JP5885673B2 - 光走査装置および走査型検査装置 - Google Patents

光走査装置および走査型検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、光走査装置および走査型検査装置に関するものである。
従来、レーザ光の実質的な走査速度を上げることができる光走査装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の光走査装置は、レーザ光を反射および透過して分岐するビームスプリッタと、ビームスプリッタを透過したレーザ光を反射するハーフミラーと、これらビームスプリッタおよびハーフミラーにより各々異なる出射角度で反射された各レーザ光を走査するスキャナと、スキャナにより走査された各レーザ光を選択的に通過させる絞りとを備えている。
この特許文献1に記載の光走査装置は、ビームスプリッタおよびハーフミラーにより反射された各レーザ光をスキャナにより同時に走査し、順次いずれかのレーザ光のみを絞りを通過させることにより、スキャナによる1回の走査によって複数の光ビームを順次走査し、一定面積の走査に要する時間短縮を実現している。
特開平5−173085号公報
しかしながら、特許文献1に記載の光走査装置では、ビームスプリッタにより分岐された複数の光ビームのうち、絞りを通過したレーザ光のみを利用し、絞りを通過しない他の光ビームは無駄になるため、光量損失が大きく光の利用効率が低いという問題がある。
また、特許文献1に記載の光走査装置のようにビームスプリッタによりレーザ光を反射あるいは透過させて分岐した場合、スキャナにより走査されるレーザ光ごとに光路長が異なる。レーザは平行光でも所定の発散角をもっているため、光路長が異なるとレーザ光ごとに試料における焦点位置にずれが生じてしまい、レーザ光ごとに観察面が一致しないという問題がある。
また、特許文献1に記載の光走査装置では、ビームスプリッタの反射率および透過率とハーフミラーの反射率に応じて、分岐した各レーザ光の光量が決まるため、ビームスプリッタの反射率および透過率とハーフミラーの反射率が設定値より異なると、各レーザ光の光量が不均等になり、走査面に明るさむらができるという問題がある。また、ビームスプリッタの反射率および透過率とハーフミラーの反射率を厳密に設定しようとすると、高度な技術が要求されコストもかかるという問題がある。
本発明は、光の利用効率を低減することなく走査速度を上げることができる光走査装置および走査型検査装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、試料における焦点面を一致させつつ走査速度を向上することができる光走査装置および走査型検査装置を提供することを目的とする。
また本発明は、簡易な構成で、走査面における明るさむらを防ぎつつ走査速度の向上を図ることができる光走査装置および走査型検査装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、レーザ光の偏光方向を所定の切り替えタイミングで切り替える偏光切替部と、該偏光切替部により切り替えられた偏光方向に応じて前記レーザ光を2つの光路に分岐する1以上の分岐部と、該分岐部により分岐された各前記レーザ光に同一平面上における相対的な角度を付与し、これらのレーザ光を同一箇所に集合させるビーム角度設定部と、該ビーム角度設定部により前記同一箇所に集合させられた前記レーザ光を前記切り替えタイミングに同期して前記平面に沿う方向に走査する走査部とを備え、前記ビーム角度設定部が、前記分岐部に対向して所定の角度に固定された状態で、前記レーザ光の入射方向に一体的に移動可能に設けられた2つ以上の固定ミラーと、各前記レーザ光を透過あるいは反射して相互に平行にするビームスプリッタと、該ビームスプリッタにより平行にされた各前記レーザ光を集合させるレンズとを備え、前記固定ミラーが、前記分岐部により分岐された各前記レーザ光を順に反射して、所定の距離で折り返し、折り返した各レーザ光を前記ビームスプリッタの相互に異なる位置に入射させる光走査装置である。
第1の態様によれば、偏光切替部により切り替えられた偏光方向に応じて分岐部により2つの光路に分岐された各レーザ光が、ビーム角度設定部により同一平面上における異なる角度で同一箇所に集合させられ、走査部によりその平面に沿う方向に走査される。
この場合において、走査部により、偏光切替部による偏光方向の切り替えタイミングに同期して各レーザ光を走査することで、分岐されたレーザ光ごとに走査部への入射角度に応じて時間間隔をあけて同一範囲を順次走査させることができる。また、分岐部により、偏光方向に応じてレーザ光を分岐することで、分岐されたレーザ光の光量を分岐する前のレーザ光の光量に維持することができる。したがって、偏光切替部によりレーザ光の偏光方向を瞬間的に連続して切り替えることで、レーザ光の利用効率を低減することなく、走査速度の向上を図ることができる。
上記第1の態様においては、前記ビーム角度設定部が、前記分岐部に対向して所定の角度に固定された状態で、前記レーザ光の入射方向に一体的に移動可能に設けられた2つ以上の固定ミラーを備え、これらの固定ミラーが、前記分岐部により分岐された各前記レーザ光を順に反射し、所定の距離で折り返す
このように構成することで、固定ミラーどうしをレーザ光の入射方向に一体的に移動させるだけで、折り返すレーザ光の光路長を変更することができる。これにより、走査部により走査される2つのレーザ光の光路長を簡易に一致させることができる。
上記構成においては、前記ビーム角度設定部が、各前記レーザ光を透過あるいは反射して相互に平行にするビームスプリッタと、該ビームスプリッタにより平行にされた各前記レーザ光を集合させるレンズとを備え、前記固定ミラーが、折り返した各レーザ光を前記ビームスプリッタの相互に異なる位置に入射させる
このように構成することで、固定ミラーにより折り返されてビームスプリッタの相互に異なる位置に入射された各レーザ光が、ビームスプリッタを透過しあるいはビームスプリッタにより反射されて相互に平行になりレンズにより集合させられる。したがって、異なるタイミングで複数の光路を経由する各レーザ光を光路長を一致させつつ、同一平面上における異なる入射角度で同一箇所に簡易に集合させることができる。
上記第1の態様の光走査装置は、前記走査部により走査された前記レーザ光を該走査部による走査方向に対して直交する方向に走査する他の走査部を備える構成としてもよい。
このように構成することで、走査部により同一範囲を連続的に一方向に走査されたレーザ光を他の走査部によりこれに直交する方向に順次走査し、レーザ光の2次元的な走査速度を向上することができる。
本発明の第2の態様は、上記構成の光走査装置と、該光走査装置により走査された前記レーザ光を被検体に照射する観察光学系と、該観察光学系により前記レーザ光が照射された前記被検体からの光を検出する検出部とを備える走査型検査装置である。
第2の態様によれば、観察光学系により被検体に照射されるレーザ光を光走査装置により走査速度を向上して被検体上で2次元的に走査することができる。したがって、検出部により検出された被検体からの光に基づいて、被検体の観察範囲を時間を短縮して観察することができる。
第2の態様においては、前記検出部により検出された前記被検体からの光と前記レーザ光の走査位置とを対応づけて2次元情報または3次元情報として復元する復元部と、該復元部により復元された前記2次元情報または3次元情報を表示する表示部とを備えることとしてもよい。
このように構成することで、表示部に表示された被検体の2次元情報または3次元情報により、被検体を観察することができる。
本発明の参考例としての発明の第1参考態様(以下、第3の態様という。)は、入力されたレーザ光を2つの光路に分岐する1以上の分岐部と、該分岐部により分岐された各前記レーザ光に同一平面上における相対的な角度を付与し、これらのレーザ光を光路長を一致させて同一箇所に集合させるビーム角度設定部と、該ビーム角度設定部により前記同一箇所に集合させられた前記レーザ光を前記平面に沿う方向に同時に走査する走査部とを備える光走査装置である。
第3の態様によれば、分岐部により2つの光路に分岐された各レーザ光が、ビーム角度設定部により同一平面上における異なる角度で同一箇所に集合させられ、走査部によりその平面に沿う方向に同時に走査される。したがって、走査部による1度の走査により、分岐されたレーザ光ごとに走査部への入射角度に応じて時間間隔を空けて同一範囲を順次走査させることができる。
この場合において、ビーム角度設定部により、走査部によって走査される各レーザ光の光路長を一致させることで、観察面における各レーザ光の焦点位置を一致させることができる。これにより、試料におけるレーザ光の焦点面を一致させつつ走査速度の向上を図ることができる。
上記第3の態様においては、前記ビーム角度設定部が、前記分岐部に対向して所定の角度に固定された状態で、前記レーザ光の入射方向に一体的に移動可能に設けられた2つ以上の固定ミラーを備え、これらの固定ミラーが、前記分岐部により分岐された各前記レーザ光を順に反射し、所定の距離で折り返す構成としてもよい。
このように構成することで、固定ミラーどうしをレーザ光の入射方向に一体的に移動させるだけで、折り返すレーザ光の光路長を変更することができる。これにより、走査部により走査される2つのレーザ光の光路長を簡易に一致させることができる。
上記構成においては、前記ビーム角度設定部が、各前記レーザ光を透過あるいは反射して相互に平行にするビームスプリッタと、該ビームスプリッタにより平行にされた各前記レーザ光を集合させるレンズとを備え、前記固定ミラーが、折り返した各レーザ光を前記ビームスプリッタの相互に異なる位置に入射させることとしてもよい。
このように構成することで、固定ミラーにより折り返されてビームスプリッタの相互に異なる位置に入射された各レーザ光が、ビームスプリッタを透過しあるいはビームスプリッタにより反射されて相互に平行になりレンズにより集合させられる。したがって、単一のレーザ光から分岐された複数のレーザ光を光路長を一致させつつ、同一平面上における異なる入射角度で同一箇所に簡易に集合させることができる。
上記第3の態様においては、前記走査部により走査された前記レーザ光が通過する範囲を制限するスリットを備えることとしてもよい。
このように構成することで、走査部により走査された複数のレーザ光の内、所定の範囲以外を走査されたレーザ光をスリットにより遮断し、時間間隔をあけて順次スリットを通過した複数のレーザ光により所定の観察範囲を連続的に走査することができる。
上記第3の態様においては、前記分岐部に入射されるレーザ光の偏光方向を所定の切り替えタイミングで切り替える偏光切替部を備え、前記分岐部が、前記偏光切替部により切り替えられた偏光方向に応じて前記レーザ光を2つの光路に分岐し、前記走査部が、前記切り替えタイミングに同期して前記レーザ光を走査することとしてもよい。
このように構成することで、分岐部により、レーザ光を分岐前の光量を維持して分岐することができる。この場合において、走査部が偏光切替部による偏光方向の切り替えタイミングに同期してレーザ光を走査することで、偏光切替部によりレーザ光の偏光方向を瞬間的に連続して切り替えれば、レーザ光の利用効率を低減することなく走査速度の向上を図ることができる。
上記第3の態様においては、前記分岐部に1度目に入射させるレーザ光の偏光方向の強度比を調節可能な第1偏光調節部と、前記ビームスプリッタにより1度目に平行にされた各前記レーザ光を、前記分岐部に対して1度目とは異なる方向から入射させる再入射ミラーと、該再入射ミラーにより前記分岐部に再入射される前記レーザ光の偏光方向の強度比を調節可能な第2偏光調節部とを備え、前記分岐部が、1度目に入射された前記レーザ光を前記第1偏光調節部により調節された偏光方向の強度比に基づいて2つの光路に分岐し、2度目に入射された前記レーザ光を前記第2偏光調節部により調節された偏光方向の強度比に基づいて2つの光路に分岐することとしてもよい。
このように構成することで、光源から発せられたビームは、第1偏光調節部によって調節される偏光方向の強度比に基づいて分岐部により2つの光路に分岐され、その後、再入射ミラーおよび第2偏光調節部を介して1度目とは異なる方向から再び分岐部に入射されて、第2偏光調節部によって調節される偏光方向の強度比に基づいて、分岐部によりさらに2つの光路に分岐される。
したがって、分岐部およびビーム角度設定部を増設することなく1光束のビームを4光束のビームに分岐することができる。これにより、走査速度をさらに向上しつつ、装置の小型化、部品点数の削減およびコストの低減を図ることができる。
上記構成においては、前記ビーム角度設定部が、前記分岐部により分岐されて固定ミラーに入射される前記レーザ光を収束させる第1収束レンズと、前記ビームスプリッタにより1度目に平行にされて前記第2偏光調節部により偏光方向が調節される前記レーザ光を収束させる第2収束レンズとを備え、前記2つの固定ミラーが、レーザ光の入射方向に対して交差する方向にも一体的に移動可能に設けられ、前記第1収束レンズの焦点距離と前記第2収束レンズの焦点距離とが異なり、前記第1収束レンズの焦点距離が前記第2収束レンズの焦点距離の2倍または前記第2収束レンズの焦点距離が前記第1収束レンズの焦点距離の2倍の関係を有することとしてもよい。
このように構成することで、固定ミラーをレーザ光の入射方向に対して交差する方向に一体的に移動させることにより、ビームスプリッタにより平行にされる4つの光束の距離間隔を等間隔のまま変更することができる。これにより、固定ミラーを移動させるだけでズーム機能を実現でき、操作を簡便化することができる。
上記第3の態様の光走査装置は、前記走査部により走査された前記レーザ光を該走査部による走査方向に対して直交する方向に走査する他の走査部を備える構成としてもよい。
このように構成することで、走査部により同一範囲を連続的に一方向に走査された複数のレーザ光を他の走査部によりこれに直交する方向に順次走査し、レーザ光の2次元的な走査速度を向上することができる。
