JP5885209B2 - 電力計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高周波回路や電池における電力を簡易でかつ小さな構成で測定することが可能な種々の薄膜センサ型の電力計測装置に関する。
近年、インターネット等を利用する環境が整ってきた中で、電力の遠隔検針を含めた計測システムの開発が進められている。従来より電力の計測においては、使用した電力を円盤の回転数に変換し積算演算を行うという積算電力量計が使用されている。最近ではこの積算電力量計に、回転を検出するセンサや電流計(CT)、電圧計(PT)を新たに付加し、電子回路やマイクロプロセッサによる乗算計算を行い、電力を計測している。積算電力量計の場合、装置構成が複雑であり、装置が大型化するだけでなく高価であり、電力が機械的に出力されるためデジタル管理できない。また、これらと相俟って、余分なエネルギーを消費しかねない。
そこで、消費電力をそのまま電気量として測定することができるとともに、小型化および集積化の可能な電力計の開発が望まれている。
また、近年、業務用電気装置のみならず家電にまで高周波回路を有するデバイスが増大しており、高調波電流の発生に基づく様々な弊害が発生している。例えば、高調波電流の漏洩をカットする規制が緩い地域では漏洩した高調波電流の影響による周辺家電の火災等が発生している。したがって、高調波電流の発生を簡単に測定し得るセンサ、電力測定装置の社会的ニーズも高まってきている。
積算電力量計の代替としては、例えば、磁性薄膜の磁気抵抗効果を利用し、消費電力を電気量のまま測定することの可能な電力計測装置、および磁界センサが提案されている(非特許文献1、2)。これは、交流が流れる一次導体に対し、平行に置かれた(基板上に構成された)磁性薄膜を用い、この磁性薄膜の両端に抵抗を介して一次電圧が印加され、磁性薄膜の両端から出力を取り出すようにした電力計測装置、および磁界センサである。この電力計測装置等では、2倍周波数成分の振幅値から電力IVを取り出す方式をとるものである。
この電力計測装置等では、磁性薄膜からなる強磁性体内において、電流と磁化のなす角度によりその磁性体の電気抵抗値が変わる現象であるプレナーホール効果(Planar Hall effect(PHE))を利用し、バイアス磁界なしで線形特性を得ることができる点に着目し、電力に比例する信号成分を取り出すようにしている(この電力計測装置を「プレナーホール型電力計測装置」または「PHE型電力計測装置」と称する)。
なお、ここで用いられる磁界センサは、外部磁界の変化を電気信号に変換する素子であり、強磁性薄膜や半導体薄膜等の磁性薄膜をパターニングし、その磁性薄膜のパターンに電流を流し電圧変化として外部磁界の変化を電気信号に変換するものである。
しかしながら、PHE型電力計測装置では、磁性薄膜から検出する電圧出力を一次導体の負荷電流に直交する方向にとらなければならない。すなわち、磁性薄膜の幅方向の両端で電圧を出力させなければならない。したがって、PHE型電力計測装置では、磁性薄膜がある程度の幅太である必要があり、幅細形状(ここでは例えば直線形状・長方形状の長手方向に細い形状を意味する)の磁性薄膜を使用することはできない。また、PHE型電力計測装置では磁性薄膜をブリッジ回路構成で構成しなければならないという形状的な制限も存在する。これらのことはPHE型電力計測装置では、高周波回路で用いられるマイクロストリップ線路やコプレナー線路等の特殊な線路上に設置することが困難であることを意味する。
この他に高周波用の電力測定装置としてはボロメータ計測器や精密計測器も存在するが、それらは複雑大型な構成で、かつ非常に高価なものであり、各デバイスや各施設ごとの電力測定・検出に耐え得るものではない。
特開平11−274598号公報
磁性膜を用いた薄膜電力計(電気学会マグネティツクス研究会資料VOL.MAG−05 No.182) 磁性膜を用いた薄膜電力計(電気学会マグネティツクス研究会資料VOL.MAG−05 No.192)
本発明は、上記の問題に鑑みて創作されたものであり、簡単かつ安価な構成で高周波回路を含めた種々の回路、電池等の電力測定に適した電力計測装置の構成を提供することを目的とする。
第一の発明に係る電力計測装置は、
電源に接続線を介して接続された負荷において消費される電力を測定する電力計測装置であって、
前記電源に対して前記負荷と並列に連結するための一対の連結端と、
磁性膜を含む磁性膜部と、
前記磁性膜部の両端に設けられた一対のセンサ端子を有し、
前記センサ端子の一端は前記連結端の一方に接続され、
前記磁性膜部の長手方向が前記接続線の電流が流れる方向と略平行になるように前記接続線に絶縁層を介して隣接配置されるセンサ素子と、
一端が前記センサ素子のセンサ端子の他端に接続され、他端が前記連結端の他方に接続される計測抵抗と、
前記センサ端子のそれぞれを計測端子とし、前記計測端子間の電圧を計測する電圧検出部とを有することを特徴とする。
これにより従来の積算電力量計に比べて小型で安価な電力計を提供することができる。また、この電力計測装置では磁性膜の長手方向の電圧を出力するため磁性膜を細長くした方が良く、高周波回路に多用されるマイクロストリップ線路等の線路上に設置し、電力測定する場合にも適している。この点、磁性膜の幅方向の電圧を出力し、磁性膜の幅を細くできないPHE型電力計測装置と比べても大きな利点がある。
第2の発明に係る電力計測装置は、
電源に接続線を介して接続された負荷において消費される電力を測定する電力計測装置であって、
前記電源に対して前記負荷と並列に連結するための一対の連結端と、
直線状に形成された第1の磁性膜と第2の磁性膜が直列に接続され、前記第1の磁性膜と前記第2の磁性膜の接続点が接地された磁性膜部と、
前記磁性膜部の両端に設けられた一対のセンサ端子を有し、
前記センサ端子の一端は前記連結端の一方に接続され、
前記磁性膜部の長手方向が前記接続線の電流が流れる方向と略平行になるように前記接続線に絶縁層を介して隣接配置されるセンサ素子と、
一端が前記センサ素子のセンサ端子の他端に接続され、他端が前記連結端の他方に接続される計測抵抗と、
前記センサ端子のそれぞれを計測端子とし、前記計測端子間の電圧を計測する電圧検出部とを有することを特徴とする。
本発明の電力計測装置では、磁性膜に加わる磁界によってオフセットが生じた場合でも、それをキャンセルし、測定される磁界の変化分だけを検出することができる。
第3の発明に係る電力計測装置は、
電源に接続線を介して接続された負荷において消費される電力を測定する電力計測装置であって、
前記電源に対して前記負荷と並列に連結するための一対の連結端と、
直線状に形成され、動作点のそれぞれ異なる第1の磁性膜と第2の磁性膜が直列に接続され、前記第1の磁性膜と前記第2の磁性膜の接続点が接地された磁性膜部と、
前記磁性膜部の両端に設けられた一対のセンサ端子を有し、
前記センサ端子の一端は前記連結端の一方に接続され、
前記磁性膜部の長手方向が前記接続線の電流が流れる方向と略平行になるように前記接続線に絶縁層を介して隣接配置されるセンサ素子と、
一端が前記センサ素子のセンサ端子の他端に接続され、他端が前記連結端の他方に接続される計測抵抗と、
前記センサ端子の一端および他端とを抵抗を介して連結した点と、前記接地点をそれぞれ計測端子とし、前記計測端子間の電圧を計測する電圧検出部と
を有することを特徴とする。
第3の発明に係る電力計測装置は、動作点の異なるセンサ素子を組み合わせて使用するので、使用の際にバイアス磁界が不要になる。
第4の発明に係る電力計測装置は、
電源に接続線を介して接続された負荷において消費される電力を測定する電力計測装置であって、
前記電源に対して前記負荷と並列に連結するための一対の連結端と、
磁性膜を含む磁性膜部と、
前記磁性膜部の両端に設けられた一対のセンサ端子を有し、
前記センサ端子の一端は前記連結端の一方に接続され、
前記磁性膜部の長手方向が前記接続線の電流が流れる方向と略平行になるように前記接続線に絶縁層を介して隣接配置されるセンサ素子と、
一端が前記センサ素子のセンサ端子の他端に接続され、他端が前記連結端の他方に接続される計測抵抗と、
前記センサ素子および前記計測抵抗と並列に、前記センサ素子と同等の抵抗値を有する等価センサ抵抗と、前記計測抵抗と同じ抵抗値を有する等価計測抵抗の直列接続が接続され、
前記センサ素子と前記計測抵抗の接続点と、前記可変抵抗と前記等価抵抗の接続点とを計測端子とし、前記それぞれの計測端子間の電位を検出する電圧検出部と
を有することを特徴とする。
第4の発明に係る電力計測装置では、センサ素子をブリッジ回路の1つの抵抗要素として用いるので、交流成分をキャンセルでき、交流成分に乗ったわずかな直流成分を精度よく検出することができる。
第5の発明に係る電力計測装置は、
電源に接続線を介して接続された負荷において消費される電力を測定する電力計測装置であって、
前記電源に対して前記負荷と並列に連結するための一対の連結端と、
直線状の形成された第1の磁性膜と第2の磁性膜が直列に接続され、前記第1の磁性膜と前記第2の磁性膜の接続点が接地された磁性膜部と、
前記磁性膜部の両端に設けられた一対のセンサ端子を有し、
前記センサ端子の一端は前記連結端の一方に接続され、
前記磁性膜部の長手方向が前記接続線の電流が流れる方向と略平行になるように前記接続線に絶縁層を介して隣接配置されるセンサ素子と、
一端が前記センサ素子のセンサ端子の他端に接続され、他端が前記連結端の他方に接続される計測抵抗と、
前記センサ素子が前記連結端の一方に接続された前記センサ端子と、前記計測抵抗が前記連結端の他方に接続された前記他端とに、前記計測抵抗と同じ抵抗値を有する等価計測手抵抗が接続され、
前記センサ端子同士を計測端子とし、前記それぞれの計測端子間の電位を検出する電圧検出部と
を有することを特徴とする。
第5の電力計測装置によれば、交流成分をキャンセルでき、交流成分に乗ったわずかな直流成分を精度よく検出することができるうえに、磁性膜に係るオフセットをキャンセルすることができる。
第6の発明に係る電力計測装置は、
電源に接続線を介して接続された負荷において消費される電力を測定する電力計測装置であって、
前記電源に対して前記負荷と並列に連結するための一対の連結端と、
直線状に形成され、動作点のそれぞれ異なる第1の磁性膜と第2の磁性膜が直列に接続され、前記第1の磁性膜と前記第2の磁性膜の接続点が接地された磁性膜部と、
前記磁性膜部の両端に設けられた一対のセンサ端子を有し、
前記センサ端子の一端は前記連結端の一方に接続され、
前記磁性膜部の長手方向が前記接続線の電流が流れる方向と略平行になるように前記接続線に絶縁層を介して隣接配置されるセンサ素子と、
一端が前記センサ素子のセンサ端子の他端に接続され、他端が前記連結端の他方に接続される計測抵抗と、
