JP6450081B2 - 含糖ロールインマーガリン - Google Patents

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Description

本発明は、糖を含有するロールインマーガリンに関する。
近年、油脂の低トランス化が進み、加工油脂に使用される原料油脂が低トランス脂肪酸油脂に置き換わってきている。しかし、低トランス脂肪酸の油脂はハイトランス脂肪酸の油脂に比べ、パンや菓子の製造に使用した際、パンや菓子の甘味が感じられにくいという欠点がある。特に、糖を含有したロールインマーガリンを用いて作製された層状膨化食品において、その傾向は顕著であり、甘さが感じにくく、食べたときの満足感が得られないといった問題がある。そこで、特定のトリグリセリド組成を持つベーカリー食品用油脂組成物(特許文献1)や、特定量の甘味料を含む油中水型乳化油脂組成物(特許文献2)が開示されているが、甘味の感じられ方は満足できるレベルではなく、問題を解決するには至っていない。
特開2013−188205号公報 特開2008−125488号公報
本発明の目的は、低トランス脂肪酸の油脂を原料に用いても、糖含量を大幅に増やすことなく十分な甘さが感じられる含糖ロールインマーガリン、それを用いてなる層状膨化食品及びそれらの製造方法を提供することである。その上でさらに、離水しにくく、衛生面や作業性が良好な含糖ロールインマーガリン、それを用いてなる層状膨化食品及びそれらの製造方法を提供することも目的である。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定範囲の粒径の糖類を特定量不均一分散させた可塑性油中水型乳化油脂組成物をロールインマーガリンとして用いた層状膨化食品は、ロールインマーガリンが低トランス脂肪酸の油脂を原料としていても、糖含量を大幅に増やすことなく十分な甘さが感じられるようになることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、トランス脂肪酸含量が5重量%未満である含糖ロールインマーガリンであって、可塑性油中水型乳化油脂組成物100重量部に対して、粒径が300〜3500μmの糖類15〜60重量部が不均一分散している含糖ロールインマーガリンに関する。好ましい実施態様は、含糖ロールインマーガリン全体中、油脂を45〜86重量%含有する上記記載の含糖ロールインマーガリンに関する。より好ましくは、可塑性油中水型乳化油脂組成物の水分活性が0.25〜0.88である上記記載の含糖ロールインマーガリンに関する。本発明の第二は、可塑性油中水型乳化油脂組成物に100重量部に対して、粒径が300〜3500μmの糖類を不均一分散させることを特徴とする、トランス脂肪酸含量が5重量%未満の含糖ロールインマーガリンの製造方法に関する。好ましい実施態様は、可塑性油中水型乳化油脂組成物100重量部に対して、粒径が300〜3500μmの糖類15〜60重量部を不均一分散させることを特徴とする上記記載の含糖ロールインマーガリンの製造方法に関する。より好ましくは、可塑性油中水型乳化油脂組成物100重量部に対して、粒径300〜3500μmの糖類を15〜60重量部裁置してから、該裁置面を平板で押圧することで、該糖類が可塑性油中水型乳化油脂組成物中に押し込まれることを特徴とする上記記載の含糖ロールインマーガリンの製造方法、更に好ましくは、含糖ロールインマーガリン中のトランス脂肪酸含量が5重量%未満であることを特徴とする上記記載の含糖ロールインマーガリンの製造方法に関する。本発明の第三は、上記記載の含糖ロールインマーガリンを、層状膨化食品全体中20〜40重量%になるように用いてなり、層状膨化食品全体中トランス酸含量が2重量%未満且つ糖含量が3〜25重量%の層状膨化食品に関する。
本発明に従えば、低トランス脂肪酸の油脂を原料に用いても、糖含量を大幅に増やすことなく十分な甘さが感じられる含糖ロールインマーガリン、それを用いてなる層状膨化食品及びそれらの製造方法を提供することができる。その上でさらに、離水しにくく、衛生面や作業性が良好な含糖ロールインマーガリン、それを用いてなる層状膨化食品及びそれらの製造方法を提供することができる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明の含糖ロールインマーガリンは、トランス脂肪酸含量が特定量未満しか含まず、可塑性油中水型乳化油脂組成物中に、特定範囲の粒径の糖類を特定量不均一分散していることが特徴である。