本発明の参考例としての発明の第2参考態様(以下、第4の態様という。)は、上記構成の光走査装置と、該光走査装置により走査された前記レーザ光を被検体に照射する観察光学系と、該観察光学系により前記レーザ光が照射された前記被検体からの光を検出する検出部とを備える走査型検査装置である。
第4の態様によれば、観察光学系により被検体に照射されるレーザ光を光走査装置により走査速度を向上して被検体上で2次元的に走査することができる。したがって、検出部により検出された被検体からの光に基づいて、被検体の観察範囲を時間を短縮して観察することができる。
第4の態様においては、前記検出部により検出された前記被検体からの光と前記レーザ光の走査位置とを対応づけて2次元情報または3次元情報として復元する復元部と、該復元部により復元された前記2次元情報または3次元情報を表示する表示部とを備えることとしてもよい。
このように構成することで、表示部に表示された被検体の2次元情報または3次元情報により、被検体を観察することができる。
本発明の参考例としての発明の第3参考態様(以下、第5の態様という。)は、レーザ光の偏光方向を調節可能な偏光方向調節部と、該偏光方向調節部により偏光方向が調節されたレーザ光を、互いに直交する偏光成分ごとに2つの光路に分岐する1以上の分岐部と、該分岐部により分岐された各前記レーザ光に対して同一平面上における相対的な角度を付与し、これらのレーザ光を同一箇所に集合させるビーム角度設定部と、該ビーム角度設定部により前記同一箇所に集合させられた各前記レーザ光を前記平面に沿う方向に走査する走査部とを備える光走査装置である。
第5の態様によれば、偏光方向調節部によりレーザ光の偏光方向が調節され、分岐部によりレーザ光が互いに直交する偏光成分ごとに2つの光路に分岐される。そして、光路が分岐された各レーザ光は、ビーム角度設定部により同一平面上における相対的な角度が付与されて同一箇所に集合させられ、走査部によりその平面に沿う方向に走査される。したがって、走査部による1度の走査により、分岐されたレーザ光ごとに、走査部への入射角度に応じて時間間隔を空けて同一範囲を順次走査させることができる。
この場合において、分岐部によりレーザ光が略均等な強度の2つの光路に分岐される偏光成分の比率となるように、偏光方向調節部によりレーザ光の偏光方向を調節することで、略均等な明るさの複数のレーザ光により走査面を走査させることができる。したがって、簡易な構成で、走査面における明るさむらを防ぎつつ走査速度の向上を図ることができる。また、分岐された各光路における光強度の比率を比較的任意に調節できるので、光学素子を厳密に選ぶ必要が無く、製造コストや調節の手間が低減される利点もある。
上記第5の態様においては、前記分岐部により分岐された各前記レーザ光の強度を検出する光強度検出部と、該光強度検出部により検出された各前記レーザ光の強度に基づいて、前記分岐部により前記レーザ光が略均等な強度の2つの光路に分岐される偏光成分の比率となるように、前記偏光方向調節部による前記レーザ光の偏光方向の調節を制御する制御部とを備える構成としてもよい。
このように構成することで、ユーザの手間を掛けずに、簡易かつ迅速に、偏光方向調節部によりレーザ光を均等な強度に分岐させることができる。
上記構成においては、前記偏光方向調節部が、前記レーザ光の光軸回りに回転可能に設けられて該レーザ光を透過可能な1/2波長板であることとしてもよい。
このように構成することで、1/2波長板をレーザ光の光軸回りに回転させることにより、1/2波長板の光学主軸に対する入射されたレーザ光の偏光方向の角度に応じて、射出するレーザ光の光学主軸に対する偏光方向の角度を変更することができる。したがって、1/2波長板のレーザ光の光軸回りの回転角度を変えるだけでレーザ光の偏光方向を調節し、これにより、分岐部により2つの光路に分岐されるレーザ光の偏光成分の比率を変更することができる。
上記第5の態様においては、前記走査部により走査された前記レーザ光が通過する範囲を制限するスリットを備えることとしてもよい。
このように構成することで、走査部により走査された複数のレーザ光の内、所定の範囲内を走査されたレーザ光のみをスリットを通過させ、所定の範囲外を走査されたレーザ光をスリットにより遮断することができる。したがって、スリットを時間間隔をあけて順次通過した複数のレーザ光により、所定の観察範囲を連続的に走査することができる。
上記第5の態様においては、前記ビーム角度設定部が、前記分岐部に対向して所定の角度に固定された状態で移動可能に設けられた2つ以上の固定ミラーを備え、これらの固定ミラーが、前記分岐部により分岐された各前記レーザ光を順に反射し、所定の距離で折り返す構成としてもよい。
このように構成することで、固定ミラーの位置を変更するだけで、折り返すレーザ光の光路長を変更することができる。これにより、走査部により走査される2つのレーザ光の光路長を簡易に一致させることができ、試料におけるレーザ光の焦点面を一致させつつ走査速度の向上を図ることができる。
上記構成においては、前記ビーム角度設定部が、各前記レーザ光を透過あるいは反射して相互に平行にするビームスプリッタと、該ビームスプリッタにより平行にされた各前記レーザ光を集合させるレンズとを備え、前記固定ミラーが、折り返した各レーザ光を前記ビームスプリッタの相互に異なる位置に入射させることとしてもよい。
このように構成することで、固定ミラーにより折り返されてビームスプリッタの相互に異なる位置に入射された各レーザ光が、ビームスプリッタを透過しあるいはビームスプリッタにより反射されて相互に平行になり、レンズによって集合させられる。したがって、異なるタイミングで複数の光路を経由する各レーザ光を光路長を一致させつつ、同一平面上における異なる入射角度で同一箇所に簡易に集合させることができる。
上記第5の態様の光走査装置は、前記走査部により走査された前記レーザ光を該走査部による走査方向に対して直交する方向に走査する他の走査部を備える構成としてもよい。
このように構成することで、走査部により同一範囲を連続的に一方向に走査されたレーザ光を他の走査部によりこれに直交する方向に順次走査し、レーザ光の2次元的な走査速度を向上することができる。
本発明の参考例としての発明の第4参考態様(以下、第6の態様という。)は、上記構成の光走査装置と、該光走査装置により走査された前記レーザ光を被検体に照射する観察光学系と、該観察光学系により前記レーザ光が照射された前記被検体からの光を検出する検出部とを備える走査型検査装置である。
第6の態様によれば、観察光学系により被検体に照射されるレーザ光を光走査装置により走査速度を向上して被検体上で2次元的に走査することができる。したがって、検出部により検出された被検体からの光に基づいて、被検体の観察範囲を時間を短縮して観察することができる。
第6の態様においては、前記検出部により検出された前記被検体からの光と前記レーザ光の走査位置とを対応づけて2次元情報または3次元情報として復元する復元部と、該復元部により復元された前記2次元情報または3次元情報を表示する表示部とを備えることとしてもよい。
このように構成することで、表示部に表示された被検体の2次元情報または3次元情報により、被検体を観察することができる。
本発明によれば、光の利用効率を低減することなく走査速度を上げることができる。
また、本発明によれば、試料におけるレーザ光の焦点面を一致させつつ走査速度を向上することができる。
また、本発明によれば、簡易な構成で、走査面における明るさむらを防ぎつつ走査速度の向上を図ることができると。
本発明の第1実施形態に係る光走査装置の概略構成図である。 図1の光走査装置によりS偏光成分のビームが走査される様子を示す図である。 図1の光走査装置によりP偏光成分のビームが走査される様子を示す図である。 本発明の第1実施形態の変形例に係る複数の偏光切替部および分岐部を備える光走査装置の概略構成図である。 本発明の第2実施形態に係る光走査装置の概略構成図である。 本発明の第3実施形態に係る光走査装置の概略構成図である。 本発明の第4実施形態に係る光走査装置の概略構成図である。 本発明の第5実施形態に係る光走査装置の概略構成図である。 本発明の第5実施形態の変形例に係る光走査装置の概略構成図である。 本発明の第6実施形態に係る光走査装置の概略構成図である。 本発明の第7実施形態に係る光走査装置の概略構成図である。 本発明の第8実施形態に係る光走査装置の概略構成図である。 図12の光走査装置により分岐されるビームの1周目の光束を示す図である。 図12の光走査装置により分岐されるビームの2周目の光束を示す図である。
〔第1実施形態〕
本発明の参考例としての発明の第1の参考実施形態(以下、第1実施形態という。)に係る光走査装置について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る光走査装置100は、図1に示すように、光源4から発せられたビーム(レーザ光)の偏光方向を切り替える偏光切替部1と、偏光切替部1により切り替えられた偏光方向に応じてビームを2つの光路に分岐する偏光ビームスプリッタ(分岐部)2と、偏光ビームスプリッタ2により分岐された一方のビームを反射する反射光学系(ビーム角度設定部)3と、偏光ビームスプリッタ2により分岐された各ビームを走査するガルバノミラーのようなスキャナ(走査部)5と、偏光切替部1による偏光方向の切り替えタイミングとスキャナ5による走査タイミングとを同期させる制御部125とを備えている。
図1において、光源4から発せられたビームの主光線と偏光ビームスプリッタ2における反射面との交点を点Aとする。また、光源4から発せられたビームの主光線と反射光学系3における反射面との交点を点Bとする。また、偏光ビームスプリッタ2からの反射光の主光線と反射光学系3からの反射光の主光線は、各ビームを光走査すべき軌跡に沿い走査するためのスキャナ5の反射面上の1点で交わることとし、その交点を点Cとする。
光源4は、直線偏光のビームを発振するようになっている。
偏光切替部1は、入射光の偏光方向を任意に設定することができるようになっている。例えば、偏光切替部1は、所定の切り替えタイミングで、ビームの偏光方向を直交する2つの偏光成分(S偏光成分とP偏光成分)に切り替えることができるようになっている。偏光切替部1としては、例えば、光弾性素子や電気光学結晶等を使用することができる。
偏光ビームスプリッタ2は、偏光成分を分離し、それぞれ偏光成分の異なるビームを異なる2つの光路、すなわち、光路A−C(以下、「光路10」という。)と光路A−B−C(以下、「光路20」という。)に分岐させる分岐部である。偏光ビームスプリッタ2は、S偏光成分のビームが入射されるとそのビームをスキャナ5に向けて反射し、P偏光成分のビームが入射されるとそのビームを透過するようになっている。
反射光学系3は、偏光ビームスプリッタ2を透過したP偏光成分のビームの光路上に配置されている。反射光学系3は、光路20に、光路10に対して相対的な角度を付与し、点Cにおいて両光路の主光線を交わらせるように、偏光ビームスプリッタ2からのビームを反射させるようになっている。すなわち、この反射光学系3は、P偏光成分のビームをS偏光成分のビームと共通の平面に沿ってスキャナ5に向けて反射し、スキャナ5におけるS偏光成分のビームの入射位置と同一の位置に入射させるようになっている。これにより、2つの光路に分岐されたビームは、同一平面上における相対的な角度が付与されてスキャナ5における同一箇所に集合させられる。
スキャナ5は、制御部125の作動により、偏光切替部1によるビームの偏光方向の切り替えタイミングに同期して、入射されるビームに沿う前記平面に沿って揺動するようになっている。これにより、スキャナ5は、同一の平面上における異なる角度で同一箇所に入射されたS偏光成分のビームとP偏光成分のビームをその平面に沿う方向にそれぞれ走査することができるようになっている。
このように構成された光走査装置100は、偏光切替部1にて偏光方向を適切に設定することにより、2種類の光路を自由に切り換えることができる。すなわち、偏光切替部1において、入射光を偏光ビームスプリッタ2により反射される成分の偏光方向に設定すればビームは光路10を通り、透過される成分の偏光方向に設定すればビームは光路20を通ることとなる。これにより、例えば、スキャナ5により掃引される2種類の角度のビームの内、ある角度範囲θ内を掃引されるビームのみを選択することができる。
次に、本実施形態に係る光走査装置100の作用について説明する。
本実施形態に係る光走査装置100によりビームを高速で走査するには、まず、偏光切替部1により、光源4から発せられたビームの偏光方向をS偏光成分とP偏光成分とに高速で切り替える。
例えば、図2に示すように、偏光切替部1によりビームがS偏光成分に切り替えられると、そのビームは偏光ビームスプリッタ2によりスキャナ5に向けて反射される。一方、図3に示すように、偏光切替部1によりビームがP偏光成分に切り替えられると、そのビームは偏光ビームスプリッタ2を透過し、反射光学系3によりスキャナ5に向けて反射される。
偏光ビームスプリッタ2からのS偏光成分のビームと反射光学系3からのP偏光成分のビームは、互いに同一平面上における相対的な角度が付与され、偏光切替部の偏光切替タイミングに応じて交互にスキャナ5の同一の箇所に入射される。また、これらのビームは、スキャナ5により前記平面に沿う方向に走査される。
この場合において、制御部125の作動により、偏光切替部1による偏光方向の切り替えタイミングに同期してスキャナ5により各ビームを走査することで、分岐されたビームごとに、スキャナ5への入射角度に応じて時間間隔をあけて同一範囲を順次走査することができる。また、偏光ビームスプリッタ2により、ビームを偏光方向に応じて分岐することで、分岐されたビームの光量を分岐する前のビームの光量に維持することができる。
したがって、本実施形態に係る光走査装置100によれば、偏光切替部1によりビームの偏光方向を瞬間的に連続して切り替えることで、ビームの利用効率を低減することなく、走査速度の向上を図ることができる。