前記センサ素子が前記連結端の一方に接続された前記センサ端子と、前記計測抵抗が前記連結端の他方に接続された前記他端とに、前記計測抵抗と同じ抵抗値を有する等価計測手抵抗が接続され、
前記センサ端子同士を抵抗を介して連結した点と、接地された前記接地点とを計測端子とし、前記それぞれの計測端子間の電位を検出する電圧検出部と
を有することを特徴とする。
第6の発明に係る電力計測装置は、使用する際に動作点を調整するための磁界を必要とせず、さらに交流成分をキャンセルでき、交流成分に乗ったわずかな直流成分を精度よく検出することができる。
第7の発明に係る電力計測装置は、
電源に接続線を介して接続された負荷において消費される電力を測定する電力計測装置であって、
前記電源に対して前記負荷と並列に連結するための一対の連結端と、
磁性膜を含む磁性膜部と、
前記磁性膜部の両端に設けられた一対のセンサ端子を有し、
前記センサ端子の一端は前記連結端の一方に接続され、
前記磁性膜部の長手方向が前記接続線の電流が流れる方向と略平行になるように前記接続線に絶縁層を介して隣接配置されるセンサ素子と、
一端が前記センサ素子のセンサ端子の他端に接続され、他端が前記連結端の他方に接続される計測抵抗と、
前記磁性膜部の前記センサ端子と直角方向の端部のそれぞれを計測端子とし、前記計測端子間の電圧を計測する電圧検出部と
を有することを特徴とする。
第7の発明に係る電力計測装置は、プレーナーホール効果をセンサ素子として用いることができる。
磁気抵抗効果の説明模式図である。 磁気抵抗効果においてバイアス磁界が必要であることを示すグラフ図である。 本磁気抵抗効果型の電力計測装置の測定原理概要である。 本磁気抵抗効果型の電力計測装置における磁界センサ部の略斜視断面図である。 図4の磁界センサにおける絶縁部と磁性膜とを示す断面図である。 本磁気抵抗効果型の電力計測装置の計測回路例である。 図6の計測回路の改良例である。 図7の計測回路の測定結果である。 図8の他の測定結果である。 図8の他の測定結果である。 本電力計測装置でn次高調波測定の適正実証のための計測回路例である。 図11の計測回路での測定結果である。 (a)は図12の計測結果をまとめたグラフ図であり、(b)は、0W消費時を基準としてV2出力変化量を書き直したものである。 (a)は図12の計測結果をまとめたグラフ図であり、(b)は、左図(a)の計測結果を負荷抵抗RLoadでの消費電力を横軸として書き直したものである。 バンドパスフィルターで所望のn次高周波を抽出て出力させる電力計測装置構成である。 磁気抵抗効果とプレナーホール効果とを説明する模式図である。 交流バイアス磁界を印加しない場合の出力測定結果である。 異なる交流バイアス磁界を印加した場合の出力測定結果である。 異なる交流バイアス磁界を印加した場合の出力測定結果である。 矩形波に交流バイアス磁界を印加しない場合の出力測定結果である。 矩形波に交流バイアス磁界を印加した場合の出力測定結果である。 直流バイアス磁界を印加しない場合と、異なる大きさの直流バイアス磁界を印加した場合との出力測定結果である。 磁気抵抗効果の素子を直列接続して直流入力を測定する接続方法である。 図22の接続方法を改良例であり、電池の放電量と充電量とをモニタリング可能な構成である。 (a)は図5と同様の略図、(b)は本電力計測装置をマイクロストリップ線路の測定に用いた模式図、(c)は本電力計測装置をコプレナー線路の測定に用いた模式図である。 バーバーポール型の磁気抵抗効果型の電力計測装置における磁性膜を示している。 磁性膜の上部に設ける斜めの導体膜と電極を示している。 長手方向の電圧V1と磁界Hとの関係を示している。 差動型のバーバーポール型の磁気抵抗効果型の電力計測装置を示しており、(a)には上方から見た写真、(b)にはこの電力計測装置をマイクロストリップ線路の測定に用いた模式図が示されている。 通常の磁気抵抗効果による磁性膜の電気抵抗の変化の様子を示している。 傾きの異なるバーバーポールパターンによりバーバーポール磁性膜の磁気抵抗効果が磁性膜の左右で正負に異なるバイアス磁界が印可されているかのような特性を示している。 差動型のバーバーポール磁気抵抗効果型の電力計測装置の増幅回路の接続の様子を示している。 図32の具体的な測定系を示している。 図33のA−B端子間の出力特性を示している。 図33のC−B端子間の出力特性を示している。 図33のオペアンプの出力電圧を示している。 長軸と平行にバイアス磁界を印加したときの測定系の模式図を示している。 図37の測定系の出力特性を示している。 図37の測定系の出力特性を示している。 図37の測定系の出力特性を示している。 導体膜に負荷電流(I1)を流したときの電力計としての特性の測定系が示されている。 バイアス磁界を印加せずに導体膜に負荷電流(I1)を流した時の出力特性を示している。こ 素子長手方向(磁性膜の長手方向)への磁界印加による出力変化を示す。 バイアス磁界を印可した時の測定系を示している。 バイアス磁界印加したときの本磁気抵抗効果型の電力計測装置の出力特性を示している。 磁化容易軸を長手方向に対して傾斜させた磁性膜を用いたセンサ素子を示す図である。 (a)は僅かな直流成分のイメージ図、(b)はその直流成分をローパスフィルタやアンプで増幅させるイメージ図、(c)はダミー抵抗VRと磁性薄膜Rmrとの出力電圧を差動増幅することで直流電圧成分のみ取り出すイメージ図を示している。 図47の具体的な計測回路が示されている。 (a)(b)は、それぞれ参照側の入力交流(負荷電流)を実行値4.0V、100Hzとした計測結果を示している。 図49(b)と同様の方法で高調波電流の検出をした結果のグラフ図である。 センタータップ電極がある場合に、センサ素子をブリッジ回路に構成する場合の結線を示す図である。 センタータップ電極があって、両側の磁性膜の動作点が異なるセンサ素子をブリッジ回路に構成する場合の結線を示す図である。 九十九折れ型の磁性膜を用いたセンサ素子の構成を示す図である。 九十九折れ型のセンタータップ電極付のセンサ素子の構成を示す図である。
続いて、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
まずは本発明の電力計測装置の測定原理について説明する。
本発明に関わる電力計測装置は、強磁性体や半導体内で電流と磁化(自発磁化)のなす角度(向き)によりその磁性体の電気抵抗値が変化する現象である磁気抵抗効果を利用したものである。図1を用いてより具体的に説明する。強磁性体には、電流Iが流されている。
ここで、電流Iの流れる方向に直角方向から磁界Hが強磁性体に作用すると、磁化Mが磁界Hの影響を受け、方向が変化する。すると、電流方向の電圧V1が変化する。強磁性体の電流Iと同じ方向における磁気抵抗効果においては、磁界Hに対する出力電圧V1は図2に示すような偶関数を示す。図2では、横軸が強磁性体に作用する磁界であり、縦軸は電流方向における強磁性体の電圧V1である。
横軸は方向によって正負が決まる。例えば、図1の、紙面下から上に向かう磁界Hを正方向とすると、紙面上から下に向かって作用する磁界は、負の磁界である。出力電圧V1は、山形の特性を示し、線形特性を得るためには、正負どちらかの方向にバイアス磁界を付与する必要がある。図2では、正の方向にバイアス磁界をかけ、動作点が山形の特性曲線の傾斜部分に移動した様子を示す。
≪磁気抵抗型電力計測装置の測定原理および基本構成(交流入力の場合)≫
次に、本発明の電力計測装置における測定原理を図3を参照しつつ説明する。この回路構成は、電源Vinからの電流を電流I1とI2とに分けた並列回路である。電源Vinからの電流は、一次導体膜Cuと、消費電力が測定される負荷R1(Load R1)とに電流I1を流す搬送経路と、磁性膜1aと計測抵抗R2(12)とに電流I2を流す計測経路に並列に流される。なお、ここで計測抵抗R2は、磁性膜1aの抵抗値Rmrより十分に大きいとする。
負荷R1に流れる電流I1は一次導体Cuに流れると一次導体Cuの周囲に磁界Hを発生させる。この磁界Hによって、磁性膜1aは、磁気抵抗効果を示し、磁性膜両端の電圧Vmrも変化する。この出力電圧Vmrは、負荷R1での消費電力に比例する。したがって、出力電圧Vmrを測定すれば、負荷R1での消費電力を測定することができる
磁性膜両端の電圧Vmrが、負荷R1での消費電力を表すのは、以下のように説明できる。
Figure 0005885209
上記計算式の最終式は、AC成分とDC成分の和となっている。つまり、磁性膜1aの長手方向の出力電圧Vmrには、交流電圧と直流電圧とが重畳されて現れる。したがって、磁性膜1aの長手方向の直流電圧成分のみを計測すれば交流入力に対する負荷R1の消費電力(P=I1*V1=V1/R1)を測定することができる。なお、上記最終式中のDC成分は(V1/R1)cosθに比例している。つまり、Vmrの直流成分を測定することは、力率cosθを含んだ有効電力を測定することになる。
また、図3に示す本電力計測装置の原理を示す図において、負荷R1に入力される交流電圧および電流に、高調波が含まれている場合の電力計測についても検討する。下記数式2は上記数式1のV1、I1にn次高調波を含む場合についての出力電圧Vmrを求める計算式である。
Figure 0005885209
数式2の最終式は、各周波数成分のAC成分とDC成分の和となっている。したがって、本発明に関わる電力計測装置では、測定原理的に、電圧および電流に高周波を含んでいる場合においても、磁性膜1aの長手方向の出力電圧Vmrには、交流電圧と直流電圧とが重畳されて現れる。この時出力電圧Vmrの直流電圧成分は、基本波による消費電力に比例した直流電圧と、高調波による消費電力に比例した直流電圧とが合計された直流電圧である。
したがって、本発明に関わる電力計測装置では、電源が高調波成分を含んでいる場合でも、磁性膜1aの長手方向の直流電圧のみを計測すれば負荷R1での消費電力(力率を含む有効電力である)を測定することが可能である。
以上のような測定原理に基づき、電力計測装置を概説すると、図3を参照して、磁性膜1aを含むセンサ素子1と計測抵抗R2とセンサ素子1の電圧を計測する電圧検出部(図3では省略)とを含む。さらに、これらの構成を電力が計測される搬送回路に接続するための一対の連結端(10a、10b)を有する。
本電力計測装置では、検出する信号は直流電圧信号なので、デジタルテスター(DMM)等の簡単なデバイスを電圧検出部としても消費電力測定をすることができる。さらに、直流電圧信号は本質的に高周波による誘導ノイズの影響が小さい。したがって、本電力計測装置は高周波回路での電力測定に適していると言える。また、本電力計測装置では、磁性膜の長手方向(電流方向)の電圧を検出するため幅が細く長い形状の磁性膜は、出力電圧を大きくする(SNRを高く取れる)。
