JP5793682B2 - 電力計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力計測装置にかかり、特に磁性体薄膜をセンサとして用い、電流及び電圧を入力して、両入力から得られる電力に相当する信号を直接出力する電力計測装置に関する。
近年、インターネット等を利用する環境が整ってきた中で、電力の遠隔検針を含めた計測システムの開発が進められている。
例えば使用した電力を円盤の回転数に変換し、積算演算を行うという既存の積算電力計に、回転を検出するセンサを付加したり、電流計(CT)、電圧計(PT)を新たに付加するものが提案されている。このような計測システムでは、電子回路やマイクロプロセッサによる乗算計算を行い、電力を計測するなどの方法が用いられる。しかし、このような電力計は、装置が大型化するだけでなく、高価なものとなり、また、余計なエネルギーを消費しかねないという状況である。
そこで消費電力をそのまま電気量として測定することができるとともに、小型化及び集積化の可能な電力計の開発が望まれている。
そして最近では、磁性体薄膜の磁気抵抗効果を利用し、消費電力を電気量のまま測定することの可能な電力計測装置が提案されている(非特許文献1、2)。
この電力計測装置では、交流が流れる一次導体に対し、平行となるように基板上に配された磁性体薄膜を用いたもので、この磁性体薄膜の両端に抵抗を介して一次電圧が印加され、磁性体薄膜の両端から出力を取り出す電力センサを用いている。そしてこの電力計測装置は、電力センサから、2倍周波数成分の振幅値に基づき電力Pを取り出す方式をとる。
この電力計測装置では、強磁性体等の磁性体内において、電流と磁化のなす角度によりその磁性体の電気抵抗値が変わる現象であるプレーナホール効果を利用し、線形特性を得ることができる点に着目し、電力に比例する信号成分を取り出すようにしている。
ここで用いられる電力センサは、外部磁界の変化を電気信号に変換する素子であり、強磁性体薄膜や半導体薄膜等の磁界検出膜をパターニングし、その磁界検出膜のパターンに電流を流し電圧変化として外部磁界の変化を電気信号に変換するものである。
ここで出力信号は抵抗値R1が磁気抵抗変化によりR1+ΔR1となるとして、次式(1)のようになる。
Figure 0005793682
(式1)
:電圧、I:計測電流、cosθ:力率、ω:角周波数、
:素子電流(膜を流れる電流)、R1−R4:端子間の各抵抗
k:膜固有の特性で決まる係数
ここで出力は、直流成分の項(DC)と、交流成分の項(ω、2ω)に分けられる。
A1はブリッジ抵抗のアンバランスで生ずる電力と関係のない不要な項、A2は電力に比例する項(瞬時電力)である。
しかしながら、上記電力計測装置においては、2ω成分の振幅値I・Vの値を計測し、別途cosθを計測し、別途掛け算を行って、I・V・cosθを得るという方法をとっており、力率が1でない場合は力率を別途計測し演算する必要があった。また、高調波成分を有する電流波形の場合、基本波成分の電力しか取り出すことができないという問題があった。
また、プレーナホール効果を利用した電力計測手法では出力値が小さく、また検出電流として突入電流などの大きな電流が流れると、磁性体薄膜が磁化反転を起こし出力特性が変わるという問題があった。
そこで磁界センサの高感度化をはかるために、図9に示すように着磁方向の等しい4個のチップを組み合わせ、磁気抵抗素子同士を直列に接続して、1相の出力信号を出力するブリッジ回路を構成した磁界センサも提案されている(特許文献1)。
また、強磁性磁気抵抗素子などを用いた電流センサが提案されているが、磁気抵抗素子は感度は高いものの、磁界に対する出力の変化が直線的でない。このため、使用に際しては、電流センサの出力変化の直線性を確保するために、バイアス磁界を調整することにより特性変化にできるだけ直線性をもたせて使用する必要がある。またこのような直線性のみならず、温度や経時に伴う特性劣化といった特性上の安定度については厳しいものがある。そこで磁気抵抗素子センサの磁気検出方向に平行な磁界成分を含む補償磁界を与えるよう磁気抵抗素子センサに近接して、補償電流線から構成される検出部とを具備したものが提案されている(特許文献2)。