また、本実施形態によれば、偏光切替部1によりビームの光路を切り替えて被写体の所望の位置に順番かつ連続的に振り分けることができる。これにより、高速なスキャンが可能になるだけでなく、照射部位からの光応答を検出器上で重なりなく検出することができる。また、偏光切替部1により交互に分岐されたビームは、分岐数によらず光量が減らず分岐前の光量を維持しているので、被写体からの光応答を高出力で得たり、被写体のより深い部分に対し充分な照射を行ったりすることが可能となる。さらに、被写体の観察においては、照射光に応じた光応答の明るさを保ったまま高速に光走査できるので、生体のような形態的ないし生物化学的な変化をビデオレートで観察したり解析したりする用途に適している。
本実施形態においては、例えば、光走査装置100が、スキャナ5により走査されたビームを、スキャナ5による走査方向に対して直交する方向に走査する他のスキャナ(図示略、他の走査部)を備えることとしてもよい。
このようにすることで、スキャナ5により同一範囲を連続的に一方向に走査されたビームを他のスキャナによりこれに直交する方向に順次走査し、ビームの2次元的な走査速度を向上することができる。
また、本実施形態においては、偏光切替部および偏光ビームスプリッタを1組備える構成を例示して説明したが、偏光切替部および偏光ビームスプリッタを複数組備えることとしてもよい。例えば、図4に示すように、光源4からのビームの偏光方向を切り替える第1偏光切替部1Aと、第1偏光切替部1AによりS偏光成分のビームが入射されるとそのビームをスキャナ5に向けて反射し、P偏光成分のビームが入射されるとそのビームを透過する第1偏光ビームスプリッタ2Aと、第1偏光ビームスプリッタ2Aを透過したビームの偏光方向を切り替える第2偏光切替部1Bと、第2偏光切替部1BによりS偏光成分のビームが入射されるとそのビームをスキャナ5に向けて反射し、P偏光成分のビームが入射されるとそのビームを透過する第2偏光ビームスプリッタ2Bとを備えることとしてもよい。
図4に示すように、光走査装置100が偏光切替部および偏光ビームスプリッタを2組備える場合には、偏光切替部1A,1Bによる偏光方向の切り替えにより、レーザ光を時間間隔をあけて3種類の光路に分岐することができる。この場合、制御部125の作動により、第1偏光切替部1Aの切り替えタイミングおよび第2偏光切替部1Bの切り替えタイミングとスキャナ5の走査タイミングとをそれぞれ同期させることとすればよい。
また、本実施形態においては、光源4は円偏光のビームを発振し、偏光切替部1の前あるいは偏光切替部1と偏光ビームスプリッタ2の間に1/4波長板のような偏光子(図示略)を備えることとしてもよい。
このようにすることで、円偏光の光源を用いても、偏光ビームスプリッタ2に対して偏光切替部1により偏光方向を切り替えられた直線偏光を入射させることができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第1の実施形態(以下、第2実施形態という。)に係る光走査装置について、図5を参照して説明する。
本実施形態に係る光走査装置110は、偏光ビームスプリッタ(分岐部)111により分岐された各ビームの偏光方向を変えるλ/2波長板107,109と、λ/2波長板107,109により偏光方向を変えられたビームを折り返すミラーペア(ビーム角度設定部)13,14と、折り返された各ビームの光路を合流させる偏光ビームスプリッタ(ビーム角度設定部)112と、コリメートレンズ(ビーム角度設定部)16と、スキャナ5により走査されたビームを収束する集光レンズ21とを備えている。符合15は光源4から発せられたビームを収束する集光レンズを示している。
以下、第1実施形態に係る光走査装置100と構成を共通する箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
図5において、偏光ビームスプリッタ111に入射されたビームのうち、偏光ビームスプリッタ111で反射され、ミラーペア13を経由し、偏光ビームスプリッタ112へ入射される光路を光路101とし、偏光ビームスプリッタ111を透過し、ミラーペア14を経由し、偏光ビームスプリッタ112へ入射される光路を光路201とする。
偏光ビームスプリッタ111は、S偏光成分のビームをミラーペア13に向けて直角に反射し、P偏光成分のビームを透過するようになっている。
λ/2波長板107,109は、直線偏光を維持したままその偏光方向を90°回転させるようになっている。具体的には、λ/2波長板107は、偏光ビームスプリッタ111とミラーペア13との間に配置され、偏光ビームスプリッタ111により反射されたビームをS偏光成分からP偏光成分に変換するようになっている。一方、λ/2波長板109は、偏光ビームスプリッタ111とミラーペア14との間に配置され、偏光ビームスプリッタ111を透過したビームをP偏光成分からS偏光成分に変換するようになっている。
ミラーペア13は、偏光ビームスプリッタ111により反射されたビームを偏光ビームスプリッタ112へ入射させる反射光学系である。このミラーペア13は、1組の第1固定ミラー(ビーム角度設定部)13Aおよび第2固定ミラー(ビーム角度設定部)13Bによって構成されている。第1固定ミラー13Aおよび第2固定ミラー13Bは、偏光ビームスプリッタ111,112に対向して所定の角度に固定された状態で配置されている。
第1固定ミラー13Aは、λ/2波長板107を通過したビームを第2固定ミラー13Bに向けて直角に反射する位置に配置されている。第2固定ミラー13Bは、第1固定ミラー13Aから入射されたビームを偏光ビームスプリッタ112に向けて直角に反射する位置に配置されている。すなわち、ミラーペア13は、偏光ビームスプリッタ111からλ/2波長板107を介して入射されたビームを偏光ビームスプリッタ112に向けて平行に折り返すことができるようになっている。
ミラーペア14は、偏光ビームスプリッタ111を透過したビームを偏光ビームスプリッタ112へ入射させる反射光学系である。このミラーペア14は、ミラーペア13と同様に、偏光ビームスプリッタ111,112に対向して所定の角度に固定された状態で配置された1組の第3固定ミラー(ビーム角度設定部)14Aおよび第4固定ミラー(ビーム角度設定部)14Bにより構成されている。
第3固定ミラー14Aは、λ/2波長板109を通過したビームを第4固定ミラー14Bに向けて直角に反射する位置に配置され、第4固定ミラー14Bは、第3固定ミラー14Aから入射されたビームを偏光ビームスプリッタ112に向けて直角に反射する位置に配置され、偏光ビームスプリッタ111からλ/2波長板109を介して入射されたビームを偏光ビームスプリッタ112に向けて平行に折り返すことができるようになっている。
また、ミラーペア14は、第3固定ミラー14Aと第4固定ミラー14Bがレーザ光の入射方向と入射方向に対して交差する方向とに一体的に移動可能に設けられている。このミラーペア14は、偏光ビームスプリッタ112に対してミラーペア13から入射されるビームの入射位置とは若干ずらした位置にビームを入射させ、折り返したビームの光路長とミラーペア13により折り返されたビームの光路長とが一致するように、第3固定ミラー14Aおよび第4固定ミラー14Bの位置が調節されている。図5において、第3固定ミラー14Aおよび第4固定ミラー14Bは移動量dずつ移動した位置に配置されており、偏光ビームスプリッタ112に対してミラーペア13から入射されるビームの入射位置とは光線ズレ量2dずらした位置にビームを折り返すようになっている。
偏光ビームスプリッタ112は、光路101と光路201を合流させる合流部である。この偏光ビームスプリッタ112は、ミラーペア13から入射されるビームを透過する一方、ミラーペア14から入射されるビームをコリメートレンズ16へ向けて直角に反射するようになっている。また、偏光ビームスプリッタ112は、これらのビームを互いに平行にかつコリメートレンズ16の異なる位置に入射させるようになっている。
コリメートレンズ16は、偏光ビームスプリッタ112により合流された光路のそれぞれのビームを平行光とし、1点に集合させるようになっている。これにより、ミラーペア13,14、偏光ビームスプリッタ112およびコリメートレンズ16は、ビームが切り替えられる2つの光路に同一平面上における相対的な角度を付与し、これらの光路のビームの主光線をスキャナ5の同一点に入射させることができるようになっている。
次に、本実施形態に係る光走査装置110の作用について説明する。
本実施形態に係る光走査装置110によりビームを高速で走査するには、まず、偏光切替部105により、光源4から発せられたビームの偏光方向をP偏光成分とS偏光成分とに高速で切り替える。
偏光切替部105によりビームがS偏光成分に切り替えられると、そのビームは偏光ビームスプリッタ111により反射され、λ/2波長板107によりP偏光成分に変換された後、ミラーペア13により折り返されて偏光ビームスプリッタ112を透過する。一方、偏光切替部105によりビームがP偏光成分に切り替えられると、そのビームは偏光ビームスプリッタ111を透過し、λ/2波長板109によりS偏光成分に変換された後、ミラーペア14により折り返されて偏光ビームスプリッタ112によりミラーペア13からのビームの入射位置とは異なる位置で反射される。
偏光ビームスプリッタ112を透過したP偏光成分のビームおよび偏光ビームスプリッタ112により反射されたS偏光成分のビームは、偏光切替部105の偏光切替タイミングに応じて交互に時間間隔をあけて平行に進み、コリメートレンズ16の異なる位置を透過して同一平面上における相対的な角度が付与され、スキャナ5の同一点に入射させられる。
本実施形態によれば、ミラーペア13とミラーペア14の位置を適切に設定することで、光路101と光路201の光路長をそろえた状態で、光路101,201ごとにビームを偏光ビームスプリッタ112の反射面の異なる位置に入射させることができる。すなわち、偏光ビームスプリッタ112を通過後に光路長が等しく、主光線が互いに平行な2つの光路が形成される。これらの光路のビームがコリメートレンズ16を通過することにより、光路長が等しく互いに角度が異なり1点に集合する平行光となる。
スキャナ5に入射させられた各ビームは、互いに前記平面に沿う方向に走査される。
この場合において、制御部125の作動により、偏光切替部105による偏光方向の切り替えタイミングに同期してスキャナ5により各ビームを走査することで、分岐されたビームごとに、スキャナ5への入射角度に応じて時間間隔をあけて同一範囲を順次走査することができる。また、偏光ビームスプリッタ111,112により、ビームを偏光方向に応じて分岐することで、分岐されたビームの光量を分岐する前のビームの光量に維持することができる。
したがって、本実施形態に係る光走査装置110によれば、偏光切替部105によりビームの偏光方向を瞬間的に連続して切り替えることで、観察面に対してビームを均等に照射しつつ、ビームの利用効率を低減することなく走査速度の向上を図ることができる。また、分岐された光路はそれぞれ光路長が同じになることから、対物レンズにより各ビームが結像される位置が深さ方向に等しくなり、結像面を容易に形成できるという利点も有る。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態(以下、第3実施形態という。)に係る光走査装置および走査型検査装置について、図6を参照して説明する。
本実施形態に係る走査型検査装置200は、試料(被検体)51を保持するスライドガラス等の試料保持部52と、光源30と、光走査装置210と、光走査装置210により走査されたビームを試料51に照射する観察光学系58と、観察光学系58によりビームが照射された試料51からの光を検出する検出部53と、検出部53により光が検出された試料51の画像を表示する表示部54とを備えている。
以下、第1実施形態に係る光走査装置100あるいは第2実施形態に係る光走査装置110と構成を共通する箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
光走査装置210は、第2実施形態に記載の分岐部(偏光ビームスプリッタ111)およびビーム角度設定部(ミラーペア13,14、偏光ビームスプリッタ12、コリメートレンズ16)に対応する構成をもう一組増設した光分波部(マルチビーム化光学系)31を備えている。
具体的には、光走査装置210は、光源30からのビームの偏光方向を切り替える第1偏光切替部105Aと、第1偏光切替部105Aにより偏光方向が切り替えられたビームを分岐する第1分岐部60Aと、ミラー63,64と、ミラー63,64間に配置され、第1分岐部60Aにより分岐された各ビームの偏光方向を切り替える第2偏光切替部105Bと、第2偏光切替部105Bにより偏光方向が切り替えられたビームを分岐する第2分岐部60Bとを備えている。
第1分岐部60Aは、リレーレンズ32と、偏光ビームスプリッタ(分岐部)41と、ミラーペア(ビーム角度設定部)45、46と、偏光ビームスプリッタ(ビーム角度設定部)42と、ミラー61と、リレーレンズ(ビーム角度設定部)33とを備えている。第2分岐部60Bは、リレーレンズ34と、偏光ビームスプリッタ(分岐部)43と、ミラー65と、ミラーペア47、48(ビーム角度設定部)と、偏光ビームスプリッタ(ビーム角度設定部)44と、リレーレンズ(ビーム角度設定部)35とを備えている。
偏光ビームスプリッタ41,42および偏光ビームスプリッタ43,44は、それぞれ第2実施形態の偏光ビームスプリッタ111,112と同様の機能を有している。ミラーペア45,46およびミラーペア47,48は、それぞれ第2実施形態にミラーペア13,14と同様の機能を有している。リレーレンズ33,35は、第2実施形態のコリメートレンズ16と同様の機能を有している。
これらのミラーペア45,46およびミラーペア47,48はいずれもミラー位置(ミラーペア45,46を構成するそれぞれ2つの固定ミラー(ビーム角度設定部)、ミラーペア47,48を構成するそれぞれ2つの固定ミラー(ビーム角度設定部)。)がレーザ光の入射方向および入射方向に対して交差する方向に移動可能(手動または自動)になっており、これらのミラー位置を変更することで各ビームの光路長と、偏光ビームスプリッタ42、44後の主光線間隔を可変にすることができるようになっている。
