JP5887949B2 - ベルト移動装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

ベルト移動装置及びこれを用いた画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、ベルト移動装置及びこれを用いた画像形成装置に関する。
特許文献1には、二次転写ロールに対向するバックアップロールにフライホイールを設け、中間転写ベルトでの負荷変動による速度ムラの発生を抑える技術が開示されている。
特許文献2には、中間転写ベルトから記録材上にトナー像が転写される二次転写部位に設けられた二次転写ユニットにおいて、駆動ロールと剥離ロールに掛け渡された二次転写搬送ベルトの構成を採用すると共に、剥離ロールに軸方向に分割されたカラーを被せた構成を採ることで二次転写搬送ベルトの蛇行を抑える技術が開示されている。
特許文献3には、像担持体に形成されたトナー像を記録材に転写するための転写ベルトを張架する従動ロールとして、軸方向に分割されて互いに独立に回転する分割ロールを用いることで、転写ベルトの蛇行を抑える技術が開示されている。
特許文献4には、無端状ベルトを支持する従動ロールの少なくとも一つに、固定されたシャフトに軸受を介して独立回転自在なロール分割体を複数設け、ロール分割体の少なくとも一つが他のロール分割体とはベルトに対する張力が異なるものとすることで、無端状ベルトの蛇行を抑える技術が開示されている。
特開平10−293477号公報(実施形態1、図2) 特開2005−316249号公報(発明を実施するための最良の形態、図3) 特開2005−134805号公報(第2実施形態、図4) 特許第3509212号公報(実施例、図1)
本発明が解決しようとする課題は、複数の張架ロールに掛け渡されて循環移動する無端状のベルト部材に対し、その蛇行やしわの発生を抑えると共に突発的な負荷変動があってもベルト部材の速度変動を抑制して安定した移動を持続するベルト移動装置及びこれを用いた画像形成装置を提供する。
請求項1に係る発明は、循環移動が可能な無端状のベルト部材と、このベルト部材を移動可能に掛け渡す回転可能な複数の張架ロールと、を備え、前記張架ロールは、前記ベルト部材の移動に伴い追従して回転する一以上の従動ロールを含むと共に、この従動ロールの少なくとも一つを慣性量が増大する方向に付与させられた慣性付与ロールとしたものであり、前記慣性付与ロールは、回転可能な回転軸と、この回転軸と共に回転し且つ当該回転軸の慣性量を増大する方向に付与する回転慣性体と、前記回転軸の周面に沿って設けられるロール本体を有し、当該ロール本体が前記回転軸の軸方向に対して複数に分割されて配置される複数のロール分割体と、を備え、前記複数のロール分割体は、前記回転軸に対して固定され又は一体的に設けられ、前記ベルト部材に接触し且つ当該ベルト部材の移動に追従して前記回転軸と共に一体的に回転する固定分割体と、前記回転軸に対して回転可能に設けられ、前記ベルト部材に接触し且つ前記回転軸の回転とは独立に回転可能な回転分割体と、で構成されることを特徴とするベルト移動装置である。
請求項2に係る発明は、請求項1に係るベルト移動装置において、前記回転分割体は前記回転軸に対して予め決められた間隙を介して嵌められていることを特徴とするベルト移動装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係るベルト移動装置において、前記固定分割体は、前記回転軸に対して圧入固定されていることを特徴とするベルト移動装置である。
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に係るベルト移動装置において、前記固定分割体は、前記回転軸に対して接着固定されていることを特徴とするベルト移動装置である。
請求項5に係る発明は、請求項1又は2に係るベルト移動装置において、前記回転軸は、その一部に他の部分より外径の大きい大径部を有し、前記固定分割体は、前記回転軸の大径部で構成されていることを特徴とするベルト移動装置である。
請求項6に係る発明は、請求項1又は2に係るベルト移動装置において、前記固定分割体及び前記回転軸のうち一方に前記回転軸の径方向に対して突出する凸部を設け、他方には前記回転軸の径方向に対して窪んで前記凸部が嵌まる凹部を設け、前記回転軸に前記固定分割体を嵌め込むときに前記凹部と前記凸部とを嵌め合わせることで前記回転軸の回転方向に対して前記固定分割体を回り止め固定することを特徴とするベルト移動装置である。
請求項7に係る発明は、請求項6に係るベルト移動装置において、前記凹部及び前記凸部は、前記凹部に対して前記凸部が前記回転軸の回転方向における予め決められた間隙を介して嵌まるように構成されていることを特徴とするベルト移動装置である。
請求項8に係る発明は、請求項1乃至7のいずれかに係るベルト移動装置において、前記固定分割体の外径は、前記回転分割体の外径より大きく設定されていることを特徴とするベルト移動装置である。
請求項9に係る発明は、請求項1乃至8のいずれかに係るベルト移動装置において、前記回転分割体は、前記回転軸の軸方向に対し隣接する固定分割体若しくは回転分割体との間に予め決められた間隙を介して配置され、当該間隙内で移動可能であることを特徴とするベルト移動装置である。
請求項10に係る発明は、請求項1乃至9のいずれかに係るベルト移動装置において、前記回転分割体は、前記回転軸の軸方向に対し前記固定分割体を間に置いて回転軸の中央部両側に配置されていることを特徴とするベルト移動装置である。
請求項11に係る発明は、請求項1乃至9のいずれかに係るベルト移動装置において、前記固定分割体は、前記回転軸の軸方向に対し前記回転分割体を間に置いて回転軸の中央部両側に配置されていることを特徴とするベルト移動装置である。
請求項12に係る発明は、請求項10又は11に係るベルト移動装置において、前記固定分割体及び前記回転分割体は、前記回転軸の中央部に対し略対称的に配置されていることを特徴とするベルト移動装置である。
請求項13に係る発明は、請求項1乃至12のいずれかに係るベルト移動装置において、前記固定分割体は、その周面に前記ベルト部材に対する摩擦抵抗が増大する摩擦抵抗層を更に備えていることを特徴とするベルト移動装置である。
請求項14に係る発明は、トナー像を保持する像保持体と、この像保持体に保持されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、を備え、前記像保持体及び前記転写手段のうち少なくともいずれかは循環移動が可能な無端状のベルト部材を含み、このベルト部材を移動させるベルト移動装置として請求項1乃至13のいずれかに係るベルト移動装置を用いることを特徴とする画像形成装置である。
請求項15に係る発明は、請求項14に係る画像形成装置において、前記転写手段は、前記像保持体に対向して設けられ且つ像保持体上のトナー像を記録材に転写するロール状の転写部材と、この転写部材を含む複数の張架ロールに掛け渡されて循環移動し且つ像保持体と前記転写部材との間の転写部位から延びる直線経路に沿って記録材を搬送する無端状のベルト部材としての転写ベルトと、を備え、前記ベルト移動装置は、前記転写ベルトを移動させるものであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項16に係る発明は、請求項14に係る画像形成装置において、前記像保持体は、トナー像を形成して保持する像形成保持体と、この像形成保持体に対向して設けられ且つ像形成保持体上のトナー像を記録材への転写前に一時的に保持する無端状のベルト部材としての中間転写ベルトと、を有するものであり、前記ベルト移動装置は、前記中間転写ベルトを移動させるものであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項17に係る発明は、トナー像を保持する像保持体と、この像保持体に保持されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、前記像保持体と前記転写手段との対向部位に向かって記録材を搬送する記録材搬送手段と、を備え、前記記録材搬送手段は記録材を保持して搬送する無端状のベルト部材としての記録材搬送ベルトを含み、この記録材搬送ベルトを移動させるベルト移動装置として請求項1乃至13のいずれかに係るベルト移動装置を用いることを特徴とする画像形成装置である。
請求項1に係る発明によれば、複数の張架ロールに掛け渡されて循環移動する無端状のベルト部材に対し、その蛇行やしわを抑えると共に突発的な負荷変動があってもベルト部材の速度変動を抑制して安定した移動が持続されるベルト移動装置を提供できる。
請求項2に係る発明によれば、簡単な構成で回転軸と回転分割体との間のすべり抵抗を少なく抑えることができ、かつ、固定分割体との間に蛇行防止用の張力差を容易に確保することができる。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、固定分割体での安定した作用が確保される。
請求項4に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、固定分割体での安定した作用が確保される。
請求項5に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、部品点数を減らしながら固定分割体での安定した作用が確保される。
請求項6に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、回転軸に対する固定分割体の装着がし易くなると共に固定分割体での安定した作用も確保される。
請求項7に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、回転軸に対する装着がより一層容易になる。
請求項8に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、固定分割体での張力を一層大きくすることができる。