磁性膜を用いた薄膜電力計(電気学会マグネティックス研究会資料 VOL.MAG−05No.182) 磁性膜を用いた薄膜電力計(電気学会マグネティックス研究会資料 VOL.MAG−08No.192)
特開2003−66127号公報(段落0004など) 特開平7−92199号公報
特許文献1のブリッジ回路を用いた磁気抵抗素子では、磁気抵抗の変化を出力特性として取り出すため、ブリッジ回路を構成する各エレメントは磁気抵抗を揃える必要がある。しかしながら製造ばらつきにより、図9に示したブリッジ回路では、各エレメントが、完全に同一の磁気抵抗を持つように形成するのは難しい。しかしながら各エレメントで磁気抵抗にばらつきがあると、これが素子不平衡成分となり、出力にばらつきが生じていた。
このため、このような磁界センサを用いて電力計測を行う場合、磁界センサを十分に高感度化することが出来ず、高精度化に限界があった。このため、計測精度を得るには、高分解能ADC(アナログデジタルコンバータ)を必要とするという問題があった。
また、特許文献2のセンサでは、補償電流を流す必要があった。
本発明は前記実情に鑑みてなされたもので、高精度でかつ安定的に電力を計測することができる電力計測装置を提供することを目的とする。
そこで本発明は、交流が流れる一次導体に対し、平行となるように配置された磁性体薄膜と、前記一次導体に接続され、前記磁性体薄膜に素子電流を供給する入力端子を備えた給電部と、前記磁性体薄膜両端の出力を検出する検出部と、を具備した電力計測装置に於いて、前記磁性体薄膜の出力から交流と同じ周波数成分を低減した波形を出力する同期交流低減部を有する。
また、本発明は、上記電力計測装置であって、前記同期交流低減部が、前記一次導体に流れる交流と同一の周波数成分を持つ同期交流信号を発生する同期交流信号発生部と、前記磁性体薄膜両端の出力に前記同期交流信号を加減算する加減算部と、を有する。
また、本発明は、上記電力計測装置であって、前記同期交流信号発生部が、前記交流から分圧した電圧信号を同期交流信号として出力するものを含む。
また、本発明は、上記電力計測装置であって、前記同期交流信号発生部が、前記同期交流信号の振幅を調整する振幅調整部を備えたものを含む。
また、本発明は、上記電力計測装置であって、前記同期交流信号発生部が、前記検出部のデジタル値から前記同期交流信号と同期する現状の交流信号を抽出し、同期交流信号を出力する振幅入力部を設けたものを含む。
また、本発明は、上記電力計測装置であって、ブリッジ構造をとるように順次配列された第1乃至第4の磁性体成分で構成され、電流が流れる一次導体に対し、平行な平面上に配置された磁性体薄膜と、前記一次導体に接続され、前記磁性体薄膜に素子電流を供給する電流入出力端子を備えた給電部と、前記電流入出力端子を結ぶ線上で、前記磁性体薄膜の中間位置に接続され、前記磁性体薄膜の出力を検出する電圧入出力端子を備えたものを含む。
本発明によれば、交流と同じ周波数成分(式1におけるωの項)を取り除くことで、電力信号のみを取り出すことができ、素子不平衡抵抗が大きくても、検出部のAD変換器を高分解能にすることなく高計測精度を保つことができる。また補償電流を流す必要もない。
本発明の実施の形態1の電力測定装置の電力計測装置の概念図であり、(a)は概要図、(b)は磁性体薄膜の出力、(c)は同期交流低減部の出力を示す説明図 原理説明図 本発明の実施の形態1の電力計測装置の磁界センサの素子特性を測定するための測定装置を示す回路説明図 本発明の実施の形態2の電力測定装置の電力計測装置の概念図であり、(a)は概要図、(b)は磁性体薄膜の出力、(c)は同期交流低減部の出力を示す説明図 本発明の実施の形態3の電力測定装置の電力計測装置の概念図であり、(a)は概要図、(b)は磁性体薄膜の出力、(c)は同期交流低減部の出力を示す説明図 本発明の実施の形態4の電力測定装置の電力計測装置の概念図であり、(a)は概要図、(b)は磁性体薄膜の出力、(c)は同期交流低減部の出力を示す説明図 本発明の実施の形態4の電力測定装置の電力計測装置の要部説明図 本発明の実施の形態5の電力測定装置の電力計測装置の概念図であり、(a)は概要図、(b)は磁性体薄膜の出力、(c)は同期交流低減部の出力を示す説明図 従来例の電力計測装置で用いられる磁界センサの説明図