また、光走査装置210は、第2分岐部60Bにより分岐された各ビームをX方向に走査するスキャナ(走査部、Xガルバノ)39と、スキャナ39により走査されたビームをリレーするリレーレンズ36と、リレーレンズ36からのビームを通過させる範囲を制限するスリット70と、スリット70を通過したビームをリレーするリレーレンズ37と、リレーレンズ37からのビームをスキャナ39による走査方向に対して直交するY方向に走査するスキャナ(他の走査部、Yガルバノ)40と、瞳レンズ38と、偏光切替部105A,105Bによる切り替えタイミングとスキャナ39、40による走査タイミングとを制御する制御部55とを備えている。スキャナ39は、第2実施形態のスキャナ5と同様の機能を有している。
スリット70は、試料の所定の範囲のみにビームが照射されるように、ビームを選択的にカットすることができるようになっている。スリット70の開口部の孔径と形状は、ビームが照射される試料51の範囲により決定する。
スキャナ39,40は、広角共振ガルバノ駆動系である。スキャナ39,40は、分岐したビームごとに試料51の異なる部分領域をそれぞれ走査するように、制御部55により制御されるようになっている。
制御部55は、第2実施形態の制御部125と同様の機能を有している。また、制御部55は、検出部53により検出された試料51からの光とビームの走査位置とを対応づけて2次元情報または3次元情報として復元する復元部として機能するようになっている。
この制御部55は、例えば、適宜、ユーザが所望の観察等を行うことができるように、ユーザからの指示が入力される入力部(例えば、キーボード、入力用マウス、タッチパネル等)を備えていることとしてもよい。また、制御部55は、表示部54に対し、復元した2次元情報または3次元情報を表示させたり、検出した各種数値データや画像データを所望の表示内容に変換して表示させたりすることができるようになっている。
観察光学系58は、瞳レンズ38からのビームを結像させる結像レンズ49と、結像レンズ49により結像されたビームを試料51に照射する対物レンズ50とを備えている。
次に、このように構成された光走査装置210および走査型検査装置200の作用について説明する。
本実施形態に係る走査型検査装置200により試料51を観察するには、まず、第1偏光切替部105Aにより、光源4から発せられたビームの偏光方向をS偏光成分とP偏光成分とに高速で切り替える。
第1偏光切替部105AによりビームがS偏光成分に切り替えられると、そのビームはリレーレンズ32を介して偏光ビームスプリッタ41により反射され、ミラーペア45により折り返された後、偏光ビームスプリッタ42により反射され、ミラー61、リレーレンズ33およびミラー63を介して第2偏光切替部105Bに入射される。
一方、第1偏光切替部105AによりビームがP偏光成分に切り替えられると、そのビームはリレーレンズ32を介して偏光ビームスプリッタ41を透過し、ミラーペア46により折り返された後、偏光ビームスプリッタ42を透過し、ミラー61、リレーレンズ33およびミラー63を介して第2偏光切替部105Bに入射される。
第2偏光切替部105Bに入射されたビームは、その偏光方向が再度S偏光成分とP偏光成分とに切り替えられる。第2偏光切替部105Bに入射されたビームの内、S偏光成分のまま射出されたビームあるいはP偏光成分からS偏光成分に切り替えられて射出されたビームは、ミラー64、リレーレンズ34およびミラー65を介して偏光ビームスプリッタ43により反射され、ミラーペア48により折り返されて偏光ビームスプリッタ44により反射される。
一方、第2偏光切替部105BによりS偏光成分からP偏光成分に切り替えられて射出されたビームあるいはP偏光成分のまま射出されたビームは、ミラー64、リレーレンズ34およびミラー65を介して偏光ビームスプリッタ43を透過し、ミラーペア47により折り返されて偏光ビームスプリッタ44を透過する。
本実施形態においては、第1偏光切替部105Aおよび第2偏光切替部105Bによりビームの偏光方向を切り替えることで、1本のビームを4つの光路に切り替えて第2分岐部60Bから射出させることができる。
偏光ビームスプリッタ44から射出された各ビームは、第1偏光切替部105Aおよび第2偏光切替部105Bの切り替えタイミングに応じて交互に時間間隔をあけて平行に進み、リレーレンズ35の異なる位置を透過して互いに同一平面上における相対的な角度が付与され、スキャナ39の同一箇所に入射させられる。これらのビームは、スキャナ39により互いに前記平面に沿うX方向に走査され、リレーレンズ36により集光された後、時間間隔をあけて順次スリット70を通過させられる。
時間間隔をあけて順次スリット70を通過した各ビームは、リレーレンズ37を介してスキャナ40によりY方向に走査される。この場合において、スキャナ39によって同一範囲を時間間隔をあけて順次X方向に走査された各ビームをスキャナ40によりX方向に対して直交するY方向に一定の速さで走査することで、これらのビームをそれぞれY方向にずらして順次走査することができる。
スキャナ40により走査された各ビームは瞳レンズ38を介して結像レンズ49により結像され、対物レンズ50により試料51に照射される。これにより、各ビームが試料51上で2次元的に連続して走査される。
すなわち、本実施形態においては、スキャナ39の駆動により、分岐されたビームを所望の順番で選択的にスリット70の同一箇所である開口部に向かうように角度付与し、所望の順番で選択的にスリット70を通過させることにより、これらのビームを異なるタイミングで試料51に照射することができる。また、光路長が同一で平行なビームを異なるタイミングでスリット70を通過させるとともに、対物レンズ50の焦点面に対し、分岐されたビームによる部分的なXY平面の焦点面に相当する走査領域において均質な光照射を高速に行うことができる。
試料51にビームが照射されることにより、試料51の内部で発生した光応答としての信号光である蛍光は、試料51を保持する試料保持部52を透過し、検出部53により検出される。検出部53により蛍光が検出されると、制御部55により試料51の画像情報が復元されて表示部54に表示される。
この場合において、偏光切替部105A、105Bによりビームの偏光方向を瞬間的に連続して切り替えることで、観察面に対してビームを均等に照射しつつ、ビームの利用効率を低減することなく走査速度を向上することができる。したがって、本実施形態に係る走査型検査装置200によれば、試料51の広範囲にわたる画像情報を精度よく短時間で取得し観察することができる。
〔第4実施形態〕
本発明の参考例としての発明の第2の参考実施形態(以下、第4実施形態という。)に係る光走査装置について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る光走査装置310は、図7に示されるように、光源304から発せられ集光レンズ315により収束されたビーム(レーザ光)を2つの光路に分岐するビームスプリッタ(分岐部)311と、分岐された各ビームを折り返えす2つのミラーペア(ビーム角度設定部)313,314と、折り返されたレーザ光を透過あるいは反射して相互に平行にするビームスプリッタ(ビーム角度設定部)312と、平行にされた各レーザ光を集合させるコリメートレンズ(ビーム角度設定部)316と、同一箇所に集合させられたビームを同時に走査するガルバノミラーのようなスキャナ(走査部)319と、走査されたビームを収束する集光レンズ321と、収束されたビームを通過させる範囲を制限するスリット323とを備えている。
図7において、ビームスプリッタ311に入射されたビームのうち、ビームスプリッタ311で反射され、ミラーペア313を経由し、ビームスプリッタ312へ入射される光路を光路401とし、ビームスプリッタ311を透過し、ミラーペア314を経由し、ビームスプリッタ312へ入射される光路を光路501とする。
集光レンズ315は、平行光である入射光を収束光にするようになっている。
ビームスプリッタ311は、ビームを光路401と光路501に分岐させる分岐部である。このビームスプリッタ311は、集光レンズ315からのビームの一部をミラーペア313へ向けて直角に反射し、一部を透過させるようになっている。
ミラーペア313は、ビームスプリッタ311により反射されたビームをビームスプリッタ312へ入射させる反射光学系である。このミラーペア313は、1組の第1固定ミラー(ビーム角度設定部)313Aおよび第2固定ミラー(ビーム角度設定部)313Bによって構成されている。第1固定ミラー313Aおよび第2固定ミラー313Bは、ビームスプリッタ311,312に対向して所定の角度に固定された状態で配置されている。
第1固定ミラー313Aは、ビームスプリッタ311により反射されたビームを第2固定ミラー313Bに向けて直角に反射する位置に配置されている。第2固定ミラー313Bは、第1固定ミラー313Aから入射されたビームをビームスプリッタ312に向けて直角に反射する位置に配置されている。すなわち、ミラーペア313は、ビームスプリッタ311から入射されたビームをビームスプリッタ312に向けて平行に折り返すことができるようになっている。
ミラーペア314は、ビームスプリッタ311を透過したビームをビームスプリッタ312へ入射させる反射光学系である。このミラーペア314は、ミラーペア313と同様に、ビームスプリッタ311,312に対向して所定の角度に固定された状態で配置された1組の第3固定ミラー(ビーム角度設定部)314Aおよび第4固定ミラー(ビーム角度設定部)314Bにより構成されている。
第3固定ミラー314Aは、ビームスプリッタ311を透過したビームを第4固定ミラー314Bに向けて直角に反射する位置に配置され、第4固定ミラー314Bは、第3固定ミラー314Aから入射されたビームをビームスプリッタ312に向けて直角に反射する位置に配置され、ビームスプリッタ311から入射されたビームをビームスプリッタ312に向けて平行に折り返すことができるようになっている。
また、ミラーペア314は、第3固定ミラー314Aと第4固定ミラー314Bがレーザ光の入射方向と入射方向に対して交差する方向とに一体的に移動可能に設けられている。このミラーペア314は、ビームスプリッタ312に対してミラーペア313から入射されるビームの入射位置とは若干ずらした位置にビームを入射させ、折り返したビームの光路長とミラーペア313により折り返されたビームの光路長とが一致するように、第3固定ミラー314Aおよび第4固定ミラー314Bの位置が調節されている。図7において、第3固定ミラー314Aおよび第4固定ミラー314Bは移動量dずつ移動した位置に配置されており、ビームスプリッタ312に対してミラーペア313から入射されるビームの入射位置とは光線ズレ量2dずらした位置にビームを折り返すようになっている。
ビームスプリッタ312は、光路401と光路501を合流させる合流部である。このビームスプリッタ312は、ミラーペア313から入射されるビームを透過する一方、ミラーペア314から入射されるビームをコリメートレンズ316へ向けて直角に反射するようになっている。また、ビームスプリッタ312は、これらのビームを互いに平行にかつコリメートレンズ316の異なる位置に入射させるようになっている。
コリメートレンズ316は、ビームスプリッタ312により合流されたそれぞれのビームを平行光とし、1点に集合させるようになっている。これにより、ビームスプリッタ312およびコリメートレンズ316は、2本のビームに同一平面上における相対的な角度を付与し、これらのビームの主光線をスキャナ319の同一点に入射させることができるようになっている。
スキャナ319は、コリメートレンズ316から入射される2本のビームをこれらのビームに沿う前記平面に沿って揺動するようになっている。これにより、スキャナ319は、同一の平面上における異なる角度で同一箇所に入射された2本のビームをその平面に沿う方向に同時に走査することができるようになっている。
次に、このように構成された光走査装置310の作用について説明する。
本実施形態に係る光走査装置310によりビームを高速で走査するには、まず、光源304から発せられ集光レンズ315により収束されたビームをビームスプリッタ311により2つの光路に分岐させる。
ビームスプリッタ311により反射されたビームは、ミラーペア313の第1固定ミラー313Aおよび第2固定ミラー313Bを介して光路を折り返され、ビームスプリッタ312を透過する。一方、ビームスプリッタ311を透過したビームは、ミラーペア314の第3固定ミラー314Aおよび第4固定ミラー314Bを介して光路を折り返され、ビームスプリッタ312におけるミラーペア313からのビームの入射位置とは異なる位置で反射される。
ビームスプリッタ312を透過したビームとビームスプリッタ312により反射されたビームは、互いに平行に進みコリメートレンズ316の異なる位置に入射され、コリメートレンズ316により1点に向かって集合させられる。これにより、これらのビームの主光線は、同一平面上における相対的な角度が付与されてスキャナ319の同一点に入射させられる。
本実施形態によれば、ミラーペア313とミラーペア314の位置を適切に設定することで、光路401と光路402の光路長をそろえた状態で、2本のビームをビームスプリッタ312の反射面の異なる位置に入射させることができる。すなわち、ビームスプリッタ312を通過後に光路長が等しく、主光線が互いに平行な2本のビームが形成される。これらのビームがコリメートレンズ316を通過することにより、光路長が等しく互いに角度が異なり1点に集合する2本の平行光となる。
スキャナ319に入射された各ビームは、互いに前記平面に沿う方向に同時に走査される。これにより、分岐されたビームごとにスキャナ319への入射角度に応じて時間間隔を空けて同一範囲を順次走査させることができる。したがって、スキャナ319により、これらの各ビームを集光レンズ321を介して時間間隔をあけて連続してスリット323を通過させ、観察面上の所定の範囲を順次走査させることができる。
この場合において、ミラーペア313,314により、スキャナ319によって走査される各ビームの光路長を互いに一致させることで、観察面における各ビームの焦点位置を一致させることができる。したがって、本実施形態に係る光走査装置310によれば、試料におけるビームの焦点面を一致させつつ走査速度の向上を図ることができる。
