが悪い場合がある。静置する時間は24時間以上であることが好ましい。24時間未満であると、油脂の結晶が十分に析出せず、または安定しておらず、製造されたロールインマーガリンの物性が不十分となり、作製した層状食品においてジューシーな食感が得られず、また、各層の間に十分な隙間が形成されず、浮きが悪い場合がある。静置時間の上限としては、保管コストの観点から2年が好ましいが、特にこれに限定されない。
本発明により製造されたロールインマーガリンは、従来の製造方法で製造したロールインマーガリンと同様に、生地に包み込んで伸展し、その後、焼成することにより、層状食品の作製に用いることができる。
該層状食品としては、例えばデニッシュペストリー、クロワッサン、パイ等が挙げられるが、特に限定されない。
また、該層状食品におけるロールインマーガリンの配合量は、製造する層状食品の種類によって異なり、本発明の効果を奏する限り、特に限定されないが、層状食品全体中15~40重量%が好ましい。
層状食品の製造方法は、特に限定されず、本発明により製造されたロールインマーガリンを用いること以外は、公知の原料を使用し、公知の配合および公知の方法を採用することができる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
<異物混入や衛生問題>
実施例1~13及び比較例1~6における異物混入や衛生問題についての評価は、以下の基準で評価した。
5点:閉鎖系でラインから乳化物を排出し、包装に充填した直後に密封され、乳化物がラインを出てから密封されるまでの時間は0~10秒である。
4点:閉鎖系でラインから乳化物を排出し、包装に充填した後に密封され、乳化物がラインを出てから密封されるまでの時間は10~60秒である。
3点:開放系でラインから乳化物を排出し、包装に充填した後に密封され、乳化物がラインを出てから密封されるまでの時間は0~60秒である。
2点:開放系でラインから乳化物を排出し、密封包装を行なわず、梱包は装置が自動で行う。
1点:開放系でラインから乳化物を排出し、密封包装を行なわず、梱包を人の手で行う。
<デニッシュ作製時の作業性>
実施例14~26及び比較例7~12のデニッシュの作製において、15℃で3時間温調した実施例1~13及び比較例1~6のロールインマーガリンを、それぞれ生地に折り込んだ際の作業性を以下の基準で総合的に評価した。
5点:生地の中でロールインマーガリンが均一に伸び、作業時間が非常に短い。
4点:ロールインマーガリンの伸び方に偏りは殆ど見られず、作業時間は短い。
3点:ロールインマーガリンの伸び方に少し偏りが見られるが、作業時間は短い。
2点:ロールインマーガリンが均一に伸びていない部分が多く、作業時間が長い。
1点:ロールインマーガリンが伸びず、生地にロールインマーガリンの塊が見られ、作業時間が非常に長い。
<デニッシュのジューシーな食感>
実施例14~26及び比較例7~12で作製したデニッシュを、熟練した10名のパネラーが食して、以下の基準で評価した。各人の評価値の平均値を示した。
5点:ジューシー感を非常に強く感じる。
4点:ジューシー感を強く感じる。
3点:ジューシー感を感じる。
2点:ジューシー感をあまり感じない。
1点:ジューシー感を感じない。
<デニッシュの浮き>
実施例14~26及び比較例7~12で作製したデニッシュを切断し、熟練した10名のパネラーがその断面を観察して、以下の基準で評価した。各人の評価値の平均値を示した。
5点:非常に浮きが良く、各層の間に十分な隙間がある。
4点:浮きが良く、ほとんどの層の間に十分な隙間がある。
3点:浮きが良く、各層の間に十分な隙間のない部分がある。
2点:浮きが悪く、各層の間に十分な隙間のない部分が多い。
1点:非常に浮きが悪く、ほとんどの生地と生地の間に十分な隙間がない。
(製造例1) エステル交換油脂の製造
パーム油55重量部、パーム極度硬化油18重量部、パーム核分別軟質油(ヨウ素価24.5)27重量部を混合し、500Paの減圧下で90℃に加熱し、0.2重量部のナトリウムメチラートを加えて30分攪拌してエステル交換油脂を得た。
(実施例1)
表1に示す配合に従って、パーム油55.0重量部、パームステアリン8.1重量部、パーム極度硬化油1.6重量部、パーム核油8.1重量部、菜種油8.1重量部を混合した。この油脂混合物にモノグリセライド0.5重量部、大豆レシチン0.5重量部、バターフレーバー0.1重量部を加え、70℃で融解後、65~70℃に保持して油相とした。油相の融点は38℃であった。また、水16.5重量部に食塩1重量部、脱脂粉乳0.5重量部を加えて攪拌し、80~85℃で20分殺菌後、65~70℃に保持して水相とした。水相を油相に加えて20分以上乳化させて乳化物を得た。