以下本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態1の電力計測装置の概念図を、図1(a)乃至(c)に示す。(a)は概要図、(b)は磁性体薄膜3の出力、(c)は同期交流低減部21の出力を示す説明図である。この電力計測装置では、被検出導体である一次導体に流れる電力に応じた磁性体薄膜3の出力を検出する検出部20に、磁性体薄膜3の出力から交流と同じ周波数成分を低減した波形を出力する同期交流低減部21を設けたことを特徴とする。そして磁性体薄膜3は、交流が流れる一次導体200に対し、平行となるように配置される。そしてこの磁性体薄膜3は、一次導体200に接続される。そしてこの磁性体薄膜3に素子電流を供給する電流入出力端子を備えた給電部5が接続され、検出部20において磁性体薄膜3両端の出力が検出される。
そしてこの検出部20は同期交流低減部21の出力をデジタル変換するAD変換部22と、更にこのAD変換部22の出力をデジタル処理するデジタル処理部23とを具備し、電力値として出力する。
磁性体薄膜3の出力S1は図1(b)に示すように、式1に示したとおり、出力は、直流成分の項(DC)と、交流と同じ周波数成分の項(ω)と、交流の2倍周波数成分の項(2ω)とに分けられる。そして同期交流低減部21を経て、図1(c)に示すように、交流と同じ周波数成分の項(ω)が除去されて、直流成分の項(DC)と、交流の2倍周波数成分の項(2ω)とが出力S2として出力される。
この磁性体薄膜3は図2に示すように、強磁性体薄膜などの磁性体薄膜パターンからなる第1乃至第4の磁性体成分3a乃至3dでブリッジ構造を構成する。そして、電流が流れる一次導体200に対し、平行となるように、ブリッジ構造をとり、対称な第1乃至第4の磁性体成分3a乃至3dで構成される磁性体薄膜パターンを配置する。そして、この一次導体200から、ブリッジ構造における電流入出力端子A、Bを介してこの強磁性体薄膜に素子電流を供給するとともに、この電流入出力端子A、Bの中間位置に電圧入力端子C及び電圧出力端子Dを接続し、出力を検出する。この電力計測装置では、ブリッジ構造を構成する第1乃至第4の磁性体成分3a乃至3dを構成し、磁性体薄膜のブリッジに対し、素子電流を供給する方向に対し直交する方向に出力取り出しを行い、直接電力を取り出すようにしている。
つまりこの電力計測装置は、図2に原理説明図を示すように、ブリッジ構造をなすパターンからなる磁性体薄膜3が中心に対して対称な位置に配置される。そして、この強磁性体薄膜パターン上にある電流入出力端子A、Bを給電部とし、素子電流Iが供給される。この電流入出力端子A、Bを結ぶ線分に直交するとともに強磁性体薄膜パターンの中心を通る直線上に電圧入出力端子C、Dを設け、これを、検出部とし出力取り出しを行う。そして線分AD、線分AC、線分CB、線分BDがブリッジ構造をとる第1乃至第4の磁性体成分を構成する。つまり素子電流を供給する方向ABに直交する方向CDを出力取り出し方向としている。
このとき、図2に示すように、磁性体薄膜3の電流入出力端子A、Bに沿って配置された導体200に電流Iを流し、その電流によって生じる磁界ベクトルをH、素子の持つ自発磁化ベクトルをM(B)としたときを考える。このとき、磁界ベクトルH、素子の持つ自発磁化ベクトルM(B)を合成した磁束密度ベクトルをBM―0とするとともに電流密度ベクトルと磁束密度ベクトルBM―0のなす角をθとする。そして、磁性体薄膜3の点A−B間の各部抵抗をR、磁界によって変化する点A−B間の各部抵抗値変化の最大値をΔRとする。このとき、点C−D間の電圧VC−Dは、電圧VA−Cと電圧VA−Dとの差で表すことができる。
これを数式化すると、
C―D=I(ΔRsin2θ) (式2)
で表すことができる。ここで、BM0は磁束密度ベクトル、Iは素子電流である。
従って、交流磁界を印加した時、正負を判定することができる。
次に、図2に示すように、この磁性体薄膜3のパターンを4つのブリッジ成分R−Rとした場合を考える。4つのブリッジ成分R−Rに固定抵抗Rを介して負荷Lが接続され、交流電源Pに接続されている。まず、図2に示す等価回路図において、次の(式3)が成立し、点C−D間の電圧VC−Dは、点B−A間の電圧VB−Aに比例する(次(式3)参照)。VB―Aは負荷電圧に比例する。