請求項9に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、ベルト部材でのしわの発生を一層抑えることができる。
請求項10に係る発明によれば、ベルト部材を移動させるに当たり、幅方向中央側に引っ張った状態で移動させることができ、蛇行を有効に防止できると共に、ベルト部材の周辺のしわの発生を抑えることができる。
請求項11に係る発明によれば、ベルト部材を移動させるに当たり、幅方向両側に引っ張った状態で移動させることができ、蛇行を有効に防止できると共に、ベルト部材の中央付近のしわの発生を抑えることができる。
請求項12に係る発明によれば、回転軸の中央部を境にベルト部材とロール分割体との接触状態を略同等にすることができ、ベルト部材の蛇行に対する戻し作用をいずれの蛇行方向に対しても略同等に働かせることができる。
請求項13に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、ベルト部材に対する固定分割体での張力を一層大きくすることができる。
請求項14に係る発明によれば、複数の張架ロールに掛け渡されて循環移動する無端状のベルト部材に対し、その蛇行やしわを抑えると共に突発的な負荷変動があってもベルト部材の速度変動を抑制して安定した移動が持続される画像形成装置を提供できる。
請求項15に係る発明によれば、トナー像を記録材に転写する転写手段に設けられた転写ベルトに対し、その蛇行やしわを抑えると共に突発的な負荷変動があっても転写ベルトの速度変動を抑制し安定した移動を持続する画像形成装置を提供できる。
請求項16に係る発明によれば、記録材への転写前にトナー像を一時的に保持する中間転写ベルトに対し、その蛇行やしわを抑えると共に突発的な負荷変動があっても中間転写ベルトの速度変動を抑制し安定した移動が持続される画像形成装置を提供できる。
請求項17に係る発明によれば、記録材を保持して搬送する記録材搬送ベルトに対し、その蛇行やしわを抑えると共に突発的な負荷変動があっても記録材搬送ベルトの速度変動を抑制し安定した移動を持続する画像形成装置を提供できる。
図1(a)は本発明を具現化する実施の形態モデルに係るベルト移動装置の概要を示す模式図であり、(b)は(a)の慣性付与ロールを示す模式図である。 (a)〜(c)は慣性付与ロールが適用された各種画像形成装置の概要を示す模式図である。 実施の形態1の画像形成装置の概要を示す模式図である。 実施の形態1の転写装置の斜視図である。 実施の形態1の慣性付与ロールの部分断面を示す模式図である。 (a)及び(b)は回転軸に対する自由カラーの取り付け構造を示す模式図である。 実施の形態1における慣性付与ロールの固定カラーの配置を示す説明図である。 (a)〜(c)は実施の形態1で転写ベルトが偏ったときの作用を示す説明図である。 (a)は転写ベルトにしわが発生した状態を示す模式図、(b)はしわが伸ばされた状態を示す模式図、(c)はそのときの各部材に作用する力を示す説明図である。 (a)及び(b)は比較の形態として従来の従動ロールを用いたときの各種作用を示す説明図である。 (a)〜(c)はフライホイールの各種形状を示す模式図である。 (a)〜(c)は変形例1での代表的態様の固定カラー及び自由カラーの構成を示す模式図である。 (a)は変形例2の一態様での固定カラーと回転軸との関係を示す模式図であり、(b)は他の態様での固定カラーと回転軸との関係を示す模式図である。 図13(a)の一例を示す斜視図である。 実施の形態2の慣性付与ロールにおける固定カラーの配置を示す説明図である。 (a)〜(c)は実施の形態2で転写ベルトが偏ったときの作用を示す説明図である。 本実施の形態の変形例としての慣性付与ロールにおける固定カラーの配置を示す説明図である。 (a)は実施の形態3の慣性付与ロールにおける固定カラーの配置を示す説明図、(b)及び(c)は実施の形態3での転写ベルトに対する作用を示す説明図である。 実施の形態4の画像形成装置の概要を示す模式図である。 実施の形態5の画像形成装置の概要を示す模式図である。 (a)は実施の形態6の画像形成装置の概要を示す模式図であり、(b)は(a)の変形例を示す。 実施例の結果を示す図である。
◎実施の形態の概要
図1(a)は本発明を具現化する実施の形態モデルに係る一態様としてのベルト移動装置1の概要を示す模式図、(b)は慣性付与ロールの概要を示す断面模式図である。
図1(a)及び(b)に示すように、ベルト移動装置1は、循環移動が可能な無端状のベルト部材2と、このベルト部材2を移動可能に掛け渡す回転可能な複数の張架ロール3と、を備え、張架ロール3は、ベルト部材2の移動に伴い追従して回転する一以上の従動ロールを含むと共に、この従動ロールの少なくとも一つを慣性量が増大する方向に付与させられた慣性付与ロール4としたものであり、慣性付与ロール4は、回転可能な回転軸5と、この回転軸5と共に回転し且つ回転軸5の慣性量を増大する方向に付与する回転慣性体6と、回転軸5の周面に沿って設けられるロール本体を有し、当該ロール本体が回転軸5の軸方向に対して複数に分割されて配置される複数のロール分割体7と、を備え、複数のロール分割体7は、回転軸5に対して固定され又は一体的に設けられ、ベルト部材2に接触し且つベルト部材2の移動に追従して回転軸5と共に一体的に回転する固定分割体8と、回転軸5に対して回転可能に設けられ、ベルト部材2に接触し且つ回転軸5の回転とは独立に回転可能な回転分割体9と、で構成されている。
ここで、ベルト部材2としては特に限定されず、例えば転写ベルト(二次転写ベルト)、中間転写ベルト、記録材搬送ベルト等が挙げられる。また、その材質も特に限定されず、合成ゴムを使用したゴムベルトの態様、合成樹脂を使用した樹脂ベルトの態様等が挙げられる。更に、慣性付与ロール4の数量は一つに限られず、複数設けるようにしても差し支えない。
また、回転慣性体6の代表的態様としては、フライホイールが挙げられるが、その形状は特に限定されず、円板状、外周に凹凸を有する形状等であってもよい。更に、回転慣性体6としては、粘性流体等を一部に適用した構成であっても慣性付与ロール4として回転慣性力が有効に作用する構成であればよい。そして、回転慣性体6は、回転軸5に直接取り付けられてもよいし、例えばギア等を介して回転軸5に取り付けられてもよく、要は回転軸5と共に回転することが前提である。
また、ロール分割体7の分割数は複数であれば特に限定されず、固定分割体8と回転分割体9とで構成されていればよい。
そして、固定分割体8は、回転軸5と共に一体的に回転するものであればよく、回転慣性体6の慣性力が回転軸5を介して固定分割体8に伝達できるようになっていればよい。また、固定分割体8の設置位置は特に限定されず、ベルト部材2での蛇行やしわが抑えられる位置であればよい。一方、回転分割体9は、回転軸5の回転とは独立に回転できるものであればよく、例えば回転軸5に対して軸受を介して取り付けられるようにしても差し支えない。
このような慣性付与ロール4を用いることにより、慣性付与ロール4とベルト部材2との間では、固定分割体8がベルト部材2に接する部位と、回転分割体9がベルト部材2に接する部位とで、ベルト部材2に作用する張力の大きさが互いに異なる。つまり、固定分割体8の部位では張力が大きく、回転分割体9の部位では張力が小さくなり、その結果、ベルト部材2には勢い固定分割体8側へ引っ張られる力が作用する。
これにより、ベルト部材2を固定分割体8の方へ向かわせる効果が発揮され、ベルト部材2での蛇行が抑えられる。また、ベルト部材2にしわが発生したことを想定すると、回転分割体9が回転軸5に対して独立に回転するために、しわは回転分割体9にて分散されるようになり、しわの発生が低減する。更に、ベルト部材2に負荷変動があった場合を想定すると、回転慣性体6による慣性力が回転軸5から固定分割体8を介してベルト部材2に伝達されるため、ベルト部材2での速度変動は抑えられるようになる。
そして、回転分割体9の構成をより簡略化するには、回転分割体9は回転軸5に対して予め決められた間隙を介して嵌められる用に構成されていることが好ましい。これにより、回転軸5と回転分割体9との間のすべり抵抗が小さくなる。また、回転分割体9でのベルト部材2に対する張力を固定分割体8での張力より小さくする観点から、回転分割体9の外径は固定分割体8の外径以下に設定されていることが好ましい。
そして、このように慣性付与ロール4の慣性力をベルト部材2に効果的に伝達する観点からすれば、固定分割体8は、回転軸5回転軸に対して圧入固定されることが好ましい。また、固定分割体8は、回転軸5に対して接着固定されてもよい。更に、回転軸5は、その一部に他の部分より外径の大きい大径部を有し、固定分割体8は、回転軸5の大径部で構成されてもよい。ただし、このように回転軸5の一部で固定分割体8を構成する場合には、固定分割体8を複数箇所に離れて配置することは困難となり、配置場所を考慮する必要がある。
更にまた、固定分割体8及び回転軸5のうち一方に回転軸5の径方向に対して突出する凸部を設け、他方には回転軸5の径方向に対して窪んで前記凸部が嵌まる凹部を設け、回転軸5に固定分割体8を嵌め込むときに前記凹部と前記凸部とを嵌め合わせることで回転軸5の回転方向に対して固定分割体8を周り止め固定するようにしてもよい。この場合、回転軸5に対する固定分割体8の装着をよりし易くする観点から、前記凹部及び前記凸部は、前記凹部に対して前記凸部が回転軸5の回転方向における予め決められた間隙を介して嵌まるように構成されていることが好ましい。このとき、嵌め合いの箇所は限定されず、軸方向全体がそのような嵌め合いの形となっていてもよいし、一部であってもよい。
このような例としては、回転軸5に凸部、固定分割体8に凹部を備える態様、回転軸5に凹部、固定分割体8に凸部を備える態様、両者が共に凹部及び凸部を備える態様が挙げられる。そして、凹部と凸部の間で回転方向に対する間隙を設けることで、回転軸5に対する固定分割体8の装着が容易になる。尚、回転軸5と固定分割体8との間に回転方向に対する間隙があっても、回転軸5と固定分割体8との間では一体的な回転が確保されていることは言うまでもない。
