JP2012150007A - 電力計測装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 第1乃至第4の磁性体成分3a乃至3dは、正方形の微小エレメント3sの接続体で構成されたミアンダ形状パターンで構成される。これにより、全体としては長いパターンでありながら、正方形の接続体であるため、形状異方性をもつことなく、磁化方向は、正方形の中心をとおりこの正方形の2つの辺に平行な方向となっている。従って磁化方向Pは電流経路Qに対して45°の角度をなすように構成され、一次導体200と平行な方向に電流経路をとることができ、高感度化を図ることができる。
【選択図】 図1
Description
例えば使用した電力を円盤の回転数に変換し、積算演算を行うという既存の積算電力計に、回転を検出するセンサを付加したり、電流計(CT)、電圧計(PT)を新たに付加するものが提案されている。このような計測システムでは、電子回路やマイクロプロセッサによる乗算計算を行い、電力を計測するなどの方法が用いられる。しかし、このような電力計は、装置が大型化するだけでなく、高価なものとなり、また、余計なエネルギーを消費しかねないという状況である。
そこで消費電力をそのまま電気量として測定することができるとともに、小型化及び集積化の可能な電力計の開発が望まれている。
ここで用いられる電力センサは、外部磁界の変化を電気信号に変換する素子であり、強磁性体薄膜や半導体薄膜等の磁界検出膜をパターニングし、その磁界検出膜のパターンに電流を流し電圧変化として外部磁界の変化を電気信号に変換するものである。
V1:電圧、I1:計測電流、cosθ:力率、ω:角周波数、
I2:素子電流(膜を流れる電流)、R1−R4:端子間の各抵抗
k:膜固有の特性で決まる係数
ここで出力は、直流成分の項(DC)と、交流成分の項(ω、2ω)に分けられる。
A1はブリッジ抵抗のアンバランスで生ずる電力と関係のない不要な項、A2は電力に比例する項(瞬時電力)である。
また、プレーナホール効果を利用した電力計測手法では出力値が小さく、また計測電流として突入電流などの大きな電流が流れると、磁性体薄膜が磁化反転を起こし出力特性が変わるという問題があった。
このため、このような磁界センサを用いて電力計測を行う場合、磁界センサを十分に高感度化することが出来ず、高精度化に限界があった。
本発明は前記実情に鑑みてなされたもので、高精度でかつ安定的に電力を計測することができる電力計測装置を提供することを目的とする。
本発明の電力計測装置では、図1に概念図を示すように、(強)磁性体薄膜パターンからなる第1乃至第4の磁性体成分3a乃至3dでブリッジ構造を構成する。そしてこの第1乃至第4の磁性体成分3a乃至3dのそれぞれを、磁化方向が、同じ方向を向くように調整された複数の微小エレメント3sの接続体で構成したことを特徴とするものである。すなわち、電流が流れる一次導体200に対し、平行となるように、ブリッジ構造をとり、対称な第1乃至第4の磁性体成分3a乃至3dで構成される(強)磁性体薄膜パターンを配置する。そして、この一次導体200から、ブリッジ構造における電流入出力端子A、Bを介してこの強磁性体薄膜に素子電流を供給するとともに、この電流入出力端子A、Bの中間位置に電圧入力端子C及び電圧出力端子Dを接続し、出力を検出する。この電力計測装置では、ブリッジ構造を構成する第1乃至第4の磁性体成分3a乃至3dをミアンダ形状パターンで構成し、強磁性体薄膜のブリッジに対し、素子電流を供給する方向に対し直交する方向に出力取り出しを行い、直接電力を取り出すようにしている。
従って、各磁性体成分3a乃至3dは、全体としては長いパターンでありながら、正方形の接続体であるため、各微小エレメント3は形状異方性をもつことなく、製造工程で全てを所望の磁化方向に向けることが出来る。磁化方向は、正方形の中心をとおりこの正方形の2つの辺に平行な方向となっている。従って磁化方向B1は電流経路Qに対して−45°の角度をなすように構成され、一次導体200と平行な方向に電流経路をとることができ、高感度化を図ることができる。