Figure 0005793682
(式3)
そしてこの抵抗のアンバランスの度合いは負荷電流に比例する。従って、C−D間電圧VC―Dは、負荷電流に比例する。
従って、C−D間電圧VC―Dは負荷で消費される電力に比例することになる。
このように、フルブリッジ回路の場合、出力は、負荷電流による抵抗変化分と負荷電圧の積となるため、(式3)から明らかなように、出力がダイレクトに電力信号I・Vに比例した値となる。従って、適切な定数1/kを乗じることにより、C−D間電圧VC―Dから電力情報(I・V)を得ることができる。
本発明のフルブリッジ回路を用いた場合、出力は負荷電流による抵抗変化分と、負荷電圧の積となるため、出力がそのまま電力信号となっている。従って、容易に電力成分の取り出しを行うことが出来る。
以上説明してきたように、本実施の形態の電力計測装置によれば、交流と同じ周波数成分を取り除くことで、電力信号のみを取り出すことができ、検出部のAD変換器22を高分解能にすることなく高計測精度を保つことができる。従って、高感度の電力計測装置を提供することが可能となる。
また、小型のバイアス磁石を配置することで、より高感度化を図ることができる。
ここで磁性体薄膜としては、単層構造の強磁性体薄膜のほか、強磁性体/非磁性導電体構造のアンチフェロ結合型薄膜、高保磁力強磁性体/非磁性導電体/低保磁力強磁性体構造の誘導フェリ非結合型薄膜、半強磁性体/強磁性体/非磁性導電体/強磁性体構造のスピンバルブ型薄膜、Co/Ag系統の非固溶系グラニュラー型薄膜などから選択して形成される。
また導体パターンとしては金、銅、アルミニウムなどが用いられる。
次に、この磁界センサの製造工程について説明する。
基板としてのシリコン基板表面に、絶縁膜としての酸化シリコン膜を形成し、この上層に、スパッタリング法により、磁性体薄膜3を形成する。
そして、フォトリソグラフィによりこの磁性体薄膜3をパターニングする。
こののち、これら給電部及び検出部に相当する位置にパッドを形成する。
この磁界センサの出力特性を確認するため、図3に示すような測定装置を用いて実験を行った。図1および2に示した磁界センサ501の給電部A、Bに、交流電源507から変圧器506及び抵抗505を介して交流を供給する。そして、磁界センサ501の検出部C、Dにアンプ502を介して表示部としてのオシロスコープ504を接続したものである。503は安定化電源である。なおこの測定装置は鉄製のケーシング500内に収納されている。ここでは、この素子を搭載した素子基板からなる磁界センサ501を鉛直に配置し、素子と、測定すべき電流線との離間距離を約3mmとして測定を行った。
このようにして得られた電流値と、素子出力電圧によれば、アンプによるオフセット以外はオフセットもなく、信頼性の高いものとなる。
なお、前記実施の形態では、鉛直方向に配置した素子基板を用いた測定について説明したが、測定すべき電線を素子基板上に載せることによって測定を行うようにしてもよい。
本実施の形態では、計測磁界を印加していないが、本実施の形態1の電力計測装置に対し、以下の実施の形態に示すように、一方向に小さな計測磁界を印加することで、より安定に電力計測を行うことが可能となる。
このように、本発明の実施の形態1によれば、第1乃至第4の磁性体成分の磁化方向が、第1乃至第4の磁性体成分R1−R4のそれぞれの方向に対し−45°あるいは45°の角度をなすようにすることで、極めて効率よく制御することが可能となる。この関係を図2に矢印で示す。
さらに、第1乃至第4の磁性体成分の磁化方向が、前記第1乃至第4の磁性体成分のそれぞれを流れる電流の方向に対し−45°あるいは45°の角度をなすようにするのが望ましい。
なお、望ましい磁化方向は、電流方向によって異なるが、第1乃至第4の磁性体成分の磁化方向が、第1乃至第4の磁性体成分のそれぞれを流れる電流の方向に対し絶対値が45°あるいは135°の角度をなすようにすることで、高効率の計測が可能となる。