更に、固定分割体8とベルト部材2との間に作用する張力を、回転分割体9とベルト部材2との間に作用する張力より、一層大きくする観点から、固定分割体8の外径は、回転分割体9の外径より大きく設定するようにしてもよい。この場合、固定分割体8と回転分割体9との間に段差があってもよいが、ベルト部材2の形状を安定化させる観点から段差は両者間での張力差が確保される状態で小さい方が好ましい。
更に、回転分割体9の回転をより自由にし、ベルト部材2のしわを抑える観点から、回転分割体9は、回転軸5の軸方向に対し隣接する固定分割体8若しくは回転分割体9との間に予め決められた間隙を介して配置され、この間隙内で移動可能であることが好ましい。このような間隙を、回転分割体9同士の間や回転分割体9と固定分割体8との間に設けることで、回転分割体9の軸方向での移動が許容され、ベルト部材2にしわが発生した際に、ベルト部材2の内力(ベルト部材2自体が有する力)によってしわが伸ばされる方向に作用し易くなる。
そして、ベルト部材2での蛇行を抑える観点から、回転分割体9は、回転軸5の軸方向に対し固定分割体8を間に置いて回転軸5の中央部両側に配置されることが好ましい。このような配置によれば、ベルト部材2の移動方向に交差する幅方向中央部付近の張力が周辺よりも大きく設定される。そのため、ベルト部材2は幅方向中央側に引っ張られた状態で移動するようになり、蛇行やしわの発生が抑えられる。
あるいは、次のようにしてもよい。すなわち、固定分割体8は、回転軸5の軸方向に対し回転分割体9を間に置いて回転軸5の中央部両側に配置されるようにしてもよい。この場合、ベルト部材2の移動方向に交差する幅方向中央部付近の張力が周辺よりも小さく設定される。そのため、ベルト部材2は幅方向両側に引っ張られた状態で移動するようになり、蛇行やしわの発生が抑えられる。
更に、ベルト部材2での蛇行を効果的に抑える観点から、固定分割体8及び回転分割体9は、回転軸5の中央部に対し略対称的に配置されていることが好ましい。この場合、回転軸5の中央部を境にベルト部材2とロール分割体7との接触状態が略同等になる。
また、固定分割体8とベルト部材2との間に回転慣性体6の慣性力が一層有効に伝達される観点から、固定分割体8は、その周面にベルト部材2に対する摩擦抵抗が増大する摩擦抵抗層を更に備えるようにしてもよい。このような摩擦抵抗層としては、固定分割体8の表面を粗面化してもよいし、例えばベルト部材2に対して摩擦帯電列の差が大きい材料を塗布したり、粘着性のあるシリコーン樹脂を塗布するようにしてもよい。
そして、このようなベルト移動装置1を画像形成装置に適用するには、次のようにすればよい。すなわち、トナー像を保持する像保持体と、この像保持体に保持されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、を備え、像保持体及び転写手段のうち少なくともいずれかは循環移動が可能な無端状のベルト部材2を含み、このベルト部材2を移動させるベルト移動装置1として上述のベルト移動装置1を用いるようにすればよい。つまり、ベルト移動装置1を像保持体側及び転写手段側のいずれか一方側にのみ設けるようにしてもよいし、両側に設けるようにしてもよい。
このような画像形成装置の代表的態様としては、図2に示すものが挙げられる。
図2(a)は、第一態様を示すもので、転写手段14が、像保持体10に対向して設けられ且つ像保持体10上のトナー像を記録材12に転写するロール状の転写部材15と、この転写部材15を含む複数の張架ロール3に掛け渡されて循環移動し且つ像保持体10と転写部材15との間の転写部位から延びる直線経路に沿って記録材12を搬送する無端状のベルト部材2としての転写ベルト16と、を備え、ベルト移動装置1が、転写ベルト16を移動させるものである態様である。
この態様における像保持体10としては、トナー像を形成して保持する感光体の態様や、感光体と、感光体からのトナー像を記録材12への転写前に一時的に保持する中間転写体(中間転写ベルト等)とを含む態様が挙げられる。そのため、転写ベルト16としては、中間転写体上に一次転写されたトナー像を記録材12上に転写する二次転写部位に用いられる。尚、転写ベルト16の配設形状については、二次転写部位に対し記録材12の搬送方向下流側に延びる部分を有する態様や、二次転写部位に対し記録材12の搬送方向上流側に延びる部分を有する態様や、あるいは、二次転写部位に対し記録材12の搬送方向上流側及び下流側の両方に延びる部分を有する態様のいずれでも差し支えない。また、この態様においては、転写部材15を慣性付与ロール4とするものではない。
また、画像形成装置の第二態様としては、図2(b)に示すように、像保持体10が、トナー像を形成して保持する像形成保持体11と、この像形成保持体11に対向して設けられ且つ像形成保持体11上のトナー像を記録材12への転写前に一時的に保持するベルト部材2としての中間転写ベルト13と、を有するものであり、ベルト移動装置1は、中間転写ベルト13を移動させるものである態様である。このような像形成保持体11の代表的態様としては、感光体が挙げられる。
更に、画像形成装置の第三態様としては、図2(c)に示すように、トナー像を保持する像保持体10と、この像保持体10上に保持されたトナー像を記録材12上に転写する転写手段14と、像保持体10と転写手段14との対向部位に向かって記録材12を搬送する記録材搬送手段と、を備え、記録材搬送手段は記録材12を保持して搬送する無端状のベルト部材2としての記録材搬送ベルト17を含み、この記録材搬送ベルト17を移動させるベルト移動装置1として上述のベルト移動装置1を用いる態様である。
次に、図面に示す実施の形態に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
◎実施の形態1
図3は、一例として本発明のベルト移動装置が適用された実施の形態1の画像形成装置の概要を示す模式図である。
<画像形成装置の全体構成>
同図において、本実施の形態の画像形成装置は、例えば電子写真方式を用いた画像形成装置であり、トナー像を形成して保持する像形成保持体として直線状に並べられた四つの作像装置20(20a〜20d)と、これらの作像装置20に対向して設けられ、作像装置20のトナー像を記録材Pへの転写前に一時的に保持する中間転写ベルト30と、中間転写ベルト30上に一時的に保持されたトナー像を記録材P上に転写する転写手段としての転写装置50とを備えている。
作像装置20(20a〜20d)は、図中矢印Aで示す中間転写ベルト30の移動方向に沿って、例えばイエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色の夫々のトナーを用いて作像するものである。尚、各色の色や配列はこれに限られず、適宜選定すればよい。
作像装置20(20a〜20d)は、使用するトナーの他は略同様の構成のため、ここでは、最上流側に配置された作像装置20a(20)を代表例として説明する。
作像装置20は、表面に感光層を有し矢印B方向に回転する感光体21と、感光体21の感光層に予め決められた帯電電位を持たせるための帯電器22、帯電された感光体21に潜像を形成する露光器23、感光体21上に形成された潜像を顕像化するためにトナーにて現像する現像器24、現像された感光体21上のトナー像を中間転写ベルト30上に転写する一次転写器25、転写後の感光体21上の残留トナーを清掃する清掃器26等を備えている。
ここで、帯電器22としてはコロナ帯電器のタイプを示しているが、例えば感光体21に接触するロール状の帯電器であっても差し支えない。また、露光器23としては、感光体21上に潜像が形成されるものであればよく、レーザ走査型のものであってもよいし、LEDをライン状に並べたLEDアレイ型のものであってもよい。更に、一次転写器25としては中間転写ベルト30の裏面側に接触するロール状のものであってもよいし、中間転写ベルト30から離間して配置されるコロナ帯電器であってもよい。更にまた、清掃器26の清掃に用いる部材は、ブレード、ブラシ等適宜選定すればよい。そして、感光体21の周囲には、例えば除電を施す除電器等を更に設けるようにしても差し支えない。
中間転写ベルト30は、複数の張架ロール31〜34に掛け渡されて回転するもので、例えばポリイミド樹脂にカーボンブラック等の導電性フィラーを含有させ、予め決められた体積抵抗率に調整したものとなっている。そして、このような中間転写ベルト30が掛け渡されている張架ロール31〜34のうち、中間転写ベルト30の回転方向にて最上流側の作像装置20aより上流側には、中間転写ベルト30を回転させるための駆動ロール31が設けられ、図示外のモータからの回転力が駆動ロール31に伝達されることで、中間転写ベルト30を回転させるようになっている。また、最下流側の作像装置20dより中間転写ベルト30の回転方向における下流側には、回転する中間転写ベルト30の張力を安定に保つための張力付与ロール33が設けられ、例えばばね等の付勢手段によって中間転写ベルト30を表面側に張り出させ、中間転写ベルト30に対する安定した張力が与えられるようになっている。尚、図中符号35は、中間転写ベルト30上を清掃するベルト清掃器35である。
また、張架ロール34と中間転写ベルト30を挟んで対向する位置には、転写装置(二次転写装置)50が設けられ、図示外の記録材供給部から供給された記録材Pに対して、二次転写部位で中間転写ベルト30上のトナー像を記録材P上に一括転写(二次転写)するようになる。本実施の形態の転写装置50は、張架ロール34をバックアップロールとし、このバックアップロール34と中間転写ベルト30を挟んで対向する位置に設けられた、転写部材としての転写ロール51、この転写ロール51と転写ロール51より小径な構成の張架ロール(従動ロール)52、転写ロール51と従動ロール52との間に掛け渡されて回転する転写ベルト53等、で構成されている。
転写ロール51は、表面に予め決められた体積抵抗率に調整されたゴム層を有し、同じく体積抵抗率が調整されたゴム層を有するバックアップロール34との間に転写電界を作用させることで、中間転写ベルト30上のトナー像が記録材P上に転写される。また、転写ベルト53は、例えば予め決められた体積抵抗率を有するゴム製のシート部材で構成されている。このような転写ベルト53を用いることで、中間転写ベルト30の回転によって転写ベルト53が追従して回転するようになっている。尚、転写ベルト53としては、ゴム製ベルトに限らず、例えばポリイミド樹脂製等の樹脂ベルトであってもよい。
