JPH06291065A - 半導体結晶の成長方法 - Google Patents

半導体結晶の成長方法

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JPH06291065A
JPH06291065A JP10014093A JP10014093A JPH06291065A JP H06291065 A JPH06291065 A JP H06291065A JP 10014093 A JP10014093 A JP 10014093A JP 10014093 A JP10014093 A JP 10014093A JP H06291065 A JPH06291065 A JP H06291065A
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JP
Japan
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growth
gaas
recorder
flow
allowed
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Application number
JP10014093A
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English (en)
Inventor
Kunihiko Uei
邦彦 上井
Hisao Saito
久夫 斉藤
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
  • Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 MOCVD法による量子細線または量子井戸
の作製中にステップフロー成長が生じているか否かを成
長を中断または妨げることなく、簡便に知ることおよび
MOCVD成長の任意の時点において成長モードを判定
するようにした。 【構成】 バルブ21,22の開閉制御により、GaA
s微傾斜基板3にAl(C253 を所定の時間だけ流
し、AlAsを0.5分子層以下だけ成長させ、その
後、AsH3 を流した後、Ga(C253を所定の時
間だけ流し、GaAsを0.5分子層成長させる一連の
ガス供給シークエンスを行い、このシークエンスを開始
するときにトリガー信号をレコーダー10に送り、反射
率差の測定を開始する。一連のシークエンスが終了する
と、レコーダー10へ再びトリガー信号を送ってレコー
ダー10の作動を停止する。この一連のシークエンスに
おいて、レコーダー10に記録された光出力の時間変化
をモニターする

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面の状態を成長中に
その場を観察しつつ行うエピタキシャル結晶成長におい
て、成長がステップフロー成長によって進んでいるか否
かの判定に適用される半導体結晶の成長方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】半導体中の電子を1次元的に閉じ込める
量子井戸構造は、レーザーなどの光デバイスや高移動度
トランジスタなどの電子デバイスに応用され、その有用
性が明らかになっている。半導体中の電子を2次元的に
閉じ込める量子細線構造は、それらのデバイスの極限性
能を越える新たなデバイスを実現するための有力な方法
として注目されている。
【0003】この中でも図11に示すようにGaAs
(001)面から[1バー10]方向に角度x傾いたG
aAs微傾斜基板3上の各単分子層ステップ11によっ
て挟まれて形成されたテラス12上にAlAs分子層,
GaAs分子層を交互に複数層析出させて構成される分
数原子層超格子(以下、FLSという)16を用いた電
子デバイスや光デバイスは、従来にない新たな性質を持
つデバイスとして有望である。また、このFLS16は
高度なリソグラフィ技術に頼ることなく、約10nm以
下の極めて微細な量子細線を作ることができる点でも他
の量子細線作製法に比べて有利である。なお、この種の
縦型半導体超格子の構造は、例えば特願昭61−239
300号に開示されている。
【0004】このFLSを始めとする量子細線の形成の
ためには、ステップフロー成長が必要条件となる。この
ステップフロー成長とは、図12に示すように結晶表面
に存在する単分子層ステップ11に原子13が付着し、
その付着原子13がステップ端に取り込まれ、ステップ
11の位置が前進することによって進行するエピタキシ