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2について図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施の形態2の電力計測装置の概念図を、図4(a)乃至(c)に示す。(a)は概要図、(b)は磁性体薄膜3の出力、(c)は同期交流低減部21の出力を示す説明図である。この電力計測装置では、同期交流低減部21として、一次導体に流れる交流と同一の周波数成分を持つ同期交流信号を発生する同期交流信号発生部211と、磁性体薄膜3両端の出力に前記同期交流信号を加減算する加減算部212とで、構成される。他部については前記実施の形態1と同様であるためここでは説明を省略する。
そして磁性体薄膜3は、交流が流れる一次導体200に対し、平行となるように配置される。そしてこの磁性体薄膜3は、一次導体200に接続される。そしてこの磁性体薄膜3に素子電流を供給する入力端子を備えた給電部5が接続され、検出部20において磁性体薄膜3両端の出力が検出される。
そしてこの検出部20は同期交流低減部21の出力をデジタル変換するAD変換部22と、更にこのAD変換部22の出力をデジタル処理するデジタル処理部23とを具備し、電力値として出力する。
磁性体薄膜3の出力S1は図4(b)に示すように、式1に示したとおり、出力は、直流成分の項(DC)と、交流と同じ周波数成分の項(ω)と、交流の2倍周波数成分の項(2ω)とに分けられる。そして同期交流低減部21を経て、図4(c)に示すように、交流と同じ周波数成分の項(ω)が除去されて、直流成分の項(DC)と、交流の2倍周波数成分の項(2ω)とが出力S2として出力される。
この電力計測装置によれば、交流から同期交流信号を適切な振幅として発生することで、容易に電力信号のみを取り出すことができる。
(実施の形態3)
次に本発明の実施の形態3について図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施の形態3の電力計測装置の概念図を、図5(a)乃至(c)に示す。(a)は概要図、(b)は磁性体薄膜3の出力、(c)は同期交流低減部21の出力を示す説明図である。本実施の形態では同期交流信号発生部211を交流から抵抗で分圧した電圧信号を同期交流信号としたものである。この電力計測装置では、同期交流低減部21を、一次導体に流れる交流と同一の周波数成分を持つ同期交流信号を発生する同期交流信号発生部211と、磁性体薄膜3両端の出力に前記同期交流信号を加減算する加減算部212とで、構成される。他部については前記実施の形態1および2と同様であるためここでは説明を省略する。
そして磁性体薄膜3は、交流が流れる一次導体200に対し、平行となるように配置される。そしてこの磁性体薄膜3は、一次導体200に接続される。そしてこの磁性体薄膜3に素子電流を供給する入力端子を備えた給電部5が接続され、検出部20において磁性体薄膜3両端の出力が検出される。
そしてこの検出部20は同期交流低減部21の出力をデジタル変換するAD変換部22と、更にこのAD変換部22の出力をデジタル処理するデジタル処理部23とを具備し、電力値として出力する。
磁性体薄膜3の出力S1は図5(b)に示すように、式1に示したとおり、出力は、直流成分の項(DC)と、交流と同じ周波数成分の項(ω)と、交流の2倍周波数成分の項(2ω)とに分けられる。そして同期交流低減部21を経て、図5(c)に示すように、交流と同じ周波数成分の項(ω)が除去されて、直流成分の項(DC)と、交流の2倍周波数成分の項(2ω)とが出力S2として出力される。
この電力計測装置によれば、交流と同期する交流信号を容易に作ることができ、磁性体薄膜の出力から交流同期成分を容易に低減できる。
(実施の形態4)
次に本発明の実施の形態4について図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施の形態4の電力計測装置の概念図を、図6(a)乃至(c)に示す。(a)は概要図、(b)は磁性体薄膜3の出力、(c)は同期交流低減部21の出力を示す説明図である。本実施の形態では同期交流信号発生部211が同期交流信号の振幅を調整する振幅調整部213を備えたものである。図7は振幅調整部213の具体的構成を示す図である。振幅調整部は、ピークからピークまでを演算し、その分圧抵抗に切り替えるかを判断する切り替え判断部2131と切り替え制御信号出力部2132と切り替え部2133とを備え、この切り替え部2133の出力を加減算部212に出力するようになっている。またこの電力計測装置では、同期交流低減部21を、一次導体に流れる交流と同一の周波数成分を持つ同期交流信号を発生する同期交流信号発生部211と、磁性体薄膜3両端の出力に前記同期交流信号を加減算する加減算部212とで、構成される。他部については前記実施の形態1および2と同様であるためここでは説明を省略する。
