JP2016052672A - レーザー加工装置 - Google Patents

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圭司 能丸
片山 浩一
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Abstract

【課題】パルスレーザー光線を2経路に分岐しても、夫々のパルスレーザー光線のパワー密度を低下させることなく加工することができるレーザー加工装置を提供する。【解決手段】レーザー光線照射手段5は、所定の繰り返し周波数でパルスレーザー光線を発振するパルスレーザー光線発振器51と、パルスレーザー光線発振器から発振されたパルスレーザー光線を集光する第1の集光器52aおよび第2の集光器52bと、該パルスレーザー光線発振器から発振されたパルスレーザー光線を第1の集光器および第2の集光器に向けて交互に分岐する分岐手段53とを具備し、分岐手段は、ピエゾ素子532aと合成石英とが一体に形成されピエゾ素子に合成石英532bの固有振動数に対応する周波数の高周波電圧を印加することでレーザー光線の偏光面を0度と90度とに交互に変調させる光弾性変調器532を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、半導体ウエーハ等の被加工物にレーザー加工を施すレーザー加工装置に関する。
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に配列された分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイスを形成する。そして、半導体ウエーハを分割予定ラインに沿って切断することによりデバイスが形成された領域を分割して個々の半導体デバイスを製造している。また、サファイヤ基板の表面にフォトダイオード等の受光素子やレーザーダイオード等の発光素子等が積層された光デバイスウエーハも分割予定ラインに沿って切断することにより個々のフォトダイオード、レーザーダイオード等の光デバイスに分割され、電気機器に広く利用されている。
上述した半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等のウエーハを分割予定ラインに沿って分割する方法として、ウエーハに対して吸収性を有する波長のレーザー光線を分割予定ラインに沿ってパルスレーザー光線を照射することによりレーザー加工溝を形成し、ウエーハをレーザー加工溝が形成された分割予定ラインに沿って破断する方法が提案されている。このようなレーザー加工を施すレーザー加工装置は、被加工物を保持する被加工物保持手段と、該被加工物保持手段に保持された被加工物をレーザー加工するレーザー光線照射手段と、被加工物保持手段とレーザー光線照射手段を加工送り方向に相対的に移動せしめる加工送り手段とを具備している。そして、レーザー光線照射手段は、レーザー光線を発振するレーザー光線発振手段と、該レーザー光線発振手段から発振されたレーザー光線を集光して被加工物保持手段に保持された被加工物に照射する集光レンズを備えた集光器とから構成されている。
また、レーザー光線発振手段によって発振されたパルスレーザー光線をビームスプリッターによって2経路に分岐して2種類のレーザー加工を施すことができるレーザー加工装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−114239号公報
而して、パルスレーザー光線をビームスプリッターによって2経路に分岐すると、夫々のパルスレーザー光線のパワー密度が1/2となり、出力不足によって適正な加工ができないという問題がある。
このような問題を解決するために、電気光学変調器(EOM:Electro Optical Modulator)または音響光学変調器(AOM:Accousto Optical Modulator)を用いてパルスレーザー光線の繰り返し周波数に同期してパルス毎にレーザー光線を分岐する技術も提案されている。しかるに、電気光学変調器(EOM)および音響光学変調器(AOM)は透過率が低く出力が15〜30%減少することに加え、レーザー光線を受け入れる有効径が数mmと小さくビーム径を絞る必要性から比較的密度の高いレーザー光線を透過させることになり、熱レンズ効果によって焦点に狂いが生ずるとともにダメージが大きく集光器の寿命が短いという問題がある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、パルスレーザー光線を2経路に分岐しても、夫々のパルスレーザー光線のパワー密度を低下させることなく加工することができるレーザー加工装置を提供することである。