ャル成長の形態をいう。
【0005】これに対する成長形態として知られている
2次元核成長とは、図13に示すようにジャスト基板1
5上の原子レベルで平坦な結晶表面領域(単分子層ステ
ップも存在しない領域)17に原子13が到達し、表面
上での移動や原子同士の衝突を繰り返すうちに単分子層
厚のディスク状の島(これを2次元核と呼ぶ)14を形
成し、その2次元核14が単分子層厚の高さを保ったま
ま、平面状に大きくなったり、異なる場所にできた島が
融合したりして表面が平面状の島(すなわち2次元核)
で覆われていくことによる成長を言う。このステップフ
ロー成長は、上記量子細線の作製に不可欠であるばかり
でなく、通常の量子井戸構造の作製においても結晶のヘ
テロ界面の平坦性の向上にとって重要である。
【0006】従来、エピタキシャル成長がステップフロ
ーモードで進行しているか、2次元核形成で進行してい
るかを結晶成長中に知るには、反射高エネルギー電子回
折(RHEED)強度の振動をモニターすることが一般
的に行われていた。この方法は、図14および図15に
示すようにGaAs微傾斜基板3のステップ11に平行
な入射アジマスで電子線23を入射した際に反射電子線
24の反射強度Iがテラス12上に2次元核14が存在
する場合(図14(a))と存在しない場合(図15
(a))とで異なることを利用したものである。
【0007】成長がステップフローモードで進行する場
合(図15(a))には、テラス12上に2次元核14
の形成が起きないため、図15(b)に示すように電子
線24の反射強度Iが高いまま成長が進む。一方、成長
が2次元核14の形成によって進む場合(図14
(a))には、図14(b)に示すように電子線24の
反射強度Iが振動する。これは、テラス12上での2次
元核14の形成とそれらの2次元核14とが拡大,融合
した結果、平坦な表面が再び現れるという繰り返しで成
長が進むためである。したがって、反射電子線24の反
射強度Iが振動するかまたは一定のまま保たれるかをモ
ニターすることによって成長モードの判定が可能とな
る。この方法は、分子線エピタキシャル成長法には適用
可能であるが、気相中での成長であるMOCVD法で
は、電子線が気相中を透過しないため、「その場観察」
には利用できない。
【0008】MOCVD法で同様の現象をモニターする
方法として光の反射を利用するものがある。これは光反
射率差法と呼ばれ、表面にほぼ垂直に入射する直線偏光
の反射率が偏光方向により僅かに異なることを利用して
表面状態、特に光で検出される表面の異方性をモニター
しようとするものである。この方法では、図3に示すよ
うに反応管5の周囲に設置した光源1,偏光子2,光弾
性変調器6,検光子7,光検出器8および信号検出用ロ
ックインアンプ9を用いて反射光の偏光面の回転を検出
することによって成長中の結晶表面の異方性の変化を検
出する。光源1を出た光は、偏光子2によって直線偏光
に変えられ、サンプル表面にほぼ垂直に入射する。
【0009】図4に示すようにこの入射光の偏光方向を
結晶表面平面内の主軸方向を2等分するような方向(例
えばGaAs(001)面内であれば[110]方向と
[バー110]方向とを2等分するような方向、すなわ
ち[010]方向またはそれと垂直な方向)に向けてお
くことにより、この2つの主軸間の異方性を検出するこ
とができる。すなわちこの2つの主軸間に異方性がなけ
れば、反射光の偏光方向は入射光と同じであるが、も
し、2つの主軸間に異方性があれば、その異方性の大き
さに比例して偏光方向が角度δだけ回転する。
【0010】この偏光方向の回転角度δを反射光を受光
する側に設けた周波数fで変調されている光弾性変調器
6,検光子7,光検出器8で検出する。光弾性変調器6
は石英にピエゾ振動子を貼り付けたもので、ピエゾ振動
子に周波数fの高周波電界を加えることによって石英に
周波数fで振動する一軸性異方性を生じさせ、すなわち
複屈折を生じさせ、光学遅延量を周波数fで変調するも
のである。
【0011】偏光の回転が生じない状態または成長を開
始する前の状態で光弾性変調器6の主軸方向が反射光の
偏光方向と一致するように光弾性変調器6の主軸の方向
をセットする。検光子7はその主軸が光弾性変調器6の
主軸と45度の角度をなすようにセットする。このよう
にセットした状態では、反射光の偏光方向がこの状態の
まま変化しなければ、光弾性変調器6を通過した反射光
は直線偏光を保ったまま検光子7に入射する。したがっ
てこの状態では光検出器8の出力は一定であるから、周
波数fまたは2fの成分はない。反射光の偏光方向が最