これをプレーナホール効果により、数式化すると、
VC―D=I2(ΔRsin2θ) (式2)
で表すことができる。ここでBM0は磁束密度ベクトル、I2は素子電流である。
従って、交流磁界を印加した時、正負を判定することができる。
従って、C−D間電圧VC―Dは負荷で消費される電力に比例することになる。
シングル抵抗を用いた場合、固定抵抗をR、磁性体薄膜による抵抗成分をR1としたとき、磁性体薄膜の抵抗成分R1両端の電圧Vmは以下のとおりとなる。
ここでR1は負荷電流に比例するが、Vmは電力に比例しない。
負荷電流が0であるときも、V≠0であれば出力VmはVm≠0。
ハーフブリッジ回路を用いた場合、磁性体薄膜による2つの抵抗成分をR1、R2としたとき、これら2つの抵抗成分をR1両端の出力電圧V1は以下のとおりとなる。
そのため、出力には負荷電流によらない項(0.5V)が含まれ、出力値は電力値とならない。
通常、kI<0.01となり、V1中の電力情報は、1/50以下であり、信号処理で電力信号だけ取り出せたとしても、S/N比が極めて小さくなるという問題がある。ここでkは比例定数である。
これに対し、本発明のフルブリッジ回路を用いた場合、出力は負荷電流による抵抗変化分と、負荷電圧の積となるため、出力がそのまま電力信号となっている。従って、容易に電力成分の取り出しを行うことが出来ることが分かる。
図5は磁化方向を示す説明図である。磁石などの磁界印加手段によりバイアス磁界(Hb)を印加して、計測を行う場合、磁性体薄膜[4つの成分]中の磁化(J)は、計測電流に応じて発生する磁界である計測磁界(Hex)との和となる。
磁化(J)=Hb+Hex
Rmr=R+ΔRcos2θ
となり、抵抗Rmrはθが0の場合抵抗値は最大となり、θが90°の場合、最小となることがわかる。つまり、電流iと磁化J間の角度をθが0であるとき、抵抗値は最大となり、検出感度は最大となる。
さらに素子に印加される電圧が一定のとき、計測磁界強度と素子出力電圧との関係を図9に示す。先に求めたHexに対するR1〜R4の値を式(3)に当てはめた。また、入力電圧VB−Dは一定とした。
また、交流の素子電流により生ずる磁界よりも大きい直流磁界を設けることで、薄膜両端の出力のふらつきを抑制することができる。
本実施の形態1の電力計測装置について説明する。図10にこの電力計測装置で用いられる磁界センサの上面図、図11に断面図を示す。図11は図10のX1−X1断面図である。この磁界センサは図10及び11に示すように、シリコンからなる基板1表面に絶縁膜2として酸化シリコン膜を形成し、この絶縁膜2上に強磁性特性を有する磁性体薄膜3からなる第1乃至第4の磁性体成分3a乃至3dを形成している。第1乃至第4の磁性体成分3a乃至3dは、正方形の微小エレメント3sの接続体によって4つのミアンダパターンを形成している。このミアンダパターンの導出方向に沿って給電部5A、5Bを構成する導体パターンと、検出部5C、5Dとしての導体パターンとを具備したものである。この検出部5C、5Dとしての導体パターンは、給電部5A、5Bから供給される素子電流の方向に直交する方向に形成される。そして各導体パターンの先端にはパッド10A、10B、10C、10Dが設けられている。
また導体パターンとしては金、銅、アルミニウムなどが用いられる。
基板1としてのシリコン基板表面に、絶縁膜2としての酸化シリコン膜を形成し、この上層に、スパッタリング法により、磁性体薄膜3を形成する。
そして、フォトリソグラフィによりこの磁性体薄膜3をパターニングし、1辺10μmの正方形からなる微小エレメント3sの接続体で構成した同形のミアンダ形状パターンを4つ形成する。ここで、互いに隣接するミアンダ形状パターンの主パターンの方向が90°ずつずれるように形成する。