上記主たる技術的課題を解決するため、本発明によれば、被加工物を保持する被加工物保持手段と、該被加工物保持手段に保持された被加工物にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、を具備するレーザー加工装置であって、
該レーザー光線照射手段は、所定の繰り返し周波数でパルスレーザー光線を発振するパルスレーザー光線発振器と、該パルスレーザー光線発振器から発振されたパルスレーザー光線を集光する第1の集光器および第2の集光器と、該パルスレーザー光線発振器と該第1の集光器および該第2の集光器との間に配設され該パルスレーザー光線発振器から発振されたパルスレーザー光線を該第1の集光器および該第2の集光器に向けて交互に分岐する分岐手段とを具備し、
該分岐手段は、ピエゾ素子と合成石英とが一体に形成され該ピエゾ素子に該合成石英の固有振動数に対応する周波数の高周波電圧を印加することでレーザー光線の偏光面を0度と90度とに交互に変調させる光弾性変調器を備えている、
ことを特徴とするレーザー加工装置が提供される。
上記分岐手段は、パルスレーザー光線発振器側から第1の集光器および第2の集光器側に向けて第1の1/2波長板と、光弾性変調器と、第2の1/2波長板と、ビームスプリッターとから構成され、光弾性変調器の周波数をfPEMとし、パルスレーザー光線発振器の繰り返し周波数をfLaserとし、mを自然数として、下記数式により繰り返し周波数fLaserを求める。
合成石英の固有振動数は50kHzであり、fPEM=50kHzを代入し、m=0,1,2,3,4,・・・・・・・を代入すると、パルスレーザー光線発振器の繰り返し周波数は、fLaser=200kHz、40kHz、8kHz、1.6kHz、320Hz、64Hzとして求められる。
また、上記分岐手段は、パルスレーザー光線発振器側から第1の集光器および第2の集光器側に向けて1/4波長板と、光弾性変調器と、1/2波長板と、ビームスプリッターとから構成され、光弾性変調器の周波数をfPEMとし、パルスレーザー光線発振器の繰り返し周波数をfLaserとし、mを自然数として、下記数式により繰り返し周波数fLaserを求める。
合成石英の固有振動数は50kHzであり、fPEM=50kHzを代入し、m=0,1,2,3,4,・・・・・・・を代入すると、パルスレーザー光線発振器の繰り返し周波数は、fLaser=100kHz、20kHz、4kHz、800Hz、160Hz、32Hzとしてもとめられる。
本発明によるレーザー加工装置においては、被加工物保持手段に保持された被加工物にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段は、所定の繰り返し周波数でパルスレーザー光線を発振するパルスレーザー光線発振器と、該パルスレーザー光線発振器から発振されたパルスレーザー光線を集光する第1の集光器および第2の集光器と、パルスレーザー光線発振器と第1の集光器および第2の集光器との間に配設されパルスレーザー光線発振器から発振されたパルスレーザー光線を第1の集光器および第2の集光器に向けて交互に分岐する分岐手段とを具備し、該分岐手段は、ピエゾ素子と合成石英とが一体に形成されピエゾ素子に合成石英の固有振動数に対応する周波数の高周波電圧を印加することでレーザー光線の偏光面を0度と90度とに交互に変調させる光弾性変調器を備えているので、パルスレーザー光線発振器から発振されたパルスレーザー光線の繰り返し周波数に同期してパルス毎にパルスレーザー光線を交互に変調するため、各パルスのエネルギー密度が1/2に低減することはない。従って、分岐手段によって第1の集光器および第2の集光器に向けて交互に分岐されたパルスレーザー光線によって被加工物に同時に適正な加工を施すことができる。
また、光弾性変調器を構成する合成石英は透過率が高く上述した電気光学変調器(EOM)および音響光学変調器(AOM)のように出力が15〜30%減少することはないとともにレーザー光線を受け入れる有効径が16mm程度と大きいので、比較的密度の低いレーザー光線の透過が可能となり、熱レンズの影響を受けることなく焦点に狂いが生ずるという問題および集光器の寿命が短いという問題が解消する。