本発明の含糖ロールインマーガリン中のトランス脂肪酸含量は、少なければ少ないほど良く、5重量%未満であることが好ましく、3重量%未満がより好ましく、1重量%未満が更に好ましい。5重量%よりも多いと、該含糖ロールインマーガリンを使用して作製した層状膨化食品中のトランス脂肪酸含量が多くなり過ぎ、甘さを感じにくい場合がある。
なお前記トランス脂肪酸含量の測定は、「基準油脂分析試験法暫11−2003及び暫15−2003」(日本油化学会制定)に記載されたメチルエステル化法及びガスクロマトグラフ法に準拠して行える。
本発明において、可塑性油中水型乳化油脂組成物中に不均一分散している糖類は、粒径が300〜3500μmであることが好ましく、450〜3000μmがより好ましく、1000〜3000μmが更に好ましい。粒径が300μmより小さいと、糖類が可塑性油中水型乳化油脂組成物中の水分を吸水しやすくなるため、食品衛生上問題が生じたり、層状膨化食品を作る際に機械等に付着しやすくなって作業性が悪くなる場合がある。3500μmより大きいと層状膨化食品を製造する際、生地中に折り込み、伸展させる時に生地が破れて製造が困難になる場合がある。
前記糖類としては、グラニュー糖、ザラメ糖、三温糖などが例示でき、これらの群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。前記糖類の含有量は、前記可塑性油中水型乳化油脂組成物100重量部に対して、15〜60重量部が好ましく、20〜50重量部がより好ましく、30〜40重量部が更に好ましい。15重量部より少ないと、含糖ロールインマーガリンを用いてなる層状膨化食品の甘味を十分に感じない場合があり、60重量部より多いと層状膨化食品を製造する際、生地中に折り込み、伸展させる時に生地が破れたり、生地との接着が悪かったりして糖類がこぼれ落ち、製造が困難な場合がある。
なお、本発明において糖類の不均一分散とは、糖類が前記可塑性油中水型乳化油脂組成物中に散在している状態で、可塑性油中水型乳化油脂組成物中に不均一分散させる際、該糖類は一度も水に溶解されることなく、粒状のまま、1粒の糖類の周囲1cm以内に別の粒状の糖類が存在している状態であることを意味する。
なお、前記可塑性油中水型乳化油脂組成物は、通常ロールインマーガリンとして用い得る組成物であれば特に限定はない。
前記含糖ロールインマーガリン全体中の油脂含量は、45〜86重量%が好ましく、45〜80重量%がより好ましく、55〜75重量%が更に好ましい。45重量%より少ないと層状膨化食品のジューシー感を失う場合があり、また相対的に水分含量が多くなるため、含糖ロールインマーガリンの離水が起こりやすく、食品衛生上問題が生じる場合がある。86重量%より多いと相対的に糖含量が少なくなるため、甘味を感じにくくなる場合がある。
前記油脂としては、パーム系油脂、パーム核油、菜種油、大豆油、サフラワー油、コーン油、米油、綿実油、魚油、シア脂、牛脂、ラード、ヤシ油、乳脂やこれらの分別油、硬化油もしくはエステル交換油などを用いることができる。特に層状膨化食品を製造する際、前記含糖ロールインマーガリンが生地に練りこまれないようにするために、前記油脂のSFCは、10℃で35〜65、且つ25℃で10〜35であることが好ましい。
本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物の水分活性は、0.25〜0.88であることが好ましく、0.25〜0.65がより好ましく、0.25〜0.50が更に好ましい。0.25未満であると可塑性油中水型乳化油脂組成物の配合中に水分がほとんど存在せず、非常に柔らかい物性になるため、成型機を通ることができない場合や、成型機を通ることができてもシート状の含糖ロールインマーガリンを得ることが困難な場合がある。また0.88より大きいと、可塑性油中水型乳化油脂組成物中に不均一分散された糖類が、可塑性油中水型乳化油脂組成物中の水分を吸水しやすくなるため、食品衛生上問題が生じたり、層状膨化食品を作る際に機械等に付着しやすくなって作業性が悪くなる場合がある。