したがって、本電力計測装置は略直線状の素子を、高周波回路で多く用いるマイクロストリップ線路、ストリップ線路、コスプレナー線路等の線路状に設置することが容易である。この点においても本電力計測装置は原理的に高周波回路の電力測定に適していると言える。
≪磁気抵抗型電力計測装置の具体的な構成および計測結果≫
次に、本発明の電力計測装置において、磁性膜の磁気抵抗効果による交流電力測定について説明する。図4には、電力計測装置に用いるセンサ素子1を示す。センサ素子1は、磁性膜1aと、磁性膜1aの両短辺に設けられたセンサ端子1tで構成される。なお、図面向こう側のセンサ端子1tはこの図では見えない。磁性膜1aを保持するために絶縁体などからなる基板が含まれていてもよい。図4では、負荷に電流を流す接続線に相当する導体膜3と磁性膜1aとの間に絶縁膜2を介挿した3層構造を一体として形成した状態を示している。絶縁膜2はセンサ素子1を接続線に密着させるために設ける絶縁層である。
磁界Hは導体膜3に流れる電流I1により形成される。例えば、導体膜3、絶縁膜2、磁性膜1aはそれぞれ銅Cu、ポリイミド基盤、パーマロイで構成される。また、センサ素子1の断面詳細例を示す図5では、ガラス基板4上に磁性膜としてパーマロイ膜1aを形成し、パーマロイ膜1aの両端に接続するように銅膜3s(3sa、3sb)を形成する。このパーマロイ膜1aと銅膜3sの表面上にポリイミド基板2を形成し、さらにポリイミド基板2の表面上に導体膜3を形成している。上側の導体膜3を左側から右側に流れる電流I1と同相の電流I2(図3参照)が銅膜3sa中を流れる。この電流は磁性膜1a(パーマロイ)内を左端から右端に向けて流れ、銅膜3sbに流れる。
このポリイミド基板2側の導体膜1aの表面(紙面上面)を高周波電流(交流)の流れるマイクロストリップラインやコプレナー線路等の線路に設置すると、線路によって作られる磁界Hが、磁性膜(図4の磁性膜1aに相当)に作用し、磁性膜の磁気抵抗効果によって、電気的な出力(直流電力成分)として電力を求めることができる。
図25(a)には図5と同様の略図、図25(b)には本電力計測装置をマイクロストリップ線路の測定に用いた模式図、図25(c)には本電力計測装置をコプレナー線路の測定に用いた模式図が示されている。なお、図25において図5と同一の参照番号は同一のものを意味している。図25(a)(b)ともにストリップライン3に電流I1が流れ、磁性膜1aには電流I2が流れることとなる。また、マイクロストリップ線路、コプレナー線路の信号ラインである中央のストリップライン3が本電力計測装置のセンサ素子1が配置される導体膜3を兼ねている。すなわち、本電力計測装置は、マイクロストリップ線路やコプレナー線路の一部として一体に形成されることもできる。
「計測回路1」
ここで図6(a)に、磁気抵抗効果型である本電力計測装置の構成を、電力測定される回路20と共に示す。電力を計測される回路20は、電源をファンクションジェネレータ22とアンプ24で構成した。負荷はR1である。なお、負荷と電源の間は接続線で接続される。その接続線中において、電力計測装置のセンサ部が配設される箇所を接続線Rcuで表した。ファンクションジェネレータ22からの信号はアンプ(直流増幅器)24で増幅され、交流電源となる。
電力計測装置15は、センサ素子1と、計測抵抗12(R2)と、電圧検出部28を含む。また、電力計測装置15は、電力を計測される回路の電源に対して並列に接続するための一対の連結端10(10a、10b)を有する。この連結端10は、電源に対して負荷R1と並列に接続できれば、電力を計測される回路のどこに連結してもよい。連結端の間には、磁性膜を含むセンサ素子1と計測抵抗12(R2)が直列に接続される。計測抵抗12の端子はそれぞれ符号12a、12bと示す。
センサ素子1は、一対のセンサ端子1ta、1tbを有し、センサ端子間に磁性膜1aが形成されている。図6(b)にはセンサ素子1の拡大図を示す。つまり、短冊状の磁性膜の相対する短い辺のそれぞれにセンサ端子は設けられる。なお、両方のセンサ端子を区別せず説明する際には「センサ端子1t」と示し、別々に説明する必要がある場合は、「センサ端子1ta」若しくは「センサ端子1tb」と示す。また、連結端10および計測抵抗12の端子も同様に表記する。
センサ端子の一端1tbは、連結端の一方10bに接続される。センサ素子1は、電力が測定される回路の接続線に、磁性膜の長手方向が、接続線を流れる電流と同じ方向になるように配置される。この時センサ素子1の磁性膜と接続線の間には絶縁層が形成される。接続線に流れる電流が磁性膜に流れないためである。
磁性膜は接続線に流れる電流による磁界の作用を受けて磁気抵抗効果を発揮する。磁気抵抗効果は作用される磁界の強さに比例すると考えてよいので、センサ素子はできるだけ接続線に接近させて配置するのが好ましい。
センサ素子1の他端1taは、計測抵抗12の一端12bに接続される。また計測抵抗12の他端12aは、連結端10の他方10aに接続される。これで、連結端10の一方10bから他方10aにかけて、センサ素子1と計測抵抗12が直列に接続された。また、それぞれのセンサ端子(1ta、1tb)は、計測端子13(13a、13b)とされ、この計測端子13間の電圧を電圧検出部28で計測する。ここで、電圧検出部28で計測し電力として有効であるのは、直流電圧なので、計測端子13間にローパスフィルタ26を連結する。なお、このローパスフィルタは、本発明に係るすべての電極計測装置に設けることができる。
電圧はローパスフィルタ26において高周波成分がカットされる。ローパスフィルタ26で高周波がカットされた出力電圧はデジタルテスター28(DMM=digital multimeter)で直流成分が測定される。すなわち、電圧検出部28は、DMMで構成されている。なお、電圧検出部28は、DMM以外の手段で電圧検出を行ってもよいのは言うまでもない。
なお、磁気抵抗効果型の場合は、センサ素子1の磁性膜は短冊状が好ましい。電流を長手方向に流すことで抵抗変化を大きく取れるからである。しかし、正方形、ひし形、円形、楕円形といったその他の形状や、折れ曲がった形状等を排除するものではない。磁性膜は負荷に流れる電流の接続線の形状に合わせる必要があるからである。すなわち、本明細書では短冊状といった場合には、これらの形状も含まれる概念としてとらえてよい。
また、本明細書では、センサ端子は、短冊状の磁性膜の相対する短辺に設けるとする説明を行うが、実質的に磁性膜の長手方向に電流を流すために設けられたセンサ端子であれば、短冊状の磁性膜の相対する短辺以外の位置に設けられてもよい。負荷に電流を流す接続線の形状によっては、磁性膜の短辺から離れた位置にセンサ端子を設けなければならない場合もあるからである。
また、図2で示したように、磁気抵抗効果では、線形な動作点を得るためには、センサ素子の長手方向に直角な方向に、直流バイアス磁界を印加する必要がある。この直流バイアス磁界を動作点調整バイアス磁界とよび、動作点調整バイアス磁界を発生させる手段を動作点調整バイアス磁界印加手段と呼ぶ。動作点調整バイアス磁界印加手段は、永久磁石や電磁石などで構成することができる。
なお、後述するバーバーポール磁性膜や磁化容易軸傾斜型磁性膜のように、動作点調整バイアス磁界を必要としない場合を除いて、本発明のすべての電力計測装置には、動作点調整バイアス磁界印加手段を設けることができる。
図7には、電力計測装置15の他の構成を示す。図7では、ファンクションジェネレータ32からの信号を、2つのアンプ(直流増幅器)34、35に入力し、アンプ35(AMP2)のオフセットの変化がセンサ素子1の出力電圧に影響しないように構成されている。アンプ34(AMP1)、アンプ35(AMP2)には、同位相の交流が出力されている。
本発明の電力計測装置15に流す電流は、電力を計測される回路に流れる電流と同周波数の電流を流さなければならない。図6では電力計測装置は、連結端10によって電力を計測される回路に並列に接続されたので、この条件は満たされていた。しかし、電力が計測される回路(搬送経路)と同一電源に連結していなくても、搬送経路に流れる電流と同周波数の電流を流せるのであれば、電力計測装置自体が電源を有していても良い。この電源は電圧源であってもよいし、電流源であってもよい。
なお、本発明の電力計測装置では、電力が計測される回路に流れる電流と同位相の電流を磁性膜に流す必要がある理由を、下記の数式3に示す。数式3は、入力電圧が同周波数でなければ(ω1≠ω2)、出力電圧が交流成分のみとなることから理解される。なお、数式3は数式1と数式2と同様に図3の電力測定原理に基づくものである。
Figure 0005885209
また、図7に示した構成において、磁性膜からの出力電圧をローパスフィルタ26で高周波成分をカットし、デジタルテスター28で出力電圧の直流成分を測定する点は図6の場合と同様である。
図7の構成での電力計測の結果を図8乃至図10に示す。図8、図9では、電源電圧を実効値2.0V、60Hzの交流電源とし、負荷R1を無限大(解放)10Ω、3.9Ω、2Ωと200秒ごとに変化させ、さらに2Ω、3.9Ω、10Ω、無限大(解放)と変化させてセンサ素子1の出力電圧を測定した結果をグラフ化している。横軸は時間であるが、実質的には負荷抵抗の大きさである。また左縦軸は、デジタルテスター28の出力電圧であり、右縦軸は、負荷に流れた電流値である。
出力が縦軸方向に振れているのが出力電圧であり、符号「a」で示した。抵抗が小さくなるに従い、流れる電流は多くなり、負荷での消費電力は大きくなる。出力電圧aは、抵抗の変化にしたがって、上昇および降下している。また、出力電圧aとほぼ同じ位置に負荷に流れる電流bが表示されている。左右の縦軸はともにリニアであるので、負荷に流れた電流(すなわち消費電力)に比例した出力電圧aが得られているのがわかる。なお、各抵抗体の抵抗値はそれぞれ、R1≒150Ω、Rcu≪1、R2=4.7KΩ、であり、ローパスフィルタ36の性能は、80dBゲイン(DC応答)である。
次に、電源電圧の周波数を変化させて計測した結果を図9に示す。図9(a)では電源電圧の周波数が100Hzであり、図9(b)では200Hzの測定結果を示している。両図とも、横軸は時間(実質的には抵抗値)であり、また左縦軸が出力電圧、右縦軸が負荷に流れる電流であるのは、図8の場合と同じである。いずれの周波数においても階段状に変化させた消費電力に対応して、出力電圧が変化していることが理解される。
図10は、各周波数のそれぞれの時間区間(すなわち、選択された負荷の抵抗値)で出力電圧の平均値を計算し、消費電力と出力電圧の関係を示したグラフである。横軸は消費電力、縦軸はそれぞれの出力電圧の平均値を示している。このグラフからも比較的再現性がよく、消費電力に比例した出力電圧が得られることがわかる。なお、消費電力が0[W]のときの出力電圧が各周波数で異なっているのは、アンプ35(AMP2)のオフセットが計測ごとに変化したためと考えられる。