本発明に従って構成されたレーザー加工装置の斜視図。 図1に示すレーザー加工装置に装備されるレーザー光線照射手段のブロック構成図。 図1に示すレーザー加工装置に装備されるレーザー光線照射手段の他の実施形態を示すブロック構成図。
以下、本発明によるウエーハの加工方法およびレーザー加工装置の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1には、本発明に従って構成されたレーザー加工装置の斜視図が示されている。図1に示すレーザー加工装置は、静止基台2と、該静止基台2に矢印Xで示す加工送り方向(X軸方向)に移動可能に配設され被加工物を保持するチャックテーブル機構3と、基台2上に配設されたレーザー光線照射手段としてのレーザー光線照射ユニット4とを具備している。
上記チャックテーブル機構3は、静止基台2上にX軸方向に沿って平行に配設された一対の案内レール31、31と、該案内レール31、31上にX軸方向に移動可能に配設された第1の滑動ブロック32と、該第1の滑動ブロック32上にX軸方向と直交する矢印Yで示す割り出し送り方向(Y軸方向)に移動可能に配設された第2の滑動ブロック33と、該第2の滑動ブロック33上に円筒部材34によって支持された支持テーブル35と、被加工物保持手段としてのチャックテーブル36を具備している。このチャックテーブル36は多孔性材料から形成された吸着チャック361を具備しており、吸着チャック361の上面である保持面上に被加工物である例えば円形状の半導体ウエーハを図示しない吸引手段によって保持するようになっている。このように構成されたチャックテーブル36は、円筒部材34内に配設された図示しないパルスモータによって回転せしめられる。なお、チャックテーブル36には、半導体ウエーハ等の被加工物を保護テープを介して支持する環状のフレームを固定するためのクランプ362が配設されている。
上記第1の滑動ブロック32は、その下面に上記一対の案内レール31、31と嵌合する一対の被案内溝321、321が設けられているとともに、その上面にY軸方向に沿って平行に形成された一対の案内レール322、322が設けられている。このように構成された第1の滑動ブロック32は、被案内溝321、321が一対の案内レール31、31に嵌合することにより、一対の案内レール31、31に沿ってX軸方向に移動可能に構成される。図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、第1の滑動ブロック32を一対の案内レール31、31に沿ってX軸方向に移動させるための加工送り手段37を具備している。加工送り手段37は、上記一対の案内レール31と31の間に平行に配設された雄ネジロッド371と、該雄ネジロッド371を回転駆動するためのパルスモータ372等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド371は、その一端が上記静止基台2に固定された軸受ブロック373に回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ372の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド371は、第1の滑動ブロック32の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ372によって雄ネジロッド371を正転および逆転駆動することにより、第1の滑動ブロック32は案内レール31、31に沿ってX軸方向に移動せしめられる。
上記第2の滑動ブロック33は、その下面に上記第1の滑動ブロック32の上面に設けられた一対の案内レール322、322と嵌合する一対の被案内溝331、331が設けられており、この被案内溝331、331を一対の案内レール322、322に嵌合することにより、Y軸方向に移動可能に構成される。図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、第2の滑動ブロック33を第1の滑動ブロック32に設けられた一対の案内レール322、322に沿ってY軸方向に移動させるための割り出し送り手段38を具備している。