なお水分活性は、露点法(Fleischwirtschaft, vol.52, pp.1461-1462, 1972)に準拠して、水分活性測定装置「AQUA LAB CX-2」(デカゴン社製)を用いて測定することができる。
前記可塑性油中水型乳化油脂組成物全体中の水分含量は、少ない程水分活性を容易に下げられるので好ましい。前記含糖ロールインマーガリン全体中、水分量は1〜15重量%であることが好ましい。1重量%より少ないと折り込む際に展延しにくい場合があり、15重量%より多いと食品衛生上問題が生じたり、層状膨化食品を作る際に機械等に付着しやすくなって作業性が悪くなる場合がある。
また可塑性油中水型乳化油脂組成物全体中に、糖類が3〜36重量%均一分散していると、比較的容易に水分活性を調整することができる。前記糖類としては、ぶどう糖、果糖などの単糖類、砂糖、乳糖、麦芽糖などの二糖類、オリゴ糖、デキストリン、でんぷんなどの三糖類以上の多糖類、還元麦芽糖水飴、エリスリトール、キシリトール、マルチトールなどの糖アルコールなどが挙げられる。
前記可塑性油中水型乳化油脂組成物には、油脂、水や糖類の他に、必要に応じて乳化剤、着色料、呈味剤、香料、酸化防止剤等、増粘剤、乳製品、酵素類、ビタミン類、ミネラル類、その他食品成分等を含有していても良く、食用であれば特に限定は無い。
なお、前記乳化剤としては、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、シュガーエステルなどが、前記着色料としては、カロチンやアナトー色素などが、前記増粘剤としては、カラギーナン、ローカストビーンガムなどが、前記乳製品としては、バター、脱脂粉乳、ホエイタンパク、バターミルクパウダーなどが挙げられる。
本発明の含糖ロールインマーガリンは、例えば以下のようにして製造できる。即ち、まず油脂に油溶性の乳化剤、色素、抗酸化剤、香料などを必要に応じて添加し、溶解させて油相部を調製する。一方、水に乳製品類や糖類等の水溶性組成物を適宜添加し、溶解、または分散させて水相部とする。前記油相部を温調しながら撹拌し、そこへ前記水相部を混合して予備乳化する。
上記のようにして得られた乳化予備物を、均一撹拌しながら、パーフェクター、コンビネーター、ボテーターなどを用いて、急冷捏和した後、成型ノズルからシート状に押し出し、可塑性油中水型乳化油脂組成物を得る。
次に、可塑性油中水型乳化油脂組成物に特定粒径の糖類を所定量載せ、押圧して本発明の含糖ロールインマーガリンを得ることができる。尚、押圧の程度は含糖ロールインマーガリンを反転させた場合に、糖類が落ちない程度に押圧することが好ましく、糖類の全てがマーガリン中に隠れるようにすることがより好ましい。
別の製造方法としては、特定粒径の糖類を所定量散在させたところに、前記可塑性油中水型乳化油脂組成物を載せ、押圧して本発明の含糖ロールインマーガリンを得ることもできる。尚、押圧の程度は含糖ロールインマーガリンを反転させた場合に、糖類が落ちない程度に押圧することが好ましく、糖類の全てがマーガリン中に隠れるようにすることがより好ましい。
更に別の製造方法としては、前記予備乳化物を急冷捏和後、成型機を通る前に特定粒径の糖類を別ラインから挿入し、ミキサーなどを通して不均一に分散させたマーガリンを成型機に通すことで、本発明の含糖ロールインマーガリンを得ることができる。
本発明の含糖ロールインマーガリンは、クロワッサン、パイ、デニッシュなどパンや菓子の種類を問わず層状膨化食品に利用できる。
本発明の含糖ロールインマーガリンは、層状膨化食品全体中11〜40重量%含有することが好ましい。11重量%より少ないと、十分な甘味が感じられにくく、層状膨化食品の層があまり出ない場合がある。また40重量%を超えると、生地が扱いにくくなり、層状膨化食品に油っぽさを感じる場合がある。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
<含糖ロールインマーガリンの保存性>
実施例・比較例で得られた含糖ロールインマーガリンを15日及び30日間冷蔵保管した後、保存状態を目視で評価した。その際の評価基準は、以下の通りである。
○:30日間の冷蔵保管後、保存状態が良好である。