初の状態から回転すると、光弾性変調器6の主軸と反射
光の偏光方向とがもはや一致しなくなり、光弾性変調器
6を通過した後の光は周波数fで偏光状態が時間的に変
化するような楕円偏光になる。
【0012】これは、光弾性変調器6の2つの主軸方向
に偏光した光の間の位相差が周波数fで変調されるよう
になるためである。この光が検光子7を通過した後に光
検出器8によって受光されると、光検出器8の出力は偏
光状態の変化に対応した強度変化を示す。したがって光
検出器8の出力をロックインアンプ9でモニターする
と、周波数fおよび2fの成分が生じる。このうち、周
波数2fの成分の振幅が偏光方向の回転角に比例し、し
たがって2つの主軸間の異方性の大きさに比例する。こ
のように表面の光学的な異方性が偏光面の回転として検
出される。この偏光面の回転は、表面内の2つの主軸方
向に偏光した光の反射率の違いによって引き起こされる
ので、反射率差法と呼ばれる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】この方法を用いて波長
633nmにおいて、圧力1.6×10-3mbarから
0.3mbarの範囲においてGaAsの成長時に反射
率差をモニターすると、図16に示すような振動が見ら
れる。この振動の原因は完全に解明されていないが、R
HEED反射強度と対応しており、成長モードを反映し
ていると考えられる。しかしながら、この反射率差の振
動は成長開始後、高々30分子層の厚さしか観測され
ず、成長中の任意の時点で成長モードがどのような形態
になっているかを知ることができる実用的なモニター法
とはなっていない。
【0014】前述したように光反射率差法を用いたMO
CVD成長のモニターは、既に実施されており、かつ成
長モードを反映すると思われる光出力の振動が見られて
いるが、この振動は成長開始後、極めて短時間の内に減
衰してしまい、成長中の任意の時間に成長モードがどの
ような形態になっているかをモニターすることができな
い。
【0015】したがって本発明の目的は、MOCVD法
による量子細線または量子井戸の作製中にステップフロ
ー成長が生じているか否か、すなわち良好な構造が形成
されるかどうかを、成長を中断または妨げることなく、
簡便に知ることができる半導体結晶の成長方法を提供す
ることにある。また、本発明の他の目的は、MOCVD
成長の任意の時点において成長モードを判定することが
できる半導体結晶の成長方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために本発明は、成長形態(ステップフロー成長か2
次元核成長か)を判定しようとする際にAlAsを所定
の量だけ成長させ、その後、引き続きまたは時間をおい
てGaAsを所定の量だけ成長させる際の成長表面の時
間変化をモニターするものである。
【0017】図1は、本発明で用いた反射率差測定装置
を含む成長装置の全体構成を示す図である。同図におい
て、バルブ制御用ユニット20を用いてバルブ21,2
2を開閉する。バルブ開閉のシークエンスは図2に示し
たようにまず、Al(C253 を所定の時間だけ流し
(図2(a))、AlAsを0.5分子層以下だけ成長
させ、その後、AsH3 を流した後、Ga(C253
を所定の時間だけ流し(図2(b))、GaAsを0.
5分子層成長させるようにバルブ21,22を制御す
る。この一連のガス供給シークエンスを開始するときに
バルブ制御用ユニット20からトリガー信号をレコーダ
ー10に送り、反射率差の測定を開始する。一連のシー
クエンスが終了すると、バルブ制御用ユニット20から
レコーダー10へ再びトリガー信号を送ってレコーダー
10の作動を停止する。この一連のシークエンスにおい
て、レコーダー10に記録された光出力の時間変化をモ
ニターする
【0018】
【作用】本発明においては、MOCVD成長中の表面に
存在する過剰As(表面に弱く付着しているが、結晶中
には取り込まれないAs)の吸着過程が表面の形態、す
まわち2次元核が表面に存在するか否かに影響されるこ
とを利用している。まず、AlAsを0.5分子層成長
させることによってGaAs表面に付着した過剰Asを
強制的に脱離させる。その後、GaAsを成長する際に
2次元核形成によってGaAsの成長が進行する場合に
は、ステップフロー成長の場合に比べ、過剰Asの再吸
着に遅れが生じる。反射率差の時間変化をモニターする
ことによってこの過剰Asの再吸着の過程をモニターす
ることができるので、成長モードのモニターが可能とな
る。
【0019】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を詳細に