そして磁性体薄膜3は、交流が流れる一次導体200に対し、平行となるように配置される。そしてこの磁性体薄膜3は、一次導体200に接続される。そしてこの磁性体薄膜3に素子電流を供給する入力端子を備えた給電部5が接続され、検出部20において磁性体薄膜3両端の出力が検出される。
そしてこの検出部20は同期交流低減部21の出力をデジタル変換するAD変換部22と、更にこのAD変換部22の出力をデジタル処理するデジタル処理部23とを具備し、電力値として出力する。
磁性体薄膜3の出力S1は図6(b)に示すように、式1に示したとおり、出力は、直流成分の項(DC)と、交流と同じ周波数成分の項(ω)と、交流の2倍周波数成分の項(2ω)とに分けられる。そして同期交流低減部21を経て、図6(c)に示すように、交流と同じ周波数成分の項(ω)が除去されて、直流成分の項(DC)と、交流の2倍周波数成分の項(2ω)とが出力S2として出力される。
この電力計測装置によれば、交流と同期かつ振幅同等の交流信号を容易に作ることができ、磁性体薄膜の出力から交流同期成分を容易に低減することができる。
(実施の形態5)
次に本発明の実施の形態5について図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施の形態6の電力計測装置の概念図を、図8(a)乃至(c)に示す。(a)は概要図、(b)は磁性体薄膜3の出力、(c)は同期交流低減部21の出力を示す説明図である。本実施の形態の電力計測装置は、同期交流信号発生部211に検出部20のデジタル値から前記同期交流信号と同期する現状の交流信号を抽出し、同期交流信号を出力する振幅入力部214を設けたものである。この電力計測装置では、同期交流低減部21が、一次導体に流れる交流と同一の周波数成分を持つ同期交流信号を発生する同期交流信号発生部211と、磁性体薄膜3両端の出力に前記同期交流信号を加減算する加減算部212とで、構成される。他部については前記実施の形態4と同様であるためここでは説明を省略する。
そして磁性体薄膜3は、交流が流れる一次導体200に対し、平行となるように配置される。そしてこの磁性体薄膜3は、一次導体200に接続される。そしてこの磁性体薄膜3に素子電流を供給する入力端子を備えた給電部5が接続され、検出部20において磁性体薄膜3両端の出力が検出される。
そしてこの検出部20は同期交流低減部21の出力をデジタル変換するAD変換部22と、更にこのAD変換部22の出力をデジタル処理するデジタル処理部23とを具備し、電力値として出力する。
磁性体薄膜3の出力S1は図(b)に示すように、式1に示したとおり、出力は、直流成分の項(DC)と、交流と同じ周波数成分の項(ω)と、交流の2倍周波数成分の項(2ω)とに分けられる。そして同期交流低減部21を経て、図(c)に示すように、交流と同じ周波数成分の項(ω)が除去されて、直流成分の項(DC)と、交流の2倍周波数成分の項(2ω)とが出力S2として出力される。
この電力計測装置によれば、交流と同期する交流信号を抽出する振幅入力部214により現状の同期交流信号をもって、振幅調整部213の調整量を制御するため、同期交流信号を適切な大きさに容易に調整でき、もって検出部20に入力される交流と同じ周波数成分」を適切に零化できるシステムを組み上げることができる。
なお、前記実施の形態では、磁性体薄膜をスパッタリング法で形成したが、スパッタリング法に限定されることなく、真空蒸着法あるいは、塗布法、浸漬法などによっても形成可能である。