△:15日間の冷蔵保管後の保存状態は良好であるが、30日間の冷蔵保管後、糖類が可塑性油中水型乳化油脂組成物中の水分を吸収して保存状態が悪い。
×:15日間の冷蔵保管後でも、糖類が可塑性油中水型乳化油脂組成物中の水分を吸水して保存状態が悪い。
<クロワッサン製造時の含糖ロールインマーガリンの作業性の評価>
実施例・比較例のクロワッサン作製時において、ロールインマーガリンの作業性を以下の基準に従って評価し、その平均値を評価点とした。
5点:含糖ロールインマーガリンが生地の中で均一に伸びる。
4点:含糖ロールインマーガリンと端生地の伸び方にわずかに偏りが見られる。
3点:含糖ロールインマーガリンが均一に伸びていない部分が見られる、又はわずかに不均一分散させた糖類がこぼれ落ちる。
2点:含糖ロールインマーガリンと生地がべたつきスムーズに伸展できない、又は不均一分散させた糖類の一部がこぼれ落ちる。
1点:伸展時生地が破れて正常に伸展できない、又は不均一分散させた糖類の大部分がこぼれ落ちる。
<クロワッサンの甘味の評価>
実施例・比較例で得られたクロワッサンの甘味は、10人の熟練したパネラーに以下の基準で評価してもらい、その平均値を評価点とした。その際の評価基準は以下の通りである。
5点:食べ始めたトップから強い甘味を感じ、飲み込むまで甘味を強く感じる。
4点:食べ始めたトップから甘味を感じ、飲み込むまで甘味を感じる。
3点:食べ始めたトップから甘味を感じるが、徐々に甘味の感じ方が減少する。
2点:食べ始めたトップから甘味を感じず、除々に甘味を感じる。
1点:食べ初めから飲み込むまで甘味を感じない。
<クロワッサンの浮きの評価>
実施例・比較例で得られたクロワッサンの浮きの評価は、以下の基準に従って評価し、その平均値を評価点とした。
5点:焼成前に比べ縦方向に浮いており、ボリュームが大きい。
4点:焼成前に比べ縦方向と横方向に浮いており、ボリュームが大きい。
3点:焼成前に比べ縦方向に浮いているが、ボリュームが大きくない。
2点:焼成前に比べ縦方向と横方向に浮いており、ボリュームが大きくない。
1点:焼成前に比べあまり大きさが変わらず、ボリュームが小さい。
<クロワッサンの外観の評価>
実施例・比較例で得られたクロワッサンの外観の評価は、以下の基準に従って評価し、その平均値を評価点とした。
5点:クロワッサンの断面の気泡が均一に大きい。
4点:クロワッサンの断面の気泡が均一にやや大きい。
3点:クロワッサンの断面の気泡が均一であるが大きくない。
2点:クロワッサンの断面の気泡が不均一であるが、細かい気泡が多く存在しない。
1点:クロワッサンの断面の気泡が不均一で、細かい気泡が多く存在する。
(製造例1)エステル交換油脂Aの作製
パームステアリン70重量部とパーム核オレイン30重量部を90℃に加熱し、0.2重量部のナトリウムメチラートを加えて減圧下で30分間攪拌した。その後水洗し、2重量部の白土を加えて90℃で減圧下30分間攪拌して脱色し、ろ過して白土を除いた。得られた油脂を減圧下250℃で1時間脱臭してエステル交換油脂Aを得た。
(製造例2)エステル交換油脂Bの作製
パームステアリン70重量部とパーム核オレイン30重量部の代わりに、パーム油80重量部とパーム核油20重量部を用いた以外は、製造例1と同様にしてエステル交換油脂Bを得た。
(実施例1)含糖ロールインマーガリンの作製
表1の配合に従って、含糖ロールインマーガリンを作製した。即ち、エステル交換油脂A、エステル交換油脂B、精製菜種油を混合した油脂混合物を65〜70℃で融解し、そこへグリセリン脂肪酸エステル及びレシチンを溶解して油相とした。また、異性化液糖を70℃になるまで攪拌しながら加熱し、殺菌して水相とした。油相と水相をそれぞれ70℃に保持したまま、該水相を油相に加えて撹拌することで20分間以上乳化させ、−30℃〜−50℃/分の冷却速度で捏和しながら急冷し、成型機に導入してノズル先が10mm×250mmの長方形である成型ノズルから50kg/hrの速度でシート状に押し出し、厚さ10mmの可塑性油中水型乳化油脂組成物を得た。得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物にグラニュー糖を載せ、可塑性油中水型乳化油脂組成物より一回り大きい板状の物で押圧して含糖ロールインマーガリンを得た。得られた含糖ロールインマーガリン分析結果及び保存性の評価結果を表1に示した。