また、本実施の形態の画像形成装置での記録材Pの搬送系は次のようになっている。図示外の記録材供給部から搬送された記録材Pは、転写ロール51と張架ロール34とが対向する二次転写部位に達する前にレジストレーションロール(レジストロール)41によって一旦位置決めされた後、予め決められたタイミングで二次転写部位に向かって搬送される。二次転写部位にて、中間転写ベルト30上のトナー像が転写された記録材Pは、転写ベルト53の回転に伴って転写ベルト53上を進み、搬送ベルト42を経由して、例えば加熱ロールと加圧ロールとで構成される定着装置43を通った後、排出ロール44によって装置外へ排出される。
図4は、本実施の形態の転写装置50の斜視図を示しており、転写ベルト53の内側にこの転写ベルト53が掛け渡される張架ロールとして、転写ロール51及び従動ロール52を有する構成となっている。そして、この従動ロール52が、本実施の形態での慣性量が増大する方向に付与させられた慣性付与ロール100として構成されている。
<慣性付与ロールの構成>
慣性付与ロール100は、回転可能な回転軸101と、この回転軸101と共に回転し且つ回転軸101の慣性量を増大する方向に付与する回転慣性体(フライホイール)102と、回転軸101の周面に沿って設けられるロール本体を有し、当該ロール本体が回転軸101の軸方向に対して複数に分割されて配置される複数のロール分割体と、を備え、複数のロール分割体は、回転軸101に対して固定的に設けられ、転写ベルト53に接触し且つ転写ベルト53の移動に追従して回転軸101と共に一体的に回転する固定分割体としての固定カラー103と、回転軸101に対して回転可能に設けられ、転写ベルト53に接触し且つ回転軸101の回転とは独立に回転可能な回転分割体としての自由カラー104と、で構成されている。
本実施の形態では、例えばロール分割体は12個に分割されたもので、固定カラー103は回転軸101の中央に2個、この中央の固定カラー103の周囲にある残りの10個が自由カラー104となっている。そのため、これらの固定カラー103及び自由カラー104は回転軸101の軸方向に対して対称的に配置されている。また、図5は本実施の形態における慣性付与ロール100の部分断面を示すもので、固定カラー103及び自由カラー104が図のように配置されている。
本実施の形態の回転軸101は、例えばステンレス合金製のもので構成され、端部側から、外径の小さい小径部101A、中径部101B、大径部101C、大径部101Cより少し外径の大きい固定カラー部101Dと徐々に外径が大きくなっている。このような回転軸101に対して、固定カラー部101Dには固定カラー103が圧入固定され、大径部101Cには自由カラー104が装着されている。更に、小径部101Aには例えばステンレス合金製のフライホイール102が装着され、回転軸101に対してフライホイール102が固定されるように、キャップ105によって共締めされている。尚、フライホイール102と回転軸101との固定は、従来の公知の方式を採用すればよい。
固定カラー103は、例えばPOM等の樹脂製パイプ状のもので構成され、回転軸101の固定カラー部101Dの外径より少し小さい内径を有し、固定カラー103を回転軸101に対して軸方向に挿入することで回転軸101の固定カラー部101Dに圧入固定される。また、本実施の形態では、固定カラー103の周面に対し、摩擦抵抗層としての例えば粗面化処理が行われており、転写ベルト53との摩擦力が一層大きくなるように構成されている。尚、図中符号106は固定カラー103が圧入固定された圧入部を示している。
一方、自由カラー104は、例えばPOM等の樹脂製のパイプ状のもので構成され、固定カラー103の外径と略同様の外径を有し、その内径は、回転軸101の大径部101Cとの間に微小間隙が形成されるように、大径部101Cの外径より少し大きく設定されている。本実施の形態では、自由カラー104としてPOM等の樹脂を用いることで、自由カラー104と回転軸101とのすべり性が良好になり、その分、自由カラー104の回転軸101に対する独立した回転が良好になされる。そして、自由カラー104と転写ベルト53との間の摩擦力を低下するため、自由カラー104の周面に、転写ベルト53との摩擦抵抗が自由カラー104の素材より小さい樹脂層からなる潤滑層として、例えばフッ素樹脂系の層(図示せず)を形成してもよい。
このような自由カラー104を回転軸101(具体的には大径部101C)に装着する一例としては、図6(a)の構成が挙げられる。同図に示すように、自由カラー104と自由カラー104との間のα部には、1枚のEリング111と、このEリング111の両側に自由カラー104との間で潤滑性のよい材料からなる2枚のスペーサ112を設け、自由カラー104の軸方向への移動をEリング111で規制するようにしている。ここで、自由カラー104は軸方向にも移動できるように、自由カラー104相互間、自由カラー104と固定カラー103との間に共に微小間隙が形成されるようになっている。したがって、自由カラー104は回転軸101の径方向及び軸方向の双方に微小間隙を有し、回転軸101に対する独立した回転がなされるようになっている。このような微小間隙としては、実験等によって確認を行い、適度な間隙が形成されるように各種寸法を適宜選定すればよい。
また、自由カラー104の回転軸101への装着は、図6(b)のようにしてもよい。自由カラー104と自由カラー104との間の一部では、図中β部に示すように、スペーサ112のみを介して行うようにしてもよい。尚、例えば自由カラー104として、金属とのすべり性が良好なPOM等を使用する場合は、スペーサ112を用いずに、Eリング111のみを回転軸101に装着するようにしてもよい。また、回転軸101の軸方向に連続して配置された複数の自由カラー104のうち、両端に位置する自由カラー104の外側にのみEリング111を設け、複数の自由カラー104間の間隙の合計が予め決められた値になるようにしてもよい。
<画像形成装置の動作>
次に、本実施の形態の画像形成装置での動作について説明する。図3に示すように、中間転写ベルト30の回転に合わせて、各作像装置20(20a〜20d)では、各色に応じたトナー像が夫々の感光体21上に形成される。夫々の感光体21上に形成されたトナー像は、夫々の一次転写器25によって順次中間転写ベルト30上に一次転写され、中間転写ベルト30上で多重化される。中間転写ベルト30上で多重化されたトナー像は、転写装置50によって記録材P上に一括転写される。トナー像が転写された記録材Pは、二次転写時の転写電界の作用によって、中間転写ベルト30側に貼り付くことなく、転写ベルト53側に吸着しながら搬送される。従動ロール52の部位にて転写ベルト53から剥離された記録材Pは、搬送ベルト42を経由して定着器43に搬送され、定着器43による定着がなされた記録材Pは排出ロール44によって装置外に排出される。
<中間転写ベルトでの一般的挙動について>
本実施の形態における慣性付与ロール100による作用について説明する前に、中間転写ベルトでの一般的な挙動について説明する。
一般に、例えば複数の張架ロールに張架された無端状のベルト部材を用いる画像形成装置にあって、特に、中間転写ベルト上で複数のトナー像を多重化する、所謂タンデム方式のカラー画像形成装置では、中間転写ベルトを安定した速度で走行させることが重要である。このような画像形成装置では、中間転写ベルトから記録材への多重化トナー像の転写時(二次転写時)に、記録材の二次転写部位への突入による負荷変動が生じる。このような負荷変動によって中間転写ベルトが速度変動を来すと、例えば中間転写ベルトへのトナー像の転写時(一次転写時)に画像ずれ等の画質欠陥を引き起こす虞がある。
このような中間転写ベルト等の無端状のベルト部材の速度変動を抑えるには、張架ロールにフライホイールを取り付けることが知られている。フライホイールは、慣性力によるモーメントでベルト部材の速度変動を抑えるもので、同じベルト速度であれば、フライホイールを取り付ける張架ロールの外径が小さくなるほど回転加速度が大きくなり、慣性力の効果がより一層発揮される。しかし、フライホイールは、小さい質量で大きな慣性モーメントを得るため、外径の大きな円盤形状が適用される。そのため、フライホイールの大きさを考慮した設置スペースや、フライホイールを取り付ける張架ロールの外径等に配慮する必要がある。更には、通常、フライホイールは、その質量を大きくするために金属製のものが適用されることから、例えば転写電界等の高電界が作用する部位に近接させて配置することは困難となるなどの点についても配慮する必要がある。
一方、ベルト部材を安定して走行させるには、ベルト部材での蛇行やしわの発生を抑えることも必要となる。蛇行やしわが発生したベルト部材をそのまま走行させ続けると、安定した走行が維持され難くなり、結果的に画質欠陥を引き起こすようにもなる。したがって、無端状のベルト部材を安定して走行させるには、蛇行やしわの発生を抑えながら、突発的な負荷変動に際しても速度変動を抑えた走行を実現することが必要となる。
次に、本実施の形態における慣性付与ロール100での作用を説明する前に、比較の形態として、従来の従動ロール200(固定カラーや自由カラーを備えない態様)に対するベルト部材300の作用について、図10を基に説明する。このような従動ロール200にフライホイールを設けると、フライホイールの慣性力は従動ロール200からベルト部材300に伝達される。しかしながら、ベルト部材300での蛇行やしわの発生に対しては本実施の形態と大きく異なる。
図10(a)は比較の形態におけるベルト部材300の蛇行について示したもので、従動ロール200が斜めになった状態となっている。このとき、左図に示すように、ベルト部材300には、従動ロール200に巻かれる方向と、従動ロール200の回転方向Dとの角度差によって、ベルト部材300には従動ロール200との摩擦力を介して図中左側に向かう力Fが発生する。また、ベルト部材300には内力の回転モーメント(ベルト部材300の移動を阻止する方向に力F)が作用する。しかしながら、F>Fのために、ベルト部材300は、右図に示すように蛇行する。