こののち、スパッタリング法により、金などの導電体薄膜を形成し、フォトリソグラフィによりパターニングし、接続導体パターンからなる導体接続部5s及び図10及び図11に示すような給電部5A、5B及び検出部5C、5Dを形成する。またこれら給電部及び検出部に相当する位置にパッド10A、10B、10C、10Dを形成する。
そして必要に応じて保護膜を形成し、磁界センサが完成する。
また、磁性体薄膜は、正方形の微小エレメント3sの接続体で構成されたミアンダ形状パターンのブリッジ構造であり、正方形であることから形状異方性を持つことなく形成することができ、磁化方向をそろえるのが容易である。またミアンダ形状パターンのブリッジ構造であることから、専有面積当りの長さを大きくとることができ、高抵抗化をはかることができ、素子の外形を大きくすることなく、出力を大きくすることが可能となる。また、長い対称形であるため、素子電流方向に対して平行となるように形成することができ、高感度で、信頼性の高い磁界センサを提供することが可能となる。
ここで微小エレメント3sは、正方形をなし、電流入出力端子を結ぶ方向を縦方向、電圧入出力端子を結ぶ方向を横方向としたとき、縦方向と横方向の長さの比が1である。
また、この電力計測装置においては磁界センサの入出力パッド10A−10Dをパッケージの4隅に配置することで端子をパッケージ内部で分離形成することができ、絶縁性を確保することが可能となる。
本実施の形態では、計測磁界を印加していないが、本実施の形態1の電力計測装置に対し、以下の実施の形態に示すように、一方向に小さな計測磁界を印加することで、より安定に電力計測を行うことが可能となる。
さらに、図1にそれぞれ示すように、第1乃至第4の磁性体成分の微小エレメント3sの磁化方向が、第1乃至第4の磁性体成分のそれぞれを流れる電流の方向に対し±45°あるいは±135°の角度をなすようにするのが望ましい。ここで第1乃至第4の磁性体成分のそれぞれを流れる電流の方向とは、図2においては、ブリッジを構成する各成分全体としての方向をいうものとする。
最も望ましくは、第1乃至第4の磁性体成分の前記微小エレメントの磁化方向が、図1にそれぞれ微小エレメント毎に矢印で示すように、微小エレメントのそれぞれを流れる電流の方向に対し±45°あるいは±135°の角度をなすようにするのが望ましい。
第1乃至第4の磁性体成分の微小エレメント3sの磁化方向が、第1乃至第4の磁性体成分R1−R4のそれぞれの方向に対し絶対値が45°あるいは135°の角度をなすようにすることで、極めて効率よく制御することが可能となる。
さらに、第1乃至第4の磁性体成分の微小エレメントの磁化方向が、第1乃至第4の磁性体成分のそれぞれを流れる電流の方向に対し絶対値が45°あるいは135°の角度をなすようにするのが望ましい。ここで第1乃至第4の磁性体成分のそれぞれを流れる電流の方向とは、微小エレメントを流れる電流の総和をいうものであり、各成分全体としての方向をいうものとする。
最も望ましくは、第1乃至第4の磁性体成分の前記微小エレメントの磁化方向が、微小エレメントのそれぞれを流れる電流の方向に対し絶対値が45°あるいは135°の角度をなすようにするのが望ましい。
次に、本発明の実施の形態2について説明する。前記実施の形態1では、隣接する各微小エレメント3sを導体接続部5sを介して接続したが、本実施の形態では導体接続部5sに代えて、磁性体薄膜で構成したことを特徴とする。本実施の形態の電力計測装置では、図15に平面説明図を示すように、微小エレメント3sと同一の材料であって幅が小さくなるように構成された磁性体薄膜からなる接続部3cをもつように構成している。この接続部3cは、断面積が微小エレメント3sの断面積よりも小さくくびれているが、微小パターン3s同士が直接接続されているのが望ましい。