Figure 0006450081
(実施例2,3、比較例1,2)含糖ロールインマーガリンの作製
表1の配合に従って、グラニュー糖の量を変えた以外は、実施例1と同様にして含糖ロールインマーガリンを得た。得られた含糖ロールインマーガリン分析結果及び保存性の評価結果を表1に示した。
(実施例4、比較例3〜5)含糖ロールインマーガリンの作製
表2の配合に従って、グラニュー糖の一部もしくは全量を、上白糖やザラメ糖に変えた以外は、実施例2と同様にして含糖ロールインマーガリンを得た。得られた含糖ロールインマーガリン分析結果及び保存性の評価結果を表2に示した。
Figure 0006450081
(実施例5〜7)含糖ロールインマーガリンの作製
表3の配合に従って、異性化液糖を添加せず、水を添加した以外は、実施例1と同様にして、可塑性油中水型乳化油脂組成物を得た。得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物をグラニュー糖が散在させたところに載せ、可塑性油中水型乳化油脂組成物より一回り大きい板状の物で押圧して含糖ロールインマーガリンを得た。得られた含糖ロールインマーガリン分析結果及び保存性の評価結果を表3に示した。ただし、実施例7は参考例である。
Figure 0006450081
(実施例8)含糖ロールインマーガリンの作製
表3の配合に従って、異性化液糖、上白糖、水を混合し、上白糖が完全に融解するまで加熱殺菌したものを水相にした以外は、実施例5と同様にして含糖ロールインマーガリンを得た。得られた含糖ロールインマーガリン分析結果及び保存性の評価結果を表3に示した。
(実施例9)含糖ロールインマーガリンの作製
表3の配合に従って、エステル交換油脂A、エステル交換油脂B、精製菜種油を混合した油脂混合物を65〜70℃で融解し、そこへグリセリン脂肪酸エステル及びレシチンを溶解して油相とした。また、異性化液糖、上白糖、水を混合し、上白糖が完全に溶解するまで加熱殺菌したものを水相とした。油相と水相をそれぞれ70℃に保持したまま、該水相を油相に加えて攪拌することで20分間以上乳化させ、−30℃〜−50℃/分の冷却速度で捏和しながら急冷し、可塑性油中水型乳化油脂組成物を得た。得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物にグラニュー糖を加えて混合し、成型機に導入して、成型ノズルからシート状に押し出し、含糖ロールインマーガリンを得た。得られた含糖ロールインマーガリンの分析結果及び保存性の評価結果を表3に示した。
(比較例6)含糖ロールインマーガリンの作製
表3の配合に従って、エステル交換油脂B、精製菜種油、大豆硬化油を混合した油脂混合物を65〜70℃で融解し、そこへグリセリン脂肪酸エステル及びレシチンを溶解して油相とした。異性化液糖、上白糖、水を混合し、上白糖が完全に溶解するまで加熱殺菌したものを水相とした。油相と水相をそれぞれ70℃に保持したまま、該水相を油相に加えて攪拌することで20分間以上乳化させ、−30℃〜−50℃/分の冷却速度で捏和しながら急冷し、成型機に導入して成型ノズルからシート状に押し出し、含糖ロールインマーガリンを得た。得られた含糖ロールインマーガリンの分析結果及び保存性の評価結果を表3に示した。
(実施例10〜12、比較例7及び8)クロワッサンの作製
表4の配合に従って、小麦粉100重量部に対して実施例10〜12、比較例7及び8の含糖ロールインマーガリンを50重量部用い、以下のようにしてクロワッサンを作製した。即ち、含糖ロールインマーガリンを除いた原料をミキサーにて低速3分間、中高速4分間ミキシングして捏ね上げ温度を25℃とした。室温で45分間生地を発酵させた後、生地を1℃で5時間冷却した。この生地に含糖ロールインマーガリンを3つ折りで2回折り込み、1℃で10時間冷却した後3つ折りで1回折り込み、リバースシーターの厚みを5mmに調整して生地を伸ばした。生地を成型後、35℃、湿度70%のホイロで60分間最終発酵し、200℃のオーブンで15分間焼成し、クロワッサンを得た。クロワッサン作製時の作業性、得られたクロワッサンの甘味、浮き、外観、クロワッサン中のトランス脂肪酸含量、クロワッサン中の糖含量について、表5にまとめた。
Figure 0006450081