本実施形態においては、ミラーペア314の第3固定ミラー314Aと第4固定ミラー314Bとが移動可能に設けられていることとしたが、ミラーペア313およびミラーペア314の少なくとも一方において、固定ミラー313A,313Bあるいは固定ミラー314A,314Bがレーザ光の入射方向と入射方向に対して交差する方向とに一体的に移動可能に設けられていることとすればよい。
また、本実施形態においては、光走査装置310が、スキャナ319により走査されたビームを、その走査方向に対して直交する方向に走査する他のスキャナ(図示略、他の走査部)を備えることとしてもよい。
このようにすることで、スキャナ319により同一範囲を連続的に一方向に走査された複数のビームを他のスキャナによりこれに直交する方向に順次走査し、ビームの2次元的な走査速度を向上することができる。
また、本実施形態にいては、分岐部としてビームスプリッタ311を例示し、ビーム角度設定部としてビームスプリッタ312を例示して説明したが、例えば、図7に示すように、ビームスプリッタ311の反射面とビームスプリッタ312の反射面とが同一面上に配置される場合は、分岐用と合流用とを兼用する一体化された単一のビームスプリッタを採用することとしてもよい。また、これらのビームスプリッタ311,312に代えて、例えば、ハーフミラーを採用することとしてもよい。
また、本実施形態においては、ビームスプリッタ311,312に代えて、例えば、偏光ビームスプリッタを用いることとしてもよい。この場合、光源304は円偏光のビームを発振するか、あるいは直線偏光のビームを発振し、ビームスプリッタ311の位置に配置する偏光ビームスプリッタの手前に、直線偏光を円偏光に変換するλ/4波長板を配置することとすればよい。また、ビームスプリッタ311の位置に配置する偏光ビームスプリッタとミラーペア313との間に、S偏光成分をP偏光成分に変換するλ/2波長板を配置し、ビームスプリッタ311の位置に配置する偏光ビームスプリッタとミラーペア314との間に、P偏光成分をS偏光成分に変換するλ/2波長板を配置することとすればよい。
〔第5実施形態〕
本発明の参考例としての発明の第3の参考実施形態(以下、第5実施形態という。)に係る光走査装置について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る光走査装置700は、図8に示すように、光源604から発せられたビーム(レーザ光)を透過させ、その偏光方向を調節可能な1/2波長板(偏光方向調節部)601と、1/2波長板601により偏光方向が調節されたビームを2つの光路に分岐する偏光ビームスプリッタ(分岐部)602と、偏光ビームスプリッタ602により分岐された一方のビームを反射する反射光学系(ビーム角度設定部)603と、反射光学系603により反射されたビームと偏光ビームスプリッタ602により分岐された他方のビームとを走査するガルバノミラーのようなスキャナ(走査部)605と、スキャナ605により走査された各レーザ光が通過する範囲を制限するスリット606とを備えている。
また、光走査装置700には、偏光ビームスプリッタ602により分岐された各ビームの強度を検出する光強度検出装置(光強度検出部)607と、光強度検出装置607により検出された各ビームの強度に基づいて、1/2波長板601によるビームの偏光方向の調節を制御する制御部608とが備えられている。
図8において、光源604から発せられたビームの主光線と偏光ビームスプリッタ602における反射面との交点を点Aとする。また、光源604から発せられたビームの主光線と反射光学系603における反射面との交点を点Bとする。また、偏光ビームスプリッタ602からの反射光の主光線と反射光学系603からの反射光の主光線は、スキャナ605の反射面上の1点で交わることとし、その交点を点Cとする。
光源604は、直線偏光のビームを発振するようになっている。
1/2波長板601は、ビームの光軸上に光軸回りに回転可能に設けられており、ビームの光軸方向に直交する光学主軸を有している。この1/2波長板601は、入射されたビームの光学主軸に対する偏光方向の角度に応じて、射出するビームの光学主軸に対する偏光方向の角度を変更することができるようになっている。
具体的には、1/2波長板601は、光学主軸に対する偏光方向の角度がθの直線偏光のビームが入射されると、その偏光方向を2θ回転させて直線偏光のまま射出するようになっている。また、1/2波長板601は、光軸回りの回転角度により決まる光学主軸に対する入射されたビームの偏光方向の角度に応じて、射出するビームの光学主軸に対する偏光方向の角度を連続的に変更することができるようになっている。
1/2波長板601の光軸回りの回転角度は、制御部608により調節されるようになっている。
偏光ビームスプリッタ602は、1/2波長板601を透過したビームを、互いに直交する偏光成分(P偏光成分とS偏光成分。)ごとに光路を分岐するようになっている。具体的には、偏光ビームスプリッタ602は、入射されたビームのS偏光成分をスキャナ605に向けて反射し、入射されたビームのP偏光成分を透過するようになっている。偏光ビームスプリッタ602により反射されたS偏光成分のビームの光路を光路610とし、偏光ビームスプリッタ602を透過したP偏光成分のビームの光路を光路620とする。
反射光学系603は、偏光ビームスプリッタ602を透過したP偏光成分のビームの光路620上に配置されている。この反射光学系603は、入射されるP偏光成分のビームを、偏光ビームスプリッタ602により反射されたS偏光成分のビームと共通の平面に沿ってスキャナ605に向けて反射し、スキャナ605におけるS偏光成分のビームの入射位置と同一の位置に入射させるようになっている。これにより、偏光ビームスプリッタ602により2つの光路610,620に分岐された各ビームは、同一平面上における相対的な角度が付与されてスキャナ605における同一箇所に集合させられる。
スキャナ605は、偏光ビームスプリッタ602から入射されるS偏光成分のビームおよび反射光学系603から入射されるP偏光成分のビームに共通の前記平面に沿って揺動するようになっている。これにより、スキャナ605は、同一の平面上における異なる角度で同一箇所に入射された各ビームをその平面に沿う方向にそれぞれ走査することができるようになっている。
スリット606は、スキャナ605と試料(図示略)との間に配置され、試料の所定の範囲のみにビームが照射されるように、ビームを選択的にカットするようになっている。スリット606の開口部の孔径と形状は、ビームが照射される試料の範囲により決定されている。
光強度検出装置607は、偏光ビームスプリッタ602とスキャナ605との間の光路610を通るビームの強度と、反射光学系603とスキャナ605との間の光路620を通るビームの強度をそれぞれ検出するようになっている。光強度検出装置607により検出された各ビームの強度は、それぞれ制御部608へ出力されようになっている。
制御部608は、光強度検出装置607により検出された各ビームの強度が略等しい場合は、1/2波長板601の光軸回りの回転角度を維持するようになっている。また、制御部608は、光強度検出装置607により検出された各ビームの強度が異なる場合は、1/2波長板601の光軸回りの回転角度を変更し、偏光ビームスプリッタ602によりビームが略均等な強度の2つの光路610,620に分岐される偏光成分の比率となるように、1/2波長板601の光学主軸に対するビームの偏光方向の角度を調節するようになっている。
次に、本実施形態に係る光走査装置700の作用について説明する。
本実施形態に係る光走査装置700により、光源604から発せられたビームを高速で走査するには、まず、光源604からのビームを1/2波長板601を透過させ、その偏光方向を調節する。
1/2波長板601を透過して偏光方向が調節されたビームは、偏光ビームスプリッタ602により、互いに直交するS偏光成分とP偏光成分ごとに2つの光路610,620に分岐される。具体的には、ビームのS偏光成分は、偏光ビームスプリッタ602により反射され、光路610を通ってスキャナ605に入射される。一方、ビームのP偏光成分は、偏光ビームスプリッタ602を透過し、光路620を通って反射光学系603に入射される。
反射光学系603に入射されたP偏光成分のビームは、S偏光成分のビームに対して同一平面上における相対的な角度が付与されて、スキャナ605におけるS偏光成分のビームと同一箇所に入射させられる。そして、これらの各ビームは、スキャナ605により、それぞれ共通の前記平面に沿う方向に走査される。
これにより、分岐されたビームごとに、スキャナ605への入射角度に応じて時間間隔を空けて同一範囲を順次走査される。そして、スキャナ605により走査されたこれら2つのレーザ光の内、所定の範囲内を走査されたレーザ光はスリット606を通過し、所定の範囲外を走査されたレーザ光はスリット606により遮断される。したがって、スリット606を時間間隔をあけて順次通過した複数のレーザ光により、所定の観察範囲を連続的に走査し、これにより、走査速度の向上を図ることができる。
この場合において、光強度検出装置607により、偏光ビームスプリッタ602により反射されたビームの強度と偏光ビームスプリッタ602を透過したビームの強度がそれぞれ検出され、その検出結果に基づいて、制御部608により、偏光ビームスプリッタ602によりレーザ光が略均等な強度の2つの光路610,620に分岐される偏光成分の比率となるように、1/2波長板601によるビームの偏光方向の調節が制御される。
具体的には、光強度検出装置607により検出された各ビームの強度が略等しい場合は、制御部608は、1/2波長板601の光軸回りの回転角度を維持する。一方、偏光ビームスプリッタ602により反射されたビームの強度が偏光ビームスプリッタ602を透過したビームの強度よりも大きい場合は、制御部608により、偏光ビームスプリッタ602に入射されるビームのS偏光成分の比率がP偏光成分の比率よりも小さい偏光方向となるように、1/2波長板601の光軸回りの回転角度が調節される。また、偏光ビームスプリッタ602により反射されたビームの強度が偏光ビームスプリッタ602を透過したビームの強度よりも小さい場合は、制御部608により、偏光ビームスプリッタ602に入射されるビームのS偏光成分の比率がP偏光成分の比率よりも大きい偏光方向となるように、1/2波長板601の光軸回りの回転角度が調節される。
これにより、偏光ビームスプリッタ602により2つの光路に分岐され、それぞれ異なる光路610,620を通ってスキャナ605に入射される各ビームの強度を略均等にすることができる。そして、略均等な明るさの複数のレーザ光により、試料の走査面の同一範囲を順次走査させることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る光走査装置700によれば、偏光ビームスプリッタ602によりレーザ光が略均等な強度の2つの光路に分岐される偏光成分の比率となるように、1/2波長板601によりレーザ光の偏光方向を調節することで、偏光ビームスプリッタ602の反射率および透過率と反射光学系603の反射率に関わらず、略均等な明るさの複数のレーザ光により走査面を順次走査させることができる。したがって、簡易な構成で、走査面における明るさむらを防ぎつつ、走査速度の向上を図ることができる。また、この例でも、分岐された各光路における光強度の比率を比較的任意に調節できるので、光学素子を厳密に選ぶ必要が無く、製造コストや調節の手間が低減される利点がある。
本実施形態によれば、例えば、光走査装置700が、スキャナ605により走査されたビームを、スキャナ605による走査方向に対して直交する方向に走査する他のスキャナ(図示略、他の走査部)を備えることとしてもよい。
このようにすることで、スキャナ605により同一範囲を連続的に一方向に走査されたビームを他のスキャナによりこれに直交する方向に順次走査し、ビームの2次元的な走査速度を向上することができる。
本実施形態は以下のように変形することができる。
本実施形態は、1/2波長板601および偏光ビームスプリッタ602を1組備える構成を例示して説明したが、変形例としては、1/2波長板601および偏光ビームスプリッタ602を複数組備えることとしてもよい。このようにすることで、1/2波長板601および偏光ビームスプリッタ602の組合せを増やした分だけ、ビームの分岐数を増やすことができる。1/2波長板601および偏光ビームスプリッタ602を2組備える構成を図9を参照して説明する。
本変形例に係る光走査装置700は、光源604からのビームの偏光方向を調節する第1の1/2波長板(偏光方向調節部)601Aと、第1の1/2波長板601Aにより偏光方向が調節されたビームのS偏光成分をスキャナ605に向けて反射し、P偏光成分を透過する第1の偏光ビームスプリッタ(分岐部)602Aと、第1の偏光ビームスプリッタ602Aを透過したビームの偏光方向を調節する第2の1/2波長板(偏光方向調節部)601Bと、第2の1/2波長板601Bにより偏光方向が調節されたビームのS偏光成分をスキャナ605に向けて反射し、P偏光成分を透過する第2の偏光ビームスプリッタ(分岐部)602Bとを備えている。
この場合、反射光学系603により、第2の偏光ビームスプリッタ602Bを透過したビームに対して、第1の偏光ビームスプリッタ602Aによって反射されたビームおよび第2の偏光ビームスプリッタ602Bによって反射されたビームと同一平面上における相対的な角度を付与してスキャナ605に向けて反射し、各ビームをスキャナ605における同一箇所に集合させることとすればよい。
また、光強度検出装置607により、第1の偏光ビームスプリッタ602Aによって反射されたビーム、第2の偏光ビームスプリッタ602Bによって反射されたビームおよび反射光学系603によって反射されたビームの強度をそれぞれ検出することとすればよい。また、光強度検出装置607によって検出されるこれらの各ビームの強度が略均等になるように、制御部608Aにより、第1の1/2波長板601Aによるビームの偏光方向の調節を制御するとともに、制御部608Bにより、第2の1/2波長板601Bによるビームの偏光方向の調節を制御することとすればよい。