説明する。図1は、本発明による半導体結晶の成長方法
の一実施例を説明するための反射率差測定装置を含む成
長装置の全体構成を示す図であり、図3はその反射率差
測定装置の構成を示す図である。これらの図において、
本発明では、反応管5の周囲に設置した波長633nm
の光源1,偏光子2,周波数fで偏光状態を変調する光
弾性変調器6,検光子7,光検出器8,信号検出用ロッ
クインアンプ9およびレコーダー10を用いた。なお、
18は反射率差測定用光学系の入射光側を、19は反射
率差測定用光学系の反射光側をそれぞれ示している。ま
た、20はバルブ制御用ユニット、21,22はエア駆
動バルブである。成長用基板としてはGaAs(00
1)面から[1バー10]方向へx度傾斜した表面を有
するGaAs微傾斜基板3を用い、結晶成長はこのGa
As微傾斜基板3をグラファイトブロック4上に配置
し、反応管5内に収容して行う。
【0020】次に測定方法について説明する。偏光子2
は、図4に示すように入射光の偏光方向がGaAs微傾
斜基板3のGaAs(001)面内の[110]方向と
[バー110]方向を2等分するような方向、すなわち
[010]方向またはそれと垂直な方向に向くようにセ
ットする。次に偏光の回転が生じていない状態または成
長を開始する前の状態で光弾性変調器6の主軸方向が反
射光の偏光方向と一致するように光弾性変調器6の主軸
の方向をセットする。また、検光子7はその主軸が光弾
性変調器6の主軸と45度の角度をなすようにセットす
る。
【0021】このようにセットした状態では、反射光の
偏光方向がこの状態のまま変化しなければ、光弾性変調
器6を通過した反射光は直線偏光を保ったまま、検光子
7に入射する。したがってこの状態では光検出器8の出
力は一定であるから、周波数fまたは2fの成分はな
い。反射光の偏光方向が変化すると、光弾性変調器6の
主軸と反射光の偏光方向とがもはや一致しなくなり、2
つの主軸方向に偏光した光の間の位相差が周波数fで変
調されるので、光弾性変調器6を通過した後の光は、周
波数fで偏光状態が時間的に変化するような楕円偏光に
なる。
【0022】この光が検光子7を通過した後に光検出器
8によって受光されると、光検出器8の出力は、偏光状
態の変化に対応した強度変化を示す。したがって光検器
8の出力をロックインアンプ9でモニターすると、周波
数fおよび2fの成分が生じる。このうち、周波数2f
の成分の振幅が偏光方向の回転角に比例し、したがって
2つの主軸間の異方性の大きさに比例する。
【0023】次に結晶成長の一例としてFLSの成長に
本方法を適用した例について説明するが、本方法の適用
範囲は、これに限定されるものではなく、AlAsとG
aAsとを含む結晶であれば、適用可能である。次に結
晶成長条件の詳細を以下に示す。高周波加熱の水冷ジャ
ケット付き横型炉を用い、キャリアガスとしてH2 を用
い、76Torrの減圧下で結晶成長を行った。原料と
してトリエチルアルミニウム(TEAl:化学式はAl
(C253 ),トリエチルガリウム(TEGa:化学
式はGa(C253 ),アルシン(AsH3)を用い
た。反応管5内の分圧は、それぞれ5.9×10-4To
rr,5.8×10-4Torr,5.3×10-1Torr
である。また、水素ガス(H2 )を含めた全ガス流量は
4l/minである。この条件での成長速度は0.04
7nm/secであり、約6秒間で結晶表面が1分子層
のGaAsまたはAlAsで覆われる成長速度である。
【0024】成長用基板として(001)面から[1バ
ー10]方向へ傾斜した表面を有するGaAs微傾斜基
板3を用い、この(001)面から[1バー10]方向
へx度傾斜した面は以下のように定義される。[00
1]軸と[1バー10]軸とからなる平面に平行でかつ
[001]軸から[1バー0]軸の方向にx度傾いた軸
をA軸と呼ぶことにすると、このA軸に垂直な平面でG
aAs結晶を切断したときに生じる断面を(001)か
ら[1バー10]方向へx度傾斜した面と呼ぶ。
【0025】FLSの成長は、このGaAs微傾斜基板
3をグラファイトのブロック4の上に置き、このグラフ
ァイトブロック4を約600℃に加熱し、その上に置か
れたGaAs微傾斜基板3の上に水素ガスとともに上述
した原料ガスを導入し、化学反応させることによって行
う。具体的には、約3秒間TEAlとアルシンとを供給
し、AlAsを0.5分子層成長し(段階I )、次に約
3秒間アルシンと水素とを流し(段階II)、その後、約
3秒間TEGaとアルシンとを供給し、GaAsを0.