得られた油脂が融解状態の乳化物を密閉型連続式チューブ冷却機(コンビネーター:1.3L容量)に投入し、-30~-50℃/分の冷却速度で捏和しながら最終到達温度10℃まで冷却した。この冷却過程で、ロールインマーガリンの製造装置のライン中における密閉型連続式チューブ冷却機内で25℃の品温に達してから、10℃に達温して混和昇温装置(ピンマシン:2.0L容量)に移送するまで94秒間、前記乳化物を該冷却機内に保持した後、混和昇温装置に移送し、該混和昇温装置で軟化させて23℃に昇温させ、その後、閉鎖系の装置内でラインから排出し、ピロー包装に充填し、直後に密封した。ラインを出てから密封されるまでの時間は2.4秒であった。なお、密封直前に乳化物の粘度とペネ値を測定した。各実施例において、乳化物の粘度は密封直前に測定したが、当該粘度の値は、充填直前の乳化物が示す粘度の値と実質的に同じものである。各表には、密封直前に測定した粘度とペネ値の値を記載した。
その後、厚さ10mmのシート状の容量となるようにピロー包装をヒートシーリングしてから2枚の平板で挟んで圧延し、厚さ10mmのブロックマーガリンを得た。このブロックマーガリンを20℃で24時間テンパリング処理した後、4℃で240時間静置して、シート厚10mmのロールインマーガリンを得た。
Figure 0007116615000001
(実施例2)
表1の製造条件に従って、得られた乳化物を最終到達温度3℃まで冷却し、冷却保持時間を59秒間にし、混和昇温装置で軟化させて21℃に昇温させた以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。
(実施例3)
表1の製造条件に従って、得られた乳化物を最終到達温度22℃まで冷却し、冷却保持時間を134秒間にし、混和昇温装置で軟化させて28℃に昇温させた以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。
(実施例4)
表1の製造条件に従って、得られた乳化物を最終到達温度6℃まで冷却し、冷却保持時間を19秒間にし、混和昇温装置で軟化させて21℃に昇温させた以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。
(実施例5)
表1の製造条件に従って、得られた乳化物を最終到達温度19℃まで冷却し、冷却保持時間を276秒間にし、混和昇温装置で軟化させて26℃に昇温させた以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。
(比較例1)
表1の製造条件に従って、得られた乳化物を最終到達温度28℃まで冷却し、その際、密閉型連続式チューブ冷却機内で28℃の品温に達してから、混和昇温装置に移送するまでの保持時間を94秒間にし、混和昇温装置で軟化させて31℃に昇温させた以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。
(比較例2)
表1の製造条件に従って、得られた乳化物を最終到達温度15℃まで冷却し、冷却保持時間を7秒間にした以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。
表1で示した評価結果より、実施例1~5、比較例1及び2はいずれも、閉鎖系でラインから排出し、ピロー包装に充填した直後に密封されており、ラインを出てから密封されるまでの時間は2.4秒で、異物混入や衛生問題に関する懸念はなかった。
(実施例6)
表2の製造条件に従って、得られた乳化物を最終到達温度11℃まで冷却し、冷却保持時間を134秒間にし、混和昇温装置で軟化させて13℃に昇温させ、またテンパリング処理を25℃で行なった以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。
Figure 0007116615000002
(実施例7)
表2の製造条件に従って、得られた乳化物を最終到達温度5℃まで冷却し、冷却保持時間を59秒間にし、混和昇温装置で軟化させて32℃に昇温させ、またテンパリング処理を18℃で行なった以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。
(実施例8)
表2の製造条件に従って、ブロックマーガリンをテンパリング処理した後の静置温度を-20℃にした以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。
(実施例9)
表2の製造条件に従って、ブロックマーガリンをテンパリング処理した後の静置温度を27℃にした以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。
(比較例3)