割り出し送り手段38は、上記一対の案内レール322と322の間に平行に配設された雄ネジロッド381と、該雄ネジロッド381を回転駆動するためのパルスモータ382等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド381は、その一端が上記第1の滑動ブロック32の上面に固定された軸受ブロック383に回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ382の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド381は、第2の滑動ブロック33の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ382によって雄ネジロッド381を正転および逆転駆動することにより、第2の滑動ブロック33は案内レール322、322に沿ってY軸方向に移動せしめられる。
上記レーザー光線照射ユニット4は、上記基台2上に配設された支持部材41と、該支持部材41によって支持され実質上水平に延出するケーシング42と、該ケーシング42に配設されたレーザー光線照射手段5と、ケーシング42の前端部に配設されレーザー加工すべき加工領域を検出する撮像手段6を具備している。なお、撮像手段6は、図示の実施形態においては可視光線によって撮像する通常の撮像素子(CCD)の外に、被加工物に赤外線を照射する赤外線照明手段と、該赤外線照明手段によって照射された赤外線を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成されており、撮像した画像信号を図示しない制御手段に送る。
上記レーザー光線照射手段5について、図2を参照して説明する。
図2に示すレーザー光線照射手段5は、所定の繰り返し周波数でパルスレーザー光線発振器51と、該パルスレーザー光線発振器51によって発振されたパルスレーザー光線を集光してチャックテーブル36に保持された被加工物Wに照射する第1の集光器52aおよび第2の集光器52bと、パルスレーザー光線発振器51と第1の集光器52aおよび第2の集光器52bとの間に配設されパルスレーザー光線発振器51から発振されたパルスレーザー光線を第1の集光器52aおよび第2の集光器52bに向けて交互に分岐する分岐手段53を具備している。パルスレーザー光線発振器51は、図示の実施形態においては、後述する理由により繰り返し周波数が200kHz、40kHz、8kHz、1.6kHz、320Hz、64Hzのパルスレーザー光線LBを発振する。
上記分岐手段53は、図示の実施形態においてはパルスレーザー光線発振器51側から第1の集光器52aおよび第2の集光器52b側に向けて第1の1/2波長板531と、光弾性変調器532と、第2の1/2波長板533と、ビームスプリッター534とから構成されている。第1の1/2波長板531は、パルスレーザー光線発振器51によって発振されたパルスレーザー光線LBの偏光面を回転させ光弾性変調器532に適切な角度で入射するように調整する。なお、第1の1/2波長板531は、パルスモータ等のアクチュエータ531aによって回動せしめられる。
上記光弾性変調器532は、図示の実施形態においてはピエゾ素子532aと合成石英532bとが一体に形成されており、ピエゾ素子532aに合成石英532bの固有振動数に対応する高周波電圧を印加することでパルスレーザー光線発振器51によって発振されたパルスレーザー光線の偏光面を0度と90度とに交互に変調させる。図示の実施形態における光弾性変調器532は、合成石英532bの固有振動数が50kHzであるため、ピエゾ素子532aには高周波電源532cから50kHzの高周波電圧が印加される。従って、光弾性変調器532は、パルスレーザー光線発振器51によって発振されたパルスレーザー光線LBの繰り返し周波数に同期してパルス毎にパルスレーザー光線LBを交互に変調(ビームスプリッター534に対して交互のS波P波に変調)する。
上記第2の1/2波長板533は、光弾性変調器532によって偏光面が0度と90度とに交互に変調されたパルスレーザー光線LBの偏光面を回転させビームスプリッター534に適切な角度で入射するように調整する。なお、第2の1/2波長板533は、パルスモータ等のアクチュエータ533aによって回動せしめられる。