≪任意のn次高調波ごとの電力計測装置(磁気抵抗効果型、プレナーホール効果型(PHE型)、ホール効果型の電力計測装置に適用)≫
上述するように磁気抵抗効果を利用した電力計測装置では、センサ素子に交流電圧成分と直流電圧成分とが重畳して出力され、このうち直流電圧成分をDMM等の電圧検出部で検出する。その他、PHE型電力計測装置や半導体薄膜を利用する電力計測装置のごとき薄膜素子を用いる電力計測装置(「薄膜型電力計測装置」とも称する)において検出する出力信号は直流電圧である。
上述した数式2からも明白なように、電源電圧にn次高調波が含まれていた場合、出力電圧信号Vmrのうち直流電圧成分は、各n次高調波の有効消費電力(力率を含む)の総和であることがわかる。したがって、本発明の電力計測装置の場合、n次高調波を含む電源に対してもセンサ素子の直流電圧を測定するだけで対応する各高周波の消費電力合計を測定することができる。この点を詳細に説明する。
図11は、実証に使用した計測回路を示している。なお、図3と同様の参照記号、符号のものは同様のものとする。まず、負荷抵抗(RLoad=R1)には、交流電源V1が接続され、その結果電流が流れる。この電流は、接続線である導体膜Rcuにも流れる。また、電力測定装置側では、センサ素子1(抵抗はRmr)からの出力電圧はローパスフィルタ26において高周波成分がカットされる。ここでは電源V1での最低発振周波数以上の成分をカットする。ローパスフィルタ26で高周波成分がカットされた出力電圧はデジタルテスター28(DMM=digital multimeter)で直流成分が測定される。また、センサ素子1には、電源V2から電流が流される。これは、電力が計測される回路側に流れる周波数の電流と異なる周波数の電流をセンサ部に流せるようにしたものである。
図12は、図11の計測回路でのDMM28での出力電圧の測定結果を示している。まず、計測される側の回路では、図12左上に記載するように電源V1は、大きさの等しい100Hz成分と200Hz成分とを重畳(「100Hz+200Hz」と表記)して含んでいる。すなわち、図12では、100Hzと200Hzの2つの周波数成分を含んだ電源電圧を用いた場合における消費電力測定例を示すことになる。
また、負荷抵抗RLoadは、開放(=無限大)、3.9Ω、1.9Ωと所定時間毎に切り換えた。電源電圧と負荷によって決められる電流が負荷Rloadに流れる。一方、電力計測装置側では、電源V2の信号として(1)100Hz+200Hz、(2)100Hz、(3)200Hz、(4)300Hzの信号を用意し、センサ素子1のセンサ端子(1ta、1tb)間に電流を流した。
図12は、横軸が時間であり、左縦軸は電力計測装置の検出電圧(図11のDMM28での測定値)であり、右縦軸は負荷に流れた電流である。横軸は、抵抗を順次切り替えたので、直接的には時間を表すが、実質的には電力を計測される回路における負荷の抵抗値である。なお、負荷が無限大、3.9Ω、1.9Ωとなる領域を、四角で囲った「1」、「2」、「3」の数字で示した。負荷が小さくなるに従って、負荷に流れる電流は多くなるので、消費電力は増加することになる。また、図12において符号(5)で示されるラインは、負荷に流れた電流であり、それぞれの領域に従って、階段状に増加している。
図12からは、センサ素子に流される電流が(1)100Hz+200Hz、(2)100Hz、(3)200Hzのそれぞれで負荷抵抗RLoadでの消費電力の増加とともに、計測された電圧値(縦軸)が増加している様子が分かる。一方、(4)300Hzでは計測電圧値は増加していない。すなわち、センサ素子に電流として供給しなかった100Hz+200Hzという信号成分に含まれない300Hz成分はセンサ素子に電流を流しても検出されないことがわかる。これにより、消費電力を計測される側の電源にない周波数成分は本発明に係る電力計測装置では、直流成分として出力されないことがわかる。
また、センサ素子への入力電流が(1)100Hz+200Hz、(2)100Hzはほぼ同じレベルのノイズが含まれるが、(3)200Hzでは若干ノイズレベルが減少し、(4)300Hzではさらにノイズレベルが減少している様子が分かる。したがって、本電力計測装置は、高周波電力の測定ほど適した方式であることがわかる。なお、オフセット電圧とその変動は計測機器での影響と推測される。
図13(a)は、図11の測定系での結果である図12の計測結果をまとめたグラフである。縦軸が電力計測装置の出力電圧であり、横軸は時間(実質的には負荷の抵抗値)である。それぞれの時間(負荷の抵抗値)毎に、平均値をプロットした。
図13(b)は0W消費時を基準として電力計測装置の計測電圧の変化量を書き直したものである。横軸は時間(実質的には負荷の抵抗値)であり、縦軸は電圧である。図13(b)よりわかるように、センサ素子に流した電流が(2)100Hz、(3)200Hzでの計測結果は良く一致しており、その直線性も良好である。また、(1)100Hz+200Hzの計測結果と、(6)100Hz、200Hzでの計測値を加算したものと、はよく一致していることがわかる。このことより本電力計測装置は、全ての高調波での電力消費を計測可能であることを示していると共に任意のn次高調波での消費電力を計測可能であることがわかる。
図14(a)は、図11、図12の計測結果をまとめたグラフ(図13(b)と同じ)であり、図14(b)は、図14(a)の計測結果を負荷抵抗RLoadでの消費電力を横軸として書き直したものである。図14(b)よりわかるように、全ての計測値は一直線上にあり、計測結果は良く一致しており、直線性は良好である。
また、図14(a)から(1)100Hz+200Hzの計測結果と、(6)100Hzと200Hzとの計測値を加算したものと、はよく一致していることがわかる。このことより本電力計測装置は、全ての高調波での電力消費を計測可能であることを示していると共に任意のn次高調波での消費電力を計測可能であることがわかる。
図15に本発明の電力計測装置の他の具体的構成例を示す。なお、図15では、センサ素子からの出力を計測する電圧検出部は記載を省略した。この構成では、n個のバントパスフィルタ41が並列に配置され、そのうちの1つのバンドパスフィルターを選択するスイッチ42を有するバンドパスフィルター手段40が、センサ素子1および計測抵抗12に直列に接続されている。ここでは、スイッチ42は、1つのバンドパスフィルターを選択するように説明しているが、n個以下のバンドパスフィルターを同時に選択してもよい。
本構成の電力計測装置では、バンドパスフィルター41を用いて任意のn次高調波に比例した電圧を検出することができる。本電力計測装置では、負荷R1を流れる電流I1により発生する磁界により隣接するセンサ素子1の電気抵抗Rmrを変化させる。この点では従来の薄膜素子を用いる電力計測装置と同様である。ただし、本電力計測装置では交流電源に含まれる高周波からバンドパスフィルター41を通して任意のn次高調波電圧に比例した電流をセンサ素子1に流す。
バンドパスフィルター41とは、必要な範囲の周波数のみを通し、他の周波数は通さない(減衰させる)機能を有する。例えば、図15のバンドパスフィルター41が、I2=120Hzの電流を通す場合、センサ素子1の出力電圧もVmr=120Hzの周波数成分のみが出力される。
したがって、図15の電力計測装置における出力電圧Vmrは、バンドパスフィルター41で選択されたn次高調波電圧によって消費された電力に比例した直流電圧を得ることができる。なお、この薄膜素子を利用する電力計測装置には、上述してきた(1)磁気抵抗効果による磁性薄膜の電気抵抗変化を利用する電力計測装置や、(2)プレナーホール効果による磁性薄膜の電気抵抗変化を利用する電力計測装置の他、(3)ホール効果による半導体膜の電気抵抗変化を利用する電力計測装置にも適用される。なお、出力電圧は、(1)では符号1aを磁性膜として長手方向の電圧Vmrを、(2)では符号1aを磁性膜として幅方向の電圧VPHEを、(3)では符号1aを半導体膜として厚さ方向の電圧VHEを、それぞれ出力として直流成分を検出する。
図15の電力計測装置は、電源の高調波成分による消費電力を検出することができる。したがって、高周波成分の電力が漏洩することによる電化製品の火災等が多発している地域においては、周波数ごとの高周波の漏洩を探知し、高周波漏洩の警告を行うための手段として利用が可能である。
また、上記図15の構成の電力計測装置では、入力電圧をn次高調波である場合について説明してきたが、図15の電力計測装置の構成例は、単一周波数の入力電圧の場合であってもよい。数式1〜数式3で説明したように本電力計測装置の場合、測定対象である負荷における消費電力を直流電圧成分だけで測定できる。したがって、バンドパスフィルターで交流電圧成分を除去することで直流電圧成分のみを分離し、負荷の消費電力を測定できる。さらに、低周波あるいは高周波領域の出力電圧成分をバンドパスフィルターで除去することで必要な周波数領域の消費電力も測定できる。
≪直流電流(磁界)測定時の出力電圧安定方法(磁気抵抗効果型、プレナーホール効果型電力計測装置に適用)≫
「交流バイアス磁界を印加(再現性向上)」
次に、図16(a)では(異方性)磁気抵抗効果型の電力計測装置の磁性膜部分(強磁性体)の模式図が示され、図16(b)ではプレナーホール型(以後「PHE型」と呼ぶ。)の電力計測装置の磁性膜部分(強磁性体)の模式図が示されている。PHE型では、磁性膜に流す電流と直角方向の相対する2辺の間の電圧V2を計測する。
従って、PHE型の電力計測装置では、センサ素子のセンサ端子が形成されていない辺に電圧を取り出す計測端子13(13a、13b)を形成する。この点が磁気抵抗効果型の電力計測装置(図16(a))と異なる点であり、他の構成は図6および図7で説明した電力計測装置と同じである。ここで図16(a)(b)の両電力計測装置のセンサ素子を用いた直流電力の測定に際して、通常、出力V1、V2の直流出力電圧は不安定になる(ドリフトする)ことがわかってきた。
図17には図16(b)のように計測端子を形成したPHE型電力計測装置で直流磁界Hのみを計測する場合(交流バイアス磁界の印加なし)の電流I1に対する出力電圧V2の測定結果を示している。ここで、負荷には直流電流だけが流される。なお、図17の実験条件としては、次の通りである。
使用した磁性体素子:直径10mmの円形素子
直流印加磁界:−2A(−100A/m)〜2A(100A/m)
測定:周期は120sec、今回は300prot/600sec
また、負荷に流れる電流が直流電流だけの場合は、交流成分がないため、電力計測装置には、ローパスフィルタ26(図6参照)は不要である。つまり、本発明の電力計測装置では、電圧検出部28にはローパスフィルタが接続されない場合もある。