表2の製造条件に従って、得られた乳化物を最終到達温度15℃まで冷却し、混和昇温装置で軟化させて37℃に昇温させ、テンパリング処理を15℃で行った以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。
(比較例4)
表2の製造条件に従って、ブロックマーガリンをテンパリング処理した後の静置温度を33℃にした以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。
表2で示した評価結果より、実施例6~9、比較例3及び4はいずれも、閉鎖系でラインから排出し、ピロー包装に充填した直後に密封されており、ラインを出てから密封されるまでの時間は2.4秒で、異物混入や衛生問題に関する懸念はなかった。
(実施例10)
表3の製造条件に従って、ブロックマーガリンをテンパリング処理した後の静置時間を36時間にした以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。
Figure 0007116615000003
(実施例11)
表3に示す配合に従って、油脂の配合を、パームステアリン8.1重量部、菜種油14.6重量部、製造例1のエステル交換油脂21.8重量部、ラード36.4重量部とし、パーム油、パーム極度硬化油及びパーム核油を使用せず、表3に示す配合条件に従って、得られた乳化物を最終到達温度16℃まで冷却し、混和昇温装置で軟化させて昇温させた温度を24℃とし、テンパリング処理を行なわなかったこと以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。
(実施例12)
表3の製造条件に従って、実施例1と同様にロールインマーガリンを得た。但し、閉鎖系の装置内にてラインから排出し、ピロー包装に充填した後、別の装置に移送して密封包装を行なった。ラインを出てから密封されるまでの時間は16秒であった。
(実施例13)
表3の製造条件に従って、実施例1と同様にロールインマーガリンを得た。但し、開放系でラインから排出し、ピロー包装に充填した後、装置で密封包装を行なった。ラインを出てから密封されるまでの時間は2.4秒であった。
(比較例5)
表3の製造条件に従って、ブロックマーガリンをテンパリング処理した後の静置時間を12時間にした以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。
(比較例6)
表3の製造条件に従って、冷却保持時間を166秒にし、混和昇温装置での軟化及び昇温を実施せず、シート状に成形したものを開放系でラインから排出し、密封包装を行なわず、パーチフィルムで挟んで、梱包を装置が自動で行なった後、テンパリング処理を行なわずに4℃で240時間静置を行なってロールインマーガリンを得た以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。
表3で示した評価結果より、実施例10及び11、比較例5は、閉鎖系でラインから排出し、ピロー包装に充填した直後に密封されており、ラインを出てから密封されるまでの時間は2.4秒で、異物混入や衛生問題に関する懸念はなかった。実施例12は、閉鎖系の装置内にてラインから排出し、ピロー包装に充填した後、別の装置に移行して密封包装を行なったもので、ラインを出てから密封されるまでの時間は16秒で、異物混入や衛生問題に関する懸念は問題のないレベルだった。実施例13は、開放系でラインから排出し、ピロー包装に充填した後、装置で密封包装を行なったもので、ラインを出てから密封されるまでの時間は2.4秒で、異物混入や衛生問題に関する懸念は問題のないレベルだった。比較例6は、開放系でラインから排出し、しかも密封包装ではないので、異物混入や衛生問題に関する懸念があった。
(実施例14~26、比較例7~12)デニッシュの作製
実施例1~13、比較例1~6で得られた各ロールインマーガリンを用いてデニッシュを作製した。即ち、表4に示す配合に従って、ロールインマーガリンとショートニングを除いた原料をミキサーにて低速3分間、中高速3分間ミキシングした後、ショートニングを混合し、更に低速3分間、中高速3分間ミキシングし、捏ね上げ温度を25℃とした。室温で30分間生地を発酵させた後、生地を1℃で5時間冷却した。
冷却後の生地1916gを成形してから、15℃に温調したロールインマーガリン500gを静置し、包み込んだ。このとき、ロールインマーガリンを包んだ伸展前の生地のサイズは、36cm(縦)×14.4cm(横)×5cm(厚)であった。この生地を、リバースシーターを用いて10mm厚になるまでは5mmごとに段階的に伸展し、その後は2mmごとに段階的に伸展し、最後は4mm厚に調整したリバースシーターを用いて、生地を4mm厚に伸展した。続けて生地を3つ折りした後、3mm厚に調整したリバースシーターを用い、生地を3mm厚に伸展した。得られた生地を1℃で10時間冷却後、更に3つ折りした後、2.5mm厚に調整したリバースシーターを用いて生地を2.5mm厚に伸展した。生地を成形後、35℃、湿度70%のホイロで1時間最終発酵した後、200℃のオーブンで15分間焼成し、デニッシュを得た。デニッシュを作製する際の作業性及び得られたデニッシュのジューシー感及び浮きについて評価し、その結果を表5にまとめた。