上記ビームスプリッター534は、第2の1/2波長板533を介して入射されたパルスレーザー光線LBのS波からなるパルスレーザー光線LB1を第1の集光器52aに向けて分岐し、P波からなるパルスレーザー光線LB2を第2の集光器52bに向けて分岐する。
第1の集光器52aは、ビームスプリッター534によって分岐されたS波からなるパルスレーザー光線LB1を集光してチャックテーブル36に保持された被加工物Wに照射する集光レンズ521aを備えている。また、第2の集光器52bは、ビームスプリッター534によって分岐されたP波からなるパルスレーザー光線LB2をチャックテーブル36の保持面に向けて方向変換する方向変換ミラー522bと、該方向変換ミラー522bによって方向変換されたパルスレーザー光線LB2を集光してチャックテーブル36に保持された被加工物Wに照射する集光レンズ521bとからなっている。なお、第2の集光器52bは、図示の実施形態にいては第1の集光器52aとY軸方向に配設されているとともに、移動手段523によってY軸方向に移動調整可能に構成されている。このように構成された第1の集光器52aと第2の集光器52bは、図1に示すようにケーシング42の先端に装着される。
図示の実施形態におけるレーザー光線照射手段5は以上のように構成されており、パルスレーザー光線発振器51の繰り返し周波数の設定について説明する。
上記光弾性変調器532の周波数をfPEMとし、パルスレーザー光線発振器51の繰り返し周波数をfLaserとし、mを自然数として、下記数式1によりパルスレーザー光線発振器51の繰り返し周波数fLaserを求めることができる。
上記光弾性変調器532を構成する合成石英532bの固有振動数は50kHzであり、fPEM=50kHzを代入し、m=0,1,2,3,4,・・・・・・・を代入するとパルスレーザー光線発振器51の繰り返し周波数は、fLaser=200kHz、40kHz、8kHz、1.6kHz、320Hz、64Hzとして求められる。
以上のように構成されたレーザー光線照射手段5における分岐手段53は、ピエゾ素子532aと合成石英532bとが一体に形成された光弾性変調器532のピエゾ素子532aに合成石英532bの固有振動数に対応する周波数の高周波電圧を印加することでパルスレーザー光線発振器51によって発振されたパルスレーザー光線の偏光面を0度と90度とに交互に変調させるので、パルスレーザー光線発振器51から発振されたパルスレーザー光線の繰り返し周波数に同期してパルス毎にパルスレーザー光線を交互に変調(ビームスプリッター534に対して交互のS波P波に変調)するため、各パルスのエネルギー密度が1/2に低減することはない。従って、分岐手段53のビームスプリッター534によって第1の集光器52aおよび第2の集光器52bに向けて交互に分岐されたS波からなるパルスレーザー光線LB1とP波からなるパルスレーザー光線LB2とによって被加工物に同時に適正な加工を施すことができる。
また、光弾性変調器532を構成する合成石英532bは透過率が高く上述した電気光学変調器(EOM)および音響光学変調器(AOM)のように出力が15〜30%減少することはないとともにレーザー光線を受け入れる有効径が16mm程度と大きいので、比較的密度の低いレーザー光線の透過が可能となり、熱レンズの影響を受けることがなく焦点に狂いが生ずるという問題および集光器の寿命が短いという問題が解消する。
次に、レーザー光線照射手段の他の実施形態について、図3を参照して説明する。
図3に示すレーザー光線照射手段50は、上述したレーザー光線照射手段5の分岐手段53を構成する第1の1/2波長板531を1/4波長板535に変更し、該1/4波長板535をパルスモータ等のアクチュエータ535aによって回動するようにしたものであり、他の構成部材は実質的に同一であるため、同一部材には同一符号を付して説明は省略する。
図3に示すレーザー光線照射手段50の分岐手段530を構成する1/4波長板535は、パルスレーザー光線発振器51によって発振された直線偏光のパルスレーザー光線LBを円偏光に変換する。このようにして円偏光に変換されたパルスレーザー光線LBは、上述したレーザー光線照射手段5の分岐手段53と同様に光弾性変調器532の合成石英532bに導かれ、レーザー光線照射手段5の分岐手段53と同様に第1の集光器52aおよび第2の集光器52bに向けて交互に分岐される。
なお、図3に示す実施形態におけるレーザー光線照射手段50を構成するパルスレーザー光線発振器51の繰り返し周波数の設定について説明する。