製造に際しては磁性体薄膜をスパッタリング法などにより成膜し、フォトリソグラフィによりパターニングする際、接続部3cに相当する領域で、断線しないように留意して形成する必要がある。
次に、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態の電力計測装置では、図17に示すように、第1乃至第4の抵抗体成分をミアンダパターンに代えて、正方形の微小エレメント3sの接続体からなる線状パターン13で構成したことを特徴とする。この場合も前記実施の形態1のミアンダパターンと同様、隣接する各微小エレメント3sを導体接続部5sを介して接続している。
この構成によれば、微小エレメント3s間にギャップを生じさせ得るので、エレメント方向の形状異方性の影響を受けることなく、長尺で高抵抗の磁性体成分を得ることが可能となる。
ここで微小エレメント3sは、正方形をなし、電流入出力端子を結ぶ方向を縦方向、電圧入出力端子を結ぶ方向を横方向としたとき、縦方向と横方向の長さの比が1である。
本実施の形態の場合も、導体接続部5sに代えて、微小エレメント3sと同一の磁性体薄膜材料で接続部を構成してもよい。
次に、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態の電力計測装置では、図18に示すように、第1乃至第4の抵抗体成分を円形の微小エレメント23sの接続体からなる線状パターンで構成したことを特徴とする。この場合も前記実施の形態1のミアンダパターンと同様、隣接する各微小エレメント23sを、導体接続部25sを介して接続している。
ここで微小エレメント23sは、円形をなすため、磁界印加手段による磁界の付与においても、異方性をもたないため、磁化方向を所望の方向に制御することができる。
本実施の形態の場合も、導体接続部25sに代えて、微小エレメント23sと同一の磁性体薄膜材料で接続部を構成してもよい。
次に、本発明の実施の形態5について説明する。本実施の形態の電力計測装置では、図19に示すように、ブリッジ構造の周りに所定の間隔を隔てて同様に正方形の微小エレメント33sからなる補助パターン34を構成したことを特徴とする。本実施の形態でもブリッジ構造は、第1乃至第4の抵抗体成分を正方形の微小エレメント33sの接続体からなる線状パターン33で構成している。そしてこの場合も前記実施の形態1のミアンダパターンと同様、隣接する各微小エレメント33sを導体接続部35sを介して接続している。
この構成によれば、磁界センサは基本的には図1に示した例と同様であるが、この補助パターン34の存在により、電気抵抗は高めたままで磁気的な感度を高めるようにしたものである。微小エレメント33sと補助パターン34との間にギャップを生じさせるため、NS分極が生じ易くなり、微小エレメント33sの磁化方向を容易に制御することができる。また外側の補助パターン34と内部の抵抗体成分とは電気的に接触していないため、電気抵抗は前記実施の形態1の電力計測装置で用いられた磁界センサと同様であるが、磁気的には空間部が磁性体薄膜で埋められるため、より多くの磁束を導くことができ、高感度化を図ることができる。
本実施の形態の場合も、導体接続部35sに代えて、微小エレメント33sと同一の磁性体薄膜材料で接続部を構成してもよい。
なお、前記実施の形態5では、補助パターン34は、ブリッジ構造の周りに配置したが、図中波線で示すようにブリッジ構造の内側に補助パターン34iを配置してもよい。また内側と外側との両側に配置してもよい。
次に、本発明の実施の形態6について説明する。本実施の形態の電力計測装置では、図20に示すように、第1乃至第4の抵抗体成分を縦横比が1:1.5の長方形の微小エレメント43sの接続体からなる線状パターン43で構成したことを特徴とする。この場合も前記実施の形態1のミアンダパターンと同様、隣接する各微小エレメント43sを導体接続部45sを介して接続している。