5分子層成長させ(段階III )、さらにその後、約3秒
間アルシンと水素とを流して(段階IV)1分子層の成長
が終了する。このサイクルを必要な膜厚に達するまで繰
り返して成長が行われる。
【0026】図5は、(001)面から[1バー10]
方向へ5度傾斜したGaAs微傾斜基板3の表面上への
FLS成長中の光検出器の出力の変化を示したものであ
る。この出力は、GaAs微傾斜基板3の[110]方
向偏光の反射率と[バー110]方向偏光の反射率との
差は下記数1に示すように比例している。
【0027】
【数1】
【0028】図5に示すように段階I (AlAs0.5
分子層成長)では、出力は単調に増加する。段階II(ア
ルシルおよび水素)では、少し減少する。段階III (G
aAs0.5分子層成長)では、出力は最初の約1秒程
度一定値を保持した後、徐々に減少していく。段階IV
(アルシンおよび水素)では、引き続き減少した後、ほ
ぼ一定値に落ち着く。この出力の時間変化がステップフ
ロー成長中の典型的な光検出器の出力の時間変化であ
る。
【0029】これに対し、2次元核形成による成長の場
合の出力変化を図6に示す。図6はジャスト基板の(0
01)面上にFLS成長時と同じモードの成長を行った
場合の光検出器出力の時間変化を示している。図6に示
すように段階III (GaAs0.5分子層成長)では、
出力は直ちに上昇し、その後、減少する。段階IIから段
階IVまでの変化は図5とほぼ同じである。
【0030】図5および図6は、それぞれ(001)面
から[1バー10]方向へ0.2度および2度傾斜した
面上にFLSの成長を行った場合の出力変化を示す。図
5〜図8までの結果を図9にまとめた。図9は、横軸に
(001)面から[1バー10]方向への基板傾斜角を
とり、縦軸に段階III の初期(すなわちGaAsの成長
が始まってから1秒間以内)における光検出器の出力の
上昇の大きさ(図5から図8においてAと示した部分の
大きさ)を段階Iにおける光検出器の出力の上昇の大き
さ(図5から図8においてBと示した部分の大きさ)で
割った値をとったものである。この図9から判るように
[1バー10]方向への傾斜角が大きくなるにつれ、段
階III の初期における出力の上昇が消滅していく。
【0031】この現象は、以下のように解釈される。図
10に示すようにGaAs微傾斜基板3の(001)面
から[1バー10]方向へx度傾斜した面は、単分子層
ステップ11の高さをdnmとすると、平均間隔d×s
ec(x)nmの単分子層ステップ11と、それらの単
分子層ステップ11によって挟まれた平坦な領域(これ
らをテラスという)12とからなる。テラス12内には
定義により単分子層ステップ11は存在しない。テラス
12上に到達した原子、例えばGa原子の結晶への取り
込まれ方には以下の2つの可能性がある。
【0032】まず、1つの可能性は、テラス12上を表
面移動してテラス12の両端にある単分子層ステップ1
1まで到達し、そこでステップに取り込まれステップの
前進に寄与する(すまわちステップフロー成長に寄与す
る)ことであり、他の可能性は、表面移動の最中に他の
原子との衝突などによってエネルギーを失い、テラス1
2上に単分子層厚のディスク状の小さな島を形成するか
または既にテラス12上に存在する島に取り込まれる
(2次元核成長に寄与する)ことである。
【0033】一定の基板温度では、表面に存在する原子
の表面移動のし易さは決まっているので、原子が最終的
に結晶に取り込まれるまでに表面上で動き回る距離は一
定である。したがってテラス12の面積が大きく、すな
わち単分子層ステップ11同士の間隔が大きいほど、表
面に到達した原子はテラス12の両端の単分子ステップ
11に到達する確率が減り、2次元核成長に寄与する可
能性が高い。傾斜角xが小さいほどテラス12の面積は
大きく(すなわち単分子層ステップ11同士の間隔が大
きく)なるので、2次元核成長が生じ易いことになる。