このようにすることで、ビームを強度が等しい3つの光路に分岐することができる。
〔第6実施形態〕
次に、本発明の参考例としての発明の第4の参考実施形態(以下、第6実施形態という。)に係る光走査装置について、図10を参照して説明する。
本実施形態に係る光走査装置800は、偏光ビームスプリッタ(分岐部)602により2つの光路に分岐された各ビームを折り返すミラーペア(ビーム角度設定部)613,614と、折り返された各ビームの光路を合流させる偏光ビームスプリッタ(ビーム角度設定部)615と、コリメートレンズ(ビーム角度設定部)616と、スキャナ605により走査されたビームを収束光とし、光軸を互いに平行にする集光レンズ617とを備えている。符合618は、1/2波長板601により偏光方向を調節されたビームを収束光に変換する集光レンズを示している。
以下、第5実施形態に係る光走査装置700と構成を共通する箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
偏光ビームスプリッタ602は、1/2波長板601により偏光方向が調節され、集光レンズ618を介して入射されたビームのS偏光成分をミラーペア613に向けて直角に反射し、入射されたビームのP偏光成分を透過するようになっている。
ミラーペア613は、1組の第1固定ミラー(ビーム角度設定部)613Aおよび第2固定ミラー(ビーム角度設定部)613Bによって構成されている。第1固定ミラー613Aおよび第2固定ミラー613Bは、偏光ビームスプリッタ602,615に対向して所定の角度に固定されて配置されている。
第1固定ミラー613Aは、偏光ビームスプリッタ602からのビームを第2固定ミラー613Bに向けて直角に反射する向きに配置されている。第2固定ミラー613Bは、第1固定ミラー613Aから入射されたビームを偏光ビームスプリッタ602に向けて直角に反射する向きに配置されている。すなわち、ミラーペア613は、偏光ビームスプリッタ602から入射されたビームを偏光ビームスプリッタ615に向けて平行に折り返すことができるようになっている。
ミラーペア614は、ミラーペア613と同様に、偏光ビームスプリッタ602,615に対向して所定の角度に固定されて配置された1組の第3固定ミラー(ビーム角度設定部)614Aおよび第4固定ミラー(ビーム角度設定部)614Bにより構成されている。
第3固定ミラー614Aは、偏光ビームスプリッタ602からのビームを第4固定ミラー614Bに向けて直角に反射する向きに配置され、第4固定ミラー614Bは、第3固定ミラー614Aから入射されたビームを偏光ビームスプリッタ602に向けて直角に反射する位置に配置されている。すなわち、ミラーペア614は、偏光ビームスプリッタ602から入射されたビームを偏光ビームスプリッタ615に向けて平行に折り返すことができるようになっている。
また、ミラーペア614は、第3固定ミラー614Aと第4固定ミラー614Bとが移動可能に設けられている。このミラーペア614は、偏光ビームスプリッタ615に対して、ミラーペア613から入射されるビームの入射位置とは若干ずらした位置にビームを入射させ、折り返したビームの光路長がミラーペア613により折り返されたビームの光路長と一致するように、第3固定ミラー614Aおよび第4固定ミラー614Bの位置が調節されている。
図10において、第3固定ミラー614Aおよび第4固定ミラー614Bは、移動量dずつ一方向に移動した位置に配置されており、偏光ビームスプリッタ615に対して、ミラーペア613から入射されるビームの入射位置とは光線ズレ量2dずらした位置に、ビームを折り返して入射させるようになっている。
偏光ビームスプリッタ615は、ミラーペア613により折り返されたビームとミラーペア614により折り返されたビームを合流させることができるようになっている。この偏光ビームスプリッタ615は、ミラーペア613から入射されるビームをコリメートレンズ616へ向けて直角に反射する一方、ミラーペア614から入射されるビームを透過するようになっている。また、偏光ビームスプリッタ615は、これらのビームを互いに平行にかつコリメートレンズ616の異なる位置に入射させるようになっている。
コリメートレンズ616は、偏光ビームスプリッタ615からの各ビームを平行光とし、1点に集合させるようになっている。これにより、ミラーペア613,614、偏光ビームスプリッタ615およびコリメートレンズ616は、2つの光路に分岐した各ビームに同一平面上における相対的な角度を付与し、これらの光路のビームの主光線をスキャナ605の同一点に入射させることができるようになっている。
光強度検出装置607は、偏光ビームスプリッタ615からコリメートレンズ616に入射される2つの光路の各ビームの強度をそれぞれ検出して制御部608へ出力するようになっている。
次に、本実施形態に係る光走査装置800の作用について説明する。
本実施形態に係る光走査装置800により、光源604から発せられたビームを高速で走査するには、1/2波長板601により光源604からのビームの偏光方向を調節し、集光レンズ618により収束光に変換して、偏光ビームスプリッタ602に入射させる。
偏光ビームスプリッタ602に入射されたビームのS偏光成分は反射され、ミラーペア613により折り返されて、偏光ビームスプリッタ615によりコリメートレンズ616に向けて反射される。一方、偏光ビームスプリッタ602に入射されたビームのP偏光成分は透過し、ミラーペア614により折り返されて、偏光ビームスプリッタ615におけるミラーペア613からのビームの入射位置とは異なる位置を透過してコリメートレンズ616に入射される。
この場合において、ミラーペア613とミラーペア614の配置を適切に設定することで、偏光ビームスプリッタ602により反射されたS偏光成分のビームと偏光ビームスプリッタ602を透過したP偏光成分のビームとを光路長を揃えた状態で、ビームごとに偏光ビームスプリッタ615の異なる位置に入射させることができる。すなわち、偏光ビームスプリッタ615を通過後に光路長が等しく、主光線が互いに平行な2つの光路が形成される。
これらの2つの平行な光路の各ビームは、コリメートレンズ616を通過することにより、光路長が等しく互いに角度が異なり1点に集合する平行光となってスキャナ605の同一箇所に入射される。スキャナ605に入射させられた各ビームは、互いに同一平面に沿う方向に走査される。これにより、分岐されたビームごとに、試料におけるビームの焦点面を一致させことができる。
また、光強度検出装置607により、偏光ビームスプリッタ615を反射または透過した2つの光路のビームの強度がそれぞれ検出され、その検出結果に基づいて、制御部608により、偏光ビームスプリッタ602によりレーザ光が略均等な強度の2つの光路610,620に分岐される偏光成分の比率となるように、1/2波長板601によるビームの偏光方向の調節が制御される。
これにより、偏光ビームスプリッタ602により2つの光路に分岐され、それぞれ異なる光路通ってスキャナ605に入射される各ビームの強度を略均等にすることができる。そして、略均等な明るさの複数のレーザ光により、試料の走査面の同一範囲を順次走査させることができる。
したがって、本実施形態に係る光走査装置800によれば、固定ミラー614A,614Bの位置を変更するだけで、折り返すビームの光路長を変更し、スキャナ605により走査される2つのビームの光路長を簡易に一致させることができる。したがって、分岐された各ビームの光路長を等しくした上で、走査面における明るさむらを防ぎつつ、走査速度の向上を図ることができる。これにより、対物レンズにより各ビームが結像される位置が深さ方向に等しくしなり、結像面を容易に形成することができる。
本実施形態においては、ミラーペア614の第3固定ミラー614Aと第4固定ミラー614Bがレーザ光の入射方向と入射方向に対して交差する方向とに一体的に移動可能に設けられていることとしたが、ミラーペア613の第1固定ミラー613Aと第2固定ミラー613Bがレーザ光の入射方向と入射方向に対して交差する方向とに一体的に移動可能に設けられていることとしてもよい。
〔第7実施形態〕
次に、本発明の参考例としての発明の第5の参考実施形態(以下、第7実施形態という。)に係る光走査装置および走査型検査装置について、図11を参照して説明する。
本実施形態に係る走査型検査装置901は、試料(被検体)651を保持するスライドガラス等の試料保持部652と、光源604と、光走査装置900と、光走査装置900により走査されたビームを試料651に照射する観察光学系658と、観察光学系658によりビームが照射された試料651からの光を検出する検出部653と、検出部653により検出された試料651からの光の情報を2次元情報または3次元情報として復元する復元部654と、復元部654により復元された試料651の画像情報を表示する表示部655とを備えている。
以下、第5実施形態に係る光走査装置700あるいは第6実施形態に係る光走査装置800と構成を共通する箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
光走査装置900は、第6実施形態に記載の1/2波長板601、分岐部(偏光ビームスプリッタ602)およびビーム角度設定部(ミラーペア613,614、ビームスプリッタ615、コリメートレンズ616)に対応する構成をもう一組増設した光分波部(マルチビーム化光学系)631を備え、光源604から発せられたビームを4つの光路に分岐することができるようになっている。
具体的には、光走査装置900は、光源604からのビームの偏光方向を調節する第1の1/2波長板601Cと、第1の1/2波長板601Cにより偏光方向が切り替えられたビームを分岐する第1分岐部660Cと、ミラー663,664と、ミラー663,664間に配置され、第1分岐部660Cにより分岐された各ビームの偏光方向を調節する第2の1/2波長板601Dと、第2の1/2波長板601Dにより偏光方向を調節されたビームを2つの光路に分岐する第2分岐部660Dとを備えている。
第1分岐部660Cは、リレーレンズ632と、偏光ビームスプリッタ(分岐部)602Cと、ミラーペア(ビーム角度設定部)613C、614Cと、偏光ビームスプリッタ(ビーム角度設定部)615Cと、ミラー633と、リレーレンズ(ビーム角度設定部)616Cとを備えている。
第2分岐部660Dは、リレーレンズ634と、ミラー635と、偏光ビームスプリッタ(分岐部)602Dと、ミラーペア(ビーム角度設定部)613D,614Dと、偏光ビームスプリッタ(ビーム角度設定部)615Dと、リレーレンズ(ビーム角度設定部)616Dとを備えている。
偏光ビームスプリッタ602C,602Dおよび偏光ビームスプリッタ615C,615Dは、それぞれ第6実施形態に記載の偏光ビームスプリッタ602および偏光ビームスプリッタ615と同様の機能を有している。ミラーペア613C,614Cおよびミラーペア613D,614Dは、それぞれ第6実施形態に記載のミラーペア613およびミラーペア614と同様の機能を有している。リレーレンズ616C,616Dは、第6実施形態に記載のコリメートレンズ616と同様の機能を有している。
これらのミラーペア613C,614Cおよびミラーペア613D,614Dはいずれもミラー位置(ミラーペア613C,614Cを構成するそれぞれ2つの固定ミラー(ビーム角度設定部)613A,613B、ミラーペア613D,614Dを構成するそれぞれ2つの固定ミラー(ビーム角度設定部)613A,613B。)がレーザ光の入射方向および入射方向に対して交差する方向に移動可能(手動または自動)に設けられており、これらのミラー位置を変更することで各ビームの光路長と、偏光ビームスプリッタ615C,615D後の主光線間隔を可変にすることができるようになっている。
また、光走査装置900は、第2分岐部660Dにより分岐された各ビームをX方向に走査するスキャナ(走査部、Xガルバノ)605と、スキャナ605により走査されたビームを収束光とし、光軸を互いに平行にする集光レンズ617と、集光レンズ617からのビームを通過させる範囲を制限するスリット606と、スリット606を通過したビームをリレーするリレーレンズ637と、リレーレンズ637からのビームをスキャナ605による走査方向に対して直交するY方向に走査するスキャナ(他の走査部、Yガルバノ)638と、瞳レンズ639とを備えている。
スキャナ605,638により、第1分岐部660Cおよび第2分岐部660Dにより4つの分岐したビームは、試料651の異なる部分領域をそれぞれ走査するようになっている。
復元部654は、検出部653により検出された試料651からの光とビームの走査位置とを対応づけて2次元情報または3次元情報として復元することができるようになっている。この復元部654は、例えば、適宜、ユーザが所望の観察等を行うことができるように、ユーザからの指示が入力される入力部(例えば、キーボード、入力用マウス、タッチパネル等)を備えていることとしてもよい。また、復元部654は、表示部655に対し、復元した2次元情報または3次元情報を表示させたり、検出した各種数値データや画像データを所望の表示内容に変換して表示させたりすることができるようになっている。
観察光学系658は、瞳レンズ639からのビームを結像させる結像レンズ649と、結像レンズ649により結像されたビームを試料651に照射する対物レンズ650とを備えている。
また、光走査装置900は、光強度検出部607により、集光レンズ616Dとスキャナ605との間の4つの光路を通る各ビームの強度を検出し、制御部608により、第1の1/2波長板601C,第2の1/2波長板601Dによるビームの偏光方向の調節を制御するようになっている。
次に、このように構成された光走査装置900および走査型検査装置901の作用について説明する。
本実施形態に係る走査型検査装置901により試料651を観察するには、まず、光源604からビームを発生し、第1の1/2波長板601Cにより偏光方向を調節して、リレーレンズ632を介して偏光ビームスプリッタ602Cに入射させる。