図17では、横軸が負荷に流れる電流であり、縦軸は検出された電圧である。PHE型素子では、作用を受ける磁界に対して出力電圧特性が奇関数となるため、電流ゼロを中心に右下がりの出力電圧特性を示す。数回の測定を繰り返したが、図17に示すように、結果がばらついた。この図17から、一次導体を流れる負荷電流(直流電流)による直流磁界だけの作用で電力計測を行う場合ではドリフトにより出力電圧の再現性が悪化していることがわかる。
これに対して図18〜図19にはPHE型電力計測装置で、直流磁界Hを計測するに際し、計測する直流磁界と平行に交流バイアス磁界を印加した場合の負荷電流I1に対する出力電圧V2の測定結果を示している。それぞれ、複数回同じ計測を行った。図18〜図19の実験条件としては、交流バイアス磁界を余分に印加したこと以外図17と同様である。なお、交流バイアス磁界は発振器と増幅器の組み合わせにより生成した。ここで交流バイアス磁界を検出磁界と平行に印加する手段を交流バイアス磁界印加手段と呼ぶ。
また、印加した交流バイアス磁界は、図18(a)の場合−0.1A(5A/m)、50Hz、図18(b)の場合−0.2A(10A/m)、50Hz、図18(c)の場合−0.3A(15A/m)、50Hz、図19(d)の場合−0.4A(20A/m)、50Hz、図18(e)の場合−0.5A(25A/m)、50Hz、である。
図18、図19の測定結果から、交流バイアス磁界が、5A/m、10A/m、15A/mのときには交流バイアス磁界なしの場合(図17参照)に比べて、出力電圧の再現性が良くなっていることがわかる。一方、20A/m、25A/mと交流バイアス磁界を大きくしていくと計測される直流磁界に対して相対的に交流バイアス磁界が大きくなり、出力電圧の再現性は悪くなっていることがわかる(図19)。したがって、磁性膜の磁化を僅かに振動させる程度の交流バイアス磁界によって、出力電圧の再現性はよくなることがわかった。
この現象は、磁性膜の磁化の挙動に関係する現象であり、磁性膜をセンサ素子に用いる限り、出力の安定性に効果がある。つまり、上記の説明ではPHE型電力計測装置について説明を行ったが、磁性膜に流す電流と同じ方向の電圧を計測する磁気抵抗効果型電力計測装置であっても、計測される直流磁界と平行な交流バイアス磁界を印加する交流バイアス磁界印加手段は有効である。
「矩形波の交流バイアス磁界を印加(安定性向上)」
次に、矩形波電流を負荷に流したときの消費電力を測定する際に、交流バイアス磁界を磁性膜に印加した時の測定結果を示す。図20〜図21の(a)図は、周期120[sec]で導体膜Cu(一次導体)に−2A(−100A/m)と2A(−100A/m)の矩形波の電流を流すことで直流磁界(図16参照)をセンサ素子の磁性膜に作用させたときの出力電圧を示している。図20は交流バイアス磁界を印加しない場合、図21は交流バイアス磁界(−0.3A(15A/m)、50Hz)を導体膜Cuから発生する磁界に平行に磁性膜に印加(追加)した場合を示している。なお、測定は、240[sec](2周期)で240prot行った。グラフの横軸に時間、縦軸に入力(直流印加磁界)、出力電圧を表示している。
また、図20〜図21の(b)図は、(a)図の丸囲み部分を拡大したものである。これらの図から明らかなように交流バイアス磁界を印加すると出力電圧の「ゆらぎ(分散)」が小さくなっている。交流バイアス磁界印加の有無による出力電圧の分散の具体的な値を表1に示している。この表から交流バイアス磁界により出力の安定性が約1.5倍ほど改善されていることがわかる。
Figure 0005885209
「直流バイアス磁界を印加(感度上昇)」
図17〜図21では直流磁界の測定に際し交流バイアス磁界を印加した場合の効果について説明してきた。ここでは直流バイアス磁界を用いた場合の効果について言及する。ここでの「直流バイアス磁界」とは、磁性膜の磁化容易軸方向に平行に直流磁界を印加することをいう。
図22では、直流バイアス磁界を印加しない場合(PHE型電力計測装置において、直流磁界Hだけが、磁性膜に印加されている場合)と、直流バイアス磁界を印加した場合の出力電圧を示している。なお、直流バイアス磁界を印加した場合の計測では、大きさの異なる直流バイアス磁界を使った結果を示した。
具体的には、
(1)直流バイアス磁界を印加しない場合、(2)80A/mの直流バイアス磁界を印加した場合、(3)240A/mの直流バイアス磁界を印加した場合、(4)480A/mの直流バイアス磁界を印加した場合、(5)800A/mの直流バイアス磁界を印加した場合、(6)1200A/mの直流バイアス磁界を印加した場合、の測定結果を示している。磁性膜に流す直流電流は10mAである。なお、直流バイアス磁界は、永久磁石の距離調整により調節される。
図22では、横軸が負荷に流す直流電流によって生じる直流磁界の大きさであり、縦軸は電力計測装置の出力である。この図から直流バイアス磁界は、大きくなるにつれ出力電位差を大きく取れることがわかる。直流バイアス磁界印加は電力計測装置の感度を向上させることができるとも言える。
本発明の電力計測装置は、センサ素子1に対してその磁性膜の磁化容易軸方向に直流バイアス磁界を印加する直流バイアス磁界印加手段を有することができる。磁性膜の磁化容易軸方向は磁性膜の長手方向に誘導される場合が多い。その場合、直流バイアス磁界印加手段は、センサ素子の磁性膜の長手方向と平行な方向に磁界を印加する。また、直流バイアス磁界印加手段は磁性膜が後述するバーバーポール磁性膜、磁化容易軸傾斜型磁性膜、九十九折れ型磁性膜およびこれらの組み合わせで構成されたセンサ素子に対しても適用することができる。
もちろん、後述するように磁性膜の長手方向と磁化容易軸を一致させていない場合もある。その場合は、見かけ上磁性膜の長手方向と異なる方向(磁化容易軸の方向)に直流バイアス磁界を印加する。直流バイアス磁界を印加する具体的手段としては、永久磁石若しくは電磁石による磁界が考えらえる。
≪磁気抵抗効果型電力計測装置における直流測定方法例(電池等の電力測定への適用)≫
磁気抵抗効果型の電力計測装置では、負荷に接続する電源が直流電源の場合には、大きな直流オフセット電圧が現れる。このため1つの磁性膜1aでは直流電力測定ができない。しかしながら、図23に示すように2個の磁性膜1aおよび1pを直列に接続し、かつ接続点を接地することで、それぞれの磁性膜で発生するオフセット電圧をキャンセルさせることができる。ここでセンサ端子1t(1ta、1tb)は、磁性膜1aと磁性膜1pの両端である。また、このセンサ端子1tは計測端子13(13a、13b)でもあり、電圧検出手段28が接続される。なお、図23ではアンプが電圧検出手段28を表す。
すなわち、このセンサ素子1は、磁性膜1aと磁性膜1bが直列に接続され、その接続点に接地のためのセンタータップ電極1mが設けられ、センタータップ電極1mをはさんで磁性膜1a、1pの両端にセンタ端子1ta、1tbが設けられる。したがって、このようなセンサ素子1では、各磁性膜1a、1pの両端での出力電圧Vmrにはオフセット電圧が現れない。したがって、このような磁性膜の接続方法によれば磁気抵抗効果型の電力計測装置の欠点であった直流電力測定不能という問題を解消し得る。なお、出力を安定させるために交流バイアス磁界印加手段を併用してもよい。交流バイアス磁界印加手段による交流バイアスをHbacで表す。また、ここでは2つの磁性膜をまとめて1つのセンサ素子としてが、2つのセンサ素子を直列に接続し、接続点を接地してもよい。
図24は図23の電力計測装置を二次電池に応用した形態であり、図24のセンサ素子1、計測抵抗12および電圧検出手段28に加え整流回路37、充電器38、切替スイッチ39が付加されている。整流回路37は交流電流を直流電流に変換するものであり、ブリッジ回路が簡易構成例となる。また、充電器38は交流電流を充電するものであり、図示しないが充電器38には外部電源(交流)が接続される。
まず、切替スイッチ39を負荷R1側に接続した場合、図23で説明したように直流電源である電池の消費電力を検出することができる。一方、切替スイッチ39を充電器38側に接続すると充電器38に充電される電力を検出することができる。
したがって、図24の構成の二次電池では、電池により負荷R1に電力を供給する場合と、電池に外部電源により充電する場合の電力とにおける電力の移動量(放電量、充電量)をモニタリングすることができる。
なお、図23、図24の構成以外にも磁気抵抗効果型の電力計測装置の直流測定で現れる直流バイアス電圧(オフセット電圧)を差し引く方法として、直流バイアス電圧と同等の電圧をダミーの抵抗体で発生させるなどの方法も考えられる。
《バーバーポール磁気抵抗効果型の電力計測装置》
次に、バーバーポール磁気抵抗効果型の電力計測装置について説明する。この電力計測装置は、上述する磁気抵抗効果型の電力計測装置の変形例である。
図26にはバーバーポール型の磁気抵抗効果型の電力計測装置におけるセンサ素子の磁性膜を示している。図27は磁性膜の表面に設ける斜めの導体膜1cと電極が示されている(以下、バーバーポール電極と呼ぶ)。また以下、磁性膜とその上部に形成された斜め導体(バーバーポール電極)との一体型磁性膜を「バーバーポール磁性膜1bbp」と称する。図26はバーバーポール磁性膜1bbpを上方から見たときの電流方向と磁化方向とを示したイメージ図を(a)に、バーバーポール磁性膜1bbpを(a)と同じく上方から見た写真図(b)を示している。なお、負荷に流れる電流によって発生する磁界Hは、紙面下から上に向かっているとしている。
また、図27は磁性膜1aの表面に設ける斜め導体1cと電極が示されており、(a)では全体視を、(b)では(a)の丸囲み部分の拡大視を示している。斜め導体1cは、磁性膜1aの長手方向に対して複数個が配置されている。
また、図27では、中央から左右で傾斜の方向が変わっている。つまり、右側の斜め導体を第1のグループとし、左側の斜め導体を第2のグループとするとそれぞれの傾斜の方向は逆方向を向いている。
斜め導体の第1グループおよび第2グループの間(境界)には、センタータップ電極1mが形成されている。つまり、バーバーポール磁性膜1bbpを2つ直列に接続し、1つのセンサ素子としたものは、使用時にセンタータップ電極1mを接地することができる。また、斜め導体両端には、センサ端子10(10a、10b)が形成されている。磁性膜1cに電流を流すためである。このように、センサ端子10は、磁性膜1cの両端から離れた位置に形成されていてもよい。また、センサ端子10と同じ地点から計測端子13も形成される。なお、傾斜方向の同じ導電膜を施した磁性膜を2つ直列に接続し、センタータップ電極をつけても良い。そのようなセンサ素子は、各磁性膜のオフセット電圧をキャンセルすることができる。
図26(b)の具体的な試作例には、磁性膜として長さ30mm、幅1mm、膜厚約0.1μmのパーマロイ(NiFe)膜を用いている。バーバーポール磁性膜1bbpには図26〜図27に示すように磁性膜の幅方向(紙面上下方向)に斜めの導体膜1cを設けており、銅(Cu)を用いている。この導体膜1cは幅0.5mm、長さ3mm、膜厚0.1μm、導体膜−導体膜の間隔1mmである(図27参照)。