Figure 0007116615000004
Figure 0007116615000005
表5の結果より、以下のことが言える。実施例14、実施例19、実施例25及び実施例26のデニッシュは、作製時に、生地の中でロールインマーガリンが均一に伸び、作業性が非常に良好で、ジューシー感を強く感じ、また、浮きも良く、ほとんどの層の間に十分な隙間があるものであった。
実施例15、実施例17、実施例18、実施例21及び実施例24、比較例12のデニッシュは、作製時に、ロールインマーガリンの伸び方にわずかに偏りが見られるが、作業性は良好で、ジューシー感を強く感じ、また、浮きも良く、ほとんどの層の間に十分な隙間があるものであった。
実施例16、実施例22及び実施例23のデニッシュは、作製時に、生地の中でロールインマーガリンが均一に伸び、作業性が非常に良好で、ジューシー感を強く感じ、また、浮きも良く、各層の間に十分な隙間のない部分があるが、問題のないレベルであった。
実施例20のデニッシュは、作製時に、ロールインマーガリンの伸び方にわずかに偏りが見られるが、作業性は良好で、ジューシー感を強く感じ、また、浮きも良く、各層の間に十分な隙間のない部分があるが、問題のないレベルであった。
比較例7のデニッシュは、作製時に、生地の中でロールインマーガリンが均一に伸び、作業性が非常に良好であったが、ジューシー感をあまり感じず、浮きも非常に悪く、ほとんどの生地と生地の間に十分な隙間がないものであった。
比較例8のデニッシュは、ジューシー感を感じるが、作製時に、ロールインマーガリンが均一に伸びていない部分が多くて作業性が悪かった。また、浮きも悪く、各層の間に十分な隙間のない部分が多いものであった。
比較例9のデニッシュは、作製時に、ロールインマーガリンの伸び方にわずかに偏りが見られるが、作業性は良好であった。しかし、ジューシー感をあまり感じず、また、浮きも悪く、各層の間に十分な隙間のない部分が多いものであった。
比較例10のデニッシュは、作製時に、ロールインマーガリンが伸びず、生地にロールインマーガリンの塊が見られ、作業性が非常に悪かった。また、ジューシー感が感じられず、浮きも非常に悪く、ほとんどの生地と生地の間に十分な隙間がないものであった。
比較例11のデニッシュは、作製時に、生地の中でロールインマーガリンが均一に伸び、作業性が非常に良好であったが、ジューシー感があまり感じられず、浮きも悪く、各層の間に十分な隙間のない部分が多いものであった。
表5の結果を総括すると、実施例14~26は、デニッシュ作製時の作業性、並びに、デニッシュのジューシーな食感及び浮きがすべて良好な評価であったのに対し、比較例7~12は、デニッシュ作製時の作業性、並びに、デニッシュのジューシーな食感及び浮きのいずれかが悪く、また、比較例12はデニッシュ作製時の作業性、並びに、デニッシュのジューシーな食感及び浮きについては良好な評価であったが、異物混入や衛生問題に関して懸念があるものであった。

Claims (2)

  1. 油脂が融解した状態の油中水型乳化油脂組成物を、0~25℃まで冷却して該温度に10~300秒保持し晶析せしめた後、混和昇温装置を用いて混和により軟化させながら10~35℃に昇温させて、粘度を10~250Pa・sに調整し、調整後の流動状の前記油中水型乳化油脂組成物をピロー包装に充填し、該ピロー包装の口を閉じてからシート状に圧延した後、-30℃~30℃で24時間以上静置することを特徴とする、ロールインマーガリンの製造方法。
  2. ロールインマーガリンの油脂全体中、パーム油及び/又はパーム分別油の含有量が50~95重量%であり、
    油脂が融解した状態の油中水型乳化油脂組成物を、0~25℃まで冷却して該温度に10~300秒保持し晶析せしめた後、混和昇温装置を用いて混和により軟化させながら10~35℃に昇温させて、粘度を10~250Pa・sに調整し、調整後の流動状の前記油中水型乳化油脂組成物をピロー包装に充填し、該ピロー包装の口を閉じてからシート状に圧延した後、15~30℃の温度で10~100時間テンパリング処理してから、-30~25℃で24時間以上静置する、請求項1に記載のロールインマーガリンの製造方法。
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