偏光ビームスプリッタ602Cに入射されたビームのS偏光成分は反射され、ミラーペア613Cにより折り返された後、偏光ビームスプリッタ615Cにより反射され、ミラー633、リレーレンズ616Cおよびミラー663を介して第2の1/2波長板601Dに入射される。
一方、偏光ビームスプリッタ602Cに入射されたビームP偏光成分は透過し、ミラーペア614Cにより折り返された後、偏光ビームスプリッタ615Cを透過し、ミラー633、リレーレンズ616Cおよびミラー663を介して第2の1/2波長板601Dに入射される。
第2の1/2波長板601Dに入射された2つの光路の各ビームは、それぞれ偏光方向が調節され、ミラー664、リレーレンズ634およびミラー635を介して偏光ビームスプリッタ602Dに入射される。
偏光ビームスプリッタ602Dに入射された各ビームのS偏光成分はそれぞれ反射され、ミラーペア613Dにより折り返されて偏光ビームスプリッタ615Dにより反射される。
一方、偏光ビームスプリッタ602Dに入射された各ビームのP偏光成分はそれぞれ透過し、ミラーペア614Dにより折り返されて、偏光ビームスプリッタ615Dを透過する。
本実施形態においては、偏光ビームスプリッタ602Cによりビームを互いに直交する偏光成分ごとに2つの光路に分岐するとともに、偏光ビームスプリッタ602Dにより2つの光路の各ビームをそれぞれ互いに直交する偏光成分ごとに2つの光路に分岐することで、4つの光路に分岐されたビームを偏光ビームスプリッタ615Dから射出させることができる。
偏光ビームスプリッタ615Dから射出された4つの光路の各ビームは、互いにリレーレンズ616Dの異なる位置を透過して互いに同一平面上における相対的な角度が付与され、スキャナ605の同一箇所に入射させられる。これらのビームは、スキャナ605により互いに前記同一平面に沿うX方向に走査され、集光レンズ617により光軸を互いに平行にされた後、時間間隔をあけて順次スリット606を通過させられる。
スリット606を通過した各ビームは、リレーレンズ637を介してスキャナ638によりY方向に走査される。この場合において、スキャナ605によって同一範囲を時間間隔をあけて順次X方向に走査された各ビームを、スキャナ638によりX方向に対して直交するY方向に一定の速さで走査することで、これらのビームをそれぞれY方向に位置をずらして順次走査することができる。
スキャナ638により走査された各ビームは、瞳レンズ639を介して結像レンズ649により結像され、対物レンズ650により試料651に照射される。これにより、各ビームが試料651上で2次元的に連続して走査される。
すなわち、本実施形態においては、スキャナ605の駆動により、分岐されたビームを所望の順番で選択的にスリット606の同一箇所である開口部に向かうように角度を付与し、所望の順番で選択的にスリット606を通過させることにより、これらのビームを異なるタイミングで試料651に照射することができる。また、光路長が同一で平行なビームを異なるタイミングでスリット606を通過させるとともに、対物レンズ650の焦点面に対し、分岐されたビームによる部分的なXY平面の焦点面に相当する走査領域において、均質な光照射を高速に行うことができる。
試料651にビームが照射されることにより、試料651の内部で発生した光応答としての信号光である蛍光は、試料651を保持する試料保持部652を透過し、検出部653により検出される。検出部653により蛍光が検出されると、復元部654により試料651の画像情報が復元されて表示部655に表示される。
この場合において、光強度検出装置607により検出された各ビームの強度に基づいて、1/2波長板601C、601Dにより、偏光ビームスプリッタ602C,602Dにより略均等な強度で分岐される偏光成分の比率になるように、ビームの偏光方向をそれぞれ調節することで、観察面に対して略均等な明るさの複数のビームにより走査面を走査しつつ、走査速度を向上することができる。したがって、本実施形態に係る走査型検査装置901によれば、試料651の広範囲にわたる明るさむらのない画像情報を短時間で取得し観察することができる。
〔第8実施形態〕
次に、本発明の参考例としての発明の第6の参考実施形態(以下、第8実施形態という。)に係る光走査装置および走査型検査装置について説明する。
本実施形態に係る光走査装置1000は、図12に示すように、光源(図示略)から発せられたビーム(レーザ光)の偏光方向を調節する第1偏光可変素子(偏光調節部)1001と、第1偏光可変素子1001により偏光方向が調節されたビームを偏光方向に応じて2つの光路に分岐する第1偏光ビームスプリッタ(分岐部)1003と、分岐された各ビームを収束させる第1収束レンズ1005A,1005Bと、収束された各ビームをそれぞれ折り返す可動ミラー(ビーム角度設定部)1007A,1007Bと、折り返された各ビームの光路を合流させる第2偏光ビームスプリッタ(ビーム角度設定部)1009とを備えている。
以下、第5実施形態に係る光走査装置700あるいは第7実施形態に係る光走査装置900および走査型検査装置901と構成を共通する箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
光源は、例えば、上記光源304と同様の構成を有し、直線偏光のビームを発振するようになっている。
第1偏光可変素子1001は、第1偏光ビームスプリッタ1003によりビームが強度比1:1で2つの光路に分岐されるように、第1偏光ビームスプリッタ1003に入射させるビームの偏光成分を調節するようになっている。
本実施形態においては、第1偏光可変素子1001として、例えばλ/4波長板を使用し、光源から発せられた直線偏光のビームをS偏光成分とP偏光成分を含む円偏光のビームに変換するようになっている。
第1偏光ビームスプリッタ1003は、偏光ビームスプリッタ111と同様の構成を有している。この第1偏光ビームスプリッタ1003は、入射される円偏光のビームのうち、S偏光成分を直角に反射し、P偏光成分を透過させるようになっている。
第1収束レンズ1005A,1005Bは、それぞれ焦点距離fを有している。
可動ミラー1007A,1007Bは、上記ミラーペア13,14と同様の構成を有している。この可動ミラー可動ミラー1007A,1007Bは、第1偏光ビームスプリッタ1003から入射されるS偏光成分のビームまたはP偏光成分のビームをそれぞれ平行に折り返して、第2偏光ビームスプリッタ1009に入射させることができるようになっている。
また、可動ミラー1007A,1007Bは、ミラー位置(可動ミラー1007A,1007Bを構成するそれぞれ2つの固定ミラー(ビーム角度設定部)の位置)が、ビームの入射方向に対して直交する方向に手動または自動によって一体で移動することができるようになっている。この可動ミラー1007A,1007Bは、上記ミラー位置を変更することにより、各ビームの光路長と第2偏光ビームスプリッタ1009の主光線間隔を可変にすることができるようになっている。
図12において、第1偏光ビームスプリッタ1003により分岐された直線偏光のビームのうち、可動ミラー1007Aを経由して第2偏光ビームスプリッタ1009に入射されるビームの光路を光路1030Aとし、可動ミラー1007Bを経由して、第2偏光ビームスプリッタ1009に入射されるビームの光路を光路1030Bとする。
第2偏光ビームスプリッタ1009は、偏光ビームスプリッタ112と同様の構成を有している。第2偏光ビームスプリッタ1009には、光路1030Aを通るビームと光路1030Bを通るビームとが、異なる方向から互いに位置をずらして入射されるようになっている。また、第2偏光ビームスプリッタ1009は、S偏光成分のビームを直角に反射し、P偏光成分のビームを透過させるようになっている。
これにより、第2偏光ビームスプリッタ1009に異なる方向から入射された2つの光束のビームは、同一方向に向かって互いに主光線が平行になって射出され、第1収束レンズ1005A,1005Bから焦点距離fの位置にある第1結像面1041上または第2結像面1042上の異なる位置にそれぞれ集光点を結ぶようになっている。
また、光走査装置1000は、第2偏光ビームスプリッタ1009から射出される各ビームを反射するミラー(再入射ミラー)1011およびミラー(再入射ミラー)1013と、ミラー1011およびミラー1013により反射されたビームを収束させる第2収束レンズ1015と、収束されたビームを反射するミラー(再入射ミラー)1017およびミラー(再入射ミラー)1019と、ミラー1019により反射されたビームの偏光方向を調節する第2偏光可変素子(偏光調節部)1021と、第2偏光可変素子1021により偏光方向が調節されたビームを反射して、上記第1偏光ビームスプリッタ1003に再度入射させるミラー1023とを備えている。
第2収束レンズ1015は、焦点距離2fを有している。
第2偏光可変素子1021は、第1偏光可変素子1001と同様の構成を有しており、第1偏光ビームスプリッタ1003によりビームが強度比1:1で2つの光路に分岐されるように、第1偏光ビームスプリッタ1003に再度入射させるビームの偏光成分を調節することができるようになっている。
具体的には、第2偏光可変素子1021として、λ/4波長板を使用し、直線偏光のビームをS偏光成分とP偏光成分を含む円偏光のビームに変換するようになっている。また、第2偏光可変素子1021は、第1偏光ビームスプリッタ10005に対して、第1偏光可変素子1001からのビームとは異なる方向からビームを入射させるようになっている。
これにより、第1偏光ビームスプリッタ1003において、第2偏光可変素子1021から入射される2つの光束の各ビームが、それぞれS偏光成分のビームとP偏光成分のビームの2つの光路に分岐され、合計4つの光束のビームが射出されるようになっている。
第1偏光ビームスプリッタ1003から射出される4つの光束の各ビームは、光路1003Aまたは光路1030Bを介して第2偏光ビームスプリッタ1009に再度入射されるようになっている。第2偏光ビームスプリッタ1009に再度入射された4つの光束の各ビームは、S偏光成分が内部で直角に反射されてP偏光成分が内部を透過することにより、同一方向に向かって互いに主光線が平行になって射出されるようになっている。これにより、4つの光束のビームが第2結像面1042上の異なる位置にそれぞれ集光点を結ぶようになっている。
さらに、光走査装置1000には、第2結像面1042上の異なる位置にそれぞれ集光点を結ぶ4つの光束の各ビームを同一箇所に集合させるコリメートレンズ(ビーム角度設定部)と、コリメートレンズにより集合させられたビームを走査するガルバノミラーのようなスキャナ(走査部)とが備えられている(いずれも図示略)。
これらのコリメートレンズ、スキャナは、それぞれ上記コリメートレンズ16、スキャナ5と同様の構成を有している。したがって、可動ミラー1007A,1007B、第2偏光ビームスプリッタ1009およびコリメートレンズは、ビームが分岐される4つの光路に同一平面上における相対的な角度を付与し、これらのビームの主光線をスキャナの同一点に入射させるようになっている。
また、4つの光束のビームに沿う平面に直交する揺動軸回りにスキャナが揺動し、スキャナの同一箇所に異なる角度で入射される各ビームをその平面に沿う方向にそれぞれ走査するようになっている。
スキャナ以降の構成、例えば、集光レンズ617、スリット606、リレーレンズ637、スキャナ(他の走査部、Yガルバノ)638、瞳レンズ639、および、走査型検査装置901の試料保持部652、観察光学系658、検出部653、復元部654、表示部655等の構成は第7実施形態と同様であるので説明を省略する。
このように構成された本実施形態に係る光走査装置1000の作用について説明する。
本実施形態に係る光走査装置1000によりビームを高速で走査するには、まず、光源から発せられる直線偏光のビームを第1偏光可変素子1001に入射させる。
第1偏光可変素子1001に入射されたビームは、第1偏光ビームスプリッタ1003において強度比1:1で光路が分岐されるように、S偏光成分とP偏光成分を含む円偏光に変換されて射出される。第1偏光可変素子1001から射出されたビームは、第1偏光ビームスプリッタ1003に入射される。
第1偏光ビームスプリッタ1003に入射したビームは、図13に示すように、S偏光成分が内部で反射されて光路1030Aに進み、P偏光成分が内部を透過して光路1030Bに進む。これにより、第1偏光ビームスプリッタ1003において、1光束のビームが2光束に分岐される。
次いで、光路1030Aに進むS偏光成分のビームは、第1収束レンズ1005Aにより収束され、可動ミラー1007Aにより折り返されて第2偏光ビームスプリッタ1009により反射される。一方、光路1030Bに進むP偏光成分のビームは、第1収束レンズ1005Bにより収束され、可動ミラー1007Bにより折り返されて第2偏光ビームスプリッタ1009における光路1030Aからのビームの入射位置とは異なる位置を透過する。以下、図13において、1周目(1度目)に光路1030Aを通る光束を光束1031Aとし、1周目に光路1030Bを通る光束を光束1031Bとする。
ここで、第2偏光ビームスプリッタ1009により反射される光束1031Aのビームと第2偏光ビームスプリッタ1009を透過する光束1031Bのビームの主光線が互いに平行で距離間隔がLの2光束となるように、可動ミラー1007A,1007Bの位置を調節し、各ビームを第1結像面1041上にそれぞれ集光させる。
この場合において、可動ミラー1007A,1007Bの少なくとも一方を入射光および反射光の光軸に対して直交する方向に移動させることにより、第1収束レンズ1005A,1005Bから第1結像面1041までの光路長を変更することなく、主光線の距離間隔を変更することができる。可動ミラー1007A,1007Bの移動範囲は、第2偏光ビームスプリッタ1009から光束が外れない範囲とする。
次に、第1結像面1041上に集光した光束1031A,1031Bの各ビームは、図14に示すように、ミラー1011およびミラー1013を介して第2収束レンズ1015に入射する。各ビームは、第2収束レンズ1015によりそれぞれ平行光となり、ミラー1017およびミラー1019を介して第2偏光可変素子1021に入射する。