更に、図10(b)は比較の形態におけるベルト部材300のしわについて示したもので、左図ではベルト部材300にしわ300aが発生した状態となっている。このとき、ベルト部材300と従動ロール200との摩擦力Fがベルトの内力Fより大きいため(F>F)、ベルト部材300が伸びる方向の力が阻害され、ベルト部材300のしわ300aは右図に示すように、そのまま維持されるようになる。
このような蛇行やしわは、例えば従動ロールとして、本実施の形態の自由カラーに相当する部材を固定軸の周囲に備えた態様を採用することで、改善されるようになるが、このような従動ロールを用いると、この従動ロールにはフライホイールを取り付けることができず、突発的な負荷変動に対しては何らの対応もできない。
<慣性付与ロールによる作用>
このような点を鑑み、本実施の形態では転写ベルト53が掛け渡されている従動ロール52を慣性付与ロール100としている。このような慣性付与ロール100での作用は次のように想定される。
−慣性力について−
先ず、慣性力について説明する。例えば図4に示すように、本実施の形態のフライホイール102は、転写ロール51側ではなく、転写ロール51より外径の小さい従動ロール52側に設けているため、その慣性力は同じフライホイール102を転写ロール51側に設ける場合に比べて大きくなっている。また、固定カラー103によって、この固定カラー103と転写ベルト53との間の摩擦力は十分確保されているため、フライホイール102の慣性力は固定カラー103を介して有効に転写ベルト53に伝達される。
−蛇行について−
次に蛇行について説明する。図7は本実施の形態の慣性付与ロール100と転写ベルト53との関係を示す模式図であり、ロール分割体のうち中央の二個が固定カラー103、その他が自由カラー104となっている。このように固定カラー103及び自由カラー104を配置すると、固定カラー103は、回転軸101と共に回転する一方、自由カラー104は回転軸101の回転とは独立して自由に回転する。
このとき、転写ベルト53には、固定カラー103による張力Tと自由カラー104による張力Tが作用するが、固定カラー103による張力Tの方が自由カラー104による張力Tより十分大きくなっている(T>T)。特に、本実施の形態では、自由カラー104が回転軸101との間に微小間隙を有しているため、転写ベルト53に対する実質的な外径は固定カラー103に比べて微小間隙分だけ小さく、更に、固定カラー103が摩擦抵抗層を備えることで、張力の差がより一層大きくなっている。
このような転写ベルト53に対し、今、図8(a)のように、転写ベルト53が図中左側に偏った状態が生じた場合を想定する。ここで、固定カラー103に比べて、自由カラー104は、回転軸101との微小間隙分だけ実質的な外径が小さいため、固定カラー103の部位での転写ベルト53の回転速度vは自由カラー104の部位での回転速度vより大きくなる(v>v)。そのため、固定カラー103の部位では自由カラー104の部位より転写ベルト53が伸ばされるようになり、転写ベルト53の張力は図中右半分の張力Tが左半分方の張力Tより大きくなる(T>T)。その結果、転写ベルト53にはねじれのモーメントによる力Fが作用し、転写ベルト53は図8(b)のように微小角度θで斜めになる。
このような微小角度θが形成されると、転写ベルト53には、慣性付与ロール100に巻かれる方向と、慣性付与ロール100の回転方向とに差が発生し、慣性付与ロール100との摩擦力(主として固定カラー103との摩擦力)を介して図中右側に移動する力Fが作用するようになり、転写ベルト53は徐々に右側に移動する。そして、(c)に示すように、転写ベルト53の幅方向の略中央部に固定カラー103が位置するようになると、転写ベルト53の移動は終了する。
ここでは、フライホイール102の慣性力が転写ベルト53に有効に伝達されるように、固定カラー103に摩擦抵抗層として粗面化処理をしたものとしたが、固定カラー103の外径を自由カラー104の外径より大きくしても同様の作用を奏する。
−しわについて−
図9(a)は転写ベルト53にしわ53aが発生した状態を示す模式図、(b)はしわ53aが伸ばされる状態を示す模式図、(c)はそのときの各部材間に作用する力を示している。
今、仮に、転写ベルト53に対して、自由カラー104間に(a)に示すようなしわ53aを残した状態を維持させようとすると、転写ベルト53の変形によるベルトの内力Fに勝る摩擦力(転写ベルト53をその位置に留めようとする力)が必要となる。本実施の形態の自由カラー104は、回転軸101に対して径方向での微小間隙及び軸方向での微小間隙Gを備えているため、自由カラー104と回転軸101との間の摩擦力Fは非常に小さくなる(F≫F)。また、転写ベルト53と自由カラー104との接触面での摩擦力F(F>F)が大きくても、(b)に示すように、軸方向での微小間隙Gが広がる(G→G’に拡大する)ことから、転写ベルト53をその位置に留めようとする摩擦力は作用せず、転写ベルト53の内力Fによってしわは伸ばされる方向に進む。
ここで、自由カラー104が回転軸101の軸方向に微小間隙Gを持たない構成(例えば自由カラー104が軸方向に長い態様や、自由カラー104が軸受を介して回転軸101に支持される態様など)としてもよく、この場合、自由カラー104と転写ベルト53との間の摩擦力Fが小さくなっていれば、転写ベルト53が自由カラー104の表面をすべることでしわが伸ばされることは言うまでもない。また、仮に、固定カラー103に接触する部位にてしわが発生した状態を想定しても、転写ベルト53の回転によってしわは自由カラー104側へと伝達され、徐々に伸ばされるようになる。更に、自由カラー104と転写ベルト53との間の摩擦力Fを一層小さくするために、自由カラー104の周面に潤滑層を設けるようにすれば、しわもより一層伸ばされるようになる。
以上のように、本実施の形態では、慣性付与ロール100として、フライホイール102の他に、固定カラー103と自由カラー104とを併せて備えることで、転写ベルト53での蛇行やしわの発生を抑えながら、フライホイール102の慣性力が転写ベルト53に有効に伝達される。更に、慣性付与ロール100を転写ロール51とは異なる部位に設けたので、その外径も転写ロール51より小さく、転写ベルト53の回転に伴う慣性付与ロール100の角速度も大きくなり、フライホイール102による慣性力も大きくなる。更に、転写ロール51にフライホイール102を取り付ける場合に比べて、転写電界の影響も考慮しなくて済む。
本実施の形態では、例えば二次転写部位に記録材Pが突入したとき、中間転写ベルト30に対する負荷変動が生じるが、この負荷変動は転写ベルト53側にも生じる。しかしながら、本実施の形態では転写ベルト53側に慣性付与ロール100を設けたので、負荷変動によって転写ベルト53の速度変動が生じようとしても抑えられる。その結果、このような転写ベルト53での速度変動が抑えられることで、中間転写ベルト30での速度変動も抑えられる。
更に、転写ベルト53での蛇行やしわの発生が抑えられる結果、中間転写ベルト30の走行も一層安定したものとなる。
固定カラー103と自由カラー104の数量はこれに限られず、転写ベルト53との関係を実験等で確認し、適宜選定すればよい。また、固定カラー103と自由カラー104の軸方向長さも適宜選定すればよい。
本実施の形態では、固定カラー103及び自由カラー104を樹脂製のものとしたが、固定カラー103を金属製、自由カラー104を樹脂製としてもよいし、共に金属製のものとしてもよい。また、固定カラー103と回転軸101との間に径方向の凸部や凹部を設け、これを位置決めにして圧入固定してもよい。更に、本実施の形態では、固定カラー103として自由カラー104と同じ形状のものを利用可能にするために、図5に示すように、回転軸101の固定カラー部101Dを自由カラー104が装着される大径部101Cより太くしたが、固定カラー103の内径を変更して、固定カラー部101Dを大径部101Cと同じ径にするようにしてもよい。
そして、本実施の形態では、図3に示す画像形成装置、つまり、四つの作像装置20を有する構成を示したが、画像形成装置としてはこれに限られず、作像装置20の数量は幾つであっても差し支えない。また、中間転写ベルト30を用いる構成であれば、一つの作像装置20で複数色のトナー像を形成する構成の画像形成装置であってもよい。
また、本実施の形態の転写装置50では、転写ロール51に駆動系を設けない態様を示したが、転写ロール51に例えばトルクリミッタを介して駆動モータを取り付け、転写ロール51を駆動するようにしてもよい。この場合、二次転写部位での記録材Pの搬送安定性が一層高まるようになる。
更に、本実施の形態では、転写ベルト53を張架する従動ロール52に慣性付与ロール100を用い、転写ベルト53での蛇行やしわの発生を抑えると共に、転写ベルト53での速度変動を抑えることで、中間転写ベルト30の速度変動を抑える態様を示したが、このような慣性付与ロール100を用いることで、循環移動可能な無端状のベルト部材自体の蛇行やしわの発生を抑えると共に、このベルト部材自体の速度変動を抑える用途に適用可能であることは言うまでもない。
また、フライホイール102の形状は特に限定されず、安定した回転がなされるものであればよく、例えば図11(a)〜(c)に示す形状であっても差し支えない。図11(a)は円板状のフライホイール102、(b)は円板の外周に歯状の突起102Aを持ったフライホイール102、(c)は円板の外周の一部に弧状の切り欠き部102Bを有するフライホイール102である。このような形状で、特に、(b)や(c)の形状のフライホイール102は、例えばフライホイール102を速く停止させたい場合に、歯状の突起102Aや弧状の切り欠き部102Bに他の部材を突き当てるようにすれば、フライホイール102の回転が容易に停止される。
次に、実施の形態1で用いた慣性付与ロール100(図5等参照)の変形例を示す。
◎変形例1