【0034】段階III の初期における光検出器出力の上
昇は、テラス12の面積が大きすぎるためにテラス12
上に到達した原子の一部はテラス12の両端の単分子層
ステップ11に到達できず、2次元核成長が生じるため
に起きるものと考えられる。したがって傾斜角xが小さ
いほど段階III の初期における光検出器出力の上昇が大
きい。
【0035】なお、前述した実施例においては、偏光面
の回転を検出する方法として光変調器を用いたが、偏光
面の回転を検出する方法はこの方法に限定されるもので
はなく、通常の偏光解析法(エリプソメトリ)に用いら
れる手法はいずれも可能である。
【0036】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
従来、MOCVD成長中には判定が不可能であった成長
形態(ステップフロー成長か2次元核成長か)の判定が
成長を中断または妨げることなく可能になり、これに伴
い、作製する結晶の品質を成長中に予想することが可能
になるのみならず、基板温度や原料の分圧等の成長パラ
メータを調整することにより、結晶の成長モードを成長
中に変化させることが可能になるなどの極めて優れた効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体結晶の成長方法の一実施例
を説明するための反射率差測定装置を含む成長装置の全
体構成を示す図である。
【図2】図1のエア駆動バルブ開閉のシークエンスを示
す図である。
【図3】図1の光反射率差法の測定装置の構成を示す図
である。
【図4】反射による偏光方向の回転を示す模式図であ
る。
【図5】分数原子層超格子成長中の光出力変化を示す図
である。
【図6】分数原子層超格子成長中の光出力変化を示す図
である。
【図7】分数原子層超格子成長中の光出力変化を示す図
である。
【図8】分数原子層超格子成長中の光出力変化を示す図
である。
【図9】基板面の傾斜角と光検出器出力との関係を示す
図である。
【図10】(001)面からx度傾斜した表面を示す模
式図である。
【図11】分数原子層超格子の構造を示す図である。
【図12】ステップフロー成長を示す模式図である。
【図13】2次元核形成による成長を示す模式図であ
る。
【図14】反射高エネルギー電子回折による2次元核形
成による成長のモニターを示す模式図である。
【図15】反射高エネルギー電子回折によるステップフ
ロー成長のモニターを示す模式図である。
【図16】GaAs成長中に見られる反射率差の振動を
示す図である。
【符号の説明】
1 光源 2 偏光子 3 GaAs微傾斜基板 4 グラファイトブロック 5 石英製反応管 6 光弾性変調器 7 検光子 8 光検出器 9 ロックインアンプ 10 レコーダー 11 単分子層ステップ 12 テラス 13 成長面に到達した原料原子または分子 14 2次元核 15 ジャスト基板 16 分数原子層超格子 17 原子レベルで平坦な結晶表面領域 18 反射率差測定用光学系の入射光側 19 反射率差測定用光学系の反射光側 20 バルブ制御用ユニット 21 エア駆動バルブ 22 エア駆動バルブ 23 入射電子線 24 反射電子線

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 AlAsおよびGaAsを含む結晶の所
    定指数面上へエピタキシャル成長を行う際に成長表面の
    光学的異方性を成長中にモニターしつつ行う半導体結晶
    の成長方法において、 前記GaAsを成長させる際に、前記AlAsを所定量
    堆積させた後に前記GaAsを所定量堆積させ、前記G
    aAsの堆積量が1分子層以下の領域において前記成長
    表面の光学的異方性の時間変化をモニターすることを特
    徴とする半導体結晶の成長方法。
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