この構成によれば、微小エレメント43sを長方形にし、形状異方性を生じさせ、この形状異方性を積極的に利用し、磁化方向B6が電流方向I6に対してθ=―45度となるように制御することで、極めて効率よく、磁化方向を容易に制御することができる。また微小エレメント43s間にギャップを生じさせ得るので、エレメント方向の形状異方性の影響を受けることなく、長尺で高抵抗の磁性体成分を得ることが可能となる。
本実施の形態の場合も、導体接続部45sに代えて、微小エレメント43sと同一の磁性体薄膜材料で接続部を構成してもよい。
さらに、第1乃至第4の磁性体成分の微小エレメントの磁化方向が、前記第1乃至第4の磁性体成分のそれぞれを流れる電流の方向に対し−45°あるいは45°の角度をなすようにするのが望ましい。
最も望ましくは、第1乃至第4の磁性体成分の前記微小エレメントの磁化方向が、微小エレメントのそれぞれを流れる電流の方向に対し−45°あるいは45°の角度をなすようにするのが望ましい。
次に、本発明の実施の形態7について説明する。本実施の形態の電力計測装置では、磁性体薄膜3に対して一方向に直流磁界を印加する磁界印加手段として磁石要素を構成する磁石300を配置したことを特徴とするものである。磁界センサチップ100については図10に示した前記実施の形態1の磁界センサチップ100と同様であり、微小エレメント3sの接続体で構成されたミアンダ形状パターンからなる磁性体薄膜がブリッジ構造をなすように接続されている。矢印Hbがこの磁石によるバイアス磁界である。
ここでは、図21(a)に概要図を示すように、一次導体による磁界に略直交する方向に磁界を印加すべく、磁界センサチップ100の磁性体薄膜3の両側に配置された一対の磁石300で挟んだものである。ここで、磁石要素つまり磁石はこの磁界センサのパッケージよりも幅方向に大きく形成されている。ここで磁界センサチップ100は図21(b)に一部破断概要図を示すように、計測磁界が、磁性体薄膜のパターン表面と平行となるように形成されている。
次に、本発明の実施の形態8について説明する。本実施の形態の電力計測装置では、磁石300を磁界センサチップ100の磁性体薄膜3形成面に対して平行に、配置したことを特徴とするものである。
ここでは、図22(a)及び(b)に上面図及び断面図を示すように、一次導体による磁界に略直交する方向に磁界を印加すべく、磁石要素つまり磁石300上に磁界センサチップ100を載置し、磁性体薄膜3と磁界が平行にあるように配置したものである。ここで磁石はこの磁界センサのパッケージよりも幅方向に大きく形成されている。
この構成によれば、磁性体成分の磁化方向がそろっているためこのバイアス磁界は小さくてよい。そして、上記実施の形態7の効果に加え、磁石がひとつでよいため、低コスト化をはかることができる。なおここでは磁性体薄膜として強磁性体薄膜を使用するのが望ましい。
次に、本発明の実施の形態9について説明する。本実施の形態の電力計測装置では、上記実施の形態8の構成に加え、集磁部としてのヨーク210を配したことを特徴とするものである。本実施の形態の電力計測装置においても、磁石要素つまり磁石300を磁界センサチップ100の磁性体薄膜3形成面に対して平行に配置である。
次に、本発明の実施の形態10について説明する。本実施の形態の電力計測装置では、磁石300を磁界センサチップ100の磁性体薄膜3形成面に対して平行に、かつ磁性体薄膜3を挟むように1対の磁石300で形成したことを特徴とするものである。ここでも磁性体薄膜3は図示しない微小エレメント(3s)の接続体で構成されている。
次に、本発明の実施の形態11について説明する。図25(a)及び(b)にこの電力計測装置の上面図及び断面図を示す。本実施の形態の電力計測装置では、電力計測装置の磁石300に集磁部としてのヨーク210を同じ極性の磁極間にそれぞれ設けたことを特徴とするものである。ここで磁石300は、前記実施の形態10と同様、磁界センサチップ100の磁性体薄膜3形成面に対して平行に配置している。