図12(a)〜(c)は、慣性付与ロール100における固定カラー103の各種変形例を示す。実施の形態1の固定カラー103は、回転軸101に圧入される構成のものを示したが、図12(a)は、回転軸101のうち、外径が一番大きい固定カラー部101Dをそのまま固定カラー103の代わりに代用したものである。ここで、固定カラー部101Dの外径は自由カラー104の外径と略同様に構成し、その周面を粗面化して転写ベルト53への摩擦力を高めている。このような慣性付与ロール100を用いても、実施の形態1と同様の作用を奏することは言うまでもない。尚、固定カラー部101Dの周面を粗面化する代わりに、例えばポリアミド樹脂等を塗布し、転写ベルト53との摩擦力を高めるようにしてもよい。
また、図12(b)は、固定カラー103を回転軸101の固定カラー部101Dに接着剤を用いて、接着部107で接着固定したものである。このような固定カラー103を用いても実施の形態1と同様の作用を奏することは言うまでもない。
更に、図12(c)は、(a)のように、固定カラー部101Dを固定カラー103の代わりに用いるようにしたもので、特に、固定カラー部101Dの外径を自由カラー104の外径より大きくしている。このように固定カラー部101Dを自由カラー104より太くすることで、固定カラー部101D(固定カラー103に相当)での張力が一層高められ、転写ベルト53の蛇行やしわが一層抑えられると共に転写ベルト53での速度変動も十分に抑えられる。尚、ここでは、このような外径の太い固定カラー部101Dを用いる態様を示したが、外径の太い固定カラー103を回転軸101とは別体とし、回転軸101に対して圧入や接着するなどの構造を採用するようにしてもよい。そして、固定カラー103の周面に摩擦力を高める摩擦抵抗層を設けるようにしてもよいことは言うまでもない。尚、外径は事前に実験等を行い、自由カラー104との間の段差が問題とならない範囲に設定すればよい。
◎変形例2
図13(a)及び(b)は、慣性付与ロール100における固定カラー103の他の変形例を示すものである。本変形例では、固定カラー103と回転軸101との間に相互に嵌め合い可能な凸部及び凹部が形成され、固定カラー103を回転軸101の軸方向に沿って挿入することで、固定カラー103が回転軸101に対して位置決めされるようになっている。また、本変形例では、凹部及び凸部が回転方向に沿って微小間隙を有するように構成されているため、両者の嵌め合いも簡単になされる。
ここで、図13(a)は、回転軸101側に例えば別部材を装着して二箇所の凸部101aを形成すると共に、固定カラー103側に二箇所の例えば溝からなる凹部103aを形成したものである。また、(b)は、回転軸101側に二箇所の凹部101bを形成すると共に、固定カラー103側に二箇所の凸部103bを形成したものである。
このような凹部や凸部は、固定カラー103の軸方向全域に亘って設ける必要はなく、固定カラー103が回転軸101と共に一体的に回転するようになっていればよい。ただし、回転軸101に対する固定カラー103の装着をし易くする観点から、凹部は軸方向全域に亘って設ける方が望ましい。そして、回転軸101と固定カラー103の双方に、互いに凹部及び凸部を設けるようにしても差し支えない。
このように、凹部と凸部を嵌め合い式にすることで、固定カラー103の回転軸101に対する装着も容易になり、例えば圧入や接着等の必要もない。このように、固定カラー103と回転軸101とを嵌め合い式にすると、嵌め合い後の両者間での回転方向に沿った遊びがあっても、固定カラー103と回転軸101とは共に一体的に回転する。また、特に、固定カラー103に凹部103aを備える態様では、図14に示すように、より簡単な構成を採用することも可能になる。同図において、固定カラー103には凹部103aとして軸方向の溝を形成し、一方、回転軸101には、径方向に孔101cを形成した後、この孔101cにピン108を打ち込み、ピン108の両端を回転軸101より突出させた状態とする。そして、このピン108の突出部を固定カラー103の凹部103aに挿入することで、固定軸101の回転時には固定軸101と固定カラー103とが共に回転するようになる。
◎実施の形態2
図15は、実施の形態2の慣性付与ロール100における固定カラー103の配置を示す模式図である。実施の形態1では、固定カラー103を中央部に配置したが、本実施の形態では固定カラー103を両側に分けて配置させたものである。尚、実施の形態1と同様の構成要素には同様の符号を付し、ここではその詳細な説明は省略する。
本実施の形態における画像形成装置は、実施の形態1と同様のため、ここでは省略し、慣性付与ロール100について説明する。
本実施の形態の慣性付与ロール100は、図15に示すように、回転軸101の中央部には自由カラー104を配置し、固定カラー103を両側に分けて配置している。
このような構成における転写ベルト53には、固定カラー103による張力Tと自由カラー104による張力Tが作用するが、固定カラー103による張力Tの方が自由カラー104による張力Tより十分大きくなっている(T>T)。このような張力差によって、転写ベルト53には、転写ベルト53を固定カラー103側に向かわせようとする力Fが作用する。そのため、中央部の自由カラー104の部位では、転写ベルト53が両側の固定カラー103に向かって伸ばされることで、しわの発生が一層抑えられる。
また、本実施の形態での転写ベルト53の蛇行は、次のようになる。今、仮に、図16(a)のように、転写ベルト53が図中左側に偏ったとすると、固定カラー103の部位での転写ベルト53の回転速度vは自由カラー104の部位での回転速度vより大きくなっているため(v>v)、固定カラー103の部位では自由カラー104の部位より転写ベルト53が伸ばされるようになる。その結果、転写ベルト53には力が非対称に作用するため、ねじれのモーメントによる力Fが作用し、転写ベルト53は図16(b)のように微小角度θで斜めになる。
また、(b)の状態では、微小角度θによって、転写ベルト53の巻かれる方向と、慣性付与ロール100の回転方向とに差が発生し、転写ベルト53は慣性付与ロール100との摩擦力を介して図中右側に移動する力Fが作用し、転写ベルト53は徐々に右側に移動する。そして、(c)に示すように、転写ベルト53の幅方向に対して固定カラー103が転写ベルト53に対して略均等に配置された状態になると、転写ベルト53の移動は終了する。
本実施の形態では、転写ベルト53のうち、固定カラー103の間の自由カラー104の部分では、転写ベルト53が固定カラー103側に引っ張られることで、その部分でのしわの発生は、実施の形態1のように固定カラー103を中央部に配置したものよりも一層抑えられる。
また、本実施の形態での蛇行は、転写ベルト53が軸方向の一方に偏った場合にも、固定カラー103に接触していればこのような作用を奏する。そのため、蛇行が想定される範囲で転写ベルト53の移動する領域内に固定カラー103を配置する必要があるが、固定カラー103の配置については、事前に実験等で確認し、適宜選択すればよい。
本実施の形態では、転写ベルト53での突発的な負荷変動があってもその速度変動も抑えられる。そして、本実施の形態においても、固定カラー103の周面に摩擦抵抗層、自由カラー104の周面に潤滑層を設けるようにしてもよい。また、固定カラー103の外径を自由カラー104の外径より大きくしても差し支えない。ただし、本実施の形態では、固定カラー103を回転軸101の一部として構成することは困難であるため、組立て容易な構成を適宜選択すればよい。
図17は、本実施の形態の変形例を示すもので、固定カラー103を回転軸101の両端に設け、間を自由カラー104で埋めたものとなっている。また、転写ベルト53は両端の固定カラー103を超える範囲まで広がっている。このような構成では、固定カラー103の部位での転写ベルト53の回転速度vは自由カラー104の部位での回転速度vより大きくなっている(v>v)。そのため、固定カラー103の部位では自由カラー104の部位より転写ベルト53が伸ばされるようになり、固定カラー103の部位の張力Tが自由カラー104の部位の張力Tより大きくなる(T>T)。その結果、転写ベルト53には、中央側から固定カラー103側に向かわせようとする力Fが作用する。
この変形例では、仮に、転写ベルト53が固定カラー103からずれた状態を想定すると、転写ベルト53は、ずれた方向に移動し易くなるが、転写ベルト53が固定カラー103を超えた領域まで広がっているため、転写ベルト53が固定カラー103に十分接触しているため特に問題にはならない。また、そもそも、転写ベルト53が両側に引っ張られるようになっているため、転写ベルト53でのしわは伸ばされ、また、蛇行も生じ難い構成となっている。更には、蛇行に関しては、例えば転写ベルト53の例えば裏面側にリブを設け、固定カラー103から外れないようにしておけばよい。このような構成にあっても、蛇行し難く、しわの発生が抑えられると共に、突発的な負荷変動に対しても十分速度変動が抑えられる。
◎実施の形態3
図18は、実施の形態3の慣性付与ロール100における固定カラー103の配置を示す模式図である。実施の形態1では、固定カラー103を中央部に配置したが、本実施の形態では固定カラー103を中央位置から少し偏倚させた位置に配置させたものである。尚、実施の形態1と同様の構成要素には同様の符号を付し、ここではその詳細な説明は省略する。
本実施の形態における画像形成装置は、実施の形態1と同様のため、ここでは省略し、慣性付与ロール100について説明する。
本実施の形態の慣性付与ロール100は、図18(a)に示すように、回転軸101の中央から少し偏倚させた位置に固定カラー103を配置し、その他は自由カラー104を配置している。
このような構成における転写ベルト53では、固定カラー103の部位での張力Tが自由カラー104の部位での張力Tより大きくなっている(T>T)。このため、転写ベルト53を固定カラー103側に向かわせようとする力F10,F11が作用する。