また基板についても、シリコンなどの半導体基板のほか、サファイア、ガラス、セラミック等の無機系基板あるいは、樹脂等の有機系基板などいずれを用いてもよい。これらのなかでは特に、いわゆる可撓性に優れ、薄くて軽いものを用いることが好ましく、例えば、印刷配線板等として広く使用されているプラスチックフィルムと同様の基板を使用することができる。より具体的には、プラスチックフィルム材質として公知の各種の材料、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリポロピレン(PP)、テフロン(登録商標)等が利用可能である。可撓性の基板を用いることにより、測定すべき電線を囲むように配置するなど、より高感度となるように配置することが可能となる。また、ハンダによる接合を考慮して、耐熱性の高いポリイミドフィルムを用いるようにしてもよい。なお基板の厚さは、特に限定されるものではないが、1〜300μm程度の厚さのものが好ましい。
さらにまた、ガラス基板などの基板上に直接磁性体薄膜パターンを形成して磁界センサを形成してもよいが、一旦チップを形成し、これをガラス基板やプリント配線基板などにワイヤボンディング法や、フリップチップ法で実装するようにしてもよい。またチップ内に、処理回路も含めて集積化することでより高精度で信頼性の高い磁界センサを提供することが可能となる。
なお前記実施の形態に限定されるものではなく、磁性体薄膜の出力取り出し方向を素子電流の供給方向に対し直交する方向とするとともに、素子電流の方向に対して磁気抵抗が対称となるように形成するものであれば適用可能である。これにより、方向の正負を判定することができ、かつ磁界を印加しないときのオフセットがなくなるため回路構成を簡単にすることができる。
また前記実施の形態では強磁性体薄膜を用いた磁界センサを用いたが、これに限定されることなく他の磁界センサを用いてもよい。
また、磁界センサを構成する磁性体薄膜は、高感度化の点からは磁化方向が素子電流の方向と一致するように形成されるのが望ましい。ブリッジを構成する場合の磁性体薄膜は、高感度化の点からは磁化方向が各ブリッジを流れる電流の方向に対して絶対値で45°あるいは135°の角度をなすように形成されるのが望ましい。
3 磁性体薄膜
3a、3b、3c、3d 磁性体成分
A、B 給電部(電流入出力端子)
C、D 検出部(電圧入出力端子)
6 磁界印加手段
20 検出部
21 同期交流低減部
200 一次導体
211 同期交流信号発生部
212 加減算部
213 振幅調整部
2131 切り替え判断部
2132 切り替え制御信号出力部
2133 切り替え部
214 振幅入力部
500 ケーシング
501 磁界センサ
502 アンプ
503 安定化電源
504 オシロスコープ
505 抵抗
506 変圧器
507 交流電源

Claims (3)

  1. 交流が流れる一次導体に対し、平行となるように配置された磁性体薄膜と、
    前記一次導体に接続され、前記磁性体薄膜に素子電流を供給する電流入出力端子を備えた給電部と、
    前記磁性体薄膜両端の出力を検出する検出部と、
    を具備した電力計測装置に於いて、
    前記磁性体薄膜の出力から交流と同じ周波数成分を低減した波形を出力する同期交流低減部を有し、
    前記同期交流低減部が、
    前記一次導体に流れる交流と同一の周波数成分を持つ同期交流信号を発生する同期交流信号発生部と、
    前記磁性体薄膜両端の出力に前記同期交流信号を加減算する加減算部と、を有し
    前記同期交流信号発生部が、
    前記交流から分圧した電圧信号を同期交流信号として出力するとともに、前記検出部のデジタル値から前記同期交流信号と同期する現状の交流信号を抽出し、同期交流信号を出力する振幅入力部を有する電力計測装置。
  2. 請求項に記載の電力計測装置であって、
    前記同期交流信号発生部が、
    前記同期交流信号の振幅を調整する振幅調整部を備えた電力計測装置。
  3. 請求項1に記載の電力計測装置であって、
    前記磁性体薄膜が、ブリッジ構造をとるように順次配列された第1乃至第4の磁性体成分で構成され、前記一次導体に対し、平行な平面上に配置され、
    前記電流入出力端子を結ぶ線上で、前記磁性体薄膜の中間位置に接続され、前記磁性体薄膜の出力を検出する電圧入出力端子を備えた検出部具備した電力計測装置。
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