ここでは、磁石要素つまり一対の磁石300間であって、これらの磁極付近に枠状にヨーク210を配し、この一対の磁石とヨーク210との間に磁性体薄膜3を備えた磁界センサチップ100を配置したことを特徴とする。ここでも磁性体薄膜3は図示しない微小エレメント(3s)の接続体で構成されている。
次に、本発明の実施の形態12について説明する。本実施の形態の電力計測装置では、
磁界センサは、磁界印加手段と同一の基板上に形成されたことを特徴とする。図26(a)及び(b)に、この電力計測装置の上面概要図及び断面概要図を示す。
例えば磁界センサを構成する磁性体薄膜3は基板上に形成されており、磁界印加手段は、この磁性体薄膜と平行になるように、この同一の基板1上に形成された第2の磁性体薄膜を具備し、第2の磁性体薄膜は磁性体薄膜の外縁よりも外側に位置するのが望ましい。なおここでは磁性体薄膜として強磁性体薄膜を使用するのが望ましい。ここでも磁性体薄膜3は図示しない微小エレメント(3s)の接続体で構成されている。
この構成によれば、小型化薄型化が可能であるだけでなく、図では省略したが、配線部を磁束が貫くことがないため、より安定した電力計測が可能となる
次に、本発明の実施の形態13について説明する。本実施の形態の電力計測装置では、図27に示すように、磁界印加手段として、磁界センサの形成されたガラス基板1上に形成された2つの第2の磁性体薄膜6a、6bを備え、磁石要素を構成する。そしてこれら第2の磁性体薄膜6a、6bによって絶縁膜2を介してミアンダ形状パターンを構成する第1の磁性体薄膜3を挟むように構成する。ここでも磁性体薄膜3は図示しない微小エレメント(3s)の接続体で構成されている。
この構成によれば、薄膜プロセスで形成することができ、容易に小型で信頼性の高い出力計測装置を提供することが可能となる。又この構成により、高出力化、小型化及び薄型化をはかることができる。
この構成によれば、より薄型化小型化が可能となる。
なお、前記実施の形態1乃至8で説明した電力計測装置においても、磁性体薄膜と磁界印か手段としての磁石を同一基板上に形成したモノリシック素子を用いてもよいことはいうまでもない。なおここでは磁性体薄膜として強磁性体薄膜を使用するのが望ましい。
この構成によれば、通常の回路基板の構成に加えて、磁性体薄膜のパターンを形成するだけでよいため、極めて容易に形成可能である。
この構成によれば、素子電流の方向に対して磁気抵抗が対称となるように形成されているため、Vmr出力の最大値を大きく取ることができ、システムとしてのS/N比が向上する。
この構成によれば、コンデンサでVmr信号を平滑化することで、周期未満の短期間で直流成分を取り出すことができるので高速で電力値を得ることができ、直流成分を簡単な回路構成で検出することが可能となる。
この構成によれば、力率を別途計測する必要がなく、簡単に計測することができ、かつ積算による場合に比べ、誤差も低減される。
この構成によれば、磁性体薄膜の出力取り出し方向を素子電流方向に対し直交する方向とするとともに、素子電流の方向に対して磁気抵抗が対称となるように形成することで、方向の正負を判定することができ、かつ磁界を印加しないときのオフセットがなくなるため回路構成を簡単にすることができる。
この構成によれば、磁性体薄膜の出力取り出し方向を素子電流の供給方向に対し直交する方向とするとともに、素子電流の方向に対して磁気抵抗が対称となるように形成することで、以下の効果を得ることができる。つまり方向の正負を判定することができ、かつ磁界を印加しないときのオフセットがなくなるため回路構成を簡単にすることができる。なおここでは磁性体薄膜として強磁性体薄膜を使用するのが望ましい。