Figure 0006450081
実施例10〜12のクロワッサンは、作業性、浮き、外観に問題はなく、甘味を強く感じた。一方、比較例7は甘味を強く感じることができず、比較例8は作業中不均一分散させた糖類がこぼれ落ち、作業性の悪化につながった。
(実施例13、比較例9〜11)クロワッサンの作製
表4の配合に従って、含糖ロールインマーガリンを実施例4、比較例3〜5で得られた物に変えた以外は、実施例11と同様にしてクロワッサンを得た。クロワッサン作製時の作業性、得られたクロワッサンの甘味、浮き、外観、クロワッサン中のトランス脂肪酸含量、クロワッサン中の糖含量について、表6にまとめた。
Figure 0006450081
実施例13のクロワッサンは、作業性、浮き、外観に問題はなく、甘味を強く感じた。一方、比較例9及び10は糖類が可塑性油中水型乳化油脂組成物中の水分を吸水し、生地が柔らかくなり、伸展時に生地が破れてしまい作業性が悪く、比較例11は伸展時に糖類と生地が強く擦れて生地が破れてしまい作業性の悪化につながった。
(実施例14〜18、比較例12)クロワッサンの作製
表4の配合に従って、含糖ロールインマーガリンを実施例5〜9で得られた物に変えた以外は、実施例10と同様にしてクロワッサンを得た。クロワッサン作製時の作業性、得られたクロワッサンの甘味、浮き、外観、クロワッサン中のトランス脂肪酸含量、クロワッサン中の糖含量について、表7にまとめた。実施例14〜18のクロワッサンは、作業性、浮き、外観に問題はなく、甘味を強く感じた。比較例12は、十分な甘味を感じなかったが、作業性は良く、浮きや外観は問題なかった。しかし、クロワッサン中のトランス脂肪酸含量が、2.5重量%であった。ただし、実施例16は参考例である。
Figure 0006450081
(実施例19及び20、比較例13及び14)クロワッサンの作製
表4の配合に従って、実施例8の含糖ロールインマーガリンの量を変えた以外は、実施例17と同様にしてクロワッサンを作製した。クロワッサン作製時の作業性、得られたクロワッサンの甘味、浮き、外観、クロワッサン中のトランス脂肪酸含量、クロワッサン中の糖含量について、表8にまとめた。実施例19及び20のクロワッサンは、作業性、浮き、外観に問題はなく、甘味を強く感じた。比較例13は生地に対する含糖ロールインマーガリンの割合が少ないため、クロワッサンの断面の気泡が不均一となり、比較例14は生地に対する含糖ロールインマーガリンの割合が多いため、生地をスムーズに伸展できずに作業性の悪化につながった。
Figure 0006450081

Claims (5)

  1. トランス脂肪酸含量が重量%未満である含糖ロールインマーガリンであって、可塑性油中水型乳化油脂組成物100重量部に対して、粒径が450〜3400μmの糖類15〜60重量部が不均一分散しており、前記可塑性油中水型乳化油脂組成物の水分活性が0.25〜0.88である、含糖ロールインマーガリン。
  2. 含糖ロールインマーガリン全体中、油脂を45〜86重量%含有する請求項1に記載の含糖ロールインマーガリン。
  3. 水分活性が0.25〜0.88である可塑性油中水型乳化油脂組成物100重量部に対して、粒径が450〜3400μmの糖類15〜60重量部を不均一分散させることを特徴とする、トランス脂肪酸含量が1重量%未満の含糖ロールインマーガリンの製造方法。
  4. 可塑性油中水型乳化油脂組成物100重量部に対して、粒径450〜3400μmの糖類を15〜60重量部裁置してから、該裁置面を平板で押圧することで、該糖類が可塑性油中水型乳化油脂組成物中に押し込まれることを特徴とする請求項に記載の含糖ロールインマーガリンの製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載の含糖ロールインマーガリンを、層状膨化食品全体中20〜40重量%になるように用いてなり、層状膨化食品全体中トランス酸含量が2重量%未満且つ糖含量が3〜25重量%の層状膨化食品。
JP2014074689A 2014-03-31 2014-03-31 含糖ロールインマーガリン Active JP6450081B2 (ja)

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