図26〜図27に示すセンサ素子1を電力計測装置の一部として用いる場合、磁性膜1aには電流を流す必要がある。この際、導体膜1cを設けることにより、磁性膜中に流れる電流の方向を制御することができる。つまり、電流は電気抵抗のより小さい方向に流れる性質を持っているので、磁性膜中に流れる電流は、導体膜1c同士の最短距離を進み、結果として磁性膜の長手方向に対して斜めに電流を流すことができる(図26(a)参照)。
より詳細に説明すると、まず、磁性膜(パーマロイ膜)1aの電気抵抗に比べ導体膜(Cu膜)1cの電気抵抗は約10分の1程度である。したがって、電流は、磁性膜1aの長手方向を直進するよりも導体膜−導体膜間の距離の短い方と導体膜1cを流れる方が電気抵抗が小さくなる。磁性膜には形状異方性、誘導異方性により予め長手方向に磁化方向(磁化容易方向)が誘導されているので、斜め導体1c間の磁性膜中で流れる電流の方向と磁化方向とに角度が生じることになる。
そのため、図28(b)に示すようにバーバーポール磁性膜1bbpの磁気抵抗特性は通常の磁気抵抗効果による磁界−抵抗特性があたかもバイアス磁界によりバイアスされているかのような特性を示す。すなわち、磁気抵抗効果からリニア特性を得られる動作点を、バイアス磁界がない状態で、作用磁界がゼロの点に設定することができる。
図28は、長手方向の電圧V1と磁界Hとの関係を示している。図28(a)は通常の磁気抵抗効果を表している。磁界Hに対する出力電圧V1は偶関数を形成する。そのため線形特性を得るためにバイアス磁界を付与する必要がある。一方、図28(b)は、バーバーポール磁性膜の磁気抵抗効果を示しており、バイアス磁界が不要であることがわかる。従って、バーバーポール磁性膜を用いたセンサ素子を有する電力計測装置は、センサ素子の長手方向に直角方向の直流バイアス磁界を必要としない。また、そのような電力計測装置は、上記で説明した電力計測装置と同じように構成することができる。
≪差動型のバーバーポールの磁気抵抗効果型の電力計測装置≫
図29に差動型のバーバーポールの磁気抵抗効果型の電力計測装置のセンサ素子を示しており、(a)には上方から見た写真、(b)にはこのセンサ素子をマイクロストリップ線路の測定に用いた模式図が示されている。図29(a)からは、磁性膜上には、左右に傾きの異なるバーバーポールが作製されているのが分かる。なお、図29(b)は図25(b)と電極の数が違う。図29(b)は、センタータップ電極を有するタイプのセンサ素子である。
図30に通常の磁気抵抗効果による磁性膜の電気抵抗の変化の様子を示しておく。図30(a)は、短冊状の磁性膜1aと、負荷に流れる電流によって発生する磁界Hを示している。図30(b)は、この短冊状の長手方向に電流が流れた時の両端電圧(縦軸)と、磁界H(横軸)の関係を示す。縦軸の電圧VMRは抵抗Rに比例する。この出力電圧特性が磁界Hがゼロの点を中心に偶関数を示すのはすでに説明したとおりである。
一方、図31(a)を参照して、傾きの異なるバーバーポールパターンによる差動型バーバーポール磁性膜1bbpの磁気抵抗効果は斜め導体の傾斜方向に応じて正負に異なるバイアス磁界が印可されているかのような特性を示す。図31に示すように左のバーバーポール磁性膜1bbpaは、外部からの印加磁界に対して負にバイアスされている特性Bを示し、右のバーバーポール磁性膜1bbppは正にバイアスされているかの特性Aを示す。
この異なるバーバーポール磁性膜1bbpa、1bbppを直列に接続し、同じ方向たとえば左から右方向に磁界を印可すると各々のバーバーポール磁性膜の抵抗は一方では減少し、また一方では増加するように変化する。それらを差動出力させれば図31(b)のように磁界ゼロ点を動作点として変化のみを取り出すことができるようになる。これを差動型バーバーポール磁性膜と呼ぶ。
また、通常の磁気抵抗効果の磁性膜1aを用いる場合には図30に示すような大きなバイアス磁界を印可して、動作点を直線性の良い所に設定する必要がある。しかし、図31に示すように差動型バーバーポール磁性膜を用いることにより動作点を零磁界に移動させることができる。また磁界による電気抵抗の変化も2倍に拡大することができる。さらに、無バイアス磁界で出力電圧を得ることができる。
図32に差動型バーバーポール磁性膜をセンサ素子として用いた差動型バーバーポール磁気抵抗効果型の電力計測装置の構成を示す。電源からは負荷R1に電流が供給される。負荷と電源の間は接続線によって接続されている。センサ素子1は、接続線の一部に磁性膜の長手方向を接続線の方向に一致させて配置する。図32では負荷R1に流れた電流はセンサ素子1の下を流れる様子を示す。連結端10a、10bは、電源と負荷が作る回路に、負荷R1と並列になるように連結する。
連結端10aには、計測抵抗12の一端12aが接続される。他端12bはセンサ端子1taに接続される。センサ端子1tbは、接続端10bに接続される。センサ端子1taと1tbは抵抗を介して接合されている。この点が計測端子13aである。一方、センタータップ電極1mは接地され、さらに計測端子13bとされる。電圧検出部28はこの計測端子13aと13bの間の電位差を検出する。
図32では、負帰還のかかったオペアンプを電圧検出部28として示したが、これ以外の手段を用いてもよい。図32のB端子(センタータップ電極)を接地し、A端子(センサ端子1ta)、C端子(センサ端子1tb)からの電気信号を演算増幅器で加算することによりバイアス電圧の無い、磁界の変化のみを出力する電気信号を得ることができる。
図33に差動型バーバーポール磁性膜を用いたセンサ素子の動作確認をおこなった実験の測定系を示す。差動型バーバーポール磁性膜に印加される磁界は、ヘルムホルムコイルによって発生させた。また、磁性膜に流す電流は定電流源から供給した。なお、増幅器の全ての抵抗値は2kΩとし、増幅ゲインは1である。
次に、一様な外部磁界に対するバーバーポール磁性膜を用いた電力計測装置の出力特性を測定した。図34は図33に示した測定系のA−B端子間の出力特性を示し、図35は同測定系のC−B端子間の出力特性を示し、図36(c)は同測定系のオペアンプの出力電圧を示している。
なお、図34に示すA−B端子間の出力特性については、AB間の出力オフセットが742 [mV]、AB間の出力変化が4 [mV]、ABの出力変化率が0.42 [%]、抵抗変化率が0.0031/0.7420*100=0.42[%]である。
また、図35に示すC−B端子間の出力特性については、CB間の出力オフセットが743 [mV]、CB間の出力変化が2.6 [mV]、CB間の出力変化率が0.35 [%]、抵抗変化率が0.0026/0.7430*100=0.35[%])である。
また、図36(c)に示す図33のオペアンプの出力特性については、AC間の出力オフセットが1.46 [mV]、AC間の出力変化が0.11 [mV]、AC間の出力変化率が7.5 [%]、抵抗変化率0.00011/0.00146*100=7.5[%])である。
図34、図35では磁界に対して大きく抵抗が変化している。図36(c)では図34、図35に比べバイアス電圧が大きく減少しているのがわかる。また磁界による出力電圧の変化は小さい。したがって、磁性膜1c中の磁化の向きや磁区構造が多磁区状態になり一軸異方性を持った単磁区になっていないと思われる。
Figure 0005885209
表2に差動型バーバーポール磁性薄膜による出力改善結果を示す。出力変化および出力変化率が大きく減少しているのは、膜中の磁化が十分に素子長手方向に揃っていないのが原因と推察される。しかしながら、オフセット電圧の急激な減少により抵抗変化率が急激に改善され、バーバーポール磁性膜の差動接続によりデバイスとしての性能が格段と向上していることが判る。オフセット電圧の減少は素子に繋がる増幅回路の増幅率を大きく出来るメリットをもたらし、非常に有益な結果である。
また、図37に磁性膜の長手方向と平行に直流バイアス磁界を印加したときの測定系の模式図を示す。これは電力計測装置のセンサ素子の磁性膜に対して、センサ素子の長手方向に直流バイアス磁界を印加することである。ここでは差動型バーバーポール磁性膜を示しているが、差動型でなくてもよい。電力計測装置においては、直流バイアス磁界印加手段によって実現される。先に述べたように磁化方向を強制的に一方向にそろえることにより素子(デバイス)としての特性の変化について検討した。
図37の測定系の出力特性を図38乃至40に示している。図38はバーバーポールを設けないで作成した磁性膜を用いたセンサ素子(差動接続)において磁性膜長手方向にバイアス磁界を印加した場合の出力特性を示している。横軸は外部から印加される磁界で、縦軸は出力電圧である。バーバーポール無し、バイアス磁界有りの場合の抵抗変化は非常に小さく、その抵抗変化率は0.00022%で非常に小さいものであった。
図39では、バーバーポール有りで磁性膜長手方向にバイアス磁界無しの素子の場合の出力特性、すなわちバーバーポール磁性膜の長手方向に直流バイアス磁界を印加しない場合の出力特性が示されている。
図40では、バーバーポール有りで磁性膜長手方向にバイアス磁界有りの素子の出力特性、すなわちバーバーポール磁性膜1の長手方向に直流バイアス磁界を印可した場合の出力特性が示されている。センサ素子長手方向に直流バイアス磁界を印可するか否かにより出力特性が大きく変化している様子がわかる。
これは磁性膜の異方性の強さが十分で無いのが原因であると推察できる。その異方性の強さを補うようなセンサ素子長手方向への直流バイアス磁界により、磁化が磁界方向に強く揃えられ、磁化と電流に明確な角度が出来たことによるものと推察される。抵抗変化率は直流バイアス磁界無しの場合は0.6%、直流バイアス磁界有りの場合は3.3%以上であり、直流バイアス磁界が非常に有効であるといえる。
図41では、導体膜に負荷電流(I1)を流したときの電力計としての特性の測定系が示されている。本来の電力計測では、負荷電圧の大きさに比例した電流(I2)を磁性膜に流して測定する場合が多い。しかし、ここではI1とI2を個別に設定できるようにして特性を評価した。すなわち、センサ端子間には定電流電源を接続し、負荷に流れる電流に係らず、所望の電流を流すことができる。
図42は、直流バイアス磁界を印加せずに導体膜に負荷電流(I1)を流した時の出力特性を示している。この測定では、磁性膜に流す直流電流(I2)は2mAとした。また、負荷電流(I1)は負荷抵抗に接続した直流電源を用いて設定した。負荷電流を0[A]〜1[A]まで0.2[A]刻みで増加させ、その後0.2[A]刻みで減少させながらそれぞれ50[s]間測定した。従って、図42では横軸は時間であるが、実質的には負荷電流を表す。