光弾性変調器532の周波数をfPEMとし、パルスレーザー光線発振器51の繰り返し周波数をfLaserとし、mを自然数として、下記数式2によりパルスレーザー光線発振器51の繰り返し周波数fLaserを求めることができる。
光弾性変調器532を構成する合成石英532bの固有振動数は50kHzであり、fPEM=50kHzを代入し、m=0,1,2,3,4,・・・・・・・を代入するとパルスレーザー光線発振器51の繰り返し周波数は、fLaser=100kHz、20kHz、4kHz、800Hz、160Hz、32Hzとして求められる。
従って、図3に示す実施形態におけるレーザー光線照射手段50を構成するパルスレーザー光線発振器51は、繰り返し周波数が100kHz、20kHz、4kHz、800Hz、160Hz、32Hzのパルスレーザー光線LBを発振する。
以上のように構成されたレーザー光線照射手段50も上記図2に示すレーザー光線照射手段5と同様の作用効果を奏する。
2:静止基台
3:チャックテーブル機構
36:チャックテーブル
37:加工送り手段
38:割り出し送り手段
4:レーザー光線照射ユニット
5:レーザー光線照射手段
51:パルスレーザー光線発振器
52a:第1の集光器
52b:第2の集光器
53:分岐手段
531:第1の1/2波長板
532:光弾性変調器
532a:ピエゾ素子
532b:合成石英
533:第2の1/2波長板
534:ビームスプリッター
535:1/4波長板
W:被加工物

Claims (5)

  1. 被加工物を保持する被加工物保持手段と、該被加工物保持手段に保持された被加工物にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、を具備するレーザー加工装置であって、
    該レーザー光線照射手段は、所定の繰り返し周波数でパルスレーザー光線を発振するパルスレーザー光線発振器と、該パルスレーザー光線発振器から発振されたパルスレーザー光線を集光する第1の集光器および第2の集光器と、該パルスレーザー光線発振器と該第1の集光器および該第2の集光器との間に配設され該パルスレーザー光線発振器から発振されたパルスレーザー光線を該第1の集光器および該第2の集光器に向けて交互に分岐する分岐手段とを具備し、
    該分岐手段は、ピエゾ素子と合成石英とが一体に形成され該ピエゾ素子に該合成石英の固有振動数に対応する周波数の高周波電圧を印加することでレーザー光線の偏光面を0度と90度とに交互に変調させる光弾性変調器を備えている、
    ことを特徴とするレーザー加工装置。
  2. 該分岐手段は、該パルスレーザー光線発振器側から該第1の集光器および該第2の集光器側に向けて第1の1/2波長板と、該光弾性変調器と、第2の1/2波長板と、ビームスプリッターとから構成され、
    該光弾性変調器の周波数をfPEMとし、該パルスレーザー光線発振器の繰り返し周波数をfLaserとし、mを自然数として、下記数式により繰り返し周波数fLaserを求める、請求項1記載のレーザー加工装置。
  3. 合成石英の固有振動数は50kHzであり、fPEM=50kHzを代入し、m=0,1,2,3,4,・・・・・・・を代入すると、該パルスレーザー光線発振器の繰り返し周波数は、fLaser=200kHz、40kHz、8kHz、1.6kHz、320Hz、64Hzとして求められる、請求項2記載のレーザー加工装置。
  4. 該分岐手段は、該パルスレーザー光線発振器側から該第1の集光器および該第2の集光器側に向けて1/4波長板と、該光弾性変調器と、1/2波長板と、ビームスプリッターとから構成され、
    該光弾性変調器の周波数をfPEMとし、該パルスレーザー光線発振器の繰り返し周波数をfLaserとし、mを自然数として、下記数式により繰り返し周波数fLaserを求める、請求項1記載のレーザー加工装置。
  5. 合成石英の固有振動数は50kHzであり、fPEM=50kHzを代入し、m=0,1,2,3,4,・・・・・・・を代入すると、該パルスレーザー光線発振器の繰り返し周波数は、fLaser=100kHz、20kHz、4kHz、800Hz、160Hz、32Hzとして求められる、請求項4記載のレーザー加工装置。
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