また前記実施の形態では強磁性体薄膜を用いた磁界センサを用いたが、これに限定されることなく他の磁界センサを用いてもよい。
2 絶縁膜
3、13,33、43 磁性体薄膜((環状及び線状)パターン)
3s、23s、33s、43s 微小エレメント
3a、3b、3c、3d 磁性体成分
3c、 接続部
5s、25s、35s 導体接続部
34 補助パターン
5A、5B、A、B 給電部
(5C、5D)、C、D 検出部
6 磁界印加手段
10A,10B,10C,10D パッド
R1,R2,R3,R4 磁性体成分
11 保護膜
100 磁界センサチップ
200 導体
210 ヨーク
300 磁石
500 ケーシング
501 磁界センサ
502 アンプ
503 安定化電源
504 オシロスコープ
505 抵抗
506 変圧器
507 交流電源
Claims (14)
- ブリッジ構造をとるように順次配列された第1乃至第4の磁性体成分で構成され、電流が流れる一次導体に対し平行な平面上に配置された磁性体薄膜と、
前記一次導体に接続され、前記磁性体薄膜に素子電流を供給する電流入出力端子を備えた給電部と、
前記電流入出力端子を結ぶ線上で、前記磁性体薄膜の中間位置に接続され、前記磁性体薄膜の出力を検出する電圧入出力端子を備えた検出部とを具備した電力計測装置であって、
前記第1乃至第4の磁性体成分のそれぞれは、磁化方向が互いに同じ方向を向くように調整された複数の微小エレメントの接続体で構成された電力計測装置。 - 請求項1に記載の電力計測装置であって、
前記第1乃至第4の磁性体成分の前記微小エレメントの磁化方向が、前記第1乃至第4の磁性体成分のそれぞれの方向に対し−45°あるいは135°の角度をなす電力計測装置。 - 請求項1または2に記載の電力計測装置であって、
前記第1乃至第4の磁性体成分のそれぞれを構成する前記微小エレメントのうち隣接する各微小エレメントは接続部を介して接続されている電力計測装置。 - 請求項3に記載の電力計測装置であって、
前記接続部は、前記微小エレメントと同一の磁性体薄膜で構成された電力計測装置。 - 請求項3に記載の電力計測装置であって、
前記接続部は、前記微小エレメントのほぼ中心に配設された電力計測装置。 - 請求項3に記載の電力計測装置であって、
前記各微小エレメントは矩形をなし、前記電流入出力端子を結ぶ方向を縦方向、前記電圧入出力端子を結ぶ方向を横方向としたとき、縦方向と横方向の長さの比が1以上である電力計測装置。 - 請求項6に記載の電力計測装置であって、
前記各微小エレメントは正方形である電力計測装置。 - 請求項6に記載の電力計測装置であって、
前記各微小エレメントは前記縦方向を長手方向とする長方形である電力計測装置。 - 請求項3に記載の電力計測装置であって、
前記各微小エレメントは中実の円形をなす電力計測装置。 - 請求項1または2に記載の電力計測装置であって、
前記第1乃至第4の磁性体成分はそれぞれミアンダ形状パターンで構成される電力計測装置。 - 請求項1に記載の電力計測装置であって、
前記微小エレメントに対して所定の間隔を隔てて配設された補助エレメントを備えた電力計測装置。 - 請求項1に記載の電力計測装置であって、
前記磁性体薄膜に対して一方向に直流磁界を印加する磁界印加手段を有する電力計測装置。 - 請求項12に記載の電力計測装置であって、
前記磁界印加手段は、前記磁性体薄膜に対して一次導体による磁界に略直交する方向に磁界を印加する電力計測装置。 - 請求項1に記載の電力計測装置であって、
前記第1乃至第4の磁性体成分が、それぞれの区間において長手方向が隣り合う区間の長手方向とのなす角が90°である電力計測装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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