負荷電流(I1)の増加に伴い出力が増加している様子が分かる。しかしながら負荷電流の変化に対して電力センサ出力の変化は明確に電流の変化を反映しているとは言えない状態である。磁性膜の磁化の向きが印可されている磁界に比例して動いていないことがその一因であると思われる。
図43に磁性膜の長手方向への磁界印加(直流バイアス磁界)による出力変化を示す。横軸は磁性膜に作用される磁界強度を示し、縦軸は出力電圧を示す。無バイアス磁界状態では磁性膜の異方性の強さと磁化の向きとの関係でこの状態では電力計としての出力は一意に定まらず、電力計として利用できない。直流バイアス磁界の大きさが10Oe、40Oeとでは広い範囲で直線性と良い感度を得ることが出来ているが、100Oeの直流バイアス磁界の場合には明らかに感度の低下が見られる。
ただし、100Oeの場合は、10Oe、40Oeの場合と比較すると直線領域が広がっている様子が分かる。直流バイアス磁界はある程度の大きさまでは膜の磁区構造を整え、高感度と良い直線性を得ることが出来るが大きなバイアス磁界は感度を低下させることが明らかである。
磁性膜の保磁力を若干超える程度の直流バイアス磁界印加は電力計としての感度を大きく改善する効果を有することと異方性磁界以上の印加磁界は感度を減少させるが電力計としての動作範囲を広げる効果を有すると言える。印加磁界の大きさを変えることにより測定可能な電流(電力)を設定できると言える。ただし、感度は減少する。
図44は、直流バイアス磁界を印可した時の測定系を示している。ここでは永久磁石を用いて直流バイアス磁界を印可した。磁界の大きさは磁石の距離を調整することにより設定した。
また、図45は直流バイアス磁界印加したときの磁気抵抗効果型の電力計測装置の出力特性を示している。直流バイアス磁界の大きさは40Oeである。その他の測定条件は図42の場合と同じである。この図45から直流バイアス磁界の印可により出力電圧の電流変化への追随性は向上していることが明らかである。
また、若干の誤差を生じているが、膜特性の向上や上記のバンドパスフィルターの使用や図16〜図21に記載する交流バイアスの印加により大きく改善できるものと思われる。また交流電力計測では全く問題なく動作すると思われる。
以上の結果より、バーバーポール型磁性膜電力計測装置および差動型バーバーポール磁性膜電力計測装置はスマートグリッド、スマートバッテリー等への応用が最適であると結論でき、電力不足等の回避にも有利である。なお、バーバーポール型磁性膜を用いたセンサ素子を用いた場合でも、図17、18で示したように、センサ素子に流れる電流と直角方向の交流バイアス磁界が加えられた場合は、出力安定の効果がある。すなわち、バーバーポール型磁性膜を用いたセンサ素子であっても、交流バイアス磁界印加手段と共に電力計測装置を構成することができる。
また、斜め導電体の傾斜方向が同じバーバーポール型磁性膜2個を直列に接続し、接続点にセンタータップ電極を設けたセンサ素子を図23のようにして使用することもできる。このような構成であると、それぞれのバーバーポール型磁性膜部で生じるオフセットをキャンセルすることができる。
バーバーポール型磁性薄膜を用いると、図28に示すように、あたかもバイアス磁界があるかのような動作を行うことを示した。これは、外部から磁界が印加されていない場合であっても、長手方向に誘導された磁化容易軸に対して磁性膜中を流れる電流の向きがことなっているように制御されたからと考えられる。つまり、外部磁界がない場合であっても、磁化容易軸と電流の流れる方向が違っていれば、図28と同じ特性が得られる。
図46(a)には、短冊状の長手方向に対して磁化容易軸を傾けた磁性膜を有するセンサ素子1を示す。形状は短冊状であり、センサ端子は短冊状の短辺に設けられている。一方磁化容易軸は、磁性膜の長手方向に対して傾けて誘導させてある。このような磁化容易軸傾斜型磁性膜も、バーバーポール型磁性膜と同様に図28のような特性を示す。
従って、磁化容易軸傾斜型磁性膜を用いたセンサ素子を有する電力計測装置は、センサ素子の長手方向に直角方向の直流バイアス磁界を必要としない。また、そのような電力計測装置は、上記で説明した電力計測装置と同じように構成することができる。
また、図46(b)には、磁化容易軸傾斜型磁性膜を2つ直列に接続した構成を有するセンサ素子を示す。直列に接続され、直線状に配置された2つの磁化容易軸傾斜型磁性膜は、長手方向に対する磁化容易軸の傾斜方向がそれぞれ異なる。このようなセンサ素子は、図31と同じように、それぞれの磁化容易軸傾斜型磁性膜の動作特性がずれる。したがってこのようなセンサ素子に対して、横方向から磁界が印加されると、図31と同様の効果を得ることができる。
また、磁性膜の長手方向に直流バイアス磁界を印加した時も、バーバーポール型磁性膜を用いたセンサ素子と同様の効果を得ることができる。また、負荷に流れる電流によって生成される磁界と同じ方向の交流バイアス磁界を加えた場合も、図17、18で示したように、出力を安定させる効果がある。すなわち、磁化容易軸傾斜型磁性膜を用いたセンサ素子を用いた場合でも、直流バイアス磁界印加手段若しくは交流バイアス磁界印加手段と共に電力計測装置を構成することができる。
また、磁化容易軸が同じ方向に傾斜した磁化容易軸傾斜型磁性膜2個を直列に接続し、接続点にセンタータップ電極を設けたセンサ素子を図23のようにして使用することもできる。このような構成であると、それぞれの磁化容易軸傾斜型磁性膜で生じるオフセットをキャンセルすることができる。
≪電力計測回路3及びその測定結果≫
ここで再び磁気抵抗効果型である電力計測装置による実際の電力計測回路を示す。
図7を参照して説明する。上述するように図7では、ファンクションジェネレータ32からの信号を2つのアンプ(直流増幅器)34に入力し、増幅することでこれを交流電源として使用する。センサ素子1からの出力電圧はローパスフィルタ26において高周波成分をカットする。ローパスフィルタ26で高周波成分がカットされた出力電圧はデジタルテスター28(DMM)で直流成分を測定する。
この回路ではアンプ34(AMP1)のオフセットの変化がセンサ素子1の出力電圧に影響しないように構成されている。アンプ34(AMP1)、アンプ35(AMP2)の増幅率は等しく、同周波数の交流が出力されている。入力電圧が同周波数でなければ、出力電圧が交流成分のみとなるからである。
換言すれば図7における電力計測では、出力電圧のうち交流成分に重畳された僅かな直流成分(図47(a)のイメージ図参照)をローパスフィルタ26やDMM28で計測しており(図47(b)のイメージ図参照)、正確に計測することが難しいという問題点を有している。
図48では、本発明に係る電力計測装置の他の実施形態に係る構成の一部が示されている。本電力計測装置の構成では、センサ素子1および計測抵抗13と並列に等価センサ抵抗51および等価計測抵抗52が接続される。
そして、計測抵抗12とセンサ素子1の接続点と、等価センサ抵抗51および等価計測抵抗52との接続点53をそれぞれ計測端子(13a、13b)とし、この計測端子間の出力電圧を差動増幅することで直流電圧成分のみ取り出すことができる(図47(c)のイメージ図参照)。すなわち、センサ素子と計測抵抗を含むブリッジ回路を構成することで、交流電源の消費電力を精度よく計測することができる。なお、各抵抗体の抵抗値はそれぞれ、R1=2Ω、Rcu≪1、R2、R2’=360Ω、であり、60〜80dBゲインで差動増幅する。
図7の計測回路2と上記図48の計測回路3との測定結果について説明する。図49(a)(b)の計測結果は、それぞれ電力計測装置側(図7ではAMP1(34)側)の入力交流(負荷電流)を実行値4.0V、100Hzとして、両計測回路2,3の出力を比較している。横軸は時間であるが実質的に負荷に流れる電流であり、縦軸はアンプの出力である。この図49からゲイン80dBの差動増幅によって交流成分によりノイズと直流オフセットが改善されていることがわかる。
図50では図49(b)と同様の方法で高調波電流の検出をした結果のグラフである。このグラフでは、それぞれ電力計測装置の磁性膜に入力する電流の周波数を(1)100Hz+200Hz+300Hz、(2)100Hz+200Hz、(3)100Hz、(4)200Hz、(5)300Hzとした場合の出力の計測結果を示している。この結果から、各周波数の電流だけほぼ正確に検出できていることがわかる。
図51には、センタータップ電極が設けられている場合に、センサ素子および計測抵抗を含むブリッジ回路を形成する場合の結線構造を示す。付加する抵抗は等価計測抵抗52だけあり、センタータップ電極の両側の磁性膜部と、計測抵抗でブリッジ回路を構成する。なお、オフセット調整のために可変抵抗を加えても良い。また、磁性膜は、バーバーポール磁性膜の組み合わせでもよいし、磁化容易軸傾斜磁性膜の組み合わせでもよいし、また通常の長手方向に磁化容易軸を誘導されたものであってもよい。なお、ここで、「組み合わせ」とは異なる動作点の磁性膜を直列に接続してセンタータップ電極を設ける場合と動作点が同じ磁性膜を直列に接続してセンタータップ電極を設ける場合のどちらをも含む。また、これらの磁性膜に交流バイアス磁界を印加すれば、出力はより再現性良く得ることができる。
図52には、センタータップ電極の両側の磁性膜部の動作点が異なる場合にブリッジ回路を形成する場合の結線構造を示す。動作点が異なる場合とは、磁化容易軸傾斜磁性膜でもよいし、差動型バーバーポール磁性膜であってもよい。これらの磁化容易軸若しくは、導電体の傾斜方向がそれぞれの磁性膜部で異なっていればよい。
図53には、磁性膜を平行に配列し、隣り合う磁性膜の紙面に向かって上端と下端をそれぞれ連結したタイプの磁性膜部からなるセンサ素子を示す。センサ端子(1ta、1tb)は、両端の磁性膜の上端と下端に形成される。つまり、全ての磁性膜は直列に接続されている。このようなタイプの磁性膜を九十九折れ(つづらおれ)型磁性膜と呼ぶ。
磁気抵抗効果型として磁性膜を使用する場合は、図3に示したように印加磁界に対する出力特性が偶関数となる。従って、磁性膜中を流れる電流の向きにかかわらず、膜の抵抗が変化する。また、磁気抵抗効果型では、電流長が長いほど出力電圧を高くすることができる。そこで、九十九折れ型磁性膜をセンサ素子として用いることで、出力電圧の感度を上げることができる。
また、九十九折れ型磁性膜を2つ連結し、連結点にセンタータップ電極1mを形成することで、センタータップ電極を有するセンサ素子としても利用できる。また、九十九折れ型磁性膜は、磁性膜上にバーバーポール電極を形成することもできる。なお、図53では磁性膜の表面にバーバーポール電極を施してある。また、同じように磁化容易軸傾斜型磁性膜を用いてもよい。