また、固定カラー103の部位での転写ベルト53の回転速度vは自由カラー104の部位での回転速度vより大きくなっているため(v>v)、固定カラー103の部位では自由カラー104の部位より転写ベルト53が伸ばされる。これにより、図18(b)に示すように、転写ベルト53の右側の張力Tの方が左側の張力Tより大きくなる(T>T)。その結果、転写ベルト53にねじれのモーメントによる力Fが作用し、転写ベルト53は図18(c)のように微小角度θで斜めになる。その後、微小角度θによって転写ベルト53の巻かれる方向と、慣性付与ロール100の回転方向とに差が発生し、転写ベルト53は慣性付与ロール100との摩擦力を介して図中右側に移動する力Fが作用し、転写ベルト53は徐々に右側に移動し易くなる。
このように、本実施の形態では、転写ベルト53は固定カラー103をベルト幅の略中央に位置させるように、図中右側に移動し易くなる。したがって、このような配置は、例えば転写ベルト53が一定方向に蛇行する(固定カラー103が配置される方向で中央よりの偏倚方向と反対側に蛇行し易い)傾向があるときに、特に有効となる。尚、本実施の形態においても、固定カラー103の周面に摩擦抵抗層、自由カラー104の周面に潤滑層を設けてもよい。また、固定カラー103の外径を自由カラー104の外径より大きくしても差し支えない。
◎実施の形態4
図19は、実施の形態4の画像形成装置の概要を示す模式図である。本実施の形態の画像形成装置は、実施の形態1の画像形成装置(図3参照)と略同様に構成されるが、転写装置50が転写ロール51のみで構成されると共に、中間転写ベルト30が掛け渡されている張架ロールを慣性付与ロール100とした点が実施の形態1と異なる。尚、実施の形態1と同様の構成要素には同様の符号を付し、ここではその詳細な説明を省略する。
本実施の形態の画像形成装置は実施の形態1と略同様のため、その構成や動作については省略するが、本実施の形態では、中間転写ベルト30の張架ロール31〜34のうち、最下流側の作像装置20dと張力付与ロール33との間の張架ロール32を慣性付与ロール100としている。
このような構成の画像形成装置にあって、二次転写部位(転写ロール51と中間転写ベルト30との対向部位)への記録材Pの突入があると、中間転写ベルト30での速度変動を来す虞がある。しかしながら、本実施の形態では、このような突発的な負荷変動により中間転写ベルト30での速度変動が生じる事態に際しても、張架ロール32を慣性付与ロール100としたことで、中間転写ベルト30での速度変動は抑えられる。更に、中間転写ベルト30での蛇行やしわの発生も抑えられ、中間転写ベルト30の安定した走行がなされるようになる。
更にまた、本実施の形態では張力付与ロール33を設けているが、このような張力付与ロール33は、図示外の付勢手段等により、中間転写ベルト30を外側へ押し付ける張力が付与されている。そのため、中間転写ベルト30の回転時に張力付与ロール33自体での振動が大きくなる虞がある。しかしながら、本実施の形態では張力付与ロール33の近くに慣性付与ロール100を設けているため、張力付与ロール33に中間転写ベルト30への張力を付与する際の振動が生じても、このような突発的な負荷変動は慣性付与ロール100によって吸収されるため、中間転写ベルト30での速度変動を来す虞もなく、感光体21から中間転写ベルト30への一次転写部位に対して、画像欠陥に繋がるような影響を及ぼす虞は低減される。
本実施の形態では、中間転写ベルト30の回転方向における張力付与ロール33より上流側で、作像装置20dとの間の張架ロール32を慣性付与ロール100としたが、慣性付与ロール100としては、他の張架ロールのうち従動ロールに対して適用するようにしても差し支えない。また、例えば中間転写ベルト30上でトナー像に影響しない部位、例えばベルト清掃器35と作像装置20aとの間で、中間転写ベルト30の表面側から中間転写ベルト30を押し付ける方向に張架ロール(従動ロール)を設け、この張架ロールを慣性付与ロール100とするようにしてもよい。
◎実施の形態5
図20は、実施の形態5の画像形成装置の概要を示す模式図である。本実施の形態の画像形成装置は、記録材Pを搬送する記録材搬送ベルト80を用いた構成のものとなっている。尚、画像形成装置の構成は、実施の形態1に近似するため、実施の形態1と同様の構成要素には同様の符号を付し、ここではその詳細な説明は省略する。
本実施の形態の画像形成装置は、トナー像を形成して保持する像保持体としての四つの作像装置20(20a〜20d)と、この作像装置20に保持されたトナー像を記録材P上に転写する転写手段と、作像装置20と転写手段との対向部位に向かって記録材Pを搬送する記録材搬送手段と、を備え、記録材搬送手段が、記録材Pを保持して搬送する循環回転が可能な無端状のベルト部材としての記録材搬送ベルト80を含み、この記録材搬送ベルト80を移動させるベルト移動装置に慣性付与ロール100を採用したものである。
記録材搬送ベルト80は、複数の張架ロール71〜75に掛け渡されて図中矢印A方向に回転するようになっている。張架ロール71は記録材搬送ベルト80を回転させる駆動ロールであり、張架ロール74が記録材搬送ベルト80に張力を付与する張力付与ロールである。また、張力付与ロール74と駆動ロール71との間の張架ロール75に対して記録材搬送ベルト80を挟んで対向する位置には、記録材搬送ベルト80上の汚れを清掃する清掃器81が設けられている。また、記録材搬送ベルト80の表面側で作像装置20aと張架ロール72との間に位置する部位には、記録材Pを記録材搬送ベルト80に吸着させるための帯電器76が設けられ、この帯電器76によって帯電させられた記録材搬送ベルト80上に記録材Pが吸着されるようになる。尚、符号60は、例えば加熱ロール61と加圧ロール62とで構成される定着器である。
更に、本実施の形態では、駆動ロール71の下流側に隣り合う張架ロール72を慣性付与ロール100としている。本実施の形態における慣性付与ロール100は、実施の形態1と略同様に構成されるため、詳細は省略する。
本実施の形態における画像形成装置の動作について図20を基に説明する。図示外の記録材供給部から搬送された記録材Pは、記録材搬送ベルト80の帯電器76によって記録材搬送ベルト80上に吸着して保持され、記録材搬送ベルト80の移動に合わせて移動する。記録材搬送ベルト80に保持され記録材P上には、記録材搬送ベルト80の移動に合わせて、作像装置20a〜20d(20)にて形成されたトナー像が順次転写され、最下流側の作像装置20dを通過したときには、記録材P上に多重化されたトナー像が形成される。その後、記録材Pは記録材搬送ベルト80から離れて、定着器60に搬送され、定着後の記録材Pが装置外へ排出される。ここで、仮に、ジャム等で記録材Pがない状態で直接記録材搬送ベルト80上にトナーが付着した場合には、清掃器81で清掃される。
そして、本実施の形態では、記録材搬送ベルト80が掛け渡される張架ロール72を慣性付与ロール100としたので、記録材搬送ベルト80に対して、例えば駆動ロール71の振動による記録材搬送ベルト80の突発的な速度変動があっても、慣性付与ロール100によって記録材搬送ベルト80の速度変動は抑えられる。そのため、一次転写器25における転写部位での画像欠陥の発生は抑えられる。また、記録材Pが転写部位に侵入したときのような負荷変動に対しても、記録材搬送ベルト80の速度変動は抑えられる。更にまた、慣性付与ロール100によって記録材搬送ベルト80での蛇行やしわの発生が抑えられ、安定した走行が維持される。
◎実施の形態6
図21(a)は、実施の形態6の画像形成装置の概要を示す模式図である。本実施の形態の画像形成装置は、像形成保持体としての作像装置90を備え、この作像装置90に対向する位置に、記録材搬送ベルト80を備えた構成となっている。
作像装置90は、図中矢印C方向に回転する感光体91を有し、感光体91の周りに、感光体91を帯電する帯電器92、帯電した感光体91に潜像を形成するために露光する露光器93、感光体91上に形成された潜像を現像する現像器94、現像された感光体91上のトナー像を記録材P上に転写するコロナ帯電器からなる転写器95、転写後の感光体91上の残留トナーを清掃する清掃器96等が設けられている。
記録材搬送ベルト80は、二つの張架ロールである、駆動ロール82と従動ロール83に掛け渡され、記録材搬送ベルト80の内側に転写器95が設けられている。駆動ロール82には、トルクリミッタ85を介してモータ84が設けられ、モータ84の駆動力がトルクリミッタ85によって制限されるようになっている。そして、本実施の形態では、記録材搬送ベルト80を張架する従動ロール83が慣性付与ロール100となっている。
このような構成において、感光体91と記録材搬送ベルト80との対向部位である転写部位に記録材Pが突入すると、感光体91の回転速度の変動を生じる虞がある。しかしながら、記録材搬送ベルト80を張架する従動ロール83を慣性付与ロール100としているため、感光体91の速度変動は、記録材搬送ベルト80の速度変動が抑えられることで抑えられ、画像欠陥の発生が抑えられる。また、記録材搬送ベルト80での蛇行やしわの発生も抑えられる。
尚、このような構成における転写器95としては、図21(a)の構成に限られず、他の構成を採用してもよいことは言うまでもなく、例えば転写器95としてコロナ帯電器を用いる代わりに、ロール部材を適用するようにしてもよい。
また、図21(b)は本実施の形態の変形例を示し、作像装置90側に中間転写ベルト30を適用した構成のものとなっている。同図において、記録材搬送ベルト80は、二つの張架ロール、駆動ロール82及び従動ロール83に掛け渡され、駆動ロール82は、トルクリミッタ85を介してモータ84によって駆動されるようになっている。更に、中間転写ベルト30上のトナー像を記録材Pに転写するために、中間転写ベルト30の張架ロール39に対向する位置には、記録材搬送ベルト80の裏面側にコロナ帯電器型の転写器95が設けられている。
このような構成では、転写器95を記録材搬送ベルト80から離した状態で設けているため、中間転写ベルト30と記録材搬送ベルト80との間では、十分な重なり部分が確保される構成となっている。また、記録材搬送ベルト80を張架する従動ロール83を慣性付与ロール100としている。