第2偏光可変素子1021に入射した直線偏光の各ビームは、第1偏光ビームスプリッタ1003において強度比1:1で光路が分岐されるように、それぞれS偏光成分とP偏光成分を含む円偏光のビームに変換されて射出される。第2偏光可変素子1021から射出された各ビームは、ミラー1023により反射されて、第1偏光可変素子1001とは異なる方向から第1偏光ビームスプリッタ1003に再度入射される。
第1偏光ビームスプリッタ1003に再度入射した各光束のビームは、それぞれP偏光成分が内部を透過して光路1030Aに進み、S偏光成分が内部で反射されて光路1030Bに進む。これにより、第1偏光ビームスプリッタ1003において、2光束のビームが4光束に分岐される。
光路1030Aに進むP偏光成分の各ビームは、可動ミラー1007Aにより折り返されて、第2偏光ビームスプリッタ1009を透過する。一方、光路1030Bに進むS偏光成分の各ビームは、可動ミラー1007Bにより折り返されて、第2偏光ビームスプリッタ1009における光路1030Aからのビームの入射位置とは異なる位置で反射される。これにより、第2偏光ビームスプリッタ1009から4つの光束のビームが互いに平行になって射出されて第2結像面1042上に集光される。
ここで、第1偏光ビームスプリッタ1003において、1周目に反射され2周目は透過するビーム、すなわち、1周目も2周目も光路1030Aを通るビームの光束を第1光束1032AAとし、1周目に透過し2周目も透過するビーム、すなわち、1周目は光路1030Bを通り2周目は光路1030Aを通るビームの光束を第2光束1032BAとする。
また、第1偏光ビームスプリッタ1003において、1周目に反射され2周目も反射されるビーム、すなわち、1周目に光路1030Aを通り2周目に光路1030Bを通るビームの光束を第3光束1032ABとし、1周目に透過し2周目は反射されるビーム、すなわち、1周目も2周目も光路1030Bを通るビームの光束を第4光束1032BBとする。
第1光束1032AAのビームと第2光束1032BAのビームは、第1結像面1041では主光線の距離間隔がLであるが、第1収束レンズ1005Bの焦点距離fが第2収束レンズ1015の焦点距離2fの1/2倍であることから、第1収束レンズ1005Aにより主光線の距離間隔が1/2倍となる。
同様にして、第3光束1032ABのビームと第4光束1032BBのビームは、第1結像面1041では主光線の距離間隔がLであるが、第1収束レンズ1005Bの焦点距離fが第2収束レンズ1015の焦点距離2fの1/2倍であることから、第1収束レンズ1005Bにより主光線の距離間隔が1/2倍となる。
この場合において、第1結像面1041における各主光線の距離間隔がLとなるように可動ミラー1007A,1007Bを配置していることにより、4つの光束1032AA、1032BA,1032AB,1032BBが合流する第2の結像面1042では、第1光束1032AAのビームと第2光束1032BAのビームの各主光線の中点と、第3光束1032ABのビームと第4光束1032BBのビームの各主光線の中点の距離間隔がLとなる。つまり、4つの光束1032BA、1032AA,1032BB,1032ABの距離間隔はL/2ずつとなる。
次いで、第2結像面1042に結像した4つの光束1032BA、1032AA,1032BB,1032ABの各ビームは、コリメートレンズの異なる位置を透過して同一平面上における相対的な角度が付与され、スキャナの同一箇所に入射されて前記平面に沿う方向に走査される。これにより、4つの光束に分岐されたビームごとに、スキャナへの入射角度に応じて時間間隔を空けて同一範囲を順次走査することができる。
この場合において、可動ミラー1007A,1007Bの少なくとも一方を移動させるだけで、第1収束レンズ1005A,1005Bから第1結像面1041までの光路長を変更することなく、4つの光束1032BA、1032AA,1032BB,1032ABの距離間隔を等間隔のまま変更することができる。
以上説明したように本実施形態に係る光走査装置1000によれば、同一の第1偏光ビームスプリッタ1003および第2偏光ビームスプリッタ1009に対して、偏光成分を調節したビームを異なる方向から2回通過させることで、1光束のビームを4つの光束に分岐させて走査速度の高速化を図るとともに、小型化、部品点数の削減およびコストの低減を図ることができる。
また、4つの光束の距離間隔を変更する場合(ズームする場合)に、少なくとも一方の可動ミラー1007A,1007Bを移動させるだけでよく、調整箇所が1点で済み操作を簡便化することができる。
本実施形態においては、第1収束レンズ1005A,1005Bの焦点距離を第2収束レンズ1015の焦点距離の1/2としたが、第1収束レンズ1005A,1005Bの焦点距離を第2収束レンズ1015の焦点距離の2倍にしてもよい。この場合、第1収束レンズ1005A,1005Bを2周目に通過した直後の各ビームの光束の距離間隔(第1光束1032AAと第2光束1032BAの距離間隔および第3光束1032ABと第4光束1032BBの距離間隔)はそれぞれ2Lとなり、第2偏光ビームスプリッタ1009を通過する最終的な4光束の距離間隔はLずつとなる。
上記各実施形態においては、光源として、連続光とパルス光のいずれでも同様の効果を実現できる。よって、使用する光学機器の用途に応じて、任意の条件の光をマルチビーム化することが可能である。
また、上記各実施形態においては、検出部として、CCDやCMOSのような複数の画素を有する撮像デバイスを採用することもできるが、被写体からの信号光が時間的に重ならないので、フォトダイオード(PD)や光電子倍増管(PMT)等の1つの検出部で信号を連続的に検出することとしてもよい。このようにすることで、検出部を小型かつ安価にすることができるという利点もある。
また、上記各実施形態においては、共振ガルバノミラー等の光走査用の走査部をさらに高速化することが可能となる。例えば、上述した例のように、光源からのビームを2つまたは4つの光路に分岐することにより、従来の共振ガルバノミラーだけによる走査速度を2倍または4倍に高速化することができる。また、上記各実施形態においては、ビームを2つの光路に分岐させる分岐部を増設するだけの簡単な構成により、上述した作用効果を維持しつつ、さらなる高速化を達成できるという利点も有している。
また、上記実施形態においては、第1偏光可変素子1001、第2偏光可変素子1021として、光弾性素子や電気光学結晶等、偏光方向を瞬間的に切り換える偏光切替素子を用いることとしてもよい。この場合、第5実施形態と同様に偏光方向の切り替えタイミングとスキャナ(走査部)による走査タイミングとを制御する制御部を備えることとすればよい。このようにすることで、ビームの利用効率を低減することなく走査速度の向上を図ることができる。
本発明は上述した実施形態に記載されるレーザ走査型蛍光顕微鏡に限定されず、他の光ビーム走査型観察装置、例えばレーザ走査型内視鏡に適用してよく、これにより細胞や組織などの生体の観察をリアルタイムに実施できる。また、上述した例のように、本発明は、ビームを同一の光路長に調整するような光学設計であれば、図3に示すように、使用する目的(例えば観察する倍率の変更やズーミング等)に応じて任意の光路長に変更できるように構成してもよい。また、上述した例では、XY方向の光走査について述べたが、Z方向を含む走査領域(例えば、XZ方向、YZ方向、XYZ方向)に対し光走査するように構成してもよい。
また、上述した例のように、本発明は、ビームを同一の光路長に調整するような光学設計であれば、図6に示すように、使用する目的(例えば観察する倍率の変更やズーミング等)に応じて任意の光路長に変更できるように構成してもよい。
また、上述した例のように、本実施形態は、ビームを同一の光路長に調整するような光学設計であれば、図10に示すように、使用する目的(例えば、観察する倍率の変更やズーミング等)に応じて、任意の光束間隔に変更できるように構成してもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、本発明を上記の各実施形態および変形例に適用したものに限定されることなく、これらの実施形態および変形例を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定されるものではない。また、例えば、第3,7実施形態においては、分岐部およびビーム角度設定部を2組備えた構成によりビームを4つの光路に分岐することを例示して説明したが、これらの分岐部およびビーム角度設定部を3組以上組み合わせることとしてもよい。
また、上記第5実施形態においては、光強度検出装置607により各ビームの強度を検出し、制御部608により1/2波長板601によるビームの偏光方向の調節を制御することとしたが、これに代えて、例えば、ユーザが強度検出装置(図示略)を用いてビームの強度を検出し、その検出結果に基づいて、1/2波長板601の光軸回りの回転角度をユーザが手動で調節することにより、ビームの偏光方向を調節することとしてもよい。
1,1A,1B,105A,105B 偏光切替部
2,2A,2B,41,43,111 偏光ビームスプリッタ(分岐部)
3 反射光学系(ビーム角度設定部)
13,14,45,46,47,48 ミラーペア(ビーム角度設定部)
13A 第1固定ミラー(ビーム角度設定部、固定ミラー)
13B 第2固定ミラー(ビーム角度設定部、固定ミラー)
14A 第3固定ミラー(ビーム角度設定部、固定ミラー)
14B 第4固定ミラー(ビーム角度設定部、固定ミラー)
16 コリメートレンズ(ビーム角度設定部、レンズ)
5,39,40 スキャナ(走査部)
21,70 スリット
33,35 リレーレンズ(ビーム角度設定部、レンズ)
53 検出部
54 表示部
55,125 制御部(復元部)
58 観察光学系
100,110,210 光走査装置
112 偏光ビームスプリッタ(ビーム角度設定部)
200 走査型検査装置
310 光走査装置
311 ビームスプリッタ(分岐部)
312 ビームスプリッタ
313,314 ミラーペア(ビーム角度設定部)
313A 第1固定ミラー(ビーム角度設定部、固定ミラー)
313B 第2固定ミラー(ビーム角度設定部、固定ミラー)
314A 第3固定ミラー(ビーム角度設定部、固定ミラー)
314B 第4固定ミラー(ビーム角度設定部、固定ミラー)
316 コリメートレンズ(ビーム角度設定部、レンズ)
319 スキャナ(走査部)
323 スリット
601,601A,601B,601C,601D 1/2波長板(偏光方向調節部)
602,602A,602B,602C,602D 偏光ビームスプリッタ(分岐部)
603 反射光学系(ビーム角度設定部)
605 スキャナ(走査部)
606 スリット
607 光強度検出装置(光強度検出部)
608 制御部
613,614 ミラーペア(ビーム角度設定部)
613A 第1固定ミラー(ビーム角度設定部、固定ミラー)
613B 第2固定ミラー(ビーム角度設定部、固定ミラー)
613C ミラーペア(ビーム角度設定部)
613D ミラーペア(ビーム角度設定部)
614A 第3固定ミラー(ビーム角度設定部、固定ミラー)
614B 第3固定ミラー(ビーム角度設定部、固定ミラー)
614C ミラーペア(ビーム角度設定部)
614D ミラーペア(ビーム角度設定部)
615,615C,615D 偏光ビームスプリッタ(ビーム角度設定部)
616 コリメートレンズ(ビーム角度設定部、レンズ)
616C,616D リレーレンズ(ビーム角度設定部、レンズ)
638 スキャナ(他の走査部)
653 検出部
654 復元部
655 表示部
658 観察光学系
700,800,900、1000 光走査装置
901 走査型検査装置
1001 第1偏光可変素子(偏光調節部)
1003 第1偏光ビームスプリッタ(分岐部)
1007A,1007B 可動ミラー(ビーム角度設定部)
1009 第2偏光ビームスプリッタ(ビーム角度設定部)
1011 ミラー(再入射ミラー)
1013 ミラー(再入射ミラー)
1017 ミラー(再入射ミラー)
1019 ミラー(再入射ミラー)
1021 第2偏光可変素子(偏光調節部)

Claims (4)

  1. レーザ光の偏光方向を所定の切り替えタイミングで切り替える偏光切替部と、
    該偏光切替部により切り替えられた偏光方向に応じて前記レーザ光を2つの光路に分岐する1以上の分岐部と、
    該分岐部により分岐された各前記レーザ光に同一平面上における相対的な角度を付与し、これらのレーザ光を同一箇所に集合させるビーム角度設定部と、
    該ビーム角度設定部により前記同一箇所に集合させられた前記レーザ光を前記切り替えタイミングに同期して前記平面に沿う方向に走査する走査部とを備え
    前記ビーム角度設定部が、前記分岐部に対向して所定の角度に固定された状態で、前記レーザ光の入射方向に一体的に移動可能に設けられた2つ以上の固定ミラーと、各前記レーザ光を透過あるいは反射して相互に平行にするビームスプリッタと、該ビームスプリッタにより平行にされた各前記レーザ光を集合させるレンズとを備え、
    前記2つ以上の固定ミラーが、前記分岐部により分岐された各前記レーザ光を順に反射して、所定の距離で折り返し、折り返した各レーザ光を前記ビームスプリッタの相互に異なる位置に入射させる光走査装置。
  2. 前記走査部により走査された前記レーザ光を該走査部による走査方向に対して直交する方向に走査する他の走査部を備える請求項1に記載の光走査装置。
  3. 請求項2に記載の光走査装置と、
    該光走査装置により走査された前記レーザ光を被検体に照射する観察光学系と、
    該観察光学系により前記レーザ光が照射された前記被検体からの光を検出する検出部とを備える走査型検査装置。
  4. 前記検出部により検出された前記被検体からの光と前記レーザ光の走査位置とを対応づけて2次元情報または3次元情報として復元する復元部と、
    該復元部により復元された前記2次元情報または3次元情報を表示する表示部とを備える請求項3に記載の走査型検査装置。
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