図54には、差動型バーバーポール磁性膜を九十九折れ型に形成し、さらにセンタータップ電極を形成したセンサ素子を示す。このようなセンサ素子を用いても本発明の電力計測装置は構成することができる。なお、この九十九折れ型磁性膜を用いた上記のバリエーションのセンサ素子を用いた場合であっても、動作点調整バイアス磁界印加手段、直流バイアス磁界印加手段、交流バイアス磁界印加手段、バンドパスフィルター手段を利用することができる。また、バーバーポール磁性膜の代わりに、それぞれ磁化容易軸の傾斜方向が異なる磁化容易軸傾斜型磁性膜を2つ直列に接続し、センタータップ電極を形成したセンサ素子であってもよい。
以上、本発明の種々の電力計測装置ついての実施形態およびその概念について説明してきたが本発明はこれに限定されるものではなく特許請求の範囲および明細書等に記載の精神や教示を逸脱しない範囲で他の変形例、改良例が得られることは当業者は理解できるであろう。
本発明は、電力計測装置として利用できるのはもちろんのこと、電力計測手段を必要とするより大きな装置およびシステムに利用することができる。
1 センサ素子
1a、1p 磁性膜
1c 導体膜
1t センサ端子
1m センタータップ電極
2 絶縁膜
3 導体膜
10 連結端
12 計測抵抗
13 計測端
15 電力計測装置
22、32 ファンクションジェネレータ
24、34、35 アンプ
26、37 ローパスフィルタ
28、38 DMM(デジタルテスター)
37 整流回路
38 充電器
39 スイッチ
40 バンドパスフィルター手段
41 バンドパスフィルター
42 スイッチ
51 等価センサ抵抗
52 等価計測抵抗

Claims (15)

  1. 負荷において消費される電力を測定する電力計測装置であって、
    一端部が電源の一端に接続され、他端部が前記負荷を介して前記電源の他端に接続された導体膜と、
    前記導体膜の設けられている絶縁膜と、
    前記導体膜と並列に前記電源と接続され、前記絶縁膜の設けられている磁性膜を含む磁性膜部と、
    並列に配置されたn個(nは自然数)のバンドパスフィルターと前記n個のバンドパスフィルターのうちからn個以下のバンドパスフィルターを選択できるスイッチとを有し、前記電源の一端と他端との間で前記磁性膜部と直列に接続されたバンドパスフィルター手段と、
    前記電源の一端と他端との間で前記バンドパスフィルター手段と直列に接続された計測抵抗と、
    前記磁性膜の一端部と他端部を計測端子とし、前記計測端子間の電圧を計測する電圧検出部と
    を有することを特徴とする電力計測装置。
  2. 負荷において消費される電力を測定する電力計測装置であって、
    一端部が前記負荷を介して電源の一端に接続され、他端部が前記電源の他端に接続された導体膜と、
    前記導体膜の設けられている絶縁膜と、
    前記絶縁膜の設けられており、動作点がそれぞれ異なり直列に接続された第1の磁性膜と第2の磁性膜を有し、前記第1の磁性膜の磁化容易軸方向の一端部と前記第2の磁性膜の磁化容易軸方向の一端部が接続された接続点が接地された磁性膜部と、
    一端が前記第1の磁性膜の磁化容易軸方向の他端部に接続され、他端が前記電源の一端に接続された計測抵抗と、
    前記第1の磁性膜の磁化容易軸方向の他端部および前記第2の磁性膜の磁化容易軸方向の他端部とを抵抗を介して連結した点と、前記接続点とをそれぞれ計測端子とし、前記計測端子間の電圧を計測する電圧検出部と
    を有することを特徴とする電力計測装置。
  3. 一端が前記電源の一端に接続され、他端が前記第2の磁性膜の磁化容易軸方向の他端部に接続され、前記計測抵抗と同じ抵抗値を有する等価計測抵抗
    を更に有することを特徴とする請求項2に記載の電力計測装置。
  4. 前記第1および第2の磁性膜は、前記磁性膜部の長手方向に対して傾いた磁化容易軸が誘導され、かつそれぞれの前記磁化容易軸は、前記磁性膜部の長手方向に対して互いに逆向きとなるように配設されたことを特徴とする請求項2または3に記載された電力計測装置。
  5. 前記第1および第2の磁性膜は、前記磁性膜部の長手方向に磁化容易軸が誘導され、前
    記磁性膜の表面には、前記磁化容易軸の方向に対して傾斜した複数の導体膜が形成され、
    前記導体膜の傾きは、前記磁性膜部の長手方向に対して互いに逆向きにとなるように形成
    されたことを特徴とする請求項2または3に記載された電力計測装置。
  6. 負荷において消費される電力を測定する電力計測装置であって、
    一端部が前記負荷を介して電源の一端に接続され、他端部が前記電源の他端に接続された導体膜と、
    前記導体膜の設けられている絶縁膜と、
    前記絶縁膜の設けられており、直列に接続された第1の磁性膜と第2の磁性膜を有し、前記第1の磁性膜の磁化容易軸方向の一端部と前記第2の磁性膜の磁化容易軸方向の一端部が接続された接続点が接地された磁性膜部と、
    一端が前記第1の磁性膜の磁化容易軸方向の他端部に接続され、他端が前記電源の一端に接続された計測抵抗と、
    一端が前記電源の一端に接続され、他端が前記第2の磁性膜の磁化容易軸方向の他端部に接続され、前記計測抵抗と同じ抵抗値を有する等価計測抵抗と、
    前記第1の磁性膜の磁化容易軸方向の他端部および前記第2の磁性膜の磁化容易軸方向の他端部とを抵抗を介して連結した点と、前記接続点とをそれぞれ計測端子とし、前記計測端子間の電圧を計測する電圧検出部と
    を有することを特徴とする電力計測装置。
  7. 負荷において消費される電力を測定する電力計測装置であって、
    一端部が前記負荷を介して電源の一端に接続され、他端部が前記電源の他端に接続された導体膜と、
    前記導体膜の設けられている絶縁膜と、
    前記絶縁膜の設けられており、直列に接続された第1の磁性膜と第2の磁性膜を有し、前記第1の磁性膜の磁化容易軸方向の一端部と前記第2の磁性膜の磁化容易軸方向の一端部が接続された接続点が接地され、前記第1の磁性膜の他端部が前記電源の他端に接続された磁性膜部と、
    一端が前記第2の磁性膜の磁化容易軸方向の他端部に接続され、他端が前記電源の一端に接続される計測抵抗と、
    前記第1の磁性膜の磁化容易軸方向の他端部と前記第2の磁性膜の磁化容易軸方向の他端部を計測端子とし、前記計測端子間の電圧を計測する電圧検出部と
    を有することを特徴とする電力計測装置。
  8. 負荷において消費される電力を測定する電力計測装置であって、
    一端が前記負荷を介して第1の電源の一端に接続され、他端が前記第1の電源の他端に接続された導体膜と、
    前記導体膜の設けられている絶縁膜と、
    前記絶縁膜の設けられている磁性膜を含み、磁化容易軸方向の一端部が第2の電源の他端に接続された磁性膜部と、
    一端が前記第2の電源の一端に接続され、他端が前記磁性膜部の磁化容易軸方向の他端部に接続される計測抵抗と、
    一端が前記第2の電源の一端に接続され、前記計測抵抗と同じ抵抗値を有する等価計測抵抗と、
    一端が前記等価計測抵抗の他端に接続され、他端が前記第2の電源の他端に接続され、前記磁性膜部と同等の抵抗値を有する等価センサ抵抗と、
    前記磁性膜部と前記計測抵抗の接続点と、前記等価センサ抵抗と前記等価計測抵抗の接続点とを計測端子とし、前記それぞれの計測端子間の電位を検出する電圧検出部と
    を有することを特徴とする電力計測装置。
  9. 負荷において消費される電力を測定する電力計測装置であって、
    一端が前記負荷を介して電源の一端に接続され、他端が前記電源の他端に接続された導体膜と、
    前記導体膜の設けられている絶縁膜と、
    前記絶縁膜の設けられている磁性膜を含み、他端部が前記電源の他端に接続されている磁性膜部と、
    一端が前記磁性膜の一端部に接続され、他端が前記電源の一端に接続される計測抵抗と、
    前記磁性膜に流れる電流と略直角方向に相対する前記磁性膜部の端部のそれぞれを計測端子とし、前記計測端子間の電圧を計測する電圧検出部と
    を有することを特徴とする電力計測装置。
  10. 前記磁性膜部の磁化容易軸方向と平行に直流磁界を前記磁性膜部に印加する直流バイアス磁界印加手段を設けた事を特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載された電力計測装置。
  11. 前記磁性膜部の長手方向と直角方向の交流磁界を前記磁性膜部に印加する交流バイアス磁界印加手段を設けたことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載された電力計測装置。
  12. 前記第1および第2の磁性膜の少なくとも一方は、前記磁性膜部の長手方向に対して傾いた磁化容易軸が誘導され、かつそれぞれの前記磁化容易軸は、前記磁性膜部の長手方向に対して互いに逆向きとなるように配設されたことを特徴とする請求項6または7に記載された電力計測装置。
  13. 前記第1および第2の磁性膜の少なくとも一方は、前記磁性膜部の長手方向に磁化容易軸が誘導され、前記磁性膜の表面には、前記磁化容易軸の方向に対して傾斜した複数の導体膜が形成され、前記導体膜の傾きは、前記磁性膜部の長手方向に対して互いに逆向きにとなるように形成されたことを特徴とする請求項6または7に記載された電力計測装置。
  14. 負荷において消費される電力を測定する電力計測装置であって、
    一端部が電源の一端に接続され、他端部が前記負荷を介して前記電源の他端に接続された導体膜と、
    前記導体膜の設けられている絶縁膜と、
    前記導体膜と並列に前記電源と接続され、前記絶縁膜の設けられている磁性膜を含む磁性膜部と、
    一端が前記磁性膜の磁化容易軸方向の一端部に接続され、他端が前記電源の他端に接続された計測抵抗と、
    前記磁性膜の一端部と他端部を計測端子とし、前記計測端子間の電圧を計測する電圧検出部と
    を有し、
    前記磁性膜部の磁化容易軸方向と平行に直流磁界を前記磁性膜部に印加する直流バイアス磁界印加手段を設けた事を特徴とする電力計測装置。
  15. 負荷において消費される電力を測定する電力計測装置であって、
    一端部が前記負荷を介して電源の一端に接続され、他端部が前記電源の他端に接続された導体膜と、
    前記導体膜の設けられている絶縁膜と、
    前記導体膜と並列に前記電源と接続され、前記絶縁膜の設けられている磁性膜を含む磁性膜部と、
    一端が前記磁性膜の磁化容易軸方向の一端部に接続され、他端が前記電源の他端に接続された計測抵抗と、
    前記磁性膜の一端部と他端部を計測端子とし、前記計測端子間の電圧を計測する電圧検出部と
    を有し、
    前記磁性膜部の長手方向と直角方向の交流磁界を前記磁性膜部に印加する交流バイアス磁界印加手段を設けたことを特徴とする電力計測装置。

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