このような構成において、中間転写ベルト30と記録材搬送ベルト80との間では、滑りが抑えられ、安定した回転がなされるが、例えば記録材Pが転写部位に侵入した際には中間転写ベルト30での突発的な速度変動が発生する。しかしながら、記録材搬送ベルト80側の従動ロール83を慣性付与ロール100とすることで、記録材搬送ベルト80の速度変動が抑えられ、結果的に中間転写ベルト30の速度変動が抑えられる。また、記録材搬送ベルト80での蛇行やしわの発生も抑えられる。
本例では、転写器95としてコロナ帯電器型のものを用いる構成としたが、例えばこの部位にロール部材を用いるようにすることも可能で、適宜選定すればよい。また、本例では駆動ロール82を用いる態様を示したが、駆動ロール82の代わりにこの部位にも従動ロールを用いてもよく、この場合、中間転写ベルト30と記録材搬送ベルト80との重なり部位を広くとり、両者間での滑りが抑えられた状態とすればよい。
本実施例は、実施の形態1の構成の画像形成装置を用い、張架ロールの条件を変化させたときの一次転写部位における中間転写ベルトでの速度変動率を評価確認したものである。
実験条件は次の通り。
・張架ロール:次の三種類。
(1)転写ベルトを張架する従動ロールを慣性付与ロールとしたもの(従動ロールにフライホイールと表記)、(2)転写ロールにフライホイールを取り付けたもの(固定カラーや自由カラーを含まず、単なるロール部材にフライホイールを取り付けたもの:転写ロールにフライホイールと表記)、(3)慣性付与ロールからフライホイールを除去したもの(フライホイールなしと表記)。
・転写ベルト:導電性のクロロプレンゴムの表層にカーボンを分散したウレタン樹脂によるオーバーコート層を設け、厚さが約0.45mm、JIS硬度が約80度のもの。
・慣性付与ロールの回転軸:ステンレス合金製で外径が10mmのもの。
・慣性付与ロールの固定カラー:樹脂(POM)製で外径15mm、内径10mm未満で回転軸に圧入すると共に、表面を粗面化したもの。
・慣性付与ロールの自由カラー:樹脂(POM)製で外径15mm、内径10mm近くで回転軸との間に遊びを持たせると共に、表面にフッ素樹脂系の潤滑層を塗布したもので、軸方向の遊びは最大0.4mmのもの。
・慣性付与ロールのフライホイール:ステンレス合金製で外径150mm、厚さ4mmの円盤状のもの。
・転写ロール:金属表面にエピクロルヒドリンゴム層を有する外径28mmのもので、駆動源は持たず、中間転写ベルトに対して連れ回り回転するもの。
評価は、三種の張架ロールを実装した状態で二次転写部位への記録材の突入に対する中間転写ベルトでの速度変動率を測定した。
結果は、図22に示すように、「従動ロールにフライホイール」は、「転写ロールにフライホイール」より大幅に速度変動率が低下し、また、「転写ロールにフライホイール」は、「フライホイールなし」より大幅に速度変動率が低下することが判明した。このことは、次のように推測される。
「転写ロールにフライホイール」は、転写ロールの外径が従動ロール(慣性付与ロール)の外径より大きいために、フライホイールの慣性力の効果が「従動ロールにフライホイール」より小さくなったことによる。また、「フライホイールなし」は、速度変動に対する効果が殆ど観察されず、中間転写ベルトでの速度変動を抑えるには、フライホイールの慣性力を中間転写ベルトへ伝達することが重要であることが理解された。
1…ベルト移動装置,2…ベルト部材,3…張架ロール,4…慣性付与ロール,5…回転軸,6…回転慣性体,7…ロール分割体,8…固定分割体,9…回転分割体

Claims (17)

  1. 循環移動が可能な無端状のベルト部材と、
    このベルト部材を移動可能に掛け渡す回転可能な複数の張架ロールと、を備え、
    前記張架ロールは、前記ベルト部材の移動に伴い追従して回転する一以上の従動ロールを含むと共に、この従動ロールの少なくとも一つを慣性量が増大する方向に付与させられた慣性付与ロールとしたものであり、
    前記慣性付与ロールは、
    回転可能な回転軸と、
    この回転軸と共に回転し且つ当該回転軸の慣性量を増大する方向に付与する回転慣性体と、
    前記回転軸の周面に沿って設けられるロール本体を有し、当該ロール本体が前記回転軸の軸方向に対して複数に分割されて配置される複数のロール分割体と、を備え、
    前記複数のロール分割体は、
    前記回転軸に対して固定され又は一体的に設けられ、前記ベルト部材に接触し且つ当該ベルト部材の移動に追従して前記回転軸と共に一体的に回転する固定分割体と、
    前記回転軸に対して回転可能に設けられ、前記ベルト部材に接触し且つ前記回転軸の回転とは独立に回転可能な回転分割体と、で構成されることを特徴とするベルト移動装置。
  2. 請求項1記載のベルト移動装置において、
    前記回転分割体は前記回転軸に対して予め決められた間隙を介して嵌められていることを特徴とするベルト移動装置。
  3. 請求項1又は2に記載のベルト移動装置において、
    前記固定分割体は、前記回転軸に対して圧入固定されていることを特徴とするベルト移動装置。
  4. 請求項1又は2に記載のベルト移動装置において、
    前記固定分割体は、前記回転軸に対して接着固定されていることを特徴とするベルト移動装置。
  5. 請求項1又は2に記載のベルト移動装置において、
    前記回転軸は、その一部に他の部分より外径の大きい大径部を有し、
    前記固定分割体は、前記回転軸の大径部で構成されていることを特徴とするベルト移動装置。
  6. 請求項1又は2に記載のベルト移動装置において、
    前記固定分割体及び前記回転軸のうち一方に前記回転軸の径方向に対して突出する凸部を設け、他方には前記回転軸の径方向に対して窪んで前記凸部が嵌まる凹部を設け、前記回転軸に前記固定分割体を嵌め込むときに前記凹部と前記凸部とを嵌め合わせることで前記回転軸の回転方向に対して前記固定分割体を回り止め固定することを特徴とするベルト移動装置。
  7. 請求項6記載のベルト移動装置において、
    前記凹部及び前記凸部は、前記凹部に対して前記凸部が前記回転軸の回転方向における予め決められた間隙を介して嵌まるように構成されていることを特徴とするベルト移動装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のベルト移動装置において、
    前記固定分割体の外径は、前記回転分割体の外径より大きく設定されていることを特徴とするベルト移動装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載のベルト移動装置において、
    前記回転分割体は、前記回転軸の軸方向に対し隣接する固定分割体若しくは回転分割体との間に予め決められた間隙を介して配置され、当該間隙内で移動可能であることを特徴とするベルト移動装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載のベルト移動装置において、
    前記回転分割体は、前記回転軸の軸方向に対し前記固定分割体を間に置いて回転軸の中央部両側に配置されていることを特徴とするベルト移動装置。
  11. 請求項1乃至9のいずれかに記載のベルト移動装置において、
    前記固定分割体は、前記回転軸の軸方向に対し前記回転分割体を間に置いて回転軸の中央部両側に配置されていることを特徴とするベルト移動装置。
  12. 請求項10又は11に記載のベルト移動装置において、
    前記固定分割体及び前記回転分割体は、前記回転軸の中央部に対し略対称的に配置されていることを特徴とするベルト移動装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれかに記載のベルト移動装置において、
    前記固定分割体は、その周面に前記ベルト部材に対する摩擦抵抗が増大する摩擦抵抗層を更に備えていることを特徴とするベルト移動装置。
  14. トナー像を保持する像保持体と、
    この像保持体に保持されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、を備え、
    前記像保持体及び前記転写手段のうち少なくともいずれかは循環移動が可能な無端状のベルト部材を含み、
    このベルト部材を移動させるベルト移動装置として請求項1乃至13のいずれかに記載のベルト移動装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項14記載の画像形成装置において、
    前記転写手段は、前記像保持体に対向して設けられ且つ像保持体上のトナー像を記録材に転写するロール状の転写部材と、この転写部材を含む複数の張架ロールに掛け渡されて循環移動し且つ像保持体と前記転写部材との間の転写部位から延びる直線経路に沿って記録材を搬送する無端状のベルト部材としての転写ベルトと、を備え、
    前記ベルト移動装置は、前記転写ベルトを移動させるものであることを特徴とする画像形成装置。
  16. 請求項14記載の画像形成装置において、
    前記像保持体は、トナー像を形成して保持する像形成保持体と、この像形成保持体に対向して設けられ且つ像形成保持体上のトナー像を記録材への転写前に一時的に保持する無端状のベルト部材としての中間転写ベルトと、を有するものであり、
    前記ベルト移動装置は、前記中間転写ベルトを移動させるものであることを特徴とする画像形成装置。
  17. トナー像を保持する像保持体と、
    この像保持体に保持されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、
    前記像保持体と前記転写手段との対向部位に向かって記録材を搬送する記録材搬送手段と、を備え、
    前記記録材搬送手段は記録材を保持して搬送する無端状のベルト部材としての記録材搬送ベルトを含み、
    この記録材搬送ベルトを移動させるベルト移動装置として請求項1乃至13のいずれかに記載のベルト移動装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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